台本概要

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タイトル 英雄の昼飯
作者名 あすら  (@asura42)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男2) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 英雄の昼飯と書いて、ひでおのひるめし
ヒーロー・ランチかもしれない
作中に記されている英雄は全部「ひでお」ってよみます

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
英雄 17 只野英雄 (タダノ ヒデオ)38歳 彼はヒーローである
店主 10 料理屋の店主 ナレーション、司会、アナウンサー 兼役がたくさん
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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[ 英雄の昼飯 ] 0:電話をしている 英雄:あぁそうか、何事なく無事だったなら何よりだ。 英雄:心配になって電話したが、そんなもの必要無かったな、あぁ、また飲みにでもいこう……お疲れ様。 :電話を切る 英雄:はぁ………俺は何をしているんだろうな…… ナレーション:彼の名前は只野英雄 38歳 独身、彼の職業はヒーローである。 英雄:今何時だ…?昼過ぎか、どうりで腹が減るわけだ……何処か店かコンビニでもあるかな…お、あそこなんてよさそうだな、入ってみるか :店の戸を開ける 店主:いらっしゃい 英雄M:町の料理屋さんって感じだ…他に客は…いないと……うん、ゆっくりさせてもらおう :カウンター席に着いた英雄の前におしぼりとお茶が置かれる 英雄:ありがとうございます 店主:メニューそこにあるから、きまったら言ってくれ 英雄M:さてさて、どれにしようか唐揚げ、肉野菜炒め、焼き魚に焼きそば定食…どれも魅力的だな…日替わりがあるのか、 英雄M:今日は…白身魚のフライ!よし、これにするか 英雄:すみません、日替わり定食を。 店主:あいよ、ご飯は?大盛りに出来るけど 英雄:じゃあお願いします :お昼のテレビが流れている 司会:え〜先ほど茸山市に現れた、アクマーク団による暴動は、駆けつけたヒーロー達により鎮圧、幹部1名と団員の数名が確保、警察に引き渡されたそうです。 司会:また今回の暴動によって周辺各地の建物に損壊はあったものの、一般市民による負傷者は0でありますと……いやぁ〜お手柄ですね〜 :賑わう出演者 英雄M:さっきのか…皆頑張ってるんだな…それに比べて俺はどうだ?マスクを被ることすら出来なかったんだぞ… ナレーション:只野英雄、ヒーローである彼は、若さ溢れる10代の頃にマスクを被り巨悪と戦い続けたのである。 英雄M:もがいてあがいて必死に戦って20年と少し、鍛えてはいるがそれでも身体は衰えていく。 英雄M:肩と腰の痛みは言う事を聞いてくれない、後輩たちも十分に育っている、今更俺なんかがでしゃばってもしょうがないじゃないか。 ナレーション:宇宙、異世界からの侵略者、力の覚醒と共に悪が芽生え世界を我がものと企む者、暴力が形となって現れんとする怪人 ナレーション:時代が進むにつれ平和から遠ざかっていく今、悪いことばかりでは無い、正義の心を燃やし立ち上がる者もいる。 ナレーション:だが今なお戦い続けた英雄の心の火は消えかかっていた。 英雄:このままじゃ…ダメだよなぁ 店主:前からごめんよ、はい日替わりお待ち 英雄:あぁ、ありがとうございます……とりあえず食べよう食べてから考えよう ナレーション:英雄、本日の昼飯、日替わり定食 白身魚のフライ 白米 味噌汁 キャベツの千切り 柴漬け 英雄:いただきます。 