台本概要

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タイトル 夜空と海。
作者名 鈴波ぁぉぃ  (@sznm_aoiBB)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 記憶を失った少年宇野湊人と隣の席の木下七星のお話。

※一度目を通してから読むことをお勧めします。

・男女変換可、一人称変更可、セリフの追加可、シーンの追加可(ストーリーの流れやキャラクターの設定が変わらない程度にお願いします)

・SNSでの投稿など使用時はクレジットの記載お願い致します。
・商用利用時はX(旧Twitter)のDMにて

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
宇野 29 宇野 湊⼈ (ウノ ミナト)⾼校1年⽣。普通だった男。星が好き。
木下 28 ⽊下 七星 (キノシタ ナナセ)⾼校1年⽣。隣の席の⼥。海が好き。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
宇野:「周りとは遅れての⼊学、15年⽣きてても苦⼿な⾃⼰紹介を済ませた。⼊学式を2週間過ぎての初登校。まさにテンプレのような⾃⼰紹介のおかげで、クラス内で⽬⽴つことはないと思った。」 0:  宇野:「…花瓶?」 木下:「まーた間に会わなかった!あ…。」 宇野:「⼊学式からまだ⽇経ってないはずなんだが、遅刻か?まあいいや、俺宇野湊⼈。⾊々あって遅れての登校。隣の席だし俺だけ授業遅れてるからこれからよろしく!なぁ、その机の花瓶…」 木下:「あ、あぁ気にしないで!多分宇野君が思ってるようなことじゃないから。私は⽊下七星。数字の七に、星って書いてななせ。」 宇野:「珍しい名前なんだな。」 木下:「まぁよく⾔われるかな。あ、そうだ。ねえ宇野君。今⽇の午後暇?」 宇野:「え、確かに今⽇⼆時間終わりだから暇だけど…。」 木下:「じゃあ今⽇ついて来てほしいところがあるんだけど、いい?」 宇野:「いや俺ら初対⾯だよな?そんな急に⾔われても」 木下:「時間ないんだ。ダメかな。」 宇野:「…今⽇だけだからな。」 木下:「ほんと⁈ありがとう。じゃあまた後でね。」 0:  木下:「宇野君はここ、来たことある?」 宇野:「⽔族館か…たしか⼩学校の時以来だな。確か海⽉の種類が他より多いとか。」 木下:「そうそう!ミズクラゲはやっぱり⽋かせないけど私のイチオシはフウセンクラゲと かウラシマクラゲかな〜」 宇野:「ふーん…俺はシロクラゲだな。⾒た⽬が好き。」 木下:「ネットで調べるのはズルくない?ネタバレ!フライング!良くない!」 宇野:「はぁ?別にホームページくらい良いだろ。」 木下:「事前に調べちゃったら楽しみがすぐなるでしょ。」 宇野:「そうか?」 木下:「うん。」 宇野:「俺は気にしないけどな。…あ、⽊下、ショー観るだろ。そろそろ⾏かねーと間に合わない。」 木下:…宇野君らしいな。」 宇野:「なんか⾔ったか?」 木下:「ううん?宇野君はいつも細かいな〜って!」 宇野:「はぁ?なんだよそれ!」 0:  木下:「海⽉って脳も⼼臓も⾎管もないんだって。」 宇野:「確か…体内の90%以上が⽔分だっけ?」 木下:「そうそう。⾎が無いなら事故で死んじゃっても⾎が流れないのかな…。」 宇野:「は…?何⾔って」 木下:「そろそろショーの時間だし、次⾏こっか!」 宇野:「お、おう…。」 宇野:「前の⽅座らないのか?」 木下:「え、いいの?」 宇野:「俺も久しぶりだし近くで⾒たいなって。」 木下:「じゃあ前から3番⽬くらいかな。…うん!」 宇野:「イルカショーなんて何年ぶりだ?」 木下:「覚えていないの…?」 宇野:「まあ、うん。記憶にほとんどないな。」 木下:「そっか。」 宇野:「おい…こんなにびしょ濡れになるなら先に⾔ってもいいだろ。」 木下:「宇野君なんも考えずに前⾏くんだもん。あははっ⾯⽩いね!」 宇野:「⽊下は直前でポンチョ着始めたもんな…。」 木下:「だってこの後もあるのに。」 宇野:「もう絶対前座んねぇ…。」 0:  木下:「6年間、毎年のようにこの⽔族館に通っていた。私と⾒る速さを合わせて、ゆっくりと、⼀つ⼀つ。⽔族館を⼀通り回った後は、イルカやアシカのショーを⾒て…。初めて⼆⼈で来たときはショー⾒てもう前座らないってびしょ濡れになって⾔うもんだから最初はからかってたけど結局後ろの⽅座るようになったんだっけ。あとは最後に_______。」 0:  宇野:「なぁ、ほんとにここでいいのか?」 木下:「もちろん!ここ、⼈少ないし静かなところだから⼣⽇も星も綺麗なの。」 宇野:「俺、⽊下に星好きなこと⾔ったか?」 木下:「ううん。知ってたの。私たちが⼩学校の頃さ、宇野君がこっちに越してきて近くに同い年の⼦が少なくていつも⼆⼈だった。海が好きな私と星が好きな湊。いい名前だねっていつも⾔い合ってた。ねえ、湊⼈。私たちね⼊学式の⼆⽇前に事故にあったの。遅い時間に遠くまで星を⾒に⾏くもんじゃないね…あの時から⽊下七星はもういないよ。」 宇野:「あ…七星…?」 木下:「もーやっと思い出してくれた?久しぶりに会った彼⼥に向って⾃⼰紹介って…結構 ショックだったんだよ。ひどいなあ。」 宇野:「ごめん…でもなんで」 木下:「これで私も安⼼かなあ。」 宇野:「は…?七星?」 木下:「思い出してくれてありがとね、湊⼈。」 0:  宇野:「あれから何日たっても、俺の隣の席が埋まることもなく高校を卒業した。七星が残したおそろいの海月のキーホルダー。母が記憶を無くした俺の代わりに持っていたそのキーホルダーには湊人のMと七星のNのチャームがついていた。」

