台本概要

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タイトル 【R18】パラダイス・ロスト
作者名 名越春  (@nttdnll)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 3人用台本(女3)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 仮初の楽園という檻。
そこに閉じ込められている少女たちのささやかな反抗は、彼女たちだけの新たな楽園を紡ぎだす。

「天使の悪戯」「独我論少女の孤独」「病みカワ UNHAPPY-LIFE-PHILOSOPHICUS」と同一シリーズの作品です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
靖乃 90 靖乃(やすの) 色白の肌にセミロングのストレートの黒髪。キリっとした美人で頭も切れる。 漠然とした寂しさを埋めるため、異性交遊やリストカットがやめられない。 なぜ生きているのか。なぜ自殺してはいけないのか。なぜ寂しいのか。 彼女の明晰な頭脳でも答えを出せずにいる。
理瀬 49 理瀬(りせ) ライトブラウンのショートボブにフェミニンなメイクが良く似合うオシャレな少女。 哲学者ヴィトゲンシュタインの大ファン。周りからは変わり者扱いされている。 同性愛者であり、そのことで生きづらさを感じていたが、靖乃と出会ってからの日々は悪くないと思っている。
74 澪(みお) 靖乃の後輩。靖乃とは肉体関係も持っている。肩までの長さの軽く癖っ毛の黒髪。 少し伏し目がちな優しそうな瞳で、おとなしそうな印象。 学校では親しい友達はそれほど多くないが、生徒・教師ともに評判は良い。 どこか飄々としており掴み所がないと言われている。 幼い頃から絵画を習っており、今でもアトリエに通い絵を教わっている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:――『誰もカントールの創り出した楽園から我々を追放することはできない』 0:――ヒルベルト 0:  0:――『私は誰かをその楽園から追放しようとしているわけではない。すなわち、それが楽園ではないことを君たちに示そうとしているのだ』 0:――ヴィトゲンシュタイン     澪:「お邪魔しまーす。お久しぶりです、靖乃先輩」 靖乃:「いらっしゃーい、入って入って」 澪:「はーい、失礼します。最近、靖乃先輩あんまり私に構ってくれなかったから寂しかったんですよ?」 靖乃:「あっは、なにそれー」 澪:「ホントですって!だから久しぶりに先輩のお部屋に呼んでもらえてすっごい嬉しいです!」 澪:  澪:「お部屋に呼んでくれたってことは~、そういうコト……、ですもんね?」 靖乃:「う……、うーん、まぁ、そうだけど……」 靖乃:  靖乃:「もう、気が早い。とりあえずそこ座ってて。飲み物淹れてくる。珈琲で良い?」 澪:「はい。ケニアキマシでお願いします」 靖乃:「はーい。砂糖とミルク両方入れるんだったよね?」   0:――(間)   靖乃:「お待たせ」 澪:「わぁい、ありがとうございます!靖乃先輩の淹れてくれる珈琲、大好きなんですよね~」 靖乃:「はいはい。ありがとう。ふふっ」 澪:「んー?先輩なんだか今日はご機嫌ですね」 靖乃:「え?そうかな?」 澪:「はい!なんていうか、うーん。なんだか気分良さそうというか」 靖乃:「あー、病み期じゃないからかなぁ」 澪:「あぁ、そうなんですね!なるほど」 澪:  澪:「けど、珍しいですね?」 靖乃:「ん?何が~?」 澪:「ほら、だいたい靖乃先輩が私のこと呼び出すときって、先輩が悩み事あるときとかが多いじゃないですかぁ」 靖乃:「あー確かにそうかも。病み期とか悩んでるときは澪に相談して話聞いてもらうこと多いよね。」 靖乃:  靖乃:「いつもありがとね、頼りにしてるよ」 澪:「いえいえ、気にしないで下さい!先輩のお役に立てるなら嬉しいですし」 靖乃:「可愛いこと言ってくれるじゃん」 澪:「それに、リターンも貰ってますからねぇ。ギブアンドテイクってやつです、ふふっ」 靖乃:「あー、アレね」 澪:「はい、ノーティーエンジェル」 澪:  澪:「いつも先輩が譲ってくれるので助かってます」 靖乃:「あれなー、彼氏がねぇ、アレ使ってするの好きみたいでさ」 澪:「あー分かります、ていうか私もアレ使ってするの好きですし、靖乃先輩も……使ったときスゴい乱れててエロかったなぁ」 靖乃:「……コホン。はい、澪。これくらいあれば次に来るときまで大丈夫?」 澪:「わぁ~靖乃先輩大好きです!ありがとうございまぁす。 澪:  澪:うんうん、これだけあれば大丈夫かな。それに足りなくなったらまた先輩のとこ来ちゃいます、えへへ」 靖乃:「もう、この後輩は……」 澪:「でも~私のこと頼りにしてるんですよねぇ~?後輩で年下なのに」 靖乃:「むっ、生意気なこと言う口はこれか。えいっ!」 澪:「あっ、ひょっと、むにむにしないでくらはいよ~」 澪:  澪:「ふふっ、生意気な後輩を『分からせ』しちゃいますか?」 靖乃:「それも良いけど、今日はやめとく」 澪:「えー、そんなぁ。あの時の靖乃先輩、激しくてすっごい良かったのになぁ」 靖乃:「今回はちょっとこれまでとは趣向を変えてみようと思っててね」 澪:「え~どんなプレイするんですか?楽しみかも」 靖乃:「あのね、澪。えっと、私に彼女ができたって話したっけ?」 澪:「え?えっ?」 澪:  澪:「えー!初耳ですよ!え、マジですか?めっちゃビックリです!」 靖乃:「それで、今日はその、実はもう呼んじゃってます。理瀬。あー彼女の名前ね」 澪:「ふぅん、へぇ~なるほど~。二人の情事を私に見せつけて興奮しようってわけですかー。良いですねぇお盛んでー」 靖乃:「んー?もしかして嫉妬してる?貴女が?」 澪:「そりゃ少しくらいはしますよ、嫉妬だって。けど半分は冗談です」 澪:  澪:「あーでも、納得できました。靖乃先輩が元気そうだった理由。彼女さんのおかげだったんですね」 靖乃:「うん、多分、理瀬のおかげってのはすごく大きいんだと思う」 澪:「良い彼女さんなんですね。会うの楽しみだなぁ」 靖乃:「ねぇ、澪」 澪:「はい、どうしました?