台本概要

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タイトル 君と一緒に
作者名 やくも  (@yakumo_20230707)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 田舎に越してきた平凡な男子高校生、ヒロキは不思議な雰囲気の美少女に出会う。彼女の抱える秘密とは…?

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ヒロキ 57 平凡な高校3年生、勉強はできる方
カツハ 53 見た目は17-18歳、不思議な雰囲気を持つ美少女
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
君と一緒に A→ヒロキ B→カツハ ヒロキ→高校三年生、平凡。勉強は出来る方 カツハ→見た目は17-18歳、不思議な雰囲気の美少女 ヒロキ:(俺はヒロキ、平凡な高校生3年生だ。受験の年だと言うのに両親の仕事の都合でこの辺鄙な田舎に越してくる事になった。) ヒロキ:「はぁ...なんでこんな田舎に...高校までのバスも1時間に1本しかないし......卒業したら絶対都心の大学行ってやる」 カツハ:「あれ?初めて見る顔...珍しいね、こんな田舎に移住してくる人がいるなんて」 ヒロキ:「あ、えっと…」 カツハ:「何も無いよねぇ、ここ…私は自然が多くて気に入ってるけど」 ヒロキ:「そ、そうですね」 カツハ:「君は何でこの町にきたの?」 ヒロキ:「あぁ...き、昨日東京から引越してきて、それで、そこの高校に通う事になって...」 カツハ:「そうなんだ、これからよろしくね!…あなたの名前は?」 ヒロキ:「ヒロキ、です...」 カツハ:「私はカツハよ」 ヒロキ:「カツハ...さん。こちらこそよろしくお願いします!」 カツハ:「敬語はいらないよ笑 多分歳も同じくらいだし、ね?」 ヒロキ:「わ、わかった......」 カツハ:「ん?どうかした?」 ヒロキ:「いや...その……凄く美人だからつい見とれちゃったというか...」 カツハ:「うーん…もしかして、これが『ナンパ』ってやつ?都会の人は手が早いって本当だったんだ......」 ヒロキ:「ち、違う違う!!そういうのじゃなくて!!ほんとにただそう思っただけで...!」 カツハ:「ふふっ、冗談だよ。お世辞が上手いね、ヒロキ君は。」 ヒロキ:「い、いや…お世辞とかじゃないんだけど…」 ヒロキ:(これが、俺とカツハの出会い。カツハは近くに住んでいるみたいだが、学生ではないようだ。) 0:【場面転換】 カツハ:「ヒロキくん、おはよ」 ヒロキ:「おはよー」 カツハ:「今日、学校休みだよね?どこ行くの? 」 ヒロキ:「親のパシリだよ…隣町まで行かないと、ろくな店がないから都合よく使われてるって訳」 カツハ:「ふふっ…親御さんと仲良しなんだね」 ヒロキ:「まぁ、反抗期とかは大して無いし…仲良い方なのかなぁ?」 カツハ:「羨ましいな、そういうの…私には無いから…」 ヒロキ:「えっ、それって…どういう事?」 カツハ:「……秘密」 ヒロキ:「そっか……」 カツハ:「そろそろバス来るし…私、行くね」 ヒロキ:「あ、あのさ!良かったらなんだけど……一緒に行かない!?」 カツハ:「え?」 ヒロキ:「お金は出すからさ!パシリのついでに何か好きな物買ってこいって多めに渡されてるし!」 カツハ:「私と一緒に行きたいの…?」 ヒロキ:「うん…カツハと、一緒に行きたいなって…」 カツハ:「ごめんなさい、一緒には行けない」 ヒロキ:「……そ、そうだよね!急に迷惑だったよね!……ごめん」 カツハ:「ううん、私と一緒に行きたいって言ってくれたのはとても嬉しかったよ…でも……」 ヒロキ:「でも?」 カツハ:「私は、ここを離れられないから…」 ヒロキ:「なんで…?」 カツハ:「そういうものなの。まだ、ね……」 ヒロキ:「まだって事はいずれは外に出られるって事?」 カツハ:「わからないけど、多分ね」 ヒロキ:「じゃあ、その時は一緒に行こう!」 