台本概要

 193 views 

タイトル 天使の悪戯
作者名 名越春  (@nttdnll)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(女2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 先生と教え子、同性愛、クスリ。
可憐な天使たちは、ひとときの背徳的で甘美な快楽に耽る。
俗世への憎悪をすべて忘れて。

 193 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
57 澪(みお)。肩までの長さの軽く癖っ毛の黒髪。少し伏し目がちな優しそうな瞳で、おとなしそうな印象。学校では親しい友達はそれほど多くないが生徒、教師ともに評判は良い。どこか飄々としており掴み所がないと言われている。幼い頃から絵画を習っており、今でもアトリエに通い絵を教わっている。
綾希 54 綾希(あやき)。セミロングの黒髪ストレートヘア。少しつり目がちで、整った輪郭に凛とした表情が知的な印象を与える。冷静で落ち着いた性格だが、一度熱が入るとそのことに没頭してしまう一面も。自分のアトリエを持っており、澪に絵を教えている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:――(制服姿の少女がアトリエのインターホンを鳴らす) 澪:こんばんはー。先生、いらっしゃいますか? 綾希: はーい。開いてるわよ。入って 澪:お邪魔します。先生、今日もよろしくお願いします。 澪:それで、先生、今日は…… 綾希:ええ、メール見たわ。今度の賞に出す作品のことよね? 澪:はい。それで…… 綾希:私をモデルに描きたい。だったわよね? 澪:はい、そうなんです。是非先生にモデルをお願いしたくて。 綾希:あはは。うーん、それはいいんだけど、私でいいの? 綾希:もっと綺麗な人とかいくらでもいるでしょ? 澪:そんな!先生すっごく美人ですし、 澪:それに、今回の題材とか作風を考えたら先生が一番なんです! 綾希:まったく、口が上手なんだから。 綾希:けど、今回の作品って、たしか裸婦画よね? 澪:はい。ですので、その…… 澪:先生には服を脱いでもらわないといけないのですが…… 綾希:そこなのよねぇ…… 綾希:そりゃ私もヌードデッサンはやったことあるし、 綾希:デッサンに手一杯で変なこと考える余裕なんてないし、 綾希:ヌードモデルが恥ずかしいことじゃないのも分かるんだけどね。 綾希:けどやっぱり、教え子に長時間じっくり裸を見られるって考えるとね…… 澪:ダメですか? 綾希:そうねぇ、じゃあ条件を付けるわ。 澪:条件ですか? 何でしょう? 綾希:必ず入賞するって約束するなら引き受けてあげる。 澪:はい!分かりました。 澪:先生にモデルをしてもらう以上、私も本気でやりますから! 綾希:もう。はいはい。それじゃあ早速始めましょう? 綾希:はぁ。 綾希:可愛い教え子の頼みとはいえ、ヌードモデルをすることになるなんて。 澪:まぁいいじゃないですか。私に裸見られるの初めてじゃないんですから。 綾希:一言多いのよ、貴女は。まったくもう。 0:――(衣服を脱ぎ、キメの細かい色白の肌を露にした綾希が澪の言う通りにいくつものポーズを試していく。) 澪:あっ、先生そこ!動かないで。そのポーズです! 綾希:やっと決まった? このポーズね? 綾希:良かったわ、比較的楽な体勢で。 澪:しばらくそのままでお願いしますね。 澪:なるべく早く描き上げますから。 綾希:いいのよ、急がないで。満足するまでじっくり描きなさい? 