台本概要
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タイトル | Scrap witch !? 第2話 理不尽は突然に!? |
---|---|
作者名 | 狗山犬壱(イヌヤマ ケンイチ) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 3人用台本(男1、女2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
師匠に新たな課題を与えられたピリア。一体どんな課題を与えられたのか?今日も彼女の苦労が幕を開ける。
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ピリア | 女 | 59 | 主人公。変な奇声を上げることが多い。今回も師匠からの無茶ぶりが炸裂。演じる方は喉に気を付けてね |
カルシゥム | 男 | 83 | ピリアの使い魔にして相棒兼保護者。今回も泣きべそをかく彼女のフォローに回る。お疲れ様です |
マギサ | 女 | 65 | ピリアのお師匠。年齢不詳のスタイル抜群な美女。作中屈指のドSだがピリア限定な様子。屈折した性癖を持つやべー人 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:磨きあげられ光沢を放つ金属の扉の前
0:カルシゥムが先端に着いた杖を両手に抱えて
0:ピリアは立ち尽くしていた
ピリア:「ほげー…」
0:なぜか額を赤くし、ハイライトの消えた目を地面に向け
0:開けっぱなしの口の端からなぜか緑色の液体を垂らしながら
0:扉の前に立っていた
カルシゥム:「お嬢!口から気付けのポーションが垂れてるって!」
ピリア:「はは、へへへ、ひひ…!」
カルシゥム:「うお!きゅ、急にどうした!?」
0:不意に動き出したピリアに驚くカルシゥム
0:ピリアはそのままうつむくと小さな声でと喋り出した
カルシゥム:「お、お嬢?何だ、何を小声で言ってるんだ?」
0:カルシゥムはピリアの声へと集中し聞き取り始めた
ピリア:「こ、これはきっと夢なんだぁ…」
ピリア:「今ごろ、アタシはベッドの中でカルさんとふたりで眠ってるんだぁ…」
ピリア:「そして一通りゴロゴロした後に、カルさん特製のディナーがアタシを待っているんですよぉ…うへへ」
ピリア:「それでそれでぇ…顕現(けんげん)したカルさんにお姫様抱っこしてもらってぇ…」
ピリア:「それからそれからぁ…」
カルシゥム:「これはひどい」
0:それからしばらくピリアの独り言は続き、10分程経過した
ピリア:「そう。これは夢。夢に決まってるんですよぉ…ふひひ…」
カルシゥム:「…このままそっとしといてやりたい気もするが」
カルシゥム:「俺はこの子の使い魔だ。道を正してやる責任がある」
カルシゥム:「許せ、お嬢。」
0:カルシゥムはピリアへと静かに語りかける。
カルシゥム:「…お嬢。厳しいようだが言わせてくれ。」
カルシゥム:「現実逃避してても、中入んなきゃ終わんないぞ」
カルシゥム:「むしろもっとひどくなるかも、な」
ピリア:「ぴぇ…!」
0:カルシゥムの言葉にピリアはビクンと体を震わせる。
カルシゥム:「お帰り、お嬢。良い夢は見れたようだな」
ピリア:「あ、あぁぁ…こ、ここは、もも、もしかしてぇぇ…!?」
カルシゥム:「ああ。お察しの通り」
0:カルシゥムは世の中の無情を表すかのように、カタカタ揺れる
カルシゥム:「お師匠さんの部屋の前だ」
0:ピリアの顔色が青色へと染まる。
ピリア:「か、かか、カルさぁん!?な、なんで!どおじてぇ!?」
0:まるで裏切り者を見るかのような顔でカルシゥムを見るピリア
カルシゥム:「まてまて!俺は何もしていない」
ピリア:「じゃ、じゃあ!なんでこんなところにぃ!?」
カルシゥム:「お師匠さんの巻物(スクロール)だ。」
ピリア:「え、す、巻物…?」
カルシゥム:「あれには読んだ対象に行動を強制する制約(ギアス)が付与されてたんだよ」
ピリア:「行動を…きょ、強制…って」
0:カルシゥムは困ったように顎をカタカタ揺らす
カルシゥム:「お嬢は巻物を読んで叫んだ後、気を失って床に倒れたんだ。」
ピリア:「そ、そう言えば、叫んだ後の記憶が…」
カルシゥム:「その後、すぐに起き上がって、俺を杖に戻してから」
