台本概要

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タイトル 魔王と勇者がいきなり本音でしゃべり出した件
作者名 ケットシー  (@caitsith_udmoon)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(男4、不問1)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 魔王と勇者が儚い犠牲を出して和解する、ふわっとした超甘口ファンタジーコメディです深夜テンションで書いてます。2020年に書いた台本のリテイクです。セリフや展開が増えてます。リテイクをやってる今、朝4時です。眠いです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
魔王 42 世界の4割を侵略する魔族の王。早めに仕事を終わらせて、余った時間で遊んでいたが、その仕事の速さと趣味以外の話をするのが苦手故に、聞き役に徹していたためにカリスマ性を讃えられ、魔王に抜擢される。魔王の仕事はとても面倒くさいので、勇者が現れたら『世界の全てをお前にやろう』などと適当なことを言って、どっかに隠居しようと画策していた。学生時代は有能さゆえに天才扱いされていたが、楽して遊びたいがために要領よくこなしていただけである。重度のゲーオタだが、ホラーはゲーム実況で見る派。プレイは怖いのでできない。木曜どうでしょうという番組にハマり、部下にパイ食わねえか?とよく迫る。最近、ゲーム配信を始めた。登録者人数は33人である。
ラーテル 不問 54 真面目で従順な、癒し系リスの獣人。素直で純粋な仲間思いの青二才だが、この物語を機に性格がひねくれ、しばらくは、全盛期のブル中野並み(分からなくてよし)に尖っていた。しかし、かわいらしい外見のせいか、毒舌系ゆるキャラにしか見られず、魔王城跡地のゆるキャラに抜擢される。その後は色々吹っ切れ、さまざまな企画や地方土産とコラボ。個人事務所を立ち上げ、どんな汚れ仕事も受けるようになった。だが、魔王と勇者一行とは共演NGにしている。
勇者 26 村おこし『勇者の剣チャレンジ祭り』にバイトのサクラとして参加したところ、抜けてしまって、村おこし失敗の借金のかたに王城に突き出され、魔王討伐に向かわされる勇者役をやる羽目になった青年。惰性で生きてきた彼だが、勇者と呼ばれ、セクシーな賢者もいたため、最初はすっかりその気になっていた。だが、人のお使いクエストばかりの毎日に『これ、俺じゃなくて良くね?』と悩み始めている。今もなおプレスケ5抽選、歴戦の敗者。
賢者 43 魔法大学院の主席助教授だったが、金と名誉に釣られ、勇者パーティーに加わる。知的でセクシーな外見からモテるのだが、性格がだいぶ残念なことから恋人ができても二週間くらいでフェードアウトする。天才だが致命的に語彙力がなく、ふわっとしたことしか口にしない。だが、その外見と雰囲気で、なんとなく納得させてしまう。あたしサバサバしてるけど!と言い続けているが、ただの酒好きでだらしないおっさん系女子である。
戦士 37 屈強で漢らしい名門の家系の戦士。だが、中身は乙女であり、部屋はふわふわくまちゃんとフリルでいっぱい。時勢柄少々触れづらい性別だが、おくびにも出さずに男子トイレに入り、男湯に入るまさに漢。だが、同性を舐めるように見ることから、戦闘狂なのでは?と恐れられていた。その方が幸せである。そんな戦士だが、パーティーの中ではもっとも聞き上手。 頼れる戦士を気取っているが、勇者と常に現れるイケメンに心揺らいでいる。 突如現れたイケメンの魔王と、見守り続けた勇者との三角関係に乙女として苦い悩みを心に秘める(本人の妄想)よく作者に、戦車と打ち間違えられる
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:【あらすじ】  :魔王と勇者が儚い犠牲を出して和解する、ふわっとした超甘口ファンタジーコメディです  :深夜テンションで書いてます。  :2020年に書いた台本のリテイクです。  :セリフや展開が増えてます。  :リテイクをやってる今、朝4時です。  :眠いです。  :  0:【シナリオ約束事項】  :性別変更→×(読んだらふわっとわかってくれるはず)  :両声類→○(ただし、賢者はセクシー女子で、戦士はおかまになるとこが面白いのでそこは踏まえて演じてください)  :アレンジ→○(話が壊れない程度、他のキャストに迷惑がかからないならOK。)  :人数変更→○(兼任など)  :改変→×(本人が面白くても、つまらないと空気が凍ります)  :初心者→○  :※シナリオに書かれていない、指を鳴らす、吐息、笑いなどシナリオ外の役を深める、  :セリフ外の演技は大歓迎です。ただし、こちらでもお話が壊れない程度でお願いします。  :  0:特に役に立たない登場人物(読み飛ばしていいです)  :  魔王: 魔王:性別・♂ 魔王:世界の4割を侵略する魔族の王。 魔王:早めに仕事を終わらせて、余った時間で遊んでいたが、その仕事の速さと 魔王:趣味以外の話をするのが苦手故に、聞き役に徹していたためにカリスマ性を讃えられ、 魔王:魔王に抜擢される。 魔王:魔王の仕事はとても面倒くさいので、勇者が現れたら 魔王:『世界の全てをお前にやろう』などと適当なことを言って、どっかに隠居しようと画策していた。 魔王:学生時代は有能さに天才扱いされていたが、楽して遊びたいがために要領よくこなしていただけである。 魔王:重度のゲーオタだが、ホラーはゲーム実況で見る派。プレイは怖いのでできない。 魔王:木曜どうでしょうという番組にハマり、部下にパイ食わねえか?とよく迫る。 魔王:最近、ゲーム実況を始めた。登録者人数は33人。  :  ラーテル: ラーテル:性別・どちらでも ラーテル:真面目で従順な、癒し系リスの獣人。 ラーテル:だが、この物語を機に性格がひねくれ、 ラーテル:しばらくは、全盛期のブル中野並み(分からなくてよし)に尖っていた。 ラーテル:しかし、かわいらしい外見のせいか、毒舌系ゆるキャラにしか見られず、 ラーテル:魔王城跡地のゆるキャラに抜擢される。 ラーテル:その後は色々吹っ切れ、さまざまな企画や地方土産とコラボ。 ラーテル:個人事務所を立ち上げ、どんな汚れ仕事も受けるようになった。 ラーテル:だが、魔王と勇者一行とは共演NGにしている。  :  勇者: 勇者:性別・♂ 勇者:村おこし『勇者の剣チャレンジ祭り』にバイトのサクラとして参加したところ、 勇者:抜けてしまって、村おこし失敗の借金のかたに王城に突き出され、 勇者:魔王討伐に向かわされる勇者役をやる羽目になった青年。 勇者:惰性で生きてきた彼だが、勇者と呼ばれ、セクシーな賢者もいたため、 勇者:最初はすっかりその気になっていた。 