カツハ:「なんで…そんなに私を誘ってくれるの?」 ヒロキ:「な、なんでって…それは……」 カツハ:「それは?」 ヒロキ:「えっと………あっ!ば、バス来たみたい!乗らなきゃ!一緒に遊びに行けるの楽しみにしてる!」 カツハ:「うん。私も…もし、君と一緒に行けたらとても嬉しい」 ヒロキ:「うん!それじゃあね!」 ヒロキ:(なんで、か…そんなの分かりきってるけど、いざ言葉にするのはやっぱり恥ずかしいな。結局あと一歩の勇気が出ずに、何も伝えられないまま半年が経った頃…) 0:【場面転換】 カツハ:「ヒロキくん、おはよー」 ヒロキ:「おはよー(あくびしながら)」 カツハ:「ふふっ、すごーく眠そうだね」 ヒロキ:「そろそろ受験が近いから、夜遅くまで勉強しないといけなくてさー」 カツハ:「もうそんな時期かぁ、受かったら東京の大学に行っちゃうんだよね...」 ヒロキ:「一応、ね...」 カツハ:「寂しく、なるね...」 ヒロキ:「俺がいなくなったら、寂しいって思ってくれるんだ…」 カツハ:「当たり前だよ、ヒロキくんは私にとって特別だから」 ヒロキ:「...あ、あのさ!!」 カツハ:「ど、どうしたの??」 ヒロキ:(勇気を出せ…!今しかない!!ちゃんと伝えなきゃ…!離ればなれになっちゃうんだぞ!!) カツハ:「ヒロキ、くん……?」 ヒロキ:「俺、カツハの事が好きだ…!」 カツハ:「えっ…!?」 ヒロキ:「出会った時から、ずっと好きだった!!!」 カツハ:「…………私も…だよ」 ヒロキ:「!!!それじゃあ…」 カツハ:「でも、あなたと一緒には行けない」 ヒロキ:「っ!!…ど、どうして!!俺が東京に行くから!?だったら行かないよ!君と一緒なら、ずっとこの田舎にいたっていい!!」 カツハ:「違うの…私……行かなきゃいけないの……」 ヒロキ:「…!?カツハも、東京に……?」 カツハ:「ううん、もっと遠い所……」 ヒロキ:「……どこだっていい!!君と一緒なら何処にだって行くよ!!」 カツハ:「ほんとに……?」 ヒロキ:「本当だ…!!」 カツハ:「じゃあ私と一緒に…『天竺』に行ってくれる?」 ヒロキ:「ああ行くよ!!!…………ん?な、なんて?」 カツハ:「天竺に行ってくれる?」 ヒロキ:「て、天竺?天竺ってあの…西遊記の?」 カツハ:「そう。私の先祖は沙悟浄なの」 ヒロキ:「さ、沙悟浄!?沙悟浄ってことは…これ、あれ!??…………か、カッパ?カッパなの!?」 カツハ:「そう、私はカッパよ」 ヒロキ:「えぇ!!カッパ!?カッパなの!?か、カッパ!?もしかしてカッパだからカツハって名前なのぉ!?」 カツハ:「そうよ、カッパだからカツハよ」 ヒロキ:「浅い!!浅ぁぁぁい!!!いや!!信じられない!!だって美少女じゃん!!皿!!皿ないし!!」 カツハ:「これは変化(へんげ)した姿。令和のカッパはだいたい妖術使いなの」 ヒロキ:「わかんない!!令和のカッパ情勢わかんなぁぁい!!俺はっ!俺は信じないぞ!!!」 カツハ:「好きな食べ物は、きゅうりよ」 ヒロキ:「カッパだ!!!!これはもうカッパ!!!きゅうりなんてカッパしか好きじゃないもん!!!カッパだぁぁぁ!!!!」 カツハ:「私の三蔵法師になってくれる??」 ヒロキ:「え、いや……」 カツハ:「やっぱり、無理なんだね……」 ヒロキ:「ま、待って!!」 カツハ:「いけるの?天竺。」 ヒロキ:「て、天竺…は……ちょっとなぁ……」 カツハ:「嘘つき…何処にでも行くって言ったのに…!」 ヒロキ:「いやそうなんだけど…まさか天竺だとは…えぇ…天竺、天竺かぁ〜〜…天竺ぅ…?」 カツハ:「カッパンチ!!!」 ヒロキ:「グフッ…!?」 ヒロキ:(突如として腹部に鈍痛が走った。華奢な腕から放たれたとは思えないほど重く鋭いボディブローは容赦なく俺の意識を刈り取っていく…) カツハ:「さよなら……ヒロキくん」 ヒロキ:(薄れゆく意識の中で人ではない何かが、見えたような気がした) カツハ:「これが、私の本当の姿。もう…君が見ることはないけどね……」 ヒロキ:「カ…ッパ……」 0:【場面転換】 ヒロキ:(その後、カツハが俺の前に現れる事は二度と無かった。年が明け、俺は東京の大学に進学した) カツハ:「さよなら…ヒロキくん…」 ヒロキ:(俺は今でも、あの時のカツハの言葉が脳裏にこびりついてる。あの時すぐに応えられていたら、何か変わっていたのだろうか。だったら俺は……) ヒロキ:「すいません!ここに…妖怪研究サークルに入りたいんですが」 0:〜fin〜

