台本概要
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タイトル | Scrap witch !? 第1話 始まりは絶望とともに |
---|---|
作者名 | 狗山犬壱(イヌヤマ ケンイチ) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
これはボッチ・コミュ障・引きこもりの3拍子揃った魔女見習いピリアの苦労と涙の物語。 188 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ピリア | 女 | 50 | 主人公。骨好きな変人。日々、師匠からの無茶ぶり課題を泣きながら達成している哀れな少女。なお難易度は常人であればイージー。 |
カルシゥム | 男 | 46 | ピリアの相棒にして使い魔。自身の頭蓋骨に取り憑いた幽霊。ピリアを母のように世話を焼き、父のように面倒を見る苦労人。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:薄暗い部屋の中、カリカリという音が響く
0:部屋にはベッドと本棚、机と椅子のみ机の上には薬草と思わしき草束と開かれた本
0:そして、なぜか頭蓋骨が置かれていた。
ピリア:「これを…こうして…それから」
0:小柄な少女が床に座り込んでいた
0:黒いフード付きのローブを着込み、床へと無心で何かを描いている
0:フードを深く被っている為か、隠れへの字に歪ませた口元だけが確認できる。
ピリア:「フヒ…フヒヒ…」
0:不意に少女…ピリアが個性的な笑い声をあげると
0:部屋の中に響いていたチョークの音が止まった
ピリア:「で、できたぁ…!こ、これで完成したはず」
0:ピリアはそう言うと満足げに不器用に笑った
ピリア:「そ、それじゃあ、早速…!」
0:彼女は机に立て掛けておいた杖を取り
0:先程まで描いていたもの…魔方陣の上へと移動した
ピリア:「よ、よぉし…!」
0:ピリアは気合いをいれると目を瞑り、杖を自身の前へとかかげる
ピリア:「来たれ、我が使い魔よ。汝(なんじ)が揺りかごへ」
0:ピリアがそう唱えると魔方陣が薄く光を帯びる
0:その時、机の上に置かれていた頭蓋骨がひとりでに動き出した
0:頭蓋骨はカタカタと揺れると、宙へと浮き上がり
0:ピリアの元へゆっくり近づいていく
ピリア:「お、おいで…カルさん」
0:呼びかけに答えたのか、頭蓋骨は速度をあげる
0:やがて少女のかかげた杖の先端に頭蓋骨は収まった。
ピリア:「や、やた…!せ、成功ですぅ…!」
0:余程嬉しかったのか
0:彼女らしからぬ満面の笑みをピリアは浮かべた。
カルシゥム:「ん…?お、成功したみたいだなお嬢」
0:突然、人骨がカタカタと音をたて、喋り出した
ピリア:「う、うん…!」
ピリア:「な、なんとか成功したよカルさん…!」
カルシゥム:「おお、えらいえらい。よく頑張ったな、お嬢」
カルシゥム:「しっかし見習いの魔女相手に、使い魔の触媒(しょくばい)作成を命じるとか…」
カルシゥム:「あれって、本来なら一人前の魔女がやる仕事だったよな?」
ピリア:「う、うん。材料集めとか、必要な術式の構築とか」
ピリア:「色々…難しかったです」
カルシゥム:「何度も泣きべそかきながら必死こいてがんばってたもんな、お嬢」
ピリア:「うぅ…ここ数日寝てないので、ね、眠気が…」
カルシゥム:「大丈夫か、お嬢?」
ピリア:「な、なんとか…あ、師匠に完成の報告をしないと…」
カルシゥム:「ああ、良いよ。そんなのは後にしな」
ピリア:「で、でもぉ…」
カルシゥム:「どうせこっちの様子、水晶でのぞき見て楽しんでいるんだろ」
ピリア:「う…た、多分…」
カルシゥム:「マジでおっかねぇな、ドS師匠…」
0:カルシゥムの言葉にピリアは少し慌てる
ピリア:「え、えと…し、師匠は必死に努力すれば達成できる課題しか出さないから…」
