台本概要

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タイトル 終わりのない階段
作者名 山根利広  (@sousakutc)
ジャンル ホラー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 校内の寂れた階段室で身体を重ね合うミヨとシュウ。
行為後、逃れるように階段を降りたふたりだったが、降りても降りても4階から降りられないのだった……。

・台本の改変OKです。楽しいように、お好きなようにアレンジしていただいて構いません。
・使用に関して有償・無償は問いません。また発表する場も限定いたしませんので、いろいろな場でお使いいただければ幸いです。
・ご使用時にご一報いただけると嬉しいです。強制ではありませんが、ぜひ聴かせていただきたいと思っています。
・トラウマ系ホラーを目指しました。ぜひ怖がりながら読んでいただきたいです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ミヨ 53 16歳、高校生。シュウと交際している。健気な性格だが怖がり。
シュウ 51 16歳、高校生。ミヨと交際している。大胆な一面を持ちながらも優しい人柄。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
タイトル:「終わりのない階段」  : 0:階段。壁には「4階」という文字がある。 ミヨ:ねえ、シュウ。こんなところでするの? シュウ:大丈夫。家だったら家族がいるし、ラブホは入れないし……だからここでしよ? ミヨ:でもここって、いちおう学校の中だし、見つかったらやばくない? シュウ:大丈夫。ここは4階だし、先生たちも普通ここまで見回り来ないよ。 ミヨ:でも……ここってさ、なんか変な噂あるし。 シュウ:噂? ミヨ:聞いたことない? シュウ:そんなのあったっけ。 ミヨ:ほら、夕暮れ時になったら変な泣き声が聞こえるとか……。 シュウ:あ、思い出した。ここのドアから屋上に出た生徒が飛び降りたってやつ? ミヨ:そう、それ。その事件の後、その子が死んだ時間になると、苦しそうな声がこのドアの前で聞こえるって。 シュウ:でもさ、大丈夫だよ。仮に肝試しに来るやつがいるとしても—— ミヨ:そうじゃなくって。なんかあったらって思ったらちょっと怖くない? シュウ:大丈夫だって。なにかあったらおれはミヨを守るから。 ミヨ:シュウ……。 シュウ:おれの目を見て。おれは嘘はつかない。なにがあってもずっとミヨのそばにいる。 ミヨ:うん、……わたしも、シュウを信じてる。 シュウ:ミヨ、キスしていい? ミヨ:いいよ。ん……  : シュウ:はぁ……幸せだったよ、ミヨ。 ミヨ:わたしも……。シュウ、とっても暖かかった。 シュウ:大好きだよ、ミヨ。これからずっと一緒にいようね。 ミヨ:うん。シュウ、大好きだよ。 シュウ:……あれ? ミヨ:どうしたの? シュウ:なんか、変な音しなかった? ミヨ:え? シュウ:こう、呼び声じゃないけどさ、おーい、おーい、って、変な声がさっき聞こえたよ。 ミヨ:な……やめてよ。さっきの話思い出しちゃうじゃん。 シュウ:嘘じゃないって。確かにさっき……あれ? ミヨ:え……ここ、閉まってたはずなのに。 シュウ:ああ、確かにこのドアは閉まってたはずだ。ミヨ、もしかして開けたりした? ミヨ:そんな、そんなことするわけないじゃない! シュウ:……だよな。——とりあえず、1階まで戻って外に出よう。 ミヨ:ねえ、なんか変。見てよ。下、真っ暗だよ? 来た時は電気が点いてたのに。 シュウ:電気が消えてるんだろ、誰か消したんだよ。 