台本概要

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タイトル もしも世界が消えたなら
作者名 さむさん  (@sam3_BB)
ジャンル その他
演者人数 7人用台本(男2、女3、不問2) ※兼役あり
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 商業、非商業利用関わらず、クレジットの記載をお願い致します。
商業利用の際は作者のX(旧Twitter)にDMをお願い致します。
非商業利用の際は連絡は不要です。

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男女変更可 一人称変更可 言い回し変更可
ストーリーの流れやキャラクターの変わらない付け足しは可

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
世界 43 セカイ 明るくも落ち着いていて年齢よりも少し大人びている印象をうける少女
未来 40 ミライ かっこいい大人になりたい少年
香子 32 カコ 夢見がちでいつも自分のあこがれを追い求めている少女
未来母 5 香子父、先生、ニュースキャスターと兼役可
香子父 5 未来母、先生、ニュースキャスターと兼役可
先生 不問 4 未来母、香子父、ニュースキャスターと兼役可
ニュースキャスター 不問 1 未来母、香子父、先生と兼役可
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
世界:「ねぇ!もしも世界が消えたらどんな世界にしたい?」  :  未来:…っなぁ、これって  :  香子:そう!  :  未来:こんなの 未来:こんなの決まってる!それは…っ!  :  0:学校帰りいつもの公園で話をする三人組(明るい雰囲気、ほのぼのした空間が広がる)  :  香子:ねぇねぇ!もしもの話しようよ!  :  未来:はぁまた~?香子はほんと、もしもの話好きだよな~  :  香子:だって楽しいんだもん!それにいろんな話聞けるし  :  世界:それで、今回はどんなもしもなの?  :  香子:ふふん♪今回はね~ 香子:じゃじゃーん!もしも世界が消えたなら次はどんな世界にしたい?でーす!!  :  世界:次の世界…か  :  香子:そうそう!ではでは始めましょー!!  :  未来:次の世界ってことは転生みたいな感じ?  :  香子:まぁそんな感じかな~ 香子:自分の好きな世界を作ってそこで暮らすことを想像するの!  :  未来:じゃあ俺はゲームの世界かな!モンスター倒すのとか爽快じゃん 未来:チート使えたとかなんかあったら最高  :  香子:それって最近流行りの漫画じゃない?  :  未来:別にいいだろ!主人公かっけぇんだよ  :  世界:確かに未来はヒーローとか似合いそうだね  :  未来:だろぉ!!そういう香子はどうなんだよ  :  香子:私はね、お城とかがあって、そこで可愛いドレスとか着たいかな! 香子:可愛い洋服がたーくさんあるだけでしあわせ~  :  未来:香子だっていつも言ってるようなやつじゃん  :  香子:いつもと同じなんかじゃないよ!今回はいつもと違うんだから!  :  未来:だからいつもとどう違うんだよ…  :  香子:未来だっていっつも似たような感じじゃんか!  :  世界:まぁまぁ、二人とも落ち着いてよ~ 世界:どっちもすごくいい世界なんだからさ 素敵だよ  :  香子:でしょ! 未来:だろ!  :  未来:んで、世界の世界はどんな世界なんだよ…って言っててわけわかんなくなるな 未来:名前が世界でごちゃごちゃする  :  世界:あははっほんとだ! 世界:私はね ん~強いて言えば…楽しい世界かな~  :  香子:そりゃあ、楽しい世界がいいに決まってるよ! 香子:て、そうじゃなくて!具体的なやつ!!!なんかあるでしょー!  :  世界:んー…具体的に…か 世界:そしたら…笑顔であふれるような世界かな  :  未来:さっきとあんま言ってること変わらないような  :  0:自分に言い聞かすように  :   世界:あはは、まぁいいじゃん! 