台本概要

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タイトル 春風の出会い
作者名 てくす  (@daihooon)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 「それは、春風のように爽やかで
それは、春一番のように激しくて
それは、桜のような満開の笑顔だった」


※ナレーションも含めて3人台本でも構いません。おじが読んでも構いません

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
おじ 29 おじさん。 ナレーションも兼ねてもらえるとなお嬉しい。
少女 27 少女。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
おじ:「それは、春風のように爽やかで おじ:それは、春一番のように激しくて おじ:それは、桜のような満開の笑顔だった」 0:ある出会いを春と例えた、おじさんが一人 0:目的もなく、歩いていく。 0: 0:汗をハンカチで拭う姿は、英雄の兆し 0:社会という悪を倒す為に、今日も赴くは、戦場 おじ:ふぃ〜、冬も過ぎて春ですか おじ:この服装は間違いでしたかねぇ 0:一人歩く英雄は、違和感を覚える 0:引力による、何かが襲いかかっていた おじ:うぅん? 少女:…… おじ:おや、迷子ですか おじ:しかし、私が声をかけていいものか 少女:……おじ おじ:おじ…?とは、私のことかな? 0:コクリ、と小さく頷く 少女:おじ、私ね おじ:はい、なんでしょう? 少女:……焼肉、奢って欲しいの おじ:焼肉……ですか おじ:しかし、どうして私に? 少女:……似ていたの おじ:似ていた……? 少女:あれ 0:少女は指を刺す 0:そこには、誰もが知る焼肉の店が佇んでいた 少女:昔、よく行っていたの おじ:美味しい、ですよね おじ:私もあそこの極みカルビは好きですよ 0:少女は少し嬉しそうに微笑む 少女:私は、ホルモン おじ:おお、大人ですね 少女:……好きだった、な 0:その店を見る目は、瑠璃のように澄んでいて 0:今にも崩れ落ちるガラス細工の様だった おじ:……何か、あったんですね おじ:その目、綺麗ですが少し…… おじ:悲しい目、ですから 少女:分かるんだ、凄い おじ:年の功、ですかね 少女:……本当に、好きだった おじ:……何かを、失くされた おじ:そんな感じがします 少女:失くした、うん……そうかも 少女:パパが、ね おじ:それは、辛いことを聞いてしまったかもしれません 少女:月一くらいで連れて行ってくれていたの 少女:あ、パパの焼くホルモンは少し焦げてて 少女:それが美味しくて、好きだったの おじ:そうですね おじ:ホルモンは焦げるほど美味しいですから 少女:もう……今は行けない おじ:……いつ、ですか? 少女:三年前、かな おじ:それは……そうですか…… 少女:今では、お家焼肉が精一杯 少女:タイムセールの100g98円の おじ:ふぅむ? 少女:仕事、失くしちゃって おじ:あっ、生きてらっしゃる 少女:うん、まだ元気 おじ:それは、良かった 0:共に戦う同志を讃えるかの如く 0:空を仰ぎ、喜びを噛み締める おじ:…… 0:一瞬の熟考、後、手を伸ばす英雄 少女:あっ おじ:おや、すみません おじ:私としたことが 少女:どうしたの? おじ:……行きましょうか、焼肉 少女:いいの? おじ:えぇ、そういえば忘れていた事がありまして 少女:忘れていたこと? おじ:私、今日はまだ…… おじ:お昼、食べてませんから 少女:!! 0:満面の笑みが花開く 0:桜はまだ開花前だが、今日が開花宣言の日だ おじ:春、ですね 少女:私はまだ、少し肌寒い おじ:では、急いで入りましょう おじ:あそこの店、実はランチもあるんです 少女:知らなかった! 少女:おじは物知り おじ:それも、年の功 おじ:というやつですよ 0:英雄は姫君を連れ、戦場から一時離脱する 0:偶にはそういう日があってもいいだろうと 0:春を運んだ小さな天使の心に語りかける 0:それを感じ取ったのか 少女:確かに、少し暖かいかも 0:春一番の様な突然の出会い 0:しかし、ガラス細工の儚い目をした少女 0:最後に満開の笑顔をもう一度咲かせ 少女:おじ、連れてって おじ:喜んで 0:その言葉は春風の様に澄んでいた

