台本概要

 88 views 

タイトル Scrap witch !? 第5話 ウィッチクラフト
作者名 狗山犬壱(イヌヤマ ケンイチ)
ジャンル ファンタジー
演者人数 3人用台本(男1、女2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 闇夜の森の中、ピリア達の反撃が始まる。

 88 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ピリア 69 主人公。知識や知恵等は素晴らしいがフィジカル面が貧弱。筋肉痛って痛いよね
カルシゥム 63 ピリアの使い魔。フォロー能力が高いことに定評がある。冒険の経験値No.1
ペティ 79 カナードの冒険者。勇敢で好奇心が高いが、地味に天然。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:SIDE ペティ 0: 0:闇夜の森を2つの影が駆ける。 ペティ:「ほらほら!こっちこっち!」 0:一つはフード付きのマントを身につけた冒険装束の少女、ペティ 0:もう一つは炎を身に纏った巨大な獣、ブレイズボア 0:ペティはブレイズボアを挑発しながら森の木々の間を駆け抜ける ペティ:「へっへーん!どうしたどうした!」 0:森の木を利用して巧みに逃げるペティにしびれを切らしたのか 0:一度立ち止まり、ブレイズボアは息を吸い込み火球を放とうとする ペティ:「おっと!来た!」 0:火球の動作を察したペティは 0:ブレイズボアの射線を木を利用して遮る 0:するとブレイズボアは苛立たしげに鼻を鳴らし、再度動き出す ペティ:「カル君の言った通りだ!」 0:時は少し遡る 0:3人はブレイズボアの追跡をかわしながら、森を走っていた ピリア:「…作戦は以上です」 ペティ:「短時間にこれだけの作戦を考え付くなんて…」 ペティ:「すっごいね!ピリア!」 カルシゥム:「なるほどな…これならなんとか出来るかもしれない」 カルシゥム:「だが…問題は」 ペティ:「ウチの体力?」 ピリア:「それに少ないとはいえ、怪我もしています。」 ピリア:「…本当は無理をさせたくないのですが」 0:ペティは走りながら、ニカっと笑う ペティ:「これでも冒険者のはしくれなんだ!」 ペティ:「体力には自信がある!任せてよ!」 ピリア:「…ごめんなさい。お願いします」 カルシゥム:「それじゃ、もう一度確認だ」 カルシゥム:「俺とお嬢は、一旦離れて別行動をする」 カルシゥム:「その間、ペティには奴の注意を引き付けてもらう」 ピリア:「こちらの準備を整えたら、合図を出します」 ペティ:「この鈴が鳴るんだね?」 0:ペティは手首に巻き付けた銀色の鈴を振る 0:しかし鈴は鳴らなかった ペティ:「あれ?鳴らないや」 ピリア:「【ウィッチクラフト】の一つ」 ピリア:「【言触(ことぶ)れの鈴】です。」 ピリア:「対(つい)になる鈴に魔力を込めると、鳴る仕組みになってます」 ペティ:「へー!」 ペティ:「それじゃ、合図があったら」 ペティ:「さっき水浴びをした水場まで、あいつを誘導すればいいんだよね?」 ピリア:「はい。」 ペティ:「あ、でも、もし水場の位置が分からなくなったら…」 ピリア:「言触れの鈴は音が鳴り始めると」 ピリア:「対の鈴に引き寄せられる性質を持っています」 ピリア:「もし分からなくなった時は」 ピリア:「鈴の導きに従ってください」 ペティ:「へー!分かった!スゴいね!この鈴!」 ピリア:「あとこれも身につけておいて下さい」 0:ピリアはカーキ色のマントをアイテムボックスから取り出し 0:ペティに渡す ペティ:「おー!マントだ!」 ピリア:「必ず身につけておいてください」 ペティ:「了解ー!」 カルシゥム:「ペティ」 ペティ:「なにかな?カル君」 カルシゥム:「ブレイズボアから逃げるときは」 カルシゥム:「木に身を隠しながら逃げるように心掛けろ」 カルシゥム:「そうすれば大抵の攻撃は受けずに逃げることが出来る」 ペティ:「え、でも木とか構わずに突進されたり ペティ:「火球を撃たれたりしない?」 カルシゥム:「それはない」 カルシゥム:「あいつらは森の恵みを守ることを何よりも重視する」 カルシゥム:「獲物を追うとき、必ず木々や植物の存在を確認してから」 カルシゥム:「行動を起こす。」 ペティ:「それならなんとか逃げられそうだね!」 ペティ:「やってみるよ!」 カルシゥム:「他にも攻撃の事前動作なんかも教えておく」 カルシゥム:「ただ、予想外の動きもあるかもしれないから」 カルシゥム:「過信はしないようにな」 0:時は現在に戻る ペティ:「作戦は今のところ順調だね!」 