ミヨ:でも、誰かが入ってきたようには思えないけど……。 シュウ:このスイッチを入れれば点くだろ。ほら……あれ? 電気が入らない。 ミヨ:停電でもしたのかな……。 シュウ:あ……そうだ、スマホのライトがあるじゃないか。それで照らしながら行けば大丈夫だよ。 ミヨ:そ、そうだね。 シュウ:おれの腕にしがみついてて。大丈夫だから。 ミヨ:うん。足元暗いから、気をつけて、シュウ。  : シュウ:なんか、肝試しみたいだね。 ミヨ:やめてよ、ほんとに怖くなっちゃうじゃん。 シュウ:大丈夫、なんもないって。ひょっとして、ミヨは噂話とかガチで信じるタイプ? ミヨ:いや、基本的に信じないけどさ。でも、怖くなったら思い出すっていうか……結構驚きやすいタイプではある、かな。 シュウ:そうか……。あ! ヤバい! なんだアレ! ミヨ:うあああ! どうしたの! シュウ:あはは、なんでもないさ。ミヨをびっくりさせたかっただけだ。 ミヨ:もーう……この状況下でやめてよ、マジ心臓止まるかと思った。 シュウ:大丈夫だって。ほら、もうすぐ1階に戻れる。  : シュウ:この階段って、こんなに長かったっけ? ミヨ:もう結構降りてきたから、そろそろ出口があるんじゃないの? シュウ:そうだな。そろそろ1階に降りられるはず……って、あれ? 「4階」……? どういうことだ? まだ4階にいるっていうのか? ミヨ:なにかの間違いだよ。早く降りよ……ひゃっ! シュウ:どうした? ミヨ:な、なんか冷たいのが足に当たった! シュウ:な、なんもいないじゃないか。びっくりし……え? ミヨ:こ、今度はなに? シュウ:ミヨの後ろにあるのは……さっき4階にいたときの扉……。 ミヨ:ひっ……な、なんで? シュウ:分からない。でもどうなってるんだ? この階段、まだ下まで続いてる……。 ミヨ:とりあえず、降りてみようよ。わたし、もうここにいたくない……。 シュウ:そうだな。早く外に出よう。ここから抜け出しさえすれば助かるんだ。  : シュウ:はあ、はあ……ちょっと一旦止まろう。もう汗まみれだよ。 ミヨ:うん……。あ、あそこに何か書かれてる……。「4階」、って……。 シュウ:そんな、馬鹿な……。もう何十分もくだり続けてるのに……。 ミヨ:なんでこんなことに……。 シュウ:あ……スマホの充電がもう残り少なくなってしまった。あと3%かよ! ミヨ:ここであんなことしなければ……。 シュウ:しょうがないだろ、それは。今は出口を見つけるしかないんだよ。 ミヨ:うん……。 シュウ:もしおれのスマホの電源が落ちたら、ミヨのを貸してくれる? ミヨ:うん、いいよ。 シュウ:力を合わせて、ここから出よう。必ず出口が……あっ! ミヨ:シュウ? シュウ! シュウ:真っ暗でなにも見えない! ミヨ、どこにいる? 近くにいるのか? ミヨ:なんで手を離したの! シュウ:それはこっちが言いたいさ! ミヨ、大丈夫か? おれはここだ! ミヨ:すぐ近くにいるよ! シュウ! シュウ! 0:しばしの沈黙。 ミヨ:シュウ! シュウ? ねえ、返事してよ、シュウ! シュウ:……い……。 ミヨ:シュウ? わたしここにいるよ! 聞こえる? シュウ:おー……い……。 ミヨ:シュウ! そうだ、わたしのスマホで照らせば……! シュウ:い……。 ミヨ:よかったあ……シュウ、すぐ近くにいたんだね。 シュウ:おー……い。 ミヨ:シュウ? ねえなに見てるの? シュウ:……おーい。おぉぉーい。 ミヨ:え……ねえ、シュウ。その顔、怪我したの? その眼…… シュウ:おぉぉーい。おーい。おーい。おーい。 ミヨ:いっ……嫌あああ! シュウじゃない! シュウ:おーいおーいおーいおーいおーい—— ミヨ:嫌っ! シュウじゃない! 助けてー!  : ミヨ:はあっ、はあっ、はあっ。