先輩」 靖乃:「私たちの関係ってさ、不思議だと思わない」 澪:「不思議ですか?」 靖乃:「うん。だってお互い彼氏いて、本命もいて、それでもこうして会って何度もエッチだってしてて」 澪:「あーまぁそういわれると、確かに」 澪:  澪:「けど、気にすることないんじゃないですか?私と靖乃先輩の関係は私と靖乃先輩の関係以外のなにものでもありません。 澪:  澪:オンリーワンな関係性ってことで良いんじゃないですか?」 靖乃:「うーん、そういうものなのかなぁ」 澪:「それに靖乃先輩、今さら私から離れられないでしょ?」 靖乃:「それはまぁそうかもだけど。それは澪も同じじゃないの」 澪:「ふふふ、そうですね。先輩の身体も先輩がくれるお薬も、もうそれなしで、なんて考えられません」 澪:  澪:「けど先輩も、また落ち込んだり悩んだりしたら私のこと求めちゃうでしょ?」 靖乃:「うん、そうだね。やっぱり一番心の中までさらけ出して話せるのは澪だけだから」 澪:「彼女さんはどうなんですか?えっと理瀬先輩でしたっけ」 靖乃:「理瀬はね、ピュアだから」 澪:「あーなるほど。汚れ仕事は私に押し付けるんですね~」 靖乃:「うっ……反論できない」 澪:「ごめんなさい、意地悪言っちゃいました。全然気にしなくて良いんですよ。私は先輩の相談役ですから」 靖乃:「ありがとう、澪。貴女のそういう割り切ったスタイルに救われてる」 澪:「靖乃先輩はなんだかんだで根は真面目ですからね。色々考えて悩んだりしちゃうんだろうなって」 靖乃:「ここしばらくはかなりマシなんだけどね。 靖乃:  靖乃:でもさ、こうなると今度はさあれだけ悩んでたのなんだったんだろ?って思っちゃったりもするわけよ。 靖乃:  靖乃:いや、どうせまた病み期が来るのも分かってるんだけどね」 澪:「うーん、なんて言えば良いかな。多分なんですけどね。悩みが大したことである必要なんてないんじゃないかなーって思うんです」 靖乃:「うん?どういうこと?」 澪:「だから人からしたら、そんなこと?って思われるようなことで悩んでも良いと思うんです。」 澪:  澪:「これは自分のことを悩ませ苦しめてる。だから何か大変なことなんじゃないか、なんて考えなくて良いってことです。 澪:  澪:認知的不協和なんて専門用語を出すまでもなく、多分そんなものなんですよ、きっと」 靖乃:「理瀬もそうだけど、澪も難しいこと考えるよね」 澪:「そんなに難しくありませんよ。逆に考えてみて下さい。ほんの些細な小さなことに幸福を感じても良いと思いませんか?」 靖乃:「あー、それは分かる、むしろ小さなことに幸せを感じられる方が生きるの楽しそう」 澪:「そうそう、そういうことです!」 澪:  澪:「悩むのだって別に小さなことで悩んで良いんです。 澪:  澪:むしろ悩みを過剰に大きなものと誤って想定して必要以上に苦しんでしまうよりよほど良いと思いませんか?」 靖乃:「なるほどね、確かに悩みすぎちゃうことは減るかも」 澪:「でしょ?」 靖乃:「あ、理瀬からメッセ来た。」 靖乃:  靖乃:「そろそろ着くって」 澪:「わぁ、靖乃先輩の彼女かぁ。会うの楽しみだなぁ。ドキドキしてきた」 靖乃:「ね、澪。耳かして」 澪:「なんですか?」   0:――(靖乃が澪に耳うちする)   澪:「えっ、それやるんですかぁ?先輩も中々すごいこと考えますね……。」 靖乃:「じゃ、そういうことでよろしくね」   0:――(間)   理瀬:「お邪魔します。靖乃~、来たよ」 靖乃:「はーい、いらっしゃーい」 靖乃:  靖乃:「さ、さ、入って入って。待ってたよ~」 理瀬:「え、あれ?そちらは?お客さん?」 靖乃:「あぁ、私の後輩の澪。仲良くしてあげて」 理瀬:「(小声で)ねぇ、ちょっと今日は二人きりでその……あの、色々、する、んじゃないの?」 靖乃:「(小声で)まぁまぁ、損はさせないから」 澪:「あれ?もしかして靖乃先輩、私がいること伝えてなかったんですか?」 靖乃:「あーうん、まぁサプライズ的な?」 澪:「もう……しっかりして下さいよ靖乃先輩。理瀬先輩びっくりしてるじゃないですか」 澪:  澪:「理瀬先輩ですよね?お話は靖乃先輩から聞いてます。はじめまして、私は澪って言います。」 理瀬:「あっ、はい、はじめまして。よろしくね、澪ちゃん」 澪:「こちらこそ、よろしくお願いします。それに呼び捨てで良いですよ。あ、理瀬先輩って呼んで大丈夫でした?」 理瀬:「うん、全然大丈夫。好きなように呼んで」 澪:「ありがとうございます!」 澪:  澪:「それにしても、靖乃先輩から聞いてた通りだぁ。理瀬先輩すっごく綺麗」 理瀬:「えっ、あ、ありがと」 靖乃:「飲み物入れるけど理瀬いつもので良い?」 理瀬:「うん、ブルーナイルで」 靖乃:「澪もおかわりいる?」 澪:「お願いします!さっきと同じので」 靖乃:「はーい。ちょっと待っててね~」   0:――(間)   靖乃:「お待ちどうさま」 靖乃:  靖乃:「あ、そうだ理瀬。アレ。ちゃんと持ってきた?」 理瀬:「え、う、うん。持ってきてるけど……」 理瀬:  理瀬:「(小声で)ちょっと靖乃、まだ澪ちゃんだっているのに」 靖乃:「そのバックの中?ちょっと借りるね~」 理瀬:「えっ!?待って待ってぇ!」 澪:「ん?どうしたんですか?理瀬先輩すごい慌てちゃって。それに顔真っ赤になっちゃってます」 靖乃:「お、あったあった」 理瀬:「ちょっとぉ、靖乃ってば」 澪:「なんですか?それ」 靖乃:「んー?大人のオモチャだよ」 澪:「あー、なるほどぉ」 理瀬:「うぅ……」 靖乃:「こないだデートした時に二人で選んで買ってみたんだよね~」 靖乃:  靖乃:「ちなみにこれは理瀬のチョイスだよ」 澪:「うわぁ、ピンクローター、はまぁ良いとして、レザーの拘束具……ですか?これ」 理瀬:「うぅっ……、言わないで……」 靖乃:「理瀬ドMだからなぁ」 理瀬:「ちょ、ちょっと靖乃!?」 澪:「ふふっ、理瀬先輩かーわい~」 理瀬:「もうっ!澪ちゃんまでぇ……。うぅ……ぐすっ」 澪:「なんか、靖乃先輩の気持ちわかっちゃったかも。これはイジメ甲斐がありそう」 靖乃:「ほら、理瀬?あーんして」 理瀬:「う……。あーん、んっ。ごくっ」 靖乃:「はーい、よくできましたぁ。よしよし、良い子だね」 澪:「あ、もう始めちゃう感じですか?じゃあ、私も飲んどこうっと」 理瀬:「え?