台本概要
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タイトル | 3人の殺し屋〜Secrets of killers〜/プロローグ:『孤独の星』/第一話:『子供は早く寝る』 |
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作者名 | 黒兎milk♂ (@hosikiraNON) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 6人用台本(男2、女3、不問1) ※兼役あり |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
3人の主人公の物語。 悲しい過去を持つ3人の殺し屋の物語 舞台は魔法がある世界です。復讐がテーマです。 第1章~3章まで考えてます。 ※ご注意願います 過度なアドリブはお控えください。 登場人物自体の性別変更はお控えください。 語尾の言い回しの変更も登場人物に当たり障りない程度ならOKです! 利用するにあたって 商用利用は基本NGです。それ以外の場所CAS、ピカピカや個人でのご使用はご連絡不要です。 舞台、CD等にご使用の場合お知らせ願います。 商用利用したい場合、作者のX(旧Twitter)まで。 991 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
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ルカ | 不問 | 75 | ルカ:【男女不問】 ルカ。16歳。168cm。 5歳の時にココに拾われて殺し屋家業に入った。 容姿:プラチナブロンドで碧眼。 性格:あまり感情を出さない。激甘党。 好き:お菓子/特にチョコレート 能力:青近遠眼光《ブルーライト・アイ》 説明:魔法陣を瞳の近くに展開させ遠くを見据える能力。 得意武器:スナイパーライフル |
リン | 女 | 66 | リン:【女性】 リン。15歳。158cm。 8歳の時にマリア達に助けられ殺し屋家業に入った。 容姿:林檎のような赤い髪の毛に緑眼。外ハネショートヘアでマリアから貰った緑のピアスを左耳に身につけている。 性格:笑顔が可愛い活発な女の子。 好き:花屋のあの人が飲む珈琲の香り。 能力:笑顔の印《ハッピー》 説明:能力発動時、瞳が緑に光る。千里眼など遠隔地の出来事を察知したり見ることが可能。 得意武器:ナイフ【兼ね役有り】 |
ロック | 男 | 42 | ロック:【男性】 ロック。25歳。180cm。 ルカとリンがが入った時には既に殺し屋だった。 容姿:黒髪に黒い瞳。ピアスバチバチオールバック。 性格:笑い方がクレイジー。天然で意外と素直。 好き:酒、タバコ。 能力: 運命の死神《デスティニー》 説明:能力発動条件は相手に二択の選択を出す。どちらかを選んでもう。それは片方は幸せな選択肢とは限らない。選択肢はその場の状況に応じて、能力の気まぐれで決まる。 得意武器:鎌 【兼ね役有り】 |
ティルガーナ | 女 | 46 | ティルガーナ:【不明】 ティルガーナ。28歳。177cm。 ココが率いる殺し屋Secretの情報屋。 瞬間記憶能力を持っている。 容姿:黄緑色の髪の毛と碧眼。腰まで髪の毛があり、三つ編みにして結んでいる。中性的で性別がどちらかわからない。 性格:人をいじるのが大好き。甘党。 好き:マカロン(期間限定物) 能力:手帳秘密《ペーパー・ロック》 説明:見たもの全ての情報を得ることが出来る。 手帳にその人物や物を描かない限り情報は出てこない。描かれてしまったら、あらゆる秘密がバレてしまう。 【兼ね役有り】 |
ココ | 男 | 38 | セリフ少ないですが重要な人物です。【兼ね役有り】(掛け合い一部有り) |
レイン | 女 | 63 | レイン:【女性】レイン。人型の悪魔。容姿:二本の角とフェイスペイント、水色のツインテールの髪の毛、オッドアイが特徴的。オシャレでカラフルなエクステをつけている。悪魔の尻尾と吸血鬼の牙も持っている。悪魔と吸血鬼の混血種。祖母の家系がサキュバス。性格:八方美人で腹黒。人の不幸が蜜の味。 好き:子供の魂。子供の恐怖に曲がった顔。観客の笑顔。 カラフルな物。嫌い:血の味。差別。冷たい視線。能 力:今宵ノ道化師<トゥナイト・トゥナイト>(代表的能 力名)【兼ね役有り】ナレーション掛け合い一部有り |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
【声劇台本】3人の殺し屋
ココ:「『孤独の星』」(プロローグ)
0:
ティルガーナ:(少年)「寂しいよ…」
レイン:(N)少年は呟きました。
ティルガーナ:(少年)「悲しい」
レイン:(N)少年は涙を流しました。
ティルガーナ:(少年)「憎い」
レイン:(N)少年は…武器を手に取りました。
0:
レイン:(N)今から200年程前、ある王国は栄えていました。民は王を讃《たた》え王は民を愛しました。それはもう我が子のように…。ですが…なぜか王は殺されてしまいました。嘆《なげ》く民の横で、一人の少年は言いました。
ティルガーナ:(少年)「何が悲しい、何が辛い…嘆くでない!王は殺されて当然だ!今ここに宣言する!次の王は…この僕だ!」
0:間
レイン:(N)少年は王になりました。「誰も逆らえない。」「逆らったら血を見るぞ。」それは民達の口癖となっていきました。それから十年の月日が経ち、少年は姿を見せなくなりました。ですが、王国は栄えたままだったのです。不気味な程に…。
0:
レイン:(N)本を子供に読み聞かせをしている、一人の少年が養護施設に居た。
0:間
ルカ:「その王国の名は【―ルベリオン―】ルベリオン王国」
ティルガーナ:(アン)「この王国の名前だね!!」
ココ:(カイ)「ルベリオンはカッコイイ王国だもん!!すげぇよなぁ~」
リン:(ミミ)「かつて四つもあった王国の中で、最も栄えてるって有名だもんね!!」
ティルガーナ:(アン)「ミミよく勉強してるね!凄い!」
リン:(ミミ)「えへへ///」
ルカ:「…そろそろ帰らなきゃ」
レイン:(N)子供達が残念そうな声を出す。
ルカ:「また金曜日来るよ」
リン:(ミミ)「約束だからね!!」
ティルガーナ:(アン)「待ってるね!!」
ココ:(カイ)「今度、魔法見せてくれよな!!絶対だからな!!」
0:―子供達は手を振る
ルカ:「あぁ(ニッコリ笑うように)」
レイン:(N)ルカは笑った後、どこか悲しい表情を浮かべた。赤いレンガのアパートに着くと、直ぐに部屋へと入る。
0:間
ルカ:「はぁ…やっぱり子供は苦手だ…」
0:【SEドンドンドン!!】勢いが凄いノック
ルカ:「おいっ!!ドアが壊れるだろ!!」
リン:「し・ご・と!!ルカ準備早く!!」
ルカ:「わかったから叩くな!!」
0:ノックが止む
ルカ:「はぁ…疲れる」
0:1階~リビング~
リン:「おっそいよ~!!」
ロック:「ビリ~!!ぎゃははははっ!!」
ルカ:「そのうるさい笑い声やめろ…虫酸《むしず》が走る」
リン:「まぁまぁ…(苦笑い)」
0:【SEコンコン】ドアノック
ティルガーナ:(マリア)「あら、もう集まってたの?」
レイン:(N)とても長い、綺麗なハニーブロンドの髪をした女性が、車椅子に乗ってやってきた。
リン:「マリア!!」(同時に)
ロック:「マリア!!」(同時に)
ティルガーナ:(マリア)「ふふっ、さて(二回手を叩く)みんな座って?ミーティング始めるわよ」
リン:「 は~い!!」
ティルガーナ:(マリア)「ロック?足をテーブルに乗せないの。全く本当に貴方はいつもいつも…」
ロック:(M)げ……
リン:「…マリア!それより仕事の話!今回の依頼はなに?」
ティルガーナ:(マリア)「あぁ…そうね。今回は」
ロック:(M)リン…ナイス!!