君と一緒に A→ヒロキ B→カツハ ヒロキ→高校三年生、平凡。勉強は出来る方 カツハ→見た目は17-18歳、不思議な雰囲気の美少女 ヒロキ:(俺はヒロキ、平凡な高校生3年生だ。受験の年だと言うのに両親の仕事の都合でこの辺鄙な田舎に越してくる事になった。) ヒロキ:「はぁ...なんでこんな田舎に...高校までのバスも1時間に1本しかないし......卒業したら絶対都心の大学行ってやる」 カツハ:「あれ?初めて見る顔...珍しいね、こんな田舎に移住してくる人がいるなんて」 ヒロキ:「あ、えっと…」 カツハ:「何も無いよねぇ、ここ…私は自然が多くて気に入ってるけど」 ヒロキ:「そ、そうですね」 カツハ:「君は何でこの町にきたの?」 ヒロキ:「あぁ...き、昨日東京から引越してきて、それで、そこの高校に通う事になって...」 カツハ:「そうなんだ、これからよろしくね!…あなたの名前は?」 ヒロキ:「ヒロキ、です...」 カツハ:「私はカツハよ」 ヒロキ:「カツハ...さん。こちらこそよろしくお願いします!」 カツハ:「敬語はいらないよ笑 多分歳も同じくらいだし、ね?」 ヒロキ:「わ、わかった......」 カツハ:「ん?どうかした?」 ヒロキ:「いや...その……凄く美人だからつい見とれちゃったというか...」 カツハ:「うーん…もしかして、これが『ナンパ』ってやつ?都会の人は手が早いって本当だったんだ......」 ヒロキ:「ち、違う違う!!そういうのじゃなくて!!ほんとにただそう思っただけで...!」 カツハ:「ふふっ、冗談だよ。お世辞が上手いね、ヒロキ君は。」 ヒロキ:「い、いや…お世辞とかじゃないんだけど…」 ヒロキ:(これが、俺とカツハの出会い。カツハは近くに住んでいるみたいだが、学生ではないようだ。) 0:【場面転換】 カツハ:「ヒロキくん、おはよ」 ヒロキ:「おはよー」 カツハ:「今日、学校休みだよね?どこ行くの? 」 ヒロキ:「親のパシリだよ…隣町まで行かないと、ろくな店がないから都合よく使われてるって訳」 カツハ:「ふふっ…親御さんと仲良しなんだね」 ヒロキ:「まぁ、反抗期とかは大して無いし…仲良い方なのかなぁ?」 カツハ:「羨ましいな、そういうの…私には無いから…」 ヒロキ:「えっ、それって…どういう事?」 カツハ:「……秘密」 ヒロキ:「そっか……」 カツハ:「そろそろバス来るし…私、行くね」 ヒロキ:「あ、あのさ!良かったらなんだけど……一緒に行かない!?」 カツハ:「え?」 ヒロキ:「お金は出すからさ!パシリのついでに何か好きな物買ってこいって多めに渡されてるし!」 カツハ:「私と一緒に行きたいの…?」 ヒロキ:「うん…カツハと、一緒に行きたいなって…」 カツハ:「ごめんなさい、一緒には行けない」 ヒロキ:「……そ、そうだよね!急に迷惑だったよね!……ごめん」 カツハ:「ううん、私と一緒に行きたいって言ってくれたのはとても嬉しかったよ…でも……」 ヒロキ:「でも?」 カツハ:「私は、ここを離れられないから…」 ヒロキ:「なんで…?」 カツハ:「そういうものなの。まだ、ね……」 ヒロキ:「まだって事はいずれは外に出られるって事?」 カツハ:「わからないけど、多分ね」 ヒロキ:「じゃあ、その時は一緒に行こう!」 カツハ:「なんで…そんなに私を誘ってくれるの?」 ヒロキ:「な、なんでって…それは……」 カツハ:「それは?」 ヒロキ:「えっと………あっ!ば、バス来たみたい!乗らなきゃ!一緒に遊びに行けるの楽しみにしてる!」 カツハ:「うん。私も…もし、君と一緒に行けたらとても嬉しい」 ヒロキ:「うん!それじゃあね!」 