台本概要

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タイトル Spinne(シュピンネ) 第0話 〜邂逅〜
作者名 やくも  (@yakumo_20230707)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(男2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 自ら命を絶つ道を選んだ少年「サイト」は謎の空間で目を覚ます。目の前には明らかに胡散臭い男…、2人の出会いと始まりのお話です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
サイト 52 17歳、自殺を試みるも謎の空間で目を覚ます
ベルゼ 51 見た目は20-30代、どこか胡散臭い謎の存在
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0話 邂逅 サイト:「もう疲れた…全部……どうせ僕が居なくなっても何も起きないし、何も変わらない……むしろ…喜ぶ人の方が多いかな?…ははっ…。だから…もう、終わりにしよう。さようなら」 0:【間】 ベルゼ:「よっ!いらっしゃい兄ちゃん!」 サイト:「……ここは…?」 ベルゼ:「兄ちゃんみたいな若いくせに自分から命捨てちまうような残念なやつがくるとこだよ」 サイト:「僕は…死んだんだ…」 ベルゼ:「当たり前だろ?自分でそうしたんじゃねぇか」 サイト:「そう、だね……そうだった」 ベルゼ:「もしかして…死んだら死んだでやっぱ生きてたかった〜ってやつかぁ??多いんだよなぁ〜〜、最近そういうの」 サイト:「違うよ、ちゃんと死ねたんだなって我ながら関心しただけさ」 ベルゼ:「ほぉ〜〜〜ん、じゃあ兄ちゃんはあっちに戻りたくはないって訳か」 サイト:「戻る方法があるの?」 ベルゼ:「あるわけねぇだろ。お前はその権利を自分から手放したんだから」 サイト:「…そうだよね」 ベルゼ:「って言いたいところだが」 サイト:「えっ?」 ベルゼ:「本当のとこ無くはない」 サイト:「ふーん、そうなんだ」 ベルゼ:「自分から聞いたくせに気になんねぇの?」 サイト:「別に。戻る気なんてないし」 ベルゼ:「かぁーー可愛くねぇなぁ〜、お前。こりゃ神も匙投げるわな」 サイト:「神様?実在するの?」 ベルゼ:「するに決まってんだろ。人間は何でも自分の手柄だと思っていやがるが、俺らからすりゃ傲慢もいいとこだよ」 サイト:「君も、神様なの……?」 ベルゼ:「ぷっ…あはははは!!!俺が神様ときたか!!おもしれぇ冗談だ!!!」 サイト:「違うの?でも人間ではないでしょ?」 ベルゼ:「お前には俺がそんな高尚なモンに見えるのか??」 サイト:「いや…田舎のチンピラって感じかな」 ベルゼ:「はははっ!言うじゃねぇか」 サイト:「結局、君は何者なの?」 ベルゼ:「それはお前が考えろ。善いものか、悪いものか…それを決めるのもお前次第だ」 サイト:「なにそれ…露骨にはぐらかされてる」 ベルゼ:「俺の事なんざどうでもいいんだよ。問題はお前だ」 サイト:「僕?」 ベルゼ:「あぁ。そもそも、死んだ奴が全員ここに来る訳じゃねぇ」 サイト:「僕は特別ってこと?」 ベルゼ:「調子にのんな。それなりにいるイレギュラーってくらいだよ」 サイト:「それで?僕は何でここに来たの?」 ベルゼ:「端的に言えば、俺の小間使いだよ」 サイト:「君の?」 ベルゼ:「そ。