台本概要
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タイトル | 彼氏の浮気相手がまさかのアレ?! |
---|---|
作者名 | しーたけ (@shiitake8888888) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 3人用台本(男2、女1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
【上演許可】無料配信での利用(投げ銭は有料に含みません)に関しては連絡なしで使って頂いて構いません。 よければDMなどでお知らせ頂くと作者の励みになります。 【アドリブ】過度なアドリブ、改変はNGです。語尾などを少し変える等は各自の判断にお任せします。 【性別変更】× 【上演時間】約18分 【男女比】♂2:♀1(変更不可)演者の方の性別は問いません。 結婚を目前にした絢子は幸せの絶頂 式の迫った絢子に恋人が切り出した話が…… 浮気相手がまさかのアレ?! 三角関係ドタバタコメディ…… のはずでした ※登場人物の名前について よく読み間違える方が多いため登場人物の名前の変更を可としますが 作中に「あやちゃん」「りゅうちゃん」と呼ばれる部分があるので変更時にはそこも読み替えて下さい。 (登場人物の名前の読み方は役名の説明部分にあります。) 498 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
絢子 | 女 | 91 | 絢子(あやこ)。結婚を目前にルンルンの女 |
隆史 | 男 | 89 | 隆史(りゅうじ)。結婚を目前に別れ話を切り出す男 |
綾斗 | 男 | 76 | 綾斗(あやと)。隆史の浮気相手のアレ |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
絢子:(M)私、とっても幸せなの!
絢子:なぜかって?それはね、私ついに結婚するの!
絢子:うふふ。もう幸せの絶頂期!
絢子:なぜって?それは結婚式がちょうど来週に迫っているの。
隆史:絢子、ちょっと今話いい?
絢子:(M)あっ、よばれた。
:
隆史:そこ、座って。
絢子:うん。よっこいしょっと。
隆史:最近、座る時よくそれ言うよね。
絢子:え?それって?
隆史:その、よっこいしょってやつ。
絢子:あぁ、つい口から出ちゃうんだよね。
絢子:それで、話って?
隆史:うん。……あのさ、別れて欲しいんだ。
絢子:……えっ?
隆史:俺と別れて欲しい。
絢子:え?何言ってんの?
隆史:ゴメン!別れてください。
絢子:……どうしてよ?!
隆史:他に好きな人が出来たんだ。
絢子:は?!今更何言ってるのよ?
隆史:俺はもうその人の事しか好きになれないんだ。だから、別れてください。
絢子:来週には結婚式なのよ?!なんで?どうして?意味が分からない!
絢子:私の事好きじゃなかったの?
隆史:好き……だったのかな?今思うと君への好きは本物じゃなかったんだと思う。
絢子:そんな……。
隆史:だから、別れてください!
絢子:……kの女よ?
隆史:え??
絢子:どこの女よ?!隆史が好きになったっていうのは!!
隆史:女じゃないんだ。
絢子:はっ?!
隆史:女じゃないんだ。
絢子:意味わからない。
隆史:だから、性別。女じゃないんだ。
絢子:ますます意味が分からない!!そんな嘘で私が騙されると思う?
隆史:いや、嘘じゃなくて……
絢子:だったらここに呼んでみなさいよ!
隆史:え?
絢子:嘘じゃないんだったら呼べるでしょう!ほら、呼んで!!
隆史:わかった。電話して来る。
絢子:えっ??電話しに、行った……の?
0:隆史が隣の部屋に移動して、電話している。
0:間
隆史:ちょっと、迎えに行ってくるわ。
絢子:……本当に出て行っちゃった。
0:間
0:10分後
隆史:お待たせ。…じゃあ紹介するね。こちら綾斗!
綾斗:どうも、はじめまして。
隆史:そしてこちらが絢子ね。
絢子:隆史…誰なのこの男??
隆史:だから、綾斗。
絢子:この筋肉ムキムキなこの男の事が好きだっていうの?!
隆史:うん。好きなんだ!
綾斗:もう、照れちゃう!
絢子:そんな嘘ついてまで別れたいの?
隆史:嘘じゃないんだって。ね、綾斗。
綾斗:うん。りゅーちゃん!
絢子:うわ、気持ち悪ぃ…
綾斗:あんっ?!なんっつった今!?
絢子:えっ?
