台本概要

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タイトル Scrap witch !? 第7話 Can I make 10 friends?
作者名 狗山犬壱(イヌヤマ ケンイチ)
ジャンル ファンタジー
演者人数 8人用台本(男3、女5) ※兼役あり
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 自由都市カナードでの新生活が始まったピリア。ピリアは無事、1ヶ月以内に友達を10人作れるのだろうか?

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ピリア 19 主人公…?。忘れがちだけどこの子も結構な変人。骨スキーな一面をいつかは描かれるかも?
カルシゥム 49 ピリアの使い魔。ピリアがコミュ障の為、台詞が多いこと多いこと。日常生活ではほぼオカン。
レナ 41 吟遊詩人の女の子。カナードの中では比較的マトモな子。歌と竪琴が得意。
シーナ 23 猫人で斥候職な女の子。猫人と書いてフェルパーと読む。猫なので気まぐれで気分屋。人をナチュラルに煽る癖がある問題児
アカネ 19 東方の剣を使う女性。クールで落ち着きがあるが、シーナとの相性は悪く、わりと喧嘩する。キレる時は静かにキレて剣を抜く怒らせるとヤベー人。
モブA - モブ1号。名前の下にどんな役を演じるか書いてあるのでそれを意識して演じて下さい。兼役ありです。頑張って下さい!
モブB - モブ2号。名前の下にどんな役を演じるか書いてあるのでそれを意識して演じて下さい。兼役ありです!頑張って下さい!
モブC - モブ3号。どんな役を演じるか書いてあるのでそれを意識して演じて下さい。兼役ありです!頑張って下さい!
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:自由都市カナード 冒険者ギルド宿舎 0:ピリアの部屋 0: 0:ピリア達がカナードに来てから、3日が経とうとしていた 0:その間、ピリアが何をしていたかと ピリア:「あぁ…どうしようどうしようどうしようどうしよう…」 0:病んでいた…心を カルシゥム:「ほら、お嬢。そろそろ研修の時間だ」 カルシゥム:「今日で3日目。他の連中も慣れてきた頃合いだから」 カルシゥム:「話しかけるには良い時期だと思うぞ」 ピリア:「か、カルさぁん…!」 ピリア:「や、休んじゃ…ダメです…?」 カルシゥム:「ダメだ。お嬢は冒険者として働きに来ているんだ」 カルシゥム:「この宿舎の個室だって、お師匠さんの計らいで使えるんだ」 カルシゥム:「普通なら他の冒険者達と相部屋になるところだぞ」 ピリア:「うぅ…そ、そうですよね…お仕事、ですよね」 カルシゥム:「ほらほら、髪の毛直して、顔洗いな」 ピリア:「は、はぃぃ…」 カルシゥム:「着替えのローブは昨日の内に洗って置いたから、それ着て」 ピリア:「は、はい。」 カルシゥム:「それから今日の研修で使う資料もテーブルに置いてあるから」 カルシゥム:「忘れずにカバンに入れときな、お嬢」 ピリア:「うぅ…何から何までありがとうございますぅぅ…」 カルシゥム:「はいはい。それは言わないお約束ってな」 0:ピリアの一日が始まろうとしていた。 0: 0: 0:午前中 冒険者の基礎研修 0:冒険者ギルド 受付前 0: 0: モブC(研修担当):「はーい。ではこれから実際に依頼を」 モブC(研修担当):「受注してみたいと思います。」 モブC(研修担当):「それじゃ、各自、3人組でパーティーを組んでください」 ピリア:「え、えぇ!?パ、パーティー!?」 カルシゥム:「(早速来たか、第一関門。だが、事前に参加者の数は把握済み)」 カルシゥム:「(今回の実地研修は18人。