台本概要
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タイトル | 新生活は筋肉と共に |
---|---|
作者名 | 瓶の人 (@binbintumeru) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
期待に胸を膨らませて、いざ念願の1人暮らし キラキラと輝くキャンパスライフが待っていると思いきや 輝いていたのは流れる汗だった!? ※注意事項 ●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡ください。 ●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や、語尾等の軽微な改変はご連絡不要です。 ●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。 ●全力で楽しんで下さると幸いです。 446 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
私 | 不問 | 46 | 今年から大学生になった 田舎から出て、東京へと上京してきた |
幽霊 | 不問 | 38 | その昔、ある事が原因で部屋で亡くなった悲しみのガチムチ 鍛え上げられたその体はまさにチョモランマ |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
私:「ここが今日から私が住む部屋…!念願の一人暮らし…!んん~~!大学生活を謳歌するぞー!!」
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私:【N】ずっと田舎に住んでいた私は大学に進学するのと同時に上京し、外観は少しボロいが中はそこそこ綺麗なアパートで念願の一人暮らしを始めた。
私:この時の私は、この後起こる奇妙な出来事に巻き込まれるとは知る由もなかった…
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私:「たっだいまーってそうだ…誰もいないんだった。ふふ、だって一人暮らしなんだもんね。あーなんか変にワクワクしちゃう!」
0:不意に棚に置いてあった物が落ちる
私:「え?なんで落ちたんだろ…?ここのアパートボロいから玄関を閉めた衝撃で落ちた…とか?でもそんな強く閉めたかな…?まあ、いっか。早くご飯食べて寝よっと!」
0:
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0:夜、寝静まった頃
私:「んんー……すーすー…」
0:荒い息遣いがどこからともなく聞こえ、うなされる
幽霊:「ふう…んんふううっ…はあ!」
私:「ん…んん……」
幽霊:「んふぅ…んふぅ…」
私:「んん……ん…」
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0:夜が明け、起床する
私:「ふわぁ…ねむい……なんか夜眠れなかったなぁ…変な声が聞こえる不思議な夢見たし…何だったんだろ…新しい環境だからうまく寝れなかったのかな…
私:ん?なんだこれ……水?なんで枕元に水溜まりが…?なんかこぼしたっけ?……って!もうこんな時間!早く大学行かなきゃ!」
0:
私:【N】大学から帰ると、偶然鉢合わせた大家さんから突然『若いっていいわね』と頬を赤らめながら言われた。一体どういうことだろう…?
私:不思議に思いながらもそのまま部屋に戻った。
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0:その日の夜、睡眠中に再び荒い息遣いが聞こえる
幽霊:「んはぁ…んふぅ…」
私:「んん……んにゃ…?これ…夢……?じゃない…なにこの声…」
幽霊:「ふっ!んふっ!んっ!!」
私:「え、なに!?枕元で誰か変なことしてる!?誰!?って体が動かない!?」
幽霊:「おやっ?ふっ!起きてしまいましたか!んんっ!ふっ!」
私:「起きてしまいましたか、じゃない!アンタ誰なの!なんで体が動かないの!?そして何してんのさっきから!」
幽霊:「ふふぅん!実はわたくし、幽っ!霊っ!でして!少しばかりアナタには金縛りをっ!かけさせて、頂いておりますぅんん!」
私:「えええ!?ゆゆゆ幽霊!?幽霊って言った!?」
幽霊:「そうっ!そして、いま私はっ!ふっ!絶賛っ!筋トレ中でっ!ございます!!んんぅうん!!」
私:「幽霊…なんで幽霊が…なんで幽霊がこの部屋に……って……え?筋トレ?幽霊が筋トレ?」
幽霊:「はいっ、筋トレ!ですぅん!」
私:「なんで…筋トレ?」
幽霊:「ええ、生前わたくしはボディビルをやっておりましたっ!はっ!満足の行く体が作れず、不慮の事故にあい!この部屋で亡くなったんですんぅ!」
私:「え?この部屋で…?この部屋で何があったの…?」
0:筋トレをやめ静かになる幽霊
幽霊:「ふう…それは…」
私:「それは…?」
幽霊:「それは…」
私:「それ…は…?」
幽霊:「足の小指をタンスの角にぶつけ、痛みに悶えた所をタンスに頭を強打してそのまま……くぅっ!!」
私:「……。」
幽霊:「そしてわたくしは…己の未熟な筋肉を恥て、霊体となった今も毎晩こうして鍛えているのです。タンス如きに負けない屈強な肉体を手に入れる為に…!」
私:「そんな…そんなくだらない理由で人の睡眠時間削んなよおお!それ筋肉どうこうの問題じゃねえよ、ただの不注意だろうがよおお!?
