台本概要
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タイトル | 海中都市の夢 |
---|---|
作者名 | 雪見印 |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 1人用台本(不問1) ※兼役あり |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
海中都市に住む「僕」の1日。 5分ほどの一人読み台本です。 321 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
僕 | 不問 | 10 | 海中都市にすむ一般人 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
僕:僕の街は海の中にある。
僕:昔は「陸」と呼ばれる場所に街があったらしいが、海面上昇のせいで世界のほとんどが海の底に沈んでしまった。
僕:街の中央にそびえ立つ塔のエレベーターからなら地上に上がれるが…
僕:海から上がったところでオゾン層が無くなった外界は紫外線が容赦なく降り注いでおり、とてもじゃないが生き物は住めない。
僕:そんなところに出るなんて物好きな学者ぐらいだろう。
僕:僕らは建物同士に繋いだパイプで移動している。
僕:パイプは透明な素材でできていて外の景色がよく見える。澄み切った海の中で魚の群れが泳いでいたり、クラゲがふわふわ漂っていたり。暇な日は何時間でも眺めていられる。
僕:流石にサメが自分の目の前を通り過ぎた時は驚いた。
僕:夜になれば深いところにすんでいる魚が街の明かりに誘われてやってくる。
僕:赤や青、緑色に光る魚もいれば七色に光る生き物もいる。
僕:イルミネーションみたいに光っていつも綺麗だった。
僕:これが俗に言う海の神秘ってヤツだろう。
僕:…そう言えば世界にはシロナガスクジラよりもっと大きなクジラがいるらしい。
僕:目玉だけでも自分の身長くらいあり全長は街ほどあるらしい…との噂だが本当にいるとは思えない。
僕:でも世の中には馬鹿みたいに大きいタコやイカがいるのだから、街くらい大きなクジラがいても別におかしくはないだろう。多分。
僕:まぁ、そんなのが街の近くに来たなら大パニックになるのは間違いない。テレビをつけたら速報が流れ、人々は逃げ惑うに違いない。
僕:…なんか今日は昼間の割には外が暗いな。
僕:そう思いふと自分の部屋の窓から外を眺めてみた。
僕:その瞬間、息を呑んでしまった。
僕:黒い大きな「何か」が僕をじっと見つめていた。
僕:これは…「目」だろうか。だとしたら僕の身長は軽く超えているに違いない。
僕:僕は何を考えたのかおもむろにスマホを取り出し、その「目」と思われる物の写真を撮った。
僕:そいつを刺激しないようにフラッシュを使わなかったため、きちんと撮れているのかどうか分からない。
僕:「コレ」は一体何だろう…?
僕:もっと深く調べてみようと僕は限界まで近づいてみた。
僕:「目」のようにも見える何かは時々いろいろな方向を見ていた。
僕:しかしクジラにあるはずの白目の部分が存在しなかった。
僕:よく見たらこの「目」のような何かはまるでカメラのレンズのようだ。
僕:よくパイプの清掃やメンテナンス用のロボットを見かけるがそれに搭載されているカメラと全く一緒だった。
僕:するとこの「クジラ」のような「何か」は機械なのだろうか。何しろデカすぎる。僕の部屋の窓からじゃ目しか見えない。
:ピコン
僕:スマホの通知音が聞こえた。
:ピコン、ピコン
僕:通知は鳴り止まない。
僕:僕は急いで確認した。どうやら友人のようだ。
:「お前大丈夫か!?」
僕:このメッセージの後に写真が添えられていた。
僕:かなりぶれていたがこの「クジラ」の胴体のようだ。
僕:うっすらとだが文字が読める
僕:C…I…T…これ以上は文字が薄れて見えないのか読めなかった。
僕:友人のメッセージによるとこの「クジラ」はどうやらヒレを動かして止まっているらしい。
僕:SNSでは新種発見だの遺伝子が改造された生物だの様々な憶測が飛んでいた。
僕:自分でも色々調べて見たが有力な情報は入ってこなかった。
僕:こいつはいつまでここにいるんだろうか。
僕:…数日が経過した。あいつは今日もここに居座っている。
僕:研究者の話ではどうやら古代都市の1つらしい。
僕:世界が海に沈む直前、人々は巨大な魚型のロボットを作りその背中で生活を送っていた…と学校では習っている。
僕:住民がいなくなっても動いているロボットがいるのではないかとまことしやかに囁かれていたがまさか本当にいるとは思わなかった。
僕:「お前も大変だな。」
僕:そう呟いた時、その「クジラ」は動き出した。その身体の大きさからは想像できない速いスピードで泳いでいった。瞬きをする暇も無くあいつはどこかへと去って行った。
