台本概要
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タイトル | 大奥物語・我が道を行きなされ |
---|---|
作者名 | 椿 麗華 (@Tsubaki_Reika) |
ジャンル | 時代劇 |
演者人数 | 1人用台本(不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
敵を作ることを恐れていては、真の味方も現れない。「嫌われることを恐れず、我が道を行きなされ」と大奥総取締が背中を押してくれるお話となっております。 *御中臈(おちゅうろう)の台詞は少ないので多少声を変えて台詞を読んでいただく形となります。 ひとり読み・朗読用 所要時間 10分程度 性別不問です *配信アプリ、動画サイト、ディスコード、ツイキャス等でのご使用にあたって、個別の連絡は不要ですが、必ず「作者名」「作品名」の表記をお願い致します。 150 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
わたくし | 不問 | - | 語り手。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:この大奥は、まこと、複雑怪奇な世界でございます。
0:
0:己(おのれ)を良く見せることしか考えていない者。
0:己が目立つためだったら、協力者でさえ切り捨てる者。
0:己の地位が上がったのは、自分一人が努力を重ねたおかげだと勘違いをし
0:縁の下で支えてきた者たちに、礼も言わないどころか、置き去りにする者。
0:
0:それはそれは、様々な者が入り乱れている、恐ろしい世界でござりまする。
0:
0:そのような大奥にあって、このわたくし、大奥総取締の元には
0:相談事を手土産に、部屋を訪ねてくる者が後を絶ちませぬ。
0:
0:
0:先日、このようなことがございました。
0:
0:
御中臈:折り入って、お話がございます。
御中臈:どうやらこのわたくし・・・他の御中臈(おちゅうろう)方に、良く思われていないのでは・・・と・・・。
御中臈:これだけ気を遣い、尽くしているというのに・・・。何故でござりましょうや?
0:
0:まあ、それはそれは、ようございましたなぁ。
0:何やら楽しそうではありませぬか。
0:
0:はっきり申してやろうかい?
0:其方(そなた)・・・嫌われてもいないが、大して好かれてもおらぬ。
0:
0:まことに、中途半端この上ない。
0:
0:
0:しかし・・・よく聞くがよい。
0:
0:人と言うものは、いくら良いことをしようが、好かれようとしようが
0:実のところは、本当の味方など、ほんの一握りである。
0:
0:八方美人にふるまったところで、疲れるだけであろう?
0:
0:相手を褒めて持ち上げたところで、裏では何を思われておるか、分かりゃしませんよ?
0:
0:其方・・・誰それ構わず、相手を褒めて回っておるそうじゃが。
0:まさか、口先だけで褒めて、本当の力になってやりたいと思うたことは、あるのかい?
0:口で褒めているのであれば、その者の力になってやりなされ。
0:
0:もしもそう思わぬのなら、褒めて回るのをおやめなされ。
0:
0:心から力になりたいと思う者だけに、心を注がれよ。
0:
0:さすれば、真の味方が現れるであろうよ。
0:
0:
0:それとも其方・・・敵を作るのが怖いのかい?
0:
0:嫌悪というものは、積もり積もった反感や不満の思いが、突如として表れるものでございます。
0:そしてまた、理由も知らされないことがほとんど・・・。
0:
0:己もまた、相手を嫌うことになるのですよ。
0:
0:その理由は、己しか分からぬことで、あえて言う必要もない。
0:
0:こうして生きているだけで、人は好き嫌いを繰り返す生き物でございます。
0:
0:子どもじみているようにも思えるが、誰にでも平等に存在するのですから。
0:自分が嫌われたからと言って、落ち込む必要はないのですよ。
0:
0:もしも誰かに強烈に嫌われたのであれば、その分、強烈に其方のことを好きでいてくれる者がいるはずじゃ。
0:
0:嫌われた分だけ、本当の味方は、必ず存在するものでございますよ。
0:
0:
0:
0:落ち込むのは時間の無駄というもの。
0:
0:大切な時間が勿体ないったりゃありゃしませんよ!
0:
0:嫌われたら喜ぶぐらいのゆとりを持ちなされ。
0:
0:尻尾を振り、媚びを売ることほど、馬鹿馬鹿しくて疲れるものはござりませぬ。
0:
0:
0:自身のやりたいことをやり、その上で嫌われたのなら、それで良いではないか?
0:
0:堂々と嫌われなされ!
0:
0:人は元々、ひとりである。
0:ひとりで産まれ、ひとりで死んでゆくのです。
0:
0:無理をして、気に入られる必要もない。
0:
0:
0:人生は一度きり。
0:
0:くよくよするでない!
0:笑い飛ばせよ!
0:
0:ひとりでも、其方の味方がいるのであれば、その者を大事にしなされ。
0:それで十分ではないのかい?
0:
0:人間、躰はひとつしかないのですよ?
0:
0:ただ顔を広くしたいのであれば、それもよかろう。
0:しかしそれでは、深い関係を築くことは出来ませぬ。
0:
0:嫌われもせず、たいして好かれもしない人生など、面白くも何ともないとは思いませぬか?
0:
0:このわたくしとて・・・心から目をかけてやれる数には限りがある。
0:
0:正直申せば、好き嫌いもございますよ。
0:見渡せば、敵ばかりじゃ・・・。
0:
0:そんなわたくしでも・・・
0:少なからず、味方もおる。
0:でなければ・・・わたくしとて、今の地位にはおりませぬ。
0:
0:この大奥も、捨てたものではございませんよ?