俺の仕事の雑よ…いや、サポートだな」 サイト:「雑用って言ったよね、いま」 ベルゼ:「そうだな、雑用だわ。」 サイト:「うわ、開き直った……」 ベルゼ:「細けぇことはいいんだよ。ちなみに拒否権はねぇからな」 サイト:「いいよ、わかった」 ベルゼ:「あん?随分素直だな?普通は泣いたり喚いたり文句言ったりうるせぇもんなんだが」 サイト:「どうせやらなきゃいけないなら、さっさと終わらせるだけさ。それよりも……」 ベルゼ:「あ?なんだよ?」 サイト:「君が働いてる事の方がびっくりだよ」 ベルゼ:「お前喧嘩売ってんのか!?」 サイト:「そんなことないよ。純粋な感想」 ベルゼ:「もっと悪質じゃねぇか!!」 サイト:「君にできることなら、大した事じゃないだろうしね」 ベルゼ:「こ、こいつ……!」 サイト:「で?結局僕は何すればいいの??まさかそれまで「自分で考えろ」じゃないんでしょ?」 ベルゼ:「はぁ……めんどくせぇ奴が来ちまったなぁ…、仕方ねぇ…」 サイト:「ねーーえ、答えはまだ?」 ベルゼ:「わーってるよ!…その前に、自己紹介といこうや」 サイト:「あ、そっか。そういえばお互い知らなかったね」 ベルゼ:「俺はベルゼだ、よろしくな」 サイト:「僕はサイト、よろしく」 ベルゼ:「よし、んじゃあサイト。お前にやって貰うのは……お前みたいな奴を救う事だ」 サイト:「は?なに?どういうこと?」 ベルゼ:「言葉通りだよ。自殺志願者を引き止める。それが俺、ひいてはお前の仕事だ」 サイト:「やめた方がいいよ…、迷惑だよ、それ。」 ベルゼ:「俺だって、んな辛気臭い奴らに関わりたくねぇよ!!ただなぁ、神の命令なんだよ自殺志願者は必ず1回は引き止めろっていうな」 サイト:「なるほど、ね…。君も苦労してるんだ」 ベルゼ:「本当にな…。面倒事を押し付ける上司、陰気な客、クソ生意気な小間使い、なんで俺ばっか貧乏くじ引かされんだよ…」 サイト:「日頃の行いじゃない?」 ベルゼ:「……そう言われるとなぁ」 サイト:「うわ、否定できないんだ…」 ベルゼ:「よし、そんじゃ行くか!!」 サイト:「行くって…どこへ?」 ベルゼ:「んなもん、現世に決まってんだろ!まさかデスクワークだとは思ってねぇよな?」 サイト:「いや、そりゃそうだけど…直接行くの??なんかこう、思念体を飛ばすとかさ」 ベルゼ:「はぁ……今時のガキはフィクションと現実の違いもわかんねぇのかよ…」 サイト:「現実離れしてる君が言うんだそれ…」 ベルゼ:「で、チーム名はどうする?」 サイト:「え、いる?そんなの?」 ベルゼ:「呼び方がないと締まらねぇだろ?」 サイト:「そんなの、急に言われてもなぁ…」 ベルゼ:「じゃあ、好きなもんは?なんかあんだろ?」 サイト:「蜘蛛…かな……虫の方の」 ベルゼ:「蜘蛛ぉ??なんでだよ」 サイト:「何だっていいだろ」 ベルゼ:「気になんだろ、そうそういないぞ?好きなもの聞いて蜘蛛って言うやつ」 サイト:「……蜘蛛ってさ、見た目とか巣を作ったりするから嫌われてるけど、害虫を捕食してくれるから本当は益虫なんだ」 ベルゼ:「ほーん、で?それが自分と重なるってか?」 サイト:「……さぁね」 ベルゼ:「まぁいいや、じゃあチーム名は『Spinne(シュピンネ)』でいくか!」 サイト:「それって…ドイツ語で蜘蛛、だっけ?なんでドイツ語?」 ベルゼ:「なんかかっこいいから」 サイト:「浅…よくそんなんで人にガキとか言えたね」 ベルゼ:「ガキにガキって言って何が悪いんだよ、それよりほら、もう行くぞー」 サイト:「あ、ちょっと!置いてくなよ!」 ベルゼ:「早くしろサイト!そんなんじゃノルマ終わんねぇぞ!」 サイト:「の、ノルマとかあるの!?」 サイト:(こうして、死んだはずの僕と、人間じゃない何かとの奇妙なコンビが結成されたのだった) 0:【間】 ベルゼ:「てな訳で、俺らがしっかり活躍すんのは次回からだ!!」 サイト:「ベルゼ?誰に言ってるの??」 ベルゼ:「大人の事情だ!ガキは寝てろ!」 サイト:「はいはい」 ベルゼ:「次回はお前らが御用達のあそこに行くから、絶対見ろよな!!」 サイト:「お楽しみに〜」 0:〜fin〜