僕:それから月日は流れ、誰もあの「クジラ」の話はしなくなった。
僕:まるで自分以外の人間があの日のことを忘れてしまったようだった。
僕:それでもふとした時に考えてしまう。
僕:あいつはどんな思いでこの海を泳いでいるのだろう。
僕:誰もいなくなった街を背負い泳ぐのはどんな気持ちなんだろうか。
僕:答えの無い疑問を抱きながら今日も僕は眠りについた。
僕:僕の街は海の中にある。
僕:昔は「陸」と呼ばれる場所に街があったらしいが、海面上昇のせいで世界のほとんどが海の底に沈んでしまった。
僕:街の中央にそびえ立つ塔のエレベーターからなら地上に上がれるが…
僕:海から上がったところでオゾン層が無くなった外界は紫外線が容赦なく降り注いでおり、とてもじゃないが生き物は住めない。
僕:そんなところに出るなんて物好きな学者ぐらいだろう。
僕:僕らは建物同士に繋いだパイプで移動している。
僕:パイプは透明な素材でできていて外の景色がよく見える。澄み切った海の中で魚の群れが泳いでいたり、クラゲがふわふわ漂っていたり。暇な日は何時間でも眺めていられる。
僕:流石にサメが自分の目の前を通り過ぎた時は驚いた。
僕:夜になれば深いところにすんでいる魚が街の明かりに誘われてやってくる。
僕:赤や青、緑色に光る魚もいれば七色に光る生き物もいる。
僕:イルミネーションみたいに光っていつも綺麗だった。
僕:これが俗に言う海の神秘ってヤツだろう。
僕:…そう言えば世界にはシロナガスクジラよりもっと大きなクジラがいるらしい。
僕:目玉だけでも自分の身長くらいあり全長は街ほどあるらしい…との噂だが本当にいるとは思えない。
僕:でも世の中には馬鹿みたいに大きいタコやイカがいるのだから、街くらい大きなクジラがいても別におかしくはないだろう。多分。
僕:まぁ、そんなのが街の近くに来たなら大パニックになるのは間違いない。テレビをつけたら速報が流れ、人々は逃げ惑うに違いない。
僕:…なんか今日は昼間の割には外が暗いな。
僕:そう思いふと自分の部屋の窓から外を眺めてみた。
僕:その瞬間、息を呑んでしまった。
僕:黒い大きな「何か」が僕をじっと見つめていた。
僕:これは…「目」だろうか。だとしたら僕の身長は軽く超えているに違いない。
僕:僕は何を考えたのかおもむろにスマホを取り出し、その「目」と思われる物の写真を撮った。
僕:そいつを刺激しないようにフラッシュを使わなかったため、きちんと撮れているのかどうか分からない。
僕:「コレ」は一体何だろう…?
僕:もっと深く調べてみようと僕は限界まで近づいてみた。
僕:「目」のようにも見える何かは時々いろいろな方向を見ていた。
僕:しかしクジラにあるはずの白目の部分が存在しなかった。
僕:よく見たらこの「目」のような何かはまるでカメラのレンズのようだ。
僕:よくパイプの清掃やメンテナンス用のロボットを見かけるがそれに搭載されているカメラと全く一緒だった。
僕:するとこの「クジラ」のような「何か」は機械なのだろうか。何しろデカすぎる。僕の部屋の窓からじゃ目しか見えない。
:ピコン
僕:スマホの通知音が聞こえた。
:ピコン、ピコン
僕:通知は鳴り止まない。
僕:僕は急いで確認した。どうやら友人のようだ。
:「お前大丈夫か!?」
僕:このメッセージの後に写真が添えられていた。
僕:かなりぶれていたがこの「クジラ」の胴体のようだ。
僕:うっすらとだが文字が読める
僕:C…I…T…これ以上は文字が薄れて見えないのか読めなかった。
僕:友人のメッセージによるとこの「クジラ」はどうやらヒレを動かして止まっているらしい。
僕:SNSでは新種発見だの遺伝子が改造された生物だの様々な憶測が飛んでいた。
僕:自分でも色々調べて見たが有力な情報は入ってこなかった。
僕:こいつはいつまでここにいるんだろうか。
僕:…数日が経過した。あいつは今日もここに居座っている。
僕:研究者の話ではどうやら古代都市の1つらしい。
僕:世界が海に沈む直前、人々は巨大な魚型のロボットを作りその背中で生活を送っていた…と学校では習っている。
僕:住民がいなくなっても動いているロボットがいるのではないかとまことしやかに囁かれていたがまさか本当にいるとは思わなかった。
僕:「お前も大変だな。」
僕:そう呟いた時、その「クジラ」は動き出した。その身体の大きさからは想像できない速いスピードで泳いでいった。瞬きをする暇も無くあいつはどこかへと去って行った。
僕:それから月日は流れ、誰もあの「クジラ」の話はしなくなった。
僕:まるで自分以外の人間があの日のことを忘れてしまったようだった。
僕:それでもふとした時に考えてしまう。
僕:あいつはどんな思いでこの海を泳いでいるのだろう。
僕:誰もいなくなった街を背負い泳ぐのはどんな気持ちなんだろうか。
僕:答えの無い疑問を抱きながら今日も僕は眠りについた。