ねぇ、靖乃?どういう状況なの?ねぇ……」 靖乃:「あっはは、大丈夫。理瀬は何も心配しなくて良いからね」 理瀬:「そんなこと言われても……」 靖乃:「ね、理瀬?私のお願い、聞いて?」 理瀬:「うーん……」 靖乃:「私の言うこと聞いてくれるよね?いつもみたいに。ね、お願い」 靖乃:  靖乃:「いつも一生懸命に私のこと満たしてくれる理瀬がすっごくいじらしくて、大好きだよ」 理瀬:「うん、分かった。靖乃の好きにして欲しい、な?」 澪:「うわぁ、すっごい。すっかり調教済みなんですね」 靖乃:「ね?理瀬、可愛いでしょ?」 澪:「はい、すっごく可愛いです!羨ましいなぁ」 靖乃:「じゃあ理瀬、服、脱いで?一人でできるよね?」 理瀬:「ぅん……」 靖乃:「良い子良い子。さぁて私も飲んじゃお。んっ、ごくっ。ふぅ」 澪:「三人とも飲んじゃいましたね。あとは時間の問題かな」 理瀬:「靖乃、脱げたよ?」 靖乃:「はぁい、よくできました」 靖乃:  靖乃:「んっしょっと、それじゃあ……、はい万歳して」  0:――(カチャリ、カチャリと金属が触れ合う音が部屋に響く)   靖乃:「これで、こうして。あとはここをベットに固定してっと。」 靖乃:  靖乃:「よし、できた!」 理瀬:「ううぅ……恥ずかしいよぉ」 澪:「理瀬先輩もじもじしちゃってかーわいい!」 澪:  澪:「理瀬先輩の裸、きれい、見惚れちゃいます。あ、その赤いのって……歯形?ですか?」 澪:  澪:「しかもけっこういっぱい付いてる」 靖乃:「りーせ?澪に説明してあげて?」 理瀬:「あ、こ、これは、えっと、あの、私が頼んで靖乃に付けてもらったんです。私が靖乃のものだって証」 澪:「そうなんですね~。ふふっ、靖乃先輩から聞いてた通り、理瀬先輩ってドマゾの変態なんですね」 理瀬:「ぁう……言わないで……」 澪:「理瀬先輩たちのセックスって激しいんだぁ~」 理瀬:「くぅん……」 靖乃:「う、澪、それは私も恥ずかしくなっちゃうから……」 澪:「そういうとこはピュアなんですね、靖乃先輩。まぁ分かりますよ。本命相手だとそうなっちゃいますよね」 靖乃:「うん、そういうこと」 靖乃:  靖乃:「理瀬、ローター挿れちゃうね」 理瀬:「あっ、んんっ」 靖乃:「このくらいかなぁ、で、一番弱い設定でスイッチ入れてっと」 理瀬:「ぁん。ぅぅんん。あー、あっ、あぅぅ。んっ」 靖乃:「よし、これで準備完了!」 靖乃:  靖乃:「じゃあ、澪。しよ?」 澪:「はぁい、靖乃先輩!」 理瀬:「えっ?えっ?」 靖乃:「理瀬はそこで見ててね~」 澪:「ごめんなさい理瀬先輩。靖乃先輩のことお借りしますね」 澪:  澪:「ちゅっ、ぅむ。ちゅぅぅ、ちろっ」 靖乃:「んぁ、はぁ……ちゅっ、れろ、はむっ、んっ。じゅるっ」 澪:「ん、ひちゅ、れろ、ゃ、ぁ、んじゅるっ、じゅるる。ちゅぱっ。はぁ……はぁ……。ん、ちゅっ」 靖乃:「ちゅっ、れろぉれろ、ちゅるるっ、じゅる。ちゅぅぅ。ぷはっ、はぁ……」 理瀬:「ちょっ、ちょっと二人ともなにしてるの?」 靖乃:「何してるのって、今からエッチするんだよ?」 理瀬:「え、そんな……えっ、えっ、いやぁ……」 澪:「靖乃せんぱぁい、もっと深いのくださぁい」 靖乃:「うん、いくよ。ちゅっ、んぁ、はぁちゅぅぅ、れろぉじゅるっ、ん、ふぁ、はぁ」   0:――(間)   理瀬:え、なに?なんで?何なの、これ。 理瀬:  理瀬:身動きが取れないように拘束されて、そんな状態で見せつけられている。 理瀬:  理瀬:私の最愛の人が、他の女の子に抱かれている光景。 理瀬:  理瀬:  理瀬:二人の唇は何度も触れ合い、貪るように舌を絡ませ合い、互いの唾液を送り合い、唇が離れるたびに唾液がいやらしく糸を引く。 理瀬:  理瀬:お互いを抱き合う腕は互いの身体をまさぐり、弱いところを探しあて、卑猥な愛撫を繰り返していて。 理瀬:  理瀬:互いの性器は重なり、いやらしい水音をぴちゃりぴちゃり、ぐちゅりぐちゅりと響かせながら快楽をもとめて艶かしく蠢き、擦り合わされている。 理瀬:  理瀬:  理瀬:何を見せられてるの?理解が追い付かない。 理瀬:  理瀬:二人の色っぽい嬌声が頭の中に響き渡り、思考が蕩かされていく。 理瀬:  理瀬:  理瀬:靖乃、どうして?どうしてなの? 理瀬:  理瀬:私のことが一番って、いつもそう言ってくれてたのに……。 理瀬:  理瀬:嫉妬、絶望、疑問、次々と心の中に現れ、目まぐるしく回転する。 理瀬:  理瀬:けれど、その一つ一つをしっかりと掴み取り、考えることができない。 理瀬:  理瀬:  理瀬:それは靖乃の手で私の中に挿れられたローターのもどかしい刺激にさっきからずっと甘イキしてしまっているからか。 理瀬:  理瀬:決して絶頂まで昇り詰めることを許さないもどかしい刺激。 理瀬:  理瀬:それともドラッグで性感が昂っているからか。 理瀬:  理瀬:  理瀬:イヤなはずなのに。 理瀬:  理瀬:イヤに決まってるのに。大好きな人が他の女に抱かれて善がっているところなんて。 理瀬:  理瀬:なのに、ネガティブな感情と一緒に身体の中で、なんだか、初めての感覚が……。 理瀬:  理瀬:大きくなり熱を帯びて行く。まるでそれは充血していくように。熱く大きく硬く膨らみ張り詰める。 理瀬:  理瀬:  理瀬:イヤだ、悔しい、嫉妬する。 理瀬:  理瀬:それなのに、私の秘所はいつも以上に熱を持ち、蜜を靖乃のシーツに垂らし汚してしまうほどに、どんどん奥から溢れ出して来て止まらない。 理瀬:  理瀬:  理瀬:ぼんやりとした意識に声が聞こえてくる。 澪:「理瀬先輩、なんか出来上がっちゃってませんか?」 靖乃:「あ~、ホントだね。焦らし過ぎちゃったかな」 澪:「も~靖乃先輩ったら、私に夢中になり過ぎですよぉ」 靖乃:「だってぇ……。澪だってノリノリだったじゃん!」 澪:「う、それはまぁ、否定できませんね、あはは」 澪:  澪:「どうするんですか?そろそろ可愛がってあげないと可哀想ですよ?」 靖乃:「そうね。じゃ、二人で理瀬のこととろっとろにしちゃおっか」 澪:「はーい!ふふっ、やったぁ。待ってました」 靖乃:「りーせ?聞こえてたよね?そういうことだから」 靖乃:  靖乃:「待たせてごめんね?いっぱい気持ち良くしてあげるから許してね?」 理瀬:「あっ、あぁ……。んひゃぅんっ!」 