台本概要

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タイトル ナレーション練習帳16 「冬至」
作者名 Danzig
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 ナレーションの練習に使用してください。
また、ラジオやフリートークのネタとしても使用してください。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り 不問 -
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: 0: 0:冬至(とうじ) 0: 0: 0:冬、特に12月になると、肌寒さだけではなく、昼間の時間が短い事が、なんだか寂しく思えてきますね。 0:「秋の夜長(よなが)」なんて言われますが、冬の方が夜の時間は断然長いのです。 0: 0:真夏が終わり、秋分(しゅうぶん)の日を過ぎると、昼間の時間がどんどん短くなっていきます。 0:そして、昼間の時間が一番短くなる日が「冬至(とうじ)」と呼ばれる日です。 0: 0:「冬至」とは、春分の日や秋分の日と同じ、二十四節気(にじゅうしせっき)の中の、22番目の節気(せっき)で、しかも、二十四節気の中でも、とても重要な節気の一つなのです。 0: 0:先程も、冬至は一年のうちで昼間の時間が一番短い日とお話ししましたが、古来から冬至は、神様であり、命の象徴(しょうちょう)ともいえる「太陽」の力が最も弱くなる日として、「死に一番近い日」と考えられて来ました。 0: 0:「冬」に「至(いた)り」と書いて冬至と読みますが、「至(いた)り」とは、物事の極(きわ)み。 つまり、最高の状態に達するという意味です。 0: 0:植物は枯れ、動物もいなくなってしまう冬は、生命の息吹(いぶき)を感じられない季節であり、特に今のような、照明器具や暖房器具もなく、暗くて寒い冬の夜に対する不安が大きかった時代には、冬の極みである冬至は、まさに「死に一番近い日」だったのかもしれませんね。 0: 0:そういった事から、日本には昔から、夜の一番長い冬至に、邪気を払い、無病息災を祈願(きがん)する風習があるのです。 0: 0:今回は、その幾つかをご紹介いたしましょう。 0: 0:まず一つ目は、「ん」の付くものを食べるという風習。 0: 0:昔は、「ん」のつくものを食べると運気が上がると考えられてきました。 0:なぜ「ん」なのかは諸説(しょせつ)あり、詳しい事は分かっていませんが、運気を上げて冬至を乗り切ろうとしたのですね。 0: 0:「ん」の付く食べ物といえば、 0:例えば、ニンジン、うどん、ダイコン、レンコン、寒天(かんてん)、ギンナン、などなど、いろいろありますが、 0:その中でも、特に冬至に食べる事で知られているのは、なんと言っても、昔は、南(みなみ)の瓜(うり)と書いて、「なんきん」と呼ばれていた食べ物。 0:そうカボチャです。 0: 0:冬至にカボチャを食べるという風習は、今も残っていますので、ご存じの方も多いと思います。 0:カボチャは夏に取れる野菜で、ビタミンやミネラル、カルシウムが豊富ですから、冬のビタミン不足を補い、風邪の予防に良い食べ物と言えます。 0:常温で長期間保存ができる為、冷蔵技術の無かった時代には、冬に食べる事が出来る夏野菜として、貴重な食べ物だったんですね。 0: 0:そして二つ目は、小豆(あずき)を食べるという風習。 0:昔から赤い色は、太陽や炎を連想させ、邪気を払うと考えられて来ました。 0:そこから、冬至に赤い色の小豆を使った料理を食べる事で邪気を払おうと考えたのですね。 0: 0:ちなみに、「あずき」の名の由来は、一説には、赤色の「あ」と、煮崩れしやすいという意味の「ずき」が合わさって、「あずき」となったと言われています。 0:それほど赤色が目立つ食べ物だったのですね。 0: 0:小豆料理としては、もち米を使った赤飯(せきはん)が有名ですが、冬至に食べる料理はもち米ではなく、普通のお米を使った、お粥(かゆ)です。 0:冬至に食べるお粥を「冬至粥(とうじがゆ)」と言いますが、冬至粥といえば、小豆を使った小豆粥(あずきがゆ)が一般的だそうです。 0: 0:一方、小豆の他に、先ほどのカボチャを使って作るというレシピもあるようですが、小豆も、カボチャもどちらも栄養が豊富で、栄養不足になりがちな冬を乗り切るには、もってこいの食材なのですね。 