勇者:だが、人のお使いクエストばかりの毎日に 勇者:『これ、俺じゃなくて良くね?』 勇者:と悩み始めている。 勇者:プレスケ5抽選、歴戦の敗者。  :  賢者: 賢者:性別・♀ 賢者:魔法大学院の主席助教授だったが、金と名誉に釣られ、勇者パーティーに加わる。 賢者:知的でセクシーな外見からモテるのだが、 賢者:性格がだいぶ残念な方。 賢者:天才だが致命的に語彙力がなく、ふわっとしたことしか口にしない。 賢者:だが、その外見と雰囲気で、なんとなく納得させてしまう。 賢者:サバサバ系を意識しているが、中身は単なる酒好きでだらしないおっさん系である。  : 戦士: 戦士:性別・♂ 戦士:屈強で漢らしい名門の家系の戦士。 戦士:だが、中身は乙女であり、部屋はふわふわくまちゃんとフリルでいっぱい。 戦士:戦士なので屈強だが、パーティーの中ではもっとも聞き上手。 戦士:パーティー内では頼れる戦士を気取っているが、 戦士:勇者と常に現れるイケメンに心揺らいでいる。 戦士:突如現れたイケメンの魔王と、見守り続けた勇者との三角関係に 戦士:乙女として苦い悩みを心に秘める(本人の妄想) 戦士:よく作者に、戦車と打ち間違えられる  :   :以下、劇開演  :  ラーテル:魔王様!勇者たちがついに攻め込んできました! ラーテル:現在、四天王が一人、ギルガメッチが抗戦していますが時間の問題です! ラーテル:どうか・・・お逃げください!! 魔王:フン・・・、案ずるな。勇者とて人・・・。 魔王:魔王たる我が負けることなど、断じてない! 魔王:何より、我を信じた部下や民を捨て置くなど・・・魔王として許されぬ! ラーテル:しかし!! 魔王:フフッ・・・、滅びるのは勇者か我か・・・、楽しみではないか。 魔王:ラーテルよ・・・。お前だけは逃げよ。 魔王:そして、我が敗れたのであれば、魔王として恥じぬ最後であったと・・・、語り継ぐが良い。 魔王:そのようなことはないがな。 ラーテル:・・・ならば、私もその最後にお供させていただきます!!決して、決して逃げません!! 魔王:・・・であるか・・・。だが、我は強欲なりし魔王! 魔王:我が部下が目の前で死ぬことは、断じて許さん!即刻、この場より去れ! ラーテル:魔王様!  : 0:勇者、魔王の間に飛び込む  : 賢者:お取り込み中のところ悪いけど・・・、追い詰めたわよ!魔王! 戦士:ここまでだ!やるぞ!勇者!! 勇者:すっげえ疲れた!帰りたい!  : 0:場の空気が凍る  : 賢者:え? 戦士:ん? ラーテル:へ? 魔王:むう? : 0:やがて、賢者、耳を疑うように 賢者:・・・何て? 勇者:超疲れた!賢者、めっちゃセクシーだからここまで来れたけど、すっげえ帰りたい! 戦士:いやいやいや!?ちょっと、おま、お前、まて!? 賢者:まっ、魔王!!あなた、勇者に呪いをかけたのね!!なんて卑劣な! 魔王:フッ・・・!フハハハハ!! 魔王:部下には言わなかったけど!実は、我もチョー眠いから、とっとと部屋に引きこもりたい!! : 0:再び、場の空気が凍る : 賢者:あ? 戦士:ん? 勇者:ほう? : 0:やがてラーテル、耳を疑うように : ラーテル:……へ? 魔王:さっきいい感じに言ったけど、ラーテルが逃げたら、引きこもる気マンマンでした!! ラーテル:いやいやいや!?魔王様!?ちょーっと!ちょーっと待ってくださいよ? : 0:勇者、食い気味に : 勇者:マジで!?引きこもるとこ、あんの!? 魔王:魔王の権力をなめるなよ!城をリフォームするときに、部下たちに秘密で玉座の真下にマイスペース作ったのだ!! 0:ラーテル、戦士、賢者、揃ってあっけに取られる ラーテル:は? 戦士:は? 賢者:は?  :  0:魔王、わりと早口で  :  魔王:裏口もついてて、コンビニまで五分。お菓子、エナドリも完備! 魔王:エアコン!4Kテレビ!新型プレスケ5!ムイッチ!エックスフォックス!ゲーミングPC! 魔王:あらゆる種族をダメにする椅子も、ぜーんぶある! 魔王:そして・・・歴代魔王、御用達(ごようたし)のお昼寝用のふわふわベッドと・・・ 魔王:くまちゃんもいるもんねー!  :  0:勇者、剣を構えて  :  勇者:ふわふわベッドにくまちゃんだと!!いいなあ!! 勇者:ってか、プレスケ5の新型!?完成していたの!!? 勇者:おのれ!魔王め!転売屋から購入したんだな!? 勇者:流石魔王!略して、さすまお!!死すべし! 魔王:(ブチギレて)この愚か者めがぁ!!  : 0:魔王、勝ち誇るように  : 魔王:・・・ふっ・・・これを見るがいい! 勇者:そ、それは・・・!  : 0:賢者、戦士、ラーテル、声を合わせて  :  賢者:それは? 戦士:それは? ラーテル:それは? 0:勇者、愕然として 勇者:お、大人にのみ許された・・・、ヨツバシのブラックマジックカード!? 魔王:フッフッフ・・・。 魔王:ヨツバシは平日ならば、在庫を随時入荷している! 魔王:そして転売防止のために、このブラックカードさえあれば・・・! 魔王:本当に必要としている、真のユーザーにのみ・・・購入が許されるのだ!! 0:勇者、震えながら 勇者:な、なんだと・・・ 魔王:この魔王・・・いかに悪に染まろうとも、マナーは守る! 魔王:決して、メーカーの心や、作り手の心を踏みにじるような真似はせぬ!! 魔王:見損なうな!!この痴れ者(しれもの)がぁ!! ラーテル:い、いや・・・そ、そこは買い占めとかした方が悪としては・・・ 魔王:転売屋死すべし!!  :  0:ラーテルに落雷が落ちる  :  ラーテル:アガガガガガ!!  :  0:魔王、めちゃくちゃブチギレて  :  魔王:それこそ!悪以下の悪!!人以下!魔族以下!!鬼畜にも劣る所業!う○ち! 魔王:このぉ・・・鬼畜リスゥ・・・、略してキチリスゥ・・・、お前ぇ、転売屋なのか!? 魔王:・・・ねじりきるぞ・・・。 ラーテル:ひっ、ひえええ!!め、めっそうもございません!! 0:勇者、突然、剣を落とし、むせびなく。 勇者:うう・・・、みんなあ・・・、すまない・・・。 賢者:い、いきなり、どうしたの?勇者? 戦士:勇者!?もしや正気に!?  : 0:勇者、甲子園で負けた球児並みに悔しそうに  : 勇者:負けだぁ・・・。俺の・・・負けだぁ・・・。 勇者:俺ぇ・・・、未成年だからぁ・・・、マジックカードなんて・・・作れねえよ・・・。 勇者:・・・プレスケ5・・・、諦めるしか・・・ねえのか・・・。 賢者:い、いや・・・、そんな・・・戦闘中盤のピンチの時みたいに泣かれても・・・。 戦士:そ、そうだぞ!勇者、こういうのは勝ち負けじゃない! 戦士:大人になるまで待てばいいし、10代の今しか楽しめないことだって、いっぱいだぞ! 賢者:戦士、その言葉は今じゃない。 魔王:フハハ!!無様!無様! 