いま、何階なんだろう? 0:ミヨはライトで壁を照らす。 ミヨ:嘘……でしょ。「死の界」……。——ひっ! また足もとになにかが……ドア……隙間風……。 シュウ:ミヨ、そんなに慌てなくても大丈夫だよ。おれがいるよ。 ミヨ:シュウ! そこにいるの? ねえ助けて、さっき怖いものが—— シュウ:だいじょうぶ、だオーイいオオオーイじょオオオオうイイィィぶオーイオーイオーイ ミヨ:嫌あああああ! 嫌あああああ! シュウ:(ミヨの悲鳴に重ねて)オーイオーイオーイオーイオーイ ミヨ:(シュウの呻きに重ねて)いやああああああおおおおおおおおいいいぃぃぃぃぃぃいいいおおおぉぉぉぉいいいいいぃぃぃぃ  : 0:   了

タイトル:「終わりのない階段」  : 0:階段。壁には「4階」という文字がある。 ミヨ:ねえ、シュウ。こんなところでするの? シュウ:大丈夫。家だったら家族がいるし、ラブホは入れないし……だからここでしよ? ミヨ:でもここって、いちおう学校の中だし、見つかったらやばくない? シュウ:大丈夫。ここは4階だし、先生たちも普通ここまで見回り来ないよ。 ミヨ:でも……ここってさ、なんか変な噂あるし。 シュウ:噂? ミヨ:聞いたことない? シュウ:そんなのあったっけ。 ミヨ:ほら、夕暮れ時になったら変な泣き声が聞こえるとか……。 シュウ:あ、思い出した。ここのドアから屋上に出た生徒が飛び降りたってやつ? ミヨ:そう、それ。その事件の後、その子が死んだ時間になると、苦しそうな声がこのドアの前で聞こえるって。 シュウ:でもさ、大丈夫だよ。仮に肝試しに来るやつがいるとしても—— ミヨ:そうじゃなくって。なんかあったらって思ったらちょっと怖くない? シュウ:大丈夫だって。なにかあったらおれはミヨを守るから。 ミヨ:シュウ……。 シュウ:おれの目を見て。おれは嘘はつかない。なにがあってもずっとミヨのそばにいる。 ミヨ:うん、……わたしも、シュウを信じてる。 シュウ:ミヨ、キスしていい? ミヨ:いいよ。ん……  : シュウ:はぁ……幸せだったよ、ミヨ。 ミヨ:わたしも……。シュウ、とっても暖かかった。 シュウ:大好きだよ、ミヨ。これからずっと一緒にいようね。 ミヨ:うん。シュウ、大好きだよ。 シュウ:……あれ? ミヨ:どうしたの? シュウ:なんか、変な音しなかった? ミヨ:え? シュウ:こう、呼び声じゃないけどさ、おーい、おーい、って、変な声がさっき聞こえたよ。 ミヨ:な……やめてよ。さっきの話思い出しちゃうじゃん。 シュウ:嘘じゃないって。確かにさっき……あれ? ミヨ:え……ここ、閉まってたはずなのに。 シュウ:ああ、確かにこのドアは閉まってたはずだ。ミヨ、もしかして開けたりした? ミヨ:そんな、そんなことするわけないじゃない! シュウ:……だよな。——とりあえず、1階まで戻って外に出よう。 ミヨ:ねえ、なんか変。見てよ。下、真っ暗だよ? 来た時は電気が点いてたのに。 シュウ:電気が消えてるんだろ、誰か消したんだよ。 ミヨ:でも、誰かが入ってきたようには思えないけど……。 シュウ:このスイッチを入れれば点くだろ。ほら……あれ? 電気が入らない。 ミヨ:停電でもしたのかな……。 シュウ:あ……そうだ、スマホのライトがあるじゃないか。それで照らしながら行けば大丈夫だよ。 ミヨ:そ、そうだね。 シュウ:おれの腕にしがみついてて。大丈夫だから。 ミヨ:うん。足元暗いから、気をつけて、シュウ。  : シュウ:なんか、肝試しみたいだね。 ミヨ:やめてよ、ほんとに怖くなっちゃうじゃん。 シュウ:大丈夫、なんもないって。ひょっとして、ミヨは噂話とかガチで信じるタイプ? ミヨ:いや、基本的に信じないけどさ。