台本概要
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タイトル | 根無し草 |
---|---|
作者名 | てくす (@daihooon) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
居場所も無い。誰も俺なんかを見てくれない。 フラフラ、フラフラ 俺はずっと、彷徨っている。 ※一人称を変えて性別を変更しても構わないので、不問にしています。 294 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
青年 | 不問 | 37 | 青年。若い。現在は成人済み。過去は未成年。 |
先輩 | 不問 | 31 | タバコ吸ってる先輩。ははは!と豪快によく笑う。多分歳は40後半あたり。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
青年:俺には、なにもない
青年:だからいつまでもフラフラしている
0:【間】
0:ある店の中、青年は生活に必要な物を物色していた
青年:(これも買っておくか)
0:ある商品を手に取ろうとした時、誰かの手が触れる
先輩:……っと…
青年:…あ、……
先輩:ん?おぉ、また会ったな
青年:ええ、”また”会いましたね
青年:(この男とは不思議な縁で結ばれているのか
青年:忘れた頃に、なぜか会ってしまう
青年:いや、違う……
青年:俺の罪を忘れさせない為か)
先輩:久しぶりだな、元気にしてんのか?
先輩:確か……半年くらい前だったか
青年:それなりに
青年:(俺はこの男と昔、同じ"仕事"をしていた)
0:
0:5年前
0:
青年:タバコ、やめてもらってもいいですか?
先輩:なんだ?タバコは嫌いか?
青年:ええ、嫌いです
先輩:そうか…けど俺はこれを吸わねぇと
先輩:死んでしまうんだ
青年:死ぬことはないでしょ
青年:けど、それが本当なら
青年:死んでもらってもいいですけど
先輩:ははは!冗談が上手くなったなぁ!
先輩:まぁ、そういうことだ
0:【間】
青年:着きました
先輩:よし、さっさと終わらせるぞ…
先輩:あーあ、いっぱいだなこりゃ
青年:(俺たちの仕事は世間に褒められるものではなく
青年:どちらかと言えば嫌悪し忌避され、冷たい目で見られ
青年:そして…関わろうとしないだろう)
先輩:集団自殺か…こっちは儲かるが
先輩:ちょい多すぎだろ、おめーら
青年:(“仕事”の内容は簡単に言えば
青年:『自殺者の死体集め』)
先輩:おい、さっさと集めてボスんとこ帰るぞ
青年:そうですね
0:【間】
先輩:これで全部か
青年:ええ、一応周りも確認しましたが
青年:これで全部です
先輩:よっし、帰るか
0:【間】
先輩:なぁ、腹減ったからどっかで
先輩:飯でも食っていくか?
青年:すぐに引き渡して解散します
先輩:つれねぇ〜なぁ、お前さんは
先輩:せっかく相方やってんのになぁ
0:いつの間にか、口には煙草が咥えられていた
先輩:ふぅー……なぁ、一つ聞いていいか?
青年:なんでしょう?
先輩:お前はなんでこんな仕事してんだ?
先輩:世間様には褒められねぇ
先輩:なんの得にもならねぇ
先輩:どちらかと言えば避けるだろう
先輩:それにお前は若いしな
青年:……金がいいから、ですかね
先輩:ははは!なんだそりゃ
先輩:似合わねぇよ!
青年:(俺には帰る場所もない
青年:褒めてくれる人もいない
青年:なにをしていても、見てくれる人なんて
青年:……誰もいない…)
青年:貴方はなんでこの仕事を?
先輩:金がいいから
先輩:な?さっきのセリフは
先輩:俺みたいな奴が言うから似合うってもんよ
青年:……そうですね
先輩:……仕事してる理由はな
先輩:あの人に色々助けてもらったんだ
先輩:俺はこう見えて結構、義理堅い男なんだぜ?
先輩:まぁ、若い頃は……ははっ、色々無茶やってな…
先輩:恩を返すため…に仕事してる
先輩:そ、れ、に!金もいいしな!ははは!
0:青年は聞こえるか分からないほどの声で微かに呟いた
青年:………羨ましい
先輩:……ま!お前はまだ若い!
先輩:なんにせよ
先輩:どうなるかはテメー次第だな!
先輩:けど、この仕事続けてる間は
先輩:お前は俺の相棒だからな!ははは!
青年:……夜飯、牛丼でいいですか?
青年:今、手持ちなくて
先輩:ははは!奢ってやるから
先輩:酒でも飲もうぜ!相棒!