宇野:「周りとは遅れての⼊学、15年⽣きてても苦⼿な⾃⼰紹介を済ませた。⼊学式を2週間過ぎての初登校。まさにテンプレのような⾃⼰紹介のおかげで、クラス内で⽬⽴つことはないと思った。」 0:  宇野:「…花瓶?」 木下:「まーた間に会わなかった!あ…。」 宇野:「⼊学式からまだ⽇経ってないはずなんだが、遅刻か?まあいいや、俺宇野湊⼈。⾊々あって遅れての登校。隣の席だし俺だけ授業遅れてるからこれからよろしく!なぁ、その机の花瓶…」 木下:「あ、あぁ気にしないで!多分宇野君が思ってるようなことじゃないから。私は⽊下七星。数字の七に、星って書いてななせ。」 宇野:「珍しい名前なんだな。」 木下:「まぁよく⾔われるかな。あ、そうだ。ねえ宇野君。今⽇の午後暇?」 宇野:「え、確かに今⽇⼆時間終わりだから暇だけど…。」 木下:「じゃあ今⽇ついて来てほしいところがあるんだけど、いい?」 宇野:「いや俺ら初対⾯だよな?そんな急に⾔われても」 木下:「時間ないんだ。ダメかな。」 宇野:「…今⽇だけだからな。」 木下:「ほんと⁈ありがとう。じゃあまた後でね。」 0:  木下:「宇野君はここ、来たことある?」 宇野:「⽔族館か…たしか⼩学校の時以来だな。確か海⽉の種類が他より多いとか。」 木下:「そうそう!ミズクラゲはやっぱり⽋かせないけど私のイチオシはフウセンクラゲと かウラシマクラゲかな〜」 宇野:「ふーん…俺はシロクラゲだな。⾒た⽬が好き。」 木下:「ネットで調べるのはズルくない?ネタバレ!フライング!良くない!」 宇野:「はぁ?別にホームページくらい良いだろ。」 木下:「事前に調べちゃったら楽しみがすぐなるでしょ。」 宇野:「そうか?」 木下:「うん。」 宇野:「俺は気にしないけどな。…あ、⽊下、ショー観るだろ。そろそろ⾏かねーと間に合わない。」 木下:…宇野君らしいな。」 宇野:「なんか⾔ったか?」 木下:「ううん?宇野君はいつも細かいな〜って!」 宇野:「はぁ?なんだよそれ!」 0:  木下:「海⽉って脳も⼼臓も⾎管もないんだって。」 宇野:「確か…体内の90%以上が⽔分だっけ?」 木下:「そうそう。⾎が無いなら事故で死んじゃっても⾎が流れないのかな…。」 宇野:「は…?何⾔って」 木下:「そろそろショーの時間だし、次⾏こっか!」 宇野:「お、おう…。」 宇野:「前の⽅座らないのか?」 木下:「え、いいの?」 宇野:「俺も久しぶりだし近くで⾒たいなって。」 木下:「じゃあ前から3番⽬くらいかな。…うん!」 宇野:「イルカショーなんて何年ぶりだ?」 木下:「覚えていないの…?」 宇野:「まあ、うん。記憶にほとんどないな。」 木下:「そっか。」 宇野:「おい…こんなにびしょ濡れになるなら先に⾔ってもいいだろ。」 木下:「宇野君なんも考えずに前⾏くんだもん。あははっ⾯⽩いね!」 宇野:「⽊下は直前でポンチョ着始めたもんな…。」 木下:「だってこの後もあるのに。」 宇野:「もう絶対前座んねぇ…。」 0:  木下:「6年間、毎年のようにこの⽔族館に通っていた。私と⾒る速さを合わせて、ゆっくりと、⼀つ⼀つ。⽔族館を⼀通り回った後は、イルカやアシカのショーを⾒て…。初めて⼆⼈で来たときはショー⾒てもう前座らないってびしょ濡れになって⾔うもんだから最初はからかってたけど結局後ろの⽅座るようになったんだっけ。あとは最後に_______。」 0:  宇野:「なぁ、ほんとにここでいいのか?」 木下:「もちろん!ここ、⼈少ないし静かなところだから⼣⽇も星も綺麗なの。」 宇野:「俺、⽊下に星好きなこと⾔ったか?」 木下:「ううん。知ってたの。私たちが⼩学校の頃さ、宇野君がこっちに越してきて近くに同い年の⼦が少なくていつも⼆⼈だった。海が好きな私と星が好きな湊。いい名前だねっていつも⾔い合ってた。ねえ、湊⼈。私たちね⼊学式の⼆⽇前に事故にあったの。遅い時間に遠くまで星を⾒に⾏くもんじゃないね…あの時から⽊下七星はもういないよ。」 宇野:「あ…七星…?」 木下:「もーやっと思い出してくれた?久しぶりに会った彼⼥に向って⾃⼰紹介って…結構 ショックだったんだよ。ひどいなあ。」 宇野:「ごめん…でもなんで」 木下:「これで私も安⼼かなあ。」 宇野:「は…?七星?」 木下:「思い出してくれてありがとね、湊⼈。」 0:  宇野:「あれから何日たっても、俺の隣の席が埋まることもなく高校を卒業した。七星が残したおそろいの海月のキーホルダー。母が記憶を無くした俺の代わりに持っていたそのキーホルダーには湊人のMと七星のNのチャームがついていた。」