カルシゥム:「自分の足でここまで来たんだよ。」
ピリア:「あ、アタシが自分で!?」
カルシゥム:「ああ。ここまで無表情で、背筋をピンと張って」
カルシゥム:「いつもと違う堂々した歩き方で来るもんだから」
カルシゥム:「普段との違いにビビっちまったよ、俺は」
ピリア:「そ、そう言えば…イタタ!」
ピリア:「か、体だけじゃなくて…背中や足も何だか痛みますぅ…!」
カルシゥム:「普段使わない筋肉を無理やり動かしたからな」
カルシゥム:「そりゃ痛みもするわ」
ピリア:「こんな恐ろしい仕掛けをするなんてぇ…ひどいですよぉ…!」
突然、ピリアは頭を抱える
ピリア:「イタタ!あ、頭も痛いぃ…!」
カルシゥム:「ああ、頭の痛みは別件だ」
ピリア:「ぴぇ!?ま、まだ何かあったんですかぁ!?」
カルシゥム:「むしろここについてからが大変だったんだよ、実は」
ピリア:「ひぇぇ…!」
0:カルシゥムの言葉に更に身を震わせるピリア
カルシゥム:「ここに到着した後、お嬢は扉に手をかけようとしたんだ」
カルシゥム:「だが、ドアノブに手を伸ばした瞬間、ピタッと動きが止まった」
ピリア:「え、え?」
カルシゥム:「まるで自分の中にある何かに抗(あらが)うかのように」
カルシゥム:「ドアノブを握ろうとする手を逆の手で押さえつけて」
カルシゥム:「床をゴロゴロと転がり、かと思えば頭を床に何度も打ち付けた」
ピリア:「ひ、ひぃぃぃ…!?な、なんですかぁ!それぇ…!」
カルシゥム:「あれは恐ろしかった。」
カルシゥム:「まるで悪魔払いされてる現場に、居合わせたのかと思ったよ」
0:当時のことを思い出したのかカルシゥムは恐ろしげに顎をカタカタと揺らした
カルシゥム:「緊急事態だったから、なんとか自力で顕現(けんげん)してお嬢を拘束」
カルシゥム:「打ち付けた所の手当てをして」
カルシゥム:「気付けポーションをお嬢に飲ませてさっきまでの状態に至ったって訳だ」
ピリア:「あ、頭も痛いのは、そ、そう言うわけだったんですね…イタタ」
カルシゥム:「しかし、お師匠さんの制約に抗(あらが)っちまうとは…」
カルシゥム:「どんだけ嫌だったのか…」
ピリア:「し、師匠の術に抵抗出来たなんて…」
カルシゥム:「執念の成した奇跡…いや、お嬢の才能か」
ピリア:「そ、そうですかねぇ…ふひひ」
カルシゥム:「術に抵抗出来たならそろそろ動けるんじゃないか?」
0:ピリアはハッとした様子で自身の体の状態を確かめる。
ピリア:「そ、そう言えば体が動きます!」
カルシゥム:「制約の効果が切れたんだろ。」
カルシゥム:「あの手の術式は、一度破られたら効果を無くすからな」
ピリア:「そ、それなら!い、今のうちに逃げ…!」
0:ピリアはその場から逃げようと体を動かした。
マギサ:「もう!ピーちゃんってば、いつまでも待たせるのよぉ」
0:刹那、金属の扉が開かれる。
0:そこから現れたのは
ピリア:「あ、あぁぁ…」
カルシゥム:「はぁ…タイムアップだ。お嬢」
0:ピリアはその場にへなへなと腰を落とす。
マギサ:「かれこれ10分以上、部屋の前で騒いでいるんだもの」
0:艶やかな黒髪に紫色のローブに身を包んだ妙齢の美女
マギサ:「待ちきれなくて、来ちゃった♪」
0:ピリアの師匠、マギサ=コキアその人だった。
0:場所は変わり、マギサの私室
0:ピリアは私室に備え付けられたソファに座り
0:緊張の為か、ただでさえ小柄なその体を縮ませていた
マギサ:「はーい、どうぞ♪カモミールティーよ」
ピリア:「は、ははは、はぃぃ!い、いただきましゅぅう!」
0:ピリアは差し出されたカップを震える手で受け取ろうとする。
カルシゥム:「お嬢、落ち着け。カップ持つ前に手の震えを止めろって」
ピリア:「かか、体が勝手にふる、震えてぇ…!」
マギサ:「あらあら?そんなに震えちゃってどうしたのかしらねぇ?」
マギサ:「私って、そんなに怖いかしらぁ?」
マギサ:「ねぇ?ピーちゃん?」
0:マギサはピリアに向けて満面の笑顔を浮かべる。
ピリア:「ピ、ピェェェ…!」
0:ピリアは恐怖のあまりカルシゥムの付いた杖を
0:自身の前に出して身を屈める
0:その様子を見てマギサは身をよじらせる
マギサ:「ん~♪相変わらずイイ反応するわぁ…♪」
0:ピリアとマギサのやり取りを静観していたカルシゥムは意を決して
0:マギサへと語りかけた
カルシゥム:「…お師匠さんよ。あんまりお嬢をイジメないでくれねぇか?」
