台本概要
95 views
タイトル | 春風の出会い |
---|---|
作者名 | てくす (@daihooon) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
「それは、春風のように爽やかで それは、春一番のように激しくて それは、桜のような満開の笑顔だった」 ※ナレーションも含めて3人台本でも構いません。おじが読んでも構いません 95 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
おじ | 男 | 29 | おじさん。 ナレーションも兼ねてもらえるとなお嬉しい。 |
少女 | 女 | 27 | 少女。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
おじ:「それは、春風のように爽やかで
おじ:それは、春一番のように激しくて
おじ:それは、桜のような満開の笑顔だった」
0:ある出会いを春と例えた、おじさんが一人
0:目的もなく、歩いていく。
0:
0:汗をハンカチで拭う姿は、英雄の兆し
0:社会という悪を倒す為に、今日も赴くは、戦場
おじ:ふぃ〜、冬も過ぎて春ですか
おじ:この服装は間違いでしたかねぇ
0:一人歩く英雄は、違和感を覚える
0:引力による、何かが襲いかかっていた
おじ:うぅん?
少女:……
おじ:おや、迷子ですか
おじ:しかし、私が声をかけていいものか
少女:……おじ
おじ:おじ…?とは、私のことかな?
0:コクリ、と小さく頷く
少女:おじ、私ね
おじ:はい、なんでしょう?
少女:……焼肉、奢って欲しいの
おじ:焼肉……ですか
おじ:しかし、どうして私に?
少女:……似ていたの
おじ:似ていた……?
少女:あれ
0:少女は指を刺す
0:そこには、誰もが知る焼肉の店が佇んでいた
少女:昔、よく行っていたの
おじ:美味しい、ですよね
おじ:私もあそこの極みカルビは好きですよ
0:少女は少し嬉しそうに微笑む
少女:私は、ホルモン
おじ:おお、大人ですね
少女:……好きだった、な
0:その店を見る目は、瑠璃のように澄んでいて
0:今にも崩れ落ちるガラス細工の様だった
おじ:……何か、あったんですね
おじ:その目、綺麗ですが少し……
おじ:悲しい目、ですから
少女:分かるんだ、凄い
おじ:年の功、ですかね
少女:……本当に、好きだった
おじ:……何かを、失くされた
おじ:そんな感じがします
少女:失くした、うん……そうかも
少女:パパが、ね
おじ:それは、辛いことを聞いてしまったかもしれません
少女:月一くらいで連れて行ってくれていたの
少女:あ、パパの焼くホルモンは少し焦げてて
少女:それが美味しくて、好きだったの
おじ:そうですね
おじ:ホルモンは焦げるほど美味しいですから
少女:もう……今は行けない
おじ:……いつ、ですか?
少女:三年前、かな
おじ:それは……そうですか……
少女:今では、お家焼肉が精一杯
少女:タイムセールの100g98円の
おじ:ふぅむ?
少女:仕事、失くしちゃって
おじ:あっ、生きてらっしゃる
少女:うん、まだ元気
おじ:それは、良かった
0:共に戦う同志を讃えるかの如く
0:空を仰ぎ、喜びを噛み締める
おじ:……
0:一瞬の熟考、後、手を伸ばす英雄
少女:あっ
おじ:おや、すみません
おじ:私としたことが
少女:どうしたの?
おじ:……行きましょうか、焼肉
少女:いいの?
おじ:えぇ、そういえば忘れていた事がありまして
少女:忘れていたこと?
おじ:私、今日はまだ……
おじ:お昼、食べてませんから
少女:!!
0:満面の笑みが花開く
0:桜はまだ開花前だが、今日が開花宣言の日だ
おじ:春、ですね
少女:私はまだ、少し肌寒い
おじ:では、急いで入りましょう
おじ:あそこの店、実はランチもあるんです
少女:知らなかった!