綾斗:今、気持ち悪ぃ…とか言ったわよね?
絢子:え、えぇ!言ったわよ!男同士でそんな風に呼び合うとか気持ち悪いし。
隆史:え?これって気持ち悪い……のか?
綾斗:大丈夫!気持ち悪くなんかないわ。この女が嫉妬して妙な事を口走っているだけよ!
絢子:誰が、嫉妬なんてしてるって?
綾斗:あんたに決まってるでしょ?
絢子:大体ね、そんな厳つい身体してそのオカマ口調、いかにもって感じでマジ受ける。
綾斗:いかにもで何が悪いの?りゅーちゃんもそれで良いって言ってくれてるし、これこそ私なのよ!
絢子:隆史!本当にこんなオカマが好きなの?
隆史:好きだよ。綾斗、大好き。
絢子:ちょっと、隆史どうしたの?このオカマに何かされておかしくなっちゃったんじゃない?
綾斗:失礼な!アタシが何したって言うのよ!
絢子:知らないわよ!なんかエッチなあれで、隆史を毒牙にかけたんでしょう?!
綾斗:まぁお下品!!アタシとりゅーちゃんはまだ肉体関係は持ってません!プラトニックな関係です~!
絢子:プラトニック??なにそれ?
隆史:プラトニックラブとか知らない?精神的な繋がりの関係ってやつ。
綾斗:まぁ、アナタみたいな肉食系の女だったら知らないわよねー。
絢子:誰が肉食系よ!!
綾斗:誰がって、アンタよ!どうみたって肉食系じゃない!
絢子:どこがよ?!どっちかっていうと可愛い系でしょうが?
隆史:可愛い系……?
絢子:そうよ!可愛い系でしょ!?
隆史:う、うn……
綾斗:そんなのに気圧されないで!どこが可愛い系なのよ?
綾斗:服とかーフリルとかでアピールしてる辺りが完全に中身肉食系じゃない!!
絢子:はっ?!肉食系っていうならアンタの方がどう見ても肉食系じゃない!!
綾斗:アタシたちはまだ、チューもしてないわよ!
絢子:まだって事はこれからするつもりなんでしょ?!
綾斗:そりゃあ、行く行くはね……
隆史:えっ?
綾斗:え?嫌なの??
隆史:嫌って訳じゃないけど、なんかイメージになくて。
絢子:隆史。本当にそのマッチョなオカマとそういう事出来るの?
隆史:そういう事……。わからない。
綾斗:大丈夫。アタシが教えるから。
絢子:プラトニックとか言っときながら、もう興奮してるじゃない!
綾斗:う、うるさいわよ!
絢子:図星なんじゃない!
綾斗:もーー!とにかくアナタ、早くりゅーちゃんと別れて!!ほら、りゅーちゃんも!
隆史:そ、そうだね。絢子!別れてくれ!
絢子:本当に別れる気なの?
隆史:うん。
絢子:なにが何でも?
隆史:うん。
絢子:この子と私を捨てるの?
隆史:えっ?!この子??
絢子:先月からないの……。
隆史:えぇぇーー!!
綾斗:りゅーちゃん!!そんなのに騙されないで!急にお腹擦り始めて、絶対嘘に決まってるわよ!
絢子:嘘じゃないわよ!!
綾斗:じゃあ母子手帳見せて見なさいよ!
絢子:え?
綾斗:妊娠してるんなら持ってるでしょ?母子手帳かなにか!
絢子:ま、まだ病院とかも行ってないし……
綾斗:じゃあ、検査薬とかで調べたの?
絢子:……。
隆史:絢子??
綾斗:ほーら、嘘だから調べられもしないんでしょう?
絢子:嘘じゃないわよ!!
綾斗:りゅーちゃん。心あたりあるの?
隆史:うーん。ここ半年くらいはない、と思うんだけど。
綾斗:あら、じゃあそのお腹の子、他の男の子供なんじゃない?
絢子:違うわよ!
隆史:でも…した記憶ないよ?
絢子:……。
綾斗:あら、嘘も付けなくなって黙っちゃった?
絢子:違うわよ!酔って帰って来て潰れてる隆史としたの!!
隆史:えっ?
綾斗:まさか、アナタ……。
絢子:そうよ!酔って潰れて寝ちゃってるから、多少の事じゃ起きないだろうし、チャンスかなーって。
綾斗:おー恐い!!やっぱりとんだあばずれの肉食系じゃない!