0:ロックはガッツポーズをする。
レイン:(N)マリアは呪文を唱える。すると空間に資料が浮かんだ。
ルカ:「流石は魔女だな…」(呟く)
リン:「ちょっとルカ!!」
ルカ:「情報を空間に浮かばせる魔法…その他にもマリアは使える……それは魔女や魔法使いしか出来ない」
ロック:「まぁ本来、魔法は一人に一つが普通だもんなぁ」
ルカ:「あぁ(頷きながら)魔法や魔法使いは異端扱い、見つかれば即殺されるだろう。」
リン:「………」
0:空気が張りつめる中、マリアが口を開く。
ティルガーナ:(マリア)「やめなさい…。リン、そんな悲しい顔はやめて?(心配そうに)リンに謝りなさい二人とも」
0:長めの沈黙が流れる
ロック:「……だあああぁっ!!わかったよ!!悪かった!!」
ティルガーナ:(マリア)「ルカ?」
ルカ:「まだ過去に縛られたままかよ…。はぁ…。悪かった…これで満足か?」
0:
レイン:(N)ルカはリビングから出ていく。
ロック:「なんだよあいつ…。リン…マジすまん」
リン:「ううん、大丈夫」
リン:(M)ルカ…なんであんたが一番悲しい顔してるの?
ルカ:「まだ過去に縛られたままかよ…。」(回想)
リン:(M)あんたも…縛られてるんじゃないの?
0:
ロック:「…ン…リ…ン…リン!!」
リン:「ひゃいっ!!」
ロック:「なんて声出してんだよ…」
リン:「ごめん…」
ティルガーナ:(マリア)「じゃあ、続き話すわね。依頼内容は…」
0:間
レイン:(N)ルカが自室に戻ると同時に、ノックが聞こえてくる。もちろんルカは無視を決め込むが…
ココ:「お~い…ルカちゃ~ん!ココだよ~?」
ルカ:(M)くそ、また酔っ払ってるな?
0:少し沈黙の後
ココ:「お前に個人的な依頼だ」
レイン:(N)ココは突然冷静な声になる。その言葉を聞いたルカはドアを開ける。
ココ:「お!やっと開いた」
ルカ:「要件を話せ」
ココ:「焦んなって…。依頼内容言うぞ?時計塔前のピエロって知ってるか?」
0:間
ルカ:「広場にある、あの時計塔か?」
ココ:「あぁ、いつもお前が養護施設の子に本を読み聞かせしてるあの時計塔だ。」
ルカ:「それがなんだ――」(被せる)
ココ:「そのピエロが子供を狙ってショーをしている。」
ルカ:「どういう事だ…」
ココ:「そのままの意味だ……養護施設の子が集まる場所だろ?」
ルカ:「詳しく教えろ」
ココ:(M)いい面してるじゃねぇか
0:間
ロック:「なるほどな。それだと俺とリンだけで済みそうだな」
リン:「そうだね!明日よろしくね!」
ロック:「賊退治なんて簡単だぜ!」
ティルガーナ:(マリア)「油断しないように」
ロック:「おう!」
リン:「は~い!」
0:間
0:場面が変わり、ルカの部屋
ココ:「そういう事だ。あいつを頼れよ?わかったな?」
レイン:(N)ココはそう言うと去っていった。
ルカ:「ピエロ…」
0:間
レイン:「第1話『子供は早く寝る』」(タイトルコール)
0:間
0:謎の女性の影
レイン:「ふふふ…さぁ今宵も始めましょう?」
0:
ココ:「時計塔の広場に、毎週水曜日にピエロはショーをやっている。ショーって言っても簡単なショーだ。大人にはウケないが、子供からは絶賛…。ショーが終わると必ず子供に風船を渡す。」
ココ:「そして…渡された子供達は……夜に寝たきり、目を覚まさなくなる。まだ死人は出てねぇ…そのうちにピエロを殺せ!!」
0:ルカはベッドから起き上がる。
ルカ:「とりあえず…あいつの所に行くか」
レイン:(N)賑わう市場の死角にある、怪しげな店にルカは足を向ける。
0:【SEコンコン】(ドアノック)
ティルガーナ:「は~い、開いてるからどうぞぉ~」(ヨガのポーズしています)
レイン:(N)少しふざけた声に、ルカはイライラを隠しつつもドアを開ける。
ルカ:「ティル、お前の情報買わせ…なんだそのポーズは」
ティルガーナ:「よっと!ほっ!ん?これー?隣の国の…【ノルーテ】で…健康に、良いポーズだよぉ〜」
レイン:(N)ティルガーナはくねくねしながらルカに応える。
ティルガーナ:「んっ、ほっ!あ、それ!」
ルカ:「お前いい加減にしろ」(呆れた感じで)
0:間
ティルガーナ:「はぁあ…(あくび)。で?要件ってなに?」
ルカ:「時計塔のピエロ知ってるか?」(ティルの態度に少しだけ怒りながら)
ティルガーナ:「時計塔?知らないね~」
ルカ:「ピエロは知ってるのか?」
レイン:(N)ティルガーナはお菓子を食べながら応える。
ティルガーナ:「まぁね~…一昨日の夜見たかな?」
ルカ:「ピエロは何してた?」
ティルガーナ:「タダでは教えないよ?」
ルカ:「……」
0:間
ロック:「ここが賊の洞穴」
リン:「うーん、中に5人…外に門番2人」
レイン:(N)リンは自身の能力『幸せの印《ハッピー》』を使い賊の人数を当てる。
ロック:「しゃっあ!こっちは魔法道具もあるし?勝てるなぁ!リン!援護頼む!」
リン:「了解!!」
ココ:(賊A)「な、なんだ!ぐはぁ!」
ココ:(賊B)「敵襲!敵襲!」
ロック:「ぎゃははははっ!!」
リン:(M)たーのんしでるなぁ…(苦笑い)……さてと、私はこいつらをやるか
レイン:(N)後ろから来る賊の方を向き、腰から短剣を取るリン。
0:
ロック:「お前らの命頂く!!」(同時に)
リン:「あんたの命頂く!!」(同時に)
0:間
ルカ:「はぁ…(溜息)そういうと思って持ってきた……」
ティルガーナ:「ふふふ~」
レイン:(N)ティルガーナは両手を小さく広げ、ニッコリしながら待っている。
ルカ:「……」
ティルガーナ:「ル・カ…?早く出してよ」
ルカ:「くっ…」
レイン:(N)ティルガーナはニコニコしている。
ティルガーナ:「ねぇ?ル~カ?」
ルカ:「……ほらよ(しぶしぶ)」