ヒロキ:(なんで、か…そんなの分かりきってるけど、いざ言葉にするのはやっぱり恥ずかしいな。結局あと一歩の勇気が出ずに、何も伝えられないまま半年が経った頃…) 0:【場面転換】 カツハ:「ヒロキくん、おはよー」 ヒロキ:「おはよー(あくびしながら)」 カツハ:「ふふっ、すごーく眠そうだね」 ヒロキ:「そろそろ受験が近いから、夜遅くまで勉強しないといけなくてさー」 カツハ:「もうそんな時期かぁ、受かったら東京の大学に行っちゃうんだよね...」 ヒロキ:「一応、ね...」 カツハ:「寂しく、なるね...」 ヒロキ:「俺がいなくなったら、寂しいって思ってくれるんだ…」 カツハ:「当たり前だよ、ヒロキくんは私にとって特別だから」 ヒロキ:「...あ、あのさ!!」 カツハ:「ど、どうしたの??」 ヒロキ:(勇気を出せ…!今しかない!!ちゃんと伝えなきゃ…!離ればなれになっちゃうんだぞ!!) カツハ:「ヒロキ、くん……?」 ヒロキ:「俺、カツハの事が好きだ…!」 カツハ:「えっ…!?」 ヒロキ:「出会った時から、ずっと好きだった!!!」 カツハ:「…………私も…だよ」 ヒロキ:「!!!それじゃあ…」 カツハ:「でも、あなたと一緒には行けない」 ヒロキ:「っ!!…ど、どうして!!俺が東京に行くから!?だったら行かないよ!君と一緒なら、ずっとこの田舎にいたっていい!!」 カツハ:「違うの…私……行かなきゃいけないの……」 ヒロキ:「…!?カツハも、東京に……?」 カツハ:「ううん、もっと遠い所……」 ヒロキ:「……どこだっていい!!君と一緒なら何処にだって行くよ!!」 カツハ:「ほんとに……?」 ヒロキ:「本当だ…!!」 カツハ:「じゃあ私と一緒に…『天竺』に行ってくれる?」 ヒロキ:「ああ行くよ!!!…………ん?な、なんて?」 カツハ:「天竺に行ってくれる?」 ヒロキ:「て、天竺?天竺ってあの…西遊記の?」 カツハ:「そう。私の先祖は沙悟浄なの」 ヒロキ:「さ、沙悟浄!?沙悟浄ってことは…これ、あれ!??…………か、カッパ?カッパなの!?」 カツハ:「そう、私はカッパよ」 ヒロキ:「えぇ!!カッパ!?カッパなの!?か、カッパ!?もしかしてカッパだからカツハって名前なのぉ!?」 カツハ:「そうよ、カッパだからカツハよ」 ヒロキ:「浅い!!浅ぁぁぁい!!!いや!!信じられない!!だって美少女じゃん!!皿!!皿ないし!!」 カツハ:「これは変化(へんげ)した姿。令和のカッパはだいたい妖術使いなの」 ヒロキ:「わかんない!!令和のカッパ情勢わかんなぁぁい!!俺はっ!俺は信じないぞ!!!」 カツハ:「好きな食べ物は、きゅうりよ」 ヒロキ:「カッパだ!!!!これはもうカッパ!!!きゅうりなんてカッパしか好きじゃないもん!!!カッパだぁぁぁ!!!!」 カツハ:「私の三蔵法師になってくれる??」 ヒロキ:「え、いや……」 カツハ:「やっぱり、無理なんだね……」 ヒロキ:「ま、待って!!」 カツハ:「いけるの?天竺。」 ヒロキ:「て、天竺…は……ちょっとなぁ……」 カツハ:「嘘つき…何処にでも行くって言ったのに…!」 ヒロキ:「いやそうなんだけど…まさか天竺だとは…えぇ…天竺、天竺かぁ〜〜…天竺ぅ…?」 カツハ:「カッパンチ!!!」 ヒロキ:「グフッ…!?」 ヒロキ:(突如として腹部に鈍痛が走った。華奢な腕から放たれたとは思えないほど重く鋭いボディブローは容赦なく俺の意識を刈り取っていく…) カツハ:「さよなら……ヒロキくん」 ヒロキ:(薄れゆく意識の中で人ではない何かが、見えたような気がした) カツハ:「これが、私の本当の姿。もう…君が見ることはないけどね……」 ヒロキ:「カ…ッパ……」 0:【場面転換】 ヒロキ:(その後、カツハが俺の前に現れる事は二度と無かった。年が明け、俺は東京の大学に進学した) カツハ:「さよなら…ヒロキくん…」 ヒロキ:(俺は今でも、あの時のカツハの言葉が脳裏にこびりついてる。あの時すぐに応えられていたら、何か変わっていたのだろうか。だったら俺は……) ヒロキ:「すいません!ここに…妖怪研究サークルに入りたいんですが」 0:〜fin〜