澪:はい、ありがとうございます、先生。 綾希:どういたしまして。 澪:あっ。 綾希:どうしたの? 澪:あぁいや、先生。首もとのそれ、どうしたんですか? 綾希:え?あぁ、これね? これは、その…… 澪:男ですか? キスマークですよね?それ。 綾希:ごめんね。あんまり話したくないわ。 澪:そう、ですか……、だいたい想像つきます。ごめんなさい。 綾希:いいのよ、貴女は気にしないで? 綾希:ほーら、それより 手が止まってるわよ! 澪:あっ、ごめんなさい!集中します。 0:――(キャンバスと綾希を何度も見比べ、澪は筆を走らせていく。数時間が経ち澪は今日できる作業を全て終わらせ筆を置いた。 0:――それを見た綾希がローブを裸体に纏い、澪の方へと向かい、後ろからキャンバスを覗き込む。) 澪:ふぅ、久しぶりにこんなに集中して描きました。 綾希:ふふっ。お疲れ様。流石ね。 綾希:私が貴女と同じ歳の頃には 綾希:こんなにクオリティの高いものは絶対に描けなかったわ。 綾希:どこに出しても恥ずかしくない出来よ。 綾希:これなら入賞はまず間違いないでしょうね。 澪:ありがとうございます。先生のおかげです。 綾希:私は何もしてないわよ。 綾希:さて、今日できることは全部やったわけだし、 綾希:ディテールなんかは後日またやりましょう。 綾希:疲れたでしょう? お風呂、お湯入れて来るわね。入っていくでしょう? 澪:いいんですか?じゃあお言葉に甘えさせて貰いますね。 綾希:ええ。ゆっくり温まってらっしゃい。 綾希:というか、今日ははじめから泊まる気で来てるんでしょ? 澪:あはは。そりゃ分かりますよね。 澪:あの時間から描き始めたら絶対遅くなりますし。 澪:泊まっても大丈夫ですか? 綾希:もちろんよ。私もそのつもりだったわ。 0:――(澪は風呂から上がるとローブを羽織い、綾希の待つベッドへと向かう。 0:――綾希は先ほどのローブ姿のままベッドに腰掛けている。) 澪:ちゅっ。 綾希:んぅ……っ!? 澪:綾ちゃん。 綾希:なっ…… 澪:ふふっ。「綾ちゃん」って呼ばれると 澪:すっかりスイッチ入るようになっちゃいましたね。 綾希:それは……貴女が…… 澪:みーお 綾希:澪が…… 澪:私がどうしたんですか? 澪:綾ちゃん、今日はじめっから期待してましたよね? 綾希:そ、そんなこと…… 澪:ホントですかー? 澪:綾ちゃん、私が来る前にシャワー済ませてましたよね。 綾希:そうだけど、どうして分かるの? 澪:綾ちゃんのとこに行く時間メールしてましたし、 澪:それにモデルする時、すぐに服脱ぎましたから。 澪:もう準備出来てるんだなーって。 綾希:うぅ…… 澪:私が着く時間が分かったから準備しやすかったでしょ? 綾希:策士め。 澪:あ、それに綾ちゃん。モデルしてるとき興奮してたでしょ? 綾希:え?そんなことないわよ! 澪:えー、でも私にじっーくり裸見られて途中から濡らしてたじゃないですか。 綾希:えっ、そんな……バレてたの!? 綾希:バレないように頑張ってたのに。 澪:あ、やっぱり濡らしてたんですね。 澪:あのポーズじゃそこまで見えませんよ。引っ掛かりましたね。 綾希:あっ、カマかけたの!?ひどい…… 澪:教え子が一生懸命頑張ってるのに、ひとりで興奮して濡らして。 澪:ひどいのはどっちですかね? 綾希:うっ。それは…… 澪:ごめんなさいしましょうね、センセ。 綾希:澪に裸見られて興奮して濡らしてました。 綾希:澪が頑張ってるのにごめんなさい。 澪:よくできました。すっかり従順になりましたね、綾ちゃん? 澪:可愛い。 綾希:もう、あんまりからかわないで。 