ティルガーナ:「わぁ!!期間限定チョコレートマカロンだぁ!!あ・り・が・と…ルカく~ん!」(大袈裟に、いたずらをする子供のように)
ルカ:(M)くそ…なんで今日に限って1個しか置いてないんだよ…。食べたかったな
ティルガーナ:「うん?なに見つめてるの?あげないよ~」
ルカ:「…い、いらん!」
0:間
ルカ:「で、ピエロは何してた?」
ティルガーナ:「僕が夜散歩をしていた時だ…」
ルカ:「夜に散歩?お前が?」
ティルガーナ:「話の腰を折らないでくれよ~」
0:
レイン:(N)ティルガーナは少しむくれた後真顔に戻り話を続ける。
0:
ティルガーナ:「僕が夜に散歩をしていた時、ピエロが怪しくウロウロしてたからさ…後をつけたんだよ。そしたら、ある家の前に止まってさ…するりと家に入ったんだ。」
ティルガーナ:「びっくりしたよ…それで5分もしないうちに出てきてさ?なんか風船を持ってた、謎に光ったね…」
0:盗賊の穴蔵
0:【SEキーン!キーン!】戦う音
リン:「遅い!動きが見え見え!」
レイン:(N)リンはニコリと笑いながら、敵の攻撃を華麗にかわして切りつける。
ココ:(賊C)「く、くそ…」
ロック:「ぎゃははははっ!!死ね死ね!!」
ココ:(賊D)「お前まさか……ロック…あの、死神のロックか!!」
ロック:「あれ?俺ってそんなに有名?」
0:ニコニコしながらロックが鎌を振り下ろす。
ロック:「参っちゃうなぁ」
レイン:(N)リンは首につけている無線型チョーカーで、ロックに連絡を取る。
リン:「ロック!?先行ししすぎ!!」
ロック:「ひゃはははははっ!!!わりぃわりぃ!!こいつで終わる!!」
リン:「OK!!――っ!?待って!!」
ロック:「あ?なんだよ」
リン:「やばい!!悪魔がこっちに来る!!」
ロック:「あくまぁだぁ?…型《かた》は?」
リン:「まって!!」
レイン:(N)リンは再び能力を使う。
リン:「!?やばい!!人型っ!!」
ロック:「ガチ?」
リン:「早く私の所に来て!!」
ロック:「おう!!」
レイン:(N)ロックは全速力でリンの所に走る。
0:崖の上に飛び乗る。
ロック:「よっと!!」
リン:「じゃあ逃げるよ?」
レイン:(N)リンが魔法道具を使おうとした時、リン達が立っている崖が綺麗に割れた。
ロック:「げっ」
リン:「やばっ!!」
レイン:(N)リンが魔法道具を素早く起動させると、空間に扉が浮き出る。
リン:「ロック!行くよ!!」
0:
レイン:(N)二人は扉に飛び込み…扉が消えると同時に、二人がいた場所は跡形もなく吹き飛んだ。
0:間
リン:「……し、し」
ロック:「死ぬかと思ったぁああああ!!!!!」(同時に)
リン:「死ぬかと思ったぁああああ!!!!!!」(同時に)
0:
リン:「み…見た?扉が消える瞬間…」(震えながら)
ロック:「(唾を飲み込む)あぁ…」
0:間
0:盗賊の穴蔵/【SEズドーーーン!!】崖が吹き飛ぶ音
レイン:「あ~ら…逃がしちゃった…残念」
ココ:(賊E)「あ、姉御…すんません、風船がっ――」
レイン:「喋るな…」(前のセリフ被せて)
0:賊の心臓を掴み取るレイン
レイン:「ふふ…あたしのご飯を逃した事…」
(舌なめずり)
レイン:「忘れないよ…人間」(少し低めな声)
0:間
ココ:「お前らどうした?」
リン:「コ…ココー!!!!怖かったよォ!!!!」(泣きながら)
ココ:「おいおい…何があった?」
0:間
ココ:「なるほど、な…人型の悪魔か……。(少し考える)よく逃げて来れたねぇ、はっはっはっ!!」
リン:「笑い事じゃないよ~!!…うぅ」
ロック:「マリアの魔法道具が役に立ったな」
リン:「ヴンッ〜」(泣きながら)
ココ:「あー!あれね、ターゲットを殺した時にバレずに帰る、あれね!」
ロック:「こんな使い方は初めてだけどなぁ…」
ココ:「ガッハッハッ」
0:
リン:「そういえばルカは?」
ココ:「あぁ!ルカね、ティルガーナの所」
0:間
レイン:(N)ティルガーナの隠れ家
ルカ:「わかってることを話せ」
ティルガーナ:「今喋ったじゃーん」
ルカ:「能力…その時使ったんだろ?」
0:ティルガーナが持ってるフォークの手が止まる。
ティルガーナ:「……まぁ、ね」
レイン:(N)ティルは懐から手帳を出すとペラペラと開き、あるページで手を止めた。
ティルガーナ:「はい、これがピエロ」
ルカ:「思ったよりも大きいな…。これが人気?理解が出来ん。逆に泣いた方が正解だな」
ティルガーナ:「はははっ(楽しそうに)そうかもねぇ」
レイン:(N)ルカは手帳に書かれている文字を読み上げる。
ルカ:「魂を風船に入れる……このピエロの能力か?」
ティルガーナ:「最後まで見てみなよ」
ルカ:「……魂を入れる役…割…」
0:ルカは手帳からティルガーナの顔を直ぐに見る。
0:5秒間沈黙
ティルガーナ:「おかしくない?役割…なんてさ。こいつの能力なら『能力』と出る筈だし、その他の情報が出てもおかしくない…その筈なのに。このピエロは人じゃないね…生き物でもない。ただの人形…傀儡《くぐつ》だね」
0:
ルカ:「黒幕は他に居るってことか?」
ティルガーナ:「そうかもしれないね…。僕ができるのはここまで!まぁとりあえず、頑張ってね~」
0:
レイン:(N)ルカがティルガーナと別れると、目の前にあるチラシが飛んでくる。
ルカ:「毎週水曜日のピエロが明日…やってくる…」
リン:(ミミ)「ルカお兄ちゃん?」
レイン:(N)ミミがルカを見つけて駆け寄って来る。
ルカ:「ミミ?どうしたこんな所で」
リン:(ミミ)「みんなで鬼ごっこ!!あ!それでね!明日ピエロが来るんだ~!!」
レイン:(N)ミミはニコニコしながら話していると…
ココ:(カイ)「あ!ミミ!!ここは危な…いって…ルカだ!どうしたの?」
ルカ:「はぁ……お前らもしかしてピエロのショー見に行くのか?」
