台本概要

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タイトル 囚われたのは(裏)
作者名 遊狐。  (@V01008)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 20 分
台本使用規定 商用、非商用問わず作者へ連絡要
説明 『囚われたのは』の友梨奈目線です。
拙い文章ですが読んでいただけると嬉しいです。
時間は20分もかからないともいます。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
友梨奈 54 成人設定。会社員。柊哉にストーカーされているが…
柊哉 32 成人設定。コンビニ店員。友梨奈のストーカー。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:友梨奈、帰宅 0: 友梨奈:「はぁ……ただいまぁ……って、一人暮らしで返事なんか返ってこないのに、言っちゃうよねぇ……(少しの間)んー…???」 0: 友梨奈:(M)初めはほんの些細な違和感だった。 友梨奈:玄関に入り鍵を掛ける。靴を脱いで足を踏み入れる瞬間……何が、という訳でもなく…ただただ、何となく“自室の空気では無い”と感じた。 0: 友梨奈:(M)自分が気にしすぎているせいかと思ったこともあったが……。その頃から、常に誰かに見られているような感覚がぬぐい去れずにいた…。 0: 0:間 0: 友梨奈:「なんかおかしい…大きくは変わってないけど……誰か触った……??」 0: 友梨奈:(M)少しづつ違和感の理由を探っていく中、見つけた小さな変化…。まだ確信には至っていない。けど…確かめるしかない。そう思ってカメラをセットし……所々に餌を撒いた。 友梨奈:ソファには無造作に置いた下着。ベッドには畳んだ部屋着。テーブルにはリップを置いた。クッションにも違いがわかるように柄物のカバーをかけた。仕上げにそれぞれの写真を撮って…家を出る。 0: 友梨奈:「誰だろうなぁ…」 0: 友梨奈:(M)警察に通報…?とんでもない。まだ早い。私が部屋の中の異変に気づいてからまだ3日…まださほど大きな変化はない。だけど、徹底してるふうでもない。毎日、何かしら少しだけ動いている。そんな感じ…。 友梨奈:どこの誰が侵入してるのか…。その『誰か』を知りたい!という大きな好奇心によって、ほんの少しの恐怖は姿を潜めてしまった。 0: 友梨奈:(M)そんなことを考えながら、飲み物を買おうと普段たまに寄るコンビニへと入る。 0: 柊哉:「いらっしゃいませ。お待たせしました。」 友梨奈:「お願いします。」 柊哉:「あ、はい…100円になります。」 友梨奈:「はい。えっと…あれ、携帯…忘れてきちゃった!ごめんなさい、現金で。」 柊哉:「はい、あ、慌てなくて大丈夫ですよ。」 友梨奈:「すみません…」 柊哉:「いえ。毎朝早くから、お疲れ様です。」 友梨奈:「ぇ、あ、はい!ありがとうございます(お金を出す)はい。」 柊哉:「お預かりします。ありがとうございます。またお越しください。」 友梨奈:「どーも。」 柊哉:「……。」 0:(外に出て歩き出す友梨奈) 友梨奈:「びっくりしたぁ……普段会話したことないのに…まぁ、悪い気はしない、ね。ふふ」 0: 0:(場面転換・帰宅)玄関前で佇む友梨奈 0: 友梨奈:「……ふぅ。鍵は…かかってる。」 友梨奈:(M)異変に気づいてからも怪しまれないよう自然に振舞ってきた…。もしかしたら盗聴、もしくは隠しカメラがあるかもしれない。部屋の掃除をするフリをして隅々まで確認し、それらしいものは無かった。でもいつ仕掛けられるか分からない。だから……よし。 0: 友梨奈:「ただいまぁ…疲れたぁ。ぁ、リップ、やっぱりここにあった!」 友梨奈:「あれ……」 友梨奈:(M)ほんの少しの違和感……ほんの少し、本当にほんの少し…場所がズレている…心臓がうるさい。