3人パーティーなら6組作れる)」 カルシゥム:「(お嬢の性格からして、自分から話しかけるのはまず不可能)」 カルシゥム:「(だが、この人数ならたとえ余っても最終的には3人集まる)」 カルシゥム:「(最後まで残る奴は、大抵がコミュ障か大人しい奴だろう。)」 カルシゥム:「(あぶれた者同士の連帯感と、似たような雰囲気の奴同士なら)」 カルシゥム:「(ある程度の会話が期待できるはず)」 カルシゥム:「(その時に一人でも友達を作れれば…!)」 モブA(初心者な冒険者):「おーい!パーティー組もう!」 モブB(初心者の冒険者):「こっち!魔法職の人いたら来てくんない?」 ピリア:「あ、あ、えとえと…!」 モブB(ツッコミ冒険者):「前衛、出来る人いる?こっち後衛ばっかなんだけど!」 モブA(心が乙女な冒険者):「あらん?それならワタクシ、いくわよん♪」 モブA(心が乙女な冒険者):「ぶるぅあああ!!この!筋肉で!守ってあげるわよん♡」 モブB(ツッコミ冒険者):「やっべ!変だけど強そうな人、来ちゃった!」 カルシゥム:「(大丈夫だお嬢。今は待ちの時間だ)」 モブB(腐った冒険者):「ぐ、ぐふふ…」 モブA(イケメンな冒険者):「俺がお前を守る。だから俺の背中を守ってくれ」 モブC(ショタ可愛い冒険者):「う、うん!ボク、頑張るよ!」 モブB(腐った冒険者):「イケメン×可愛いショタのカプはやはり王道…♪」 カルシゥム:「(この後、余る奴が…)」 モブA(軟派な冒険者):「ねぇねぇ彼女!この後二人で抜け出さない?」 モブA(軟派な冒険者):「実は良い店知ってるんだよ。奢ってあげちゃうからさぁ…」 モブB(サークルの姫的な冒険者):「えー!でもでもぉ、研修受けないとぉ」 モブB(サークルの姫的な冒険者):「私ぃ、困っちゃうなぁ」 モブA(軟派な冒険者):「いーじゃん、いーじゃん!適当に流しとけばさぁ」 モブC(硬派な冒険者):「おい!彼女が困ってるだろ!やめてやれよ!」 モブA(軟派な冒険者):「はぁ?そんなわけねーだろ?てめぇはすっこんでろ!」 モブC(硬派な冒険者):「何だと!お前こそ彼女を放してどっかに行け!」 モブB(サークルの姫的な冒険者):「ふぇぇ!私の為にぃ争わないでぇ」 カルシゥム:「(…いや、キャラ濃いの多いな!?)」 カルシゥム:「(流石は変人の巣窟…)」 0:カルシゥムがキャラの濃さに呆れていたところ 0:研修担当の口から信じられないことを耳にする モブC(研修担当):「えーっと…今回の参加者は18人…あ、途中参加者が増えたから」 モブC(研修担当):「22人か」 カルシゥム:「(な、なにぃぃ!?ふ、増えただとぉぉ!?)」 モブC(研修担当):「あー…一人余っちゃうか…」 カルシゥム:「(し、しまった!この流れは…!)」 カルシゥム:「(学校で必ず一度はある、一人だけあぶれる奴!)」 カルシゥム:「(し、しかもお嬢は極度のコミュ障!)」 カルシゥム:「(こ、このままだと【あぶれた奴を入れてやれ!な雰囲気に】)」 カルシゥム:「(い、いかん!そんなマイナスなイメージが着いたら)」 カルシゥム:「(お嬢は耐えられない!)」 カルシゥム:「(くそ!どうすれば…!)」 モブC(研修担当):「今のところ…もう7組出来ちゃってるな…ん?」 モブC(研修担当):「そこの黒いローブの君。君は…」 カルシゥム:「(済まねぇ!お嬢…!)」 レナ:「あの!」 0:綺麗な声がその場に響く 0:声がした方を向くとそこには菫色を基調としたワンピースに 0:上からコートのように白いローブを羽織った 0:どこか吟遊詩人を思わせる風体の少女が立っていた モブC(研修担当):「ん?君は確か…」 レナ:「レナ=カルミナです。そこの方…ええと」 モブC(研修担当):「ああ、彼女は」 ピリア:「ぴ、ピリア!