カルシゥム:「この子がプレッシャーに弱いの、充分知ってんだろ」
ピリア:「か、カルさぁん…!」
0:カルシゥムの言葉にピリアはキラキラした目を向ける
0:マギサは微笑ましげに二人を見ると、向かいのソファに座り足を組む
マギサ:「ふふ、ごめんなさいね。」
マギサ:「ピーちゃんの怯える姿があんまりにも愛らしいものだから、つい」
0:マギサの発言に面倒くさそうにカタカタ揺れるカルシゥム
カルシゥム:「はぁ…相変わらず、屈折したご趣味をお持ちのようで」
マギサ:「ええ。いつも楽しませてもらっているわぁ♪」
0:お肌をツヤツヤさせながら快活にマギサは笑う
カルシゥム:「今回の課題」
マギサ:「あら」
カルシゥム:「…本気か?」
マギサ:「ええ♪本気よ」
0:マギサはカップに一度口をつけ、テーブルに置く
0:その後、姿勢を正しピリアを見つめる。
マギサ:「ピリア=オストー」
ピリア:「は、はい!」
0:マギサに呼び掛けられ、ピリアも姿勢を正す
マギサ:「まずは今回の課題、使い魔の触媒(しょくばい)作成」
マギサ:「見事でした。」
ピリア:「あ…ありがとうございます!」
カルシゥム:「(やれやれ…普段からこうだと良いのに…)」
0:マギサからの言葉に、ピリアはぎこちなく笑顔を浮かべる。
マギサ:「実際に見せてもらったけれど」
マギサ:「しっかりと使い魔と触媒の魔力線(ライン)が形成出来ているわね」
マギサ:「しかも、魔力の減衰も少ない」
0:マギサから触媒の話が出た時、ピリアの雰囲気が変わった
0:うつむき気味だった背を直し、マギサの目を見つめる
カルシゥム:「(お仕事モードのお嬢は、やっぱりひと味違うな)」
ピリア:「使い魔契約をした時、使い魔となった存在の魔力は」
ピリア:「契約者側の魔力に属性や波動が近くなります。」
ピリア:「ですが元々は違う存在である為、必ず魔力の流れを阻害する因子が発生します。」
ピリア:「この因子による減衰(げんすい)を少なくする為に」
ピリア:「今回はカルさんの頭蓋骨を触媒にさせてもらいました。」
マギサ:「続けて」
0:ピリアはその後も触媒に使用した頭蓋骨についてマギサへ解説を行った。
0:普段とは違う冷静で真面目な様子のピリアを二人はゆっくりと見守った
ピリア:「…以上です」
0:一通りの解説を聞き、マギサは嬉しそうに笑う
マギサ:「ふふ♪普段はオドオドしてても、実際に仕事を始めれば」
マギサ:「驚く程の成果をあげるんだもの」
マギサ:「さすが私の一番弟子ね♪」
ピリア:「あ、え、えへへ…」
カルシゥム:「(ホント、魔女としてのお嬢はスゲーよな)」
カルシゥム:「(普段が普段だから、よりそう思っちまう)」
0:褒められるピリアを見て、カルシゥムは誇らしげにカタカタと揺れる
カルシゥム:「(だが、俺の予測が正しければそろそろ…)」
マギサ:「これならもう一人前の魔女ね!ピーちゃんってばすごーい♪」
ピリア:「ふ、ふひひ…しょ、しょんなぁ~♪」
ピリア:「あ、アタシなんてぇ、まだまだですよぉ~♪」
0:マギサは、露骨にピリアを褒め始めた。
カルシゥム:「(…始まったな)」
0:マギサに褒められ続けて、みるみるうちに調子に乗り始めるピリア
0:そんなピリアを見て、カルシゥムは更に警戒を上げる
カルシゥム:「(この女はその時を見計らっている)」
カルシゥム:「(お嬢の気分が最高潮に達した時…)」
カルシゥム:「(必ず仕掛けてくる)」
カルシゥム:「(上げてから落とすという、シンプルかつ強力な一撃を加えるために)」
カルシゥム:「(なぜならこいつは…)」
マギサ:「もうピーちゃんってばさいっこー♪」
ピリア:「ふひひ♪あ、アタシってもしかしてスゴいのかなぁ?ふへへ…♪」
カルシゥム:「(生粋(きっすい)のドSだから!)」
マギサ:「あ、そうそう、忘れていたわ」
ピリア:「ウェヘヘヘ…」
マギサ:「次の課題は大都市で冒険者になること」
マギサ:「出発は明日。荷物は今日中にまとめておいてね♪」
ピリア:「…え」
マギサ:「ピーちゃんももう一人前だから」
マギサ:「一人で頑張れるわよね?」
ピリア:「え、あ、うぁ…」
マギサ:「ああ、そうそう!都会は人拐いが多いから注意が必要よ」
ピリア:「ひぇ…!」
マギサ:「冒険者も荒くれ者が多いし、女性冒険者はマウントの取り合いで」
マギサ:「ギスギスしているらしいから人間関係には気を付けてね♪」
ピリア:「うぅ…おぅぅ…」