0: 0:その他に、食べ物以外の風習ですと、柚子湯(ゆずゆ)に入るというのがあります。 0:昔から「冬至の日に柚子湯につかると風邪をひかない」と言われていますが、柚子湯の風習は、それ程古いものではなく、江戸時代の銭湯(せんとう)の文化から生まれたようです。 0: 0:江戸っ子の銭湯好きは有名ですが、その頃の銭湯は、サービスが充実しており、その一つに、季節ごとに違う植物を入れる「季節湯」と呼ばれるサービスがありました。 0:季節湯は、五月の端午の節句の時の菖蒲湯(しょうぶゆ)が有名ですが、冬至の柚子湯もその一つ。 0:柚子には、血行促進や冷え性、あかぎれに効果のある成分が入っていますので、柚子湯は冬のお風呂としては、うってつけですね。 0:こういった事から、「柚子」そのものは秋の季語なのですが、「柚子湯」は冬の季語となっているのです。 0: 0:このように、日本の冬至は、ひな祭りや、七夕のような、大規模な行事がある訳ではありませんが、辛い冬を少しでも前向きに生きようとする工夫が感じられますね。 0: 0:そして、その前向きな考え方の一つに「一陽来復(いちようらいふく)」という考え方があります。 0:この「一陽来復(いちようらいふく)」とは、悪い事が終わって良い事が起こるという意味の言葉です。 0: 0:冬至は、確かに太陽の力が最も弱く、昼間の時間が一番短い日なのですが、言い換えれば、翌日から太陽の力がどんどん強くなっていく日とも言えるのです。 0:つまり、冬至とは「太陽が生まれ変わる日」と考えられるです。 0: 0:日本では冬至にはあまり大きなイベントがありませんが、世界に目を向ければ、世界中の暦(こよみ)が統一される以前は、この「太陽が生まれ変わる日」の冬至を一年の始まり、つまりお正月とした国が、中国や北欧など、洋の東西を問わず幾つもあるのです。 0: 0:一説には、クリスマスが12月25日になったのは、古代ヨーロッパの太陽の復活を祝う祭りと、キリストの誕生日が融合した年の冬至の日が、たまたま12月25日だったからと言われているようですよ。 0:そして、ブッシュドノエルというクリスマスケーキが、北欧の冬至のイベントが元になっているという話もあるのですが、それはまた機会があればご紹介したいと思います。 0: 0: 0:いかがでしたか 0:日本ではあまり大きなイベントのない冬至ですが、世界には紹介しきれない程のいろいろや行事や逸話があり、世界中でこの冬至が重要視されていた事がわかります。 0:気になった方は、少し調べて見るのも面白いかもしれませんね。 0: 0: 0:それでは、またお会い致しましょう。 0:さようなら 0: 0: 0:

0: 0: 0:冬至(とうじ) 0: 0: 0:冬、特に12月になると、肌寒さだけではなく、昼間の時間が短い事が、なんだか寂しく思えてきますね。 0:「秋の夜長(よなが)」なんて言われますが、冬の方が夜の時間は断然長いのです。 0: 0:真夏が終わり、秋分(しゅうぶん)の日を過ぎると、昼間の時間がどんどん短くなっていきます。 0:そして、昼間の時間が一番短くなる日が「冬至(とうじ)」と呼ばれる日です。 0: 0:「冬至」とは、春分の日や秋分の日と同じ、二十四節気(にじゅうしせっき)の中の、22番目の節気(せっき)で、しかも、二十四節気の中でも、とても重要な節気の一つなのです。 0: 0:先程も、冬至は一年のうちで昼間の時間が一番短い日とお話ししましたが、古来から冬至は、神様であり、命の象徴(しょうちょう)ともいえる「太陽」の力が最も弱くなる日として、「死に一番近い日」と考えられて来ました。 0: 0:「冬」に「至(いた)り」と書いて冬至と読みますが、「至(いた)り」とは、物事の極(きわ)み。 つまり、最高の状態に達するという意味です。 0: 0:植物は枯れ、動物もいなくなってしまう冬は、生命の息吹(いぶき)を感じられない季節であり、特に今のような、照明器具や暖房器具もなく、暗くて寒い冬の夜に対する不安が大きかった時代には、冬の極みである冬至は、まさに「死に一番近い日」だったのかもしれませんね。 0: 0:そういった事から、日本には昔から、夜の一番長い冬至に、邪気を払い、無病息災を祈願(きがん)する風習があるのです。 0: 0:今回は、その幾つかをご紹介いたしましょう。 0: 0:まず一つ目は、「ん」の付くものを食べるという風習。 0: 0:昔は、「ん」のつくものを食べると運気が上がると考えられてきました。 0:なぜ「ん」なのかは諸説(しょせつ)あり、詳しい事は分かっていませんが、運気を上げて冬至を乗り切ろうとしたのですね。 