自分の心臓の音が耳元で鳴る……『掛かった!!』 友梨奈:確信がある訳では無い、が蓋を開けて中を見る。ニヤけ笑ってしまいそうになる口元を押さえながら、我ながらわざとらしい声を上げた。 友梨奈:「……減ってる?……ひっ!!!?(リップを落とす)誰…なの……」 友梨奈:(M)ニヤけが止まらない。声を潜めながら部屋の中をぐるっと見渡すと……もう笑いを隠すことは出来なかった。 友梨奈:幸い、私が仕掛けたカメラには気づかれなかったようだった。自分の居ない間にこの部屋にくる『誰か』を確認する。そして、そこに映っていたのは…… 0: 柊哉:「今日はいっぱい話せたね…友梨奈……。はぁぁぁ……今日も可愛かったなぁ。あのリップ…初めて見た色だった。どんなメイクでもどんな服を着てても友梨奈は可愛いよ。 柊哉:ん、…このリップ…もしかして……あぁ、これだ!今日つけてた色だ!!君の唇と同じ…(自分に塗ってんぱってする)ふふふふふ……」 0: 友梨奈:「……っ!!」 友梨奈:(M)沸き上がる感情は、恐怖でも嫌悪でもない……。自分は普通では無いのだろうと、なぜか冷静に納得する。気づけば私は笑いながら動画に、動画の彼に…見入ってしまっていた。 0: 友梨奈:(M)それからも部屋の中の異変は続いた……。最初はほんの少しの違和感だったのに…それは目に見えて段々とエスカレートしていった。 友梨奈:ものが無くなったりはしない。けど、明らかに配置が変わっているクッションや雑貨…でも、ただそれだけ。 0: 0:(間)友梨奈、会社での同僚との会話 0: 友梨奈:「あ、鈴木くん、あのさ、ちょっとお願いがあるんだけど……あ、いや、仕事の事じゃないんだけどね……うん、本当?ありがとう。」 友梨奈:(M)同じ部署で勤務する鈴木くん。1つ年下だが中々のイケメンだ。その彼にしばらく一緒に帰宅してもらえないかとお願いした。 友梨奈:理由を聞かれたけど…言えなかった…それでも彼は快くOKをくれ、方向が一緒だからと朝も一緒に通勤することになった。 0: 友梨奈:「理由なんて言えないわ……まさか、ストーカーを焚き付けるため、とは。言えないわよねぇ……ふふ」 0: 友梨奈:(M)鈴木くんとの帰宅を何度か見せつけ、仲良さげに話しているところも聞かせた。 友梨奈:胸の高鳴りが抑えきれず!思わず言葉が漏れていた。 友梨奈:「そろそろかなぁ……」 0: 0:(帰り道・鈴木くんとコンビニ) 0: 友梨奈:(M)今日も鈴木くんと一緒に帰宅。途中でいつものコンビニに寄りたいと指を指す。店舗に入り、彼の視線を確認する。彼に聞こえるように、わざと高い声で鈴木くんに話しかける。 友梨奈:「ねぇ鈴木くん!いつもありがとうね。お願いまで聞いてもらっちゃって…… 友梨奈:いやいや、本当助かってる!だから……なんか奢るよ!何か食べたいものは??遠慮しないで?」 0: 友梨奈:「こんばんは。」 柊哉:「いらっしゃいませ、こんばんは……」 友梨奈:「段々寒くなってきましたよねぇ」 柊哉:「そ、そうですね!」 友梨奈:「あ、鈴木くん。肉まんたべる?……じゃあ、肉まんとあんまんください。」 柊哉:「…はい、かしこまりました。………合計で……950円に、なり…ます。」 友梨奈:「はい、……あ、え?鈴木くん?いいよ!私が…って、もう、ありがとう。」 柊哉:「……クッ……ぅ……」 友梨奈:「あの……お会計……」 柊哉:「あ、……はい。すみません、1000円お預かりします。50円お返しです。ありがとうございます。」 友梨奈:「……。持つくらい…もぉ、鈴木くん、ありがとう。あ、店員さん、お疲れ様です。頑張ってくださいね!」 柊哉:「……ぁ…ありがとう、ございます。」 友梨奈:「…………ふふ。」 0:(店舗の外) 友梨奈:「……え?何であんな声で話してるんだ、って?いやぁ、別に…ふふっ…ぁ?気持ち悪い??酷っ!色々あんだよ!!!それより、ありがとね、上手くいきそうよぉ〜…。え?なにがって?内緒〜…ふふっ」 0: 0:間 友梨奈:(M)今日は有給。