青年:まだ未成年ですけど
青年:(この人は悪い人ではない
青年:……いい人でもないけれど)
0:【間】
青年:(しかし、終わりの瞬間とは
青年:突然きてしまうものだ
青年:仕事が警察にバレてしまった
青年:が、ボスは1人で捕まり
青年:俺たちのことを逃がしてくれた)
先輩:また助けられちまったな…
先輩:まぁ……恩を返し終えたって合図かな
青年:これからどうするんですか?
先輩:俺は今の金さえあれば
先輩:今後の余生くらいは十分に生きていける
先輩:ま、なんとかなるだろ
先輩:お前、これからどうすんだ?
青年:わかりません
青年:今までの金でなんとかしてみます
先輩:お前はまだ若い
先輩:ちと心配だが大人だ
先輩:大丈夫だろう?
先輩:そんじゃ、“また”な、相棒!
青年:ええ、”また”
青年:(もう会うこともないだろう…)
0:【間】
0:現在
先輩:どうだ?最近は元気でやってんのか?
青年:半年前と変わらず
先輩:そうか
青年:最近はどうですか?
先輩:俺はな
先輩:あの時の貯めた金で会社立ち上げたんだよ
先輩:社長だぜ?ははは!
先輩:つっても社員は俺が拾った
先輩:ガキどもばかりだけどな
先輩:…ほっとけないんだよな堕ちてる奴見ると
先輩:だからお前のこともほっとけないんだろうな!
青年:……え?
先輩:お前はあった時から死んだ目してるからな
先輩:なにがあったかは聞かねぇ
先輩:けど相当色んな経験したのはわかる
青年:会社は……
先輩:ははは!昔と同じって?
先輩:違うよ、今度は世間様に褒められる!
先輩:役に立つ!そんな仕事だ!ははは!
先輩:お前も行くとこなかったら
先輩:俺んとこに来いよ
青年:っ……俺、は……
青年:(会わない内に、悪い人でも、いい人でもない人は
青年:いい人になっていた)
青年:……考えておきますよ
先輩:俺が見ててやるよ
青年:え?
先輩:じゃあな!
青年:(俺には帰る場所もない
青年:褒めてくれる人もいない
青年:なにをしていても見てくれる人なんて…)
青年:待って!
青年:あ、…俺のこと見ッ……
青年:……雇ってくれませんか?
先輩:ははは!また一緒に仕事しようぜ
先輩:“相棒”
青年:(この人に着いていけば
青年:俺も何かを見つけられる気がした)
根無し草 終
青年:俺には、なにもない
青年:だからいつまでもフラフラしている
0:【間】
0:ある店の中、青年は生活に必要な物を物色していた
青年:(これも買っておくか)
0:ある商品を手に取ろうとした時、誰かの手が触れる
先輩:……っと…
青年:…あ、……
先輩:ん?おぉ、また会ったな
青年:ええ、”また”会いましたね
青年:(この男とは不思議な縁で結ばれているのか
青年:忘れた頃に、なぜか会ってしまう
青年:いや、違う……
青年:俺の罪を忘れさせない為か)
先輩:久しぶりだな、元気にしてんのか?
先輩:確か……半年くらい前だったか
青年:それなりに
青年:(俺はこの男と昔、同じ"仕事"をしていた)
0:
0:5年前
0:
青年:タバコ、やめてもらってもいいですか?
先輩:なんだ?タバコは嫌いか?
青年:ええ、嫌いです
先輩:そうか…けど俺はこれを吸わねぇと
先輩:死んでしまうんだ
青年:死ぬことはないでしょ
青年:けど、それが本当なら
青年:死んでもらってもいいですけど
先輩:ははは!冗談が上手くなったなぁ!
先輩:まぁ、そういうことだ
0:【間】
青年:着きました
先輩:よし、さっさと終わらせるぞ…
先輩:あーあ、いっぱいだなこりゃ
青年:(俺たちの仕事は世間に褒められるものではなく
青年:どちらかと言えば嫌悪し忌避され、冷たい目で見られ
青年:そして…関わろうとしないだろう)
先輩:集団自殺か…こっちは儲かるが
先輩:ちょい多すぎだろ、おめーら
青年:(“仕事”の内容は簡単に言えば
青年:『自殺者の死体集め』)
先輩:おい、さっさと集めてボスんとこ帰るぞ
青年:そうですね
0:【間】
先輩:これで全部か
青年:ええ、一応周りも確認しましたが
青年:これで全部です
先輩:よっし、帰るか
0:【間】
先輩:なぁ、腹減ったからどっかで
先輩:飯でも食っていくか?