ぴ、ピリア=オストー!…です」 0:少女…レナはピリアの方を向き レナ:「ピリアさん…ですね。」 レナ:「実は私達のパーティーにピリアさんをお誘いしたくて」 ピリア:「え、ええぇぇ!?あ、ああ、アタシを?ぱ、ぱぱぱ、パーティーに?」 レナ:「はい!」 0:窮地に陥ったかと思った時に訪れたまさかの展開に 0:カルシゥムは困惑していた カルシゥム:「(おいおい、何だこの展開は!?)」 カルシゥム:「(まさか!お師匠さんの仕込みか…?)」 0:カルシゥムはレナの行動を怪しむ レナ:「パーティーの人数が、4人になってしまうんですけど」 レナ:「よろしいですか?」 モブC(研修担当):「ああ、構わないよ」 レナ:「ありがとうございます!」 レナ:「さ、ピリアさん、こっちです」 0:レナは優しくピリアの手を引く ピリア:「ひゃ、ひゃい!」 0:レナとピリアは他のパーティーメンバーがいる場所へと向かった。 レナ:「お待たせしました!」 シーナ:「レナ、おそーい!何をやってたにゃ?」 アカネ:「どうせレナの事だから、人助けでしょ?」 レナ:「ごめんねシーナちゃん、アカネさん」 0:レナと向かった場所には二人の女性冒険者がいた。 0:一人はシーナと呼ばれていた革製の防具に身を包み 0:二本のナイフを腰に差した【猫人】(フェルパー)の少女。 0:もう一人は、日出国(ひいずるくに)の装束を 0:こちらの大陸風にアレンジした衣装に身を包み、腰に刀を帯びた 0:レナやシーナより若干、歳が上に見える少女 レナ:「紹介しますね。こちらはアカネさんです。」 アカネ:「ん。よろしく」 レナ:「アカネさんは私達の少し先輩で」 レナ:「今回は特別に、実地研修に参加してもらっているんです」 アカネ:「レナからどうしてもってことで、今回は特別にね」 レナ:「日出国(ひいずるくに)の剣技を修めている」 レナ:「凄腕の剣士さんなんです」 カルシゥム:「(…かなりの使い手だな)」 レナ:「それからこっちはシーナちゃん。」 レナ:「見た通り、猫人(フェルパー)の女の子で」 レナ:「私と同期の冒険者さんで、お友達です!」 シーナ:「シーナにゃ!よろしくにゃ!」 ピリア:「は、はい!よ、よよ、よろしくお願いします!」 レナ:「シーナちゃんは斥候職(スカウト)です。」 レナ:「宝箱の解錠や罠の解除をお願いしています」 シーナ:「ふふーん♪シーナは凄腕なのにゃ!」 カルシゥム:「(こいつも結構な使い手だ)」 カルシゥム:「(カナードの冒険者はやはり粒揃いか…)」 カルシゥム:「(…変人も多いけど)」 シーナ:「…それにしても」 0:シーナはピリアに急接近し、頬がくっつく位に顔を近づける ピリア:「ぴ、ぴぁ!?な、ななな、なにを…!?」 シーナ:「スンスン…オマエ、なんか変な匂いするにゃ」 ピリア:「ひぅ…!?あ、アタシ…臭いです…?」 レナ:「し、シーナちゃん!?だ、ダメだよ!そんなこと言ったら!」 シーナ:「別に臭くないにゃ。ただ…スンスン」 0:シーナは更に首筋の匂いを嗅ぐ ピリア:「ぴっ…ぴゃあぁぁー!?や、やめてくだしゃいぃぃ!!」 シーナ:「スンスン…なんだろにゃー、どこかで…フギャ!?」 アカネ:「良いからやめなさい!このおバカ!」 0:アカネはいつの間にかシーナの背後に立ち、手刀を脳天にぶちこんだ シーナ:「な、なにするにゃ!?」 シーナ:「シーナのプリティーな猫耳を傷物にする気かにゃ!?」 アカネ:「そのくらいじゃ傷なんてつかないわよ、おバカ。」 アカネ:「それよりも、初対面の相手に何ハレンチな真似してんのよ?」 シーナ:「ただ匂いを嗅(か)いだだけにゃ!変なことなんてしてないにゃ!」 アカネ:「人間相手ならそれだけで十分ハレンチなのよ!」 アカネ:「少しは相手の身にもなってあげなさい。」 