だけど…いつも通りコンビニの前を通って仕事に行くふりをした。今は、気づかれないようにコンビニ斜め向かいのカフェで時間を潰してる。 0: 友梨奈:「…何時上がりなのかしら…。」 0: 友梨奈:「ぁ……出てきた。」 0: 0:(場面転換・友梨奈の部屋) 柊哉:「……!!…………!!」 友梨奈:(M)中から何かをつぶやく声と少しの物音がする…胸の高鳴りを抑えながら音を立てないよう、力を入れながら慎重に鍵を回す。 0: 柊哉:「………友梨奈、君は僕の友梨奈だ。なんで……なんでだよ!!!!あいつは何なんだよ!!!君は僕のだ……僕のなんだ……!!!!」 友梨奈:(M)気づかれないように……慎重にドアを開ける。彼の姿を捉えながら部屋に入り、後ろ手にそっと扉を閉め……鍵をかけた。 柊哉:「どうしたらいい……どうしたら引き離せる??男を消すか??だけどどうやって??どうしたらいいんだ……!!あの男は…っ」 友梨奈:(M)心臓がうるさい…。笑っちゃダメ、笑っちゃダメ……!!必死に表情を抑えながら大きく呼吸をして整える。 友梨奈:「……ぇっ。だ、誰??!泥棒?!!なんで……っ!!?」 0: 柊哉:「……っ!!?」 友梨奈:(M)彼の肩がビクッと跳ね、一瞬動きが止まった。恐る恐るこちらを向いた彼は、絶望を貼り付けた表情でこちらを見ていた。 0: 柊哉:「……。」 友梨奈:「だ、だれよっ!?!……ぇ……あなた……っ」 柊哉:「ぁ……ぅ……っ……」 友梨奈:(M)可愛い……可愛い…可愛い可愛い可愛い……言葉が出てこないのね!!びっくりしてるわよね!!まさかこの時間に、なんで君が?って!!! 0:少しの間 柊哉:「ぁ……あの男は誰なんだよ!!!!」 友梨奈:「ぇ??!なん…ぇ??」 柊哉:「許せない……僕はずっと……」 友梨奈:(M)待って待って待って!!彼がくるぅぅ!!嫉妬で理性がぶっ飛んだ顔してる!!!ダメ…ダメっ!!これ以上、来られたら…っ!! 友梨奈:「ゃ…何っ……まって…」 柊哉:「(詰め寄りながら)ずっと…ずっと君だけを見てきたんだ…。僕の世界は君だけなんだよぉ……だから、だからさぁ!!」 友梨奈:「…ひっ!!」 柊哉:「君の世界も僕だけでいいよね…?そうだ、そうしよう!!!ねぇ…他は必要ないよね??僕だけで、僕らだけの世界にしよう…!!!」 友梨奈:「な、何を言ってるの…待って、落ち着いてください、キャッ!!」 柊哉:「(友梨奈の腕を掴み)捕まえた…やっと……、やっと君に触れられた…ふふ、ふふふ」 友梨奈:(M)ぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!来たぁぁぁぁぁぁぁあッ!! 友梨奈:「ぁ…ぁぁあ……ぁの、離しっ」 柊哉:「離さないよ…僕だけの友梨奈だ…誰にも渡さない!!!」 友梨奈:「っ…あの、ぁ、あの……!!」 柊哉:「嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ!!誰にも渡さない!!!!僕だけのっーー」 友梨奈:「っ!!!!」 0: 友梨奈:(M)あぁ……もう我慢できない…、そう思った私は、言葉を遮って勢いよく彼の懐に飛び込み抱きつきながら身を翻して壁に追いやった。 柊哉:「っ?!!!……ぇ?!?!」 友梨奈:「ハァ…ハァ……僕だけの…友梨奈…?」 柊哉:「な…へ?ぁ、あの……ぇ!?」 友梨奈:「あなたの……下の名前は?」 柊哉:「ぁ……え……あの……何で」 友梨奈:「何で……何が?」 友梨奈:(M)戸惑いしか無くなった表情で、抱きついている私を見下ろす彼。あぁ……可愛い……。今の状況が呑み込めないでいるのだろう。それはそうよね…自分がストーカーしてた相手が自ら自分に抱きついてきたんだもの。 柊哉:「とう…や…」 友梨奈:(M)震える声……。この人は私が好きで好きでたまらないんだ。 友梨奈:「とーや、とうや……柊哉。……んふふ…」 柊哉:(M)僕の胸に頬を寄せながら彼女は刻むように僕の名前を呼ぶ。甘く艶やかな声に呼ばれる度、全身が泡立つように揺さぶられる…脳が“危険だ”と叫んだ気がした。 0: 友梨奈:(M)こんなにも私を想ってくれている…彼の全てが愛おしい……。私へと一心に向けられた気持ち、私も答えなきゃって思ったのよ…?恐怖なんてない。今私にあるのは……貴方への愛だけ……。 0: 友梨奈:「ハァ………やっと…やっと、捕まえた。」 柊哉:「っ!!」 0: 友梨奈:「……逃がさない。私の柊哉…フフッ」

0:友梨奈、帰宅 0: 友梨奈:「はぁ……ただいまぁ……って、一人暮らしで返事なんか返ってこないのに、言っちゃうよねぇ……(少しの間)んー…???」 0: 友梨奈:(M)初めはほんの些細な違和感だった。 友梨奈:玄関に入り鍵を掛ける。靴を脱いで足を踏み入れる瞬間……何が、という訳でもなく…ただただ、何となく“自室の空気では無い”と感じた。 0: 友梨奈:(M)自分が気にしすぎているせいかと思ったこともあったが……。その頃から、常に誰かに見られているような感覚がぬぐい去れずにいた…。 0: 0:間 0: 友梨奈:「なんかおかしい…大きくは変わってないけど……誰か触った……??」 0: 友梨奈:(M)少しづつ違和感の理由を探っていく中、見つけた小さな変化…。まだ確信には至っていない。けど…確かめるしかない。そう思ってカメラをセットし……所々に餌を撒いた。 友梨奈:ソファには無造作に置いた下着。ベッドには畳んだ部屋着。テーブルにはリップを置いた。クッションにも違いがわかるように柄物のカバーをかけた。仕上げにそれぞれの写真を撮って…家を出る。 0: 友梨奈:「誰だろうなぁ…」 0: 友梨奈:(M)警察に通報…?とんでもない。まだ早い。私が部屋の中の異変に気づいてからまだ3日…まださほど大きな変化はない。だけど、徹底してるふうでもない。毎日、何かしら少しだけ動いている。そんな感じ…。 友梨奈:どこの誰が侵入してるのか…。その『誰か』を知りたい!という大きな好奇心によって、ほんの少しの恐怖は姿を潜めてしまった。 0: 友梨奈:(M)そんなことを考えながら、飲み物を買おうと普段たまに寄るコンビニへと入る。 0: 柊哉:「いらっしゃいませ。お待たせしました。」 友梨奈:「お願いします。」 柊哉:「あ、はい…100円になります。」 友梨奈:「はい。えっと…あれ、携帯…忘れてきちゃった!ごめんなさい、現金で。」 柊哉:「はい、あ、慌てなくて大丈夫ですよ。」 友梨奈:「すみません…」 柊哉:「いえ。毎朝早くから、お疲れ様です。」 友梨奈:「ぇ、あ、はい!ありがとうございます(お金を出す)はい。」 柊哉:「お預かりします。ありがとうございます。またお越しください。」 友梨奈:「どーも。」 柊哉:「……。」 0:(外に出て歩き出す友梨奈) 友梨奈:「びっくりしたぁ……普段会話したことないのに…まぁ、悪い気はしない、ね。ふふ」 0: 0:(場面転換・帰宅)玄関前で佇む友梨奈 0: 友梨奈:「……ふぅ。鍵は…かかってる。」 友梨奈:(M)異変に気づいてからも怪しまれないよう自然に振舞ってきた…。もしかしたら盗聴、もしくは隠しカメラがあるかもしれない。部屋の掃除をするフリをして隅々まで確認し、それらしいものは無かった。でもいつ仕掛けられるか分からない。だから……よし。 0: 友梨奈:「ただいまぁ…疲れたぁ。ぁ、リップ、やっぱりここにあった!」 友梨奈:「あれ……」 友梨奈:(M)ほんの少しの違和感……ほんの少し、本当にほんの少し…場所がズレている…心臓がうるさい。自分の心臓の音が耳元で鳴る……『掛かった!!』 友梨奈:確信がある訳では無い、が蓋を開けて中を見る。ニヤけ笑ってしまいそうになる口元を押さえながら、我ながらわざとらしい声を上げた。 友梨奈:「……減ってる?……ひっ!!!?(リップを落とす)誰…なの……」 友梨奈:(M)ニヤけが止まらない。声を潜めながら部屋の中をぐるっと見渡すと……もう笑いを隠すことは出来なかった。 友梨奈:幸い、私が仕掛けたカメラには気づかれなかったようだった。