0話 邂逅 サイト:「もう疲れた…全部……どうせ僕が居なくなっても何も起きないし、何も変わらない……むしろ…喜ぶ人の方が多いかな?…ははっ…。だから…もう、終わりにしよう。さようなら」 0:【間】 ベルゼ:「よっ!いらっしゃい兄ちゃん!」 サイト:「……ここは…?」 ベルゼ:「兄ちゃんみたいな若いくせに自分から命捨てちまうような残念なやつがくるとこだよ」 サイト:「僕は…死んだんだ…」 ベルゼ:「当たり前だろ?自分でそうしたんじゃねぇか」 サイト:「そう、だね……そうだった」 ベルゼ:「もしかして…死んだら死んだでやっぱ生きてたかった〜ってやつかぁ??多いんだよなぁ〜〜、最近そういうの」 サイト:「違うよ、ちゃんと死ねたんだなって我ながら関心しただけさ」 ベルゼ:「ほぉ〜〜〜ん、じゃあ兄ちゃんはあっちに戻りたくはないって訳か」 サイト:「戻る方法があるの?」 ベルゼ:「あるわけねぇだろ。お前はその権利を自分から手放したんだから」 サイト:「…そうだよね」 ベルゼ:「って言いたいところだが」 サイト:「えっ?」 ベルゼ:「本当のとこ無くはない」 サイト:「ふーん、そうなんだ」 ベルゼ:「自分から聞いたくせに気になんねぇの?」 サイト:「別に。戻る気なんてないし」 ベルゼ:「かぁーー可愛くねぇなぁ〜、お前。こりゃ神も匙投げるわな」 サイト:「神様?実在するの?」 ベルゼ:「するに決まってんだろ。人間は何でも自分の手柄だと思っていやがるが、俺らからすりゃ傲慢もいいとこだよ」 サイト:「君も、神様なの……?」 ベルゼ:「ぷっ…あはははは!!!俺が神様ときたか!!おもしれぇ冗談だ!!!」 サイト:「違うの?でも人間ではないでしょ?」 ベルゼ:「お前には俺がそんな高尚なモンに見えるのか??」 サイト:「いや…田舎のチンピラって感じかな」 ベルゼ:「はははっ!言うじゃねぇか」 サイト:「結局、君は何者なの?」 ベルゼ:「それはお前が考えろ。善いものか、悪いものか…それを決めるのもお前次第だ」 サイト:「なにそれ…露骨にはぐらかされてる」 ベルゼ:「俺の事なんざどうでもいいんだよ。問題はお前だ」 サイト:「僕?」 ベルゼ:「あぁ。そもそも、死んだ奴が全員ここに来る訳じゃねぇ」 サイト:「僕は特別ってこと?」 ベルゼ:「調子にのんな。それなりにいるイレギュラーってくらいだよ」 サイト:「それで?僕は何でここに来たの?」 ベルゼ:「端的に言えば、俺の小間使いだよ」 サイト:「君の?」 ベルゼ:「そ。俺の仕事の雑よ…いや、サポートだな」 サイト:「雑用って言ったよね、いま」 ベルゼ:「そうだな、雑用だわ。」 サイト:「うわ、開き直った……」 ベルゼ:「細けぇことはいいんだよ。ちなみに拒否権はねぇからな」 サイト:「いいよ、わかった」 ベルゼ:「あん?随分素直だな?普通は泣いたり喚いたり文句言ったりうるせぇもんなんだが」 サイト:「どうせやらなきゃいけないなら、さっさと終わらせるだけさ。それよりも……」 ベルゼ:「あ?なんだよ?」 