でも、怖くなったら思い出すっていうか……結構驚きやすいタイプではある、かな。 シュウ:そうか……。あ! ヤバい! なんだアレ! ミヨ:うあああ! どうしたの! シュウ:あはは、なんでもないさ。ミヨをびっくりさせたかっただけだ。 ミヨ:もーう……この状況下でやめてよ、マジ心臓止まるかと思った。 シュウ:大丈夫だって。ほら、もうすぐ1階に戻れる。  : シュウ:この階段って、こんなに長かったっけ? ミヨ:もう結構降りてきたから、そろそろ出口があるんじゃないの? シュウ:そうだな。そろそろ1階に降りられるはず……って、あれ? 「4階」……? どういうことだ? まだ4階にいるっていうのか? ミヨ:なにかの間違いだよ。早く降りよ……ひゃっ! シュウ:どうした? ミヨ:な、なんか冷たいのが足に当たった! シュウ:な、なんもいないじゃないか。びっくりし……え? ミヨ:こ、今度はなに? シュウ:ミヨの後ろにあるのは……さっき4階にいたときの扉……。 ミヨ:ひっ……な、なんで? シュウ:分からない。でもどうなってるんだ? この階段、まだ下まで続いてる……。 ミヨ:とりあえず、降りてみようよ。わたし、もうここにいたくない……。 シュウ:そうだな。早く外に出よう。ここから抜け出しさえすれば助かるんだ。  : シュウ:はあ、はあ……ちょっと一旦止まろう。もう汗まみれだよ。 ミヨ:うん……。あ、あそこに何か書かれてる……。「4階」、って……。 シュウ:そんな、馬鹿な……。もう何十分もくだり続けてるのに……。 ミヨ:なんでこんなことに……。 シュウ:あ……スマホの充電がもう残り少なくなってしまった。あと3%かよ! ミヨ:ここであんなことしなければ……。 シュウ:しょうがないだろ、それは。今は出口を見つけるしかないんだよ。 ミヨ:うん……。 シュウ:もしおれのスマホの電源が落ちたら、ミヨのを貸してくれる? ミヨ:うん、いいよ。 シュウ:力を合わせて、ここから出よう。必ず出口が……あっ! ミヨ:シュウ? シュウ! シュウ:真っ暗でなにも見えない! ミヨ、どこにいる? 近くにいるのか? ミヨ:なんで手を離したの! シュウ:それはこっちが言いたいさ! ミヨ、大丈夫か? おれはここだ! ミヨ:すぐ近くにいるよ! シュウ! シュウ! 0:しばしの沈黙。 ミヨ:シュウ! シュウ? ねえ、返事してよ、シュウ! シュウ:……い……。 ミヨ:シュウ? わたしここにいるよ! 聞こえる? シュウ:おー……い……。 ミヨ:シュウ! そうだ、わたしのスマホで照らせば……! シュウ:い……。 ミヨ:よかったあ……シュウ、すぐ近くにいたんだね。 シュウ:おー……い。 ミヨ:シュウ? ねえなに見てるの? シュウ:……おーい。おぉぉーい。 ミヨ:え……ねえ、シュウ。その顔、怪我したの? その眼…… シュウ:おぉぉーい。おーい。おーい。おーい。 ミヨ:いっ……嫌あああ! シュウじゃない! シュウ:おーいおーいおーいおーいおーい—— ミヨ:嫌っ! シュウじゃない! 助けてー!  : ミヨ:はあっ、はあっ、はあっ。いま、何階なんだろう? 0:ミヨはライトで壁を照らす。 ミヨ:嘘……でしょ。「死の界」……。——ひっ! また足もとになにかが……ドア……隙間風……。 シュウ:ミヨ、そんなに慌てなくても大丈夫だよ。おれがいるよ。 ミヨ:シュウ! そこにいるの? ねえ助けて、さっき怖いものが—— シュウ:だいじょうぶ、だオーイいオオオーイじょオオオオうイイィィぶオーイオーイオーイ ミヨ:嫌あああああ! 嫌あああああ! シュウ:(ミヨの悲鳴に重ねて)オーイオーイオーイオーイオーイ ミヨ:(シュウの呻きに重ねて)いやああああああおおおおおおおおいいいぃぃぃぃぃぃいいいおおおぉぉぉぉいいいいいぃぃぃぃ  : 0:   了