私:てか毎晩って言った!?もしかして大家さんのあの言葉…そういうことか……!
私:おいちょっと、金縛り解けよ!お前のせいで大家さんに変な誤解させてんだよ!いっぺんその顔殴らないと気が済まないわ!!」
幽霊:「ひぃ!?ちょっ、暴れないくださいよ。殴るって言ってる人の金縛りなんか解くわけないでしょう!」
私:「チィ……そもそも、なんで筋トレするのに金縛りなんかかけてんの。」
幽霊:「え、え~…だ、だってぇ…」
私:「なに。はやくいいなよ。」
幽霊:「トレーニングしてる姿見られるの恥ずかしいじゃないですか…ポッ。」
私:「………おい。」
幽霊:「はい…?」
私:「金縛り解きやがれええええええ!殴らせろ!今すぐアンタを殴らせろおおお!」
幽霊:「ひぃいいいい!?」
私:「筋トレしてる声だけ聴かされてるこっちの身にもなれよ!ずっと『ふっ!』『はっ!』とか聴こえてくるのかなり気持ち悪いんだからな!」
幽霊:「だ、だ、だってぇ~…もじもじ。トレーニングしてる時の顔って絶対変な顔してると思うんですよ~。そんな顔見られたくないじゃないですか~…てれっ。」
私:「うるせえええ!ってかさっきからなんだその『もじもじ』とか『てれっ』とかさあ!
私:ガチムチがもじもじしながら恥じらってる姿がイメージされてこの上なく気持ち悪いんだけど!?」
幽霊:「声だけだとわからないと思うので、わたくしの状況や心境をせめて言葉にしてお伝えしようかと…」
私:「金縛り解けばそんなことしなくていいと思うんだけど…?」
幽霊:「絶対に嫌です。」
私:「頑なだな!はあ…もういいや……それで?いつまでこの状態でいればいいの?さすがにこのままじゃ寝れないんだけど?」
幽霊:「そうですね。わたくしの筋トレメニューがすべて終わるまではそのままでいてください。」
私:「は?それってどれくらいあんの…?」
幽霊:「えーっと…今日は下半身を主としているのでスクワット、アダクション、フロッグジャンプ、レッグオープン、バービーを
幽霊:各10回1セットとしましてそれを3セットですね。さらに各トレーニングの合間にプランクも15秒ほど入れます。」
私:「…多くない…?」
幽霊:「そうですか?そんなことはないと思いますが…」
私:「絶対多いよ、専門用語多くてよくわかんないけど絶対多いよ!」
幽霊:「ちなみに、スクワットはノーマルは終わっているので、次はワイドスタンススクワットからですね。」
私:「ん?んん?まって?スクワットって1種類だけじゃないの?」
幽霊:「いいえ?ノーマル、ワイドスタンス、ジャンピング、スプリット、ナローの5種類を今回はやりますよ。」
私:「…まじか……いつおわるんだよそれ…」
幽霊:「ふふ…さあ、さっそくはじめますよー!」
私:【N】そして地獄が始まった。
幽霊:「ふうっ!んんっ!いいよお、四頭筋に効いてるよお!筋肉が生き生きしてるよお!」
私:【N】激しく筋トレをしている奴の声が聞こえる。奴の筋肉に負荷がかかる度に、私の精神にも負荷がかかってくる
幽霊:「ああっ!んふううううん!大殿筋!が!喜んでいる!んんん!剝きたてのカニのようにプリリッと!躍動している!」
私:【N】いますぐこいつの尻に牙を剥き食らいついてやりたい、と湧き上がる感情を抑えなんとかして眠りにつこうとするが
幽霊:「下腿三頭筋も!良い顔をするじゃないか!ふうん!ハムストリングスに負け!らんないもん!なああっ!おおん!」
私:【N】豪雨のように降り注ぐ汗が私の眠りを妨げる。ああ、あの水ってこいつの汗だったんだ…そういや今夜って大雨洪水警報出てたっけ?
