台本概要
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タイトル | Nocturia〜朝の来ない国〜 |
---|---|
作者名 | えのっきー (@enokisurvival1) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 5人用台本(男2、女3) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
・5人用の声劇台本になります。 ・タイトルは「ノクタリア」と読みます。 ・場面転換がかなり多いです。御了承ください。 ・序文と場面転換のナレーションを付けていただけると分かりやすくなるかもしれません。すみませんがよろしくお願いします。 ・キャラクターのところに演じる上での作者のイメージを書いてありますが、演者の解釈で表現していただいて構いませんので、よろしくお願いします。 144 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ユーアン | 男 | 51 | 主人公です。14歳くらいのイメージです。 年齢の割に落ち着いた少年をイメージしました。 |
アルカ | 女 | 59 | ヒロイン(仮)です。14歳くらいのイメージです。元気な女の子です。作中で明かされますが「吸血鬼病」という疾患に罹患しています。 |
チャコモリ | 男 | 25 | フクロウと人間のハーフ 配達員 人間の年齢にすると25歳くらいのイメージです。温和で優しいお兄さんです。 |
シャウラ | 女 | 32 | 実年齢は5000歳くらいですが、外見の年齢は27-28歳くらいなのでそんな感じでお願いします。 知的で落ち着いた女医さんです。 星と人間のハーフという設定はありますが、今回の台本ではほぼ死に設定です。 |
アウロラ | 女 | 36 | 「透過症候群」に罹患した13歳くらいの少女です。 弱気で内気な女の子のイメージです。 作中を通してやや明るくなってくるように演じていただけると嬉しいです。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:太陽の昇らない国「ノクタリア」。
:一日が全てが夜の闇に閉ざされた、地球とは違う星の何処かにある小さな国。
:朝の来ないこの場所では、様々な種族の人間が、様々な理由で暮らしています。
:これは、ノクトリアの、とある一日についてのお話です。
0:---アルカの家
ユーアン:「あ、アルカ、おはよう」
アルカ:「ユーアン。おはよう。早起きだね、もう朝なの?」
ユーアン:「外は真っ暗だけどね。さあ、朝御飯にしよう」
アルカ:「うん、今行くね」
ユーアン:「はい、トマトジュース。今からベーコン焼くけど、それでいい?」
アルカ:「カリカリにしてね」
ユーアン:「了解」
アルカ:「ぷはぁ、沁みるねえ」
ユーアン:「はは、オジさんくさいよ」
チャコモリ:「おや、アルカ、ユーアン、おはよう。二人とも起きてるのは珍しいね」
ユーアン:「チャコモリさん、おはようございます」
チャコモリ:「はい、今日の新聞」
ユーアン:「ありがとうございます。ん? 『数日中に皆既夜食の恐れあり』? チャコモリさん、皆既夜食って何ですか?」
チャコモリ:「ああ、皆既夜食はね、ノクタリアと太陽の位置の関係で、夜が欠けて太陽が見える時間があるんだよ。普通は太陽が昇らないとされているノクタリアで唯一、太陽の光を見ることが出来る瞬間なんだけど、数日中にそのタイミングがあるかもしれないらしいよ」
アルカ:「えー! ってことは、太陽が出ちゃうんですか? 困ったなあ……」
チャコモリ:「僕がノクタリアに来てからは一度も無いけどね。多分、誰も見た事ないんじゃないかな? シャウラ先生が一回あるかないかくらいだろうね」
アルカ:「じゃあ先生に聞いてみようかな! そろそろ先生の診察も受けようかなって思ってたとこだし」
チャコモリ:「じゃあ、僕は配達に戻るね。二人とも気をつけて」
ユーアン:「チャコモリさんも。ここ最近、北の森の怪物が凶暴化しているらしいですからね」
チャコモリ:「はは、そうだね。まあ、あんな危ない所には誰も近付かないだろう。あの近くに住んでいる住民もいないし、必要以上に心配する事はないさ。なんだったら、僕はこの自慢の羽で飛んで逃げようかな」
ユーアン:「それもそうですね」
チャコモリ:「それじゃあ、またね」