隆史:……。
絢子:だって最近疲れてるからって相手してくれなかったし、結婚する相手ならいいかなってなるでしょ?!
綾斗:なんないわよ!!
絢子:アンタなんかに女の気持ちなんてわからないでしょ?!
綾斗:わかりたくもないわ!!
隆史:まあまあ、あやちゃん落ちつこうよ。
絢子:無理!(←の綾斗の台詞と同時に発声。台詞はバラバラになっても良い)
綾斗:ムリよ!(→の絢子の台詞と同時に発声。以下同文)
絢子:何よアンタ!あやちゃんっていうのは私よ!昔そう呼ばれてたの!!
綾斗:ふざけないで!あやちゃんってのはアタシの事!昔の事なんて持ち出さないで!!
絢子:もう、紛らわしい!どっちの事?!
隆史:えっ?
綾斗:りゅーちゃん、さっきどっちの事を呼んだの?アタシでしょ?
隆史:あの、あんまり考えてなくて、どっちの事ってこともないんだけど……。
綾斗:そんなわけないでしょ?どっちかの事が頭に浮かんでたでしょ?!
絢子:そうよ、どっちなの?
隆史:え?いや、その……。
綾斗:もうー、はっきり言いなさいよ!
隆史:……さっきのは絢子の事。妊娠してるなら落ち着いた方がいいかなって。
絢子:ほら、私の事じゃない!
綾斗:もうーー何だかモヤモヤして気持ちが悪い!ちゃっちゃか白黒つけましょう!!
絢子:えっ??
隆史:どうやって?
綾斗:検査薬で調べればいいのよ。……それで妊娠してるなら、アタシ、りゅーちゃんと別れるわ。
絢子:え?いいの?
綾斗:お腹の子供には幸せになって欲しいのよ……。
綾斗:りゅーちゃんなら優しいパパになるだろうし。
隆史:綾斗……。
綾斗:たとえ同意の上で妊娠したんじゃないとしても、その子に流れる血の半分はりゅーちゃんのでしょ?
綾斗:私にはりゅーちゃんの子供なんて産めないし、それでりゅーちゃんと産まれてくる子供が幸せになれるんだったら、…身を引くわよ。
絢子:アンタ…いや、綾斗くん。
綾斗:なによ、急にしおらしくなって。
綾斗:とにかくまずは検査してみましょう。絢子ちゃん、買ってある?
絢子:まだ勇気がなくて、買えてないの。
綾斗:りゅーちゃん、ちょっと買ってきて。
隆史:え?俺が行くの?俺男なんだけど。
綾斗:別に男が買いに行っちゃダメなものでもないでしょう?
隆史:絢子に買って来て貰う方が自然じゃ……。もしくは綾斗、買ってきてくれない?
綾斗:女が怖いって言ってんのよーそこは男の出番でしょ?それにアタシは嫌よ!アタシの子供でもないしー。
綾斗:たかだか検査薬買うぐらいさっさと行きなさいよ!
隆史:でも……。
綾斗:男だろ?いつまでウジウジ言ってんだよ、早く行けよ!
絢子:もういい、私が買いに行くから。
隆史:うん。よかったー。
綾斗:良かった―じゃないでしょ?絢子ちゃんいいわ、私が行ってくるから。
絢子:え?でも……。
綾斗:オカマって親切な生き物なのよ。さ、温かくして座ってて!
綾斗:ちょっと行って来るから。
0:綾斗が家から出ていく。
隆史:……。
絢子:……ゴメン。
隆史:え?何が?
絢子:いや、酔ってる時にあの、ね。
隆史:……う、うん。
絢子:綾斗君いい人ね。
隆史:そうなんだ。
絢子:どこで出会ったの?
隆史:彼はスポーツジムでインストラクターやってて。
絢子:ジムって、結婚式に向けて私が通ってって言ったあのジム?
隆史:そう。通い始めてすぐに今まで抱いたことのない感情が俺の中に生まれて……。
絢子:私、結婚式にカッコイイ新郎姿をみんなに自慢したくて、ジムに通ってって言ったんだけど、私がキューピッドになっちゃったのか。
隆史:君がいるのに、とは思ったんだ、でも気持ちが止められなくて。
絢子:別れてもいいよ。
隆史:え?