ピリア:「そ、そのぉ…」
0:カルシゥムはピリアの様子に気付き気まずそうに顎をカタカタ揺らす
カルシゥム:「悪いお嬢。別にお師匠さんを悪く言いたい訳じゃないんだが」
カルシゥム:「あまりにもお嬢の扱いがひどかったから、つい…な」
ピリア:「あ、あはは…」
ピリア:「で、でも、気にかけてくれたのは…その、嬉しかったです」
ピリア:「…えへへ、カルさん、ありがとです」
0:少しハニカミながらお礼を言うピリアに
0:カルシゥムは嬉しげにカタカタと顎を揺らした
カルシゥム:「ま、何はともあれお疲れ、お嬢。」
カルシゥム:「確か課題を達成したら」
カルシゥム:「休みが貰えるんだったよな」
0:カルシゥムの言葉にピリアは眼を輝かせる。
ピリア:「そ、そうです!お休みです!」
ピリア:「こ、これでやっとカルさんを愛でながらゴロゴロ出来ますぅ!」
0:ピリアの言葉に少し呆れた様子でカルシゥムは顎をカタカタと揺らす
カルシゥム:「…お嬢、たまにはお日様浴びな?」
カルシゥム:「じゃないといい加減キノコが生えちまうぞ」
ピリア:「そ、外…!?じょ、冗談じゃないですぅ!」
ピリア:「外なんかに出たら、身体中焼け焦げちゃいますよぉ!」
カルシゥム:「いや焼け焦げねぇって…つか早っ」
0:ピリアはベッドの上へと素早く上がり、シーツに包まった。
0:それと同時にベッドにたまっていたほこりが舞いあがり
0:二人の視界が白く染まる
カルシゥム:「うお!?どんだけほこりたまってんだよ!」
ピリア:「あ、こ、これは…その!」
カルシゥム:「お嬢!俺が寝てる間、掃除サボっただろ!」
0:シーツに包まりながらピリアはギクリと体を揺らし
0:顔を青く染め、オロオロとする
ピリア:「ひぇぇ…だ、だって課題がぁ…」
0:カルシゥムは少し怒ったようにカチカチと歯を鳴らす
カルシゥム:「だってじゃねぇ!ほこりってやつは一見無害に見えるが」
カルシゥム:「吸い込み続けてると、肺炎やくしゃみが止まらない病気にかかっちまう時があるんだ」
カルシゥム:「お嬢は生きているんだから、そう言うのはちゃんとしないとダメだろ」
ピリア:「うぅ…しゅ、しゅみませぇん…」
カルシゥム:「あーあーあ、部屋中ほこりまみれじゃねぇか」
カルシゥム:「お嬢、掃除するから戦闘術式」
ピリア:「は、はぃぃ…!」
0:カルシゥムの言葉に応じ、ピリアはベッド上で杖を構える。
カルシゥム:「…いや、ベッドから下りようやお嬢」
ピリア:「さ、さぁー、やりますよぉー…!」
カルシゥム:「ったく…」
0:ピリアは眼を閉じ、杖をかかげる
ピリア:「揺りかごより起き上がれ、我が使い魔よ」
0:ピリアは静かに使い魔への詠唱を紡ぐ
ピリア:「汝(なんじ)が拳(こぶし)は我が剣(つるぎ)、汝が体は我が鎧(よろい)」
0:かかげた杖を自身の前へと下ろし、先端を虚空へと向ける
ピリア:「契約者ピリア=オストーが告げる!あらゆる外敵より我が身を守れ!」
0:虚空へと向けた杖の先端に収まっていたカルシゥムが浮き上がり、光へと包まれる。
ピリア:「顕現(けんげん)せよ!カルシゥム!」
0:ピリアの詠唱が終わり、カルシゥムを包んでいた光が収まると
0:そこには一体のスケルトンが立っていた
0:簡素な革鎧に身を包み、腰には剣を帯びている。
カルシゥム:「よし。成功と」
0:カルシゥムは体の調子を確かめるように体を動かす。
カルシゥム:「動きに問題はないな。しかし…」
0:カルシゥムはピリアの方へと顔を向ける
ピリア:「え、えと…どうかしました…?」
カルシゥム:「毎度思うんだが、この詠唱…痛くね?」
0:カルシゥムの言葉にピリアは顔を赤くする
ピリア:「だだ、だってしょうがないじゃないですかぁ!」
ピリア:「わ、私だってほんとは、もっと短い詠唱にしようとしたのにぃ…!」
0:ピリアはシーツに再度包まり、体をプルプルと震わせる
ピリア:「し、師匠が無理矢理術式を変えて…こんな恥ずかしい詠唱にぃ…!」
ピリア:「うぅ…!あ、アタシは痛くないもん…!」
