台本概要

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タイトル 花に嵐
作者名 そーたに  (@sotaniOwO)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(女1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 二次創作ですすみません
米津玄師さんの「花に嵐」を書きました

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
-
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:気がつくと、私は駅のホームにいて目の前には列車が止まっていた 0:ただ何となく、まだ乗ってはいけないような気がして、私は急いでそこを後にした 0:外に出ると周りは靄(もや)がかかっていて 0:駅から伸びる一本道には、轍(わだち)が見えなくなるまで続いていた 0:私はどうしたらいいのか考えながら、どこへ行くことも出来ず待合室で座っていた 0:そこへ一人、同じくらいの歳の男の子が、雨にでも濡れたように、びしょ濡れでやってきた 0:なんだか見覚えがあったその顔を眺めていると、いつのだか分からないような記憶が浮かんできた 0: 0:私に花を渡そうとする男の子 0:ただその花はなんだか不細工で、あまり嬉しくなかった 0:気に入らなかった私はその花を突き返してその場を離れた 0:私の背中にはただひたすらに謝るあなたの声だけが聞こえていた 0: 0:いつの記憶だろう 0:そもそも私の記憶なのかも分からない 0:この男の子が誰なのか 0:私にとってのなんなのか 0:分からないままだった 0: 0:眠ってしまっていたのだろう 0:気がつけば男の子はいなくなって、私は待合室に一人取り残されていた 0:ここに居てもどうにもならないので駅の中を歩くことにした 0: 0:しばらく歩くと無造作にばらまかれた荷物が目に入った 0:「誰かの落し物かな?」 0:そう思って手に取ろうとした時 0:「あっ、ごめんなさい」 0:またあの男の子がいた 0:この子の荷物らしい 0:どうしてかは分からないがとにかくバラバラなので拾ってあげた 0:「一緒に拾ってくれてありがとう」 0:そう言ってはにかんだ、その嬉しくも淋しそうなその笑顔を見て 0:私は全て思い出した 0:「私は死んだんだ」 0: 0:私は虐められていた 0:きっかけはなんだったか分からない、とても小さなことだったんだと思う 0:そんな私を気にかけてくれて、守ってくれて、手を差し伸べようとしてくれたのがあなただった 0:ただ私にはその行為が、私の為でなく自分の為にしているものにしか見えなかった 0:だから突っぱねてしまった 0:それでもあなたは辞めようとしなかった 0:でも虐めを庇う人間もやがてその対象になってしまう 0:あなたも虐められるようになり、遂には会えなくなってしまった 0:守ってくれるあなたがいなくなった私は、蹲(うずくま)って、ただあなたを待つしかなかった 0:それに耐えられなくなり自ら命を絶ったのだ 0: 0:「全部、思い出した」 0:「あなたが差し出してくれたその手は」 0:「とても綺麗で、美しくて、私にはもったいなかった」 0:「でもただ嬉しかった」 0:「それを伝えなきゃいけなかったのに」 0:「私はそれを拒否して、そのままあなたは居なくなって」 0:「それからずっと伝えなきゃって思っていたのに」 0:「私にはなにも出来なくて」 0:「それで、、それで、、」 0: 0:男の子は居なくなっていた 0:私は駅の中を探し回ったが見つけることは出来なかった 0:外に出てみると靄(もや)は晴れていて広がる景色がよく見えた 0:辺りは花畑でそこには、記憶の中であなたがくれた花が一面に咲いていた 0:雨の匂いがする 0:もうすぐ嵐がくる 0:列車の汽笛が聞こえてきた 0:乗り遅れちゃいけない 0:私はホームに向かって歩き始めた

0:気がつくと、私は駅のホームにいて目の前には列車が止まっていた 0:ただ何となく、まだ乗ってはいけないような気がして、私は急いでそこを後にした 0:外に出ると周りは靄(もや)がかかっていて 0:駅から伸びる一本道には、轍(わだち)が見えなくなるまで続いていた 0:私はどうしたらいいのか考えながら、どこへ行くことも出来ず待合室で座っていた 0:そこへ一人、同じくらいの歳の男の子が、雨にでも濡れたように、びしょ濡れでやってきた 0:なんだか見覚えがあったその顔を眺めていると、いつのだか分からないような記憶が浮かんできた 0: 0:私に花を渡そうとする男の子 0:ただその花はなんだか不細工で、あまり嬉しくなかった 0:気に入らなかった私はその花を突き返してその場を離れた 0:私の背中にはただひたすらに謝るあなたの声だけが聞こえていた 0: 0:いつの記憶だろう 0:そもそも私の記憶なのかも分からない 0:この男の子が誰なのか 0:私にとってのなんなのか 0:分からないままだった 0: 0:眠ってしまっていたのだろう 0:気がつけば男の子はいなくなって、私は待合室に一人取り残されていた 0:ここに居てもどうにもならないので駅の中を歩くことにした 0: 0:しばらく歩くと無造作にばらまかれた荷物が目に入った 0:「誰かの落し物かな?」 0:そう思って手に取ろうとした時 0:「あっ、ごめんなさい」 0:またあの男の子がいた 0:この子の荷物らしい 0:どうしてかは分からないがとにかくバラバラなので拾ってあげた 0:「一緒に拾ってくれてありがとう」 0:そう言ってはにかんだ、その嬉しくも淋しそうなその笑顔を見て 0:私は全て思い出した 0:「私は死んだんだ」 0: 0:私は虐められていた 0:きっかけはなんだったか分からない、とても小さなことだったんだと思う 0:そんな私を気にかけてくれて、守ってくれて、手を差し伸べようとしてくれたのがあなただった 0:ただ私にはその行為が、私の為でなく自分の為にしているものにしか見えなかった 0:だから突っぱねてしまった 0:それでもあなたは辞めようとしなかった 0:でも虐めを庇う人間もやがてその対象になってしまう 0:あなたも虐められるようになり、遂には会えなくなってしまった 0:守ってくれるあなたがいなくなった私は、蹲(うずくま)って、ただあなたを待つしかなかった 0:それに耐えられなくなり自ら命を絶ったのだ 0: 0:「全部、思い出した」 0:「あなたが差し出してくれたその手は」 0:「とても綺麗で、美しくて、私にはもったいなかった」 0:「でもただ嬉しかった」 0:「それを伝えなきゃいけなかったのに」 0:「私はそれを拒否して、そのままあなたは居なくなって」 0:「それからずっと伝えなきゃって思っていたのに」 0:「私にはなにも出来なくて」 0:「それで、、それで、、」 0: 0:男の子は居なくなっていた 0:私は駅の中を探し回ったが見つけることは出来なかった 0:外に出てみると靄(もや)は晴れていて広がる景色がよく見えた 0:辺りは花畑でそこには、記憶の中であなたがくれた花が一面に咲いていた 0:雨の匂いがする 0:もうすぐ嵐がくる 0:列車の汽笛が聞こえてきた 0:乗り遅れちゃいけない 0:私はホームに向かって歩き始めた