0:
ティルガーナ:(アン)「あ!二人共見つけたー!!って、ルカお兄ちゃんだ!!どしたのー?」
ルカ:「はぁ……」(めんどくさそうに)
ティルガーナ:(アン)「ルカお兄ちゃんそういえば――」
ルカ:「ピエロのショーだろ?」
ティルガーナ:(アン)「なんで知ってるの?ってチラシかー」
ルカ:「お前ら…絶対に明日行くなよ?わかったな?」
レイン:(N)子供達は顔を見合わせると…
リン:(ミミ)「いやだ!」
ティルガーナ:(アン)「絶対見に行くもん!!だって――」
ココ:(カイ)「今回はテントを張っての大規模なショーなんだ!!」
リン:(ミミ)「ルカお兄ちゃんも来てね!!」
ルカ:「あっ!おい!!」
レイン:(N)子供達は手を振り、直ぐに走り去ってしまった。
0:間
レイン:(N)そして次の日、ピエロの悪戯《あそび》と書かれたテントの前にルカは来ていた。ルカは16歳だったので、無料で入ることが出来た。
0:
ルカ:「ここが…ピエロの悪戯《あそび》か…」
ルカ:(M)子供が多いな…貴族もちらほら居るが…
レイン:(N)ルカが考え事をしていると、照明が暗くなる。観客のワクワクした声が客席から響き渡る。そして、ドラムロールが鳴り始める。
0:間
レイン:「レディース&ジェントルメン!!」
0:
レイン:(N)何も無い所からピエロが登場!!それと同時に観客が盛り上がる。ピエロの声はどことなく機械の様な喋り方だ。
0:
ココ:(カイ)「わぁ~!!すげぇ!!……てか、結局ルカも来るのかよ~」
ティルガーナ:(アン)「私達には来るなーって言ってたのに~」
ココ:(カイ)「お前ら…絶対に明日行くなよ?わかったな?」(ルカのモノマネ)
リン:(ミミ)「あははは!!なにそれ~?モノマネ?似てな~い!」
ココ:(カイ)「なんだとぉ!!」(少しむくれた感じ)
ルカ:「お前ら静かにしろ」
リン:(ミミ)「は~い!」
ココ:(カイ)「は~い!」
ティルガーナ:(アン)「は~い!」
0:間
ロック:(カイ)「すげーな!これがマジック?なのかぁ!」
ルカ:(M)いや…能力を使ってるに違いない…どうやってるんだ?
ココ:(カイ)「い…おい……おいルカ!そろそろ終わるぞ!」
ルカ:「あ、あぁ…」
0:
レイン:「子供達に風船をプレゼント!」
0:レイン役の方、指を1回鳴らす。できなければ手を1回叩いて下さい。
ティルガーナ:(アン)「わぁ!風船が出てきたっ!」
ルカ:「お、おいお前ら触るな――」
レイン:(N)ルカが忠告する間もなく子供達は風船を手に取ってしまう。
ルカ:「くそっ…」
リン:(ミミ)「ルカお兄ちゃんへーん、ね!」
ティルガーナ:(アン)「ねー!」
ルカ:「お前ら出るぞ!!」
ココ:(カイ)「えっ!?」
0:間
ルカ:「お前ら風船を割れ」
レイン:(N)ルカは子供達をテントの外に出して、風船を割るように促すが…
ココ:(カイ)「は?なんで?嫌だし」
ルカ:「ミミ…アン…」(少し焦った感じで二人を見つめる)
リン:(ミミ)「……」(顔を見合わせる)
ティルガーナ:(アン)「……」(顔を見合わせる)
0:場面が変わり、赤いレンガのアパート(5秒の間)
リン:「あれ?ルカじゃん、どしたー?」
ルカ:「…その傷どうした…」
リン:「へ?あーこれ?…ちょっとね」
ルカ:「それよりロックは?」
リン:「それよりってなんだい!そっちから聞いてきたくせに…。ロックなら傷の手当してるけど?」
ルカ:「リン今日暇だよな?」
リン:「え?暇じゃな――」
ルカ:「暇なんだな、了解。ロックにも言っとけ、今日の24時にセカンドの路地裏に集合ってな…」
レイン:(N)夜―日曜日―セカンドの路地裏
ロック:「で?要件は?」(小声)
リン:「そうだよ!!何も言わずに、日時と場所指定だけって……で、どうなの?」(小声)
ルカ:「今日ピエロのショーがあった。今回は大規模な。そのピエロはショーの最後に子供達に風船を渡す」(小声)
リン:「あ~!道理で今日持ってる子沢山居たんだ…」(小声)
ロック:「そんでその風船がなんなんだよ」(小声)
ルカ:「風船にそのピエロが魂を入れんだよ…子供の」(小声)
リン:「ぇぇええええ!!!それってむぐっ」
レイン:(N)大声を出したリンはルカに口を塞がれる。
リン:「む~む~」(小声)
0:リンはギブギブとルカの腕を軽く叩く
ルカ:「大声を出すなっ」(小声)
ロック:「それで?俺らはどうすればいいんだ?」(小声)
ルカ:「今から説明する」(小声)
0:間
ロック:「なるほど…了解っ」(小声)
リン:「じゃあピエロが現れるまで待とう!!」(小声)
ルカ:「あぁ…」
レイン:(N)ルカが返事をすると同時にピエロが突然現れた。
リン:「ピエロ!!」(小声)
ルカ:「ミッション遂行するぞ」(小声)
レイン:(N)三人は三つに別れた。アンはルカ、ミミはリン、カイはロックとそれぞれの家の前に待機した。
レイン:(N)無線型チョーカーで各々連絡を取る。
リン:「ルカ!変だよ!ピエロ…家の前に立ってるだけなんだけど!!」
ロック:「こっちは光った風船持ってるぞ!!」
リン:「あ!消えたっ!!」
ルカ:「こっちもピエロ確認…ピエロを追うぞ!」
リン:「私はロックと合流するね!」
ロック:「了解!!」
0:
レイン:(N)ルカ達はピエロを追ったが、時計塔の前で二体のピエロは消えてしまった。
0:
ルカ:「くそっ!!」
レイン:(N)朝―月曜日―養護施設―
リン:(ミミ)「…ルカお兄ちゃん…」
ルカ:「ミミ…」
レイン:(N)少し離れた所でリンとロックは…
リン:「まさか養子になる予定の家で…こんなことに」
ロック:「体は念の為施設に戻したが…生きてるのか?これ」
リン:「ロック!!」
ロック:「あ、すまん…」
0:
リン:(ミミ)「みんな起きないの!!なんで?…ぐすっ…私だけ起きてる…みんな?朝だよ?お日様だよ?…ぐすっ…私も、私もみんなみたいに寝れば良かった!!」
リン:(ミミ)「絵本なんて読まないで…ぐすっ…うわぁぁぁん!!」
0:ルカのセリフに被せながら小さく泣いてください
ルカ:「泣くな…絶対にみんなを連れ戻すから」
レイン:(N)どこかの部屋(5秒の間)
レイン:「あら…ふふ…。い~~~~っぱいの魂…素敵だわ……。チッ…一つあぶれたか…」
ココ:(カイの魂)「怖いよっ!!」
レイン:「あらあら…悪夢でも見てるのかしら?かわいらしいわね…熟したら、貴方から食べてあげる…ふふふっ」
0:間
ココ:『次回予告』
リン:「みんな寝ちゃった!」
ルカ:「俺がついていながらっ…」
ロック:「でもよぉ…何でミミだけ寝てねぇーんだ?」
ココ:「それをお前らが突き詰めるんだろ?」
リン:「ココ!」
ルカ:「お前は高みの見物かよ…」
ココ:「俺が手を貸したら意味はねぇだろ?」
ココ:「それより、もう時間だぜ?」
ロック:「よっしゃー!次回――」
レイン:「次回……悪夢のような世界」
ロック:「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!セリフ!!」
ココ:「お前は俺よりセリフあるだろうに」
【声劇台本】3人の殺し屋
ココ:「『孤独の星』」(プロローグ)
0:
ティルガーナ:(少年)「寂しいよ…」
レイン:(N)少年は呟きました。
ティルガーナ:(少年)「悲しい」
レイン:(N)少年は涙を流しました。
ティルガーナ:(少年)「憎い」
レイン:(N)少年は…武器を手に取りました。
0:
レイン:(N)今から200年程前、ある王国は栄えていました。民は王を讃《たた》え王は民を愛しました。それはもう我が子のように…。ですが…なぜか王は殺されてしまいました。嘆《なげ》く民の横で、一人の少年は言いました。
ティルガーナ:(少年)「何が悲しい、何が辛い…嘆くでない!王は殺されて当然だ!今ここに宣言する!次の王は…この僕だ!」
0:間
レイン:(N)少年は王になりました。「誰も逆らえない。」「逆らったら血を見るぞ。」それは民達の口癖となっていきました。それから十年の月日が経ち、少年は姿を見せなくなりました。ですが、王国は栄えたままだったのです。不気味な程に…。
0:
レイン:(N)本を子供に読み聞かせをしている、一人の少年が養護施設に居た。
0:間
ルカ:「その王国の名は【―ルベリオン―】ルベリオン王国」
ティルガーナ:(アン)「この王国の名前だね!!」
ココ:(カイ)「ルベリオンはカッコイイ王国だもん!!すげぇよなぁ~」
リン:(ミミ)「かつて四つもあった王国の中で、最も栄えてるって有名だもんね!!」
ティルガーナ:(アン)「ミミよく勉強してるね!凄い!」
リン:(ミミ)「えへへ///」
ルカ:「…そろそろ帰らなきゃ」
レイン:(N)子供達が残念そうな声を出す。
ルカ:「また金曜日来るよ」
リン:(ミミ)「約束だからね!!」
ティルガーナ:(アン)「待ってるね!!」
ココ:(カイ)「今度、魔法見せてくれよな!!絶対だからな!!」
0:―子供達は手を振る
ルカ:「あぁ(ニッコリ笑うように)」
レイン:(N)ルカは笑った後、どこか悲しい表情を浮かべた。赤いレンガのアパートに着くと、直ぐに部屋へと入る。
0:間
ルカ:「はぁ…やっぱり子供は苦手だ…」
0:【SEドンドンドン!!】勢いが凄いノック
ルカ:「おいっ!!ドアが壊れるだろ!!」
リン:「し・ご・と!!ルカ準備早く!!」
ルカ:「わかったから叩くな!!」
0:ノックが止む
ルカ:「はぁ…疲れる」
0:1階~リビング~
リン:「おっそいよ~!!」
ロック:「ビリ~!!ぎゃははははっ!!」
ルカ:「そのうるさい笑い声やめろ…虫酸《むしず》が走る」
リン:「まぁまぁ…(苦笑い)」
0:【SEコンコン】ドアノック
ティルガーナ:(マリア)「あら、もう集まってたの?」
レイン:(N)とても長い、綺麗なハニーブロンドの髪をした女性が、車椅子に乗ってやってきた。
リン:「マリア!!」(同時に)
ロック:「マリア!!」(同時に)
ティルガーナ:(マリア)「ふふっ、さて(二回手を叩く)みんな座って?ミーティング始めるわよ」
リン:「 は~い!!」
ティルガーナ:(マリア)「ロック?足をテーブルに乗せないの。全く本当に貴方はいつもいつも…」
ロック:(M)げ……
リン:「…マリア!それより仕事の話!今回の依頼はなに?」
ティルガーナ:(マリア)「あぁ…そうね。今回は」
ロック:(M)リン…ナイス!!
0:ロックはガッツポーズをする。
レイン:(N)マリアは呪文を唱える。すると空間に資料が浮かんだ。
ルカ:「流石は魔女だな…」(呟く)
リン:「ちょっとルカ!!」
ルカ:「情報を空間に浮かばせる魔法…その他にもマリアは使える……それは魔女や魔法使いしか出来ない」
ロック:「まぁ本来、魔法は一人に一つが普通だもんなぁ」
ルカ:「あぁ(頷きながら)魔法や魔法使いは異端扱い、見つかれば即殺されるだろう。」
リン:「………」
0:空気が張りつめる中、マリアが口を開く。
ティルガーナ:(マリア)「やめなさい…。リン、そんな悲しい顔はやめて?(心配そうに)リンに謝りなさい二人とも」
0:長めの沈黙が流れる
ロック:「……だあああぁっ!!わかったよ!!悪かった!!」
ティルガーナ:(マリア)「ルカ?」
ルカ:「まだ過去に縛られたままかよ…。はぁ…。悪かった…これで満足か?」
0:
レイン:(N)ルカはリビングから出ていく。
ロック:「なんだよあいつ…。リン…マジすまん」
リン:「ううん、大丈夫」
リン:(M)ルカ…なんであんたが一番悲しい顔してるの?
ルカ:「まだ過去に縛られたままかよ…。」(回想)
リン:(M)あんたも…縛られてるんじゃないの?
0:
ロック:「…ン…リ…ン…リン!!」
リン:「ひゃいっ!!」
ロック:「なんて声出してんだよ…」
リン:「ごめん…」
ティルガーナ:(マリア)「じゃあ、続き話すわね。依頼内容は…」
0:間
レイン:(N)ルカが自室に戻ると同時に、ノックが聞こえてくる。もちろんルカは無視を決め込むが…
ココ:「お~い…ルカちゃ~ん!ココだよ~?」
ルカ:(M)くそ、また酔っ払ってるな?
0:少し沈黙の後
ココ:「お前に個人的な依頼だ」
レイン:(N)ココは突然冷静な声になる。その言葉を聞いたルカはドアを開ける。
ココ:「お!やっと開いた」
ルカ:「要件を話せ」
ココ:「焦んなって…。依頼内容言うぞ?時計塔前のピエロって知ってるか?」
0:間
ルカ:「広場にある、あの時計塔か?」
ココ:「あぁ、いつもお前が養護施設の子に本を読み聞かせしてるあの時計塔だ。」
ルカ:「それがなんだ――」(被せる)
ココ:「そのピエロが子供を狙ってショーをしている。」
ルカ:「どういう事だ…」
ココ:「そのままの意味だ……養護施設の子が集まる場所だろ?」
ルカ:「詳しく教えろ」
ココ:(M)いい面してるじゃねぇか
0:間
ロック:「なるほどな。それだと俺とリンだけで済みそうだな」
リン:「そうだね!明日よろしくね!」
ロック:「賊退治なんて簡単だぜ!」
ティルガーナ:(マリア)「油断しないように」
ロック:「おう!」
リン:「は~い!」
0:間
0:場面が変わり、ルカの部屋
ココ:「そういう事だ。あいつを頼れよ?わかったな?」
レイン:(N)ココはそう言うと去っていった。
ルカ:「ピエロ…」
0:間
レイン:「第1話『子供は早く寝る』」(タイトルコール)
0:間
0:謎の女性の影
レイン:「ふふふ…さぁ今宵も始めましょう?」
0:
ココ:「時計塔の広場に、毎週水曜日にピエロはショーをやっている。ショーって言っても簡単なショーだ。大人にはウケないが、子供からは絶賛…。ショーが終わると必ず子供に風船を渡す。」
ココ:「そして…渡された子供達は……夜に寝たきり、目を覚まさなくなる。まだ死人は出てねぇ…そのうちにピエロを殺せ!!」
0:ルカはベッドから起き上がる。
ルカ:「とりあえず…あいつの所に行くか」
レイン:(N)賑わう市場の死角にある、怪しげな店にルカは足を向ける。
0:【SEコンコン】(ドアノック)
ティルガーナ:「は~い、開いてるからどうぞぉ~」(ヨガのポーズしています)
レイン:(N)少しふざけた声に、ルカはイライラを隠しつつもドアを開ける。
ルカ:「ティル、お前の情報買わせ…なんだそのポーズは」
ティルガーナ:「よっと!ほっ!ん?これー?隣の国の…【ノルーテ】で…健康に、良いポーズだよぉ〜」
レイン:(N)ティルガーナはくねくねしながらルカに応える。
ティルガーナ:「んっ、ほっ!あ、それ!」
ルカ:「お前いい加減にしろ」(呆れた感じで)
0:間
ティルガーナ:「はぁあ…(あくび)。で?要件ってなに?」
ルカ:「時計塔のピエロ知ってるか?」(ティルの態度に少しだけ怒りながら)
ティルガーナ:「時計塔?知らないね~」
ルカ:「ピエロは知ってるのか?」
レイン:(N)ティルガーナはお菓子を食べながら応える。
ティルガーナ:「まぁね~…一昨日の夜見たかな?」
ルカ:「ピエロは何してた?」
ティルガーナ:「タダでは教えないよ?」
ルカ:「……」
0:間
ロック:「ここが賊の洞穴」
リン:「うーん、中に5人…外に門番2人」
レイン:(N)リンは自身の能力『幸せの印《ハッピー》』を使い賊の人数を当てる。
ロック:「しゃっあ!こっちは魔法道具もあるし?勝てるなぁ!リン!援護頼む!」
リン:「了解!!」
ココ:(賊A)「な、なんだ!ぐはぁ!」
ココ:(賊B)「敵襲!敵襲!」
ロック:「ぎゃははははっ!!」
リン:(M)たーのんしでるなぁ…(苦笑い)……さてと、私はこいつらをやるか
レイン:(N)後ろから来る賊の方を向き、腰から短剣を取るリン。
0:
ロック:「お前らの命頂く!!」(同時に)
リン:「あんたの命頂く!!」(同時に)
0:間
ルカ:「はぁ…(溜息)そういうと思って持ってきた……」
ティルガーナ:「ふふふ~」
レイン:(N)ティルガーナは両手を小さく広げ、ニッコリしながら待っている。
ルカ:「……」
ティルガーナ:「ル・カ…?早く出してよ」
ルカ:「くっ…」
レイン:(N)ティルガーナはニコニコしている。
ティルガーナ:「ねぇ?ル~カ?」
ルカ:「……ほらよ(しぶしぶ)」
ティルガーナ:「わぁ!!期間限定チョコレートマカロンだぁ!!あ・り・が・と…ルカく~ん!」(大袈裟に、いたずらをする子供のように)
ルカ:(M)くそ…なんで今日に限って1個しか置いてないんだよ…。食べたかったな
ティルガーナ:「うん?なに見つめてるの?あげないよ~」
ルカ:「…い、いらん!」
0:間
ルカ:「で、ピエロは何してた?」
ティルガーナ:「僕が夜散歩をしていた時だ…」
ルカ:「夜に散歩?お前が?」
ティルガーナ:「話の腰を折らないでくれよ~」
0:
レイン:(N)ティルガーナは少しむくれた後真顔に戻り話を続ける。
0:
ティルガーナ:「僕が夜に散歩をしていた時、ピエロが怪しくウロウロしてたからさ…後をつけたんだよ。そしたら、ある家の前に止まってさ…するりと家に入ったんだ。」
ティルガーナ:「びっくりしたよ…それで5分もしないうちに出てきてさ?なんか風船を持ってた、謎に光ったね…」
0:盗賊の穴蔵
0:【SEキーン!キーン!】戦う音
リン:「遅い!動きが見え見え!」
レイン:(N)リンはニコリと笑いながら、敵の攻撃を華麗にかわして切りつける。
ココ:(賊C)「く、くそ…」
ロック:「ぎゃははははっ!!死ね死ね!!」
ココ:(賊D)「お前まさか……ロック…あの、死神のロックか!!」
ロック:「あれ?俺ってそんなに有名?」
0:ニコニコしながらロックが鎌を振り下ろす。
ロック:「参っちゃうなぁ」
レイン:(N)リンは首につけている無線型チョーカーで、ロックに連絡を取る。
リン:「ロック!?先行ししすぎ!!」
ロック:「ひゃはははははっ!!!わりぃわりぃ!!こいつで終わる!!」