アルカ:「ユーアン、ベーコン焦げてるよ」
ユーアン:「あ、忘れてた」
アルカ:「ユーアンとベーコンって似てるね」
ユーアン:「何の話?」
0:---場面転換、中央街、シャウラの診療所
アルカ:「シャウラ先生、こんにちは!」
ユーアン:「お久し振りです」
シャウラ:「あら、アルカ、ユーアン。こんにちは。変わりなかったかしら?」
アルカ:「見ての通りです! 元気すぎて困るくらい!」
シャウラ:「それは何よりね。じゃあ診察するわ。どれどれ……、うん、歯も伸びてないし、大丈夫そうね。前と変わりなし、ね。」
アルカ:「先生に言われた通り、トマトジュースも毎日飲んでますし、お肉も毎日食べてます」
シャウラ:「いいわね。はい、じゃあまた今度みせてね。お薬も出しておくから」
ユーアン:「そう言えばシャウラ先生、皆既夜食のこと、聞きましたか」
シャウラ:「もちろん聞いたわ。珍しい事もあるものね。私もちょっと調べてみたんだけど、最後にノクタリアで皆既夜食が起こったのは1000年以上前らしいわ。私がノクタリアに来たのが600年前だから、私も初めてね」
ユーアン:「じゃあ、ノクタリアに皆既夜食を経験した住民はいないのか」
アルカ:「でも先生、太陽が出ちゃったらどうしよう。私、死んじゃったりしないかなあ」
シャウラ:「そうね、ちょっとくらいなら大丈夫だと思うけど、あんまり陽の光には当たらない方がいいわ。当時の文章を調べてみたのだけど、1000年前のノクタリアではシェルターに隠れて太陽を避けたらしいわ」
ユーアン:「つまり、どこかにシェルターがあるわけですね」
シャウラ:「そういうことだけど、肝心のシェルターの場所が書いてないの」
アルカ:「でもこの国のどこかにはあるんだよね?」
チャコモリ:「ああ、先生。今大丈夫ですか」
シャウラ:「あら、チャコモリ。どうかした?」
チャコモリ:「診療所の裏で物音がしたんだ。見てみたら女の子がいたんだけど、ちょっと診てもらいたくて」
シャウラ:「いいわよ、入って」
アウロラ:「……失礼します」
シャウラ:「フード、脱げる?」
アウロラ:「……はい」
ユーアン:「えっ」
アルカ:「透けてる……?」
シャウラ:「『透過症候群』ね。陽の光を浴びると身体が透明になっていく奇病よ。かなり進行しているわね。貴女、名前を聞いてもいいかしら?」
アウロラ:「アウロラ、です」
シャウラ:「アウロラね。ノクタリアに来たってことは、自分の身体のこと、理解しているのね」
アウロラ:「はい、だから太陽の昇らない国、ノクタリアに来たんです。ここに来れば太陽を避けられるって聞いたから」
アルカ:「じゃあ私と同じ理由だね。私も日光を避けるためにノクタリアに来たの」
シャウラ:「今のノクタリアには透過症候群の方は居ないはずね。私も久し振りに見たわ。400年ぶりくらいかしら」
アウロラ:「今、外で聞いたんです。ノクタリアに朝が来るって。ここまで逃げてきたのに太陽は私を見逃してはくれないのですね」
チャコモリ:「皆既夜食の日付も正確には分からないですからね。来週かもしれないし、明日来てしまうかもしれない」
アウロラ:「さっきお医者さんが言ってたこと、当たってるんです。あとどれくらいかは分からないけど、でもこのまま太陽の光を浴びていたら、近い将来、私は完全に透明になってしまうでしょう。完全に透明になった透過症候群の患者は、誰にも気付かれず、誰にも理解されることなく、その生涯を終えます。私ももうじきそうなるんですね」
シャウラ:「落ち着いて。ちょうど今、太陽を避ける方法について考えてたところよ。とりあえず今日は休みなさい。この診療所の空き部屋を貸してあげる。普通の宿屋よりは窓も小さいはずよ」
アウロラ:「……ありがとうございます。お借りします」
アルカ:「私が案内するね」
シャウラ:「……さて、それじゃ、どうやってあの子達を太陽から守るか、ね」
ユーアン:「そう言えば気になったんですけど、ノクタリアに窓の無い家って無いんですか?」
チャコモリ:「それは考えにくいね。知っての通り、普通は朝の来ない場所だから、微かな星の光も取り入れられるように普通はどの家にも窓はあるよ」
シャウラ:「アウロラの透過症候群の進行具合を考えると、カーテンから漏れる光でも浴びせたくはないわ。勿論アルカにも日光を当てる事はダメ」
ユーアン:「シェルターがどこにあるか、って事ですね」
シャウラ:「ただ、そんな物は見たことがないわ。チャコモリは見た事ない?」
チャコモリ:「そうですね、私も配達で国中、人の居る所は殆ど回っていますがそれらしい物は見たことがないですね」