自分の居ない間にこの部屋にくる『誰か』を確認する。そして、そこに映っていたのは…… 0: 柊哉:「今日はいっぱい話せたね…友梨奈……。はぁぁぁ……今日も可愛かったなぁ。あのリップ…初めて見た色だった。どんなメイクでもどんな服を着てても友梨奈は可愛いよ。 柊哉:ん、…このリップ…もしかして……あぁ、これだ!今日つけてた色だ!!君の唇と同じ…(自分に塗ってんぱってする)ふふふふふ……」 0: 友梨奈:「……っ!!」 友梨奈:(M)沸き上がる感情は、恐怖でも嫌悪でもない……。自分は普通では無いのだろうと、なぜか冷静に納得する。気づけば私は笑いながら動画に、動画の彼に…見入ってしまっていた。 0: 友梨奈:(M)それからも部屋の中の異変は続いた……。最初はほんの少しの違和感だったのに…それは目に見えて段々とエスカレートしていった。 友梨奈:ものが無くなったりはしない。けど、明らかに配置が変わっているクッションや雑貨…でも、ただそれだけ。 0: 0:(間)友梨奈、会社での同僚との会話 0: 友梨奈:「あ、鈴木くん、あのさ、ちょっとお願いがあるんだけど……あ、いや、仕事の事じゃないんだけどね……うん、本当?ありがとう。」 友梨奈:(M)同じ部署で勤務する鈴木くん。1つ年下だが中々のイケメンだ。その彼にしばらく一緒に帰宅してもらえないかとお願いした。 友梨奈:理由を聞かれたけど…言えなかった…それでも彼は快くOKをくれ、方向が一緒だからと朝も一緒に通勤することになった。 0: 友梨奈:「理由なんて言えないわ……まさか、ストーカーを焚き付けるため、とは。言えないわよねぇ……ふふ」 0: 友梨奈:(M)鈴木くんとの帰宅を何度か見せつけ、仲良さげに話しているところも聞かせた。 友梨奈:胸の高鳴りが抑えきれず!思わず言葉が漏れていた。 友梨奈:「そろそろかなぁ……」 0: 0:(帰り道・鈴木くんとコンビニ) 0: 友梨奈:(M)今日も鈴木くんと一緒に帰宅。途中でいつものコンビニに寄りたいと指を指す。店舗に入り、彼の視線を確認する。彼に聞こえるように、わざと高い声で鈴木くんに話しかける。 友梨奈:「ねぇ鈴木くん!いつもありがとうね。お願いまで聞いてもらっちゃって…… 友梨奈:いやいや、本当助かってる!だから……なんか奢るよ!何か食べたいものは??遠慮しないで?」 0: 友梨奈:「こんばんは。」 柊哉:「いらっしゃいませ、こんばんは……」 友梨奈:「段々寒くなってきましたよねぇ」 柊哉:「そ、そうですね!」 友梨奈:「あ、鈴木くん。肉まんたべる?……じゃあ、肉まんとあんまんください。」 柊哉:「…はい、かしこまりました。………合計で……950円に、なり…ます。」 友梨奈:「はい、……あ、え?鈴木くん?いいよ!私が…って、もう、ありがとう。」 柊哉:「……クッ……ぅ……」 友梨奈:「あの……お会計……」 柊哉:「あ、……はい。すみません、1000円お預かりします。50円お返しです。ありがとうございます。」 友梨奈:「……。持つくらい…もぉ、鈴木くん、ありがとう。あ、店員さん、お疲れ様です。頑張ってくださいね!」 柊哉:「……ぁ…ありがとう、ございます。」 友梨奈:「…………ふふ。」 0:(店舗の外) 友梨奈:「……え?何であんな声で話してるんだ、って?いやぁ、別に…ふふっ…ぁ?気持ち悪い??酷っ!色々あんだよ!!!それより、ありがとね、上手くいきそうよぉ〜…。え?なにがって?内緒〜…ふふっ」 0: 0:間 友梨奈:(M)今日は有給。だけど…いつも通りコンビニの前を通って仕事に行くふりをした。今は、気づかれないようにコンビニ斜め向かいのカフェで時間を潰してる。 0: 友梨奈:「…何時上がりなのかしら…。」 0: 友梨奈:「ぁ……出てきた。」 0: 0:(場面転換・友梨奈の部屋) 柊哉:「……!!…………!!」 友梨奈:(M)中から何かをつぶやく声と少しの物音がする…胸の高鳴りを抑えながら音を立てないよう、力を入れながら慎重に鍵を回す。 