声劇台本置き場

ちなみ：ただいま。 まい：おかえり。お仕事お疲れ様。 ちなみ：うん、ただいま。 まい：あ、仕事が上手くいかなかったんでしょ？ ちなみ：どうして？ まい：ドライだから ちなみ：ドライ？ まい：仕事が上手く行かなくて、疲れて帰ってくる日、ただいまがドライだからさ。 ちなみ：そうかな。 まい：付き合って何カ月だと思ってるの。 ちなみ：・・・お見通しだね。 まい：そういう時ってさ、甘えたくならない？ ちなみ：ならない。 まい：嘘だね。もしくは長女だから？ ちなみ：なんで長女？ まい：頼られないといけないと思っちゃうから。 ちなみ：あーね。 まい：両親への甘え方も知らないから。 ちなみ：それは・・・あるかも。 まい：どう？甘えてみたくない？ ちなみ：・・・・ちょっと。 まい：ヨシ、私がちょっとどころかめちゃくちゃ甘やかしてあげよう。 ちなみ：・・・どうすればいいの？ まい：どうすれば良いかわからないのかぁ・・・とりあえず座ろうか ちなみ：はい。 まい：で、寝ころんで。 ちなみ：こう？ まい：私の膝に頭乗せて ちなみ：ほう・・・ まい：よーし、よーし ちなみ：あ、いいかも。 まい：お仕事、大変だったんだね。 ちなみ：うん、部長がね・・・ まい：いいの、今は仕事のことは話さなくていいの。 まい：ちなみが頑張ってることは私が一番知ってるんだから。 ちなみ：まい・・・ まい：おっ、顔がとろけてきたね。 ちなみ：頭ってあんまり撫でられたことないな・・・・ まい：気持ちいい？ ちなみ：癖には・・・なりそう。 まい：この年になると、あまりされなくなっちゃうよね。 ちなみ：そうだね・・・子どもの頃にもあまりされなかった。 まい：でも、ちなみは無意識に甘えたいって仕草をしてるの。 ちなみ：えっ？ まい：髪を触る癖あるでしょ？ ちなみ：あー、あるかも。 まい：あれって、ストレスを無意識のうちに緩和させたいっていう欲求の現れなんだよ？ ちなみ：そうなんだ・・・すごいね、まい。 まい：ちなみもすごいしエラい。 ちなみ：私は凄くないよ・・・ まい：凄いと思うよ。 ちなみ：どこが？ まい：まず毎日仕事頑張ってて凄い。 まい：次にそのために毎朝ちゃんと起きてエライ。 まい：さらに、毎朝通勤しててエライ。 まい：仕事もしながら家事手伝ってくれるのも凄い。 まい：休みの日は私を楽しませてくれて凄い。 まい：私と一緒に生活してくれるの凄い。 まい：人間として生きててえらい。 ちなみ：ちょっと。ほめ過ぎ。 まい：まだ足りないくらいだよ？ まい：そりゃ、人間みんなやってることって思うかもしれないけど まい：でも、誰かが言ってあげないとさ。 ちなみ：ありがとう まい：よーし、よーし、いいこいいこ。(ちなみが次のセリフを言うまで続ける。) ちなみ：・・・あのさ、お願いがあるの・・・ まい：なになにー？ ちなみ：ちょっとでいいから・・・抱きしめてほしい。 まい：・・・・ ちなみ：流石に引いた？ まい：・・・立って。 ちなみ：え？ まい：いいから立って？ ちなみ：はい・・・ まい：・・・・ぎゅーーーっ！ ちなみ：わふっ。 まい：めっちゃ甘え上手になってるじゃん！ ちなみ：ほめてもなんも出ないよ・・・ まい：今はその表情さえでればいいの！ ちなみ：ありがと。 まい：いいのいいの、今は誰も見てないんだよ？ ちなみ：まい・・・ まい：だからね、ツライときは無理しない。 ちなみ：うん まい：甘えられる人が居るならちゃんと甘える。 ちなみ：そうする。 0：【給湯器のの音】 まい：あっ、お風呂湧いたね。 ちなみ：え、沸かしててくれたの？ まい：うん。 ちなみ：・・・もうちょっと膝枕してくれない？ まい：うーん・・・耳かきしながらしたくない？後身体洗ってあげるよ。 ちなみ：耳かき？ まい：耳垢取りやすくするには、お風呂の後にしたほうがふやけて取りやすいの。 ちなみ：なるほど。 まい：今日はめいっぱい甘えさせてあげるんだから。覚悟してよ？