台本概要

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タイトル 根無し草
作者名 てくす  (@daihooon)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 居場所も無い。誰も俺なんかを見てくれない。
フラフラ、フラフラ
俺はずっと、彷徨っている。


※一人称を変えて性別を変更しても構わないので、不問にしています。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
青年 不問 37 青年。若い。現在は成人済み。過去は未成年。
先輩 不問 31 タバコ吸ってる先輩。ははは!と豪快によく笑う。多分歳は40後半あたり。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
青年:俺には、なにもない 青年:だからいつまでもフラフラしている 0:【間】 0:ある店の中、青年は生活に必要な物を物色していた 青年:(これも買っておくか) 0:ある商品を手に取ろうとした時、誰かの手が触れる 先輩:……っと… 青年:…あ、…… 先輩:ん?おぉ、また会ったな 青年:ええ、”また”会いましたね 青年:(この男とは不思議な縁で結ばれているのか 青年:忘れた頃に、なぜか会ってしまう 青年:いや、違う…… 青年:俺の罪を忘れさせない為か) 先輩:久しぶりだな、元気にしてんのか? 先輩:確か……半年くらい前だったか 青年:それなりに 青年:(俺はこの男と昔、同じ"仕事"をしていた) 0: 0:5年前 0: 青年:タバコ、やめてもらってもいいですか? 先輩:なんだ?タバコは嫌いか? 青年:ええ、嫌いです 先輩:そうか…けど俺はこれを吸わねぇと 先輩:死んでしまうんだ 青年:死ぬことはないでしょ 青年:けど、それが本当なら 青年:死んでもらってもいいですけど 先輩:ははは!冗談が上手くなったなぁ! 先輩:まぁ、そういうことだ 0:【間】 青年:着きました 先輩:よし、さっさと終わらせるぞ… 先輩:あーあ、いっぱいだなこりゃ 青年:(俺たちの仕事は世間に褒められるものではなく 青年:どちらかと言えば嫌悪し忌避され、冷たい目で見られ 青年:そして…関わろうとしないだろう) 先輩:集団自殺か…こっちは儲かるが 先輩:ちょい多すぎだろ、おめーら 青年:(“仕事”の内容は簡単に言えば 青年:『自殺者の死体集め』) 先輩:おい、さっさと集めてボスんとこ帰るぞ 青年:そうですね 0:【間】 先輩:これで全部か 青年:ええ、一応周りも確認しましたが 青年:これで全部です 先輩:よっし、帰るか 0:【間】 先輩:なぁ、腹減ったからどっかで 先輩:飯でも食っていくか? 青年:すぐに引き渡して解散します 先輩:つれねぇ〜なぁ、お前さんは 先輩:せっかく相方やってんのになぁ 0:いつの間にか、口には煙草が咥えられていた 先輩:ふぅー……なぁ、一つ聞いていいか? 青年:なんでしょう? 先輩:お前はなんでこんな仕事してんだ? 先輩:世間様には褒められねぇ 先輩:なんの得にもならねぇ 先輩:どちらかと言えば避けるだろう 先輩:それにお前は若いしな 青年:……金がいいから、ですかね 先輩:ははは!なんだそりゃ 先輩:似合わねぇよ! 青年:(俺には帰る場所もない 青年:褒めてくれる人もいない 青年:なにをしていても、見てくれる人なんて 青年:……誰もいない…) 青年:貴方はなんでこの仕事を? 先輩:金がいいから 先輩:な?さっきのセリフは 先輩:俺みたいな奴が言うから似合うってもんよ 青年:……そうですね 先輩:……仕事してる理由はな 先輩:あの人に色々助けてもらったんだ 先輩:俺はこう見えて結構、義理堅い男なんだぜ? 先輩:まぁ、若い頃は……ははっ、色々無茶やってな… 先輩:恩を返すため…に仕事してる 先輩:そ、れ、に!金もいいしな!ははは! 0:青年は聞こえるか分からないほどの声で微かに呟いた 青年:………羨ましい 先輩:……ま!お前はまだ若い! 