澪:はやくしたくて我慢できないですか? 綾希:……ええ。 澪:ホント綾ちゃんは1度スイッチ入ると淫乱ですね。 綾希:誰のせいよ。バカ。 澪:あ、そうだ。今日は綾ちゃんにプレゼントがあるんです。 澪:モデルを引き受けて下さったお礼です。 0:――(そう言うと澪はベッド脇に置いていたポーチを探りピルケースを取り出す。 0:――澪がピルケースを開くと色とりどりの錠剤が入っていて、それらの錠剤にはどれにもNAの文字が彫られていた。) 綾希:それって? 澪:Naughty Angel(ノーティーエンジェル)。 澪:巷で流通している脱法ドラッグです。 澪:色によって効果の種類や強さが違うんですよ。 綾希:クスリ!? 澪、ダメよ。それは流石に。 綾希:澪、貴女使ってないわよね? 澪:大丈夫ですよ。先生に危ないもの飲ませるわけないじゃないですか。 澪:色んな人で試しましたから、ヤバいやつは色で分かります。 澪:安全なやつは自分でも試しました。 澪:すごいですよ、これ。 綾希:澪……貴女…… 綾希:待って。流石にそれは大人として止めさせて…… 澪:ちゅっ。 0:――(綾希の言葉を遮り、澪が綾希の唇を自らのそれで塞ぐ。 0:――そして慈しむように綾希の首筋を上から下へとキスで撫でて行く。 0:――そして澪の唇は綾希の首もとへと吸い付く) 澪:私のキスマークで上書き。しました。 澪:ねぇ、綾ちゃん。今は嫌なことなんて全部忘れましょう? 綾希:うん。嬉しいよ。ありがとう。上書きしてくれて。 綾希:その気持ちがすっごく嬉しい。けど…… 澪:私だけ見て。私だけ感じて。 澪:「綾ちゃん」と「私」と「気持ち良い」だけで頭の中いっぱいになって下さい。 綾希:でも…… 澪:大丈夫ですよ。綾ちゃんは何も考えないで? 澪:全部全部私のせいにしていいんですよ。 澪:だいたい知ってます。あの男のこと。 澪:綾ちゃんはいつも頑張ってて、私にも優しくしてくれて。それなのに…… 澪:ううん。嫌なことは忘れるんでしたね。 澪:忘れさせてあげます。私が。 澪:だから……、綾ちゃんは何も悪くないんです。 澪:私の我が儘に付き合ってくれただけ。 澪:だって優し過ぎるから、綾ちゃんは。 0:――(澪は錠剤のひとつをつまみ上げ、自分の口に含む) 綾希:むぐっ……!? っ、ぷは。 綾希:口移し……? 澪:ほうら。ごっくん。してください? 綾希:ん。ごくっ。はぁ…… 澪:綾ちゃんキスだけでもう目が蕩けてますよ。 澪:これからぁ、もっと気持ちよくなっちゃいますからね。うふふ。 綾希:澪。もう私…… 澪:はい、分かってます。 綾希:我慢できない。澪、お願い? 澪:はい。たくさん愛してあげますね。 澪:綾ちゃんもたくさん気持ち良くなって、たくさん私のこと愛して下さいね? 0:――(薄明かりひとつが灯る部屋でふたりの嬌声が交ざり合う。) 0:――(間) 0:――(ひとつのベッドの上の一枚のシーツが二人の肢体を覆っている。僅かなカーテンの隙間から部屋には朝日が射し込んでいる。) 澪:んぅ、あ。おはようございます。先生。 綾希:ええ。おはよう。やっと起きたのね。 澪:はい。 先生、しばらくこうしてても良いですか? 先生の隣…… 綾希:いいわよ。こうしてましょう。 0:――(しばらく2人はそうして過ごしたのち、澪は帰り支度を始める。その際、澪はポーチから昨日のものとは違うピルケースを2つ取り出した。) 澪:あ、先生。これお渡ししておきます。 綾希:え、いいわよ。さすがに怖いし。 澪:違いますよ。これは昨日のとは別です。 澪:試してみてヤバかった方です。 澪:あの男に使わせて下さい。しばらくすれば廃人です。 綾希:そう。 