ペティ:「ただ…」 0:ペティは走りながら、苦笑いをする ペティ:「きっついね!」 ペティ:「(ある程度は予想してたけど、体力の消耗がえげつないや)」 ペティ:「(足の負担もヤバい…けど!)」 0:ペティはニヤリと笑う ペティ:「燃えるね!この状況!」 ペティ:「ぜっったい!成功させる!!」 0:ペティの逃亡劇は続く 0:           0: 0:SIDE ピリア&カルシゥム 0: 0: 0:二人はペティとピリアが先程まで 0:泥を落とすために利用していた水場まで来ていた ピリア:「カルさん、これを」 0:ピリアは鞄型のアイテムボックスから 0:4本の細長い棒を取り出そうとする…が ピリア:「う、うぅ!も、持てなぃぃ…!」 0:貧弱なため、持てなかった カルシゥム:「ああ、道具は俺が出すから」 0:カルシゥムはピリアからアイテムボックスを受け取り 0:細長い4本の棒を取り出した ピリア:「あ、ありがとうございます…」 カルシゥム:「さっきまではカッコよかったから忘れてたけど」 カルシゥム:「お嬢、基本へなちょこだもんな」 ピリア:「うぅ…貧弱な自分が憎いですぅ…」 カルシゥム:「それで?これをどうすればいい?」 0:ピリアはカルシゥムの言葉にハッとして、表情を引き締める ピリア:「今から指示する場所の地面に突き刺して下さい。」 0:カルシゥムはピリアの指示通りに棒を地面に突き刺していく カルシゥム:「刺して来たぜ、お嬢。」 ピリア:「ありがとうございます。」 0:ピリアは杖を構え、魔力を込める ピリア:「火界(かかい)の同胞(はらから)よ、その営み(いとなみ)を止め」 ピリア:「一時(ひととき)の休息を得よ。」 0:ピリアは杖を地面にコンっと突き鳴らす ピリア:「冬を司(つかさど)りし貴婦人よ」 ピリア:「一時の厳冬をここに成せ」 0:更に2回、杖を付き音を鳴らす 0:その瞬間、急激に水場周辺の温度が下がりはじめ 0:辺りを霧が包み始める カルシゥム:「うぉ!?な、なんだ!?」 ピリア:「さっきカルさんに渡した、ウィッチクラフト」 ピリア:「【冬幻(とうげん)の御柱(みはしら)】です」 ピリア:「4本の棒を地面へと刺し、棒を基点に結界を張り」 ピリア:「結界内の気温を強制的にかつ急速に下げる代物です」 カルシゥム:「またとんでもない物を使ったな、お嬢」 ピリア:「…緊急事態ですので」 カルシゥム:「後で怒られたりしないか?お師匠さんに」 0:ピリアはビクッ!と体を震わせる ピリア:「た、たたった、多分…ど、どどどどど…!?か、かかか!」 カルシゥム:「悪かった!俺が悪かったから!」 カルシゥム:「今は!それは忘れよう!」 カルシゥム:「後で俺も謝るから!大丈夫だ!」 ピリア:「か、カルさぁん…!」 0:カルシゥムはピリアの頭を優しく撫で カルシゥム:「よーしよし!大丈夫…大丈夫…」 0:ピリアはカルシゥムの慰めを受け、深呼吸を一つする ピリア:「い、今は…大丈夫ということにし、します!」 カルシゥム:「ああ!分かった!」 ピリア:「次はこれを」 0:ピリアはマジックボックスから針を5本程取り出して、カルシゥムに渡す ピリア:「ウィッチクラフト【石王(せきおう)の盾】です。」 カルシゥム:「盾って…針だよなこれ?」 ピリア:「任意の場所に突き刺して起動すると強固な石壁を生成します」 カルシゥム:「ああ、それで盾なのか」 0:少し考えるカルシゥム カルシゥム:「…なるほど、これがさっき言ってた作戦の要って訳だな」 ピリア:「はい。」 ピリア:「タイミングがシビアになりそうですので」 ピリア:「予備を含めて渡します。」 カルシゥム:「了解だ。」 0:カルシゥムに針を渡し、ピリアは更にマジックボックスから 0:マントを二人分取り出し、一つを身につける ピリア:「カルさんもこれを身に纏って下さい。」 カルシゥム:「マントか?ペティにも渡していたけど」 カルシゥム:「俺もか?俺なら寒さは大丈夫だけど」 ピリア:「いえ。実はこれは…」 0:ピリアがカルシゥムにマントの用途を説明した カルシゥム:「はは、それは確かに必要だ。」 0:カルシゥムもマントを受け取り、身につける ピリア:「準備は整いました。」 ピリア:「…カルさん」 0:ピリアは少し不安げにカルシゥムを見る カルシゥム:「…大丈夫だ、お嬢。」 0:カルシゥムはいつものようにカタカタ顎を鳴らす カルシゥム:「俺たちならなんとかなる!」 ピリア:「…はい!」 0:ピリアは杖を強く握り ピリア:「作戦を開始します!」 