絢子:私、別れてもいいよ。たとえ妊娠してても。
隆史:でも……その子は。
絢子:この子の父親が隆史かどうか、怪しいもんなのよ。
隆史:はぁ??
絢子:さっきは恥ずかしくて言わなかったけど、他の人とも……(←の隆史の台詞が被ってくる)
隆史:嘘だ!そんなわけない。嘘ついてるんだろ?(→の台詞に被せる)
絢子:嘘じゃないんだって……。
隆史:嘘だ!
絢子:嘘じゃ…嘘じゃ…ないの。
隆史:絢子の嘘つく時の癖、知ってる?
絢子:え?
隆史:気付いてないでしょ?絢子は嘘つく時にそうやって爪を擦り合わせるんだよ。
絢子:うそっ!
隆史:だから、それが嘘だって分かるんだ。
0:綾斗が帰ってくる。
綾斗:ただいまー。近くの店に売ってて良かったわー。
隆史:おかえり。
綾斗:はいこれ。……大丈夫?
絢子:……うん。大丈夫、です。
絢子:ちゃちゃっと済ませてくるわ。
0:絢子が部屋を出ていく。
隆史:綾斗……俺。
綾斗:りゅーちゃん、アタシ達別れましょうか。
隆史:綾斗!なんで?!
綾斗:だって、りゅーちゃん全然男らしくないんだもの。
隆史:えっ?
綾斗:さっきもウジウジしちゃってさー、なんかアタシー、気持ちが冷めちゃったっていうか。
綾斗:そもそもアタシからしたらりゅーちゃんって何人かいる男の一人なの。
隆史:嘘だ!そんなの嘘だ!!
綾斗:信じたくないのは分かるけど、本当なのよ。
隆史:なんでそんな嘘を……。
0:絢子が戻ってくる。
綾斗:あっ、戻ってきた。ねぇ、…どうだった?
絢子:ゴメンなさい!私の勘違いだったみたい。
綾斗:本当に?アタシに気を使って嘘ついてない?
絢子:隆史なら分かるわよね?私が今嘘ついてないって。
綾斗:どういうこと?りゅーちゃん?
隆史:絢子は嘘つく時には爪を擦り合わせる癖があってね、多分本当に子供はできてないみたいだ。
綾斗:でも、演技してるとか、検査薬の見かた間違えたとか。
絢子:ないわ。っていうかね、来ちゃったの。
綾斗:え?なにが?
絢子:だから、ただ遅れてただけで来ちゃったの。
綾斗:……。
絢子:私、出ていくね。ここにある荷物とか、全部今度取りに来るから。
隆史:絢子、ちょっと待って!
絢子:隆史、良かったね。綾斗君も、なんか色々ゴメンね。二人で幸せにね。
隆史:絢子……。
綾斗:ちょっと待ちなさい!
絢子:な、何よ。引き留めるとか……やめてよ。(絢子が涙ぐむ)
綾斗:863円!
絢子:ん?
綾斗:妊娠検査薬の値段。863円!
絢子:えっ?それ請求されるの?
綾斗:当然でしょうー。
絢子:分かったわよ!もー!ほら、千円!お釣りは要らないから!
0:絢子が家を出ていく。
綾斗:さーて邪魔者もいなくなったことだし。
隆史:え、綾斗?どうしたの??
綾斗:(隆史の唇を奪う。リップ音。)
隆史:(綾斗を突き放す。)ん!何するんだよ!!
綾斗:何ってキスしたのよ。アタシたち付き合ったるんだもの。これからはこういう事もしたっていいでしょ?
隆史:……綾斗…俺。
綾斗:なによ?まさか、これくらいで怖気づいたんじゃないわよね?これからもっとすごい事するのに。
隆史:これ以上?無理、無理だ。
綾斗:え?今さら?あの女より男のアタシを選んだんでしょ?
隆史:でも……
綾斗:ほら、選びなさいよ!アタシとこのまま関係を深められるの?それともあの女を今すぐ追いかけるの?
隆史:………。
綾斗:さあ、早くアタシを選んで!アタシならアナタの知らない色んな事教えてあ・げ・る!
隆史:!!来ないで…!
綾斗:アタシを拒否するの…?はぁー、結局アナタはノンケなのよ。
隆史:でも、綾t……
綾斗:(→の隆史の台詞を遮るように)アナタみたいな中途半端な男に付き合ってる時間なんてないのよ。
綾斗:もう、アンタみたいなのは普通に結婚なさいよ!ほら、行って!!
隆史:え??
綾斗:もー、いつまでぼーっとしてるのよ!早くアナタの「あやちゃん」を追いかけて捕まえてきなさい!!
隆史:でも……。
綾斗:でもじゃない!!アタシと関係を持ちたいなら別だけど。
隆史:……。
綾斗:早く行けって言ってんだろ!!
隆史:うん。…ごめん。
0:隆史が家を出ていく。
綾斗:……幸せになりなさいよ。……バイバイ。
0:
0:
0:おしまい。
絢子:(M)私、とっても幸せなの!
絢子:なぜかって?それはね、私ついに結婚するの!
絢子:うふふ。もう幸せの絶頂期!
絢子:なぜって?それは結婚式がちょうど来週に迫っているの。
隆史:絢子、ちょっと今話いい?
絢子:(M)あっ、よばれた。
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隆史:そこ、座って。
絢子:うん。よっこいしょっと。
隆史:最近、座る時よくそれ言うよね。
絢子:え?それって?
隆史:その、よっこいしょってやつ。
絢子:あぁ、つい口から出ちゃうんだよね。
絢子:それで、話って?
隆史:うん。……あのさ、別れて欲しいんだ。
絢子:……えっ?
隆史:俺と別れて欲しい。
絢子:え?何言ってんの?
隆史:ゴメン!別れてください。
絢子:……どうしてよ?!
隆史:他に好きな人が出来たんだ。
絢子:は?!今更何言ってるのよ?
隆史:俺はもうその人の事しか好きになれないんだ。だから、別れてください。
絢子:来週には結婚式なのよ?!なんで?どうして?意味が分からない!
絢子:私の事好きじゃなかったの?
隆史:好き……だったのかな?今思うと君への好きは本物じゃなかったんだと思う。
絢子:そんな……。
隆史:だから、別れてください!
絢子:……kの女よ?
隆史:え??
絢子:どこの女よ?!隆史が好きになったっていうのは!!
隆史:女じゃないんだ。
絢子:はっ?!
隆史:女じゃないんだ。
絢子:意味わからない。
隆史:だから、性別。女じゃないんだ。
絢子:ますます意味が分からない!!そんな嘘で私が騙されると思う?
隆史:いや、嘘じゃなくて……
絢子:だったらここに呼んでみなさいよ!
隆史:え?
絢子:嘘じゃないんだったら呼べるでしょう!ほら、呼んで!!
隆史:わかった。電話して来る。
絢子:えっ??電話しに、行った……の?
0:隆史が隣の部屋に移動して、電話している。
0:間
隆史:ちょっと、迎えに行ってくるわ。
絢子:……本当に出て行っちゃった。
0:間
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隆史:お待たせ。…じゃあ紹介するね。こちら綾斗!
綾斗:どうも、はじめまして。
隆史:そしてこちらが絢子ね。
絢子:隆史…誰なのこの男??
隆史:だから、綾斗。
絢子:この筋肉ムキムキなこの男の事が好きだっていうの?!
隆史:うん。好きなんだ!
綾斗:もう、照れちゃう!
絢子:そんな嘘ついてまで別れたいの?
隆史:嘘じゃないんだって。ね、綾斗。
綾斗:うん。りゅーちゃん!
絢子:うわ、気持ち悪ぃ…
綾斗:あんっ?!なんっつった今!?
絢子:えっ?
綾斗:今、気持ち悪ぃ…とか言ったわよね?
絢子:え、えぇ!言ったわよ!男同士でそんな風に呼び合うとか気持ち悪いし。
隆史:え?これって気持ち悪い……のか?
綾斗:大丈夫!気持ち悪くなんかないわ。この女が嫉妬して妙な事を口走っているだけよ!
絢子:誰が、嫉妬なんてしてるって?
綾斗:あんたに決まってるでしょ?
絢子:大体ね、そんな厳つい身体してそのオカマ口調、いかにもって感じでマジ受ける。
綾斗:いかにもで何が悪いの?りゅーちゃんもそれで良いって言ってくれてるし、これこそ私なのよ!
絢子:隆史!本当にこんなオカマが好きなの?