0:ピリアは先程までの有頂天な様子とはうって変わり
0:顔色は青く染まり、目からはハイライトが消え
0:床に踞(うずくま)り、体をプルプルと震わせていた
カルシゥム:「…あんたに人の心とかないのか?」
マギサ:「あら、失礼しちゃうわね。」
ピリア:「ど、どど、どうしようどうしようどうしようどうしよう…!?」
カルシゥム:「弟子の泣き顔見たさにここまでやるか?普通」
カルシゥム:「お嬢じゃなくても軽くトラウマもんだぞ、これ」
ピリア:「に、逃げる…?え、でも行くとこなんてないし…!?」
マギサ:「あぁ…ピーちゃんの絶望顔、萌えるわぁ…♪」
カルシゥム:「いやトリップすんな!話聞け!」
ピリア:「あぁ…おそとぉ…こわいこわいこわい…いやだいやだいやだ…」
マギサ:「おっと失礼。じゅるり」
カルシゥム:「魔女ってのはみんな変態なのか?」
マギサ:「否定はしないわ」
カルシゥム:「…マジか」
ピリア:「あぁ…ううぅ…」
マギサ:「まぁそういう話は一旦置いておいて」
マギサ:「今度あなた達が向かってもらう大都市は」
マギサ:「自由都市カナードって言うんだけど…知ってる?」
カルシゥム:「カナード…ああ、50年前の【南北継承戦争】の時に」
カルシゥム:「先代の王様が決起した街だったか、たしか」
マギサ:「そう。当時の都市長が、先王陛下を戦争終結まで支えたことから」
マギサ:「その功績を以て、自由都市として街を運営する認可を得たのよ」
マギサ:「普通の都市とは違って、貢納(こうのう)や兵役(へいえき)の義務が」
マギサ:「免除されているのが特徴ね」
カルシゥム:「…あぁ、だんだん思い出してきた」
カルシゥム:「そこの街、冒険者ギルドが中心になっていないか?」
マギサ:「よく知ってるわね?」
マギサ:「あの街は、兵役の義務化がないせいで常駐の都市兵が少ないのよ」
マギサ:「カナードは大規模な港を有しているから海洋貿易が盛んでね」
マギサ:「そこから得た利益で冒険者ギルドに依頼して」
マギサ:「街の警備や周辺の魔物の討伐を担ってもらっているのよ」
カルシゥム:「荒くれ者の冒険者がねぇ…」
マギサ:「あそこのギルドは特別。街の直轄(ちょっかつ)で運営しているから」
マギサ:「冒険者になる為の審査が厳しいのよ」
マギサ:「冒険者になった後もギルドナイトが影から監視して」
マギサ:「犯罪を起こさせないようにしているって話を聞くわね」
カルシゥム:「うへぇ…おっかねぇ…」
マギサ:「その分、冒険者の質も良好だから治安はすこぶる良いのよ」
カルシゥム:「って言っても、コミュ障で引きこもりなお嬢には」
カルシゥム:「いきなりの大都市での生活は厳しいんじゃないのか?」
マギサ:「そこも大丈夫♪」
マギサ:「そこのギルドマスターとは昔馴染みでね」
マギサ:「ピーちゃんのお世話をお願いしておいたわ」
マギサ:「公私に渡って気を使ってくれるはずよ」
0:そう言ってマギサはピリアへと優しげな表情で目を向ける
ピリア:「…だ、男性冒険者に拐かされて奴隷落ちからの娼館行き…ひぃぃ…!こわいこわいこわい…!」
ピリア:「女性冒険者のマウントの取り合いに巻き込まれて…あばばば…!」
0:過剰に恐れるピリアの奇行に、マギサは少し目を反らす
カルシゥム:「あれでも?」
マギサ:「た、多分…恐らく…きっと…」
カルシゥム:「めちゃくちゃ不安そうじゃねぇか」
マギサ:「だ、大丈夫大丈夫!だってカル君がいるじゃない♪」
カルシゥム:「結局、俺の苦労が増すだけじゃねぇか、おい!」
マギサ:「あ、あはは♪」
カルシゥム:「笑ってごまかすんじゃねぇ!」
0:一頻り騒いだ後、マギサはお茶をみながらピリアの奇行を
0:楽しそうに眺めていた。
カルシゥム:「まったく、しっかりと根回ししてお嬢の安全を確保してたのなら」
カルシゥム:「それを本人に伝えてやりゃ良いのに…」
マギサ:「えー、嫌よそんなの」
0:マギサは飲み終えたカップをテーブルに起き、カルシゥムに目を向ける
マギサ:「だって、私」
マギサ:「ピーちゃんの絶望顔や泣き顔が大好きなんだもの…♡」
0:恍惚な表情を浮かべ、目にハートマークを宿し性癖をぶちまけた
カルシゥム:「…処置なしだ、これは」
ピリア:「あぁ…なんでアタシがこんな目にぃぃ…!」
カルシゥム:「…強く生きろ、お嬢」
マギサ:「もうピーちゃんってばさいっこぉ♡」
0:突如として冒険者をやることが決定したピリア
0:彼女の明日はどうなるのか?
