台本概要
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タイトル | 三本の四ツ葉のクローバー |
---|---|
作者名 | おちり補佐官 (@called_makki) |
ジャンル | 童話 |
演者人数 | 1人用台本(女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
とくになし
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
語り部 | 女 | 23 | 読み読みします |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
語り部:『三本の四つ葉のクローバー』
:
語り部:ある公園の片隅で、三つ葉のクローバーが四本生えていました。
:
語り部:みんな生まれながらにして三つ葉で、それ以下でもそれ以上でもない、正真正銘の三つ葉のクローバー達でした。
:
語り部:そして、誰もが幸せになりたいと願っていて、また殆んど皆は、四つ葉になることが幸せなことだと信じて過ごしていました。
:
語り部:しかし、ただ一本だけは三つ葉のままで十分に幸せだと思っていました。なにも不足せずに楽しく暮らしていると感じていたからです。
:
語り部:そのクローバーには静かな願いがありました。友達のクローバーちゃんが幸せになることです。だから、いつも楽しいことを探したり、お喋りしたり、共に悩んだりして過ごしていました。
:
語り部:そんなある日のことです。あの三つ葉のクローバーは、友達のクローバーちゃんが落ち込んでいるのを見つけました。
:
語り部:それはそれは、辛そうで、今にも葉っぱが落ちて二つ葉(ふたつば)になってしまいそうなほどでした。
:
語り部:四つ葉のクローバーになれる方法を懸命に探しました。あのままだと、本当に二つ葉になってしまうのではないかと、心底心配して、必死でした。
語り部:そうして遂に、葉を増やす方法を見つけました。
:
語り部:その方法はというと、自分の葉っぱを一枚与えることでした。しかし、それには条件があって、それは他のもう二枚の葉っぱも別の三つ葉にあげなければならない、ということでした。
:
語り部:数日経ったある日のこと、泣き続けていたクローバーちゃんの元へ一通の手紙が届きました。
:
語り部:「しあわせになるんだよ。もしよかったら、これをつけてみて。きっと似合うよ」
:
語り部:なかには一枚の葉っぱが同封されています。
:
語り部:その日から、三つ葉のクローバーちゃんは四つ葉のクローバーちゃんになりました。
:
語り部:それだけで、なんだか幸せな気持ちになり、おそとへ出かける元気も湧いてきました。
:
語り部:おそとに出ると、二本のクローバーの歌い声が楽しげに聴こえてきました。耳をすましていると、それは四つ葉になれた喜びを歌っていることが判りました。
:
語り部:四つ葉になれたクローバーちゃんは、その二本の元へ向かいました。そして、三本の四つ葉は楽しく遊んでいます。
:
語り部:クローバーちゃんは言いました
:
語り部:「もう一本居た子はどこにいったの?」
:
語り部:歌っていたうちの一本が答えます。
:
語り部:「きっと悪いことでもして天罰がくだったんだよ。そうでなきゃおかしい、だって、僕たちみたいに葉っぱが増えることだってあるんだから」
:
語り部:「なあんだ、そうだったんだね」
:
語り部:それから、四つ葉のクローバー達はまた歌いだしました。そのそばで、一本のみどりの茎がそっと静かに、風に揺られています。
語り部:『三本の四つ葉のクローバー』
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語り部:ある公園の片隅で、三つ葉のクローバーが四本生えていました。
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語り部:みんな生まれながらにして三つ葉で、それ以下でもそれ以上でもない、正真正銘の三つ葉のクローバー達でした。
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語り部:そして、誰もが幸せになりたいと願っていて、また殆んど皆は、四つ葉になることが幸せなことだと信じて過ごしていました。
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語り部:しかし、ただ一本だけは三つ葉のままで十分に幸せだと思っていました。なにも不足せずに楽しく暮らしていると感じていたからです。
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語り部:そのクローバーには静かな願いがありました。友達のクローバーちゃんが幸せになることです。だから、いつも楽しいことを探したり、お喋りしたり、共に悩んだりして過ごしていました。
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語り部:そんなある日のことです。あの三つ葉のクローバーは、友達のクローバーちゃんが落ち込んでいるのを見つけました。
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語り部:それはそれは、辛そうで、今にも葉っぱが落ちて二つ葉(ふたつば)になってしまいそうなほどでした。
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語り部:四つ葉のクローバーになれる方法を懸命に探しました。あのままだと、本当に二つ葉になってしまうのではないかと、心底心配して、必死でした。
語り部:そうして遂に、葉を増やす方法を見つけました。
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語り部:その方法はというと、自分の葉っぱを一枚与えることでした。しかし、それには条件があって、それは他のもう二枚の葉っぱも別の三つ葉にあげなければならない、ということでした。
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語り部:数日経ったある日のこと、泣き続けていたクローバーちゃんの元へ一通の手紙が届きました。
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語り部:「しあわせになるんだよ。もしよかったら、これをつけてみて。きっと似合うよ」
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語り部:なかには一枚の葉っぱが同封されています。
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語り部:その日から、三つ葉のクローバーちゃんは四つ葉のクローバーちゃんになりました。
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語り部:それだけで、なんだか幸せな気持ちになり、おそとへ出かける元気も湧いてきました。
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語り部:おそとに出ると、二本のクローバーの歌い声が楽しげに聴こえてきました。耳をすましていると、それは四つ葉になれた喜びを歌っていることが判りました。
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語り部:四つ葉になれたクローバーちゃんは、その二本の元へ向かいました。そして、三本の四つ葉は楽しく遊んでいます。
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語り部:クローバーちゃんは言いました
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語り部:「もう一本居た子はどこにいったの?」
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語り部:歌っていたうちの一本が答えます。
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語り部:「きっと悪いことでもして天罰がくだったんだよ。そうでなきゃおかしい、だって、僕たちみたいに葉っぱが増えることだってあるんだから」
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語り部:「なあんだ、そうだったんだね」
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語り部:それから、四つ葉のクローバー達はまた歌いだしました。そのそばで、一本のみどりの茎がそっと静かに、風に揺られています。