隆史:好きだよ。綾斗、大好き。
絢子:ちょっと、隆史どうしたの?このオカマに何かされておかしくなっちゃったんじゃない?
綾斗:失礼な!アタシが何したって言うのよ!
絢子:知らないわよ!なんかエッチなあれで、隆史を毒牙にかけたんでしょう?!
綾斗:まぁお下品!!アタシとりゅーちゃんはまだ肉体関係は持ってません!プラトニックな関係です~!
絢子:プラトニック??なにそれ?
隆史:プラトニックラブとか知らない?精神的な繋がりの関係ってやつ。
綾斗:まぁ、アナタみたいな肉食系の女だったら知らないわよねー。
絢子:誰が肉食系よ!!
綾斗:誰がって、アンタよ!どうみたって肉食系じゃない!
絢子:どこがよ?!どっちかっていうと可愛い系でしょうが?
隆史:可愛い系……?
絢子:そうよ!可愛い系でしょ!?
隆史:う、うn……
綾斗:そんなのに気圧されないで!どこが可愛い系なのよ?
綾斗:服とかーフリルとかでアピールしてる辺りが完全に中身肉食系じゃない!!
絢子:はっ?!肉食系っていうならアンタの方がどう見ても肉食系じゃない!!
綾斗:アタシたちはまだ、チューもしてないわよ!
絢子:まだって事はこれからするつもりなんでしょ?!
綾斗:そりゃあ、行く行くはね……
隆史:えっ?
綾斗:え?嫌なの??
隆史:嫌って訳じゃないけど、なんかイメージになくて。
絢子:隆史。本当にそのマッチョなオカマとそういう事出来るの?
隆史:そういう事……。わからない。
綾斗:大丈夫。アタシが教えるから。
絢子:プラトニックとか言っときながら、もう興奮してるじゃない!
綾斗:う、うるさいわよ!
絢子:図星なんじゃない!
綾斗:もーー!とにかくアナタ、早くりゅーちゃんと別れて!!ほら、りゅーちゃんも!
隆史:そ、そうだね。絢子!別れてくれ!
絢子:本当に別れる気なの?
隆史:うん。
絢子:なにが何でも?
隆史:うん。
絢子:この子と私を捨てるの?
隆史:えっ?!この子??
絢子:先月からないの……。
隆史:えぇぇーー!!
綾斗:りゅーちゃん!!そんなのに騙されないで!急にお腹擦り始めて、絶対嘘に決まってるわよ!
絢子:嘘じゃないわよ!!
綾斗:じゃあ母子手帳見せて見なさいよ!
絢子:え?
綾斗:妊娠してるんなら持ってるでしょ?母子手帳かなにか!
絢子:ま、まだ病院とかも行ってないし……
綾斗:じゃあ、検査薬とかで調べたの?
絢子:……。
隆史:絢子??
綾斗:ほーら、嘘だから調べられもしないんでしょう?
絢子:嘘じゃないわよ!!
綾斗:りゅーちゃん。心あたりあるの?
隆史:うーん。ここ半年くらいはない、と思うんだけど。
綾斗:あら、じゃあそのお腹の子、他の男の子供なんじゃない?
絢子:違うわよ!
隆史:でも…した記憶ないよ?
絢子:……。
綾斗:あら、嘘も付けなくなって黙っちゃった?
絢子:違うわよ!酔って帰って来て潰れてる隆史としたの!!
隆史:えっ?
綾斗:まさか、アナタ……。
絢子:そうよ!酔って潰れて寝ちゃってるから、多少の事じゃ起きないだろうし、チャンスかなーって。
綾斗:おー恐い!!やっぱりとんだあばずれの肉食系じゃない!
隆史:……。
絢子:だって最近疲れてるからって相手してくれなかったし、結婚する相手ならいいかなってなるでしょ?!
綾斗:なんないわよ!!
絢子:アンタなんかに女の気持ちなんてわからないでしょ?!
綾斗:わかりたくもないわ!!
隆史:まあまあ、あやちゃん落ちつこうよ。
絢子:無理!(←の綾斗の台詞と同時に発声。台詞はバラバラになっても良い)
綾斗:ムリよ!(→の絢子の台詞と同時に発声。以下同文)
絢子:何よアンタ!あやちゃんっていうのは私よ!昔そう呼ばれてたの!!