靖乃:「うわぁ、すっごい声。いっぱい焦らしてイジワルしちゃってたもんね。ちょっとなぞっただけですごい反応だね。可愛い」 澪:「あー良いなぁ、羨ましいです靖乃先輩!私にも触らせて下さいよぉ」 靖乃:「うん、良いよ、ご自由に。理瀬のこと気持ち良くしてあげてね?」 靖乃:  靖乃:「ね?良いよね?理瀬」 理瀬:「ぁん……あっ。うっ、はぁ、は、はいぃ……。うぅぅぅっ、あんっ、あっ、あぁぁ~……」 理瀬:      理瀬:私の弱いところを知り尽くしている靖乃の手がいやらしく私の肌を這い回る。 理瀬:  理瀬:触れられるだけで大きな快感を得られる場所には中々触れてくれず、その周辺を入念に何度もイジワルに焦らしてくる。 理瀬:  理瀬:時々なぞるようなソフトタッチで一瞬だけ性感帯の核へと触れ、私の反応を楽しみ弄んではまた元のもどかしい愛撫を繰り返す。 澪:「ねぇねぇ靖乃先輩!どこまでして良いんですか?」 靖乃:「うーん?特にNGはないよ?」 澪:「えっ、えっ、ホントですか?ホントに良いんですか!?」 靖乃:「良いよね?理瀬?」 理瀬:「あ……、は、はぃぃ……」 靖乃:「ほら、本人の許可も出たし」 澪:「えへへ~、やったぁ」 澪:  澪:「あ、でも噛むのは流石に遠慮しときますね。先輩たちの秘め事にまで踏み込むのは流石にKYですし。」 澪:  澪:「それに、あくまで理瀬先輩は靖乃先輩のものっていう印なんですもんね」 理瀬:「ぅん、ありがとう、澪ちゃん」 澪:「……。ふふっ、もー、ホント可愛いです、理瀬先輩」 澪:  澪:「大丈夫です、そんな野暮なことしませんよ。 澪:  澪:ただ、理瀬先輩のことを気持ちよ~くしてあげるだけですから、安心して先輩の身体、任せて下さいね」   0:――(間)   理瀬:「ふー、ふぅっ、ふぅー。んあっ、うぐぅ、おっ、おぉぉ、おっ、お、おっ。んぅぅぅっ。はあぁ、はぁー、はぁー」 理瀬:  理瀬:二人がかりで攻められ始めてどれくらい経ったんだろう。時間の感覚が全然分からない。何度イッたかももう数え切れない。 理瀬:  理瀬:二人とも上手過ぎて、二人のエッチを見せ付けられて焦らされていたときに感じていたネガティブな思いなんて、 理瀬:  理瀬:すぐに快楽の波に拐われてどこかへ行ってしまった。 理瀬: 理瀬:  理瀬:靖乃の攻めが気持ち良いのは当然だけど、想定外だったのは澪の上手さだった。 理瀬:  理瀬:これ……下手したら靖乃よりも……。 理瀬:  理瀬:その先の言葉を慌てて振り切る。 理瀬:  理瀬:なんだか認めたくない。自覚したくない。したらダメな気がする。 理瀬:  理瀬:  理瀬:「ぅあ、あぁぁ、それっそれダメ!んおっ、おっ。あぁ~ぁぁ~あぁ」 澪:「あっは、すっごくはしたない声漏らしちゃってますよ、理瀬せんぱぁい?」 理瀬:澪の指が私の中で蠢いて、奥から止めどなく溢れ続けてくる蜜を掻き出すように、弱いところをなぶり続けている。 理瀬:  理瀬:「くぅん、うっ。あっ、お、お、おぅっ!いやぁ、うぅ…ああぁぁ」 理瀬:  理瀬:  理瀬:ダメ。もう何も考えられない。 理瀬:  理瀬:  理瀬:「あっ、や、また……。イカされ……、ひゃんっ、あっ、あ」 理瀬:  理瀬:「も、だめぇ」 0:――(間)   靖乃:『ねぇ、理瀬。天使ってさ可哀想だと思わない?』 理瀬:快感と色んな感情でパンクしそうな頭の中で、いつか靖乃が言っていた言葉が不意にリフレインする。 理瀬:  理瀬:『天使が可哀想ってどういうこと?』 靖乃:『うーん、なんていうかさぁ、天使って神様の傀儡(かいらい)でしかないわけでしょ。自我とかあるのかな?』 理瀬:『神様の操り人形だから可哀想ってこと』 靖乃:『それもあるけど、たとえば、ウリエルなんてさ、後世の人の勝手な都合で堕天させられたりしてるでしょ?』 理瀬:『あー、それは確かに可哀想だね』 靖乃:『神様に逆らったら堕天、そうでなくても人の都合によっても堕天』 靖乃:  靖乃:『神様の都合で創られて、神様の都合で働かされて、人の都合で堕天させられる』 靖乃:  靖乃:『天界ってすごく生きづらそう』 理瀬:『あはは、なんかそう聞くと天使ってブラック企業の中間管理職みたいに思えてくるね』 0:――   理瀬:快楽の波が全身で暴れ回っている。 理瀬:  理瀬:周りから期待される役割。 理瀬:  理瀬:良い子であること、良い学生であること、立派な大人であること。 理瀬:  理瀬:誰からかも分からないそんな匿名の世間の期待に応えて何になるのだろう。 理瀬:  理瀬:それで得られるものって一体なんなんだろう? 理瀬:  理瀬:  理瀬:灰色の称賛、無味無臭の尊敬。 理瀬:  理瀬:倦(う)んだ徒労感とまた次も応えなくては、というプレッシャー。 理瀬:  理瀬:きっとそんなところに楽園はない。 理瀬:  理瀬:  理瀬:一見、きらびやかだったり、憧れや尊敬の対象だったりする、所謂成功者たち。 理瀬:  理瀬:そんな彼らは自分の人生に満足してるのだろうか。 理瀬:  理瀬:満足してるなら、別にそれで良い。 理瀬:  理瀬:  理瀬:満足してないって人はどうだろう? 理瀬:  理瀬:私はきっと、そんな成功者になれたとしても、人から尊敬されるような人物になったとしても、きっと満足できないと思う。 理瀬:  理瀬:  理瀬:私の楽園はそんなところにはない。 理瀬:  理瀬:私の楽園は、灰色でも無味無臭でもない。 理瀬:  理瀬:私の肌で唇で舌で性器で。 理瀬:  理瀬:この五感で感じる柔らかさや温もり、熱。 理瀬:  理瀬:湿り粘つく唾液や汗、愛液の匂いや味。 理瀬:  理瀬:私の楽園はこちら側にある。 0:――(間)   理瀬:内腿を何か生ぬるい液体がつたう感覚。頭を動かして見ると琥珀色の液体が靖乃のシーツを汚していた。 澪:「あーあ、理瀬先輩すっごい。感じ過ぎてお漏らししちゃってますよぉ? 澪:  澪:はしたない先輩ですね。もう仕方ないなぁ。綺麗に拭いてあげますね。えっとぉ、ティッシュはー、っと……」 靖乃:「理瀬?大丈夫?」 理瀬:「はぁ……はぁ。うん、だいじょ、うぶ、だよ?はぁ……はぁ……」 靖乃:「ホントに?こんなに乱れてまくってる理瀬見るの初めてだよ」 理瀬:「うん、だってぇ、拘束されて何の抵抗もできずに二人がかりで攻められるの、良すぎて……。