アカネ:「だいたいあんたはね…」 0:普段から言いたいことが溜まっていたのか 0:シーナにくどくどと、お説教をするアカネ シーナ:「にゃあぁぁぁー!?うっさいにゃ!」 シーナ:「ライの奴みたいに、ネチネチうっさいにゃ!」 シーナ:「そんなだから男にモテないにゃ!」 アカネ:「は?」 0:シーナの暴言にアカネは額に青筋を立てる レナ:「し、シーナちゃん!?」 シーナ:「つーん!今回だってライに良いとこ見せようとして」 シーナ:「研修に参加したは良いけど」 シーナ:「肝心のライが長期依頼でいないとか…にゃぷぷぷ!」 0:アカネから凄まじいまでの剣気が放たれる レナ:「あ、アカネさん!お、落ち着いて!」 アカネ:「…ええ。落ち着いているわ」 アカネ:「そう言えばレナ」 レナ:「は、はい!何ですか!?」 アカネ:「新しい楽器を探してたわね?」 レナ:「え、ええ。探していましたけど…」 0:アカネは抜刀の構えをとる アカネ:「ちょうど猫が一匹、目の前にいるから」 アカネ:「三味線にしてプレゼントしてあげる」 0:アカネの言いたいことが分かったのかムッとしたシーナ シーナ:「上等にゃ!オマエの顔、線だらけにして楽譜代わりに」 シーナ:「使えるようにしてやるにゃ!」 ピリア:「あ、あばばばば…!か、カルさぁん!?」 カルシゥム:「(なんつー剣気と闘気だ!?)」 カルシゥム:「(くそ、もしもの時は顕現(けんげん)を…!)」 0:ベルトからナイフを二本取り出し構えるシーナ 0:一触即発な空気の中、綺麗な歌声と清廉な竪琴の音色がフロアに響き渡る ピリア:「ふわぁ…」 0:二人のやり取りに緊張のあまり、喋れずにいた 0:ピリアの顔が安らぎ、表情が和らぐ シーナ:「うにゃあぁぁ…レナの歌はやっぱり良いにゃあぁ…」 アカネ:「…ふう、相変わらず良い歌声ね。」 アカネ:「怒る気も削がれちゃった」 カルシゥム:「(…確かに良い歌声だ)」 カルシゥム:「(だが、なぜこんなにも心が安らぐ?)」 カルシゥム:「(これは…【咒歌】(カンティオ)か?)」 0:一通り歌い終えた後、レナは聴衆にお辞儀をする 0:そんなレナの姿を見て、聴衆はレナに拍手と称賛の声をあげる レナ:「二人とも、少しは落ち着きましたか?」 アカネ:「ええ。」 アカネ:「ごめんなさい、年長者のあたしが冷静になれなくて」 シーナ:「むー…シーナは別に悪いことなんて…」 レナ:「…シーナちゃん?」 シーナ:「…うにゃ」 レナ:「悪いことしたらどうするの?」 シーナ:「むぐぐ…」 0:シーナは観念したように、項垂れる シーナ:「…ゴメンにゃさい」 レナ:「はい!良くできました!」 カルシゥム:「(なるほど、このパーティの力関係は)」 カルシゥム:「(このレナって嬢ちゃんが強いのか)」 レナ:「ごめんなさい、ピリアさん。それに…カルシゥムさん」 レナ:「驚かせてしまって」 ピリア:「え、ええぇ!?な、ななな、なんで!?」 カルシゥム:「…俺のこと、聞いていたのか?」 レナ:「はい。実は、セルシオさんから昨日お話があって」 レナ:「急遽(きゅうきょ)、実地研修の参加者が増えてしまい」 レナ:「ピリアさんが孤立してしまうかもしれないので」 レナ:「その時はパーティに入れて上げてほしい、と」 カルシゥム:「(あの毒舌眼鏡、流石はサブギルドマスターってところか)」 カルシゥム:「(お嬢の本質を良く理解してやがる)」 レナ:「あ、そう言えば自己紹介がまだでした!」 0:レナは手櫛で髪の毛を整え、ピリアの方に向く レナ:「改めまして、レナ=カルミナです!」 レナ:「吟遊詩人の見習いで、特技は歌と竪琴の演奏です。」 レナ:「えっと、せっかく同じパーティになれたので」 レナ:「出来れば仲良くしてほしいです!よろしくお願いします!」 カルシゥム:「(これがお嬢とあいつらの初めての出会いだった)」 0:次回に続け!

