台本概要
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タイトル | タイトル名のない台本 |
---|---|
作者名 | 天道司 |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ご自由に、演じて下さい。
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
アリス | 女 | 43 | 配信の枠にきた人。学生。 |
帽子屋 | 男 | 41 | 配信の枠を開いた人。社会人。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
アリス:(M)数か月前は、よく一緒に劇をしていた。
アリス:(M)だけど、最近は、全く絡むことがなくなった。
アリス:(M)そんな彼の配信の枠に・・・。
0:
帽子屋:「おっ?アリス、いらっしゃい」
アリス:『・・・こんにちは』
帽子屋:「今、一緒に劇をしてくれる人が来るのを待っていたんだけど・・・。良かったら、どう?」
アリス:『・・・じゃあ、お願いします』
0:
アリス:(M)私は、帽子屋に誘われるがままに、枠に上がる。
0:
帽子屋:「改めて、よろしくお願いします」
アリス:「お願いします。あのっ・・・。私、劇をするのが久しぶりで、下手になっているかも知れません」
帽子屋:「大丈夫だよ。ねぇ、今日は、どんな台本をやってみたい?何か希望は、あるかい?」
アリス:「希望ですか・・・。うーん・・・。なんでもいいです」
帽子屋:「なんでもいいか・・・。そう言われると、選ぶのが難しいんだよな」
アリス:「ですよね・・・。ごめんなさい」
帽子屋:「いやいや。謝らなくて、いいよ。今の君にピッタリの台本があるからさ」
アリス:「ピッタリの・・・台本?」
帽子屋:「うん」
アリス:「台本の名前は?」
帽子屋:「台本の名前?あぁ・・・。今は、まだないよ」
アリス:「タイトル名のない台本ってことですか?」
帽子屋:「そうだね」
アリス:「そんな台本、あるんですか?」
帽子屋:「あるよ。そして、それは、すでに始まっている」
アリス:「どういうことですか?意味がわかりません」
帽子屋:「意味がわからない、か・・・。そうだね。意味がわからないよね」
アリス:「私をからかってるんですか?」
帽子屋:「からかう?」
アリス:「なんか、今日の帽子屋は、前と違う気がします」
帽子屋:「前と違う?僕は変わっていないよ。僕は僕のままだ。前と違うのは、変わってしまったのは、アリスの方さ」
アリス:「私は変わっていません」
帽子屋:「変わっているじゃないか?今日も、学校を休んだんだろ?」
アリス:「それは・・・お腹が痛かったから・・・」
帽子屋:「お腹が痛かったから、学校を休んだの?」
アリス:「はい」
帽子屋:「・・・。今は、痛くないの?」
アリス:「だいぶ良くなりました。でも、朝は、今までに感じたことがないくらい、本当にお腹が痛かったんです」
帽子屋:「あぁ、なるほど・・・。『毒』に侵されてしまったんだね」
アリス:「毒に?何を言ってるんですか?」
帽子屋:「心と体は、深く繋がってるってことさ。『学校に行きたくない』という君の強い想いが、体調不良を引き起こした」
アリス:「そんなこと、あるわけないじゃないですか!」
帽子屋:「それがあるんだな・・・。『病は気から』って言葉、君は知らないの?」
アリス:「知ってますけど・・・」
帽子屋:「君は、病に侵されているんだよ。あぁ・・・。病というより、『毒』かな・・・?『エド』という毒」
アリス:「エド?」
帽子屋:「エドのことが好きなんだろ?」
アリス:「えっ?」
帽子屋:「その男は、君にとっての『毒』だ」
アリス:「それは、エドさんへの悪口ですか?」
帽子屋:「そう捉えてくれても、構わないけど?だって、エドは君を『性欲の捌け口』としか思っていないからね」
アリス:「は!?そんなことあるわけないじゃないですか!エドさんは、良い人です!」
帽子屋:「良い人?ふーん・・・。どんなふうに、良い人なの?」
アリス:「私のことを良く分かってくれるんです。話をたくさん聴いてくれて、優しくて、劇も上手で、大人な人なんです」
帽子屋:「ふーん・・・。君のことを本当に良く分かってくれているのならば、君が不登校になるのも止められるはずなのに、止めてくれないんだね・・・。あぁ!なんて、無責任な大人なんだろうね!」
アリス:「・・・」
帽子屋:「断言しよう!その男との関係を続ける限り、君は、どこまでも闇に堕ちて行く!」
アリス:「うるさい!あなたに、エドさんの何が分かるっていうんですか!」
帽子屋:「わかるさ!深夜帯まで、学生の枠に入り浸ってお話をしている気持ちの悪い男だ!!」