世界:…楽しかったらそれだけでいいんだ~  :  香子:まったく…世界らしいけど  :  0:秋の虫の音  :  世界:あ、もう帰る時間になっちゃった…  :  未来:あっという間だったな  :  香子:はぁー…門限なんてなくなっちゃえばいいのに~っ  :  世界:仕方ないよ、まだまだ私たちは…子供なんだから  :  未来:あー早く大人になりてー  :  香子:私も!! 香子:ね!世界もそうだよね!  :  世界:…うん、そうだね  :  香子:だよね~あ、私こっちだからじゃあ、また明日ね!  :  未来:おう!  :  世界:ばいば~い  :  0:鼻歌を歌いながら帰る香子 0:未来はネットに入ったボールを蹴りながら世界の一歩手前を歩き、手からひもが離れボールが転がる 0:世界はその場で立ちどまる  :  世界:ねぇ、未来はさ…本当に世界が消えたらどうする?  :  未来:はぁ?世界が消えるなんてありえないだろ  :  世界:もしもだよ!もしも…  :  未来:またもしもかよー  :  世界:だって気になるじゃん  :  未来:ん-世界が消えるってわかってるなら遊びまわるよな 未来:もう遊ぶこととかできなくなるかもだし…ってか今日、お前おかしくない?(そこまで心配していない)  :  世界:え?そうかなあ  :  未来:だってこんな話するの香子くらいだし  :  世界:香子に影響されちゃったのかも  :  未来:えーなんだよそれ  :  世界:別になんだっていいじゃん~ 世界:あ、そしたら遊びまくらないとだね  :  未来:そーだな、世界が消えるならな  :  世界:消えるよ、たぶんね  :  未来:なんじゃそりゃ、予知能力的な? 未来:世界もゲームとか漫画の影響受けんのかよー  :  世界:ん-そんなとこかなー  :  未来:ほんと今日の世界はよくわかんないな  :  世界:ええ?そうかな 世界:私はいつも通りだよー  :  未来:ぜってぇ違う…って家着いちゃったし 未来:お、今日はカレーかな よっしゃ! 未来:じゃあ、また明日な~  :  世界:はーい  :  0:それぞれの家に帰る 0:未来は扉を開け中からお帰りという明るい声が聞こえる 0:その声を後ろに家のカギで扉を開け、駆け足でリビングに入る 0:世界の家は暗く明かりがついていない 0:床には朝方食べたであろう弁当のごみと缶ピール、机にはお金が数千円おいてある  :  世界:ただいま…  :  0:テレビをつける  :  ニュースキャスター:「先月起きた地震から学校の対応は…」  :  世界:……  :  0:放課後地震が校内で発生  :  先生:校舎にいるみなさん!体育館に集まってください! 先生:慌てないでゆっくり!  :  香子:…こ、こわいよっパパ…ママぁ…っ  :  未来:な、なーに泣いてんだよ!たかが地震だろ!怖くねぇーって!  :  世界:大丈夫だよ、二人とも 世界:先生がいるからきっと守ってくれるよ  :  香子:早くおうちに帰りたいよ…っ  :  先生:今、残っている生徒たちのご両親に連絡をしました! 先生:保護者の方が迎えに来るのでそれまでここで待っていてください!  :  世界:…保護者…迎えに…きてくれるかな  :  0:数十分後  :  未来母:未来!  :  未来:か、かあさん…  :  未来母:あぁ、無事でよかった!地震結構大きかったわね 未来母:未来、ケガしてない?あなたは落ち着きがないし、心配だったのよ  :  未来:けがしてねーし!平気だってば!!  :  未来母:そう、ならいいけどね 未来母:世界ちゃんも香子ちゃんももうすぐ迎えに来ると思うからね 未来母:いい子で待っているのよ  :  世界:はい  :  香子:はーい  :  未来:じゃあまた明日な!  :  香子:またね~ 香子:あーあ、いいな…早く迎えに来てくれて  :  世界:…そうだね 世界:未来のお母さんいい人だよね  :  香子:すっごいきれいだしね!私のママも負けてないけど♪  :  世界:そうだね…  :  0:数十分後  :  香子父:香子!!ああ、よかった…心配したんだぞ 香子父:何事もなくてよかった 香子父:怖くなかったか?  :  香子:…っパパぁー、怖かったよっ  :  香子父:よしよし、もう大丈夫だ 香子父:パパがいるからな 何があってもパパが守ってやる  :  世界:……  :  香子:ねぇ、パパ ママは?