0:自由都市カナード 冒険者ギルド宿舎 0:ピリアの部屋 0: 0:ピリア達がカナードに来てから、3日が経とうとしていた 0:その間、ピリアが何をしていたかと ピリア:「あぁ…どうしようどうしようどうしようどうしよう…」 0:病んでいた…心を カルシゥム:「ほら、お嬢。そろそろ研修の時間だ」 カルシゥム:「今日で3日目。他の連中も慣れてきた頃合いだから」 カルシゥム:「話しかけるには良い時期だと思うぞ」 ピリア:「か、カルさぁん…!」 ピリア:「や、休んじゃ…ダメです…?」 カルシゥム:「ダメだ。お嬢は冒険者として働きに来ているんだ」 カルシゥム:「この宿舎の個室だって、お師匠さんの計らいで使えるんだ」 カルシゥム:「普通なら他の冒険者達と相部屋になるところだぞ」 ピリア:「うぅ…そ、そうですよね…お仕事、ですよね」 カルシゥム:「ほらほら、髪の毛直して、顔洗いな」 ピリア:「は、はぃぃ…」 カルシゥム:「着替えのローブは昨日の内に洗って置いたから、それ着て」 ピリア:「は、はい。」 カルシゥム:「それから今日の研修で使う資料もテーブルに置いてあるから」 カルシゥム:「忘れずにカバンに入れときな、お嬢」 ピリア:「うぅ…何から何までありがとうございますぅぅ…」 カルシゥム:「はいはい。それは言わないお約束ってな」 0:ピリアの一日が始まろうとしていた。 0: 0: 0:午前中 冒険者の基礎研修 0:冒険者ギルド 受付前 0: 0: モブC(研修担当):「はーい。ではこれから実際に依頼を」 モブC(研修担当):「受注してみたいと思います。」 モブC(研修担当):「それじゃ、各自、3人組でパーティーを組んでください」 ピリア:「え、えぇ!?パ、パーティー!?」 カルシゥム:「(早速来たか、第一関門。だが、事前に参加者の数は把握済み)」 カルシゥム:「(今回の実地研修は18人。3人パーティーなら6組作れる)」 カルシゥム:「(お嬢の性格からして、自分から話しかけるのはまず不可能)」 カルシゥム:「(だが、この人数ならたとえ余っても最終的には3人集まる)」 カルシゥム:「(最後まで残る奴は、大抵がコミュ障か大人しい奴だろう。)」 カルシゥム:「(あぶれた者同士の連帯感と、似たような雰囲気の奴同士なら)」 カルシゥム:「(ある程度の会話が期待できるはず)」 カルシゥム:「(その時に一人でも友達を作れれば…!)」 モブA(初心者な冒険者):「おーい!パーティー組もう!」 モブB(初心者の冒険者):「こっち!魔法職の人いたら来てくんない?」 ピリア:「あ、あ、えとえと…!」 モブB(ツッコミ冒険者):「前衛、出来る人いる?こっち後衛ばっかなんだけど!」 モブA(心が乙女な冒険者):「あらん?それならワタクシ、いくわよん♪」 モブA(心が乙女な冒険者):「ぶるぅあああ!!この!筋肉で!守ってあげるわよん♡」 モブB(ツッコミ冒険者):「やっべ!変だけど強そうな人、来ちゃった!」 カルシゥム:「(大丈夫だお嬢。今は待ちの時間だ)」 モブB(腐った冒険者):「ぐ、ぐふふ…」 モブA(イケメンな冒険者):「俺がお前を守る。だから俺の背中を守ってくれ」 モブC(ショタ可愛い冒険者):「う、うん!ボク、頑張るよ!」 モブB(腐った冒険者):「イケメン×可愛いショタのカプはやはり王道…♪」 カルシゥム:「(この後、余る奴が…)」 モブA(軟派な冒険者):「ねぇねぇ彼女!この後二人で抜け出さない?」 モブA(軟派な冒険者):「実は良い店知ってるんだよ。奢ってあげちゃうからさぁ…」 モブB(サークルの姫的な冒険者):「えー!でもでもぉ、研修受けないとぉ」 モブB(サークルの姫的な冒険者):「私ぃ、困っちゃうなぁ」 モブA(軟派な冒険者):「いーじゃん、いーじゃん!