アリス:「もう、やめて・・・」
帽子屋:「一般良識のある大人ならば、深夜帯に配信をする学生の枠に入り浸ったりはしない!!!」
アリス:「やめてよ!」
帽子屋:「エドというクズ野郎は、その行為が、君の不登校を助長していることを分かっているのかな?きっと分かっていないんだろうね!あぁ!ダメな大人の典型例だ!!!」
アリス:「やめて!って言ってるのが聞こえないの!!!」
帽子屋:「やめて?やめないよ?そんなに僕の話を聞くのが嫌ならば、この枠から、さっさと出て行けばいいだろ?この枠から出て行って、僕のアカウントをブロックでも何でもすればいい!そうすれば、君が言ってほしくないことを言う人間は居なくなる!」
アリス:「・・・」
帽子屋:「君のことを否定しない人、君のことを褒めてくれる人ばかりを周りに集めて、承認欲求を満たして、どこまでも闇に堕ちて行けばいいさ・・・」
アリス:「・・・」
帽子屋:「どうしたの?出て行かないの?」
アリス:「・・・。あなたは、エドさんに嫉妬しているんですか?私がいつもエドさんとばかり一緒にいるから・・・」
帽子屋:「嫉妬?ふっ・・・。嫉妬というよりも、勿体ないという気持ち、残念だという気持ちの方が近いかな・・・」
アリス:「私の人生です・・・。どんな生き方をしたって、私の自由じゃないですか?」
帽子屋:「君の自由で、深夜帯まで配信をして・・・。君の自由で、学校を休んでばかりいる・・・。そんな君の自由で、裏切りで、君の親御さんは、今、とても心配していると思うよ」
アリス:「そんなの、あなたには、関係ないじゃないですか?」
帽子屋:「その通り!関係ないさ!君が僕の知らないところで勝手に自滅して行くのならば、関係がない!」
アリス:「だったら、ほっといて下さいよ・・・」
帽子屋:「ほっとけないだろ・・・?こうしてまた、僕の枠に来てくれたんだからね・・・」
アリス:「枠に?たったそれだけの理由で?」
帽子屋:「あぁ・・・。枠に来てくれたってことは、君はまだ僕の、大切な友人だよ」
アリス:「大切な友人なら、どうして、こんな酷いことばかり言うんですか?」
帽子屋:「酷いこと?僕は、嘘偽りのない本当の気持ちを、君にぶつけているだけさ・・・。僕は、友人を決して見捨てない」
アリス:「・・・。ねぇ、帽子屋さん」
帽子屋:「ん?」
アリス:「私、どうすればいいんですか?」
帽子屋:「答えは、すでに、君の中にあるはずだ」
アリス:「私の中に?」
帽子屋:「うん。そして、これはまだ、『タイトル名のない台本』だ。ここから先の筋書きは、君が描くんだよ」
アリス:「私が、描く・・・」
0:
0:-了-
アリス:(M)数か月前は、よく一緒に劇をしていた。
アリス:(M)だけど、最近は、全く絡むことがなくなった。
アリス:(M)そんな彼の配信の枠に・・・。
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帽子屋:「おっ?アリス、いらっしゃい」
アリス:『・・・こんにちは』
帽子屋:「今、一緒に劇をしてくれる人が来るのを待っていたんだけど・・・。良かったら、どう?」
アリス:『・・・じゃあ、お願いします』
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アリス:(M)私は、帽子屋に誘われるがままに、枠に上がる。
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帽子屋:「改めて、よろしくお願いします」
アリス:「お願いします。あのっ・・・。私、劇をするのが久しぶりで、下手になっているかも知れません」
帽子屋:「大丈夫だよ。ねぇ、今日は、どんな台本をやってみたい?何か希望は、あるかい?」
アリス:「希望ですか・・・。うーん・・・。なんでもいいです」
帽子屋:「なんでもいいか・・・。そう言われると、選ぶのが難しいんだよな」
アリス:「ですよね・・・。ごめんなさい」
帽子屋:「いやいや。謝らなくて、いいよ。今の君にピッタリの台本があるからさ」
アリス:「ピッタリの・・・台本?」
帽子屋:「うん」
アリス:「台本の名前は?」
帽子屋:「台本の名前?あぁ・・・。今は、まだないよ」
アリス:「タイトル名のない台本ってことですか?」
帽子屋:「そうだね」
アリス:「そんな台本、あるんですか?」
帽子屋:「あるよ。そして、それは、すでに始まっている」
アリス:「どういうことですか?意味がわかりません」
帽子屋:「意味がわからない、か・・・。そうだね。意味がわからないよね」
アリス:「私をからかってるんですか?」
帽子屋:「からかう?」
アリス:「なんか、今日の帽子屋は、前と違う気がします」
帽子屋:「前と違う?僕は変わっていないよ。僕は僕のままだ。前と違うのは、変わってしまったのは、アリスの方さ」