綾斗:ふざけないで!あやちゃんってのはアタシの事!昔の事なんて持ち出さないで!!
絢子:もう、紛らわしい!どっちの事?!
隆史:えっ?
綾斗:りゅーちゃん、さっきどっちの事を呼んだの?アタシでしょ?
隆史:あの、あんまり考えてなくて、どっちの事ってこともないんだけど……。
綾斗:そんなわけないでしょ?どっちかの事が頭に浮かんでたでしょ?!
絢子:そうよ、どっちなの?
隆史:え?いや、その……。
綾斗:もうー、はっきり言いなさいよ!
隆史:……さっきのは絢子の事。妊娠してるなら落ち着いた方がいいかなって。
絢子:ほら、私の事じゃない!
綾斗:もうーー何だかモヤモヤして気持ちが悪い!ちゃっちゃか白黒つけましょう!!
絢子:えっ??
隆史:どうやって?
綾斗:検査薬で調べればいいのよ。……それで妊娠してるなら、アタシ、りゅーちゃんと別れるわ。
絢子:え?いいの?
綾斗:お腹の子供には幸せになって欲しいのよ……。
綾斗:りゅーちゃんなら優しいパパになるだろうし。
隆史:綾斗……。
綾斗:たとえ同意の上で妊娠したんじゃないとしても、その子に流れる血の半分はりゅーちゃんのでしょ?
綾斗:私にはりゅーちゃんの子供なんて産めないし、それでりゅーちゃんと産まれてくる子供が幸せになれるんだったら、…身を引くわよ。
絢子:アンタ…いや、綾斗くん。
綾斗:なによ、急にしおらしくなって。
綾斗:とにかくまずは検査してみましょう。絢子ちゃん、買ってある?
絢子:まだ勇気がなくて、買えてないの。
綾斗:りゅーちゃん、ちょっと買ってきて。
隆史:え?俺が行くの?俺男なんだけど。
綾斗:別に男が買いに行っちゃダメなものでもないでしょう?
隆史:絢子に買って来て貰う方が自然じゃ……。もしくは綾斗、買ってきてくれない?
綾斗:女が怖いって言ってんのよーそこは男の出番でしょ?それにアタシは嫌よ!アタシの子供でもないしー。
綾斗:たかだか検査薬買うぐらいさっさと行きなさいよ!
隆史:でも……。
綾斗:男だろ?いつまでウジウジ言ってんだよ、早く行けよ!
絢子:もういい、私が買いに行くから。
隆史:うん。よかったー。
綾斗:良かった―じゃないでしょ?絢子ちゃんいいわ、私が行ってくるから。
絢子:え?でも……。
綾斗:オカマって親切な生き物なのよ。さ、温かくして座ってて!
綾斗:ちょっと行って来るから。
0:綾斗が家から出ていく。
隆史:……。
絢子:……ゴメン。
隆史:え?何が?
絢子:いや、酔ってる時にあの、ね。
隆史:……う、うん。
絢子:綾斗君いい人ね。
隆史:そうなんだ。
絢子:どこで出会ったの?
隆史:彼はスポーツジムでインストラクターやってて。
絢子:ジムって、結婚式に向けて私が通ってって言ったあのジム?
隆史:そう。通い始めてすぐに今まで抱いたことのない感情が俺の中に生まれて……。
絢子:私、結婚式にカッコイイ新郎姿をみんなに自慢したくて、ジムに通ってって言ったんだけど、私がキューピッドになっちゃったのか。
隆史:君がいるのに、とは思ったんだ、でも気持ちが止められなくて。
絢子:別れてもいいよ。
隆史:え?
絢子:私、別れてもいいよ。たとえ妊娠してても。
隆史:でも……その子は。
絢子:この子の父親が隆史かどうか、怪しいもんなのよ。
隆史:はぁ??
絢子:さっきは恥ずかしくて言わなかったけど、他の人とも……(←の隆史の台詞が被ってくる)
隆史:嘘だ!そんなわけない。嘘ついてるんだろ?(→の台詞に被せる)
絢子:嘘じゃないんだって……。
隆史:嘘だ!
絢子:嘘じゃ…嘘じゃ…ないの。
隆史:絢子の嘘つく時の癖、知ってる?
絢子:え?