ピリア:「誰か!誰かアタシをだずげてくださぁぁぁい!」
0:次回に続く…と良いなぁ
0:磨きあげられ光沢を放つ金属の扉の前
0:カルシゥムが先端に着いた杖を両手に抱えて
0:ピリアは立ち尽くしていた
ピリア:「ほげー…」
0:なぜか額を赤くし、ハイライトの消えた目を地面に向け
0:開けっぱなしの口の端からなぜか緑色の液体を垂らしながら
0:扉の前に立っていた
カルシゥム:「お嬢!口から気付けのポーションが垂れてるって!」
ピリア:「はは、へへへ、ひひ…!」
カルシゥム:「うお!きゅ、急にどうした!?」
0:不意に動き出したピリアに驚くカルシゥム
0:ピリアはそのままうつむくと小さな声でと喋り出した
カルシゥム:「お、お嬢?何だ、何を小声で言ってるんだ?」
0:カルシゥムはピリアの声へと集中し聞き取り始めた
ピリア:「こ、これはきっと夢なんだぁ…」
ピリア:「今ごろ、アタシはベッドの中でカルさんとふたりで眠ってるんだぁ…」
ピリア:「そして一通りゴロゴロした後に、カルさん特製のディナーがアタシを待っているんですよぉ…うへへ」
ピリア:「それでそれでぇ…顕現(けんげん)したカルさんにお姫様抱っこしてもらってぇ…」
ピリア:「それからそれからぁ…」
カルシゥム:「これはひどい」
0:それからしばらくピリアの独り言は続き、10分程経過した
ピリア:「そう。これは夢。夢に決まってるんですよぉ…ふひひ…」
カルシゥム:「…このままそっとしといてやりたい気もするが」
カルシゥム:「俺はこの子の使い魔だ。道を正してやる責任がある」
カルシゥム:「許せ、お嬢。」
0:カルシゥムはピリアへと静かに語りかける。
カルシゥム:「…お嬢。厳しいようだが言わせてくれ。」
カルシゥム:「現実逃避してても、中入んなきゃ終わんないぞ」
カルシゥム:「むしろもっとひどくなるかも、な」
ピリア:「ぴぇ…!」
0:カルシゥムの言葉にピリアはビクンと体を震わせる。
カルシゥム:「お帰り、お嬢。良い夢は見れたようだな」
ピリア:「あ、あぁぁ…こ、ここは、もも、もしかしてぇぇ…!?」
カルシゥム:「ああ。お察しの通り」
0:カルシゥムは世の中の無情を表すかのように、カタカタ揺れる
カルシゥム:「お師匠さんの部屋の前だ」
0:ピリアの顔色が青色へと染まる。
ピリア:「か、かか、カルさぁん!?な、なんで!どおじてぇ!?」
0:まるで裏切り者を見るかのような顔でカルシゥムを見るピリア
カルシゥム:「まてまて!俺は何もしていない」
ピリア:「じゃ、じゃあ!なんでこんなところにぃ!?」
カルシゥム:「お師匠さんの巻物(スクロール)だ。」
ピリア:「え、す、巻物…?」
カルシゥム:「あれには読んだ対象に行動を強制する制約(ギアス)が付与されてたんだよ」
ピリア:「行動を…きょ、強制…って」
0:カルシゥムは困ったように顎をカタカタ揺らす
カルシゥム:「お嬢は巻物を読んで叫んだ後、気を失って床に倒れたんだ。」
ピリア:「そ、そう言えば、叫んだ後の記憶が…」
カルシゥム:「その後、すぐに起き上がって、俺を杖に戻してから」
カルシゥム:「自分の足でここまで来たんだよ。」
ピリア:「あ、アタシが自分で!?」
カルシゥム:「ああ。ここまで無表情で、背筋をピンと張って」
カルシゥム:「いつもと違う堂々した歩き方で来るもんだから」
カルシゥム:「普段との違いにビビっちまったよ、俺は」
ピリア:「そ、そう言えば…イタタ!」
ピリア:「か、体だけじゃなくて…背中や足も何だか痛みますぅ…!」
カルシゥム:「普段使わない筋肉を無理やり動かしたからな」
カルシゥム:「そりゃ痛みもするわ」
ピリア:「こんな恐ろしい仕掛けをするなんてぇ…ひどいですよぉ…!」
突然、ピリアは頭を抱える
ピリア:「イタタ!あ、頭も痛いぃ…!」
カルシゥム:「ああ、頭の痛みは別件だ」
ピリア:「ぴぇ!?ま、まだ何かあったんですかぁ!?」
カルシゥム:「むしろここについてからが大変だったんだよ、実は」
ピリア:「ひぇぇ…!」
0:カルシゥムの言葉に更に身を震わせるピリア
カルシゥム:「ここに到着した後、お嬢は扉に手をかけようとしたんだ」
