台本概要

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タイトル 誰も知らないおとぎ話
作者名 やくも  (@yakumo_20230707)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 おとぎ話の裏側が題材となっております

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
A 33 おとぎ話の中では騎士
B 34 おとぎ話の中では悪役の姫
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
誰も知らないおとぎ話 A→男 B→女 B:「これは、誰も知らない物語」 A:「はぁ…つまらない……」 B:「まーた浮かない顔してる」 A:「仕方ないだろ。嫌いなんだよ、この世界」 B:「どうして??」 A:「決められたキャラクター、決められたストーリー、何一つ変わり映えしない」 B:「そりゃ、おとぎ話だからね」 A:「アンタはいいのかよ、与えられた役割をただこなすだけで」 B:「私は構わないよ?私達の話って最後には皆笑顔になるし、いい事じゃん」 A:「みんな、ねぇ……」 B:「もしかして、最後のシーンでも今みたいなしかめっ面してるの!?ダメだよ!ハッピーエンドなんだから!」 A:「いいだろ別に…俺はただのモブなんだし」 B:「だーめ!!最重要キャラの姫である私からの命令です!!」 A:「うるさいな……俺の勝手だろ」 B:「勝手じゃありません!え・が・お!!!」 A:「わ、わかったよ……」 B:「よろしい!いい子いい子!」 A:「やめろ!ガキじゃあるまいし…!」 B:「さ、戻りましょ!皆と一緒に笑顔、忘れないでね!」 A:「はいはい。仰せのままに、姫様 …………その「皆」にアンタは含まれてないじゃねぇか」 0:【間】 B:「この世界の私は、横暴な振る舞いで主人公を虐め、最期には処刑される…いわゆる悪役だ」 A:「そして俺は姫の処刑を執行する騎士の役。主人公に全てを奪われ絶望する彼女に、幾度となく剣を振りかざした。」 0:【場面転換】 B:「離しなさい!離しなさいよ!!私はこの国の姫なのよ!?」 A:「何を言っても無駄だ!お前の悪事は全て暴かれているのだ!!」 B:「騎士の分際で私に歯向かうなんて許されると思ってるの!?今すぐ私を解放しなさい!!」 A:「黙れ!!この国にはお前の言葉に耳を傾ける者など、誰もいないのだ!!」 B:「そんな…私は……私は姫なのよ…?こんな事が許される訳…」 A:「恨むなら己の行いを悔やむ事だ!!」 B:「や、やめ…!私、まだ死にたくな…!!」 A:「ふんっ!」 0:【場面転換】 B:「ふぅ…終わったぁ……。わかっていても、しんどいなぁ……」 A:「おい」 B:「えっ!?い、いたの!?」 A:「やっぱり辛いんだろ」 B:「い、いや…それは……」 A:「……逃げよう」 B:「えっ……?」 A:「俺と一緒に、逃げよう」 B:「……ダメだよ」 A:「どうして!!?」 B:「私がいないと、この世界は成り立たない。あなたとはちがうの。ハッピーエンドのために私の存在は必要不可欠だから」 A:「なんでだよ……」 B:「あなたはいいんだよ?処刑の執行役なんて嫌な役、他人に押し付けちゃえば……」 A;:「なんでその優しさを自分に向けられないんだよ!!!」 B:「…!」 A:「あんたはいっつもそうだ!口を開けば皆が皆がって!自分が犠牲になればいいみたいな顔しやがって!!!」 B:「わ、私は……」 A:「そんなもん俺に押し付けんな!!!」 B:「仕方ないの!私は皆が幸せになれれば……」 A:「俺は他の誰でもない、アンタに報われて欲しいんだよ!!!」 B:「どうしてそこまで……」 A:「…………。聞かせてくれ、世界とか皆じゃない。アンタ自身はどうしたいんだ」 B:「わ、私は…。でも、私が抜けたらこの世界そのものが」 A:「俺は、世界よりもアンタの方が大切だ」 B:「っ!!」 A:「俺と、一緒にきてくれないか?」 B:「……いい、のかな?」 A:「いいんだ」 B:「わ、私…本当は…辛くて……」 A:「あぁ」 B:「でも、皆のためって…いつも、怖くて……」 A:「そうだな」 B:「うっ…ううぅっ……」 A:「もういいんだ…、これからは、もう……」 B:「……うっ…グスッ…私を連れてってくれますか?」 A:「……仰せのままに」 B:「この日、世界から1つのおとぎ話が無くなった」 A:「これは誰も知らない物語」 0:〜Fin〜

誰も知らないおとぎ話 A→男 B→女 B:「これは、誰も知らない物語」 A:「はぁ…つまらない……」 B:「まーた浮かない顔してる」 A:「仕方ないだろ。嫌いなんだよ、この世界」 B:「どうして??」 A:「決められたキャラクター、決められたストーリー、何一つ変わり映えしない」 B:「そりゃ、おとぎ話だからね」 A:「アンタはいいのかよ、与えられた役割をただこなすだけで」 B:「私は構わないよ?私達の話って最後には皆笑顔になるし、いい事じゃん」 A:「みんな、ねぇ……」 B:「もしかして、最後のシーンでも今みたいなしかめっ面してるの!?ダメだよ!ハッピーエンドなんだから!」 A:「いいだろ別に…俺はただのモブなんだし」 B:「だーめ!!最重要キャラの姫である私からの命令です!!」 A:「うるさいな……俺の勝手だろ」 B:「勝手じゃありません!え・が・お!!!」 A:「わ、わかったよ……」 B:「よろしい!いい子いい子!」 A:「やめろ!ガキじゃあるまいし…!」 B:「さ、戻りましょ!皆と一緒に笑顔、忘れないでね!」 A:「はいはい。仰せのままに、姫様 …………その「皆」にアンタは含まれてないじゃねぇか」 0:【間】 B:「この世界の私は、横暴な振る舞いで主人公を虐め、最期には処刑される…いわゆる悪役だ」 A:「そして俺は姫の処刑を執行する騎士の役。主人公に全てを奪われ絶望する彼女に、幾度となく剣を振りかざした。」 0:【場面転換】 B:「離しなさい!離しなさいよ!!私はこの国の姫なのよ!?」 A:「何を言っても無駄だ!お前の悪事は全て暴かれているのだ!!」 B:「騎士の分際で私に歯向かうなんて許されると思ってるの!?今すぐ私を解放しなさい!!」 A:「黙れ!!この国にはお前の言葉に耳を傾ける者など、誰もいないのだ!!」 B:「そんな…私は……私は姫なのよ…?こんな事が許される訳…」 A:「恨むなら己の行いを悔やむ事だ!!」 B:「や、やめ…!私、まだ死にたくな…!!」 A:「ふんっ!」 0:【場面転換】 B:「ふぅ…終わったぁ……。わかっていても、しんどいなぁ……」 A:「おい」 B:「えっ!?い、いたの!?」 A:「やっぱり辛いんだろ」 B:「い、いや…それは……」 A:「……逃げよう」 B:「えっ……?」 A:「俺と一緒に、逃げよう」 B:「……ダメだよ」 A:「どうして!!?」 B:「私がいないと、この世界は成り立たない。あなたとはちがうの。ハッピーエンドのために私の存在は必要不可欠だから」 A:「なんでだよ……」 B:「あなたはいいんだよ?処刑の執行役なんて嫌な役、他人に押し付けちゃえば……」 A;:「なんでその優しさを自分に向けられないんだよ!!!」 B:「…!」 A:「あんたはいっつもそうだ!口を開けば皆が皆がって!自分が犠牲になればいいみたいな顔しやがって!!!」 B:「わ、私は……」 A:「そんなもん俺に押し付けんな!!!」 B:「仕方ないの!私は皆が幸せになれれば……」 A:「俺は他の誰でもない、アンタに報われて欲しいんだよ!!!」 B:「どうしてそこまで……」 A:「…………。聞かせてくれ、世界とか皆じゃない。アンタ自身はどうしたいんだ」 B:「わ、私は…。でも、私が抜けたらこの世界そのものが」 A:「俺は、世界よりもアンタの方が大切だ」 B:「っ!!」 A:「俺と、一緒にきてくれないか?」 B:「……いい、のかな?」 A:「いいんだ」 B:「わ、私…本当は…辛くて……」 A:「あぁ」 B:「でも、皆のためって…いつも、怖くて……」 A:「そうだな」 B:「うっ…ううぅっ……」 A:「もういいんだ…、これからは、もう……」 B:「……うっ…グスッ…私を連れてってくれますか?」 A:「……仰せのままに」 B:「この日、世界から1つのおとぎ話が無くなった」 A:「これは誰も知らない物語」 0:〜Fin〜