魔王:・・・勇者ともあろうものが無様だな!! 魔王:・・・だが、その気持ち・・・痛いほど、わかぁーる!! ラーテル:ええ・・・、わかっちゃうんだ・・・。 魔王:ワシだってスーハミが出た時など、母上に 魔王:『うちには赤いのあるでしょ!ゲームなんてどれも同じ!うちはうち!よそはよそ!』 魔王:と言われ、泣く泣く・・・、 魔王:一週間、魔王特権で友達の家でやらせてもらった。 賢者:権力を盾にテレビを独占・・・。な、なんて恐ろしい!! 戦士:親も上司の子だから口を出しづらい…。卑劣すぎる…。 ラーテル:シンプルに・・・魔王様のお友達、かわいそすぎる・・・。 魔王:フハハ!七つの大罪を極めしが魔王!この程度、造作もないわ! 魔王:その後、根負けした母上にスーハミを買わせた挙句、詫びに持たされた金色のお菓子で和解したわ!! 0:魔王、苦い思い出を噛み締めるように 魔王:・・・まあ、こっ酷く叱られたがな・・・ ラーテル:逆にそれで済むことに驚きを隠せません・・・ 賢者:金色のお菓子が、暗喩(あんゆ)かどうかで話が変わってくるわね・・・。 戦士:なあ・・・、ところで、スーハミってなんだ? 魔王:さて!勇者よ、お前の未熟ゆえの苦しみ、魔王たる我には救ってやることができる・・・。 ラーテル:おお!!魔王様らしいムーヴ!!ようやく・・・ 魔王:お前に我の、プレスケ5のコントローラーを触らせてやろう!! 賢者:せっこ! ラーテル:しょーもな・・・。 戦士:普通にやらせてやればいいのに・・・。 勇者:くっ・・・!!見るだけならまだしも、触るだけとは!! 勇者:流石魔王!!略してさすまお!!名前にたがわぬ悪とは、お前のこと!! 賢者:ねえ、さっきからこの略してって流れ、なんなの? 戦士:さ、さあ・・・? 魔王:フハハ!!褒められても、起動ボタンしか押させんぞ! ラーテル:魔王様!?ちょっと喜んでらっしゃる!? 魔王:だが条件がある・・・。 勇者:なんだ、言ってみろ! 0:魔王、素になる 魔王:その剣、しまってくれない? ラーテル:魔王様!? 0:賢者と戦士勝ち誇ったように 賢者:ふっ!魔王、やはり聖剣に臆する(おくする)のね! 戦士:三賢者(さんけんじゃ)のいうとおりか!!  : 0:魔王、普通のテンションから、だんだん大○洋っぽくなる。わからなかったらノリで。  : 魔王:いや、ふつー、人の家で刃物出されたら、まじ怖いでしょ。 賢者:・・・。 戦士:・・・。 魔王:キミたちねえ、アレだよ? ラーテル:あ、これ、めんどくさい流れだ・・・。 魔王:想像してみてもごらんなさいよ。 魔王:いきなり人がくつろいでるところにだよ? 魔王:おいつめたぞー・・・、覚悟しろー・・・って。 魔王:ボクたち、初対面だよ?しかも、土足だよ? 魔王:そこでさ?いきなり・・・、刃物出されて向けられたらどうなのよお? 賢者:そ、そんな・・・犯罪者みたいに!ねえ? 戦士:そ、そうだぞ、我々とて悪気があってしているわけではない! 戦士:こ、これも世界のため!!これは犯罪行為ではない!全ては悪を滅するためだ!!  : 0:魔王、たたみかけるように  : 魔王:恥ずかしげもなく、よく言ったね!? 魔王:キミたち、人間は都会だからいいですよ。ここ魔界だよ!? 魔王:なんか知らん骨と、草しかないんだよ!? 魔王:魔界の観光地をごらんなさいよ!毒沼と自殺名所しかないんだよ!? ラーテル:サラッと魔界の悪口言ったな・・・。 魔王:でも、我々だって生活しないといけないわけよ。 魔王:そこをだよ?悪だー切るぞーって、キミたちねえ・・・。 賢者:・・・。 戦士:・・・。 魔王:これ、あれだよ?勇者かー、犯罪者かーっていうとだよ? 魔王:どっちかっていうとあれだよ?勇者じゃなくて、 魔王:犯罪者だよ? 賢者:たしかに。 戦士:わかる。 ラーテル:いや!そこはわかるなよ!! ラーテル:というか、さっきからなんかクセのある喋り方だと思ったら、 ラーテル:魔王様、大湖洋(おおみずうみ よう)を意識してらっしゃる・・・。 ラーテル:最近、やけにパイを勧めてくると思ったら!! ラーテル:ってか、伝わるのか!!リスナーに!! 0:勇者、急に凛々しくなる。 勇者:魔王、お前の話、よくわかった・・・。 勇者:この聖剣はさやにしまうことにしよう・・・。 賢者:勇者!? 戦士:勇者、しかし・・・! 0:勇者、無念そうに 勇者:すまない・・・、みんな・・・。 勇者:俺・・・、プレスケの起動ボタンだけでも・・・押したいんだ・・・。 賢者:勇者!? 戦士:勇者、そこまで!? ラーテル:起動ボタンって、そこまでなの!? 賢者:でも、ここで諦めたら・・・なんか、ほら、これまでの冒険は!?ここまでのみんなの犠牲はどうなるの!? ラーテル:おっ!いい流れ! 戦士:そうだぞ!勇者!全て水の泡に! ラーテル:そうだ!もっとやれ! 勇者:みんな、聞いてくれ・・・。理由はもう一つある。 勇者:魔王の話を聞いて、考えさせられた・・・。 勇者:冷静に考えて・・・、今の俺たちはだいぶヤバい。 賢者:わかる。 戦士:たしかに。 ラーテル:そこでわかるなよ!! ラーテル:っていうか、さっきからなんなんですか!! ラーテル:魔王様も、人族も!!戦うんじゃないんですか!? 賢者:確かに・・・。なんだかおかしいわ。 戦士:そういえば、この城に入ってから・・・なんだかおかしいな・・・。 ラーテル:え? 賢者:私たちもなんだか、妙にこう・・・ 戦士:つい、ツッコミを入れてしまうような・・・。 ラーテル:そこなの!?おかしいの! 0:賢者、ふと思いついたように 賢者:もしかして!これは・・・大聖霊さまが起こす、本音でしゃべろうの奇跡? 戦士:賢者、知っているのか!? 0:ラーテル、うさんくさげに ラーテル:え・・・、なんですか・・・?その適当な名前の奇跡・・・。 賢者:ええ、これは人族でも限られたものしか知らない、失われた伝承なのだけれど・・・。 賢者:大聖霊様はある時、建前(たてまえ)を言うのがめんどくさくなって 賢者:『本音でしゃべろう』の奇跡を起こされたそうよ・・・。 賢者:それ以来、適当なところで一度起きれば・・・、 賢者:適当なものたちが建前なしで、本音で話すことしかできなくなると言われているわ・・・。 ラーテル:失われるのも納得するほど、どうでもいい伝承ですね・・・。 ラーテル:っていうか、なんだそのふわっとした奇跡・・・。 勇者:剣しまったぞ!起動ボタン触らせろ! 魔王:きみは乱暴な人だねえ・・・。まずはお願いしますダルォ? 戦士:しかし、どうする・・・?このままではらちがあかんぞ。 ラーテル:気のせいと思いたいですが・・・、さっきからどんどん本音がひどくなってる気がします・・・。 賢者:任せて!! 戦士:何!? ラーテル:おお!何かあるんですか!? 勇者:ダメにする椅子、座らせろ! 魔王:あれ、我の!! 