0: 柊哉:「………友梨奈、君は僕の友梨奈だ。なんで……なんでだよ!!!!あいつは何なんだよ!!!君は僕のだ……僕のなんだ……!!!!」 友梨奈:(M)気づかれないように……慎重にドアを開ける。彼の姿を捉えながら部屋に入り、後ろ手にそっと扉を閉め……鍵をかけた。 柊哉:「どうしたらいい……どうしたら引き離せる??男を消すか??だけどどうやって??どうしたらいいんだ……!!あの男は…っ」 友梨奈:(M)心臓がうるさい…。笑っちゃダメ、笑っちゃダメ……!!必死に表情を抑えながら大きく呼吸をして整える。 友梨奈:「……ぇっ。だ、誰??!泥棒?!!なんで……っ!!?」 0: 柊哉:「……っ!!?」 友梨奈:(M)彼の肩がビクッと跳ね、一瞬動きが止まった。恐る恐るこちらを向いた彼は、絶望を貼り付けた表情でこちらを見ていた。 0: 柊哉:「……。」 友梨奈:「だ、だれよっ!?!……ぇ……あなた……っ」 柊哉:「ぁ……ぅ……っ……」 友梨奈:(M)可愛い……可愛い…可愛い可愛い可愛い……言葉が出てこないのね!!びっくりしてるわよね!!まさかこの時間に、なんで君が?って!!! 0:少しの間 柊哉:「ぁ……あの男は誰なんだよ!!!!」 友梨奈:「ぇ??!なん…ぇ??」 柊哉:「許せない……僕はずっと……」 友梨奈:(M)待って待って待って!!彼がくるぅぅ!!嫉妬で理性がぶっ飛んだ顔してる!!!ダメ…ダメっ!!これ以上、来られたら…っ!! 友梨奈:「ゃ…何っ……まって…」 柊哉:「(詰め寄りながら)ずっと…ずっと君だけを見てきたんだ…。僕の世界は君だけなんだよぉ……だから、だからさぁ!!」 友梨奈:「…ひっ!!」 柊哉:「君の世界も僕だけでいいよね…?そうだ、そうしよう!!!ねぇ…他は必要ないよね??僕だけで、僕らだけの世界にしよう…!!!」 友梨奈:「な、何を言ってるの…待って、落ち着いてください、キャッ!!」 柊哉:「(友梨奈の腕を掴み)捕まえた…やっと……、やっと君に触れられた…ふふ、ふふふ」 友梨奈:(M)ぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!来たぁぁぁぁぁぁぁあッ!! 友梨奈:「ぁ…ぁぁあ……ぁの、離しっ」 柊哉:「離さないよ…僕だけの友梨奈だ…誰にも渡さない!!!」 友梨奈:「っ…あの、ぁ、あの……!!」 柊哉:「嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ!!誰にも渡さない!!!!僕だけのっーー」 友梨奈:「っ!!!!」 0: 友梨奈:(M)あぁ……もう我慢できない…、そう思った私は、言葉を遮って勢いよく彼の懐に飛び込み抱きつきながら身を翻して壁に追いやった。 柊哉:「っ?!!!……ぇ?!?!」 友梨奈:「ハァ…ハァ……僕だけの…友梨奈…?」 柊哉:「な…へ?ぁ、あの……ぇ!?」 友梨奈:「あなたの……下の名前は?」 柊哉:「ぁ……え……あの……何で」 友梨奈:「何で……何が?」 友梨奈:(M)戸惑いしか無くなった表情で、抱きついている私を見下ろす彼。あぁ……可愛い……。今の状況が呑み込めないでいるのだろう。それはそうよね…自分がストーカーしてた相手が自ら自分に抱きついてきたんだもの。 柊哉:「とう…や…」 友梨奈:(M)震える声……。この人は私が好きで好きでたまらないんだ。 友梨奈:「とーや、とうや……柊哉。……んふふ…」 柊哉:(M)僕の胸に頬を寄せながら彼女は刻むように僕の名前を呼ぶ。甘く艶やかな声に呼ばれる度、全身が泡立つように揺さぶられる…脳が“危険だ”と叫んだ気がした。 0: 友梨奈:(M)こんなにも私を想ってくれている…彼の全てが愛おしい……。私へと一心に向けられた気持ち、私も答えなきゃって思ったのよ…?恐怖なんてない。今私にあるのは……貴方への愛だけ……。 0: 友梨奈:「ハァ………やっと…やっと、捕まえた。」 柊哉:「っ!!」 0: 友梨奈:「……逃がさない。私の柊哉…フフッ」