台本概要
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タイトル | イケボカフェの面接は難しいという話 |
---|---|
作者名 | メイロラ (@LdimWp) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
イケボカフェのオーナーと面接に来た男のコメディ 【注意事項】 使用時は、タイトル及び作者名を掲示してください。(URLは任意) アドリブ〇 音響などのアレンジ〇 兼ね役(一人二役など)〇 戸籍上の性別不問 (男性の役を女性がやるのもその逆も〇) 役の性別変更は、自己責任で。 ※自作として発表する行為(自作と誤解されるような使用も含む)、無断転載はおやめください。 773 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
オーナー | 女 | 34 | イケボカフェのオーナー 自分ではできる女のつもりだが、流されやすく思っていることを口に出す癖がある。 声フェチではないと言い張っている。 |
男 | 男 | 33 | 面接に来たイケボ。態度が悪い。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:『イケボカフェの面接は難しいという話』
オーナー:大変、お待たせしまして申し訳ありません。私、本日面接を担当いたします、このカフェのオーナーの……ってあのー。
男:(スマホゲームをしている)……げ、ハンター来た。逃げろー。
オーナー:あのすみません、面接始めるんで、スマホしまってもらってもいいですか? てか、バイトに応募いただいた方で間違いないですよね?
男:はい。あーちょっとまってください、もうちょっとで終わるんで。
オーナー:いや、その、待たせたこちらにも非はあるんですが、面接の待ち時間にスマホゲームはどうかと。
男:……よっしゃ、勝った! はい、どうぞ。
オーナー:どうぞって、えっと……ちょっと、その態度はいかがなものかと。あなたは面接を受けに来られたんですよね? アルバイトと言えどもお給料をもらうわけですし、ふさわしい態度というものが……。
オーナー:え、なに? なんで、お茶とポテチ出してるの?
男:(ポテチを食べながら)話長くなるかなって、あ、食べます?
オーナー:いりません! (小声)なんなのこいつ。ああ、なんかもうめんどくさくなってきた。さっさと終わらせよう。(咳払い)では面接を始めさせていただきます、履歴書は先ほど確認させていただきました。前職は……
男:プリーストとナイトを少々。
オーナー:それは多分恐らく、仮想の世界での職業ですね。私が求めているのとはちょっと違うような。ニート……じゃなかった家事手伝い、と言う事にしておきますね。
男:そろそろ終わります?
オーナー:いやまだ始まってもないから! 本当にここで働きたいんですか?
男:あー志望動機ですねー。えっと……「人と接するのが大好きで、接客のアルバイトを経験したいと考えています。こちらのお店は、いつも明るく気持ちがよい接客をしてくださるので、私もここで働いてみたいと思っています」
オーナー:……本当は?
男:母親が勝手に履歴書送っちゃって。行かないとWIFI解約するって言われました。
オーナー:そうだろうね。うん、なんとなくそんなこったろうと言う気はしてた、うん。でも、なんでわざわざこのカフェに? うちはちょっと特殊なカフェだってことは把握してくれてるかしら?
男:はい、イケボカフェですよね。声フェチの女性が、イケボの男性に甘い言葉をささやいてもらいながら、ついでにお茶を飲むっていう。これって
オーナー:(さえぎって)オーナーの趣味ですかっていいたいのよね? ええ、わかってる。みんなそう言う! 口をそろえてそう言う! そう言わないといけない条例でもあるのかって勢いで言う。
オーナー:でも、違います! 私別に男性を顔とか声とかで選びませんから! ただ、イケボの男性に接客されたいという女性の高いニーズを鑑(かんが)みてのことなの! 個人的な好みでは断じてない! ここまでおっけい?
男:はあ。
オーナー:そう私はあくまでもビジネスとしてこのカフェを経営しているの。しかし、オープンしたものの、思わぬ問題があったのよね。
オーナー:イケボの男性店員がなかなか集まらない! 俺イケボですーって面接に来る割に、そうでもないって人が多くてねー
男:あー多分それ、声フェチのオーナーがえり好みしているだけだと思います。
オーナー:ちがう! 私はまだいいイケボに出会えてないだけよ!