賢者:こんなこともあろうかと、本音でしゃべるかしゃべらないのかはっきりしよう草(くさ)を持っていたのよ! 戦士:さすがだな! ラーテル:え、こんなこともって・・・、 ラーテル:備えが必要なほど起こるもんなんですか?この奇跡。 勇者:名前草 魔王:適当すぎて草 ラーテル:ネットスラング連発しないでください!紛らわしい!! ラーテル:というか、それ、本音でしゃべるかしゃべらないかって・・・、 ラーテル:今のお二人のように、本音でしゃべるようになることもあるんですか? 賢者:ええ。これは大聖霊様がこのような間違いが起こらぬよう、祝福を与えてくださった神聖な草・・・。 賢者:けれど、間違いが間違いだったら、責任を取るのがめんどくさかったから・・・、 賢者:どうとでも取れるように、本音で喋れる祝福も与えたの。 ラーテル:ええ・・・、人間の大聖霊様、面倒なこと多すぎでは・・・。 賢者:早速、使ってみましょう! 賢者:ちなみに・・・、本音で喋らなくなる確率が0.4%、そこそこが9.6%、本音で喋る率は90%以上よ!! ラーテル:シブいガチャの限定かよ!?ま、待てええ!!! : : 0:ラーテルは何も変わらなかった! 0:賢者はそこそこ本音で喋るようになった! 0:戦士と魔王と勇者から建前が消えた! : 0:ラーテル、怯えたように : ラーテル:えっ?えっ? ラーテル:な、なんか・・・、死の宣告を受けたような寒気が・・・。みなさん、どうですか? 賢者:・・・。 ラーテル:け、賢者さん? 賢者:なんかぁ?失敗した気がするけど?まあまあ、結果オーライなんじゃないかな!? 勇者:おい!魔王!!魔王部屋、行こうぜ!! 魔王:はー?わけわかんね。他人とゲームとか、たるいわぁ・・・。 ラーテル:う、うわあああ!!!やっぱりぃぃぃ!!あ!戦士さんは!?唯一の人族の希望よ!! 戦士:・・・。 ラーテル:せ、戦士、さん? : 0:戦士、乙女になる : 戦士:アタシ・・・勇者のこと、ずっとみてた・・・。 ラーテル:・・・は? 戦士:でも、魔王様を見てると・・・心がイタイの・・・。 戦士:この胸の痛みは・・・恋?アタシはどうすれば・・・? ラーテル:え・・・。ええええええ!? 賢者:マジかー!戦士、そういう感じかー!あたし、公務員がいいわー。 ラーテル:おま!お前、黙って!?え!?何!?成功したの僕だけ!? 賢者:っぽいねー!でも、まー、ありっちゃあり? ラーテル:いや!!ないよりのなしだよ!!え、何この空間!!地獄だよ!! ラーテル:魔界で地獄見るとは思わなかったよ!!! ラーテル:いや!っていうか、これですら、まだオブラートに包んでるからね!!? 戦士:んもう・・・、ラーテルちゃん、かわいいのにぃ・・・。こーわーいー! 勇者:草 魔王:草 賢者:わりと草 ラーテル:な、なんなんだよ!おまえらぁ! ラーテル:ていうか、魔王様!!しっかりしてください!部下や民はどうするんですか!?  :  0:一瞬の間の後、魔王、言い出しづらそうに 魔王:あー・・・、いやぁ、実はさ・・・?今、魔王城にいる魔物、おまえと我だけなんだ。  :  0:ラーテル、今日イチで凍りつく  : ラーテル:・・・は? : 魔王:いや、俺も止めたんだよ? 魔王:でも、なんか、おまえ以外はみんな本音を言い出して、 魔王:実は魔王様と死ぬの嫌でしたーって・・・・、昨日の夜逃げちった!テヘ!  : 0:ラーテル、だんだん怒り始める  : ラーテル:・・・はあ?・・・・・・はあ!? 魔王:残ってくれた四天王の一人も、 魔王:出来心で残ってみたけど剣が怖いし、暑いからーって・・・帰っちゃった!テヘペロ!  : 0:ラーテル、怒りとあきれに震えて  : ラーテル:ど、通りではやいと・・・。ギルガメッチ・・・、そこそこだったのか・・・。 戦士:ああん・・・、かわいそう・・・。アタシがだっこしてあ・げ・る! 勇者:草。 賢者:割と草。  : 0:ラーテル、途方に暮れて、我にかえり  : ラーテル:えっ!?えっ!?じゃあ、この魔王城、昨日の夜から『本音でしゃべろう』の奇跡とやらに? 魔王:うん!我も、いつ本音でしゃべろう迷ってたとこ! 魔王:ぶっちゃけ、おまえが逃げたらとっとと引きこもってたし、 魔王:残るとか言い出した時は、 魔王:うわ・・・、こいつめんどくせえなって思ってた!テヘペロリン! 戦士:んふー!それ!かわいい!魔王様のテヘペロリン・・・。 勇者:草 賢者:割と草  : 0:ラーテル、ついにブチギレる ラーテル:ブチッ!こ、こ、このーーーーーーーー!!!!!  : 戦士:いや〜んっ! 勇者:は?こわ。 魔王:え?なんかキレた。こわ。 賢者:理由はわからんでもないけど、ドンマイでーす笑  : 0:ラーテル、殺意の波動に目覚めて  : ラーテル:おま、おま、おまえらあああああああ!!ゆ、ゆ、許さん!!!!絶対に許さんぞおおおお!!! 戦士:いや〜ん!怒ってるぅ!アタシでよかったら、ハナシ聞くヨ? 勇者:絶許(ぜっゆる)とかいうやつ、初めてみた草。 魔王:我も初めて見たわー、草。なんか、めっちゃキレてるし草。 賢者:まー、そういうことも人生あるし?ドンマイ草。 ラーテル:なんにでも草つけるなああああ!!!  : 0:勇者、だるそうに  : 勇者:つかさー?もう、俺、眠気MAXなんだわー。 勇者:途中のコンビニでこっそりプリン買ってきたからさ、これで魔王部屋、入れてくんない? 魔王:あ!それ数量限定のやつじゃん!言ーえーよー! 魔王:入れ入れ。我も昨日のゲームの続き、やるわ。 戦士:んーとぉ・・・、くまちゃん触りたいから・・・、アタシもお邪魔しちゃう! 賢者:なんかぁ、世界の平和とかまずい気がするんだけど・・・? 賢者:まあ、空気読んでお邪魔するわー。私もこっそり買ってきたプリン、食べたいし。  : 0:以下、賢者の語り  : 賢者:こうして、魔王と勇者一行は、みんながこっそり買ってきたコンビニの限定プリンで和解し、 賢者:魔王は人々の王と本音で話し、世界は平和を取り戻したそうです。 賢者:ラーテルの姿は、私たちが出たときにはありませんでした・・・。 賢者:まあ、でも、ゲーム面白かったし、プリンが美味しかったので、割とみんなどうでもよかったです。 賢者:他にもなんやかんや、こう、色々グワッとなることもあったと思うのですが、 賢者:説明するのが面倒なので、世は押しなべてこともなし・・・とか、よくあるふわっとした言葉で締めようと思います。 賢者:めでたしめでたし。  : 0:ラーテル、最後のブチ切れモード。もう少しだ!がんばれ、ラーテル!  : ラーテル:めでたくねええええ!!! ラーテル:許せない・・・。こんなの許せない・・・。なんか、こういうよくわからん、ふわっとした終わり方もだけど・・・。 ラーテル:0.4%以上を引いた自分がハズレってのが一番許せない!! ラーテル:コノヤローーー!!!!炎上案件だーーーーー!!! : : :完!