はぁ……はぁ……」 靖乃:「息も上がってるし、続けるにしても少し休憩する?」 理瀬:「ううん、このまま続けて?滅茶苦茶にして欲しい」 靖乃:「まぁ理瀬がそう言うなら分かった!ほんっとドマゾのド変態なんだから」 理瀬:「えへへ~、でもそんな私のことが好きでしょ?」 靖乃:「うん、大好きだよ」 澪:「あーずるいです、二人だけで愛を囁きあったりなんてしちゃって~。 澪:  澪:私は除け者ですか~?仲間に入れて下さいよ~。私だって理瀬先輩のことお気に入りになっちゃったんですからぁ」 理瀬:「えへへ、さぁ二人とも私のこと好きにして?壊れちゃうまで愛して?」 理瀬:  理瀬:  理瀬:これが私の見つけた楽園。 理瀬:  理瀬:そう、これこそが私が切望していたものなのかも知れない。 理瀬:  理瀬:無限なる三角形は円となり球となり、そして直線となる。 理瀬:  理瀬:三角形から始まる直線は半永久的なオーガズム。 理瀬:  理瀬:これが私の手に入れた楽園。 理瀬:  理瀬:だって、理性なんて情念の奴隷に過ぎないのだから。

0:――『誰もカントールの創り出した楽園から我々を追放することはできない』 0:――ヒルベルト 0:  0:――『私は誰かをその楽園から追放しようとしているわけではない。すなわち、それが楽園ではないことを君たちに示そうとしているのだ』 0:――ヴィトゲンシュタイン     澪:「お邪魔しまーす。お久しぶりです、靖乃先輩」 靖乃:「いらっしゃーい、入って入って」 澪:「はーい、失礼します。最近、靖乃先輩あんまり私に構ってくれなかったから寂しかったんですよ?」 靖乃:「あっは、なにそれー」 澪:「ホントですって!だから久しぶりに先輩のお部屋に呼んでもらえてすっごい嬉しいです!」 澪:  澪:「お部屋に呼んでくれたってことは~、そういうコト……、ですもんね?」 靖乃:「う……、うーん、まぁ、そうだけど……」 靖乃:  靖乃:「もう、気が早い。とりあえずそこ座ってて。飲み物淹れてくる。珈琲で良い?」 澪:「はい。ケニアキマシでお願いします」 靖乃:「はーい。砂糖とミルク両方入れるんだったよね?」   0:――(間)   靖乃:「お待たせ」 澪:「わぁい、ありがとうございます!靖乃先輩の淹れてくれる珈琲、大好きなんですよね~」 靖乃:「はいはい。ありがとう。ふふっ」 澪:「んー?先輩なんだか今日はご機嫌ですね」 靖乃:「え?そうかな?」 澪:「はい!なんていうか、うーん。なんだか気分良さそうというか」 靖乃:「あー、病み期じゃないからかなぁ」 澪:「あぁ、そうなんですね!なるほど」 澪:  澪:「けど、珍しいですね?」 靖乃:「ん?何が~?」 澪:「ほら、だいたい靖乃先輩が私のこと呼び出すときって、先輩が悩み事あるときとかが多いじゃないですかぁ」 靖乃:「あー確かにそうかも。病み期とか悩んでるときは澪に相談して話聞いてもらうこと多いよね。」 靖乃:  靖乃:「いつもありがとね、頼りにしてるよ」 澪:「いえいえ、気にしないで下さい!先輩のお役に立てるなら嬉しいですし」 靖乃:「可愛いこと言ってくれるじゃん」 澪:「それに、リターンも貰ってますからねぇ。ギブアンドテイクってやつです、ふふっ」 靖乃:「あー、アレね」 澪:「はい、ノーティーエンジェル」 澪:  澪:「いつも先輩が譲ってくれるので助かってます」 靖乃:「あれなー、彼氏がねぇ、アレ使ってするの好きみたいでさ」 澪:「あー分かります、ていうか私もアレ使ってするの好きですし、靖乃先輩も……使ったときスゴい乱れててエロかったなぁ」 靖乃:「……コホン。はい、澪。これくらいあれば次に来るときまで大丈夫?」 澪:「わぁ~靖乃先輩大好きです!ありがとうございまぁす。 澪:  澪:うんうん、これだけあれば大丈夫かな。それに足りなくなったらまた先輩のとこ来ちゃいます、えへへ」 靖乃:「もう、この後輩は……」 澪:「でも~私のこと頼りにしてるんですよねぇ~?後輩で年下なのに」 靖乃:「むっ、生意気なこと言う口はこれか。えいっ!」 澪:「あっ、ひょっと、むにむにしないでくらはいよ~」 澪:  澪:「ふふっ、生意気な後輩を『分からせ』しちゃいますか?」 靖乃:「それも良いけど、今日はやめとく」 澪:「えー、そんなぁ。あの時の靖乃先輩、激しくてすっごい良かったのになぁ」 靖乃:「今回はちょっとこれまでとは趣向を変えてみようと思っててね」 澪:「え~どんなプレイするんですか?楽しみかも」 靖乃:「あのね、澪。えっと、私に彼女ができたって話したっけ?」 澪:「え?えっ?」 澪:  澪:「えー!初耳ですよ!え、マジですか?めっちゃビックリです!」 靖乃:「それで、今日はその、実はもう呼んじゃってます。理瀬。あー彼女の名前ね」 澪:「ふぅん、へぇ~なるほど~。二人の情事を私に見せつけて興奮しようってわけですかー。良いですねぇお盛んでー」 靖乃:「んー?もしかして嫉妬してる?貴女が?」 澪:「そりゃ少しくらいはしますよ、嫉妬だって。けど半分は冗談です」 澪:  澪:「あーでも、納得できました。靖乃先輩が元気そうだった理由。彼女さんのおかげだったんですね」 靖乃:「うん、多分、理瀬のおかげってのはすごく大きいんだと思う」 澪:「良い彼女さんなんですね。会うの楽しみだなぁ」 靖乃:「ねぇ、澪」 澪:「はい、どうしました?先輩」 靖乃:「私たちの関係ってさ、不思議だと思わない」 澪:「不思議ですか?」 靖乃:「うん。だってお互い彼氏いて、本命もいて、それでもこうして会って何度もエッチだってしてて」 澪:「あーまぁそういわれると、確かに」 澪:  澪:「けど、気にすることないんじゃないですか?私と靖乃先輩の関係は私と靖乃先輩の関係以外のなにものでもありません。 澪:  澪:オンリーワンな関係性ってことで良いんじゃないですか?」 靖乃:「うーん、そういうものなのかなぁ」 澪:「それに靖乃先輩、今さら私から離れられないでしょ?」 靖乃:「それはまぁそうかもだけど。それは澪も同じじゃないの」 澪:「ふふふ、そうですね。先輩の身体も先輩がくれるお薬も、もうそれなしで、なんて考えられません」 澪:  澪:「けど先輩も、また落ち込んだり悩んだりしたら私のこと求めちゃうでしょ?」 靖乃:「うん、そうだね。やっぱり一番心の中までさらけ出して話せるのは澪だけだから」 澪:「彼女さんはどうなんですか?