澪:で、こっちは先生用。 澪:もしあの男に先生も飲むように言われたら使って下さい。 澪:見た目は似てますが成分は小麦粉です。 綾希:準備がいいのね。 澪:大好きな先生のためですから。 綾希:ほんとにこの子は…… 綾希:そういうことなら貰っておくわね。ありがとう。 澪:いえいえ。 澪:それでは、そろそろお暇しますね。 澪:お世話になりました。 澪:また作品の続きをしに来ますので、よろしくお願いします。 綾希:ええ。いつでもいらっしゃい。 澪:それでは。失礼します。ありがとございました! 綾希:どういたしまして。気をつけて帰るのよ。 0:――(こうして二人はまたそれぞれの日常へと溶け込んで行く。)

0:――(制服姿の少女がアトリエのインターホンを鳴らす) 澪:こんばんはー。先生、いらっしゃいますか? 綾希: はーい。開いてるわよ。入って 澪:お邪魔します。先生、今日もよろしくお願いします。 澪:それで、先生、今日は…… 綾希:ええ、メール見たわ。今度の賞に出す作品のことよね? 澪:はい。それで…… 綾希:私をモデルに描きたい。だったわよね? 澪:はい、そうなんです。是非先生にモデルをお願いしたくて。 綾希:あはは。うーん、それはいいんだけど、私でいいの? 綾希:もっと綺麗な人とかいくらでもいるでしょ? 澪:そんな!先生すっごく美人ですし、 澪:それに、今回の題材とか作風を考えたら先生が一番なんです! 綾希:まったく、口が上手なんだから。 綾希:けど、今回の作品って、たしか裸婦画よね? 澪:はい。ですので、その…… 澪:先生には服を脱いでもらわないといけないのですが…… 綾希:そこなのよねぇ…… 綾希:そりゃ私もヌードデッサンはやったことあるし、 綾希:デッサンに手一杯で変なこと考える余裕なんてないし、 綾希:ヌードモデルが恥ずかしいことじゃないのも分かるんだけどね。 綾希:けどやっぱり、教え子に長時間じっくり裸を見られるって考えるとね…… 澪:ダメですか? 綾希:そうねぇ、じゃあ条件を付けるわ。 澪:条件ですか? 何でしょう? 綾希:必ず入賞するって約束するなら引き受けてあげる。 澪:はい!分かりました。 澪:先生にモデルをしてもらう以上、私も本気でやりますから! 綾希:もう。はいはい。それじゃあ早速始めましょう? 綾希:はぁ。 綾希:可愛い教え子の頼みとはいえ、ヌードモデルをすることになるなんて。 澪:まぁいいじゃないですか。私に裸見られるの初めてじゃないんですから。 綾希:一言多いのよ、貴女は。まったくもう。 0:――(衣服を脱ぎ、キメの細かい色白の肌を露にした綾希が澪の言う通りにいくつものポーズを試していく。) 澪:あっ、先生そこ!動かないで。そのポーズです! 綾希:やっと決まった? このポーズね? 綾希:良かったわ、比較的楽な体勢で。 澪:しばらくそのままでお願いしますね。 澪:なるべく早く描き上げますから。 綾希:いいのよ、急がないで。満足するまでじっくり描きなさい? 澪:はい、ありがとうございます、先生。 綾希:どういたしまして。 澪:あっ。 綾希:どうしたの? 澪:あぁいや、先生。首もとのそれ、どうしたんですか? 綾希:え?あぁ、これね? これは、その…… 澪:男ですか? キスマークですよね?それ。 綾希:ごめんね。あんまり話したくないわ。 澪:そう、ですか……、だいたい想像つきます。ごめんなさい。 綾希:いいのよ、貴女は気にしないで? 綾希:ほーら、それより 手が止まってるわよ! 澪:あっ、ごめんなさい!集中します。 0:――(キャンバスと綾希を何度も見比べ、澪は筆を走らせていく。数時間が経ち澪は今日できる作業を全て終わらせ筆を置いた。 