0:【あらすじ】  :魔王と勇者が儚い犠牲を出して和解する、ふわっとした超甘口ファンタジーコメディです  :深夜テンションで書いてます。  :2020年に書いた台本のリテイクです。  :セリフや展開が増えてます。  :リテイクをやってる今、朝4時です。  :眠いです。  :  0:【シナリオ約束事項】  :性別変更→×(読んだらふわっとわかってくれるはず)  :両声類→○(ただし、賢者はセクシー女子で、戦士はおかまになるとこが面白いのでそこは踏まえて演じてください)  :アレンジ→○(話が壊れない程度、他のキャストに迷惑がかからないならOK。)  :人数変更→○(兼任など)  :改変→×(本人が面白くても、つまらないと空気が凍ります)  :初心者→○  :※シナリオに書かれていない、指を鳴らす、吐息、笑いなどシナリオ外の役を深める、  :セリフ外の演技は大歓迎です。ただし、こちらでもお話が壊れない程度でお願いします。  :  0:特に役に立たない登場人物(読み飛ばしていいです)  :  魔王: 魔王:性別・♂ 魔王:世界の4割を侵略する魔族の王。 魔王:早めに仕事を終わらせて、余った時間で遊んでいたが、その仕事の速さと 魔王:趣味以外の話をするのが苦手故に、聞き役に徹していたためにカリスマ性を讃えられ、 魔王:魔王に抜擢される。 魔王:魔王の仕事はとても面倒くさいので、勇者が現れたら 魔王:『世界の全てをお前にやろう』などと適当なことを言って、どっかに隠居しようと画策していた。 魔王:学生時代は有能さに天才扱いされていたが、楽して遊びたいがために要領よくこなしていただけである。 魔王:重度のゲーオタだが、ホラーはゲーム実況で見る派。プレイは怖いのでできない。 魔王:木曜どうでしょうという番組にハマり、部下にパイ食わねえか?とよく迫る。 魔王:最近、ゲーム実況を始めた。登録者人数は33人。  :  ラーテル: ラーテル:性別・どちらでも ラーテル:真面目で従順な、癒し系リスの獣人。 ラーテル:だが、この物語を機に性格がひねくれ、 ラーテル:しばらくは、全盛期のブル中野並み(分からなくてよし)に尖っていた。 ラーテル:しかし、かわいらしい外見のせいか、毒舌系ゆるキャラにしか見られず、 ラーテル:魔王城跡地のゆるキャラに抜擢される。 ラーテル:その後は色々吹っ切れ、さまざまな企画や地方土産とコラボ。 ラーテル:個人事務所を立ち上げ、どんな汚れ仕事も受けるようになった。 ラーテル:だが、魔王と勇者一行とは共演NGにしている。  :  勇者: 勇者:性別・♂ 勇者:村おこし『勇者の剣チャレンジ祭り』にバイトのサクラとして参加したところ、 勇者:抜けてしまって、村おこし失敗の借金のかたに王城に突き出され、 勇者:魔王討伐に向かわされる勇者役をやる羽目になった青年。 勇者:惰性で生きてきた彼だが、勇者と呼ばれ、セクシーな賢者もいたため、 勇者:最初はすっかりその気になっていた。 勇者:だが、人のお使いクエストばかりの毎日に 勇者:『これ、俺じゃなくて良くね?』 勇者:と悩み始めている。 勇者:プレスケ5抽選、歴戦の敗者。  :  賢者: 賢者:性別・♀ 賢者:魔法大学院の主席助教授だったが、金と名誉に釣られ、勇者パーティーに加わる。 賢者:知的でセクシーな外見からモテるのだが、 賢者:性格がだいぶ残念な方。 賢者:天才だが致命的に語彙力がなく、ふわっとしたことしか口にしない。 賢者:だが、その外見と雰囲気で、なんとなく納得させてしまう。 賢者:サバサバ系を意識しているが、中身は単なる酒好きでだらしないおっさん系である。  : 戦士: 戦士:性別・♂ 戦士:屈強で漢らしい名門の家系の戦士。 戦士:だが、中身は乙女であり、部屋はふわふわくまちゃんとフリルでいっぱい。 戦士:戦士なので屈強だが、パーティーの中ではもっとも聞き上手。 戦士:パーティー内では頼れる戦士を気取っているが、 戦士:勇者と常に現れるイケメンに心揺らいでいる。 戦士:突如現れたイケメンの魔王と、見守り続けた勇者との三角関係に 戦士:乙女として苦い悩みを心に秘める(本人の妄想) 戦士:よく作者に、戦車と打ち間違えられる  :   :以下、劇開演  :  ラーテル:魔王様!勇者たちがついに攻め込んできました! ラーテル:現在、四天王が一人、ギルガメッチが抗戦していますが時間の問題です! ラーテル:どうか・・・お逃げください!! 魔王:フン・・・、案ずるな。勇者とて人・・・。 魔王:魔王たる我が負けることなど、断じてない! 魔王:何より、我を信じた部下や民を捨て置くなど・・・魔王として許されぬ! ラーテル:しかし!! 魔王:フフッ・・・、滅びるのは勇者か我か・・・、楽しみではないか。 魔王:ラーテルよ・・・。お前だけは逃げよ。 魔王:そして、我が敗れたのであれば、魔王として恥じぬ最後であったと・・・、語り継ぐが良い。 魔王:そのようなことはないがな。 ラーテル:・・・ならば、私もその最後にお供させていただきます!!決して、決して逃げません!! 魔王:・・・であるか・・・。だが、我は強欲なりし魔王! 魔王:我が部下が目の前で死ぬことは、断じて許さん!即刻、この場より去れ! ラーテル:魔王様!  : 0:勇者、魔王の間に飛び込む  : 賢者:お取り込み中のところ悪いけど・・・、追い詰めたわよ!魔王! 戦士:ここまでだ!やるぞ!勇者!! 勇者:すっげえ疲れた!帰りたい!  : 0:場の空気が凍る  : 賢者:え? 戦士:ん? ラーテル:へ? 魔王:むう? : 0:やがて、賢者、耳を疑うように 賢者:・・・何て? 勇者:超疲れた!賢者、めっちゃセクシーだからここまで来れたけど、すっげえ帰りたい! 戦士:いやいやいや!?ちょっと、おま、お前、まて!? 賢者:まっ、魔王!!あなた、勇者に呪いをかけたのね!!なんて卑劣な! 魔王:フッ・・・!フハハハハ!! 