アリス:「私は変わっていません」
帽子屋:「変わっているじゃないか?今日も、学校を休んだんだろ?」
アリス:「それは・・・お腹が痛かったから・・・」
帽子屋:「お腹が痛かったから、学校を休んだの?」
アリス:「はい」
帽子屋:「・・・。今は、痛くないの?」
アリス:「だいぶ良くなりました。でも、朝は、今までに感じたことがないくらい、本当にお腹が痛かったんです」
帽子屋:「あぁ、なるほど・・・。『毒』に侵されてしまったんだね」
アリス:「毒に?何を言ってるんですか?」
帽子屋:「心と体は、深く繋がってるってことさ。『学校に行きたくない』という君の強い想いが、体調不良を引き起こした」
アリス:「そんなこと、あるわけないじゃないですか!」
帽子屋:「それがあるんだな・・・。『病は気から』って言葉、君は知らないの?」
アリス:「知ってますけど・・・」
帽子屋:「君は、病に侵されているんだよ。あぁ・・・。病というより、『毒』かな・・・?『エド』という毒」
アリス:「エド?」
帽子屋:「エドのことが好きなんだろ?」
アリス:「えっ?」
帽子屋:「その男は、君にとっての『毒』だ」
アリス:「それは、エドさんへの悪口ですか?」
帽子屋:「そう捉えてくれても、構わないけど?だって、エドは君を『性欲の捌け口』としか思っていないからね」
アリス:「は!?そんなことあるわけないじゃないですか!エドさんは、良い人です!」
帽子屋:「良い人?ふーん・・・。どんなふうに、良い人なの?」
アリス:「私のことを良く分かってくれるんです。話をたくさん聴いてくれて、優しくて、劇も上手で、大人な人なんです」
帽子屋:「ふーん・・・。君のことを本当に良く分かってくれているのならば、君が不登校になるのも止められるはずなのに、止めてくれないんだね・・・。あぁ!なんて、無責任な大人なんだろうね!」
アリス:「・・・」
帽子屋:「断言しよう!その男との関係を続ける限り、君は、どこまでも闇に堕ちて行く!」
アリス:「うるさい!あなたに、エドさんの何が分かるっていうんですか!」
帽子屋:「わかるさ!深夜帯まで、学生の枠に入り浸ってお話をしている気持ちの悪い男だ!!」
アリス:「もう、やめて・・・」
帽子屋:「一般良識のある大人ならば、深夜帯に配信をする学生の枠に入り浸ったりはしない!!!」
アリス:「やめてよ!」
帽子屋:「エドというクズ野郎は、その行為が、君の不登校を助長していることを分かっているのかな?きっと分かっていないんだろうね!あぁ!ダメな大人の典型例だ!!!」
アリス:「やめて!って言ってるのが聞こえないの!!!」
帽子屋:「やめて?やめないよ?そんなに僕の話を聞くのが嫌ならば、この枠から、さっさと出て行けばいいだろ?この枠から出て行って、僕のアカウントをブロックでも何でもすればいい!そうすれば、君が言ってほしくないことを言う人間は居なくなる!」
アリス:「・・・」
帽子屋:「君のことを否定しない人、君のことを褒めてくれる人ばかりを周りに集めて、承認欲求を満たして、どこまでも闇に堕ちて行けばいいさ・・・」
アリス:「・・・」
帽子屋:「どうしたの?出て行かないの?」
アリス:「・・・。あなたは、エドさんに嫉妬しているんですか?私がいつもエドさんとばかり一緒にいるから・・・」
帽子屋:「嫉妬?ふっ・・・。嫉妬というよりも、勿体ないという気持ち、残念だという気持ちの方が近いかな・・・」
アリス:「私の人生です・・・。どんな生き方をしたって、私の自由じゃないですか?」
帽子屋:「君の自由で、深夜帯まで配信をして・・・。君の自由で、学校を休んでばかりいる・・・。そんな君の自由で、裏切りで、君の親御さんは、今、とても心配していると思うよ」
アリス:「そんなの、あなたには、関係ないじゃないですか?」
帽子屋:「その通り!関係ないさ!君が僕の知らないところで勝手に自滅して行くのならば、関係がない!」
アリス:「だったら、ほっといて下さいよ・・・」
帽子屋:「ほっとけないだろ・・・?こうしてまた、僕の枠に来てくれたんだからね・・・」
アリス:「枠に?たったそれだけの理由で?」
帽子屋:「あぁ・・・。枠に来てくれたってことは、君はまだ僕の、大切な友人だよ」
アリス:「大切な友人なら、どうして、こんな酷いことばかり言うんですか?」
帽子屋:「酷いこと?僕は、嘘偽りのない本当の気持ちを、君にぶつけているだけさ・・・。僕は、友人を決して見捨てない」
アリス:「・・・。ねぇ、帽子屋さん」
帽子屋:「ん?」
アリス:「私、どうすればいいんですか?」
帽子屋:「答えは、すでに、君の中にあるはずだ」
アリス:「私の中に?」
帽子屋:「うん。そして、これはまだ、『タイトル名のない台本』だ。ここから先の筋書きは、君が描くんだよ」
アリス:「私が、描く・・・」
0:
0:-了-