男:適齢期を逃した女性の言い訳っぽいですね。
オーナー:さっきから、なんなのかな? ほんとなんなのかな? やる気あるのかな? いや、ないのよね、うん、ない人だったわ。
オーナー:……ただ、声はなんかいいのよねこの人。言ってる内容はクソだけど。
男:はい、母もお前のいいところは声だけだって言ってました。
オーナー:プライドって言葉知ってる? (咳払い)じゃあ、テストさせてもらいますね。まずは朝の挨拶からはじめましょう。
男:はーい。
オーナー:では最初に、「後輩風に」
男:おはようございます、先輩!
オーナー:「執事風に」
男:おはようございます、お嬢様。
オーナー:「オタク男子風に」
男:おおおお、おはようございます的なことが言いたい気がするんだな。
オーナー:「オラオラ風に」
男:あ? うるせぇな。朝から話しかけんな。
オーナー:「子犬男子風に」
男:おっはよー! え、なに? 元気ないじゃん! おはよーおはよーおはよ!!
オーナー:「王子様風に」
男:お目覚めだね、姫。おはようのキスは?
オーナー:……な、なかなかやるわね。
男:すみません、ギルメンからスカチャ来たんですけど、返信していいすか?
オーナー:後にしなさい!
男:いや、メンバー同士でトラブル起きたらしくて、俺ギルマスなんで、ほっとくわけにいかないじゃないですか。
オーナー:責任感の使い方がおかしい! はい、スマホしまう! テスト、続けますよ! この紙を読み上げてください。
男:はーい、えっと、なになに? (※以下「 」の中は全力のイケボでお願いします)
男:「なんでわかってくれないんだよ。僕は君が好きなんだ。ずっと君だけを見つめてきたんだ。お願いどこにもいかないで。僕だけを見ていて。僕だけの……マイスイート」
オーナー:……(ため息)
男:ん? 読みましたけど?
オーナー:ああ、ごめんなさい。ちょっと意識が飛びかけたというか。働きすぎて疲れているのかしら? 多分、そうだと思う。それじゃ次はこれね。
男:これですね、えっと……
男:「おかえり、ご飯できてるぞ。ほら、ちゃんと手を洗ってうがいしろ。風邪が流行ってるから。お前すぐ風邪ひくからな。そのたびに看病するの誰だと思ってるんだ。
男:え、これ? カニクリームコロッケだけど? そんなに驚くか? 作れるだろ普通。お前ももうちょっと料理とか覚えろよ。でないと彼氏できないぞ。
男:それとも俺と付き合う? いいだろ、血はつながってないんだし……っておい、なに、本気にしてんだよ。こっちまで照れるだろ。ほら、手、洗って来い」
オーナー:ばか、べ、別に照れてないし……なに言ってるの馬鹿じゃないの。
男:どこ行くんですか、オーナー?
オーナー:どこって手を洗いに…
男:あ、トイレですか? いってらっしゃい。
オーナー:(我に返って)は……! 違うの、これはなんというか、釣られたというか。飲まれたというか。なんでもないの気にしないで? (小声)はあ、恐ろしい……私が出会った中でもトップクラスのイケボ。神様、なんでこの男にこの声を与えたんですか!(咳払い)じゃあ、次はこれお願いします。
男:なんかこれ漢字多いですね、えっと……
男:「瞳を閉じて、大丈夫。呪文をかけるよ。すべて忘れるといい。忘れさせてあげる。
男:嗚呼(ああ)、泣かないで。終わろう。君の世界は初めて息を吹き返すんだ。
男:その為に私は君の盾となり、終わりを告げる剣となろう。幕は下りる。
男:誰もいない壇上(だんじょう)で、あるはずもない拍手を聞きながら初めての口付けをしよう。
男:おはよう眠り姫。君はもうドロシーじゃない」
オーナー:「いいえ、瞳を閉じたりしません。呪文など焼き消して。
オーナー:私にはシンデレラの靴は合いません。
オーナー:人魚姫のように王子を殺すことをためらわないし、白雪姫のように毒りんごを食べるような失敗はしません。
オーナー:ラプンツェルのように外に憧れ、長い髪をつたって塔から逃げ出す事もないでしょう。
オーナー:盾は私、剣は私。あなたと同じ夢を見る事はできない。私は、ドロシー、ドロシーなのです」
男:……
オーナー:あぁ、エリック……
男:エリックって誰ですか?