カルシゥム:「…あの師匠、ホントにやべぇな」
カルシゥム:「弟子の泣き顔と困り顔見たさに、そこまでやるとは…」
0:カルシゥムは面倒臭そうにカタカタ顎を揺らす
カルシゥム:「まぁ良いか。さって、じゃあお掃除といきますか」
0:カルシゥムは肩を回しながらほうきを取り向かう
カルシゥム:「お嬢、手伝わなくても良いから部屋から出てな」
ピリア:「え、ええと…出なきゃダメです?」
カルシゥム:「ダメ」
ピリア:「うぅ…お外、嫌ですぅ…!」
0:1時間後、掃除された部屋へとピリアは戻ってきた
ピリア:「た、ただいまです」
カルシゥム:「おう、お帰りお嬢。」
0:ほうきを担いだカルシゥムがピリアを出迎える
カルシゥム:「さっきお師匠さんの使い魔が来て巻物(スクロール)置いてったぜ」
0:カルシゥムは机の上の巻物を指差す。巻物を見てピリアの顔が青く染まった
ピリア:「な、ななな、なんでしょうか…!?」
ピリア:「も、もも、もしかしてアタシ、なにかやっちゃいましたぁ!?」
カルシゥム:「お嬢、テンパりすぎ。あとその台詞はやめとけ」
0:カルシゥムは肩をすくめどこか呆れたようにカタカタと顎を揺らす
カルシゥム:「普通に考えて課題に関係することだろ?多分」
ピリア:「そ、そうですよね!課題!そう!きっとそうです!」
カルシゥム:「ま、何はともあれ見てみなよお嬢」
ピリア:「は、はい!」
0:カルシゥムの言葉を受け、ピリアは巻物を勢いよく広げる
ピリア:「えぇと…ふむふむ…ぴぇぇっ!!こ、これはぁ!?」
0:巻物を読み終えたピリアは顔色が青く染め、床へと落としてしまう
カルシゥム:「お、おい!お嬢、大丈夫か!?」
ピリア:「あ、あばばば、か、カルさぁん…」
0:ピリアは目に涙を浮かべカルシゥムへと向き直る
カルシゥム:「ど、どうした、そんなにキツい内容だったのか?」
ピリア:「アタシ…死ぬかもしれないですぅぅぅぅ!l」
カルシゥム:「はぁ!?」
0:カルシゥムはピリアが落とした巻物を拾い、目を向ける
カルシゥム:「あのドS師匠、今度はどんな無茶ぶりを…」
カルシゥム:「…って、おいおい!これは…!」
0:一通り巻物に目を通したカルシゥムは驚きのあまり顎を落とす
カルシゥム:「…マジか」
ピリア:「どうしてぇ…どうしていつもこんな目にぃぃ…!」
0:ピリアの開いた巻物には何が書かれていたのか
0:ピリアの身に何が起こってしまうのか
カルシゥム:「…お嬢、強く生きろよ」
ピリア:「誰かぁ!誰かたずげてくださぁぁーいぃぃ!」
0:次回に続く!
0:薄暗い部屋の中、カリカリという音が響く
0:部屋にはベッドと本棚、机と椅子のみ机の上には薬草と思わしき草束と開かれた本
0:そして、なぜか頭蓋骨が置かれていた。
ピリア:「これを…こうして…それから」
0:小柄な少女が床に座り込んでいた
0:黒いフード付きのローブを着込み、床へと無心で何かを描いている
0:フードを深く被っている為か、隠れへの字に歪ませた口元だけが確認できる。
ピリア:「フヒ…フヒヒ…」
0:不意に少女…ピリアが個性的な笑い声をあげると
0:部屋の中に響いていたチョークの音が止まった
ピリア:「で、できたぁ…!こ、これで完成したはず」
0:ピリアはそう言うと満足げに不器用に笑った
ピリア:「そ、それじゃあ、早速…!」
0:彼女は机に立て掛けておいた杖を取り
0:先程まで描いていたもの…魔方陣の上へと移動した
ピリア:「よ、よぉし…!」
0:ピリアは気合いをいれると目を瞑り、杖を自身の前へとかかげる
ピリア:「来たれ、我が使い魔よ。汝(なんじ)が揺りかごへ」
0:ピリアがそう唱えると魔方陣が薄く光を帯びる
0:その時、机の上に置かれていた頭蓋骨がひとりでに動き出した
0:頭蓋骨はカタカタと揺れると、宙へと浮き上がり
0:ピリアの元へゆっくり近づいていく
ピリア:「お、おいで…カルさん」
0:呼びかけに答えたのか、頭蓋骨は速度をあげる
0:やがて少女のかかげた杖の先端に頭蓋骨は収まった。