魔王:部下には言わなかったけど!実は、我もチョー眠いから、とっとと部屋に引きこもりたい!! : 0:再び、場の空気が凍る : 賢者:あ? 戦士:ん? 勇者:ほう? : 0:やがてラーテル、耳を疑うように : ラーテル:……へ? 魔王:さっきいい感じに言ったけど、ラーテルが逃げたら、引きこもる気マンマンでした!! ラーテル:いやいやいや!?魔王様!?ちょーっと!ちょーっと待ってくださいよ? : 0:勇者、食い気味に : 勇者:マジで!?引きこもるとこ、あんの!? 魔王:魔王の権力をなめるなよ!城をリフォームするときに、部下たちに秘密で玉座の真下にマイスペース作ったのだ!! 0:ラーテル、戦士、賢者、揃ってあっけに取られる ラーテル:は? 戦士:は? 賢者:は?  :  0:魔王、わりと早口で  :  魔王:裏口もついてて、コンビニまで五分。お菓子、エナドリも完備! 魔王:エアコン!4Kテレビ!新型プレスケ5!ムイッチ!エックスフォックス!ゲーミングPC! 魔王:あらゆる種族をダメにする椅子も、ぜーんぶある! 魔王:そして・・・歴代魔王、御用達(ごようたし)のお昼寝用のふわふわベッドと・・・ 魔王:くまちゃんもいるもんねー!  :  0:勇者、剣を構えて  :  勇者:ふわふわベッドにくまちゃんだと!!いいなあ!! 勇者:ってか、プレスケ5の新型!?完成していたの!!? 勇者:おのれ!魔王め!転売屋から購入したんだな!? 勇者:流石魔王!略して、さすまお!!死すべし! 魔王:(ブチギレて)この愚か者めがぁ!!  : 0:魔王、勝ち誇るように  : 魔王:・・・ふっ・・・これを見るがいい! 勇者:そ、それは・・・!  : 0:賢者、戦士、ラーテル、声を合わせて  :  賢者:それは? 戦士:それは? ラーテル:それは? 0:勇者、愕然として 勇者:お、大人にのみ許された・・・、ヨツバシのブラックマジックカード!? 魔王:フッフッフ・・・。 魔王:ヨツバシは平日ならば、在庫を随時入荷している! 魔王:そして転売防止のために、このブラックカードさえあれば・・・! 魔王:本当に必要としている、真のユーザーにのみ・・・購入が許されるのだ!! 0:勇者、震えながら 勇者:な、なんだと・・・ 魔王:この魔王・・・いかに悪に染まろうとも、マナーは守る! 魔王:決して、メーカーの心や、作り手の心を踏みにじるような真似はせぬ!! 魔王:見損なうな!!この痴れ者(しれもの)がぁ!! ラーテル:い、いや・・・そ、そこは買い占めとかした方が悪としては・・・ 魔王:転売屋死すべし!!  :  0:ラーテルに落雷が落ちる  :  ラーテル:アガガガガガ!!  :  0:魔王、めちゃくちゃブチギレて  :  魔王:それこそ!悪以下の悪!!人以下!魔族以下!!鬼畜にも劣る所業!う○ち! 魔王:このぉ・・・鬼畜リスゥ・・・、略してキチリスゥ・・・、お前ぇ、転売屋なのか!? 魔王:・・・ねじりきるぞ・・・。 ラーテル:ひっ、ひえええ!!め、めっそうもございません!! 0:勇者、突然、剣を落とし、むせびなく。 勇者:うう・・・、みんなあ・・・、すまない・・・。 賢者:い、いきなり、どうしたの?勇者? 戦士:勇者!?もしや正気に!?  : 0:勇者、甲子園で負けた球児並みに悔しそうに  : 勇者:負けだぁ・・・。俺の・・・負けだぁ・・・。 勇者:俺ぇ・・・、未成年だからぁ・・・、マジックカードなんて・・・作れねえよ・・・。 勇者:・・・プレスケ5・・・、諦めるしか・・・ねえのか・・・。 賢者:い、いや・・・、そんな・・・戦闘中盤のピンチの時みたいに泣かれても・・・。 戦士:そ、そうだぞ!勇者、こういうのは勝ち負けじゃない! 戦士:大人になるまで待てばいいし、10代の今しか楽しめないことだって、いっぱいだぞ! 賢者:戦士、その言葉は今じゃない。 魔王:フハハ!!無様!無様! 魔王:・・・勇者ともあろうものが無様だな!! 魔王:・・・だが、その気持ち・・・痛いほど、わかぁーる!! ラーテル:ええ・・・、わかっちゃうんだ・・・。 魔王:ワシだってスーハミが出た時など、母上に 魔王:『うちには赤いのあるでしょ!ゲームなんてどれも同じ!うちはうち!よそはよそ!』 魔王:と言われ、泣く泣く・・・、 魔王:一週間、魔王特権で友達の家でやらせてもらった。 賢者:権力を盾にテレビを独占・・・。な、なんて恐ろしい!! 戦士:親も上司の子だから口を出しづらい…。卑劣すぎる…。 ラーテル:シンプルに・・・魔王様のお友達、かわいそすぎる・・・。 魔王:フハハ!七つの大罪を極めしが魔王!この程度、造作もないわ! 魔王:その後、根負けした母上にスーハミを買わせた挙句、詫びに持たされた金色のお菓子で和解したわ!! 0:魔王、苦い思い出を噛み締めるように 魔王:・・・まあ、こっ酷く叱られたがな・・・ ラーテル:逆にそれで済むことに驚きを隠せません・・・ 賢者:金色のお菓子が、暗喩(あんゆ)かどうかで話が変わってくるわね・・・。 戦士:なあ・・・、ところで、スーハミってなんだ? 魔王:さて!勇者よ、お前の未熟ゆえの苦しみ、魔王たる我には救ってやることができる・・・。 ラーテル:おお!!魔王様らしいムーヴ!!ようやく・・・ 魔王:お前に我の、プレスケ5のコントローラーを触らせてやろう!! 賢者:せっこ! ラーテル:しょーもな・・・。 戦士:普通にやらせてやればいいのに・・・。 勇者:くっ・・・!!見るだけならまだしも、触るだけとは!! 勇者:流石魔王!!略してさすまお!!名前にたがわぬ悪とは、お前のこと!! 賢者:ねえ、さっきからこの略してって流れ、なんなの? 戦士:さ、さあ・・・? 魔王:フハハ!!褒められても、起動ボタンしか押させんぞ! ラーテル:魔王様!?ちょっと喜んでらっしゃる!? 魔王:だが条件がある・・・。 勇者:なんだ、言ってみろ! 