0:手首に巻き付けた銀色の鈴に魔力を込める ピリア:「言触(ことぶ)れの鈴よ、汝が半身を導け!」 0:指先で鈴を軽く弾く。すると涼やかな音が森へと響き渡る 0:そのまま森の方へと音は鳴り続けた 0: 0: 0:SIDE ペティ 0: 0: 0:ブレイズボアから逃げ続けていたペティ ペティ:「はぁ…はぁ…!」 0:先程よりも走る速度がかなり落ちていた ペティ:「(まずいな…左足がかなり痛む…)」 ペティ:「(このままだと動けなくなる…!)」 ペティ:「(どうする…どうしよう)」 0:少しの間、ペティの脳裏に不安な考えが駆け巡る。 0:…だが ペティ:「…へへ!」 0:ペティは不敵に笑う ペティ:「このくらいの修羅場で!」 0:両頬を力一杯、両手で叩く ペティ:「泣き言なんか言ってられるかぁぁ!」 0:走る速度をあげるペティ ペティ:「冒険者!なめんなぁぁー!」 0:ペティが叫んだその時、手首の鈴が光り音を鳴らし始める。 ペティ:「来たぁぁー!!」 0:ペティは鈴の導きに従い、水場へと走り出す。 ペティ:「こっち来てみろ!バカ猪!」 ペティ:「お前なんか猪鍋にして食ってやるんだからぁぁー!!」 ペティ:「バーカ!バーカ!」 0:ペティの言葉までは理解出来ていないが 0:雰囲気から自身がバカにされたことを察したブレイズボアは 0:怒り、更に追跡の速度を上げた ペティ:「やっば!やり過ぎたぁぁー!!」 0:ペティは足の痛みも忘れ、必死に走る 0:数分後、ついに水場が見えてきた 0:なぜか霧が辺りに立ち込めている ペティ:「はぁ!はぁ!あ、あったぁぁー!」 0:水場へと到着したことにより気が揺るんだせいか 0:足を止めてしまうペティ ペティ:「あ、やば」 0:その直後、背後から迫ってきたブレイズボアは足を止め、息を吸い込み 0:特大の火球をペティ目掛けて吐き出した 0:ペティは再び走り出そうとするが足の痛みによって膝を落とす ペティ:「は、はは…まいったな」 0:あわや、ペティに火球が着弾するかと思われたその時 0:突然、直径1・8メルテ(1・8メートル)大の石壁が出現し、火球を防いだ ペティ:「これは…」 カルシゥム:「ペティ!まだ走れるか!?」 0:森の中からカルシゥムの声が聞こえた ペティ:「カル君!?」 カルシゥム:「水場の近くに目印を作ってある」 カルシゥム:「そこまで移動して、やつの突進を誘発してくれ!」 カルシゥム:「出来るか!?」 0:カルシゥムの言葉にペティはニヤリと笑う ペティ:「ここまで来たんだ!やってやるさ!」 0:ペティは痛みをこらえ、立ち上がり水場に走り出す ペティ:「こっち見ろ!猪ヤロー!」 ペティ:「炎を纏ってるから水が怖いんだろ!?」 ペティ:「怖くないっていうならかかってこい!バァァーカ!!」 0:ペティはそのまま水場の中へと進み、足を止める ペティ:「うわ!めちゃくちゃ冷たっ!?っとと!」 ペティ:「目印は…これだ!」 0:ペティはブレイズボアへと向き直り、ニヤリと笑う ペティ:「こっちだ猪ヤロー!」 ペティ:「火の球吹いてみろ!ただし!」 ペティ:「ウチの後ろ、水場の奥にはお前の大好きな」 ペティ:「森があるぞ!」 0:ペティはニヤニヤしながら、親指で水場の奥の森を指す ペティ:「ウチを殺したければ、お前が自分で来い!」 0:ペティは背中に背負っていたバトルアックスを抜き 0:ブレイズボアへと向ける ペティ:「その牙でウチを殺してみろ!!」 0:ペティの挑発に触発されたブレイズボアは 0:今まで蓄えてきた怒りを発散するために 0:己の出せる最大の速度でペティ目掛けて突進する 0:水場の周辺は起伏がなく、平坦 0:その為、瞬く間にペティへと距離をつめるブレイズボア 0:両者の間がまさに人1人分の距離までになった、その時 カルシゥム:「所詮は獣畜生(けものちくしょう)。」 0:何かが固いものにぶつかり、肉がひしゃげた音とともに 0:獣の悲鳴が水場に響き渡る カルシゥム:「さっき似たような光景を見ただろうに」 0:ペティの前に大きな石壁が現れていた。 ペティ:「これ!さっきの!」 カルシゥム:「ブレイズボアが倒れる!」 カルシゥム:「ペティ!フードを被れ!」 ペティ:「え、あ、分かった!」 0:ペティがフードを被った瞬間、ブレイズボアが倒れる ペティ:「う、うわっ!?」 0:膨大な熱量を持っていたブレイズボアが低温に下げられた水へと沈んだ結果 0:水場の水は瞬時に沸騰し、大量の水蒸気が衝撃をともなって発生し 0:高い温度の水蒸気がペティ達へと襲いかかる ペティ:「熱っ…くない?」 0:だが、なぜかペティ達には効果がなかった。 