ねえもっと早く迎えに来てよっ  :  香子父:ママは家でお掃除してるんだよ 香子父:食器とかが落ちちゃって危ないからね  :  香子:…っもしかして私のお気に入りのマグカップも壊れちゃった!?  :  香子父:んー…大丈夫じゃないかな 香子父:帰ったら確認してみようね  :  香子:うん…早くおうちに帰ろう  :  香子父:そうだな、ママも待っているからな 香子父:お友達にばいばいして帰ろう  :  香子:うん!世界、またね!! 香子:きっと世界のママが迎えに来るよ!  :  世界:うん……また…ね 世界:…香子だってちゃんと…迎えに来てくれたじゃん 世界:私には迎えに来てくれるお母さんも…父親もいないんだよ… 世界:私、ここで誰を待ってるの…?  :  0:数時間後  :  先生:世界ちゃん…ご両親に連絡しているんだけどね 先生:つながらないみたいで誰かほかに連絡のつく方はいないかな?  :  世界:…いません…お母さんもお仕事で忙しいから 世界:1人で帰れます…  :  先生:そう、少し暗いけど気をつけて帰ってね 先生:また明日  :  世界:…はい、先生  :  世界:ほら、やっぱり誰も来ない  :  0:過去シーン終了  :  世界: あの時の地震も結局帰ったら心配してくれるお母さんがいるとちょっと期待していたけど誰もいなかった 世界:今日だって… 世界:門限が過ぎても私は怒られることも締め出されることもない 世界:誰もいないから 私しかいないから 世界:未来とか香子とか優しいから、こんなこと言ったらきっと心配して家にいつでもおいでって言ってくれるけど 世界:2人にこんな迷惑かけられない  世界:だってこれはただの私のわがままだから 世界:それに朝になればお母さんが帰ってくるから 世界:知らない男をつれて 世界:あのときだって家に帰ったら隣からは笑い声が聞こえたのに 世界:私の家からはごみがくずれて足の踏み場がなくなってて寝室だけがほのかにひかってて  :  世界:心配なんて微塵もしてくれなくて…  :  世界:なんで…なんでこんな世界なんだろう 世界:どんなにいい子にしてても未来は変わらない  :  世界:こんな世界なくなってしまえばいいのに  : 世界:世界が消えれば…  : 0:翌日 0:近くでなっているであろうサイレンの音で未来は目が覚め、階段を駆け上がる母の音に体を起こした  :  未来母:未来!大変よ!世界ちゃんが!!  :  未来:珍しく慌てる母さんはそういって何が起こったのか説明してくれた 未来:だけどその内容はあまりにも信じがたくて、聞いてはいたものの理解などできなかった  :  未来母:これね…ポストの中に入っていたの… 未来母:…未来宛てよ  :  未来:そして一通の手紙を受け取る 未来:その手紙は紛れもない世界からだった 未来:足の感覚がないままなんとか自室に戻り手紙を開ける  :  世界:「こんばんは!あ、いやこれを読んでるときは朝かな 世界:じゃあおはようだ!」  :  未来:…なんだよ…これ  :  世界:「早速、本題なんだけどさ! 世界:あ、あのね 今回のことあんま気にしないでいいからね! 世界:って無理かな(汗)でも!ほんと気にしないで! 世界:私ね、新しい世界に行くんだ!それだけだから! 世界:そこはきっとヒーローがいてかわいいお洋服もあるんだよ 世界:それでね、みんな、みんな笑ってるの 世界:そんな素敵な世界にいけるチケット、ゲットしたら行くしかないじゃん! 世界:つまりそういうことだから ね!だからばいばい 世界:ありがと!二人と過ごせた時間はとってもたのしかったよ!!」  :  未来:……なんなんだよ、これ  :  0:手紙にはこぼれた涙の跡があり、所々ボールペンが滲んでいた  :  未来:昨日、またねっていったじゃんか 未来:なんなんだよ…ばいばいって 未来:あれ…世界昨日あのあとまたねって…  :  0:インターフォンが鳴る  :  香子:み、み…らい……せかい…が  :  未来:香子…  :  香子:わ…私のせいだ…っ!私がもしもの話なんかしたから…私が…っあの時だって!わたしが…!  :  未来:香子、落ち着けって…  :  香子:落ち着けるわけないでしょ…っ! 香子:だって世界、地震のときも次の日先生に聞いたら…一人で帰ったって… 香子:帰り際、元気なかったんだよ…っ!