先輩:なんにせよ 先輩:どうなるかはテメー次第だな! 先輩:けど、この仕事続けてる間は 先輩:お前は俺の相棒だからな!ははは! 青年:……夜飯、牛丼でいいですか? 青年:今、手持ちなくて 先輩:ははは!奢ってやるから 先輩:酒でも飲もうぜ!相棒! 青年:まだ未成年ですけど 青年:(この人は悪い人ではない 青年:……いい人でもないけれど) 0:【間】 青年:(しかし、終わりの瞬間とは 青年:突然きてしまうものだ 青年:仕事が警察にバレてしまった 青年:が、ボスは1人で捕まり 青年:俺たちのことを逃がしてくれた) 先輩:また助けられちまったな… 先輩:まぁ……恩を返し終えたって合図かな 青年:これからどうするんですか? 先輩:俺は今の金さえあれば 先輩:今後の余生くらいは十分に生きていける 先輩:ま、なんとかなるだろ 先輩:お前、これからどうすんだ? 青年:わかりません 青年:今までの金でなんとかしてみます 先輩:お前はまだ若い 先輩:ちと心配だが大人だ 先輩:大丈夫だろう? 先輩:そんじゃ、“また”な、相棒! 青年:ええ、”また” 青年:(もう会うこともないだろう…) 0:【間】 0:現在 先輩:どうだ?最近は元気でやってんのか? 青年:半年前と変わらず 先輩:そうか 青年:最近はどうですか? 先輩:俺はな 先輩:あの時の貯めた金で会社立ち上げたんだよ 先輩:社長だぜ?ははは! 先輩:つっても社員は俺が拾った 先輩:ガキどもばかりだけどな 先輩:…ほっとけないんだよな堕ちてる奴見ると 先輩:だからお前のこともほっとけないんだろうな! 青年:……え? 先輩:お前はあった時から死んだ目してるからな 先輩:なにがあったかは聞かねぇ 先輩:けど相当色んな経験したのはわかる 青年:会社は…… 先輩:ははは!昔と同じって? 先輩:違うよ、今度は世間様に褒められる! 先輩:役に立つ!そんな仕事だ!ははは! 先輩:お前も行くとこなかったら 先輩:俺んとこに来いよ 青年:っ……俺、は…… 青年:(会わない内に、悪い人でも、いい人でもない人は 青年:いい人になっていた) 青年:……考えておきますよ 先輩:俺が見ててやるよ 青年:え? 先輩:じゃあな! 青年:(俺には帰る場所もない 青年:褒めてくれる人もいない 青年:なにをしていても見てくれる人なんて…) 青年:待って! 青年:あ、…俺のこと見ッ…… 青年:……雇ってくれませんか? 先輩:ははは!また一緒に仕事しようぜ 先輩:“相棒” 青年:(この人に着いていけば 青年:俺も何かを見つけられる気がした) 根無し草  終

青年:俺には、なにもない 青年:だからいつまでもフラフラしている 0:【間】 0:ある店の中、青年は生活に必要な物を物色していた 青年:(これも買っておくか) 0:ある商品を手に取ろうとした時、誰かの手が触れる 先輩:……っと… 青年:…あ、…… 先輩:ん?おぉ、また会ったな 青年:ええ、”また”会いましたね 青年:(この男とは不思議な縁で結ばれているのか 青年:忘れた頃に、なぜか会ってしまう 青年:いや、違う…… 青年:俺の罪を忘れさせない為か) 先輩:久しぶりだな、元気にしてんのか? 先輩:確か……半年くらい前だったか 青年:それなりに 青年:(俺はこの男と昔、同じ"仕事"をしていた) 0: 0:5年前 0: 青年:タバコ、やめてもらってもいいですか? 先輩:なんだ?タバコは嫌いか? 青年:ええ、嫌いです 先輩:そうか…けど俺はこれを吸わねぇと 先輩:死んでしまうんだ 青年:死ぬことはないでしょ 青年:けど、それが本当なら 青年:死んでもらってもいいですけど 先輩:ははは!冗談が上手くなったなぁ! 先輩:まぁ、そういうことだ 0:【間】 青年:着きました 先輩:よし、さっさと終わらせるぞ… 先輩:あーあ、いっぱいだなこりゃ 青年:(俺たちの仕事は世間に褒められるものではなく 青年:どちらかと言えば嫌悪し忌避され、冷たい目で見られ 青年:そして…関わろうとしないだろう) 先輩:集団自殺か…こっちは儲かるが 先輩:ちょい多すぎだろ、おめーら 青年:(“仕事”の内容は簡単に言えば 青年:『自殺者の死体集め』) 先輩:おい、さっさと集めてボスんとこ帰るぞ 青年:そうですね 0:【間】 先輩:これで全部か 青年:ええ、一応周りも確認しましたが 青年:これで全部です 先輩:よっし、帰るか 0:【間】 先輩:なぁ、腹減ったからどっかで 先輩:飯でも食っていくか? 