シャウラ:「うーん、これといった場所も直ぐには思いつかないわ」
チャコモリ:「そうですね。一旦持ち帰って考えますか」
アルカ:「アウロラを案内してきたよ」
ユーアン:「じゃあ帰ろう、アルカ」
アルカ:「うん、分かった。じゃあね、先生」
シャウラ:「はい、さようなら」
アルカ:「ユーアン、カレー食べたいな」
ユーアン:「分かった分かった」
0:---場面転換、アルカの家
アルカ:「ユーアン達、私達のために色々考えてくれてるんだよね、ありがとう、ごめんね」
ユーアン:「全然大丈夫だよ。アルカはこの国でシェルターらしい物、見たことない?」
アルカ:「うーん、見たことないなあ」
ユーアン:「1000年前のノクタリアの人々が太陽を回避した時に使ったやつが残っているなら、何処かにシェルターがあるはずなんだけど、シャウラ先生もチャコモリさんも見たことが無いって」
アルカ:「この国の何処かにあるはずなんだよね? でも、色々な家を回ってるシャウラ先生もチャコモリさんも知らないなら、人がいないところにあるのかなあ」
ユーアン:「……そうか!」
アルカ:「どうしたの?」
ユーアン:「一つだけあるんだ。シャウラさんもチャコモリさんも行ったことが無さそうで、シェルターのありそうな場所」
アルカ:「それって?」
ユーアン:「それはね……。ん?」
アルカ:「……ユーアン?」
ユーアン:「外、何か変じゃないか」
アルカ:「外がどうかした?」
ユーアン:「空がちょっとだけ、ほんの少しだけどいつもより明るい気がする。……ひょっとして、太陽が?」
アルカ:「え、もう? だってまだ夕方だよ?」
ユーアン:「油断してた。太陽は朝に昇るって思い込んでたけど、そもそも朝の来ない国だし、常識なんてあるわけない。この時間から太陽が昇ってもおかしくないよ」
アルカ:「どうしよう、このままじゃアウロラが……」
ユーアン:「落ち着いて、まだ時間はある。シャウラ先生のところに行こう!」
アルカ:「うん!」
0:---場面転換、中央街、シャウラの診療所
ユーアン:「先生!」
シャウラ:「ユーアン、アルカ。よく来てくれたわ」
アルカ:「アウロラは?」
シャウラ:「奥の部屋に隠れているわ。どれだけ光を防げるか分からないけどね」
ユーアン:「先生、シェルターの場所なんだけど、北の森の中って可能性はない?」
シャウラ:「北の森……? 確かにあそこには何があるか、私もチャコモリも知らないけど、あんな怪物達がいる所にわざわざシェルターを作るかしら?」
ユーアン:「でも、あと北の森しか考えられる場所は無いはずです」
シャウラ:「それもそうだけど……、アルカもそう思うの?」
アルカ:「私は難しいことはよく分からないけど、ユーアンを信じてます」
アウロラ:「……先生?」
シャウラ:「アウロラ、隠れてなきゃ駄目じゃない」
アウロラ:「……私、どうしたらいいんですか?」
ユーアン:「アウロラ、太陽の光を避けられるシェルターの場所が分かったかもしれないんだ。僕とアルカはそこに行ってみようと思ってる」
シャウラ:「……分かったわ。どの道、こうしててもラチがあかないものね。アウロラ、貴女はどうする? もしシェルターが無かったら、森の中で日光を浴びる事になるでしょう。でも、ここに居ても太陽の光を防ぎ切れる保証はないわ」
アウロラ:「でも、もし、森の中にシェルターがあったら、私は助かるんですか?」
ユーアン:「助かる。僕とアルカはその可能性に賭けてみようと思ってる」
アウロラ:「でも、太陽が昇る前にシェルターまで行けるんですか? 怪物もいるんですよね?」
アルカ:「大丈夫! 頑張って走るから!」
アウロラ:「……え?」
アルカ:「おんぶしてあげるね!」
アウロラ:「あの、ちょっと……?」
アルカ:「よーし、行くぞー!」
アウロラ:「え、ちょっ、まっ、うわあああああああ!?」
シャウラ:「アルカ、相変わらずね」
ユーアン:「どうやって二人を追いかけるかなんだけど……」
チャコモリ:「ああ、二人とも、お疲れさまです。太陽が出てきちゃいましたね」
ユーアン:「あ、チャコモリさん、ちょうどいい所に。僕を持って飛べますか? アルカとアウロラがシェルターを探して北の森に行ったんです」
チャコモリ:「ほーう、北の森か。そうか、その発想は無かったな。分かったよ。しっかり捕まっててよ!」
ユーアン:「シャウラさん、行ってきます」
シャウラ:「気をつけて」
0:----場面転換、アルカ、アウロラ組、森の中