0: 0:「ん」の付く食べ物といえば、 0:例えば、ニンジン、うどん、ダイコン、レンコン、寒天(かんてん)、ギンナン、などなど、いろいろありますが、 0:その中でも、特に冬至に食べる事で知られているのは、なんと言っても、昔は、南(みなみ)の瓜(うり)と書いて、「なんきん」と呼ばれていた食べ物。 0:そうカボチャです。 0: 0:冬至にカボチャを食べるという風習は、今も残っていますので、ご存じの方も多いと思います。 0:カボチャは夏に取れる野菜で、ビタミンやミネラル、カルシウムが豊富ですから、冬のビタミン不足を補い、風邪の予防に良い食べ物と言えます。 0:常温で長期間保存ができる為、冷蔵技術の無かった時代には、冬に食べる事が出来る夏野菜として、貴重な食べ物だったんですね。 0: 0:そして二つ目は、小豆(あずき)を食べるという風習。 0:昔から赤い色は、太陽や炎を連想させ、邪気を払うと考えられて来ました。 0:そこから、冬至に赤い色の小豆を使った料理を食べる事で邪気を払おうと考えたのですね。 0: 0:ちなみに、「あずき」の名の由来は、一説には、赤色の「あ」と、煮崩れしやすいという意味の「ずき」が合わさって、「あずき」となったと言われています。 0:それほど赤色が目立つ食べ物だったのですね。 0: 0:小豆料理としては、もち米を使った赤飯(せきはん)が有名ですが、冬至に食べる料理はもち米ではなく、普通のお米を使った、お粥(かゆ)です。 0:冬至に食べるお粥を「冬至粥(とうじがゆ)」と言いますが、冬至粥といえば、小豆を使った小豆粥(あずきがゆ)が一般的だそうです。 0: 0:一方、小豆の他に、先ほどのカボチャを使って作るというレシピもあるようですが、小豆も、カボチャもどちらも栄養が豊富で、栄養不足になりがちな冬を乗り切るには、もってこいの食材なのですね。 0: 0:その他に、食べ物以外の風習ですと、柚子湯(ゆずゆ)に入るというのがあります。 0:昔から「冬至の日に柚子湯につかると風邪をひかない」と言われていますが、柚子湯の風習は、それ程古いものではなく、江戸時代の銭湯(せんとう)の文化から生まれたようです。 0: 0:江戸っ子の銭湯好きは有名ですが、その頃の銭湯は、サービスが充実しており、その一つに、季節ごとに違う植物を入れる「季節湯」と呼ばれるサービスがありました。 0:季節湯は、五月の端午の節句の時の菖蒲湯(しょうぶゆ)が有名ですが、冬至の柚子湯もその一つ。 0:柚子には、血行促進や冷え性、あかぎれに効果のある成分が入っていますので、柚子湯は冬のお風呂としては、うってつけですね。 0:こういった事から、「柚子」そのものは秋の季語なのですが、「柚子湯」は冬の季語となっているのです。 0: 0:このように、日本の冬至は、ひな祭りや、七夕のような、大規模な行事がある訳ではありませんが、辛い冬を少しでも前向きに生きようとする工夫が感じられますね。 0: 0:そして、その前向きな考え方の一つに「一陽来復(いちようらいふく)」という考え方があります。 0:この「一陽来復(いちようらいふく)」とは、悪い事が終わって良い事が起こるという意味の言葉です。 0: 0:冬至は、確かに太陽の力が最も弱く、昼間の時間が一番短い日なのですが、言い換えれば、翌日から太陽の力がどんどん強くなっていく日とも言えるのです。 0:つまり、冬至とは「太陽が生まれ変わる日」と考えられるです。 0: 0:日本では冬至にはあまり大きなイベントがありませんが、世界に目を向ければ、世界中の暦(こよみ)が統一される以前は、この「太陽が生まれ変わる日」の冬至を一年の始まり、つまりお正月とした国が、中国や北欧など、洋の東西を問わず幾つもあるのです。 0: 0:一説には、クリスマスが12月25日になったのは、古代ヨーロッパの太陽の復活を祝う祭りと、キリストの誕生日が融合した年の冬至の日が、たまたま12月25日だったからと言われているようですよ。 0:そして、ブッシュドノエルというクリスマスケーキが、北欧の冬至のイベントが元になっているという話もあるのですが、それはまた機会があればご紹介したいと思います。 0: 0: 0:いかがでしたか 0:日本ではあまり大きなイベントのない冬至ですが、世界には紹介しきれない程のいろいろや行事や逸話があり、世界中でこの冬至が重要視されていた事がわかります。 0:気になった方は、少し調べて見るのも面白いかもしれませんね。 0: 0: 0:それでは、またお会い致しましょう。 0:さようなら 0: 0: 0: