台本概要
220 views
タイトル | 花に嵐 |
---|---|
作者名 | そーたに (@sotaniOwO) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 1人用台本(女1) ※兼役あり |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
二次創作ですすみません 米津玄師さんの「花に嵐」を書きました 220 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
私 | 女 | - |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:気がつくと、私は駅のホームにいて目の前には列車が止まっていた
0:ただ何となく、まだ乗ってはいけないような気がして、私は急いでそこを後にした
0:外に出ると周りは靄(もや)がかかっていて
0:駅から伸びる一本道には、轍(わだち)が見えなくなるまで続いていた
0:私はどうしたらいいのか考えながら、どこへ行くことも出来ず待合室で座っていた
0:そこへ一人、同じくらいの歳の男の子が、雨にでも濡れたように、びしょ濡れでやってきた
0:なんだか見覚えがあったその顔を眺めていると、いつのだか分からないような記憶が浮かんできた
0:
0:私に花を渡そうとする男の子
0:ただその花はなんだか不細工で、あまり嬉しくなかった
0:気に入らなかった私はその花を突き返してその場を離れた
0:私の背中にはただひたすらに謝るあなたの声だけが聞こえていた
0:
0:いつの記憶だろう
0:そもそも私の記憶なのかも分からない
0:この男の子が誰なのか
0:私にとってのなんなのか
0:分からないままだった
0:
0:眠ってしまっていたのだろう
0:気がつけば男の子はいなくなって、私は待合室に一人取り残されていた
0:ここに居てもどうにもならないので駅の中を歩くことにした
0:
0:しばらく歩くと無造作にばらまかれた荷物が目に入った
0:「誰かの落し物かな?」
0:そう思って手に取ろうとした時
0:「あっ、ごめんなさい」
0:またあの男の子がいた
0:この子の荷物らしい
0:どうしてかは分からないがとにかくバラバラなので拾ってあげた
0:「一緒に拾ってくれてありがとう」
0:そう言ってはにかんだ、その嬉しくも淋しそうなその笑顔を見て
0:私は全て思い出した
0:「私は死んだんだ」
0:
0:私は虐められていた
0:きっかけはなんだったか分からない、とても小さなことだったんだと思う
0:そんな私を気にかけてくれて、守ってくれて、手を差し伸べようとしてくれたのがあなただった
0:ただ私にはその行為が、私の為でなく自分の為にしているものにしか見えなかった
0:だから突っぱねてしまった
0:それでもあなたは辞めようとしなかった
0:でも虐めを庇う人間もやがてその対象になってしまう
0:あなたも虐められるようになり、遂には会えなくなってしまった
0:守ってくれるあなたがいなくなった私は、蹲(うずくま)って、ただあなたを待つしかなかった
0:それに耐えられなくなり自ら命を絶ったのだ
0:
0:「全部、思い出した」
0:「あなたが差し出してくれたその手は」
0:「とても綺麗で、美しくて、私にはもったいなかった」
0:「でもただ嬉しかった」
0:「それを伝えなきゃいけなかったのに」
0:「私はそれを拒否して、そのままあなたは居なくなって」
0:「それからずっと伝えなきゃって思っていたのに」
0:「私にはなにも出来なくて」
0:「それで、、それで、、」
0:
0:男の子は居なくなっていた
0:私は駅の中を探し回ったが見つけることは出来なかった
0:外に出てみると靄(もや)は晴れていて広がる景色がよく見えた
0:辺りは花畑でそこには、記憶の中であなたがくれた花が一面に咲いていた
0:雨の匂いがする
0:もうすぐ嵐がくる
0:列車の汽笛が聞こえてきた
0:乗り遅れちゃいけない
0:私はホームに向かって歩き始めた
0:気がつくと、私は駅のホームにいて目の前には列車が止まっていた
0:ただ何となく、まだ乗ってはいけないような気がして、私は急いでそこを後にした
0:外に出ると周りは靄(もや)がかかっていて
0:駅から伸びる一本道には、轍(わだち)が見えなくなるまで続いていた
0:私はどうしたらいいのか考えながら、どこへ行くことも出来ず待合室で座っていた
0:そこへ一人、同じくらいの歳の男の子が、雨にでも濡れたように、びしょ濡れでやってきた
0:なんだか見覚えがあったその顔を眺めていると、いつのだか分からないような記憶が浮かんできた
0:
0:私に花を渡そうとする男の子
0:ただその花はなんだか不細工で、あまり嬉しくなかった
0:気に入らなかった私はその花を突き返してその場を離れた
0:私の背中にはただひたすらに謝るあなたの声だけが聞こえていた
0:
0:いつの記憶だろう
0:そもそも私の記憶なのかも分からない
0:この男の子が誰なのか
0:私にとってのなんなのか
0:分からないままだった
0:
0:眠ってしまっていたのだろう
0:気がつけば男の子はいなくなって、私は待合室に一人取り残されていた
0:ここに居てもどうにもならないので駅の中を歩くことにした
0:
0:しばらく歩くと無造作にばらまかれた荷物が目に入った
0:「誰かの落し物かな?」
0:そう思って手に取ろうとした時
0:「あっ、ごめんなさい」
0:またあの男の子がいた
0:この子の荷物らしい
0:どうしてかは分からないがとにかくバラバラなので拾ってあげた
0:「一緒に拾ってくれてありがとう」
0:そう言ってはにかんだ、その嬉しくも淋しそうなその笑顔を見て
0:私は全て思い出した
0:「私は死んだんだ」
0:
0:私は虐められていた
0:きっかけはなんだったか分からない、とても小さなことだったんだと思う
0:そんな私を気にかけてくれて、守ってくれて、手を差し伸べようとしてくれたのがあなただった
0:ただ私にはその行為が、私の為でなく自分の為にしているものにしか見えなかった
0:だから突っぱねてしまった
0:それでもあなたは辞めようとしなかった
0:でも虐めを庇う人間もやがてその対象になってしまう
0:あなたも虐められるようになり、遂には会えなくなってしまった
0:守ってくれるあなたがいなくなった私は、蹲(うずくま)って、ただあなたを待つしかなかった
0:それに耐えられなくなり自ら命を絶ったのだ
0:
0:「全部、思い出した」
0:「あなたが差し出してくれたその手は」
0:「とても綺麗で、美しくて、私にはもったいなかった」
0:「でもただ嬉しかった」
0:「それを伝えなきゃいけなかったのに」
0:「私はそれを拒否して、そのままあなたは居なくなって」
0:「それからずっと伝えなきゃって思っていたのに」
0:「私にはなにも出来なくて」
0:「それで、、それで、、」
0:
0:男の子は居なくなっていた
0:私は駅の中を探し回ったが見つけることは出来なかった
0:外に出てみると靄(もや)は晴れていて広がる景色がよく見えた
0:辺りは花畑でそこには、記憶の中であなたがくれた花が一面に咲いていた
0:雨の匂いがする
0:もうすぐ嵐がくる
0:列車の汽笛が聞こえてきた
0:乗り遅れちゃいけない
0:私はホームに向かって歩き始めた