アウロラ:「アルカさん! 方向合ってるんですか!?」
アルカ:「えー? 分からないけど、奥の方に行けばいいんだよね?」
アウロラ:「それはちょっと違くないですか!? というか、何ですかこのスピード!?」
アルカ:「あはは! 速いでしょ!」
アウロラ:「速すぎます! 目めっちゃ乾く! 本当に人間ですか!?」
アルカ:「うーんと、半分そうだよ!」
アウロラ:「半分?」
アルカ:「私ね、吸血鬼なんだ」
アウロラ:「えっ?」
アルカ:「なんかね、吸血鬼症に罹ると吸血鬼になっちゃうらしいんだよね。その症状でこうやって人間離れした身体能力が貰えたんだけど、太陽が苦手になったり定期的に血が欲しくなったり日常生活で困ることもあるよね」
アウロラ:「……ごめんなさい」
アルカ:「ああ、違うの! こっちこそごめんね! そんなつもりはなかったの」
アウロラ:「私、自分だけが大変だって思い込んで酷いことを言って」
アルカ:「全然気にしてないよ! それにほら、そのお陰で友達を助けられるかもしれないんだから、悪いことばっかりじゃないよ」
アウロラ:「……ありがとうございます」
アルカ:「いいってことよ! ところでさ、私からも一個聞いてもいい?」
アウロラ:「はい、なんですか?」
アルカ:「シェルターってどこにあるの?」
アウロラ:「やっぱり知らないんじゃないですか!?」
アルカ:「うおっと!」
アウロラ:「うわあ! 急に止まらないでください!」
アルカ:「しっ、怪物だよ、アウロラ、見つかっちゃった」
アウロラ:「……アルカさん、私が囮になります。その隙に逃げてシェルターを探してください」
アルカ:「ばか! そんなことする訳ないじゃん」
アウロラ:「でもこのままじゃ二人とも食べられちゃいます。太陽が昇るまで時間もないでしょう。だったらせめてアルカさんだけでも」
アルカ:「次そんなこと言ったらひどいからね! 大丈夫だから、絶対守るよ」
アウロラ:「……? アルカさん、この怪物、様子がおかしくないですか?」
アルカ:「ん?」
アウロラ:「私達を見ても襲いかかってきません。……あ、怪物が歩いていきます。数歩進んでは振り返って、まるで、ついて来いって言っているような」
アルカ:「行ってみよう!」
アウロラ:「……はい!」
0:---場面転換、ユーアン、チャコモリ組、上空
チャコモリ:「だいぶ空が明るんできたね、夜明けって綺麗なんだなあ。って、今はそんな事考えてる場合じゃないね。シェルターは見つかるかな」
ユーアン:「チャコモリさん、僕 重くないですか?」
チャコモリ:「なんてことないよ。ただ、朝になったからかなあ、眠くなってきたね」
ユーアン:「今寝ちゃダメですよ」
チャコモリ:「ん、森の中で何かが動いたね」
ユーアン:「え、本当ですか」
チャコモリ:「フクロウの視力は人間よりもずっといいからね、行ってみるよ」
ユーアン:「お願いします!」
0:---場面転換、ユーアン、アルカ、チャコモリ、アウロラ、シェルター前
ユーアン:「アルカ!」
アルカ:「あ、ユーアン! 来てくれたの?」
チャコモリ:「ひぃっ!? か、怪物ですよ! フクロウは美味しくないですよ!」
アルカ:「ああ、違うの!」
アウロラ:「この怪物さんが、シェルターの場所を教えてくれたんです」
アルカ:「ここ最近機嫌が悪かったのも、シェルターが必要になるって知ってたから、頑張って守ろうとしてくれてたんだね」
チャコモリ:「なんだ、そういうことだったんですね」
ユーアン:「それよりもアルカ、アウロラ。じきに太陽が昇る。早くシェルターへ」
アルカ:「あ、うん、そうだね! アウロラ、行こう!」
アウロラ:「はい!」
ユーアン:「一件落着、かな」
チャコモリ:「そうだね、長い一日だった、お疲れさま、ユーアン」
ユーアン:「チャコモリさんもありがとうございました」
チャコモリ:「じゃあ、僕は寝るよ。おやすみ」
ユーアン:「はい、おやすみなさい」
アルカ:「ユーアン、中やばい! すごい虫いる!」
アウロラ:「助けてください!」
ユーアン:「……そりゃ1000年も使ってなければなあ、あはは」
0:---場面転換、中央街、シャウラの診療所
アルカ:「シャウラ先生! こんにちは!」
シャウラ:「アルカ、ユーアン、こんにちは。変わりなかったかしら?」
アルカ:「バッチリです!」
アウロラ:「アルカさん、ユーアンさん、こんにちは」
ユーアン:「アウロラ、先生の助手の仕事は慣れた?」
アウロラ:「バッチリです!……とはまだ言えないけど、少しずつ、ですね」
