台本概要

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タイトル 耳に誘う ~深夜の雷(かみなり)~
作者名 天びん。  (@libra_micchan)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 1人用台本(女1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 一目惚れならぬその人の声に恋をした女性の話。
※本作は女性のソロ台本ですが、性別変更したい場合は男性のソロ台本「耳に誘う ~雪解けの日差し~」をご利用下さい。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
20 本作の語り手。名前の読みは「ミナミ」。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
:【タイトル】 : 耳に誘う ~深夜の雷(かみなり)~ : : :【登場人物】 : 南:本作の語り手。名前の読みは「ミナミ」。 南:※本作は女性のソロ台本ですが、性別変更したい場合は男性のソロ台本「耳に誘う ~雪解けの日差し~」をご利用下さい。 : : : : : :【本編】 : 南:俗に「全身が雷に打たれたような衝撃」という言葉がある。 : 南:私は少し前まで(そんな大げさな表現、よく考えつくなぁ…)と思っていた。 : 南:ネットでお気に入りの配信者の動画を視聴していた際、広告で目にした配信アプリ。何となく気になってインストールしたのは良いけど、何をどうしたら良いのか分からなくて、とりあえず私は適当に目についた人の枠を覗くことにした。 : 南:まず目についたのは、お気に入りの配信者も動画であげていたホラーゲームをプレイしながら配信している女の子。女の子はかなり怖がりなのか、脅かし要素がくる度に絶叫していたけど、視聴者達はそれにコメントしたり、ギフトを投げて励ましている…。 : 南:そのやり取りを見て何となくアプリの仕様を理解した私は、彼女と少し話して仲良くなった。お喋りを終え、彼女が配信を閉じたことを確認すると、次の枠に飛ぶ。 : 南:次に目についたのは、海のように綺麗な目のアバターを使っている男の子。ちょうど配信を始めたばかりのようで、私以外にも視聴者が何人もなだれ込んでくる。 : 南:ふと入室記録に目をやると、先程ホラーゲーム実況をしていた女の子が今度は視聴者として入室していた。 : 南:私の存在に気付いた彼女が、その配信者に私のことを紹介すると視聴者、配信者に関わらずみんな初心者の私に優しくしてくれた。 : 南:生まれて初めて雑談配信をしてみたり、コラボ配信で音量設定を間違って一人だけ音量が小さすぎたりして、企画の大事なところで「声が聞こえないよー」とコメントでツッコまれたりして、慣れないながらもその配信アプリを楽しんでいた。 : 南:ある日の深夜、仲の良い男性配信者が配信を始めたようで、配信開始の通知が来た。その人の配信に今まで行ったことがなく、声も聞いたことがなかった私は、配信タイトルが「作業配信」と書かれていたのも気になり、いつものように通知をタップし、枠に飛び込んだ。 : 南:―瞬間、私は圧倒された。 : 南:私に投げかけられたのは「お!南さん、いらっしゃい。…来てくれたんだ?初見さんも常連さんもゆっくりしてってねー。」という何気ない挨拶。 : 南:落ち着いた低めの声。かといって低すぎるでもなく、まさにちょうどいい高さのそれが耳に到達すると、自分の身体は固まってしまっていた。 : 南:まるで脳が身体全体の情報を書き換えていくかのように、何かが身体全体に行き渡っていくのを感じる。 : 南:タイトル通り作業中なのか、カタカタ…と静かに絶え間なく聞こえてくるワープロの音。その無機質な音がまた、声の味を引き出すいいBGМとなっていた。 : 南:例えるならボンヤリと薄暗い広間のような空間で、はっきり存在感を誇示しながら、奥の椅子に腰かけ、飛び込んでくる視聴者を優しく澄んだ眼差しで迎える王…。私はそんな雰囲気を感じ取っていた。 : 南:この時から私はまるで魔法にかかってしまったかのようにその人の声の虜になった。…それこそ、その人の声を聴かないと寝られなくなってしまうほどに。 : 南:あなたの声で安堵したい、癒されたい、満たされたい…。 : 南:声の魔法は強く、激しく…さながら雷(かみなり)のように私を捉え、深夜の空気に溶けていった。