おじ:「それは、春風のように爽やかで おじ:それは、春一番のように激しくて おじ:それは、桜のような満開の笑顔だった」 0:ある出会いを春と例えた、おじさんが一人 0:目的もなく、歩いていく。 0: 0:汗をハンカチで拭う姿は、英雄の兆し 0:社会という悪を倒す為に、今日も赴くは、戦場 おじ:ふぃ〜、冬も過ぎて春ですか おじ:この服装は間違いでしたかねぇ 0:一人歩く英雄は、違和感を覚える 0:引力による、何かが襲いかかっていた おじ:うぅん? 少女:…… おじ:おや、迷子ですか おじ:しかし、私が声をかけていいものか 少女:……おじ おじ:おじ…?とは、私のことかな? 0:コクリ、と小さく頷く 少女:おじ、私ね おじ:はい、なんでしょう? 少女:……焼肉、奢って欲しいの おじ:焼肉……ですか おじ:しかし、どうして私に? 少女:……似ていたの おじ:似ていた……? 少女:あれ 0:少女は指を刺す 0:そこには、誰もが知る焼肉の店が佇んでいた 少女:昔、よく行っていたの おじ:美味しい、ですよね おじ:私もあそこの極みカルビは好きですよ 0:少女は少し嬉しそうに微笑む 少女:私は、ホルモン おじ:おお、大人ですね 少女:……好きだった、な 0:その店を見る目は、瑠璃のように澄んでいて 0:今にも崩れ落ちるガラス細工の様だった おじ:……何か、あったんですね おじ:その目、綺麗ですが少し…… おじ:悲しい目、ですから 少女:分かるんだ、凄い おじ:年の功、ですかね 少女:……本当に、好きだった おじ:……何かを、失くされた おじ:そんな感じがします 少女:失くした、うん……そうかも 少女:パパが、ね おじ:それは、辛いことを聞いてしまったかもしれません 少女:月一くらいで連れて行ってくれていたの 少女:あ、パパの焼くホルモンは少し焦げてて 少女:それが美味しくて、好きだったの おじ:そうですね おじ:ホルモンは焦げるほど美味しいですから 少女:もう……今は行けない おじ:……いつ、ですか? 少女:三年前、かな おじ:それは……そうですか…… 少女:今では、お家焼肉が精一杯 少女:タイムセールの100g98円の おじ:ふぅむ? 少女:仕事、失くしちゃって おじ:あっ、生きてらっしゃる 少女:うん、まだ元気 おじ:それは、良かった 0:共に戦う同志を讃えるかの如く 0:空を仰ぎ、喜びを噛み締める おじ:…… 0:一瞬の熟考、後、手を伸ばす英雄 少女:あっ おじ:おや、すみません おじ:私としたことが 少女:どうしたの? おじ:……行きましょうか、焼肉 少女:いいの? おじ:えぇ、そういえば忘れていた事がありまして 少女:忘れていたこと? おじ:私、今日はまだ…… おじ:お昼、食べてませんから 少女:!! 0:満面の笑みが花開く 0:桜はまだ開花前だが、今日が開花宣言の日だ おじ:春、ですね 少女:私はまだ、少し肌寒い おじ:では、急いで入りましょう おじ:あそこの店、実はランチもあるんです 少女:知らなかった! 少女:おじは物知り おじ:それも、年の功 おじ:というやつですよ 0:英雄は姫君を連れ、戦場から一時離脱する 0:偶にはそういう日があってもいいだろうと 0:春を運んだ小さな天使の心に語りかける 0:それを感じ取ったのか 少女:確かに、少し暖かいかも 0:春一番の様な突然の出会い 0:しかし、ガラス細工の儚い目をした少女 0:最後に満開の笑顔をもう一度咲かせ 少女:おじ、連れてって おじ:喜んで 0:その言葉は春風の様に澄んでいた