0:
0:
0:我が道を行きなされ。
0:堂々と。
0:
0:まあ、励みなされよ。
0:
御中臈:そのお言葉、しかとこの胸に刻みまする・・・。
0:
0:
0:わたくしは元々、敵に囲まれた人生でございましたゆえ
0:敵が増えれば増えるほど・・・ふふふ・・・何やら躰中の血が騒ぎまする。
0:
0:
0:(終わり)
0:
0:この大奥は、まこと、複雑怪奇な世界でございます。
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0:己(おのれ)を良く見せることしか考えていない者。
0:己が目立つためだったら、協力者でさえ切り捨てる者。
0:己の地位が上がったのは、自分一人が努力を重ねたおかげだと勘違いをし
0:縁の下で支えてきた者たちに、礼も言わないどころか、置き去りにする者。
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0:それはそれは、様々な者が入り乱れている、恐ろしい世界でござりまする。
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0:そのような大奥にあって、このわたくし、大奥総取締の元には
0:相談事を手土産に、部屋を訪ねてくる者が後を絶ちませぬ。
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0:
0:先日、このようなことがございました。
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御中臈:折り入って、お話がございます。
御中臈:どうやらこのわたくし・・・他の御中臈(おちゅうろう)方に、良く思われていないのでは・・・と・・・。
御中臈:これだけ気を遣い、尽くしているというのに・・・。何故でござりましょうや?
0:
0:まあ、それはそれは、ようございましたなぁ。
0:何やら楽しそうではありませぬか。
0:
0:はっきり申してやろうかい?
0:其方(そなた)・・・嫌われてもいないが、大して好かれてもおらぬ。
0:
0:まことに、中途半端この上ない。
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0:
0:しかし・・・よく聞くがよい。
0:
0:人と言うものは、いくら良いことをしようが、好かれようとしようが
0:実のところは、本当の味方など、ほんの一握りである。
0:
0:八方美人にふるまったところで、疲れるだけであろう?
0:
0:相手を褒めて持ち上げたところで、裏では何を思われておるか、分かりゃしませんよ?
0:
0:其方・・・誰それ構わず、相手を褒めて回っておるそうじゃが。
0:まさか、口先だけで褒めて、本当の力になってやりたいと思うたことは、あるのかい?
0:口で褒めているのであれば、その者の力になってやりなされ。
0:
0:もしもそう思わぬのなら、褒めて回るのをおやめなされ。
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0:心から力になりたいと思う者だけに、心を注がれよ。
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0:さすれば、真の味方が現れるであろうよ。
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0:それとも其方・・・敵を作るのが怖いのかい?
0:
0:嫌悪というものは、積もり積もった反感や不満の思いが、突如として表れるものでございます。
0:そしてまた、理由も知らされないことがほとんど・・・。
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0:己もまた、相手を嫌うことになるのですよ。
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0:その理由は、己しか分からぬことで、あえて言う必要もない。
0:
0:こうして生きているだけで、人は好き嫌いを繰り返す生き物でございます。
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0:子どもじみているようにも思えるが、誰にでも平等に存在するのですから。
0:自分が嫌われたからと言って、落ち込む必要はないのですよ。
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0:もしも誰かに強烈に嫌われたのであれば、その分、強烈に其方のことを好きでいてくれる者がいるはずじゃ。
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0:嫌われた分だけ、本当の味方は、必ず存在するものでございますよ。
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0:落ち込むのは時間の無駄というもの。
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0:大切な時間が勿体ないったりゃありゃしませんよ!
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0:嫌われたら喜ぶぐらいのゆとりを持ちなされ。
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0:尻尾を振り、媚びを売ることほど、馬鹿馬鹿しくて疲れるものはござりませぬ。
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0:自身のやりたいことをやり、その上で嫌われたのなら、それで良いではないか?
0:
0:堂々と嫌われなされ!
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0:人は元々、ひとりである。
0:ひとりで産まれ、ひとりで死んでゆくのです。
0:
0:無理をして、気に入られる必要もない。
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0:人生は一度きり。
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0:くよくよするでない!
0:笑い飛ばせよ!
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0:ひとりでも、其方の味方がいるのであれば、その者を大事にしなされ。
0:それで十分ではないのかい?
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0:人間、躰はひとつしかないのですよ?
0:
0:ただ顔を広くしたいのであれば、それもよかろう。
0:しかしそれでは、深い関係を築くことは出来ませぬ。
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0:嫌われもせず、たいして好かれもしない人生など、面白くも何ともないとは思いませぬか?
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0:このわたくしとて・・・心から目をかけてやれる数には限りがある。
0:
0:正直申せば、好き嫌いもございますよ。
0:見渡せば、敵ばかりじゃ・・・。
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0:そんなわたくしでも・・・
0:少なからず、味方もおる。
0:でなければ・・・わたくしとて、今の地位にはおりませぬ。
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0:この大奥も、捨てたものではございませんよ?
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0:我が道を行きなされ。
0:堂々と。
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0:まあ、励みなされよ。
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御中臈:そのお言葉、しかとこの胸に刻みまする・・・。
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0:わたくしは元々、敵に囲まれた人生でございましたゆえ
0:敵が増えれば増えるほど・・・ふふふ・・・何やら躰中の血が騒ぎまする。
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0:(終わり)