カルシゥム:「だが、ドアノブに手を伸ばした瞬間、ピタッと動きが止まった」
ピリア:「え、え?」
カルシゥム:「まるで自分の中にある何かに抗(あらが)うかのように」
カルシゥム:「ドアノブを握ろうとする手を逆の手で押さえつけて」
カルシゥム:「床をゴロゴロと転がり、かと思えば頭を床に何度も打ち付けた」
ピリア:「ひ、ひぃぃぃ…!?な、なんですかぁ!それぇ…!」
カルシゥム:「あれは恐ろしかった。」
カルシゥム:「まるで悪魔払いされてる現場に、居合わせたのかと思ったよ」
0:当時のことを思い出したのかカルシゥムは恐ろしげに顎をカタカタと揺らした
カルシゥム:「緊急事態だったから、なんとか自力で顕現(けんげん)してお嬢を拘束」
カルシゥム:「打ち付けた所の手当てをして」
カルシゥム:「気付けポーションをお嬢に飲ませてさっきまでの状態に至ったって訳だ」
ピリア:「あ、頭も痛いのは、そ、そう言うわけだったんですね…イタタ」
カルシゥム:「しかし、お師匠さんの制約に抗(あらが)っちまうとは…」
カルシゥム:「どんだけ嫌だったのか…」
ピリア:「し、師匠の術に抵抗出来たなんて…」
カルシゥム:「執念の成した奇跡…いや、お嬢の才能か」
ピリア:「そ、そうですかねぇ…ふひひ」
カルシゥム:「術に抵抗出来たならそろそろ動けるんじゃないか?」
0:ピリアはハッとした様子で自身の体の状態を確かめる。
ピリア:「そ、そう言えば体が動きます!」
カルシゥム:「制約の効果が切れたんだろ。」
カルシゥム:「あの手の術式は、一度破られたら効果を無くすからな」
ピリア:「そ、それなら!い、今のうちに逃げ…!」
0:ピリアはその場から逃げようと体を動かした。
マギサ:「もう!ピーちゃんってば、いつまでも待たせるのよぉ」
0:刹那、金属の扉が開かれる。
0:そこから現れたのは
ピリア:「あ、あぁぁ…」
カルシゥム:「はぁ…タイムアップだ。お嬢」
0:ピリアはその場にへなへなと腰を落とす。
マギサ:「かれこれ10分以上、部屋の前で騒いでいるんだもの」
0:艶やかな黒髪に紫色のローブに身を包んだ妙齢の美女
マギサ:「待ちきれなくて、来ちゃった♪」
0:ピリアの師匠、マギサ=コキアその人だった。
0:場所は変わり、マギサの私室
0:ピリアは私室に備え付けられたソファに座り
0:緊張の為か、ただでさえ小柄なその体を縮ませていた
マギサ:「はーい、どうぞ♪カモミールティーよ」
ピリア:「は、ははは、はぃぃ!い、いただきましゅぅう!」
0:ピリアは差し出されたカップを震える手で受け取ろうとする。
カルシゥム:「お嬢、落ち着け。カップ持つ前に手の震えを止めろって」
ピリア:「かか、体が勝手にふる、震えてぇ…!」
マギサ:「あらあら?そんなに震えちゃってどうしたのかしらねぇ?」
マギサ:「私って、そんなに怖いかしらぁ?」
マギサ:「ねぇ?ピーちゃん?」
0:マギサはピリアに向けて満面の笑顔を浮かべる。
ピリア:「ピ、ピェェェ…!」
0:ピリアは恐怖のあまりカルシゥムの付いた杖を
0:自身の前に出して身を屈める
0:その様子を見てマギサは身をよじらせる
マギサ:「ん~♪相変わらずイイ反応するわぁ…♪」
0:ピリアとマギサのやり取りを静観していたカルシゥムは意を決して
0:マギサへと語りかけた
カルシゥム:「…お師匠さんよ。あんまりお嬢をイジメないでくれねぇか?」
カルシゥム:「この子がプレッシャーに弱いの、充分知ってんだろ」
ピリア:「か、カルさぁん…!」
0:カルシゥムの言葉にピリアはキラキラした目を向ける
0:マギサは微笑ましげに二人を見ると、向かいのソファに座り足を組む
マギサ:「ふふ、ごめんなさいね。」
マギサ:「ピーちゃんの怯える姿があんまりにも愛らしいものだから、つい」
0:マギサの発言に面倒くさそうにカタカタ揺れるカルシゥム
カルシゥム:「はぁ…相変わらず、屈折したご趣味をお持ちのようで」
マギサ:「ええ。いつも楽しませてもらっているわぁ♪」
0:お肌をツヤツヤさせながら快活にマギサは笑う
カルシゥム:「今回の課題」
マギサ:「あら」
カルシゥム:「…本気か?」