ピリア:「や、やた…!せ、成功ですぅ…!」
0:余程嬉しかったのか
0:彼女らしからぬ満面の笑みをピリアは浮かべた。
カルシゥム:「ん…?お、成功したみたいだなお嬢」
0:突然、人骨がカタカタと音をたて、喋り出した
ピリア:「う、うん…!」
ピリア:「な、なんとか成功したよカルさん…!」
カルシゥム:「おお、えらいえらい。よく頑張ったな、お嬢」
カルシゥム:「しっかし見習いの魔女相手に、使い魔の触媒(しょくばい)作成を命じるとか…」
カルシゥム:「あれって、本来なら一人前の魔女がやる仕事だったよな?」
ピリア:「う、うん。材料集めとか、必要な術式の構築とか」
ピリア:「色々…難しかったです」
カルシゥム:「何度も泣きべそかきながら必死こいてがんばってたもんな、お嬢」
ピリア:「うぅ…ここ数日寝てないので、ね、眠気が…」
カルシゥム:「大丈夫か、お嬢?」
ピリア:「な、なんとか…あ、師匠に完成の報告をしないと…」
カルシゥム:「ああ、良いよ。そんなのは後にしな」
ピリア:「で、でもぉ…」
カルシゥム:「どうせこっちの様子、水晶でのぞき見て楽しんでいるんだろ」
ピリア:「う…た、多分…」
カルシゥム:「マジでおっかねぇな、ドS師匠…」
0:カルシゥムの言葉にピリアは少し慌てる
ピリア:「え、えと…し、師匠は必死に努力すれば達成できる課題しか出さないから…」
ピリア:「そ、そのぉ…」
0:カルシゥムはピリアの様子に気付き気まずそうに顎をカタカタ揺らす
カルシゥム:「悪いお嬢。別にお師匠さんを悪く言いたい訳じゃないんだが」
カルシゥム:「あまりにもお嬢の扱いがひどかったから、つい…な」
ピリア:「あ、あはは…」
ピリア:「で、でも、気にかけてくれたのは…その、嬉しかったです」
ピリア:「…えへへ、カルさん、ありがとです」
0:少しハニカミながらお礼を言うピリアに
0:カルシゥムは嬉しげにカタカタと顎を揺らした
カルシゥム:「ま、何はともあれお疲れ、お嬢。」
カルシゥム:「確か課題を達成したら」
カルシゥム:「休みが貰えるんだったよな」
0:カルシゥムの言葉にピリアは眼を輝かせる。
ピリア:「そ、そうです!お休みです!」
ピリア:「こ、これでやっとカルさんを愛でながらゴロゴロ出来ますぅ!」
0:ピリアの言葉に少し呆れた様子でカルシゥムは顎をカタカタと揺らす
カルシゥム:「…お嬢、たまにはお日様浴びな?」
カルシゥム:「じゃないといい加減キノコが生えちまうぞ」
ピリア:「そ、外…!?じょ、冗談じゃないですぅ!」
ピリア:「外なんかに出たら、身体中焼け焦げちゃいますよぉ!」
カルシゥム:「いや焼け焦げねぇって…つか早っ」
0:ピリアはベッドの上へと素早く上がり、シーツに包まった。
0:それと同時にベッドにたまっていたほこりが舞いあがり
0:二人の視界が白く染まる
カルシゥム:「うお!?どんだけほこりたまってんだよ!」
ピリア:「あ、こ、これは…その!」
カルシゥム:「お嬢!俺が寝てる間、掃除サボっただろ!」
0:シーツに包まりながらピリアはギクリと体を揺らし
0:顔を青く染め、オロオロとする
ピリア:「ひぇぇ…だ、だって課題がぁ…」
0:カルシゥムは少し怒ったようにカチカチと歯を鳴らす
カルシゥム:「だってじゃねぇ!ほこりってやつは一見無害に見えるが」
カルシゥム:「吸い込み続けてると、肺炎やくしゃみが止まらない病気にかかっちまう時があるんだ」
カルシゥム:「お嬢は生きているんだから、そう言うのはちゃんとしないとダメだろ」
ピリア:「うぅ…しゅ、しゅみませぇん…」
カルシゥム:「あーあーあ、部屋中ほこりまみれじゃねぇか」
カルシゥム:「お嬢、掃除するから戦闘術式」
ピリア:「は、はぃぃ…!」
0:カルシゥムの言葉に応じ、ピリアはベッド上で杖を構える。
カルシゥム:「…いや、ベッドから下りようやお嬢」
ピリア:「さ、さぁー、やりますよぉー…!」
カルシゥム:「ったく…」
0:ピリアは眼を閉じ、杖をかかげる