それなのに私っ 香子:もうずっと前から…限界だったのかもしれないのに…っ  :  未来:俺だって世界がおかしかったのを気のせいだっておもって何も言ってこなかった 未来:けどもう起こったことなんだよ…どうしようもできねぇ… 未来:くそ…どうすればよかったんだよ…俺たちは… 未来:友達を…大事な友達を…っ  :  香子:…笑顔になる世界に 香子:…っねぇ、未来!最後までこの手紙読んだ?  :  未来:いや…あと少し…  :  世界:「ねぇ!もしも世界が消えたらどんな世界にしたい?」  :  未来:…っこれ  :  香子:そう!  :  未来:こんなの 未来:こんなの決まってる!それは…っ!  :  0:学校帰りいつもの公園で話す三人組  :  香子:ねぇ 世界は何の世界にしたいの? 未来:なぁ 世界は何の世界にしたかった?  :  0:以下、満面の笑みで  :  世界:この世界が消える世界  :  0:END

世界:「ねぇ!もしも世界が消えたらどんな世界にしたい?」  :  未来:…っなぁ、これって  :  香子:そう!  :  未来:こんなの 未来:こんなの決まってる!それは…っ!  :  0:学校帰りいつもの公園で話をする三人組(明るい雰囲気、ほのぼのした空間が広がる)  :  香子:ねぇねぇ!もしもの話しようよ!  :  未来:はぁまた~?香子はほんと、もしもの話好きだよな~  :  香子:だって楽しいんだもん!それにいろんな話聞けるし  :  世界:それで、今回はどんなもしもなの?  :  香子:ふふん♪今回はね~ 香子:じゃじゃーん!もしも世界が消えたなら次はどんな世界にしたい?でーす!!  :  世界:次の世界…か  :  香子:そうそう!ではでは始めましょー!!  :  未来:次の世界ってことは転生みたいな感じ?  :  香子:まぁそんな感じかな~ 香子:自分の好きな世界を作ってそこで暮らすことを想像するの!  :  未来:じゃあ俺はゲームの世界かな!モンスター倒すのとか爽快じゃん 未来:チート使えたとかなんかあったら最高  :  香子:それって最近流行りの漫画じゃない?  :  未来:別にいいだろ!主人公かっけぇんだよ  :  世界:確かに未来はヒーローとか似合いそうだね  :  未来:だろぉ!!そういう香子はどうなんだよ  :  香子:私はね、お城とかがあって、そこで可愛いドレスとか着たいかな! 香子:可愛い洋服がたーくさんあるだけでしあわせ~  :  未来:香子だっていつも言ってるようなやつじゃん  :  香子:いつもと同じなんかじゃないよ!今回はいつもと違うんだから!  :  未来:だからいつもとどう違うんだよ…  :  香子:未来だっていっつも似たような感じじゃんか!  :  世界:まぁまぁ、二人とも落ち着いてよ~ 世界:どっちもすごくいい世界なんだからさ 素敵だよ  :  香子:でしょ! 未来:だろ!  :  未来:んで、世界の世界はどんな世界なんだよ…って言っててわけわかんなくなるな 未来:名前が世界でごちゃごちゃする  :  世界:あははっほんとだ! 世界:私はね ん~強いて言えば…楽しい世界かな~  :  香子:そりゃあ、楽しい世界がいいに決まってるよ! 香子:て、そうじゃなくて!具体的なやつ!!!なんかあるでしょー!  :  世界:んー…具体的に…か 世界:そしたら…笑顔であふれるような世界かな  :  未来:さっきとあんま言ってること変わらないような  :  0:自分に言い聞かすように  :   世界:あはは、まぁいいじゃん! 世界:…楽しかったらそれだけでいいんだ~  :  香子:まったく…世界らしいけど  :  0:秋の虫の音  :  世界:あ、もう帰る時間になっちゃった…  :  未来:あっという間だったな  :  香子:はぁー…門限なんてなくなっちゃえばいいのに~っ  :  世界:仕方ないよ、まだまだ私たちは…子供なんだから  :  未来:あー早く大人になりてー  :  香子:私も!! 香子:ね!世界もそうだよね!  :  世界:…うん、そうだね  :  香子:だよね~あ、私こっちだからじゃあ、また明日ね!  :  未来:おう!  :  世界:ばいば~い  :  0:鼻歌を歌いながら帰る香子 0:未来はネットに入ったボールを蹴りながら世界の一歩手前を歩き、手からひもが離れボールが転がる 0:世界はその場で立ちどまる  :  世界:ねぇ、未来はさ…本当に世界が消えたらどうする?  :  未来:はぁ?世界が消えるなんてありえないだろ  :  世界:もしもだよ!