シャウラ:「飲み込みも早いし努力家だし、すごく助かってるわ」
チャコモリ:「失礼します、新聞をお届けに来ましたよ」
シャウラ:「ありがとう、チャコモリ。どれどれ……、あら、アウロラことが載っているわ」
チャコモリ:「『森の怪物は、実はシェルターを守っていた心優しいモンスターだった!』って記事が評判良くてね。その後もアウロラと怪物の交流を密着取材させていただいているんですよ」
アウロラ:「でも、ちょっと恥ずかしいですね。あ、先生、そろそろ森に行ってきます。今日は怪物さんのブラッシングの予定なので」
シャウラ:「はい、いってらっしゃい」
ユーアン:「……なんか、明るくなりましたね、アウロラ」
シャウラ:「そうね、あの日から何か変わったんじゃないかしら。どうやら友達もたくさんできたみたいだしね。……はい、いいわよ。経過良好ね」
アルカ:「ありがとうございます!」
ユーアン:「ありがとうございました、先生」
シャウラ:「気をつけて帰るのよ」
アルカ:「ユーアン、お腹すいたね」
ユーアン:「帰ったらベーコンでも焼いてあげるよ」
アルカ:「やったー! 今度は焦がさないでね!」
0:完
0:太陽の昇らない国「ノクタリア」。
:一日が全てが夜の闇に閉ざされた、地球とは違う星の何処かにある小さな国。
:朝の来ないこの場所では、様々な種族の人間が、様々な理由で暮らしています。
:これは、ノクトリアの、とある一日についてのお話です。
0:---アルカの家
ユーアン:「あ、アルカ、おはよう」
アルカ:「ユーアン。おはよう。早起きだね、もう朝なの?」
ユーアン:「外は真っ暗だけどね。さあ、朝御飯にしよう」
アルカ:「うん、今行くね」
ユーアン:「はい、トマトジュース。今からベーコン焼くけど、それでいい?」
アルカ:「カリカリにしてね」
ユーアン:「了解」
アルカ:「ぷはぁ、沁みるねえ」
ユーアン:「はは、オジさんくさいよ」
チャコモリ:「おや、アルカ、ユーアン、おはよう。二人とも起きてるのは珍しいね」
ユーアン:「チャコモリさん、おはようございます」
チャコモリ:「はい、今日の新聞」
ユーアン:「ありがとうございます。ん? 『数日中に皆既夜食の恐れあり』? チャコモリさん、皆既夜食って何ですか?」
チャコモリ:「ああ、皆既夜食はね、ノクタリアと太陽の位置の関係で、夜が欠けて太陽が見える時間があるんだよ。普通は太陽が昇らないとされているノクタリアで唯一、太陽の光を見ることが出来る瞬間なんだけど、数日中にそのタイミングがあるかもしれないらしいよ」
アルカ:「えー! ってことは、太陽が出ちゃうんですか? 困ったなあ……」
チャコモリ:「僕がノクタリアに来てからは一度も無いけどね。多分、誰も見た事ないんじゃないかな? シャウラ先生が一回あるかないかくらいだろうね」
アルカ:「じゃあ先生に聞いてみようかな! そろそろ先生の診察も受けようかなって思ってたとこだし」
チャコモリ:「じゃあ、僕は配達に戻るね。二人とも気をつけて」
ユーアン:「チャコモリさんも。ここ最近、北の森の怪物が凶暴化しているらしいですからね」
チャコモリ:「はは、そうだね。まあ、あんな危ない所には誰も近付かないだろう。あの近くに住んでいる住民もいないし、必要以上に心配する事はないさ。なんだったら、僕はこの自慢の羽で飛んで逃げようかな」
ユーアン:「それもそうですね」
チャコモリ:「それじゃあ、またね」
アルカ:「ユーアン、ベーコン焦げてるよ」
ユーアン:「あ、忘れてた」
アルカ:「ユーアンとベーコンって似てるね」
ユーアン:「何の話?」
0:---場面転換、中央街、シャウラの診療所
アルカ:「シャウラ先生、こんにちは!」
ユーアン:「お久し振りです」
シャウラ:「あら、アルカ、ユーアン。こんにちは。変わりなかったかしら?」
アルカ:「見ての通りです! 元気すぎて困るくらい!」
シャウラ:「それは何よりね。じゃあ診察するわ。どれどれ……、うん、歯も伸びてないし、大丈夫そうね。前と変わりなし、ね。」
アルカ:「先生に言われた通り、トマトジュースも毎日飲んでますし、お肉も毎日食べてます」
シャウラ:「いいわね。はい、じゃあまた今度みせてね。お薬も出しておくから」
ユーアン:「そう言えばシャウラ先生、皆既夜食のこと、聞きましたか」
シャウラ:「もちろん聞いたわ。珍しい事もあるものね。私もちょっと調べてみたんだけど、最後にノクタリアで皆既夜食が起こったのは1000年以上前らしいわ。私がノクタリアに来たのが600年前だから、私も初めてね」