青年:すぐに引き渡して解散します 先輩:つれねぇ〜なぁ、お前さんは 先輩:せっかく相方やってんのになぁ 0:いつの間にか、口には煙草が咥えられていた 先輩:ふぅー……なぁ、一つ聞いていいか? 青年:なんでしょう? 先輩:お前はなんでこんな仕事してんだ? 先輩:世間様には褒められねぇ 先輩:なんの得にもならねぇ 先輩:どちらかと言えば避けるだろう 先輩:それにお前は若いしな 青年:……金がいいから、ですかね 先輩:ははは!なんだそりゃ 先輩:似合わねぇよ! 青年:(俺には帰る場所もない 青年:褒めてくれる人もいない 青年:なにをしていても、見てくれる人なんて 青年:……誰もいない…) 青年:貴方はなんでこの仕事を? 先輩:金がいいから 先輩:な?さっきのセリフは 先輩:俺みたいな奴が言うから似合うってもんよ 青年:……そうですね 先輩:……仕事してる理由はな 先輩:あの人に色々助けてもらったんだ 先輩:俺はこう見えて結構、義理堅い男なんだぜ? 先輩:まぁ、若い頃は……ははっ、色々無茶やってな… 先輩:恩を返すため…に仕事してる 先輩:そ、れ、に!金もいいしな!ははは! 0:青年は聞こえるか分からないほどの声で微かに呟いた 青年:………羨ましい 先輩:……ま!お前はまだ若い! 先輩:なんにせよ 先輩:どうなるかはテメー次第だな! 先輩:けど、この仕事続けてる間は 先輩:お前は俺の相棒だからな!ははは! 青年:……夜飯、牛丼でいいですか? 青年:今、手持ちなくて 先輩:ははは!奢ってやるから 先輩:酒でも飲もうぜ!相棒! 青年:まだ未成年ですけど 青年:(この人は悪い人ではない 青年:……いい人でもないけれど) 0:【間】 青年:(しかし、終わりの瞬間とは 青年:突然きてしまうものだ 青年:仕事が警察にバレてしまった 青年:が、ボスは1人で捕まり 青年:俺たちのことを逃がしてくれた) 先輩:また助けられちまったな… 先輩:まぁ……恩を返し終えたって合図かな 青年:これからどうするんですか? 先輩:俺は今の金さえあれば 先輩:今後の余生くらいは十分に生きていける 先輩:ま、なんとかなるだろ 先輩:お前、これからどうすんだ? 青年:わかりません 青年:今までの金でなんとかしてみます 先輩:お前はまだ若い 先輩:ちと心配だが大人だ 先輩:大丈夫だろう? 先輩:そんじゃ、“また”な、相棒! 青年:ええ、”また” 青年:(もう会うこともないだろう…) 0:【間】 0:現在 先輩:どうだ?最近は元気でやってんのか? 青年:半年前と変わらず 先輩:そうか 青年:最近はどうですか? 先輩:俺はな 先輩:あの時の貯めた金で会社立ち上げたんだよ 先輩:社長だぜ?ははは! 先輩:つっても社員は俺が拾った 先輩:ガキどもばかりだけどな 先輩:…ほっとけないんだよな堕ちてる奴見ると 先輩:だからお前のこともほっとけないんだろうな! 青年:……え? 先輩:お前はあった時から死んだ目してるからな 先輩:なにがあったかは聞かねぇ 先輩:けど相当色んな経験したのはわかる 青年:会社は…… 先輩:ははは!昔と同じって? 先輩:違うよ、今度は世間様に褒められる! 先輩:役に立つ!そんな仕事だ!ははは! 先輩:お前も行くとこなかったら 先輩:俺んとこに来いよ 青年:っ……俺、は…… 青年:(会わない内に、悪い人でも、いい人でもない人は 青年:いい人になっていた) 青年:……考えておきますよ 先輩:俺が見ててやるよ 青年:え? 先輩:じゃあな! 青年:(俺には帰る場所もない 青年:褒めてくれる人もいない 青年:なにをしていても見てくれる人なんて…) 青年:待って! 青年:あ、…俺のこと見ッ…… 青年:……雇ってくれませんか? 先輩:ははは!また一緒に仕事しようぜ 先輩:“相棒” 青年:(この人に着いていけば 青年:俺も何かを見つけられる気がした) 根無し草  終