隆史:気付いてないでしょ?絢子は嘘つく時にそうやって爪を擦り合わせるんだよ。
絢子:うそっ!
隆史:だから、それが嘘だって分かるんだ。
0:綾斗が帰ってくる。
綾斗:ただいまー。近くの店に売ってて良かったわー。
隆史:おかえり。
綾斗:はいこれ。……大丈夫?
絢子:……うん。大丈夫、です。
絢子:ちゃちゃっと済ませてくるわ。
0:絢子が部屋を出ていく。
隆史:綾斗……俺。
綾斗:りゅーちゃん、アタシ達別れましょうか。
隆史:綾斗!なんで?!
綾斗:だって、りゅーちゃん全然男らしくないんだもの。
隆史:えっ?
綾斗:さっきもウジウジしちゃってさー、なんかアタシー、気持ちが冷めちゃったっていうか。
綾斗:そもそもアタシからしたらりゅーちゃんって何人かいる男の一人なの。
隆史:嘘だ!そんなの嘘だ!!
綾斗:信じたくないのは分かるけど、本当なのよ。
隆史:なんでそんな嘘を……。
0:絢子が戻ってくる。
綾斗:あっ、戻ってきた。ねぇ、…どうだった?
絢子:ゴメンなさい!私の勘違いだったみたい。
綾斗:本当に?アタシに気を使って嘘ついてない?
絢子:隆史なら分かるわよね?私が今嘘ついてないって。
綾斗:どういうこと?りゅーちゃん?
隆史:絢子は嘘つく時には爪を擦り合わせる癖があってね、多分本当に子供はできてないみたいだ。
綾斗:でも、演技してるとか、検査薬の見かた間違えたとか。
絢子:ないわ。っていうかね、来ちゃったの。
綾斗:え?なにが?
絢子:だから、ただ遅れてただけで来ちゃったの。
綾斗:……。
絢子:私、出ていくね。ここにある荷物とか、全部今度取りに来るから。
隆史:絢子、ちょっと待って!
絢子:隆史、良かったね。綾斗君も、なんか色々ゴメンね。二人で幸せにね。
隆史:絢子……。
綾斗:ちょっと待ちなさい!
絢子:な、何よ。引き留めるとか……やめてよ。(絢子が涙ぐむ)
綾斗:863円!
絢子:ん?
綾斗:妊娠検査薬の値段。863円!
絢子:えっ?それ請求されるの?
綾斗:当然でしょうー。
絢子:分かったわよ!もー!ほら、千円!お釣りは要らないから!
0:絢子が家を出ていく。
綾斗:さーて邪魔者もいなくなったことだし。
隆史:え、綾斗?どうしたの??
綾斗:(隆史の唇を奪う。リップ音。)
隆史:(綾斗を突き放す。)ん!何するんだよ!!
綾斗:何ってキスしたのよ。アタシたち付き合ったるんだもの。これからはこういう事もしたっていいでしょ?
隆史:……綾斗…俺。
綾斗:なによ?まさか、これくらいで怖気づいたんじゃないわよね?これからもっとすごい事するのに。
隆史:これ以上?無理、無理だ。
綾斗:え?今さら?あの女より男のアタシを選んだんでしょ?
隆史:でも……
綾斗:ほら、選びなさいよ!アタシとこのまま関係を深められるの?それともあの女を今すぐ追いかけるの?
隆史:………。
綾斗:さあ、早くアタシを選んで!アタシならアナタの知らない色んな事教えてあ・げ・る!
隆史:!!来ないで…!
綾斗:アタシを拒否するの…?はぁー、結局アナタはノンケなのよ。
隆史:でも、綾t……
綾斗:(→の隆史の台詞を遮るように)アナタみたいな中途半端な男に付き合ってる時間なんてないのよ。
綾斗:もう、アンタみたいなのは普通に結婚なさいよ!ほら、行って!!
隆史:え??
綾斗:もー、いつまでぼーっとしてるのよ!早くアナタの「あやちゃん」を追いかけて捕まえてきなさい!!
隆史:でも……。
綾斗:でもじゃない!!アタシと関係を持ちたいなら別だけど。
隆史:……。
綾斗:早く行けって言ってんだろ!!
隆史:うん。…ごめん。
0:隆史が家を出ていく。
綾斗:……幸せになりなさいよ。……バイバイ。
0:
0:
0:おしまい。