幽霊:「さあ、ラストスパートだ!最後まで!気を!抜くなよおお!」
私:【N】お?やっと終わ…る?ん?んん?なんかすんごいドッタンバッタン激し……
幽霊:「おふう!やっぱり!バーピーは!全身に!効きますなあああ!んふう!」
私:「おいおいおいおい!まて!まてったら!!静かにしろおお!何してんのか見えないからわかんないけどもう少し静かにやれ!」
幽霊:「ん?起きていらっしゃったん!ですね!」
私:「この状況で寝られるわけないだろ!そんなことよりとまれ!とまれったら!ここ2階!下に人住んでるの!!それに結構ここ壁薄いんだから怒られる!」
幽霊:「そうは言っても!バーピーは!こういうものですから!ね!んん!」
0:刹那、壁がドンドンと叩かれ、部屋のチャイムが連打される
私:「あああああ…!!ほら言わんこっちゃない!おい!今すぐ金縛り解いて!」
幽霊:「そう言われましても!まだ筋トレ中!ですので!んふふん!この姿を見られるのは…恥ずかしいですよ…ポッ。」
私:「うるせえええ!頼むから…解いてくれええええええ!!」
私:【N】私の叫び声は激しくなる筋トレの声と壁ドンとチャイムの音に呑まれていった…
0:
0:
0:
0:窓から差し込む日差しと共に鳥のさえずりが聞こえる朝
0:
私:【N】昨晩の騒動はひたすら謝り倒して今回だけは、となんとか許してもらえた。
私:渋々金縛りを解いた騒ぎの原因であるガチムチ幽霊は、私が謝っている間に筋トレを終えていたようで姿を見せることなくいつの間にか消えていた。
私:大家さんにも『昨晩は激しかったわねえ』と言われた。二度度会いたくないが、もし今度あのガチムチに会ったら大量の塩を振りかけてやりたいと決意した。
私:そしてその晩再会は早くもやってきた…当然のようにまた奴が部屋に現れた
0:
幽霊:「今夜も筋トレ始めていきますよー!今日は肩回りを中心に鍛えていきますかぁ!」
私:「……。」
幽霊:「ふうんんっ!ああ!いい!いいですよお!ローテーターカフが!水を得た魚のごとく!跳ねていますよおおお!んんふうん!」
私:【N】今夜も姿を見せないガチムチ幽霊は筋トレをしている声を部屋中に響き渡らせ、私はそれを聴かされながら金縛りにあう
私:「ああ……もう引っ越したい…」
幽霊:「どうです?ふっ!ご一緒に筋トレ!しませんか!?」
私:【N】悪びれもせず汗ばんだ声を向けるガチムチに、私は怒りを込めこう返す
私:「するかバカあああああああああ!!」
私:【N】こうして始まった私の新生活は、先行き不安です…
私:「ここが今日から私が住む部屋…!念願の一人暮らし…!んん~~!大学生活を謳歌するぞー!!」
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私:【N】ずっと田舎に住んでいた私は大学に進学するのと同時に上京し、外観は少しボロいが中はそこそこ綺麗なアパートで念願の一人暮らしを始めた。
私:この時の私は、この後起こる奇妙な出来事に巻き込まれるとは知る由もなかった…
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私:「たっだいまーってそうだ…誰もいないんだった。ふふ、だって一人暮らしなんだもんね。あーなんか変にワクワクしちゃう!」
0:不意に棚に置いてあった物が落ちる
私:「え?なんで落ちたんだろ…?ここのアパートボロいから玄関を閉めた衝撃で落ちた…とか?でもそんな強く閉めたかな…?まあ、いっか。早くご飯食べて寝よっと!」
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0:夜、寝静まった頃
私:「んんー……すーすー…」
0:荒い息遣いがどこからともなく聞こえ、うなされる
幽霊:「ふう…んんふううっ…はあ!」
私:「ん…んん……」
幽霊:「んふぅ…んふぅ…」
私:「んん……ん…」
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0:夜が明け、起床する
私:「ふわぁ…ねむい……なんか夜眠れなかったなぁ…変な声が聞こえる不思議な夢見たし…何だったんだろ…新しい環境だからうまく寝れなかったのかな…
私:ん?なんだこれ……水?なんで枕元に水溜まりが…?なんかこぼしたっけ?……って!もうこんな時間!早く大学行かなきゃ!」
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私:【N】大学から帰ると、偶然鉢合わせた大家さんから突然『若いっていいわね』と頬を赤らめながら言われた。一体どういうことだろう…?