リン:「OK!!――っ!?待って!!」
ロック:「あ?なんだよ」
リン:「やばい!!悪魔がこっちに来る!!」
ロック:「あくまぁだぁ?…型《かた》は?」
リン:「まって!!」
レイン:(N)リンは再び能力を使う。
リン:「!?やばい!!人型っ!!」
ロック:「ガチ?」
リン:「早く私の所に来て!!」
ロック:「おう!!」
レイン:(N)ロックは全速力でリンの所に走る。
0:崖の上に飛び乗る。
ロック:「よっと!!」
リン:「じゃあ逃げるよ?」
レイン:(N)リンが魔法道具を使おうとした時、リン達が立っている崖が綺麗に割れた。
ロック:「げっ」
リン:「やばっ!!」
レイン:(N)リンが魔法道具を素早く起動させると、空間に扉が浮き出る。
リン:「ロック!行くよ!!」
0:
レイン:(N)二人は扉に飛び込み…扉が消えると同時に、二人がいた場所は跡形もなく吹き飛んだ。
0:間
リン:「……し、し」
ロック:「死ぬかと思ったぁああああ!!!!!」(同時に)
リン:「死ぬかと思ったぁああああ!!!!!!」(同時に)
0:
リン:「み…見た?扉が消える瞬間…」(震えながら)
ロック:「(唾を飲み込む)あぁ…」
0:間
0:盗賊の穴蔵/【SEズドーーーン!!】崖が吹き飛ぶ音
レイン:「あ~ら…逃がしちゃった…残念」
ココ:(賊E)「あ、姉御…すんません、風船がっ――」
レイン:「喋るな…」(前のセリフ被せて)
0:賊の心臓を掴み取るレイン
レイン:「ふふ…あたしのご飯を逃した事…」
(舌なめずり)
レイン:「忘れないよ…人間」(少し低めな声)
0:間
ココ:「お前らどうした?」
リン:「コ…ココー!!!!怖かったよォ!!!!」(泣きながら)
ココ:「おいおい…何があった?」
0:間
ココ:「なるほど、な…人型の悪魔か……。(少し考える)よく逃げて来れたねぇ、はっはっはっ!!」
リン:「笑い事じゃないよ~!!…うぅ」
ロック:「マリアの魔法道具が役に立ったな」
リン:「ヴンッ〜」(泣きながら)
ココ:「あー!あれね、ターゲットを殺した時にバレずに帰る、あれね!」
ロック:「こんな使い方は初めてだけどなぁ…」
ココ:「ガッハッハッ」
0:
リン:「そういえばルカは?」
ココ:「あぁ!ルカね、ティルガーナの所」
0:間
レイン:(N)ティルガーナの隠れ家
ルカ:「わかってることを話せ」
ティルガーナ:「今喋ったじゃーん」
ルカ:「能力…その時使ったんだろ?」
0:ティルガーナが持ってるフォークの手が止まる。
ティルガーナ:「……まぁ、ね」
レイン:(N)ティルは懐から手帳を出すとペラペラと開き、あるページで手を止めた。
ティルガーナ:「はい、これがピエロ」
ルカ:「思ったよりも大きいな…。これが人気?理解が出来ん。逆に泣いた方が正解だな」
ティルガーナ:「はははっ(楽しそうに)そうかもねぇ」
レイン:(N)ルカは手帳に書かれている文字を読み上げる。
ルカ:「魂を風船に入れる……このピエロの能力か?」
ティルガーナ:「最後まで見てみなよ」
ルカ:「……魂を入れる役…割…」
0:ルカは手帳からティルガーナの顔を直ぐに見る。
0:5秒間沈黙
ティルガーナ:「おかしくない?役割…なんてさ。こいつの能力なら『能力』と出る筈だし、その他の情報が出てもおかしくない…その筈なのに。このピエロは人じゃないね…生き物でもない。ただの人形…傀儡《くぐつ》だね」
0:
ルカ:「黒幕は他に居るってことか?」
ティルガーナ:「そうかもしれないね…。僕ができるのはここまで!まぁとりあえず、頑張ってね~」
0:
レイン:(N)ルカがティルガーナと別れると、目の前にあるチラシが飛んでくる。
ルカ:「毎週水曜日のピエロが明日…やってくる…」
リン:(ミミ)「ルカお兄ちゃん?」
レイン:(N)ミミがルカを見つけて駆け寄って来る。
ルカ:「ミミ?どうしたこんな所で」
リン:(ミミ)「みんなで鬼ごっこ!!あ!それでね!明日ピエロが来るんだ~!!」
レイン:(N)ミミはニコニコしながら話していると…
ココ:(カイ)「あ!ミミ!!ここは危な…いって…ルカだ!どうしたの?」
ルカ:「はぁ……お前らもしかしてピエロのショー見に行くのか?」
0:
ティルガーナ:(アン)「あ!二人共見つけたー!!って、ルカお兄ちゃんだ!!どしたのー?」
ルカ:「はぁ……」(めんどくさそうに)
ティルガーナ:(アン)「ルカお兄ちゃんそういえば――」
ルカ:「ピエロのショーだろ?」
ティルガーナ:(アン)「なんで知ってるの?ってチラシかー」
ルカ:「お前ら…絶対に明日行くなよ?わかったな?」
レイン:(N)子供達は顔を見合わせると…
リン:(ミミ)「いやだ!」
ティルガーナ:(アン)「絶対見に行くもん!!だって――」
ココ:(カイ)「今回はテントを張っての大規模なショーなんだ!!」
リン:(ミミ)「ルカお兄ちゃんも来てね!!」
ルカ:「あっ!おい!!」
レイン:(N)子供達は手を振り、直ぐに走り去ってしまった。
0:間
レイン:(N)そして次の日、ピエロの悪戯《あそび》と書かれたテントの前にルカは来ていた。ルカは16歳だったので、無料で入ることが出来た。
0:
ルカ:「ここが…ピエロの悪戯《あそび》か…」
ルカ:(M)子供が多いな…貴族もちらほら居るが…
レイン:(N)ルカが考え事をしていると、照明が暗くなる。観客のワクワクした声が客席から響き渡る。そして、ドラムロールが鳴り始める。
0:間
レイン:「レディース&ジェントルメン!!」
0:
レイン:(N)何も無い所からピエロが登場!!それと同時に観客が盛り上がる。ピエロの声はどことなく機械の様な喋り方だ。
0:
ココ:(カイ)「わぁ~!!すげぇ!!……てか、結局ルカも来るのかよ~」
ティルガーナ:(アン)「私達には来るなーって言ってたのに~」
ココ:(カイ)「お前ら…絶対に明日行くなよ?わかったな?」(ルカのモノマネ)
リン:(ミミ)「あははは!!なにそれ~?モノマネ?似てな~い!」
ココ:(カイ)「なんだとぉ!!」(少しむくれた感じ)
ルカ:「お前ら静かにしろ」
リン:(ミミ)「は~い!」
ココ:(カイ)「は~い!」
ティルガーナ:(アン)「は~い!」
0:間
ロック:(カイ)「すげーな!これがマジック?なのかぁ!」
ルカ:(M)いや…能力を使ってるに違いない…どうやってるんだ?