0:一方で、水蒸気と衝撃波を受けたブレイズボアは更に悲鳴をあげる カルシゥム:「ウィッチクラフト【炎帝の衣】、って言うらしい」 カルシゥム:「お嬢が言うには熱を伴った攻撃や現象、衝撃なんかを」 カルシゥム:「完全に遮断する代物らしい」 ペティ:「あっはっは!何でもありな気がしてきたよ!」 0:突進時の石壁への衝突、水蒸気発生の際に生じた 0:衝撃波と高温の水蒸気 0:これらを全て受けたブレイズボアのダメージは深刻だった カルシゥム:「…ペティ、止めを刺してやれ」 0:カルシゥムはペティに止めを促す ペティ:「…分かった!」 0:ペティはバトルアックスを振り上げ、身体能力を魔力によって強化する ペティ:「お前の首!ウチがもらい受ける!!」 0:全体重を込め、渾身の一撃をブレイズボアの首目掛け 0:振り下ろした。 0: 0: 0: 0:次の日の朝 0: 0:ルーフェンリットの森近郊の停留所 0: 0: 0: 0:ピリアは杖に収まった状態のカルシゥムを抱きしめ、なにやら悶えている ピリア:「あ、あががが…!?」 ピリア:「あ、足がぁ…!腰がぁ…!?」 カルシゥム:「お嬢、大丈夫か?」 ピリア:「ム、ムリぃ…無理ですぅぅぁ…あ、ふ、ふくらはぎがぁ…!」 ピリア:「りょ、両足のふくらはぎの筋肉がぁ…勝手にギュウってぇぇ…!」 ピリア:「いだだだだ!こ、今度は肋骨の裏側の筋肉がぁぁ!」 ピリア:「ひぃぎぃぃ!あいだだだぁぁぁ!」 カルシゥム:「むごい」 ペティ:「いやー!昨日はヤバかったね!ホントに死ぬかと思ったよ!」 ピリア:「痛い痛い痛いぃぃ!内股(うちもも)がぁねじれるるるぅぅ!?」 カルシゥム:「…よく夜明けまで生きていられたよな、俺達」 ピリア:「あ、足の指ぃぃ!?何でぇ!?何でそっちがいだだだだぁぁ!」 ペティ:「それもこれもピリアのお陰だよ!」 ペティ:「ウィッチクラフト…だっけ?」 ペティ:「あれとピリアの作戦がなければ死んでいたね!」 ピリア:「ぴぎゃぁぁー!?こ、今度は背中の筋肉がぁぁー!!」 カルシゥム:「いや、筋肉痛どんだけだよ!お嬢!」 0:全身を筋肉痛に襲われ、悶えているピリアに思わず 0:カルシゥムがツッコミをいれる ピリア:「こ、これはぁ…ウィッチクラフト使用の代償ですぅぅ…!」 カルシゥム:「は?」 ペティ:「えぇ?」 ピリア:「う、ウィッチクラフトは、うぎぃぃ!ほ、本来であれば」 ピリア:「も、もっと大規模に触媒をあだだだ!つ、使ってぇぇ!」 ピリア:「な、何日もかけてからぁ!使用するんですけどぉぉ…あいだだだだ!」 ピリア:「し、師匠が…い、痛ったぁ!?じゅ、省略の術式をぉぉ!?」 ピリア:「し、仕込んでっっくれて!」 カルシゥム:「(あ、からくりが読めたわ)」 ピリア:「ひじょ、非常時に使っても、良いけどぉおうあぁ!?」 ピリア:「あ、あとで地獄を見るってぇぇ!い、言われっってて!」 カルシゥム:「あのドS師匠、ホントにどんだけだよ!」 ペティ:「そ、それじゃあピリアは、ウチらを助けるためにそんな状態に!?」 0:ペティは目を潤ませて、ピリアに近づく カルシゥム:「あ、待てペティ!」 0:ペティの動作から何をしようとしているのか察知したカルシゥムは 0:ペティを制止するよう声をかけるが ペティ:「ピリア!ありがとー!!」 0:両手を広げて、ピリアへと抱きついた 0:思いと力を目一杯込めて ピリア:「ぴぎゃぁぁぁぁー!?」 ペティ:「感動した!会ったばかりのウチを助けるために!」 ピリア:「やめでぇぇぇー!!はなじでぇぇぇー!!」 ペティ:「カナードに着いたら一杯、冒険しよう!ウチがんばるから!」 ピリア:「いだだだだ!良いから!もうそういうのは!良いからぁぁ!」 ペティ:「よーし!ピリアを胴上げだ!」 ピリア:「イヤァァァァー!!か、カルさぁぁん!たずけでぇぇぇー!」 カルシゥム:「おいバカ!筋肉痛の相手に何してやがる!」 カルシゥム:「お嬢を早く放しやがれ!」 0:無事、森を抜けることが出来たピリア達一行 0:次に目指すは自由都市カナード 0:新たな街では何が待ち受けているのか? ペティ:「そーれ!わーっしょい!わーっしょい!」 ピリア:「いだだだだ!じょ、上下に!ゆ、れると!ぴぎぃぃ!」 カルシゥム:「くそ、魔力が切れて顕現(けんげん)出来ねぇ!?」 カルシゥム:「おいバカペティ!お嬢を落とすんじゃねーぞ!?」 ペティ:「あっはっは!そんなミスはしないっと…あ」 カルシゥム:「あ」 ピリア:「ぴぎゃぁぁー!?」 0:次回に続く…かなぁ?