私:不思議に思いながらもそのまま部屋に戻った。
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0:その日の夜、睡眠中に再び荒い息遣いが聞こえる
幽霊:「んはぁ…んふぅ…」
私:「んん……んにゃ…?これ…夢……?じゃない…なにこの声…」
幽霊:「ふっ!んふっ!んっ!!」
私:「え、なに!?枕元で誰か変なことしてる!?誰!?って体が動かない!?」
幽霊:「おやっ?ふっ!起きてしまいましたか!んんっ!ふっ!」
私:「起きてしまいましたか、じゃない!アンタ誰なの!なんで体が動かないの!?そして何してんのさっきから!」
幽霊:「ふふぅん!実はわたくし、幽っ!霊っ!でして!少しばかりアナタには金縛りをっ!かけさせて、頂いておりますぅんん!」
私:「えええ!?ゆゆゆ幽霊!?幽霊って言った!?」
幽霊:「そうっ!そして、いま私はっ!ふっ!絶賛っ!筋トレ中でっ!ございます!!んんぅうん!!」
私:「幽霊…なんで幽霊が…なんで幽霊がこの部屋に……って……え?筋トレ?幽霊が筋トレ?」
幽霊:「はいっ、筋トレ!ですぅん!」
私:「なんで…筋トレ?」
幽霊:「ええ、生前わたくしはボディビルをやっておりましたっ!はっ!満足の行く体が作れず、不慮の事故にあい!この部屋で亡くなったんですんぅ!」
私:「え?この部屋で…?この部屋で何があったの…?」
0:筋トレをやめ静かになる幽霊
幽霊:「ふう…それは…」
私:「それは…?」
幽霊:「それは…」
私:「それ…は…?」
幽霊:「足の小指をタンスの角にぶつけ、痛みに悶えた所をタンスに頭を強打してそのまま……くぅっ!!」
私:「……。」
幽霊:「そしてわたくしは…己の未熟な筋肉を恥て、霊体となった今も毎晩こうして鍛えているのです。タンス如きに負けない屈強な肉体を手に入れる為に…!」
私:「そんな…そんなくだらない理由で人の睡眠時間削んなよおお!それ筋肉どうこうの問題じゃねえよ、ただの不注意だろうがよおお!?
私:てか毎晩って言った!?もしかして大家さんのあの言葉…そういうことか……!
私:おいちょっと、金縛り解けよ!お前のせいで大家さんに変な誤解させてんだよ!いっぺんその顔殴らないと気が済まないわ!!」
幽霊:「ひぃ!?ちょっ、暴れないくださいよ。殴るって言ってる人の金縛りなんか解くわけないでしょう!」
私:「チィ……そもそも、なんで筋トレするのに金縛りなんかかけてんの。」
幽霊:「え、え~…だ、だってぇ…」
私:「なに。はやくいいなよ。」
幽霊:「トレーニングしてる姿見られるの恥ずかしいじゃないですか…ポッ。」
私:「………おい。」
幽霊:「はい…?」
私:「金縛り解きやがれええええええ!殴らせろ!今すぐアンタを殴らせろおおお!」
幽霊:「ひぃいいいい!?」
私:「筋トレしてる声だけ聴かされてるこっちの身にもなれよ!ずっと『ふっ!』『はっ!』とか聴こえてくるのかなり気持ち悪いんだからな!」
幽霊:「だ、だ、だってぇ~…もじもじ。トレーニングしてる時の顔って絶対変な顔してると思うんですよ~。そんな顔見られたくないじゃないですか~…てれっ。」
私:「うるせえええ!ってかさっきからなんだその『もじもじ』とか『てれっ』とかさあ!