英雄M:まずは汁物から…ぷはっワカメと豆腐、いいじゃないか、一周まわってこういうのが落ち着くんだよな。 英雄M:フライをかぶりつきたいがここは我慢してキャベツを…うんキャベツだ…ごまドレッシングで美味い…野菜を先に食べると身体に良いと言われているが、 英雄M:この食べている時間、気が狂いそうだ……半分くらいで一旦止めよう…… 英雄M:よしメインの魚のフライを…!?タルタルソースがたっぷり添えられているじゃないか…! 英雄:…やるな…! 英雄M:…………いざ参る……美味い!サックリ衣とフワッとした白身、そこにあわさるはタルタルソース……らっきょうが入ってるのか…恐ろしい……ここに迎えるは白米…あぁ、最高だ……!! ナレーション:英雄は美味い飯を食べる時だけは己の身体の事を忘却する…胃もたれに苦しむ事を一旦忘れているのだ。 英雄M:これはもう止まらないな… :テレビは流れ続けている 司会:​──それでは本日のトピックに行きましょう、まずはこちら、新進気鋭!ニューヒーローは白馬の王子さま!?​──── 英雄M:ん…あぁ彼か…若くて爽やかで気持ちのいい青年だったな……そうか、資格も取れたし、もうヒーローなんだな… 英雄M:早速活躍してるのか…素晴らしい事じゃないか ナレーション:ヒーローも日々進化を続けている スーパーパワー、超能力、新技術による装備品 ナレーション:新たな力を求めんが為、研究は進められている 英雄M:俺にあるのはなんだ…?触れずに物を動かせる訳でも無く、空も飛べない 英雄M:武器を使おうにもハイテク過ぎて頭が追いつかない、こんなんだから時代遅れだと言われるんだろ 英雄M:スーツから出た腹とモデル顔負けの体型、そんなの比べるまでもない。 ナレーション:暴力に怯え暮らす世の中、悪と戦うヒーローという光は民衆の1つのエンターテインメントへと変わろうとしていた ナレーション:それはヒーローを比べることにまで至ってしまった。 英雄M:いかんいかん、せっかくの美味い昼飯に出会えたんだ、こんなことを考えている場合じゃ :突然店主が口を開く 店主:ヒーロー、ヒーロー、いつの間に俺達はこんなにも弱くなっちまったのかね 英雄:え? 店主:こうやって、なんでもかんでもテレビや新聞で取り上げてヒーローさん達も生きづらいもんだろ 英雄:……… 店主:怪人や宇宙人から俺たちを助けてもらってるっていうのに、まずはありがとうって感謝をするのが俺たちのすることじゃねえのかねぇ 英雄:…それは…… 店主:…あぁ悪ぃな お客さん、つい愚痴が出ちまった…孫が言うんだあのヒーローはカッコイイ、あれはかっこよくないって 店主:俺は昔、20年も前になるかな…ヒーローに助けられた事があるから、なんだか据わりが悪いって言うのかねぇ… 店主:昔のヒーローっていうのは泥臭くてなんど倒れてそれでも立ち上がって必死にみんな食らいついていた!この星を、この場所を守る為に…! 店主:今は技術が進んで少しは便利になっていってる、それでも危ないもんはあぶねえしそれで命を落とすこともある、 店主:それなのに新しいヒーローはそれに別の何かを求められてすごく息苦しそうでよ…… 英雄:…っ!? 英雄:………お孫さんの言ってる事は、そんなに悪いことじゃないと、思います。 英雄:大変だし不安な事ばかりだけど、いつか…いや、これから世界を平和にしていく時代にああいう、格好いいヒーローがいた方が俺はいいと思ってます。 アナウンサー:番組の途中ですがここで緊急ニュースです。 アナウンサー:竹里市に怪人が出現、丙級であると観測されました。 アナウンサー:繰り返します、竹里市に怪人が出現、丙級であると観測されました。 アナウンサー:周辺地域にお住いの方は避難指示に従って下さい​──​─── 英雄:怪人…! 店主:丙級っ!…竹里か…こっちにも来るかもしれんな!…お客さんあんたも避難を… :英雄、昼飯をかっ食らう 英雄:ご馳走様でした!お金ここに置いときます!! 店主:えっ!あぁ、おい! :走る英雄 英雄:ハァ、ハァッ…あるじゃないか!俺にも…!そうだ何度でも立ち上がってきたじゃないか…! 英雄:周りがどうした!俺はみんなを守るためにヒーローになったんだ 英雄:それが平和への証になるんだったら、いくらでも足掻いてやるさ!! ナレーション:英雄は走り続ける、たとえ少し躓いたとしても、その心の火が燃え続ける限り、マスクを被りどこまでも。

[ 英雄の昼飯 ] 0:電話をしている 英雄:あぁそうか、何事なく無事だったなら何よりだ。 英雄:心配になって電話したが、そんなもの必要無かったな、あぁ、また飲みにでもいこう……お疲れ様。 :電話を切る 英雄:はぁ………俺は何をしているんだろうな…… ナレーション:彼の名前は只野英雄 38歳 独身、彼の職業はヒーローである。 英雄:今何時だ…?昼過ぎか、どうりで腹が減るわけだ……何処か店かコンビニでもあるかな…お、あそこなんてよさそうだな、入ってみるか :店の戸を開ける 店主:いらっしゃい 英雄M:町の料理屋さんって感じだ…他に客は…いないと……うん、ゆっくりさせてもらおう :カウンター席に着いた英雄の前におしぼりとお茶が置かれる 英雄:ありがとうございます 店主:メニューそこにあるから、きまったら言ってくれ 英雄M:さてさて、どれにしようか唐揚げ、肉野菜炒め、焼き魚に焼きそば定食…どれも魅力的だな…日替わりがあるのか、 英雄M:今日は…白身魚のフライ!よし、これにするか 英雄:すみません、日替わり定食を。 店主:あいよ、ご飯は?大盛りに出来るけど 英雄:じゃあお願いします :お昼のテレビが流れている 司会:え〜先ほど茸山市に現れた、アクマーク団による暴動は、駆けつけたヒーロー達により鎮圧、幹部1名と団員の数名が確保、警察に引き渡されたそうです。 司会:また今回の暴動によって周辺各地の建物に損壊はあったものの、一般市民による負傷者は0でありますと……いやぁ〜お手柄ですね〜 :賑わう出演者 英雄M:さっきのか…皆頑張ってるんだな…それに比べて俺はどうだ?マスクを被ることすら出来なかったんだぞ… ナレーション:只野英雄、ヒーローである彼は、若さ溢れる10代の頃にマスクを被り巨悪と戦い続けたのである。 英雄M:もがいてあがいて必死に戦って20年と少し、鍛えてはいるがそれでも身体は衰えていく。 英雄M:肩と腰の痛みは言う事を聞いてくれない、後輩たちも十分に育っている、今更俺なんかがでしゃばってもしょうがないじゃないか。 ナレーション:宇宙、異世界からの侵略者、力の覚醒と共に悪が芽生え世界を我がものと企む者、暴力が形となって現れんとする怪人 ナレーション:時代が進むにつれ平和から遠ざかっていく今、悪いことばかりでは無い、正義の心を燃やし立ち上がる者もいる。 ナレーション:だが今なお戦い続けた英雄の心の火は消えかかっていた。 英雄:このままじゃ…ダメだよなぁ 店主:前からごめんよ、はい日替わりお待ち 英雄:あぁ、ありがとうございます……とりあえず食べよう食べてから考えよう ナレーション:英雄、本日の昼飯、日替わり定食 白身魚のフライ 白米 味噌汁 キャベツの千切り 柴漬け 英雄:いただきます。 英雄M:まずは汁物から…ぷはっワカメと豆腐、いいじゃないか、一周まわってこういうのが落ち着くんだよな。 英雄M:フライをかぶりつきたいがここは我慢してキャベツを…うんキャベツだ…ごまドレッシングで美味い…野菜を先に食べると身体に良いと言われているが、 英雄M:この食べている時間、気が狂いそうだ……半分くらいで一旦止めよう…… 英雄M:よしメインの魚のフライを…!?タルタルソースがたっぷり添えられているじゃないか…! 英雄:…やるな…! 