青年:すぐに引き渡して解散します
先輩:つれねぇ〜なぁ、お前さんは
先輩:せっかく相方やってんのになぁ
0:いつの間にか、口には煙草が咥えられていた
先輩:ふぅー……なぁ、一つ聞いていいか?
青年:なんでしょう?
先輩:お前はなんでこんな仕事してんだ?
先輩:世間様には褒められねぇ
先輩:なんの得にもならねぇ
先輩:どちらかと言えば避けるだろう
先輩:それにお前は若いしな
青年:……金がいいから、ですかね
先輩:ははは!なんだそりゃ
先輩:似合わねぇよ!
青年:(俺には帰る場所もない
青年:褒めてくれる人もいない
青年:なにをしていても、見てくれる人なんて
青年:……誰もいない…)
青年:貴方はなんでこの仕事を?
先輩:金がいいから
先輩:な?さっきのセリフは
先輩:俺みたいな奴が言うから似合うってもんよ
青年:……そうですね
先輩:……仕事してる理由はな
先輩:あの人に色々助けてもらったんだ
先輩:俺はこう見えて結構、義理堅い男なんだぜ?
先輩:まぁ、若い頃は……ははっ、色々無茶やってな…
先輩:恩を返すため…に仕事してる
先輩:そ、れ、に!金もいいしな!ははは!
0:青年は聞こえるか分からないほどの声で微かに呟いた
青年:………羨ましい
先輩:……ま!お前はまだ若い!
先輩:なんにせよ
先輩:どうなるかはテメー次第だな!
先輩:けど、この仕事続けてる間は
先輩:お前は俺の相棒だからな!ははは!
青年:……夜飯、牛丼でいいですか?
青年:今、手持ちなくて
先輩:ははは!奢ってやるから
先輩:酒でも飲もうぜ!相棒!
青年:まだ未成年ですけど
青年:(この人は悪い人ではない
青年:……いい人でもないけれど)
0:【間】
青年:(しかし、終わりの瞬間とは
青年:突然きてしまうものだ
青年:仕事が警察にバレてしまった
青年:が、ボスは1人で捕まり
青年:俺たちのことを逃がしてくれた)
先輩:また助けられちまったな…
先輩:まぁ……恩を返し終えたって合図かな
青年:これからどうするんですか?
先輩:俺は今の金さえあれば
先輩:今後の余生くらいは十分に生きていける
先輩:ま、なんとかなるだろ
先輩:お前、これからどうすんだ?
青年:わかりません
青年:今までの金でなんとかしてみます
先輩:お前はまだ若い
先輩:ちと心配だが大人だ
先輩:大丈夫だろう?
先輩:そんじゃ、“また”な、相棒!
青年:ええ、”また”
青年:(もう会うこともないだろう…)
0:【間】
0:現在
先輩:どうだ?最近は元気でやってんのか?
青年:半年前と変わらず
先輩:そうか
青年:最近はどうですか?
先輩:俺はな
先輩:あの時の貯めた金で会社立ち上げたんだよ
先輩:社長だぜ?ははは!
先輩:つっても社員は俺が拾った
先輩:ガキどもばかりだけどな
先輩:…ほっとけないんだよな堕ちてる奴見ると
先輩:だからお前のこともほっとけないんだろうな!
青年:……え?
先輩:お前はあった時から死んだ目してるからな
先輩:なにがあったかは聞かねぇ
先輩:けど相当色んな経験したのはわかる
青年:会社は……
先輩:ははは!昔と同じって?
先輩:違うよ、今度は世間様に褒められる!
先輩:役に立つ!そんな仕事だ!ははは!
先輩:お前も行くとこなかったら
先輩:俺んとこに来いよ
青年:っ……俺、は……
青年:(会わない内に、悪い人でも、いい人でもない人は
青年:いい人になっていた)
青年:……考えておきますよ
先輩:俺が見ててやるよ
青年:え?
先輩:じゃあな!
青年:(俺には帰る場所もない
青年:褒めてくれる人もいない
青年:なにをしていても見てくれる人なんて…)
青年:待って!
青年:あ、…俺のこと見ッ……
青年:……雇ってくれませんか?
先輩:ははは!また一緒に仕事しようぜ
先輩:“相棒”
青年:(この人に着いていけば
青年:俺も何かを見つけられる気がした)
根無し草 終