マギサ:「ええ♪本気よ」
0:マギサはカップに一度口をつけ、テーブルに置く
0:その後、姿勢を正しピリアを見つめる。
マギサ:「ピリア=オストー」
ピリア:「は、はい!」
0:マギサに呼び掛けられ、ピリアも姿勢を正す
マギサ:「まずは今回の課題、使い魔の触媒(しょくばい)作成」
マギサ:「見事でした。」
ピリア:「あ…ありがとうございます!」
カルシゥム:「(やれやれ…普段からこうだと良いのに…)」
0:マギサからの言葉に、ピリアはぎこちなく笑顔を浮かべる。
マギサ:「実際に見せてもらったけれど」
マギサ:「しっかりと使い魔と触媒の魔力線(ライン)が形成出来ているわね」
マギサ:「しかも、魔力の減衰も少ない」
0:マギサから触媒の話が出た時、ピリアの雰囲気が変わった
0:うつむき気味だった背を直し、マギサの目を見つめる
カルシゥム:「(お仕事モードのお嬢は、やっぱりひと味違うな)」
ピリア:「使い魔契約をした時、使い魔となった存在の魔力は」
ピリア:「契約者側の魔力に属性や波動が近くなります。」
ピリア:「ですが元々は違う存在である為、必ず魔力の流れを阻害する因子が発生します。」
ピリア:「この因子による減衰(げんすい)を少なくする為に」
ピリア:「今回はカルさんの頭蓋骨を触媒にさせてもらいました。」
マギサ:「続けて」
0:ピリアはその後も触媒に使用した頭蓋骨についてマギサへ解説を行った。
0:普段とは違う冷静で真面目な様子のピリアを二人はゆっくりと見守った
ピリア:「…以上です」
0:一通りの解説を聞き、マギサは嬉しそうに笑う
マギサ:「ふふ♪普段はオドオドしてても、実際に仕事を始めれば」
マギサ:「驚く程の成果をあげるんだもの」
マギサ:「さすが私の一番弟子ね♪」
ピリア:「あ、え、えへへ…」
カルシゥム:「(ホント、魔女としてのお嬢はスゲーよな)」
カルシゥム:「(普段が普段だから、よりそう思っちまう)」
0:褒められるピリアを見て、カルシゥムは誇らしげにカタカタと揺れる
カルシゥム:「(だが、俺の予測が正しければそろそろ…)」
マギサ:「これならもう一人前の魔女ね!ピーちゃんってばすごーい♪」
ピリア:「ふ、ふひひ…しょ、しょんなぁ~♪」
ピリア:「あ、アタシなんてぇ、まだまだですよぉ~♪」
0:マギサは、露骨にピリアを褒め始めた。
カルシゥム:「(…始まったな)」
0:マギサに褒められ続けて、みるみるうちに調子に乗り始めるピリア
0:そんなピリアを見て、カルシゥムは更に警戒を上げる
カルシゥム:「(この女はその時を見計らっている)」
カルシゥム:「(お嬢の気分が最高潮に達した時…)」
カルシゥム:「(必ず仕掛けてくる)」
カルシゥム:「(上げてから落とすという、シンプルかつ強力な一撃を加えるために)」
カルシゥム:「(なぜならこいつは…)」
マギサ:「もうピーちゃんってばさいっこー♪」
ピリア:「ふひひ♪あ、アタシってもしかしてスゴいのかなぁ?ふへへ…♪」
カルシゥム:「(生粋(きっすい)のドSだから!)」
マギサ:「あ、そうそう、忘れていたわ」
ピリア:「ウェヘヘヘ…」
マギサ:「次の課題は大都市で冒険者になること」
マギサ:「出発は明日。荷物は今日中にまとめておいてね♪」
ピリア:「…え」
マギサ:「ピーちゃんももう一人前だから」
マギサ:「一人で頑張れるわよね?」
ピリア:「え、あ、うぁ…」
マギサ:「ああ、そうそう!都会は人拐いが多いから注意が必要よ」
ピリア:「ひぇ…!」
マギサ:「冒険者も荒くれ者が多いし、女性冒険者はマウントの取り合いで」
マギサ:「ギスギスしているらしいから人間関係には気を付けてね♪」
ピリア:「うぅ…おぅぅ…」
0:ピリアは先程までの有頂天な様子とはうって変わり
0:顔色は青く染まり、目からはハイライトが消え
0:床に踞(うずくま)り、体をプルプルと震わせていた
カルシゥム:「…あんたに人の心とかないのか?」
マギサ:「あら、失礼しちゃうわね。」
ピリア:「ど、どど、どうしようどうしようどうしようどうしよう…!?」
カルシゥム:「弟子の泣き顔見たさにここまでやるか?普通」