オーナー:あ……
男:てか、オーナーの名前って、ドロシーなんですか?
オーナー:そそそ、そんなわけないでしょ! ……きょ、今日の面接は以上です、結果は追ってご連絡します。
男:そうですか、ところで、オーナー。
オーナー:……なに? もうスマホ出していいわよ?
男:……俺、今夜空いてますよ?
オーナー:え?
0:【完】
0:『イケボカフェの面接は難しいという話』
オーナー:大変、お待たせしまして申し訳ありません。私、本日面接を担当いたします、このカフェのオーナーの……ってあのー。
男:(スマホゲームをしている)……げ、ハンター来た。逃げろー。
オーナー:あのすみません、面接始めるんで、スマホしまってもらってもいいですか? てか、バイトに応募いただいた方で間違いないですよね?
男:はい。あーちょっとまってください、もうちょっとで終わるんで。
オーナー:いや、その、待たせたこちらにも非はあるんですが、面接の待ち時間にスマホゲームはどうかと。
男:……よっしゃ、勝った! はい、どうぞ。
オーナー:どうぞって、えっと……ちょっと、その態度はいかがなものかと。あなたは面接を受けに来られたんですよね? アルバイトと言えどもお給料をもらうわけですし、ふさわしい態度というものが……。
オーナー:え、なに? なんで、お茶とポテチ出してるの?
男:(ポテチを食べながら)話長くなるかなって、あ、食べます?
オーナー:いりません! (小声)なんなのこいつ。ああ、なんかもうめんどくさくなってきた。さっさと終わらせよう。(咳払い)では面接を始めさせていただきます、履歴書は先ほど確認させていただきました。前職は……
男:プリーストとナイトを少々。
オーナー:それは多分恐らく、仮想の世界での職業ですね。私が求めているのとはちょっと違うような。ニート……じゃなかった家事手伝い、と言う事にしておきますね。
男:そろそろ終わります?
オーナー:いやまだ始まってもないから! 本当にここで働きたいんですか?
男:あー志望動機ですねー。えっと……「人と接するのが大好きで、接客のアルバイトを経験したいと考えています。こちらのお店は、いつも明るく気持ちがよい接客をしてくださるので、私もここで働いてみたいと思っています」
オーナー:……本当は?
男:母親が勝手に履歴書送っちゃって。行かないとWIFI解約するって言われました。
オーナー:そうだろうね。うん、なんとなくそんなこったろうと言う気はしてた、うん。でも、なんでわざわざこのカフェに? うちはちょっと特殊なカフェだってことは把握してくれてるかしら?
男:はい、イケボカフェですよね。声フェチの女性が、イケボの男性に甘い言葉をささやいてもらいながら、ついでにお茶を飲むっていう。これって
オーナー:(さえぎって)オーナーの趣味ですかっていいたいのよね? ええ、わかってる。みんなそう言う! 口をそろえてそう言う! そう言わないといけない条例でもあるのかって勢いで言う。
オーナー:でも、違います! 私別に男性を顔とか声とかで選びませんから! ただ、イケボの男性に接客されたいという女性の高いニーズを鑑(かんが)みてのことなの! 個人的な好みでは断じてない! ここまでおっけい?
男:はあ。
オーナー:そう私はあくまでもビジネスとしてこのカフェを経営しているの。しかし、オープンしたものの、思わぬ問題があったのよね。
オーナー:イケボの男性店員がなかなか集まらない! 俺イケボですーって面接に来る割に、そうでもないって人が多くてねー
男:あー多分それ、声フェチのオーナーがえり好みしているだけだと思います。
オーナー:ちがう! 私はまだいいイケボに出会えてないだけよ!
男:適齢期を逃した女性の言い訳っぽいですね。
オーナー:さっきから、なんなのかな? ほんとなんなのかな? やる気あるのかな? いや、ないのよね、うん、ない人だったわ。
オーナー:……ただ、声はなんかいいのよねこの人。言ってる内容はクソだけど。
男:はい、母もお前のいいところは声だけだって言ってました。
オーナー:プライドって言葉知ってる? (咳払い)じゃあ、テストさせてもらいますね。まずは朝の挨拶からはじめましょう。
男:はーい。
オーナー:では最初に、「後輩風に」
男:おはようございます、先輩!