0:SIDE ペティ 0: 0:闇夜の森を2つの影が駆ける。 ペティ:「ほらほら!こっちこっち!」 0:一つはフード付きのマントを身につけた冒険装束の少女、ペティ 0:もう一つは炎を身に纏った巨大な獣、ブレイズボア 0:ペティはブレイズボアを挑発しながら森の木々の間を駆け抜ける ペティ:「へっへーん!どうしたどうした!」 0:森の木を利用して巧みに逃げるペティにしびれを切らしたのか 0:一度立ち止まり、ブレイズボアは息を吸い込み火球を放とうとする ペティ:「おっと!来た!」 0:火球の動作を察したペティは 0:ブレイズボアの射線を木を利用して遮る 0:するとブレイズボアは苛立たしげに鼻を鳴らし、再度動き出す ペティ:「カル君の言った通りだ!」 0:時は少し遡る 0:3人はブレイズボアの追跡をかわしながら、森を走っていた ピリア:「…作戦は以上です」 ペティ:「短時間にこれだけの作戦を考え付くなんて…」 ペティ:「すっごいね!ピリア!」 カルシゥム:「なるほどな…これならなんとか出来るかもしれない」 カルシゥム:「だが…問題は」 ペティ:「ウチの体力?」 ピリア:「それに少ないとはいえ、怪我もしています。」 ピリア:「…本当は無理をさせたくないのですが」 0:ペティは走りながら、ニカっと笑う ペティ:「これでも冒険者のはしくれなんだ!」 ペティ:「体力には自信がある!任せてよ!」 ピリア:「…ごめんなさい。お願いします」 カルシゥム:「それじゃ、もう一度確認だ」 カルシゥム:「俺とお嬢は、一旦離れて別行動をする」 カルシゥム:「その間、ペティには奴の注意を引き付けてもらう」 ピリア:「こちらの準備を整えたら、合図を出します」 ペティ:「この鈴が鳴るんだね?」 0:ペティは手首に巻き付けた銀色の鈴を振る 0:しかし鈴は鳴らなかった ペティ:「あれ?鳴らないや」 ピリア:「【ウィッチクラフト】の一つ」 ピリア:「【言触(ことぶ)れの鈴】です。」 ピリア:「対(つい)になる鈴に魔力を込めると、鳴る仕組みになってます」 ペティ:「へー!」 ペティ:「それじゃ、合図があったら」 ペティ:「さっき水浴びをした水場まで、あいつを誘導すればいいんだよね?」 ピリア:「はい。」 ペティ:「あ、でも、もし水場の位置が分からなくなったら…」 ピリア:「言触れの鈴は音が鳴り始めると」 ピリア:「対の鈴に引き寄せられる性質を持っています」 ピリア:「もし分からなくなった時は」 ピリア:「鈴の導きに従ってください」 ペティ:「へー!分かった!スゴいね!この鈴!」 ピリア:「あとこれも身につけておいて下さい」 0:ピリアはカーキ色のマントをアイテムボックスから取り出し 0:ペティに渡す ペティ:「おー!マントだ!」 ピリア:「必ず身につけておいてください」 ペティ:「了解ー!」 カルシゥム:「ペティ」 ペティ:「なにかな?カル君」 カルシゥム:「ブレイズボアから逃げるときは」 カルシゥム:「木に身を隠しながら逃げるように心掛けろ」 カルシゥム:「そうすれば大抵の攻撃は受けずに逃げることが出来る」 ペティ:「え、でも木とか構わずに突進されたり ペティ:「火球を撃たれたりしない?」 カルシゥム:「それはない」 カルシゥム:「あいつらは森の恵みを守ることを何よりも重視する」 カルシゥム:「獲物を追うとき、必ず木々や植物の存在を確認してから」 カルシゥム:「行動を起こす。」 ペティ:「それならなんとか逃げられそうだね!」 ペティ:「やってみるよ!」 カルシゥム:「他にも攻撃の事前動作なんかも教えておく」 カルシゥム:「ただ、予想外の動きもあるかもしれないから」 カルシゥム:「過信はしないようにな」 0:時は現在に戻る ペティ:「作戦は今のところ順調だね!」 ペティ:「ただ…」 0:ペティは走りながら、苦笑いをする ペティ:「きっついね!」 ペティ:「(ある程度は予想してたけど、体力の消耗がえげつないや)」 ペティ:「(足の負担もヤバい…けど!)」 0:ペティはニヤリと笑う ペティ:「燃えるね!この状況!」 ペティ:「ぜっったい!成功させる!!」 0:ペティの逃亡劇は続く 0:           0: 0:SIDE ピリア&カルシゥム 0: 0: 0:二人はペティとピリアが先程まで 0:泥を落とすために利用していた水場まで来ていた ピリア:「カルさん、これを」 0:ピリアは鞄型のアイテムボックスから 0:4本の細長い棒を取り出そうとする…が ピリア:「う、うぅ!