私:ガチムチがもじもじしながら恥じらってる姿がイメージされてこの上なく気持ち悪いんだけど!?」
幽霊:「声だけだとわからないと思うので、わたくしの状況や心境をせめて言葉にしてお伝えしようかと…」
私:「金縛り解けばそんなことしなくていいと思うんだけど…?」
幽霊:「絶対に嫌です。」
私:「頑なだな!はあ…もういいや……それで?いつまでこの状態でいればいいの?さすがにこのままじゃ寝れないんだけど?」
幽霊:「そうですね。わたくしの筋トレメニューがすべて終わるまではそのままでいてください。」
私:「は?それってどれくらいあんの…?」
幽霊:「えーっと…今日は下半身を主としているのでスクワット、アダクション、フロッグジャンプ、レッグオープン、バービーを
幽霊:各10回1セットとしましてそれを3セットですね。さらに各トレーニングの合間にプランクも15秒ほど入れます。」
私:「…多くない…?」
幽霊:「そうですか?そんなことはないと思いますが…」
私:「絶対多いよ、専門用語多くてよくわかんないけど絶対多いよ!」
幽霊:「ちなみに、スクワットはノーマルは終わっているので、次はワイドスタンススクワットからですね。」
私:「ん?んん?まって?スクワットって1種類だけじゃないの?」
幽霊:「いいえ?ノーマル、ワイドスタンス、ジャンピング、スプリット、ナローの5種類を今回はやりますよ。」
私:「…まじか……いつおわるんだよそれ…」
幽霊:「ふふ…さあ、さっそくはじめますよー!」
私:【N】そして地獄が始まった。
幽霊:「ふうっ!んんっ!いいよお、四頭筋に効いてるよお!筋肉が生き生きしてるよお!」
私:【N】激しく筋トレをしている奴の声が聞こえる。奴の筋肉に負荷がかかる度に、私の精神にも負荷がかかってくる
幽霊:「ああっ!んふううううん!大殿筋!が!喜んでいる!んんん!剝きたてのカニのようにプリリッと!躍動している!」
私:【N】いますぐこいつの尻に牙を剥き食らいついてやりたい、と湧き上がる感情を抑えなんとかして眠りにつこうとするが
幽霊:「下腿三頭筋も!良い顔をするじゃないか!ふうん!ハムストリングスに負け!らんないもん!なああっ!おおん!」
私:【N】豪雨のように降り注ぐ汗が私の眠りを妨げる。ああ、あの水ってこいつの汗だったんだ…そういや今夜って大雨洪水警報出てたっけ?
幽霊:「さあ、ラストスパートだ!最後まで!気を!抜くなよおお!」
私:【N】お?やっと終わ…る?ん?んん?なんかすんごいドッタンバッタン激し……
幽霊:「おふう!やっぱり!バーピーは!全身に!効きますなあああ!んふう!」
私:「おいおいおいおい!まて!まてったら!!静かにしろおお!何してんのか見えないからわかんないけどもう少し静かにやれ!」
幽霊:「ん?起きていらっしゃったん!ですね!」
私:「この状況で寝られるわけないだろ!そんなことよりとまれ!とまれったら!ここ2階!下に人住んでるの!!それに結構ここ壁薄いんだから怒られる!」
幽霊:「そうは言っても!バーピーは!こういうものですから!ね!んん!」
0:刹那、壁がドンドンと叩かれ、部屋のチャイムが連打される
私:「あああああ…!!ほら言わんこっちゃない!おい!今すぐ金縛り解いて!」
幽霊:「そう言われましても!まだ筋トレ中!ですので!んふふん!この姿を見られるのは…恥ずかしいですよ…ポッ。」
私:「うるせえええ!頼むから…解いてくれええええええ!!」
私:【N】私の叫び声は激しくなる筋トレの声と壁ドンとチャイムの音に呑まれていった…
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私:【N】昨晩の騒動はひたすら謝り倒して今回だけは、となんとか許してもらえた。
私:渋々金縛りを解いた騒ぎの原因であるガチムチ幽霊は、私が謝っている間に筋トレを終えていたようで姿を見せることなくいつの間にか消えていた。
私:大家さんにも『昨晩は激しかったわねえ』と言われた。二度度会いたくないが、もし今度あのガチムチに会ったら大量の塩を振りかけてやりたいと決意した。
私:そしてその晩再会は早くもやってきた…当然のようにまた奴が部屋に現れた
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幽霊:「今夜も筋トレ始めていきますよー!今日は肩回りを中心に鍛えていきますかぁ!」
私:「……。」
幽霊:「ふうんんっ!ああ!いい!いいですよお!ローテーターカフが!水を得た魚のごとく!跳ねていますよおおお!んんふうん!」
私:【N】今夜も姿を見せないガチムチ幽霊は筋トレをしている声を部屋中に響き渡らせ、私はそれを聴かされながら金縛りにあう
私:「ああ……もう引っ越したい…」
幽霊:「どうです?ふっ!ご一緒に筋トレ!しませんか!?」
私:【N】悪びれもせず汗ばんだ声を向けるガチムチに、私は怒りを込めこう返す
私:「するかバカあああああああああ!!」
私:【N】こうして始まった私の新生活は、先行き不安です…