ココ:(カイ)「い…おい……おいルカ!そろそろ終わるぞ!」
ルカ:「あ、あぁ…」
0:
レイン:「子供達に風船をプレゼント!」
0:レイン役の方、指を1回鳴らす。できなければ手を1回叩いて下さい。
ティルガーナ:(アン)「わぁ!風船が出てきたっ!」
ルカ:「お、おいお前ら触るな――」
レイン:(N)ルカが忠告する間もなく子供達は風船を手に取ってしまう。
ルカ:「くそっ…」
リン:(ミミ)「ルカお兄ちゃんへーん、ね!」
ティルガーナ:(アン)「ねー!」
ルカ:「お前ら出るぞ!!」
ココ:(カイ)「えっ!?」
0:間
ルカ:「お前ら風船を割れ」
レイン:(N)ルカは子供達をテントの外に出して、風船を割るように促すが…
ココ:(カイ)「は?なんで?嫌だし」
ルカ:「ミミ…アン…」(少し焦った感じで二人を見つめる)
リン:(ミミ)「……」(顔を見合わせる)
ティルガーナ:(アン)「……」(顔を見合わせる)
0:場面が変わり、赤いレンガのアパート(5秒の間)
リン:「あれ?ルカじゃん、どしたー?」
ルカ:「…その傷どうした…」
リン:「へ?あーこれ?…ちょっとね」
ルカ:「それよりロックは?」
リン:「それよりってなんだい!そっちから聞いてきたくせに…。ロックなら傷の手当してるけど?」
ルカ:「リン今日暇だよな?」
リン:「え?暇じゃな――」
ルカ:「暇なんだな、了解。ロックにも言っとけ、今日の24時にセカンドの路地裏に集合ってな…」
レイン:(N)夜―日曜日―セカンドの路地裏
ロック:「で?要件は?」(小声)
リン:「そうだよ!!何も言わずに、日時と場所指定だけって……で、どうなの?」(小声)
ルカ:「今日ピエロのショーがあった。今回は大規模な。そのピエロはショーの最後に子供達に風船を渡す」(小声)
リン:「あ~!道理で今日持ってる子沢山居たんだ…」(小声)
ロック:「そんでその風船がなんなんだよ」(小声)
ルカ:「風船にそのピエロが魂を入れんだよ…子供の」(小声)
リン:「ぇぇええええ!!!それってむぐっ」
レイン:(N)大声を出したリンはルカに口を塞がれる。
リン:「む~む~」(小声)
0:リンはギブギブとルカの腕を軽く叩く
ルカ:「大声を出すなっ」(小声)
ロック:「それで?俺らはどうすればいいんだ?」(小声)
ルカ:「今から説明する」(小声)
0:間
ロック:「なるほど…了解っ」(小声)
リン:「じゃあピエロが現れるまで待とう!!」(小声)
ルカ:「あぁ…」
レイン:(N)ルカが返事をすると同時にピエロが突然現れた。
リン:「ピエロ!!」(小声)
ルカ:「ミッション遂行するぞ」(小声)
レイン:(N)三人は三つに別れた。アンはルカ、ミミはリン、カイはロックとそれぞれの家の前に待機した。
レイン:(N)無線型チョーカーで各々連絡を取る。
リン:「ルカ!変だよ!ピエロ…家の前に立ってるだけなんだけど!!」
ロック:「こっちは光った風船持ってるぞ!!」
リン:「あ!消えたっ!!」
ルカ:「こっちもピエロ確認…ピエロを追うぞ!」
リン:「私はロックと合流するね!」
ロック:「了解!!」
0:
レイン:(N)ルカ達はピエロを追ったが、時計塔の前で二体のピエロは消えてしまった。
0:
ルカ:「くそっ!!」
レイン:(N)朝―月曜日―養護施設―
リン:(ミミ)「…ルカお兄ちゃん…」
ルカ:「ミミ…」
レイン:(N)少し離れた所でリンとロックは…
リン:「まさか養子になる予定の家で…こんなことに」
ロック:「体は念の為施設に戻したが…生きてるのか?これ」
リン:「ロック!!」
ロック:「あ、すまん…」
0:
リン:(ミミ)「みんな起きないの!!なんで?…ぐすっ…私だけ起きてる…みんな?朝だよ?お日様だよ?…ぐすっ…私も、私もみんなみたいに寝れば良かった!!」
リン:(ミミ)「絵本なんて読まないで…ぐすっ…うわぁぁぁん!!」
0:ルカのセリフに被せながら小さく泣いてください
ルカ:「泣くな…絶対にみんなを連れ戻すから」
レイン:(N)どこかの部屋(5秒の間)
レイン:「あら…ふふ…。い~~~~っぱいの魂…素敵だわ……。チッ…一つあぶれたか…」
ココ:(カイの魂)「怖いよっ!!」
レイン:「あらあら…悪夢でも見てるのかしら?かわいらしいわね…熟したら、貴方から食べてあげる…ふふふっ」
0:間
ココ:『次回予告』
リン:「みんな寝ちゃった!」
ルカ:「俺がついていながらっ…」
ロック:「でもよぉ…何でミミだけ寝てねぇーんだ?」
ココ:「それをお前らが突き詰めるんだろ?」
リン:「ココ!」
ルカ:「お前は高みの見物かよ…」
ココ:「俺が手を貸したら意味はねぇだろ?」
ココ:「それより、もう時間だぜ?」
ロック:「よっしゃー!次回――」
レイン:「次回……悪夢のような世界」
ロック:「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!セリフ!!」
ココ:「お前は俺よりセリフあるだろうに」