も、持てなぃぃ…!」 0:貧弱なため、持てなかった カルシゥム:「ああ、道具は俺が出すから」 0:カルシゥムはピリアからアイテムボックスを受け取り 0:細長い4本の棒を取り出した ピリア:「あ、ありがとうございます…」 カルシゥム:「さっきまではカッコよかったから忘れてたけど」 カルシゥム:「お嬢、基本へなちょこだもんな」 ピリア:「うぅ…貧弱な自分が憎いですぅ…」 カルシゥム:「それで?これをどうすればいい?」 0:ピリアはカルシゥムの言葉にハッとして、表情を引き締める ピリア:「今から指示する場所の地面に突き刺して下さい。」 0:カルシゥムはピリアの指示通りに棒を地面に突き刺していく カルシゥム:「刺して来たぜ、お嬢。」 ピリア:「ありがとうございます。」 0:ピリアは杖を構え、魔力を込める ピリア:「火界(かかい)の同胞(はらから)よ、その営み(いとなみ)を止め」 ピリア:「一時(ひととき)の休息を得よ。」 0:ピリアは杖を地面にコンっと突き鳴らす ピリア:「冬を司(つかさど)りし貴婦人よ」 ピリア:「一時の厳冬をここに成せ」 0:更に2回、杖を付き音を鳴らす 0:その瞬間、急激に水場周辺の温度が下がりはじめ 0:辺りを霧が包み始める カルシゥム:「うぉ!?な、なんだ!?」 ピリア:「さっきカルさんに渡した、ウィッチクラフト」 ピリア:「【冬幻(とうげん)の御柱(みはしら)】です」 ピリア:「4本の棒を地面へと刺し、棒を基点に結界を張り」 ピリア:「結界内の気温を強制的にかつ急速に下げる代物です」 カルシゥム:「またとんでもない物を使ったな、お嬢」 ピリア:「…緊急事態ですので」 カルシゥム:「後で怒られたりしないか?お師匠さんに」 0:ピリアはビクッ!と体を震わせる ピリア:「た、たたった、多分…ど、どどどどど…!?か、かかか!」 カルシゥム:「悪かった!俺が悪かったから!」 カルシゥム:「今は!それは忘れよう!」 カルシゥム:「後で俺も謝るから!大丈夫だ!」 ピリア:「か、カルさぁん…!」 0:カルシゥムはピリアの頭を優しく撫で カルシゥム:「よーしよし!大丈夫…大丈夫…」 0:ピリアはカルシゥムの慰めを受け、深呼吸を一つする ピリア:「い、今は…大丈夫ということにし、します!」 カルシゥム:「ああ!分かった!」 ピリア:「次はこれを」 0:ピリアはマジックボックスから針を5本程取り出して、カルシゥムに渡す ピリア:「ウィッチクラフト【石王(せきおう)の盾】です。」 カルシゥム:「盾って…針だよなこれ?」 ピリア:「任意の場所に突き刺して起動すると強固な石壁を生成します」 カルシゥム:「ああ、それで盾なのか」 0:少し考えるカルシゥム カルシゥム:「…なるほど、これがさっき言ってた作戦の要って訳だな」 ピリア:「はい。」 ピリア:「タイミングがシビアになりそうですので」 ピリア:「予備を含めて渡します。」 カルシゥム:「了解だ。」 0:カルシゥムに針を渡し、ピリアは更にマジックボックスから 0:マントを二人分取り出し、一つを身につける ピリア:「カルさんもこれを身に纏って下さい。」 カルシゥム:「マントか?ペティにも渡していたけど」 カルシゥム:「俺もか?俺なら寒さは大丈夫だけど」 ピリア:「いえ。実はこれは…」 0:ピリアがカルシゥムにマントの用途を説明した カルシゥム:「はは、それは確かに必要だ。」 0:カルシゥムもマントを受け取り、身につける ピリア:「準備は整いました。」 ピリア:「…カルさん」 0:ピリアは少し不安げにカルシゥムを見る カルシゥム:「…大丈夫だ、お嬢。」 0:カルシゥムはいつものようにカタカタ顎を鳴らす カルシゥム:「俺たちならなんとかなる!」 ピリア:「…はい!」 0:ピリアは杖を強く握り ピリア:「作戦を開始します!」 0:手首に巻き付けた銀色の鈴に魔力を込める ピリア:「言触(ことぶ)れの鈴よ、汝が半身を導け!」 0:指先で鈴を軽く弾く。すると涼やかな音が森へと響き渡る 0:そのまま森の方へと音は鳴り続けた 0: 0: 0:SIDE ペティ 0: 0: 0:ブレイズボアから逃げ続けていたペティ ペティ:「はぁ…はぁ…!」 0:先程よりも走る速度がかなり落ちていた ペティ:「(まずいな…左足がかなり痛む…)」 ペティ:「(このままだと動けなくなる…!)」 ペティ:「(どうする…どうしよう)」 0:少しの間、ペティの脳裏に不安な考えが駆け巡る。 0:…だが ペティ:「…へへ!」 0:ペティは不敵に笑う ペティ:「このくらいの修羅場で!」 0:両頬を力一杯、両手で叩く ペティ:「泣き言なんか言ってられるかぁぁ!」 0:走る速度をあげるペティ ペティ:「冒険者!なめんなぁぁー!」 0:ペティが叫んだその時、手首の鈴が光り音を鳴らし始める。 ペティ:「来たぁぁー!!」 0:ペティは鈴の導きに従い、水場へと走り出す。 ペティ:「こっち来てみろ!バカ猪!」 ペティ:「お前なんか猪鍋にして食ってやるんだからぁぁー!!」 ペティ:「バーカ!バーカ!」 0:ペティの言葉までは理解出来ていないが 0:雰囲気から自身がバカにされたことを察したブレイズボアは 0:怒り、更に追跡の速度を上げた ペティ:「やっば!やり過ぎたぁぁー!!」 0:ペティは足の痛みも忘れ、必死に走る 0:数分後、ついに水場が見えてきた 0:なぜか霧が辺りに立ち込めている ペティ:「はぁ!はぁ!あ、あったぁぁー!」 0:水場へと到着したことにより気が揺るんだせいか 0:足を止めてしまうペティ ペティ:「あ、やば」 0:その直後、背後から迫ってきたブレイズボアは足を止め、息を吸い込み 0:特大の火球をペティ目掛けて吐き出した 0:ペティは再び走り出そうとするが足の痛みによって膝を落とす ペティ:「は、はは…まいったな」 0:あわや、ペティに火球が着弾するかと思われたその時 0:突然、直径1・8メルテ(1・8メートル)大の石壁が出現し、火球を防いだ ペティ:「これは…」 カルシゥム:「ペティ!まだ走れるか!?」 0:森の中からカルシゥムの声が聞こえた ペティ:「カル君!?」 カルシゥム:「水場の近くに目印を作ってある」 カルシゥム:「そこまで移動して、やつの突進を誘発してくれ!」 カルシゥム:「出来るか!?」 0:カルシゥムの言葉にペティはニヤリと笑う ペティ:「ここまで来たんだ!やってやるさ!」 0:ペティは痛みをこらえ、立ち上がり水場に走り出す ペティ:「こっち見ろ!猪ヤロー!」 ペティ:「炎を纏ってるから水が怖いんだろ!?」 ペティ:「怖くないっていうならかかってこい!バァァーカ!!」 0:ペティはそのまま水場の中へと進み、足を止める ペティ:「うわ!めちゃくちゃ冷たっ!?っとと!」 ペティ:「目印は…これだ!」 0:ペティはブレイズボアへと向き直り、ニヤリと笑う ペティ:「こっちだ猪ヤロー!」 ペティ:「火の球吹いてみろ!ただし!」 ペティ:「ウチの後ろ、水場の奥にはお前の大好きな」 ペティ:「森があるぞ!」 0:ペティはニヤニヤしながら、親指で水場の奥の森を指す ペティ:「ウチを殺したければ、お前が自分で来い!」 0:ペティは背中に背負っていたバトルアックスを抜き 0:ブレイズボアへと向ける ペティ:「その牙でウチを殺してみろ!!」 0:ペティの挑発に触発されたブレイズボアは 0:今まで蓄えてきた怒りを発散するために 0:己の出せる最大の速度でペティ目掛けて突進する 0:水場の周辺は起伏がなく、平坦 0:その為、瞬く間にペティへと距離をつめるブレイズボア 0:両者の間がまさに人1人分の距離までになった、その時 カルシゥム:「所詮は獣畜生(けものちくしょう)。」 0:何かが固いものにぶつかり、肉がひしゃげた音とともに 0:獣の悲鳴が水場に響き渡る カルシゥム:「さっき似たような光景を見ただろうに」 0:ペティの前に大きな石壁が現れていた。 ペティ:「これ!さっきの!」 カルシゥム:「ブレイズボアが倒れる!」 カルシゥム:「ペティ!フードを被れ!」 ペティ:「え、あ、分かった!」 0:ペティがフードを被った瞬間、ブレイズボアが倒れる ペティ:「う、うわっ!?」 0:膨大な熱量を持っていたブレイズボアが低温に下げられた水へと沈んだ結果 0:水場の水は瞬時に沸騰し、大量の水蒸気が衝撃をともなって発生し 0:高い温度の水蒸気がペティ達へと襲いかかる ペティ:「熱っ…くない?」 0:だが、なぜかペティ達には効果がなかった。 0:一方で、水蒸気と衝撃波を受けたブレイズボアは更に悲鳴をあげる カルシゥム:「ウィッチクラフト【炎帝の衣】、って言うらしい」 カルシゥム:「お嬢が言うには熱を伴った攻撃や現象、衝撃なんかを」 カルシゥム:「完全に遮断する代物らしい」 ペティ:「あっはっは!