ユーアン:「じゃあ、ノクタリアに皆既夜食を経験した住民はいないのか」
アルカ:「でも先生、太陽が出ちゃったらどうしよう。私、死んじゃったりしないかなあ」
シャウラ:「そうね、ちょっとくらいなら大丈夫だと思うけど、あんまり陽の光には当たらない方がいいわ。当時の文章を調べてみたのだけど、1000年前のノクタリアではシェルターに隠れて太陽を避けたらしいわ」
ユーアン:「つまり、どこかにシェルターがあるわけですね」
シャウラ:「そういうことだけど、肝心のシェルターの場所が書いてないの」
アルカ:「でもこの国のどこかにはあるんだよね?」
チャコモリ:「ああ、先生。今大丈夫ですか」
シャウラ:「あら、チャコモリ。どうかした?」
チャコモリ:「診療所の裏で物音がしたんだ。見てみたら女の子がいたんだけど、ちょっと診てもらいたくて」
シャウラ:「いいわよ、入って」
アウロラ:「……失礼します」
シャウラ:「フード、脱げる?」
アウロラ:「……はい」
ユーアン:「えっ」
アルカ:「透けてる……?」
シャウラ:「『透過症候群』ね。陽の光を浴びると身体が透明になっていく奇病よ。かなり進行しているわね。貴女、名前を聞いてもいいかしら?」
アウロラ:「アウロラ、です」
シャウラ:「アウロラね。ノクタリアに来たってことは、自分の身体のこと、理解しているのね」
アウロラ:「はい、だから太陽の昇らない国、ノクタリアに来たんです。ここに来れば太陽を避けられるって聞いたから」
アルカ:「じゃあ私と同じ理由だね。私も日光を避けるためにノクタリアに来たの」
シャウラ:「今のノクタリアには透過症候群の方は居ないはずね。私も久し振りに見たわ。400年ぶりくらいかしら」
アウロラ:「今、外で聞いたんです。ノクタリアに朝が来るって。ここまで逃げてきたのに太陽は私を見逃してはくれないのですね」
チャコモリ:「皆既夜食の日付も正確には分からないですからね。来週かもしれないし、明日来てしまうかもしれない」
アウロラ:「さっきお医者さんが言ってたこと、当たってるんです。あとどれくらいかは分からないけど、でもこのまま太陽の光を浴びていたら、近い将来、私は完全に透明になってしまうでしょう。完全に透明になった透過症候群の患者は、誰にも気付かれず、誰にも理解されることなく、その生涯を終えます。私ももうじきそうなるんですね」
シャウラ:「落ち着いて。ちょうど今、太陽を避ける方法について考えてたところよ。とりあえず今日は休みなさい。この診療所の空き部屋を貸してあげる。普通の宿屋よりは窓も小さいはずよ」
アウロラ:「……ありがとうございます。お借りします」
アルカ:「私が案内するね」
シャウラ:「……さて、それじゃ、どうやってあの子達を太陽から守るか、ね」
ユーアン:「そう言えば気になったんですけど、ノクタリアに窓の無い家って無いんですか?」
チャコモリ:「それは考えにくいね。知っての通り、普通は朝の来ない場所だから、微かな星の光も取り入れられるように普通はどの家にも窓はあるよ」
シャウラ:「アウロラの透過症候群の進行具合を考えると、カーテンから漏れる光でも浴びせたくはないわ。勿論アルカにも日光を当てる事はダメ」
ユーアン:「シェルターがどこにあるか、って事ですね」
シャウラ:「ただ、そんな物は見たことがないわ。チャコモリは見た事ない?」
チャコモリ:「そうですね、私も配達で国中、人の居る所は殆ど回っていますがそれらしい物は見たことがないですね」
シャウラ:「うーん、これといった場所も直ぐには思いつかないわ」
チャコモリ:「そうですね。一旦持ち帰って考えますか」
アルカ:「アウロラを案内してきたよ」
ユーアン:「じゃあ帰ろう、アルカ」
アルカ:「うん、分かった。じゃあね、先生」
シャウラ:「はい、さようなら」
アルカ:「ユーアン、カレー食べたいな」
ユーアン:「分かった分かった」
0:---場面転換、アルカの家
アルカ:「ユーアン達、私達のために色々考えてくれてるんだよね、ありがとう、ごめんね」
ユーアン:「全然大丈夫だよ。アルカはこの国でシェルターらしい物、見たことない?」
アルカ:「うーん、見たことないなあ」
ユーアン:「1000年前のノクタリアの人々が太陽を回避した時に使ったやつが残っているなら、何処かにシェルターがあるはずなんだけど、シャウラ先生もチャコモリさんも見たことが無いって」
アルカ:「この国の何処かにあるはずなんだよね? でも、色々な家を回ってるシャウラ先生もチャコモリさんも知らないなら、人がいないところにあるのかなあ」