0:魔王、素になる 魔王:その剣、しまってくれない? ラーテル:魔王様!? 0:賢者と戦士勝ち誇ったように 賢者:ふっ!魔王、やはり聖剣に臆する(おくする)のね! 戦士:三賢者(さんけんじゃ)のいうとおりか!!  : 0:魔王、普通のテンションから、だんだん大○洋っぽくなる。わからなかったらノリで。  : 魔王:いや、ふつー、人の家で刃物出されたら、まじ怖いでしょ。 賢者:・・・。 戦士:・・・。 魔王:キミたちねえ、アレだよ? ラーテル:あ、これ、めんどくさい流れだ・・・。 魔王:想像してみてもごらんなさいよ。 魔王:いきなり人がくつろいでるところにだよ? 魔王:おいつめたぞー・・・、覚悟しろー・・・って。 魔王:ボクたち、初対面だよ?しかも、土足だよ? 魔王:そこでさ?いきなり・・・、刃物出されて向けられたらどうなのよお? 賢者:そ、そんな・・・犯罪者みたいに!ねえ? 戦士:そ、そうだぞ、我々とて悪気があってしているわけではない! 戦士:こ、これも世界のため!!これは犯罪行為ではない!全ては悪を滅するためだ!!  : 0:魔王、たたみかけるように  : 魔王:恥ずかしげもなく、よく言ったね!? 魔王:キミたち、人間は都会だからいいですよ。ここ魔界だよ!? 魔王:なんか知らん骨と、草しかないんだよ!? 魔王:魔界の観光地をごらんなさいよ!毒沼と自殺名所しかないんだよ!? ラーテル:サラッと魔界の悪口言ったな・・・。 魔王:でも、我々だって生活しないといけないわけよ。 魔王:そこをだよ?悪だー切るぞーって、キミたちねえ・・・。 賢者:・・・。 戦士:・・・。 魔王:これ、あれだよ?勇者かー、犯罪者かーっていうとだよ? 魔王:どっちかっていうとあれだよ?勇者じゃなくて、 魔王:犯罪者だよ? 賢者:たしかに。 戦士:わかる。 ラーテル:いや!そこはわかるなよ!! ラーテル:というか、さっきからなんかクセのある喋り方だと思ったら、 ラーテル:魔王様、大湖洋(おおみずうみ よう)を意識してらっしゃる・・・。 ラーテル:最近、やけにパイを勧めてくると思ったら!! ラーテル:ってか、伝わるのか!!リスナーに!! 0:勇者、急に凛々しくなる。 勇者:魔王、お前の話、よくわかった・・・。 勇者:この聖剣はさやにしまうことにしよう・・・。 賢者:勇者!? 戦士:勇者、しかし・・・! 0:勇者、無念そうに 勇者:すまない・・・、みんな・・・。 勇者:俺・・・、プレスケの起動ボタンだけでも・・・押したいんだ・・・。 賢者:勇者!? 戦士:勇者、そこまで!? ラーテル:起動ボタンって、そこまでなの!? 賢者:でも、ここで諦めたら・・・なんか、ほら、これまでの冒険は!?ここまでのみんなの犠牲はどうなるの!? ラーテル:おっ!いい流れ! 戦士:そうだぞ!勇者!全て水の泡に! ラーテル:そうだ!もっとやれ! 勇者:みんな、聞いてくれ・・・。理由はもう一つある。 勇者:魔王の話を聞いて、考えさせられた・・・。 勇者:冷静に考えて・・・、今の俺たちはだいぶヤバい。 賢者:わかる。 戦士:たしかに。 ラーテル:そこでわかるなよ!! ラーテル:っていうか、さっきからなんなんですか!! ラーテル:魔王様も、人族も!!戦うんじゃないんですか!? 賢者:確かに・・・。なんだかおかしいわ。 戦士:そういえば、この城に入ってから・・・なんだかおかしいな・・・。 ラーテル:え? 賢者:私たちもなんだか、妙にこう・・・ 戦士:つい、ツッコミを入れてしまうような・・・。 ラーテル:そこなの!?おかしいの! 0:賢者、ふと思いついたように 賢者:もしかして!これは・・・大聖霊さまが起こす、本音でしゃべろうの奇跡? 戦士:賢者、知っているのか!? 0:ラーテル、うさんくさげに ラーテル:え・・・、なんですか・・・?その適当な名前の奇跡・・・。 賢者:ええ、これは人族でも限られたものしか知らない、失われた伝承なのだけれど・・・。 賢者:大聖霊様はある時、建前(たてまえ)を言うのがめんどくさくなって 賢者:『本音でしゃべろう』の奇跡を起こされたそうよ・・・。 賢者:それ以来、適当なところで一度起きれば・・・、 賢者:適当なものたちが建前なしで、本音で話すことしかできなくなると言われているわ・・・。 ラーテル:失われるのも納得するほど、どうでもいい伝承ですね・・・。 ラーテル:っていうか、なんだそのふわっとした奇跡・・・。 勇者:剣しまったぞ!起動ボタン触らせろ! 魔王:きみは乱暴な人だねえ・・・。まずはお願いしますダルォ? 戦士:しかし、どうする・・・?このままではらちがあかんぞ。 ラーテル:気のせいと思いたいですが・・・、さっきからどんどん本音がひどくなってる気がします・・・。 賢者:任せて!! 戦士:何!? ラーテル:おお!何かあるんですか!? 勇者:ダメにする椅子、座らせろ! 魔王:あれ、我の!! 賢者:こんなこともあろうかと、本音でしゃべるかしゃべらないのかはっきりしよう草(くさ)を持っていたのよ! 戦士:さすがだな! ラーテル:え、こんなこともって・・・、 ラーテル:備えが必要なほど起こるもんなんですか?この奇跡。 勇者:名前草 魔王:適当すぎて草 ラーテル:ネットスラング連発しないでください!紛らわしい!! ラーテル:というか、それ、本音でしゃべるかしゃべらないかって・・・、 ラーテル:今のお二人のように、本音でしゃべるようになることもあるんですか? 賢者:ええ。これは大聖霊様がこのような間違いが起こらぬよう、祝福を与えてくださった神聖な草・・・。 賢者:けれど、間違いが間違いだったら、責任を取るのがめんどくさかったから・・・、 賢者:どうとでも取れるように、本音で喋れる祝福も与えたの。 ラーテル:ええ・・・、人間の大聖霊様、面倒なこと多すぎでは・・・。 賢者:早速、使ってみましょう! 