サイト:「君が働いてる事の方がびっくりだよ」 ベルゼ:「お前喧嘩売ってんのか!?」 サイト:「そんなことないよ。純粋な感想」 ベルゼ:「もっと悪質じゃねぇか!!」 サイト:「君にできることなら、大した事じゃないだろうしね」 ベルゼ:「こ、こいつ……!」 サイト:「で?結局僕は何すればいいの??まさかそれまで「自分で考えろ」じゃないんでしょ?」 ベルゼ:「はぁ……めんどくせぇ奴が来ちまったなぁ…、仕方ねぇ…」 サイト:「ねーーえ、答えはまだ?」 ベルゼ:「わーってるよ!…その前に、自己紹介といこうや」 サイト:「あ、そっか。そういえばお互い知らなかったね」 ベルゼ:「俺はベルゼだ、よろしくな」 サイト:「僕はサイト、よろしく」 ベルゼ:「よし、んじゃあサイト。お前にやって貰うのは……お前みたいな奴を救う事だ」 サイト:「は?なに?どういうこと?」 ベルゼ:「言葉通りだよ。自殺志願者を引き止める。それが俺、ひいてはお前の仕事だ」 サイト:「やめた方がいいよ…、迷惑だよ、それ。」 ベルゼ:「俺だって、んな辛気臭い奴らに関わりたくねぇよ!!ただなぁ、神の命令なんだよ自殺志願者は必ず1回は引き止めろっていうな」 サイト:「なるほど、ね…。君も苦労してるんだ」 ベルゼ:「本当にな…。面倒事を押し付ける上司、陰気な客、クソ生意気な小間使い、なんで俺ばっか貧乏くじ引かされんだよ…」 サイト:「日頃の行いじゃない?」 ベルゼ:「……そう言われるとなぁ」 サイト:「うわ、否定できないんだ…」 ベルゼ:「よし、そんじゃ行くか!!」 サイト:「行くって…どこへ?」 ベルゼ:「んなもん、現世に決まってんだろ!まさかデスクワークだとは思ってねぇよな?」 サイト:「いや、そりゃそうだけど…直接行くの??なんかこう、思念体を飛ばすとかさ」 ベルゼ:「はぁ……今時のガキはフィクションと現実の違いもわかんねぇのかよ…」 サイト:「現実離れしてる君が言うんだそれ…」 ベルゼ:「で、チーム名はどうする?」 サイト:「え、いる?そんなの?」 ベルゼ:「呼び方がないと締まらねぇだろ?」 サイト:「そんなの、急に言われてもなぁ…」 ベルゼ:「じゃあ、好きなもんは?なんかあんだろ?」 サイト:「蜘蛛…かな……虫の方の」 ベルゼ:「蜘蛛ぉ??なんでだよ」 サイト:「何だっていいだろ」 ベルゼ:「気になんだろ、そうそういないぞ?好きなもの聞いて蜘蛛って言うやつ」 サイト:「……蜘蛛ってさ、見た目とか巣を作ったりするから嫌われてるけど、害虫を捕食してくれるから本当は益虫なんだ」 ベルゼ:「ほーん、で?それが自分と重なるってか?」 サイト:「……さぁね」 ベルゼ:「まぁいいや、じゃあチーム名は『Spinne(シュピンネ)』でいくか!」 サイト:「それって…ドイツ語で蜘蛛、だっけ?なんでドイツ語?」 ベルゼ:「なんかかっこいいから」 サイト:「浅…よくそんなんで人にガキとか言えたね」 ベルゼ:「ガキにガキって言って何が悪いんだよ、それよりほら、もう行くぞー」 サイト:「あ、ちょっと!置いてくなよ!」 ベルゼ:「早くしろサイト!そんなんじゃノルマ終わんねぇぞ!」 サイト:「の、ノルマとかあるの!?」 サイト:(こうして、死んだはずの僕と、人間じゃない何かとの奇妙なコンビが結成されたのだった) 0:【間】 ベルゼ:「てな訳で、俺らがしっかり活躍すんのは次回からだ!!」 サイト:「ベルゼ?誰に言ってるの??」 ベルゼ:「大人の事情だ!ガキは寝てろ!」 サイト:「はいはい」 ベルゼ:「次回はお前らが御用達のあそこに行くから、絶対見ろよな!!」 サイト:「お楽しみに〜」 0:〜fin〜