0:――それを見た綾希がローブを裸体に纏い、澪の方へと向かい、後ろからキャンバスを覗き込む。) 澪:ふぅ、久しぶりにこんなに集中して描きました。 綾希:ふふっ。お疲れ様。流石ね。 綾希:私が貴女と同じ歳の頃には 綾希:こんなにクオリティの高いものは絶対に描けなかったわ。 綾希:どこに出しても恥ずかしくない出来よ。 綾希:これなら入賞はまず間違いないでしょうね。 澪:ありがとうございます。先生のおかげです。 綾希:私は何もしてないわよ。 綾希:さて、今日できることは全部やったわけだし、 綾希:ディテールなんかは後日またやりましょう。 綾希:疲れたでしょう? お風呂、お湯入れて来るわね。入っていくでしょう? 澪:いいんですか?じゃあお言葉に甘えさせて貰いますね。 綾希:ええ。ゆっくり温まってらっしゃい。 綾希:というか、今日ははじめから泊まる気で来てるんでしょ? 澪:あはは。そりゃ分かりますよね。 澪:あの時間から描き始めたら絶対遅くなりますし。 澪:泊まっても大丈夫ですか? 綾希:もちろんよ。私もそのつもりだったわ。 0:――(澪は風呂から上がるとローブを羽織い、綾希の待つベッドへと向かう。 0:――綾希は先ほどのローブ姿のままベッドに腰掛けている。) 澪:ちゅっ。 綾希:んぅ……っ!? 澪:綾ちゃん。 綾希:なっ…… 澪:ふふっ。「綾ちゃん」って呼ばれると 澪:すっかりスイッチ入るようになっちゃいましたね。 綾希:それは……貴女が…… 澪:みーお 綾希:澪が…… 澪:私がどうしたんですか? 澪:綾ちゃん、今日はじめっから期待してましたよね? 綾希:そ、そんなこと…… 澪:ホントですかー? 澪:綾ちゃん、私が来る前にシャワー済ませてましたよね。 綾希:そうだけど、どうして分かるの? 澪:綾ちゃんのとこに行く時間メールしてましたし、 澪:それにモデルする時、すぐに服脱ぎましたから。 澪:もう準備出来てるんだなーって。 綾希:うぅ…… 澪:私が着く時間が分かったから準備しやすかったでしょ? 綾希:策士め。 澪:あ、それに綾ちゃん。モデルしてるとき興奮してたでしょ? 綾希:え?そんなことないわよ! 澪:えー、でも私にじっーくり裸見られて途中から濡らしてたじゃないですか。 綾希:えっ、そんな……バレてたの!? 綾希:バレないように頑張ってたのに。 澪:あ、やっぱり濡らしてたんですね。 澪:あのポーズじゃそこまで見えませんよ。引っ掛かりましたね。 綾希:あっ、カマかけたの!?ひどい…… 澪:教え子が一生懸命頑張ってるのに、ひとりで興奮して濡らして。 澪:ひどいのはどっちですかね? 綾希:うっ。それは…… 澪:ごめんなさいしましょうね、センセ。 綾希:澪に裸見られて興奮して濡らしてました。 綾希:澪が頑張ってるのにごめんなさい。 澪:よくできました。すっかり従順になりましたね、綾ちゃん? 澪:可愛い。 綾希:もう、あんまりからかわないで。 澪:はやくしたくて我慢できないですか? 綾希:……ええ。 澪:ホント綾ちゃんは1度スイッチ入ると淫乱ですね。 綾希:誰のせいよ。バカ。 澪:あ、そうだ。今日は綾ちゃんにプレゼントがあるんです。 澪:モデルを引き受けて下さったお礼です。 0:――(そう言うと澪はベッド脇に置いていたポーチを探りピルケースを取り出す。 0:――澪がピルケースを開くと色とりどりの錠剤が入っていて、それらの錠剤にはどれにもNAの文字が彫られていた。) 綾希:それって? 澪:Naughty Angel(ノーティーエンジェル)。 澪:巷で流通している脱法ドラッグです。 澪:色によって効果の種類や強さが違うんですよ。 綾希:クスリ!? 