カルシゥム:「お嬢じゃなくても軽くトラウマもんだぞ、これ」
ピリア:「に、逃げる…?え、でも行くとこなんてないし…!?」
マギサ:「あぁ…ピーちゃんの絶望顔、萌えるわぁ…♪」
カルシゥム:「いやトリップすんな!話聞け!」
ピリア:「あぁ…おそとぉ…こわいこわいこわい…いやだいやだいやだ…」
マギサ:「おっと失礼。じゅるり」
カルシゥム:「魔女ってのはみんな変態なのか?」
マギサ:「否定はしないわ」
カルシゥム:「…マジか」
ピリア:「あぁ…ううぅ…」
マギサ:「まぁそういう話は一旦置いておいて」
マギサ:「今度あなた達が向かってもらう大都市は」
マギサ:「自由都市カナードって言うんだけど…知ってる?」
カルシゥム:「カナード…ああ、50年前の【南北継承戦争】の時に」
カルシゥム:「先代の王様が決起した街だったか、たしか」
マギサ:「そう。当時の都市長が、先王陛下を戦争終結まで支えたことから」
マギサ:「その功績を以て、自由都市として街を運営する認可を得たのよ」
マギサ:「普通の都市とは違って、貢納(こうのう)や兵役(へいえき)の義務が」
マギサ:「免除されているのが特徴ね」
カルシゥム:「…あぁ、だんだん思い出してきた」
カルシゥム:「そこの街、冒険者ギルドが中心になっていないか?」
マギサ:「よく知ってるわね?」
マギサ:「あの街は、兵役の義務化がないせいで常駐の都市兵が少ないのよ」
マギサ:「カナードは大規模な港を有しているから海洋貿易が盛んでね」
マギサ:「そこから得た利益で冒険者ギルドに依頼して」
マギサ:「街の警備や周辺の魔物の討伐を担ってもらっているのよ」
カルシゥム:「荒くれ者の冒険者がねぇ…」
マギサ:「あそこのギルドは特別。街の直轄(ちょっかつ)で運営しているから」
マギサ:「冒険者になる為の審査が厳しいのよ」
マギサ:「冒険者になった後もギルドナイトが影から監視して」
マギサ:「犯罪を起こさせないようにしているって話を聞くわね」
カルシゥム:「うへぇ…おっかねぇ…」
マギサ:「その分、冒険者の質も良好だから治安はすこぶる良いのよ」
カルシゥム:「って言っても、コミュ障で引きこもりなお嬢には」
カルシゥム:「いきなりの大都市での生活は厳しいんじゃないのか?」
マギサ:「そこも大丈夫♪」
マギサ:「そこのギルドマスターとは昔馴染みでね」
マギサ:「ピーちゃんのお世話をお願いしておいたわ」
マギサ:「公私に渡って気を使ってくれるはずよ」
0:そう言ってマギサはピリアへと優しげな表情で目を向ける
ピリア:「…だ、男性冒険者に拐かされて奴隷落ちからの娼館行き…ひぃぃ…!こわいこわいこわい…!」
ピリア:「女性冒険者のマウントの取り合いに巻き込まれて…あばばば…!」
0:過剰に恐れるピリアの奇行に、マギサは少し目を反らす
カルシゥム:「あれでも?」
マギサ:「た、多分…恐らく…きっと…」
カルシゥム:「めちゃくちゃ不安そうじゃねぇか」
マギサ:「だ、大丈夫大丈夫!だってカル君がいるじゃない♪」
カルシゥム:「結局、俺の苦労が増すだけじゃねぇか、おい!」
マギサ:「あ、あはは♪」
カルシゥム:「笑ってごまかすんじゃねぇ!」
0:一頻り騒いだ後、マギサはお茶をみながらピリアの奇行を
0:楽しそうに眺めていた。
カルシゥム:「まったく、しっかりと根回ししてお嬢の安全を確保してたのなら」
カルシゥム:「それを本人に伝えてやりゃ良いのに…」
マギサ:「えー、嫌よそんなの」
0:マギサは飲み終えたカップをテーブルに起き、カルシゥムに目を向ける
マギサ:「だって、私」
マギサ:「ピーちゃんの絶望顔や泣き顔が大好きなんだもの…♡」
0:恍惚な表情を浮かべ、目にハートマークを宿し性癖をぶちまけた
カルシゥム:「…処置なしだ、これは」
ピリア:「あぁ…なんでアタシがこんな目にぃぃ…!」
カルシゥム:「…強く生きろ、お嬢」
マギサ:「もうピーちゃんってばさいっこぉ♡」
0:突如として冒険者をやることが決定したピリア
0:彼女の明日はどうなるのか?
ピリア:「誰か!誰かアタシをだずげてくださぁぁぁい!」
0:次回に続く…と良いなぁ