もしも…  :  未来:またもしもかよー  :  世界:だって気になるじゃん  :  未来:ん-世界が消えるってわかってるなら遊びまわるよな 未来:もう遊ぶこととかできなくなるかもだし…ってか今日、お前おかしくない?(そこまで心配していない)  :  世界:え?そうかなあ  :  未来:だってこんな話するの香子くらいだし  :  世界:香子に影響されちゃったのかも  :  未来:えーなんだよそれ  :  世界:別になんだっていいじゃん~ 世界:あ、そしたら遊びまくらないとだね  :  未来:そーだな、世界が消えるならな  :  世界:消えるよ、たぶんね  :  未来:なんじゃそりゃ、予知能力的な? 未来:世界もゲームとか漫画の影響受けんのかよー  :  世界:ん-そんなとこかなー  :  未来:ほんと今日の世界はよくわかんないな  :  世界:ええ?そうかな 世界:私はいつも通りだよー  :  未来:ぜってぇ違う…って家着いちゃったし 未来:お、今日はカレーかな よっしゃ! 未来:じゃあ、また明日な~  :  世界:はーい  :  0:それぞれの家に帰る 0:未来は扉を開け中からお帰りという明るい声が聞こえる 0:その声を後ろに家のカギで扉を開け、駆け足でリビングに入る 0:世界の家は暗く明かりがついていない 0:床には朝方食べたであろう弁当のごみと缶ピール、机にはお金が数千円おいてある  :  世界:ただいま…  :  0:テレビをつける  :  ニュースキャスター:「先月起きた地震から学校の対応は…」  :  世界:……  :  0:放課後地震が校内で発生  :  先生:校舎にいるみなさん!体育館に集まってください! 先生:慌てないでゆっくり!  :  香子:…こ、こわいよっパパ…ママぁ…っ  :  未来:な、なーに泣いてんだよ!たかが地震だろ!怖くねぇーって!  :  世界:大丈夫だよ、二人とも 世界:先生がいるからきっと守ってくれるよ  :  香子:早くおうちに帰りたいよ…っ  :  先生:今、残っている生徒たちのご両親に連絡をしました! 先生:保護者の方が迎えに来るのでそれまでここで待っていてください!  :  世界:…保護者…迎えに…きてくれるかな  :  0:数十分後  :  未来母:未来!  :  未来:か、かあさん…  :  未来母:あぁ、無事でよかった!地震結構大きかったわね 未来母:未来、ケガしてない?あなたは落ち着きがないし、心配だったのよ  :  未来:けがしてねーし!平気だってば!!  :  未来母:そう、ならいいけどね 未来母:世界ちゃんも香子ちゃんももうすぐ迎えに来ると思うからね 未来母:いい子で待っているのよ  :  世界:はい  :  香子:はーい  :  未来:じゃあまた明日な!  :  香子:またね~ 香子:あーあ、いいな…早く迎えに来てくれて  :  世界:…そうだね 世界:未来のお母さんいい人だよね  :  香子:すっごいきれいだしね!私のママも負けてないけど♪  :  世界:そうだね…  :  0:数十分後  :  香子父:香子!!ああ、よかった…心配したんだぞ 香子父:何事もなくてよかった 香子父:怖くなかったか?  :  香子:…っパパぁー、怖かったよっ  :  香子父:よしよし、もう大丈夫だ 香子父:パパがいるからな 何があってもパパが守ってやる  :  世界:……  :  香子:ねぇ、パパ ママは?ねえもっと早く迎えに来てよっ  :  香子父:ママは家でお掃除してるんだよ 香子父:食器とかが落ちちゃって危ないからね  :  香子:…っもしかして私のお気に入りのマグカップも壊れちゃった!?  :  香子父:んー…大丈夫じゃないかな 香子父:帰ったら確認してみようね  :  香子:うん…早くおうちに帰ろう  :  香子父:そうだな、ママも待っているからな 香子父:お友達にばいばいして帰ろう  :  香子:うん!世界、またね!! 香子:きっと世界のママが迎えに来るよ!  :  世界:うん……また…ね 世界:…香子だってちゃんと…迎えに来てくれたじゃん 世界:私には迎えに来てくれるお母さんも…父親もいないんだよ… 世界:私、ここで誰を待ってるの…?  :  0:数時間後  :  先生:世界ちゃん…ご両親に連絡しているんだけどね 先生:つながらないみたいで誰かほかに連絡のつく方はいないかな?  :  世界:…いません…お母さんもお仕事で忙しいから 世界:1人で帰れます…  :  先生:そう、少し暗いけど気をつけて帰ってね 先生:また明日  :  世界:…はい、先生  :  世界:ほら、やっぱり誰も来ない  :  0:過去シーン終了  :  世界: あの時の地震も結局帰ったら心配してくれるお母さんがいるとちょっと期待していたけど誰もいなかった 世界:今日だって… 世界:門限が過ぎても私は怒られることも締め出されることもない 世界:誰もいないから 私しかいないから 世界:未来とか香子とか優しいから、こんなこと言ったらきっと心配して家にいつでもおいでって言ってくれるけど 世界:2人にこんな迷惑かけられない  世界:だってこれはただの私のわがままだから 世界:それに朝になればお母さんが帰ってくるから 世界:知らない男をつれて 世界:あのときだって家に帰ったら隣からは笑い声が聞こえたのに 世界:私の家からはごみがくずれて足の踏み場がなくなってて寝室だけがほのかにひかってて  :  世界:心配なんて微塵もしてくれなくて…  :  世界:なんで…なんでこんな世界なんだろう 世界:どんなにいい子にしてても未来は変わらない  :  世界:こんな世界なくなってしまえばいいのに  : 世界:世界が消えれば…  : 0:翌日 0:近くでなっているであろうサイレンの音で未来は目が覚め、階段を駆け上がる母の音に体を起こした  :  未来母:未来!大変よ!世界ちゃんが!!  :  未来:珍しく慌てる母さんはそういって何が起こったのか説明してくれた 未来:だけどその内容はあまりにも信じがたくて、聞いてはいたものの理解などできなかった  :  未来母:これね…ポストの中に入っていたの… 未来母:…未来宛てよ  :  未来:そして一通の手紙を受け取る 未来:その手紙は紛れもない世界からだった 未来:足の感覚がないままなんとか自室に戻り手紙を開ける  :  世界:「こんばんは!あ、いやこれを読んでるときは朝かな 世界:じゃあおはようだ!」  :  未来:…なんだよ…これ  :  世界:「早速、本題なんだけどさ! 世界:あ、あのね 今回のことあんま気にしないでいいからね! 世界:って無理かな(汗)でも!ほんと気にしないで! 世界:私ね、新しい世界に行くんだ!それだけだから! 世界:そこはきっとヒーローがいてかわいいお洋服もあるんだよ 世界:それでね、みんな、みんな笑ってるの 世界:そんな素敵な世界にいけるチケット、ゲットしたら行くしかないじゃん! 世界:つまりそういうことだから ね!だからばいばい 世界:ありがと!二人と過ごせた時間はとってもたのしかったよ!!」  :  未来:……なんなんだよ、これ  :  0:手紙にはこぼれた涙の跡があり、所々ボールペンが滲んでいた  :  未来:昨日、またねっていったじゃんか 未来:なんなんだよ…ばいばいって 未来:あれ…世界昨日あのあとまたねって…  :  0:インターフォンが鳴る  :  香子:み、み…らい……せかい…が  :  未来:香子…  :  香子:わ…私のせいだ…っ!私がもしもの話なんかしたから…私が…っあの時だって!わたしが…!  :  未来:香子、落ち着けって…  :  香子:落ち着けるわけないでしょ…っ! 香子:だって世界、地震のときも次の日先生に聞いたら…一人で帰ったって… 香子:帰り際、元気なかったんだよ…っ!それなのに私っ 香子:もうずっと前から…限界だったのかもしれないのに…っ  :  未来:俺だって世界がおかしかったのを気のせいだっておもって何も言ってこなかった 未来:けどもう起こったことなんだよ…どうしようもできねぇ… 未来:くそ…どうすればよかったんだよ…俺たちは… 未来:友達を…大事な友達を…っ  :  香子:…笑顔になる世界に 香子:…っねぇ、未来!最後までこの手紙読んだ?  :  未来:いや…あと少し…  :  世界:「ねぇ!もしも世界が消えたらどんな世界にしたい?」  :  未来:…っこれ  :  香子:そう!  :  未来:こんなの 未来:こんなの決まってる!それは…っ!  :  0:学校帰りいつもの公園で話す三人組  :  香子:ねぇ 世界は何の世界にしたいの? 未来:なぁ 世界は何の世界にしたかった?  :  0:以下、満面の笑みで  :  世界:この世界が消える世界  :  0:END