ユーアン:「……そうか!」
アルカ:「どうしたの?」
ユーアン:「一つだけあるんだ。シャウラさんもチャコモリさんも行ったことが無さそうで、シェルターのありそうな場所」
アルカ:「それって?」
ユーアン:「それはね……。ん?」
アルカ:「……ユーアン?」
ユーアン:「外、何か変じゃないか」
アルカ:「外がどうかした?」
ユーアン:「空がちょっとだけ、ほんの少しだけどいつもより明るい気がする。……ひょっとして、太陽が?」
アルカ:「え、もう? だってまだ夕方だよ?」
ユーアン:「油断してた。太陽は朝に昇るって思い込んでたけど、そもそも朝の来ない国だし、常識なんてあるわけない。この時間から太陽が昇ってもおかしくないよ」
アルカ:「どうしよう、このままじゃアウロラが……」
ユーアン:「落ち着いて、まだ時間はある。シャウラ先生のところに行こう!」
アルカ:「うん!」
0:---場面転換、中央街、シャウラの診療所
ユーアン:「先生!」
シャウラ:「ユーアン、アルカ。よく来てくれたわ」
アルカ:「アウロラは?」
シャウラ:「奥の部屋に隠れているわ。どれだけ光を防げるか分からないけどね」
ユーアン:「先生、シェルターの場所なんだけど、北の森の中って可能性はない?」
シャウラ:「北の森……? 確かにあそこには何があるか、私もチャコモリも知らないけど、あんな怪物達がいる所にわざわざシェルターを作るかしら?」
ユーアン:「でも、あと北の森しか考えられる場所は無いはずです」
シャウラ:「それもそうだけど……、アルカもそう思うの?」
アルカ:「私は難しいことはよく分からないけど、ユーアンを信じてます」
アウロラ:「……先生?」
シャウラ:「アウロラ、隠れてなきゃ駄目じゃない」
アウロラ:「……私、どうしたらいいんですか?」
ユーアン:「アウロラ、太陽の光を避けられるシェルターの場所が分かったかもしれないんだ。僕とアルカはそこに行ってみようと思ってる」
シャウラ:「……分かったわ。どの道、こうしててもラチがあかないものね。アウロラ、貴女はどうする? もしシェルターが無かったら、森の中で日光を浴びる事になるでしょう。でも、ここに居ても太陽の光を防ぎ切れる保証はないわ」
アウロラ:「でも、もし、森の中にシェルターがあったら、私は助かるんですか?」
ユーアン:「助かる。僕とアルカはその可能性に賭けてみようと思ってる」
アウロラ:「でも、太陽が昇る前にシェルターまで行けるんですか? 怪物もいるんですよね?」
アルカ:「大丈夫! 頑張って走るから!」
アウロラ:「……え?」
アルカ:「おんぶしてあげるね!」
アウロラ:「あの、ちょっと……?」
アルカ:「よーし、行くぞー!」
アウロラ:「え、ちょっ、まっ、うわあああああああ!?」
シャウラ:「アルカ、相変わらずね」
ユーアン:「どうやって二人を追いかけるかなんだけど……」
チャコモリ:「ああ、二人とも、お疲れさまです。太陽が出てきちゃいましたね」
ユーアン:「あ、チャコモリさん、ちょうどいい所に。僕を持って飛べますか? アルカとアウロラがシェルターを探して北の森に行ったんです」
チャコモリ:「ほーう、北の森か。そうか、その発想は無かったな。分かったよ。しっかり捕まっててよ!」
ユーアン:「シャウラさん、行ってきます」
シャウラ:「気をつけて」
0:----場面転換、アルカ、アウロラ組、森の中
アウロラ:「アルカさん! 方向合ってるんですか!?」
アルカ:「えー? 分からないけど、奥の方に行けばいいんだよね?」
アウロラ:「それはちょっと違くないですか!? というか、何ですかこのスピード!?」
アルカ:「あはは! 速いでしょ!」
アウロラ:「速すぎます! 目めっちゃ乾く! 本当に人間ですか!?」
アルカ:「うーんと、半分そうだよ!」
アウロラ:「半分?」
アルカ:「私ね、吸血鬼なんだ」
アウロラ:「えっ?」
アルカ:「なんかね、吸血鬼症に罹ると吸血鬼になっちゃうらしいんだよね。その症状でこうやって人間離れした身体能力が貰えたんだけど、太陽が苦手になったり定期的に血が欲しくなったり日常生活で困ることもあるよね」
アウロラ:「……ごめんなさい」
アルカ:「ああ、違うの! こっちこそごめんね! そんなつもりはなかったの」
アウロラ:「私、自分だけが大変だって思い込んで酷いことを言って」
アルカ:「全然気にしてないよ! それにほら、そのお陰で友達を助けられるかもしれないんだから、悪いことばっかりじゃないよ」
アウロラ:「……ありがとうございます」
アルカ:「いいってことよ! ところでさ、私からも一個聞いてもいい?」
アウロラ:「はい、なんですか?」
アルカ:「シェルターってどこにあるの?」
アウロラ:「やっぱり知らないんじゃないですか!?」
アルカ:「うおっと!」
アウロラ:「うわあ! 急に止まらないでください!」
アルカ:「しっ、怪物だよ、アウロラ、見つかっちゃった」
アウロラ:「……アルカさん、私が囮になります。その隙に逃げてシェルターを探してください」
アルカ:「ばか! そんなことする訳ないじゃん」
アウロラ:「でもこのままじゃ二人とも食べられちゃいます。太陽が昇るまで時間もないでしょう。だったらせめてアルカさんだけでも」
アルカ:「次そんなこと言ったらひどいからね! 大丈夫だから、絶対守るよ」
アウロラ:「……? アルカさん、この怪物、様子がおかしくないですか?」
アルカ:「ん?」
アウロラ:「私達を見ても襲いかかってきません。……あ、怪物が歩いていきます。数歩進んでは振り返って、まるで、ついて来いって言っているような」
アルカ:「行ってみよう!」
アウロラ:「……はい!」
0:---場面転換、ユーアン、チャコモリ組、上空
チャコモリ:「だいぶ空が明るんできたね、夜明けって綺麗なんだなあ。って、今はそんな事考えてる場合じゃないね。シェルターは見つかるかな」
ユーアン:「チャコモリさん、僕 重くないですか?」
チャコモリ:「なんてことないよ。ただ、朝になったからかなあ、眠くなってきたね」
ユーアン:「今寝ちゃダメですよ」
チャコモリ:「ん、森の中で何かが動いたね」
ユーアン:「え、本当ですか」
チャコモリ:「フクロウの視力は人間よりもずっといいからね、行ってみるよ」
ユーアン:「お願いします!」
0:---場面転換、ユーアン、アルカ、チャコモリ、アウロラ、シェルター前
ユーアン:「アルカ!」
アルカ:「あ、ユーアン! 来てくれたの?」
チャコモリ:「ひぃっ!? か、怪物ですよ! フクロウは美味しくないですよ!」
アルカ:「ああ、違うの!」
アウロラ:「この怪物さんが、シェルターの場所を教えてくれたんです」
アルカ:「ここ最近機嫌が悪かったのも、シェルターが必要になるって知ってたから、頑張って守ろうとしてくれてたんだね」
チャコモリ:「なんだ、そういうことだったんですね」
ユーアン:「それよりもアルカ、アウロラ。じきに太陽が昇る。早くシェルターへ」
アルカ:「あ、うん、そうだね! アウロラ、行こう!」
アウロラ:「はい!」
ユーアン:「一件落着、かな」
チャコモリ:「そうだね、長い一日だった、お疲れさま、ユーアン」
ユーアン:「チャコモリさんもありがとうございました」
チャコモリ:「じゃあ、僕は寝るよ。おやすみ」
ユーアン:「はい、おやすみなさい」
アルカ:「ユーアン、中やばい! すごい虫いる!」
アウロラ:「助けてください!」
ユーアン:「……そりゃ1000年も使ってなければなあ、あはは」
0:---場面転換、中央街、シャウラの診療所
アルカ:「シャウラ先生! こんにちは!」
シャウラ:「アルカ、ユーアン、こんにちは。変わりなかったかしら?」
アルカ:「バッチリです!」
アウロラ:「アルカさん、ユーアンさん、こんにちは」
ユーアン:「アウロラ、先生の助手の仕事は慣れた?」
アウロラ:「バッチリです!……とはまだ言えないけど、少しずつ、ですね」
シャウラ:「飲み込みも早いし努力家だし、すごく助かってるわ」
チャコモリ:「失礼します、新聞をお届けに来ましたよ」
シャウラ:「ありがとう、チャコモリ。どれどれ……、あら、アウロラことが載っているわ」
チャコモリ:「『森の怪物は、実はシェルターを守っていた心優しいモンスターだった!』って記事が評判良くてね。その後もアウロラと怪物の交流を密着取材させていただいているんですよ」
アウロラ:「でも、ちょっと恥ずかしいですね。あ、先生、そろそろ森に行ってきます。今日は怪物さんのブラッシングの予定なので」
シャウラ:「はい、いってらっしゃい」
ユーアン:「……なんか、明るくなりましたね、アウロラ」
シャウラ:「そうね、あの日から何か変わったんじゃないかしら。どうやら友達もたくさんできたみたいだしね。……はい、いいわよ。経過良好ね」
アルカ:「ありがとうございます!」
ユーアン:「ありがとうございました、先生」
シャウラ:「気をつけて帰るのよ」
アルカ:「ユーアン、お腹すいたね」
ユーアン:「帰ったらベーコンでも焼いてあげるよ」
アルカ:「やったー! 今度は焦がさないでね!」
0:完