英雄M:…………いざ参る……美味い!サックリ衣とフワッとした白身、そこにあわさるはタルタルソース……らっきょうが入ってるのか…恐ろしい……ここに迎えるは白米…あぁ、最高だ……!! ナレーション:英雄は美味い飯を食べる時だけは己の身体の事を忘却する…胃もたれに苦しむ事を一旦忘れているのだ。 英雄M:これはもう止まらないな… :テレビは流れ続けている 司会:​──それでは本日のトピックに行きましょう、まずはこちら、新進気鋭!ニューヒーローは白馬の王子さま!?​──── 英雄M:ん…あぁ彼か…若くて爽やかで気持ちのいい青年だったな……そうか、資格も取れたし、もうヒーローなんだな… 英雄M:早速活躍してるのか…素晴らしい事じゃないか ナレーション:ヒーローも日々進化を続けている スーパーパワー、超能力、新技術による装備品 ナレーション:新たな力を求めんが為、研究は進められている 英雄M:俺にあるのはなんだ…?触れずに物を動かせる訳でも無く、空も飛べない 英雄M:武器を使おうにもハイテク過ぎて頭が追いつかない、こんなんだから時代遅れだと言われるんだろ 英雄M:スーツから出た腹とモデル顔負けの体型、そんなの比べるまでもない。 ナレーション:暴力に怯え暮らす世の中、悪と戦うヒーローという光は民衆の1つのエンターテインメントへと変わろうとしていた ナレーション:それはヒーローを比べることにまで至ってしまった。 英雄M:いかんいかん、せっかくの美味い昼飯に出会えたんだ、こんなことを考えている場合じゃ :突然店主が口を開く 店主:ヒーロー、ヒーロー、いつの間に俺達はこんなにも弱くなっちまったのかね 英雄:え? 店主:こうやって、なんでもかんでもテレビや新聞で取り上げてヒーローさん達も生きづらいもんだろ 英雄:……… 店主:怪人や宇宙人から俺たちを助けてもらってるっていうのに、まずはありがとうって感謝をするのが俺たちのすることじゃねえのかねぇ 英雄:…それは…… 店主:…あぁ悪ぃな お客さん、つい愚痴が出ちまった…孫が言うんだあのヒーローはカッコイイ、あれはかっこよくないって 店主:俺は昔、20年も前になるかな…ヒーローに助けられた事があるから、なんだか据わりが悪いって言うのかねぇ… 店主:昔のヒーローっていうのは泥臭くてなんど倒れてそれでも立ち上がって必死にみんな食らいついていた!この星を、この場所を守る為に…! 店主:今は技術が進んで少しは便利になっていってる、それでも危ないもんはあぶねえしそれで命を落とすこともある、 店主:それなのに新しいヒーローはそれに別の何かを求められてすごく息苦しそうでよ…… 英雄:…っ!? 英雄:………お孫さんの言ってる事は、そんなに悪いことじゃないと、思います。 英雄:大変だし不安な事ばかりだけど、いつか…いや、これから世界を平和にしていく時代にああいう、格好いいヒーローがいた方が俺はいいと思ってます。 アナウンサー:番組の途中ですがここで緊急ニュースです。 アナウンサー:竹里市に怪人が出現、丙級であると観測されました。 アナウンサー:繰り返します、竹里市に怪人が出現、丙級であると観測されました。 アナウンサー:周辺地域にお住いの方は避難指示に従って下さい​──​─── 英雄:怪人…! 店主:丙級っ!…竹里か…こっちにも来るかもしれんな!…お客さんあんたも避難を… :英雄、昼飯をかっ食らう 英雄:ご馳走様でした!お金ここに置いときます!! 店主:えっ!あぁ、おい! :走る英雄 英雄:ハァ、ハァッ…あるじゃないか!俺にも…!そうだ何度でも立ち上がってきたじゃないか…! 英雄:周りがどうした!俺はみんなを守るためにヒーローになったんだ 英雄:それが平和への証になるんだったら、いくらでも足掻いてやるさ!! ナレーション:英雄は走り続ける、たとえ少し躓いたとしても、その心の火が燃え続ける限り、マスクを被りどこまでも。