何でもありな気がしてきたよ!」 0:突進時の石壁への衝突、水蒸気発生の際に生じた 0:衝撃波と高温の水蒸気 0:これらを全て受けたブレイズボアのダメージは深刻だった カルシゥム:「…ペティ、止めを刺してやれ」 0:カルシゥムはペティに止めを促す ペティ:「…分かった!」 0:ペティはバトルアックスを振り上げ、身体能力を魔力によって強化する ペティ:「お前の首!ウチがもらい受ける!!」 0:全体重を込め、渾身の一撃をブレイズボアの首目掛け 0:振り下ろした。 0: 0: 0: 0:次の日の朝 0: 0:ルーフェンリットの森近郊の停留所 0: 0: 0: 0:ピリアは杖に収まった状態のカルシゥムを抱きしめ、なにやら悶えている ピリア:「あ、あががが…!?」 ピリア:「あ、足がぁ…!腰がぁ…!?」 カルシゥム:「お嬢、大丈夫か?」 ピリア:「ム、ムリぃ…無理ですぅぅぁ…あ、ふ、ふくらはぎがぁ…!」 ピリア:「りょ、両足のふくらはぎの筋肉がぁ…勝手にギュウってぇぇ…!」 ピリア:「いだだだだ!こ、今度は肋骨の裏側の筋肉がぁぁ!」 ピリア:「ひぃぎぃぃ!あいだだだぁぁぁ!」 カルシゥム:「むごい」 ペティ:「いやー!昨日はヤバかったね!ホントに死ぬかと思ったよ!」 ピリア:「痛い痛い痛いぃぃ!内股(うちもも)がぁねじれるるるぅぅ!?」 カルシゥム:「…よく夜明けまで生きていられたよな、俺達」 ピリア:「あ、足の指ぃぃ!?何でぇ!?何でそっちがいだだだだぁぁ!」 ペティ:「それもこれもピリアのお陰だよ!」 ペティ:「ウィッチクラフト…だっけ?」 ペティ:「あれとピリアの作戦がなければ死んでいたね!」 ピリア:「ぴぎゃぁぁー!?こ、今度は背中の筋肉がぁぁー!!」 カルシゥム:「いや、筋肉痛どんだけだよ!お嬢!」 0:全身を筋肉痛に襲われ、悶えているピリアに思わず 0:カルシゥムがツッコミをいれる ピリア:「こ、これはぁ…ウィッチクラフト使用の代償ですぅぅ…!」 カルシゥム:「は?」 ペティ:「えぇ?」 ピリア:「う、ウィッチクラフトは、うぎぃぃ!ほ、本来であれば」 ピリア:「も、もっと大規模に触媒をあだだだ!つ、使ってぇぇ!」 ピリア:「な、何日もかけてからぁ!使用するんですけどぉぉ…あいだだだだ!」 ピリア:「し、師匠が…い、痛ったぁ!?じゅ、省略の術式をぉぉ!?」 ピリア:「し、仕込んでっっくれて!」 カルシゥム:「(あ、からくりが読めたわ)」 ピリア:「ひじょ、非常時に使っても、良いけどぉおうあぁ!?」 ピリア:「あ、あとで地獄を見るってぇぇ!い、言われっってて!」 カルシゥム:「あのドS師匠、ホントにどんだけだよ!」 ペティ:「そ、それじゃあピリアは、ウチらを助けるためにそんな状態に!?」 0:ペティは目を潤ませて、ピリアに近づく カルシゥム:「あ、待てペティ!」 0:ペティの動作から何をしようとしているのか察知したカルシゥムは 0:ペティを制止するよう声をかけるが ペティ:「ピリア!ありがとー!!」 0:両手を広げて、ピリアへと抱きついた 0:思いと力を目一杯込めて ピリア:「ぴぎゃぁぁぁぁー!?」 ペティ:「感動した!会ったばかりのウチを助けるために!」 ピリア:「やめでぇぇぇー!!はなじでぇぇぇー!!」 ペティ:「カナードに着いたら一杯、冒険しよう!ウチがんばるから!」 ピリア:「いだだだだ!良いから!もうそういうのは!良いからぁぁ!」 ペティ:「よーし!ピリアを胴上げだ!」 ピリア:「イヤァァァァー!!か、カルさぁぁん!たずけでぇぇぇー!」 カルシゥム:「おいバカ!筋肉痛の相手に何してやがる!」 カルシゥム:「お嬢を早く放しやがれ!」 0:無事、森を抜けることが出来たピリア達一行 0:次に目指すは自由都市カナード 0:新たな街では何が待ち受けているのか? ペティ:「そーれ!わーっしょい!わーっしょい!」 ピリア:「いだだだだ!じょ、上下に!ゆ、れると!ぴぎぃぃ!」 カルシゥム:「くそ、魔力が切れて顕現(けんげん)出来ねぇ!?」 カルシゥム:「おいバカペティ!お嬢を落とすんじゃねーぞ!?」 ペティ:「あっはっは!そんなミスはしないっと…あ」 カルシゥム:「あ」 ピリア:「ぴぎゃぁぁー!?」 0:次回に続く…かなぁ?