オーナー:「執事風に」
男:おはようございます、お嬢様。
オーナー:「オタク男子風に」
男:おおおお、おはようございます的なことが言いたい気がするんだな。
オーナー:「オラオラ風に」
男:あ? うるせぇな。朝から話しかけんな。
オーナー:「子犬男子風に」
男:おっはよー! え、なに? 元気ないじゃん! おはよーおはよーおはよ!!
オーナー:「王子様風に」
男:お目覚めだね、姫。おはようのキスは?
オーナー:……な、なかなかやるわね。
男:すみません、ギルメンからスカチャ来たんですけど、返信していいすか?
オーナー:後にしなさい!
男:いや、メンバー同士でトラブル起きたらしくて、俺ギルマスなんで、ほっとくわけにいかないじゃないですか。
オーナー:責任感の使い方がおかしい! はい、スマホしまう! テスト、続けますよ! この紙を読み上げてください。
男:はーい、えっと、なになに? (※以下「 」の中は全力のイケボでお願いします)
男:「なんでわかってくれないんだよ。僕は君が好きなんだ。ずっと君だけを見つめてきたんだ。お願いどこにもいかないで。僕だけを見ていて。僕だけの……マイスイート」
オーナー:……(ため息)
男:ん? 読みましたけど?
オーナー:ああ、ごめんなさい。ちょっと意識が飛びかけたというか。働きすぎて疲れているのかしら? 多分、そうだと思う。それじゃ次はこれね。
男:これですね、えっと……
男:「おかえり、ご飯できてるぞ。ほら、ちゃんと手を洗ってうがいしろ。風邪が流行ってるから。お前すぐ風邪ひくからな。そのたびに看病するの誰だと思ってるんだ。
男:え、これ? カニクリームコロッケだけど? そんなに驚くか? 作れるだろ普通。お前ももうちょっと料理とか覚えろよ。でないと彼氏できないぞ。
男:それとも俺と付き合う? いいだろ、血はつながってないんだし……っておい、なに、本気にしてんだよ。こっちまで照れるだろ。ほら、手、洗って来い」
オーナー:ばか、べ、別に照れてないし……なに言ってるの馬鹿じゃないの。
男:どこ行くんですか、オーナー?
オーナー:どこって手を洗いに…
男:あ、トイレですか? いってらっしゃい。
オーナー:(我に返って)は……! 違うの、これはなんというか、釣られたというか。飲まれたというか。なんでもないの気にしないで? (小声)はあ、恐ろしい……私が出会った中でもトップクラスのイケボ。神様、なんでこの男にこの声を与えたんですか!(咳払い)じゃあ、次はこれお願いします。
男:なんかこれ漢字多いですね、えっと……
男:「瞳を閉じて、大丈夫。呪文をかけるよ。すべて忘れるといい。忘れさせてあげる。
男:嗚呼(ああ)、泣かないで。終わろう。君の世界は初めて息を吹き返すんだ。
男:その為に私は君の盾となり、終わりを告げる剣となろう。幕は下りる。
男:誰もいない壇上(だんじょう)で、あるはずもない拍手を聞きながら初めての口付けをしよう。
男:おはよう眠り姫。君はもうドロシーじゃない」
オーナー:「いいえ、瞳を閉じたりしません。呪文など焼き消して。
オーナー:私にはシンデレラの靴は合いません。
オーナー:人魚姫のように王子を殺すことをためらわないし、白雪姫のように毒りんごを食べるような失敗はしません。
オーナー:ラプンツェルのように外に憧れ、長い髪をつたって塔から逃げ出す事もないでしょう。
オーナー:盾は私、剣は私。あなたと同じ夢を見る事はできない。私は、ドロシー、ドロシーなのです」
男:……
オーナー:あぁ、エリック……
男:エリックって誰ですか?
オーナー:あ……
男:てか、オーナーの名前って、ドロシーなんですか?
オーナー:そそそ、そんなわけないでしょ! ……きょ、今日の面接は以上です、結果は追ってご連絡します。
男:そうですか、ところで、オーナー。
オーナー:……なに? もうスマホ出していいわよ?
男:……俺、今夜空いてますよ?
オーナー:え?
0:【完】