澪、ダメよ。それは流石に。 綾希:澪、貴女使ってないわよね? 澪:大丈夫ですよ。先生に危ないもの飲ませるわけないじゃないですか。 澪:色んな人で試しましたから、ヤバいやつは色で分かります。 澪:安全なやつは自分でも試しました。 澪:すごいですよ、これ。 綾希:澪……貴女…… 綾希:待って。流石にそれは大人として止めさせて…… 澪:ちゅっ。 0:――(綾希の言葉を遮り、澪が綾希の唇を自らのそれで塞ぐ。 0:――そして慈しむように綾希の首筋を上から下へとキスで撫でて行く。 0:――そして澪の唇は綾希の首もとへと吸い付く) 澪:私のキスマークで上書き。しました。 澪:ねぇ、綾ちゃん。今は嫌なことなんて全部忘れましょう? 綾希:うん。嬉しいよ。ありがとう。上書きしてくれて。 綾希:その気持ちがすっごく嬉しい。けど…… 澪:私だけ見て。私だけ感じて。 澪:「綾ちゃん」と「私」と「気持ち良い」だけで頭の中いっぱいになって下さい。 綾希:でも…… 澪:大丈夫ですよ。綾ちゃんは何も考えないで? 澪:全部全部私のせいにしていいんですよ。 澪:だいたい知ってます。あの男のこと。 澪:綾ちゃんはいつも頑張ってて、私にも優しくしてくれて。それなのに…… 澪:ううん。嫌なことは忘れるんでしたね。 澪:忘れさせてあげます。私が。 澪:だから……、綾ちゃんは何も悪くないんです。 澪:私の我が儘に付き合ってくれただけ。 澪:だって優し過ぎるから、綾ちゃんは。 0:――(澪は錠剤のひとつをつまみ上げ、自分の口に含む) 綾希:むぐっ……!? っ、ぷは。 綾希:口移し……? 澪:ほうら。ごっくん。してください? 綾希:ん。ごくっ。はぁ…… 澪:綾ちゃんキスだけでもう目が蕩けてますよ。 澪:これからぁ、もっと気持ちよくなっちゃいますからね。うふふ。 綾希:澪。もう私…… 澪:はい、分かってます。 綾希:我慢できない。澪、お願い? 澪:はい。たくさん愛してあげますね。 澪:綾ちゃんもたくさん気持ち良くなって、たくさん私のこと愛して下さいね? 0:――(薄明かりひとつが灯る部屋でふたりの嬌声が交ざり合う。) 0:――(間) 0:――(ひとつのベッドの上の一枚のシーツが二人の肢体を覆っている。僅かなカーテンの隙間から部屋には朝日が射し込んでいる。) 澪:んぅ、あ。おはようございます。先生。 綾希:ええ。おはよう。やっと起きたのね。 澪:はい。 先生、しばらくこうしてても良いですか? 先生の隣…… 綾希:いいわよ。こうしてましょう。 0:――(しばらく2人はそうして過ごしたのち、澪は帰り支度を始める。その際、澪はポーチから昨日のものとは違うピルケースを2つ取り出した。) 澪:あ、先生。これお渡ししておきます。 綾希:え、いいわよ。さすがに怖いし。 澪:違いますよ。これは昨日のとは別です。 澪:試してみてヤバかった方です。 澪:あの男に使わせて下さい。しばらくすれば廃人です。 綾希:そう。 澪:で、こっちは先生用。 澪:もしあの男に先生も飲むように言われたら使って下さい。 澪:見た目は似てますが成分は小麦粉です。 綾希:準備がいいのね。 澪:大好きな先生のためですから。 綾希:ほんとにこの子は…… 綾希:そういうことなら貰っておくわね。ありがとう。 澪:いえいえ。 澪:それでは、そろそろお暇しますね。 澪:お世話になりました。 澪:また作品の続きをしに来ますので、よろしくお願いします。 綾希:ええ。いつでもいらっしゃい。 澪:それでは。失礼します。ありがとございました! 綾希:どういたしまして。気をつけて帰るのよ。 0:――(こうして二人はまたそれぞれの日常へと溶け込んで行く。)