えっと理瀬先輩でしたっけ」 靖乃:「理瀬はね、ピュアだから」 澪:「あーなるほど。汚れ仕事は私に押し付けるんですね~」 靖乃:「うっ……反論できない」 澪:「ごめんなさい、意地悪言っちゃいました。全然気にしなくて良いんですよ。私は先輩の相談役ですから」 靖乃:「ありがとう、澪。貴女のそういう割り切ったスタイルに救われてる」 澪:「靖乃先輩はなんだかんだで根は真面目ですからね。色々考えて悩んだりしちゃうんだろうなって」 靖乃:「ここしばらくはかなりマシなんだけどね。 靖乃:  靖乃:でもさ、こうなると今度はさあれだけ悩んでたのなんだったんだろ?って思っちゃったりもするわけよ。 靖乃:  靖乃:いや、どうせまた病み期が来るのも分かってるんだけどね」 澪:「うーん、なんて言えば良いかな。多分なんですけどね。悩みが大したことである必要なんてないんじゃないかなーって思うんです」 靖乃:「うん?どういうこと?」 澪:「だから人からしたら、そんなこと?って思われるようなことで悩んでも良いと思うんです。」 澪:  澪:「これは自分のことを悩ませ苦しめてる。だから何か大変なことなんじゃないか、なんて考えなくて良いってことです。 澪:  澪:認知的不協和なんて専門用語を出すまでもなく、多分そんなものなんですよ、きっと」 靖乃:「理瀬もそうだけど、澪も難しいこと考えるよね」 澪:「そんなに難しくありませんよ。逆に考えてみて下さい。ほんの些細な小さなことに幸福を感じても良いと思いませんか?」 靖乃:「あー、それは分かる、むしろ小さなことに幸せを感じられる方が生きるの楽しそう」 澪:「そうそう、そういうことです!」 澪:  澪:「悩むのだって別に小さなことで悩んで良いんです。 澪:  澪:むしろ悩みを過剰に大きなものと誤って想定して必要以上に苦しんでしまうよりよほど良いと思いませんか?」 靖乃:「なるほどね、確かに悩みすぎちゃうことは減るかも」 澪:「でしょ?」 靖乃:「あ、理瀬からメッセ来た。」 靖乃:  靖乃:「そろそろ着くって」 澪:「わぁ、靖乃先輩の彼女かぁ。会うの楽しみだなぁ。ドキドキしてきた」 靖乃:「ね、澪。耳かして」 澪:「なんですか?」   0:――(靖乃が澪に耳うちする)   澪:「えっ、それやるんですかぁ?先輩も中々すごいこと考えますね……。」 靖乃:「じゃ、そういうことでよろしくね」   0:――(間)   理瀬:「お邪魔します。靖乃~、来たよ」 靖乃:「はーい、いらっしゃーい」 靖乃:  靖乃:「さ、さ、入って入って。待ってたよ~」 理瀬:「え、あれ?そちらは?お客さん?」 靖乃:「あぁ、私の後輩の澪。仲良くしてあげて」 理瀬:「(小声で)ねぇ、ちょっと今日は二人きりでその……あの、色々、する、んじゃないの?」 靖乃:「(小声で)まぁまぁ、損はさせないから」 澪:「あれ?もしかして靖乃先輩、私がいること伝えてなかったんですか?」 靖乃:「あーうん、まぁサプライズ的な?」 澪:「もう……しっかりして下さいよ靖乃先輩。理瀬先輩びっくりしてるじゃないですか」 澪:  澪:「理瀬先輩ですよね?お話は靖乃先輩から聞いてます。はじめまして、私は澪って言います。」 理瀬:「あっ、はい、はじめまして。よろしくね、澪ちゃん」 澪:「こちらこそ、よろしくお願いします。それに呼び捨てで良いですよ。あ、理瀬先輩って呼んで大丈夫でした?」 理瀬:「うん、全然大丈夫。好きなように呼んで」 澪:「ありがとうございます!」 澪:  澪:「それにしても、靖乃先輩から聞いてた通りだぁ。理瀬先輩すっごく綺麗」 理瀬:「えっ、あ、ありがと」 靖乃:「飲み物入れるけど理瀬いつもので良い?」 理瀬:「うん、ブルーナイルで」 靖乃:「澪もおかわりいる?」 澪:「お願いします!さっきと同じので」 靖乃:「はーい。ちょっと待っててね~」   0:――(間)   靖乃:「お待ちどうさま」 靖乃:  靖乃:「あ、そうだ理瀬。アレ。ちゃんと持ってきた?」 理瀬:「え、う、うん。持ってきてるけど……」 理瀬:  理瀬:「(小声で)ちょっと靖乃、まだ澪ちゃんだっているのに」 靖乃:「そのバックの中?ちょっと借りるね~」 理瀬:「えっ!?待って待ってぇ!」 澪:「ん?どうしたんですか?理瀬先輩すごい慌てちゃって。それに顔真っ赤になっちゃってます」 靖乃:「お、あったあった」 理瀬:「ちょっとぉ、靖乃ってば」 澪:「なんですか?それ」 靖乃:「んー?大人のオモチャだよ」 澪:「あー、なるほどぉ」 理瀬:「うぅ……」 靖乃:「こないだデートした時に二人で選んで買ってみたんだよね~」 靖乃:  靖乃:「ちなみにこれは理瀬のチョイスだよ」 澪:「うわぁ、ピンクローター、はまぁ良いとして、レザーの拘束具……ですか?これ」 理瀬:「うぅっ……、言わないで……」 靖乃:「理瀬ドMだからなぁ」 理瀬:「ちょ、ちょっと靖乃!?」 澪:「ふふっ、理瀬先輩かーわい~」 理瀬:「もうっ!澪ちゃんまでぇ……。うぅ……ぐすっ」 澪:「なんか、靖乃先輩の気持ちわかっちゃったかも。これはイジメ甲斐がありそう」 靖乃:「ほら、理瀬?あーんして」 理瀬:「う……。あーん、んっ。ごくっ」 靖乃:「はーい、よくできましたぁ。よしよし、良い子だね」 澪:「あ、もう始めちゃう感じですか?じゃあ、私も飲んどこうっと」 理瀬:「え?ねぇ、靖乃?どういう状況なの?ねぇ……」 靖乃:「あっはは、大丈夫。理瀬は何も心配しなくて良いからね」 理瀬:「そんなこと言われても……」 靖乃:「ね、理瀬?私のお願い、聞いて?」 理瀬:「うーん……」 靖乃:「私の言うこと聞いてくれるよね?いつもみたいに。ね、お願い」 靖乃:  靖乃:「いつも一生懸命に私のこと満たしてくれる理瀬がすっごくいじらしくて、大好きだよ」 理瀬:「うん、分かった。靖乃の好きにして欲しい、な?」 澪:「うわぁ、すっごい。すっかり調教済みなんですね」 靖乃:「ね?理瀬、可愛いでしょ?」 澪:「はい、すっごく可愛いです!羨ましいなぁ」 靖乃:「じゃあ理瀬、服、脱いで?一人でできるよね?」 理瀬:「ぅん……」 靖乃:「良い子良い子。さぁて私も飲んじゃお。んっ、ごくっ。ふぅ」 澪:「三人とも飲んじゃいましたね。あとは時間の問題かな」 理瀬:「靖乃、脱げたよ?」 靖乃:「はぁい、よくできました」 靖乃:  靖乃:「んっしょっと、それじゃあ……、はい万歳して」  0:――(カチャリ、カチャリと金属が触れ合う音が部屋に響く)   靖乃:「これで、こうして。あとはここをベットに固定してっと。」 靖乃:  靖乃:「よし、できた!」 理瀬:「ううぅ……恥ずかしいよぉ」 澪:「理瀬先輩もじもじしちゃってかーわいい!」 澪:  澪:「理瀬先輩の裸、きれい、見惚れちゃいます。あ、その赤いのって……歯形?ですか?」 澪:  澪:「しかもけっこういっぱい付いてる」 靖乃:「りーせ?澪に説明してあげて?」 理瀬:「あ、こ、これは、えっと、あの、私が頼んで靖乃に付けてもらったんです。私が靖乃のものだって証」 澪:「そうなんですね~。ふふっ、靖乃先輩から聞いてた通り、理瀬先輩ってドマゾの変態なんですね」 理瀬:「ぁう……言わないで……」 澪:「理瀬先輩たちのセックスって激しいんだぁ~」 理瀬:「くぅん……」 靖乃:「う、澪、それは私も恥ずかしくなっちゃうから……」 澪:「そういうとこはピュアなんですね、靖乃先輩。まぁ分かりますよ。本命相手だとそうなっちゃいますよね」 靖乃:「うん、そういうこと」 靖乃:  靖乃:「理瀬、ローター挿れちゃうね」 理瀬:「あっ、んんっ」 靖乃:「このくらいかなぁ、で、一番弱い設定でスイッチ入れてっと」 理瀬:「ぁん。ぅぅんん。あー、あっ、あぅぅ。んっ」 靖乃:「よし、これで準備完了!」 靖乃:  靖乃:「じゃあ、澪。しよ?」 澪:「はぁい、靖乃先輩!」 理瀬:「えっ?えっ?」 靖乃:「理瀬はそこで見ててね~」 澪:「ごめんなさい理瀬先輩。靖乃先輩のことお借りしますね」 澪:  澪:「ちゅっ、ぅむ。ちゅぅぅ、ちろっ」 靖乃:「んぁ、はぁ……ちゅっ、れろ、はむっ、んっ。じゅるっ」 澪:「ん、ひちゅ、れろ、ゃ、ぁ、んじゅるっ、じゅるる。ちゅぱっ。はぁ……はぁ……。ん、ちゅっ」 靖乃:「ちゅっ、れろぉれろ、ちゅるるっ、じゅる。ちゅぅぅ。ぷはっ、はぁ……」 理瀬:「ちょっ、ちょっと二人ともなにしてるの?」 靖乃:「何してるのって、今からエッチするんだよ?」 理瀬:「え、そんな……えっ、えっ、いやぁ……」 澪:「靖乃せんぱぁい、もっと深いのくださぁい」 靖乃:「うん、いくよ。ちゅっ、んぁ、はぁちゅぅぅ、れろぉじゅるっ、ん、ふぁ、はぁ」   0:――(間)   理瀬:え、なに?なんで?何なの、これ。 理瀬:  理瀬:身動きが取れないように拘束されて、そんな状態で見せつけられている。 理瀬:  理瀬:私の最愛の人が、他の女の子に抱かれている光景。 理瀬:  理瀬:  理瀬:二人の唇は何度も触れ合い、貪るように舌を絡ませ合い、互いの唾液を送り合い、唇が離れるたびに唾液がいやらしく糸を引く。 理瀬:  理瀬:お互いを抱き合う腕は互いの身体をまさぐり、弱いところを探しあて、卑猥な愛撫を繰り返していて。 理瀬:  理瀬:互いの性器は重なり、いやらしい水音をぴちゃりぴちゃり、ぐちゅりぐちゅりと響かせながら快楽をもとめて艶かしく蠢き、擦り合わされている。 理瀬:  理瀬:  理瀬:何を見せられてるの?理解が追い付かない。 理瀬:  理瀬:二人の色っぽい嬌声が頭の中に響き渡り、思考が蕩かされていく。 理瀬:  理瀬:  理瀬:靖乃、どうして?どうしてなの? 理瀬:  理瀬:私のことが一番って、いつもそう言ってくれてたのに……。 理瀬:  理瀬:嫉妬、絶望、疑問、次々と心の中に現れ、目まぐるしく回転する。 理瀬:  理瀬:けれど、その一つ一つをしっかりと掴み取り、考えることができない。 理瀬:  理瀬:  理瀬:それは靖乃の手で私の中に挿れられたローターのもどかしい刺激にさっきからずっと甘イキしてしまっているからか。 理瀬:  理瀬:決して絶頂まで昇り詰めることを許さないもどかしい刺激。 理瀬:  理瀬:それともドラッグで性感が昂っているからか。 理瀬:  理瀬:  理瀬:イヤなはずなのに。 理瀬:  理瀬:イヤに決まってるのに。大好きな人が他の女に抱かれて善がっているところなんて。 理瀬:  理瀬:なのに、ネガティブな感情と一緒に身体の中で、なんだか、初めての感覚が……。 理瀬:  理瀬:大きくなり熱を帯びて行く。まるでそれは充血していくように。熱く大きく硬く膨らみ張り詰める。 理瀬:  理瀬:  理瀬:イヤだ、悔しい、嫉妬する。 理瀬:  理瀬:それなのに、私の秘所はいつも以上に熱を持ち、蜜を靖乃のシーツに垂らし汚してしまうほどに、どんどん奥から溢れ出して来て止まらない。 理瀬:  理瀬:  理瀬:ぼんやりとした意識に声が聞こえてくる。 澪:「理瀬先輩、なんか出来上がっちゃってませんか?」 靖乃:「あ~、ホントだね。焦らし過ぎちゃったかな」 澪:「も~靖乃先輩ったら、私に夢中になり過ぎですよぉ」 靖乃:「だってぇ……。澪だってノリノリだったじゃん!」 澪:「う、それはまぁ、否定できませんね、あはは」 澪:  澪:「どうするんですか?そろそろ可愛がってあげないと可哀想ですよ?」 靖乃:「そうね。じゃ、二人で理瀬のこととろっとろにしちゃおっか」 澪:「はーい!ふふっ、やったぁ。待ってました」 靖乃:「りーせ?聞こえてたよね?そういうことだから」 靖乃:  靖乃:「待たせてごめんね?いっぱい気持ち良くしてあげるから許してね?」 理瀬:「あっ、あぁ……。んひゃぅんっ!」 靖乃:「うわぁ、すっごい声。いっぱい焦らしてイジワルしちゃってたもんね。ちょっとなぞっただけですごい反応だね。可愛い」 澪:「あー良いなぁ、羨ましいです靖乃先輩!私にも触らせて下さいよぉ」 靖乃:「うん、良いよ、ご自由に。理瀬のこと気持ち良くしてあげてね?」 靖乃:  靖乃:「ね?良いよね?理瀬」 理瀬:「ぁん……あっ。うっ、はぁ、は、はいぃ……。うぅぅぅっ、あんっ、あっ、あぁぁ~……」 理瀬:      理瀬:私の弱いところを知り尽くしている靖乃の手がいやらしく私の肌を這い回る。 理瀬:  理瀬:触れられるだけで大きな快感を得られる場所には中々触れてくれず、その周辺を入念に何度もイジワルに焦らしてくる。 理瀬:  理瀬:時々なぞるようなソフトタッチで一瞬だけ性感帯の核へと触れ、私の反応を楽しみ弄んではまた元のもどかしい愛撫を繰り返す。 澪:「ねぇねぇ靖乃先輩!どこまでして良いんですか?」 靖乃:「うーん?特にNGはないよ?」 澪:「えっ、えっ、ホントですか?ホントに良いんですか!?」 靖乃:「良いよね?理瀬?」 理瀬:「あ……、は、はぃぃ……」 靖乃:「ほら、本人の許可も出たし」 澪:「えへへ~、やったぁ」 澪:  澪:「あ、でも噛むのは流石に遠慮しときますね。先輩たちの秘め事にまで踏み込むのは流石にKYですし。」 澪:  澪:「それに、あくまで理瀬先輩は靖乃先輩のものっていう印なんですもんね」 理瀬:「ぅん、ありがとう、澪ちゃん」 澪:「……。ふふっ、もー、ホント可愛いです、理瀬先輩」 澪:  澪:「大丈夫です、そんな野暮なことしませんよ。 澪:  澪:ただ、理瀬先輩のことを気持ちよ~くしてあげるだけですから、安心して先輩の身体、任せて下さいね」   0:――(間)   理瀬:「ふー、ふぅっ、ふぅー。んあっ、うぐぅ、おっ、おぉぉ、おっ、お、おっ。んぅぅぅっ。はあぁ、はぁー、はぁー」 理瀬:  理瀬:二人がかりで攻められ始めてどれくらい経ったんだろう。時間の感覚が全然分からない。何度イッたかももう数え切れない。 理瀬:  理瀬:二人とも上手過ぎて、二人のエッチを見せ付けられて焦らされていたときに感じていたネガティブな思いなんて、 理瀬:  理瀬:すぐに快楽の波に拐われてどこかへ行ってしまった。 理瀬: 理瀬:  理瀬:靖乃の攻めが気持ち良いのは当然だけど、想定外だったのは澪の上手さだった。 理瀬:  理瀬:これ……下手したら靖乃よりも……。 理瀬:  理瀬:その先の言葉を慌てて振り切る。 理瀬:  理瀬:なんだか認めたくない。自覚したくない。したらダメな気がする。 理瀬:  理瀬:  理瀬:「ぅあ、あぁぁ、それっそれダメ!んおっ、おっ。あぁ~ぁぁ~あぁ」 澪:「あっは、すっごくはしたない声漏らしちゃってますよ、理瀬せんぱぁい?」 理瀬:澪の指が私の中で蠢いて、奥から止めどなく溢れ続けてくる蜜を掻き出すように、弱いところをなぶり続けている。 理瀬:  理瀬:「くぅん、うっ。あっ、お、お、おぅっ!いやぁ、うぅ…ああぁぁ」 理瀬:  理瀬:  理瀬:ダメ。もう何も考えられない。 理瀬:  理瀬:  理瀬:「あっ、や、また……。イカされ……、ひゃんっ、あっ、あ」 理瀬:  理瀬:「も、だめぇ」 0:――(間)   靖乃:『ねぇ、理瀬。天使ってさ可哀想だと思わない?』 理瀬:快感と色んな感情でパンクしそうな頭の中で、いつか靖乃が言っていた言葉が不意にリフレインする。 理瀬:  理瀬:『天使が可哀想ってどういうこと?』 靖乃:『うーん、なんていうかさぁ、天使って神様の傀儡(かいらい)でしかないわけでしょ。自我とかあるのかな?』 理瀬:『神様の操り人形だから可哀想ってこと』 靖乃:『それもあるけど、たとえば、ウリエルなんてさ、後世の人の勝手な都合で堕天させられたりしてるでしょ?』 理瀬:『あー、それは確かに可哀想だね』 靖乃:『神様に逆らったら堕天、そうでなくても人の都合によっても堕天』 靖乃:  靖乃:『神様の都合で創られて、神様の都合で働かされて、人の都合で堕天させられる』 靖乃:  靖乃:『天界ってすごく生きづらそう』 理瀬:『あはは、なんかそう聞くと天使ってブラック企業の中間管理職みたいに思えてくるね』 0:――   理瀬:快楽の波が全身で暴れ回っている。 理瀬:  理瀬:周りから期待される役割。 理瀬:  理瀬:良い子であること、良い学生であること、立派な大人であること。 理瀬:  理瀬:誰からかも分からないそんな匿名の世間の期待に応えて何になるのだろう。 理瀬:  理瀬:それで得られるものって一体なんなんだろう? 理瀬:  理瀬:  理瀬:灰色の称賛、無味無臭の尊敬。 理瀬:  理瀬:倦(う)んだ徒労感とまた次も応えなくては、というプレッシャー。 理瀬:  理瀬:きっとそんなところに楽園はない。 理瀬:  理瀬:  理瀬:一見、きらびやかだったり、憧れや尊敬の対象だったりする、所謂成功者たち。 理瀬:  理瀬:そんな彼らは自分の人生に満足してるのだろうか。 理瀬:  理瀬:満足してるなら、別にそれで良い。 理瀬:  理瀬:  理瀬:満足してないって人はどうだろう? 理瀬:  理瀬:私はきっと、そんな成功者になれたとしても、人から尊敬されるような人物になったとしても、きっと満足できないと思う。 理瀬:  理瀬:  理瀬:私の楽園はそんなところにはない。 理瀬:  理瀬:私の楽園は、灰色でも無味無臭でもない。 理瀬:  理瀬:私の肌で唇で舌で性器で。 理瀬:  理瀬:この五感で感じる柔らかさや温もり、熱。 理瀬:  理瀬:湿り粘つく唾液や汗、愛液の匂いや味。 理瀬:  理瀬:私の楽園はこちら側にある。 0:――(間)   理瀬:内腿を何か生ぬるい液体がつたう感覚。頭を動かして見ると琥珀色の液体が靖乃のシーツを汚していた。 澪:「あーあ、理瀬先輩すっごい。感じ過ぎてお漏らししちゃってますよぉ? 澪:  澪:はしたない先輩ですね。もう仕方ないなぁ。綺麗に拭いてあげますね。えっとぉ、ティッシュはー、っと……」 靖乃:「理瀬?大丈夫?」 理瀬:「はぁ……はぁ。うん、だいじょ、うぶ、だよ?はぁ……はぁ……」 靖乃:「ホントに?こんなに乱れてまくってる理瀬見るの初めてだよ」 理瀬:「うん、だってぇ、拘束されて何の抵抗もできずに二人がかりで攻められるの、良すぎて……。はぁ……はぁ……」 靖乃:「息も上がってるし、続けるにしても少し休憩する?」 理瀬:「ううん、このまま続けて?滅茶苦茶にして欲しい」 靖乃:「まぁ理瀬がそう言うなら分かった!ほんっとドマゾのド変態なんだから」 理瀬:「えへへ~、でもそんな私のことが好きでしょ?」 靖乃:「うん、大好きだよ」 澪:「あーずるいです、二人だけで愛を囁きあったりなんてしちゃって~。 澪:  澪:私は除け者ですか~?仲間に入れて下さいよ~。私だって理瀬先輩のことお気に入りになっちゃったんですからぁ」 理瀬:「えへへ、さぁ二人とも私のこと好きにして?壊れちゃうまで愛して?」 理瀬:  理瀬:  理瀬:これが私の見つけた楽園。 理瀬:  理瀬:そう、これこそが私が切望していたものなのかも知れない。 理瀬:  理瀬:無限なる三角形は円となり球となり、そして直線となる。 理瀬:  理瀬:三角形から始まる直線は半永久的なオーガズム。 理瀬:  理瀬:これが私の手に入れた楽園。 理瀬:  理瀬:だって、理性なんて情念の奴隷に過ぎないのだから。