賢者:ちなみに・・・、本音で喋らなくなる確率が0.4%、そこそこが9.6%、本音で喋る率は90%以上よ!! ラーテル:シブいガチャの限定かよ!?ま、待てええ!!! : : 0:ラーテルは何も変わらなかった! 0:賢者はそこそこ本音で喋るようになった! 0:戦士と魔王と勇者から建前が消えた! : 0:ラーテル、怯えたように : ラーテル:えっ?えっ? ラーテル:な、なんか・・・、死の宣告を受けたような寒気が・・・。みなさん、どうですか? 賢者:・・・。 ラーテル:け、賢者さん? 賢者:なんかぁ?失敗した気がするけど?まあまあ、結果オーライなんじゃないかな!? 勇者:おい!魔王!!魔王部屋、行こうぜ!! 魔王:はー?わけわかんね。他人とゲームとか、たるいわぁ・・・。 ラーテル:う、うわあああ!!!やっぱりぃぃぃ!!あ!戦士さんは!?唯一の人族の希望よ!! 戦士:・・・。 ラーテル:せ、戦士、さん? : 0:戦士、乙女になる : 戦士:アタシ・・・勇者のこと、ずっとみてた・・・。 ラーテル:・・・は? 戦士:でも、魔王様を見てると・・・心がイタイの・・・。 戦士:この胸の痛みは・・・恋?アタシはどうすれば・・・? ラーテル:え・・・。ええええええ!? 賢者:マジかー!戦士、そういう感じかー!あたし、公務員がいいわー。 ラーテル:おま!お前、黙って!?え!?何!?成功したの僕だけ!? 賢者:っぽいねー!でも、まー、ありっちゃあり? ラーテル:いや!!ないよりのなしだよ!!え、何この空間!!地獄だよ!! ラーテル:魔界で地獄見るとは思わなかったよ!!! ラーテル:いや!っていうか、これですら、まだオブラートに包んでるからね!!? 戦士:んもう・・・、ラーテルちゃん、かわいいのにぃ・・・。こーわーいー! 勇者:草 魔王:草 賢者:わりと草 ラーテル:な、なんなんだよ!おまえらぁ! ラーテル:ていうか、魔王様!!しっかりしてください!部下や民はどうするんですか!?  :  0:一瞬の間の後、魔王、言い出しづらそうに 魔王:あー・・・、いやぁ、実はさ・・・?今、魔王城にいる魔物、おまえと我だけなんだ。  :  0:ラーテル、今日イチで凍りつく  : ラーテル:・・・は? : 魔王:いや、俺も止めたんだよ? 魔王:でも、なんか、おまえ以外はみんな本音を言い出して、 魔王:実は魔王様と死ぬの嫌でしたーって・・・・、昨日の夜逃げちった!テヘ!  : 0:ラーテル、だんだん怒り始める  : ラーテル:・・・はあ?・・・・・・はあ!? 魔王:残ってくれた四天王の一人も、 魔王:出来心で残ってみたけど剣が怖いし、暑いからーって・・・帰っちゃった!テヘペロ!  : 0:ラーテル、怒りとあきれに震えて  : ラーテル:ど、通りではやいと・・・。ギルガメッチ・・・、そこそこだったのか・・・。 戦士:ああん・・・、かわいそう・・・。アタシがだっこしてあ・げ・る! 勇者:草。 賢者:割と草。  : 0:ラーテル、途方に暮れて、我にかえり  : ラーテル:えっ!?えっ!?じゃあ、この魔王城、昨日の夜から『本音でしゃべろう』の奇跡とやらに? 魔王:うん!我も、いつ本音でしゃべろう迷ってたとこ! 魔王:ぶっちゃけ、おまえが逃げたらとっとと引きこもってたし、 魔王:残るとか言い出した時は、 魔王:うわ・・・、こいつめんどくせえなって思ってた!テヘペロリン! 戦士:んふー!それ!かわいい!魔王様のテヘペロリン・・・。 勇者:草 賢者:割と草  : 0:ラーテル、ついにブチギレる ラーテル:ブチッ!こ、こ、このーーーーーーーー!!!!!  : 戦士:いや〜んっ! 勇者:は?こわ。 魔王:え?なんかキレた。こわ。 賢者:理由はわからんでもないけど、ドンマイでーす笑  : 0:ラーテル、殺意の波動に目覚めて  : ラーテル:おま、おま、おまえらあああああああ!!ゆ、ゆ、許さん!!!!絶対に許さんぞおおおお!!! 戦士:いや〜ん!怒ってるぅ!アタシでよかったら、ハナシ聞くヨ? 勇者:絶許(ぜっゆる)とかいうやつ、初めてみた草。 魔王:我も初めて見たわー、草。なんか、めっちゃキレてるし草。 賢者:まー、そういうことも人生あるし?ドンマイ草。 ラーテル:なんにでも草つけるなああああ!!!  : 0:勇者、だるそうに  : 勇者:つかさー?もう、俺、眠気MAXなんだわー。 勇者:途中のコンビニでこっそりプリン買ってきたからさ、これで魔王部屋、入れてくんない? 魔王:あ!それ数量限定のやつじゃん!言ーえーよー! 魔王:入れ入れ。我も昨日のゲームの続き、やるわ。 戦士:んーとぉ・・・、くまちゃん触りたいから・・・、アタシもお邪魔しちゃう! 賢者:なんかぁ、世界の平和とかまずい気がするんだけど・・・? 賢者:まあ、空気読んでお邪魔するわー。私もこっそり買ってきたプリン、食べたいし。  : 0:以下、賢者の語り  : 賢者:こうして、魔王と勇者一行は、みんながこっそり買ってきたコンビニの限定プリンで和解し、 賢者:魔王は人々の王と本音で話し、世界は平和を取り戻したそうです。 賢者:ラーテルの姿は、私たちが出たときにはありませんでした・・・。 賢者:まあ、でも、ゲーム面白かったし、プリンが美味しかったので、割とみんなどうでもよかったです。 賢者:他にもなんやかんや、こう、色々グワッとなることもあったと思うのですが、 賢者:説明するのが面倒なので、世は押しなべてこともなし・・・とか、よくあるふわっとした言葉で締めようと思います。 賢者:めでたしめでたし。  : 0:ラーテル、最後のブチ切れモード。もう少しだ!がんばれ、ラーテル!  : ラーテル:めでたくねええええ!!! ラーテル:許せない・・・。こんなの許せない・・・。なんか、こういうよくわからん、ふわっとした終わり方もだけど・・・。 ラーテル:0.4%以上を引いた自分がハズレってのが一番許せない!! ラーテル:コノヤローーー!!!!炎上案件だーーーーー!!! : : :完!