少女:おじは物知り
おじ:それも、年の功
おじ:というやつですよ
0:英雄は姫君を連れ、戦場から一時離脱する
0:偶にはそういう日があってもいいだろうと
0:春を運んだ小さな天使の心に語りかける
0:それを感じ取ったのか
少女:確かに、少し暖かいかも
0:春一番の様な突然の出会い
0:しかし、ガラス細工の儚い目をした少女
0:最後に満開の笑顔をもう一度咲かせ
少女:おじ、連れてって
おじ:喜んで
0:その言葉は春風の様に澄んでいた
おじ:「それは、春風のように爽やかで
おじ:それは、春一番のように激しくて
おじ:それは、桜のような満開の笑顔だった」
0:ある出会いを春と例えた、おじさんが一人
0:目的もなく、歩いていく。
0:
0:汗をハンカチで拭う姿は、英雄の兆し
0:社会という悪を倒す為に、今日も赴くは、戦場
おじ:ふぃ〜、冬も過ぎて春ですか
おじ:この服装は間違いでしたかねぇ
0:一人歩く英雄は、違和感を覚える
0:引力による、何かが襲いかかっていた
おじ:うぅん?
少女:……
おじ:おや、迷子ですか
おじ:しかし、私が声をかけていいものか
少女:……おじ
おじ:おじ…?とは、私のことかな?
0:コクリ、と小さく頷く
少女:おじ、私ね
おじ:はい、なんでしょう?
少女:……焼肉、奢って欲しいの
おじ:焼肉……ですか
おじ:しかし、どうして私に?
少女:……似ていたの
おじ:似ていた……?
少女:あれ
0:少女は指を刺す
0:そこには、誰もが知る焼肉の店が佇んでいた
少女:昔、よく行っていたの
おじ:美味しい、ですよね
おじ:私もあそこの極みカルビは好きですよ
0:少女は少し嬉しそうに微笑む
少女:私は、ホルモン
おじ:おお、大人ですね
少女:……好きだった、な
0:その店を見る目は、瑠璃のように澄んでいて
0:今にも崩れ落ちるガラス細工の様だった
おじ:……何か、あったんですね
おじ:その目、綺麗ですが少し……
おじ:悲しい目、ですから
少女:分かるんだ、凄い
おじ:年の功、ですかね
少女:……本当に、好きだった
おじ:……何かを、失くされた
おじ:そんな感じがします
少女:失くした、うん……そうかも
少女:パパが、ね
おじ:それは、辛いことを聞いてしまったかもしれません
少女:月一くらいで連れて行ってくれていたの
少女:あ、パパの焼くホルモンは少し焦げてて
少女:それが美味しくて、好きだったの
おじ:そうですね
おじ:ホルモンは焦げるほど美味しいですから
少女:もう……今は行けない
おじ:……いつ、ですか?
少女:三年前、かな
おじ:それは……そうですか……
少女:今では、お家焼肉が精一杯
少女:タイムセールの100g98円の
おじ:ふぅむ?
少女:仕事、失くしちゃって
おじ:あっ、生きてらっしゃる
少女:うん、まだ元気
おじ:それは、良かった
0:共に戦う同志を讃えるかの如く
0:空を仰ぎ、喜びを噛み締める
おじ:……
0:一瞬の熟考、後、手を伸ばす英雄
少女:あっ
おじ:おや、すみません
おじ:私としたことが
少女:どうしたの?
おじ:……行きましょうか、焼肉
少女:いいの?
おじ:えぇ、そういえば忘れていた事がありまして
少女:忘れていたこと?
おじ:私、今日はまだ……
おじ:お昼、食べてませんから
少女:!!
0:満面の笑みが花開く
0:桜はまだ開花前だが、今日が開花宣言の日だ
おじ:春、ですね
少女:私はまだ、少し肌寒い
おじ:では、急いで入りましょう
おじ:あそこの店、実はランチもあるんです
少女:知らなかった!
少女:おじは物知り
おじ:それも、年の功
おじ:というやつですよ
0:英雄は姫君を連れ、戦場から一時離脱する
0:偶にはそういう日があってもいいだろうと
0:春を運んだ小さな天使の心に語りかける
0:それを感じ取ったのか
少女:確かに、少し暖かいかも
0:春一番の様な突然の出会い
0:しかし、ガラス細工の儚い目をした少女
0:最後に満開の笑顔をもう一度咲かせ
少女:おじ、連れてって
おじ:喜んで
0:その言葉は春風の様に澄んでいた