:【タイトル】 : 耳に誘う ~深夜の雷(かみなり)~ : : :【登場人物】 : 南:本作の語り手。名前の読みは「ミナミ」。 南:※本作は女性のソロ台本ですが、性別変更したい場合は男性のソロ台本「耳に誘う ~雪解けの日差し~」をご利用下さい。 : : : : : :【本編】 : 南:俗に「全身が雷に打たれたような衝撃」という言葉がある。 : 南:私は少し前まで(そんな大げさな表現、よく考えつくなぁ…)と思っていた。 : 南:ネットでお気に入りの配信者の動画を視聴していた際、広告で目にした配信アプリ。何となく気になってインストールしたのは良いけど、何をどうしたら良いのか分からなくて、とりあえず私は適当に目についた人の枠を覗くことにした。 : 南:まず目についたのは、お気に入りの配信者も動画であげていたホラーゲームをプレイしながら配信している女の子。女の子はかなり怖がりなのか、脅かし要素がくる度に絶叫していたけど、視聴者達はそれにコメントしたり、ギフトを投げて励ましている…。 : 南:そのやり取りを見て何となくアプリの仕様を理解した私は、彼女と少し話して仲良くなった。お喋りを終え、彼女が配信を閉じたことを確認すると、次の枠に飛ぶ。 : 南:次に目についたのは、海のように綺麗な目のアバターを使っている男の子。ちょうど配信を始めたばかりのようで、私以外にも視聴者が何人もなだれ込んでくる。 : 南:ふと入室記録に目をやると、先程ホラーゲーム実況をしていた女の子が今度は視聴者として入室していた。 : 南:私の存在に気付いた彼女が、その配信者に私のことを紹介すると視聴者、配信者に関わらずみんな初心者の私に優しくしてくれた。 : 南:生まれて初めて雑談配信をしてみたり、コラボ配信で音量設定を間違って一人だけ音量が小さすぎたりして、企画の大事なところで「声が聞こえないよー」とコメントでツッコまれたりして、慣れないながらもその配信アプリを楽しんでいた。 : 南:ある日の深夜、仲の良い男性配信者が配信を始めたようで、配信開始の通知が来た。その人の配信に今まで行ったことがなく、声も聞いたことがなかった私は、配信タイトルが「作業配信」と書かれていたのも気になり、いつものように通知をタップし、枠に飛び込んだ。 : 南:―瞬間、私は圧倒された。 : 南:私に投げかけられたのは「お!南さん、いらっしゃい。…来てくれたんだ?初見さんも常連さんもゆっくりしてってねー。」という何気ない挨拶。 : 南:落ち着いた低めの声。かといって低すぎるでもなく、まさにちょうどいい高さのそれが耳に到達すると、自分の身体は固まってしまっていた。 : 南:まるで脳が身体全体の情報を書き換えていくかのように、何かが身体全体に行き渡っていくのを感じる。 : 南:タイトル通り作業中なのか、カタカタ…と静かに絶え間なく聞こえてくるワープロの音。その無機質な音がまた、声の味を引き出すいいBGМとなっていた。 : 南:例えるならボンヤリと薄暗い広間のような空間で、はっきり存在感を誇示しながら、奥の椅子に腰かけ、飛び込んでくる視聴者を優しく澄んだ眼差しで迎える王…。私はそんな雰囲気を感じ取っていた。 : 南:この時から私はまるで魔法にかかってしまったかのようにその人の声の虜になった。…それこそ、その人の声を聴かないと寝られなくなってしまうほどに。 : 南:あなたの声で安堵したい、癒されたい、満たされたい…。 : 南:声の魔法は強く、激しく…さながら雷(かみなり)のように私を捉え、深夜の空気に溶けていった。