ピリア:「揺りかごより起き上がれ、我が使い魔よ」
0:ピリアは静かに使い魔への詠唱を紡ぐ
ピリア:「汝(なんじ)が拳(こぶし)は我が剣(つるぎ)、汝が体は我が鎧(よろい)」
0:かかげた杖を自身の前へと下ろし、先端を虚空へと向ける
ピリア:「契約者ピリア=オストーが告げる!あらゆる外敵より我が身を守れ!」
0:虚空へと向けた杖の先端に収まっていたカルシゥムが浮き上がり、光へと包まれる。
ピリア:「顕現(けんげん)せよ!カルシゥム!」
0:ピリアの詠唱が終わり、カルシゥムを包んでいた光が収まると
0:そこには一体のスケルトンが立っていた
0:簡素な革鎧に身を包み、腰には剣を帯びている。
カルシゥム:「よし。成功と」
0:カルシゥムは体の調子を確かめるように体を動かす。
カルシゥム:「動きに問題はないな。しかし…」
0:カルシゥムはピリアの方へと顔を向ける
ピリア:「え、えと…どうかしました…?」
カルシゥム:「毎度思うんだが、この詠唱…痛くね?」
0:カルシゥムの言葉にピリアは顔を赤くする
ピリア:「だだ、だってしょうがないじゃないですかぁ!」
ピリア:「わ、私だってほんとは、もっと短い詠唱にしようとしたのにぃ…!」
0:ピリアはシーツに再度包まり、体をプルプルと震わせる
ピリア:「し、師匠が無理矢理術式を変えて…こんな恥ずかしい詠唱にぃ…!」
ピリア:「うぅ…!あ、アタシは痛くないもん…!」
カルシゥム:「…あの師匠、ホントにやべぇな」
カルシゥム:「弟子の泣き顔と困り顔見たさに、そこまでやるとは…」
0:カルシゥムは面倒臭そうにカタカタ顎を揺らす
カルシゥム:「まぁ良いか。さって、じゃあお掃除といきますか」
0:カルシゥムは肩を回しながらほうきを取り向かう
カルシゥム:「お嬢、手伝わなくても良いから部屋から出てな」
ピリア:「え、ええと…出なきゃダメです?」
カルシゥム:「ダメ」
ピリア:「うぅ…お外、嫌ですぅ…!」
0:1時間後、掃除された部屋へとピリアは戻ってきた
ピリア:「た、ただいまです」
カルシゥム:「おう、お帰りお嬢。」
0:ほうきを担いだカルシゥムがピリアを出迎える
カルシゥム:「さっきお師匠さんの使い魔が来て巻物(スクロール)置いてったぜ」
0:カルシゥムは机の上の巻物を指差す。巻物を見てピリアの顔が青く染まった
ピリア:「な、ななな、なんでしょうか…!?」
ピリア:「も、もも、もしかしてアタシ、なにかやっちゃいましたぁ!?」
カルシゥム:「お嬢、テンパりすぎ。あとその台詞はやめとけ」
0:カルシゥムは肩をすくめどこか呆れたようにカタカタと顎を揺らす
カルシゥム:「普通に考えて課題に関係することだろ?多分」
ピリア:「そ、そうですよね!課題!そう!きっとそうです!」
カルシゥム:「ま、何はともあれ見てみなよお嬢」
ピリア:「は、はい!」
0:カルシゥムの言葉を受け、ピリアは巻物を勢いよく広げる
ピリア:「えぇと…ふむふむ…ぴぇぇっ!!こ、これはぁ!?」
0:巻物を読み終えたピリアは顔色が青く染め、床へと落としてしまう
カルシゥム:「お、おい!お嬢、大丈夫か!?」
ピリア:「あ、あばばば、か、カルさぁん…」
0:ピリアは目に涙を浮かべカルシゥムへと向き直る
カルシゥム:「ど、どうした、そんなにキツい内容だったのか?」
ピリア:「アタシ…死ぬかもしれないですぅぅぅぅ!l」
カルシゥム:「はぁ!?」
0:カルシゥムはピリアが落とした巻物を拾い、目を向ける
カルシゥム:「あのドS師匠、今度はどんな無茶ぶりを…」
カルシゥム:「…って、おいおい!これは…!」
0:一通り巻物に目を通したカルシゥムは驚きのあまり顎を落とす
カルシゥム:「…マジか」
ピリア:「どうしてぇ…どうしていつもこんな目にぃぃ…!」
0:ピリアの開いた巻物には何が書かれていたのか
0:ピリアの身に何が起こってしまうのか
カルシゥム:「…お嬢、強く生きろよ」
ピリア:「誰かぁ!誰かたずげてくださぁぁーいぃぃ!」
0:次回に続く!