適当に流しとけばさぁ」 モブC(硬派な冒険者):「おい!彼女が困ってるだろ!やめてやれよ!」 モブA(軟派な冒険者):「はぁ?そんなわけねーだろ?てめぇはすっこんでろ!」 モブC(硬派な冒険者):「何だと!お前こそ彼女を放してどっかに行け!」 モブB(サークルの姫的な冒険者):「ふぇぇ!私の為にぃ争わないでぇ」 カルシゥム:「(…いや、キャラ濃いの多いな!?)」 カルシゥム:「(流石は変人の巣窟…)」 0:カルシゥムがキャラの濃さに呆れていたところ 0:研修担当の口から信じられないことを耳にする モブC(研修担当):「えーっと…今回の参加者は18人…あ、途中参加者が増えたから」 モブC(研修担当):「22人か」 カルシゥム:「(な、なにぃぃ!?ふ、増えただとぉぉ!?)」 モブC(研修担当):「あー…一人余っちゃうか…」 カルシゥム:「(し、しまった!この流れは…!)」 カルシゥム:「(学校で必ず一度はある、一人だけあぶれる奴!)」 カルシゥム:「(し、しかもお嬢は極度のコミュ障!)」 カルシゥム:「(こ、このままだと【あぶれた奴を入れてやれ!な雰囲気に】)」 カルシゥム:「(い、いかん!そんなマイナスなイメージが着いたら)」 カルシゥム:「(お嬢は耐えられない!)」 カルシゥム:「(くそ!どうすれば…!)」 モブC(研修担当):「今のところ…もう7組出来ちゃってるな…ん?」 モブC(研修担当):「そこの黒いローブの君。君は…」 カルシゥム:「(済まねぇ!お嬢…!)」 レナ:「あの!」 0:綺麗な声がその場に響く 0:声がした方を向くとそこには菫色を基調としたワンピースに 0:上からコートのように白いローブを羽織った 0:どこか吟遊詩人を思わせる風体の少女が立っていた モブC(研修担当):「ん?君は確か…」 レナ:「レナ=カルミナです。そこの方…ええと」 モブC(研修担当):「ああ、彼女は」 ピリア:「ぴ、ピリア!ぴ、ピリア=オストー!…です」 0:少女…レナはピリアの方を向き レナ:「ピリアさん…ですね。」 レナ:「実は私達のパーティーにピリアさんをお誘いしたくて」 ピリア:「え、ええぇぇ!?あ、ああ、アタシを?ぱ、ぱぱぱ、パーティーに?」 レナ:「はい!」 0:窮地に陥ったかと思った時に訪れたまさかの展開に 0:カルシゥムは困惑していた カルシゥム:「(おいおい、何だこの展開は!?)」 カルシゥム:「(まさか!お師匠さんの仕込みか…?)」 0:カルシゥムはレナの行動を怪しむ レナ:「パーティーの人数が、4人になってしまうんですけど」 レナ:「よろしいですか?」 モブC(研修担当):「ああ、構わないよ」 レナ:「ありがとうございます!」 レナ:「さ、ピリアさん、こっちです」 0:レナは優しくピリアの手を引く ピリア:「ひゃ、ひゃい!」 0:レナとピリアは他のパーティーメンバーがいる場所へと向かった。 レナ:「お待たせしました!」 シーナ:「レナ、おそーい!何をやってたにゃ?」 アカネ:「どうせレナの事だから、人助けでしょ?」 レナ:「ごめんねシーナちゃん、アカネさん」 0:レナと向かった場所には二人の女性冒険者がいた。 0:一人はシーナと呼ばれていた革製の防具に身を包み 0:二本のナイフを腰に差した【猫人】(フェルパー)の少女。 0:もう一人は、日出国(ひいずるくに)の装束を 0:こちらの大陸風にアレンジした衣装に身を包み、腰に刀を帯びた 0:レナやシーナより若干、歳が上に見える少女 レナ:「紹介しますね。こちらはアカネさんです。」 アカネ:「ん。よろしく」 レナ:「アカネさんは私達の少し先輩で」 レナ:「今回は特別に、実地研修に参加してもらっているんです」 アカネ:「レナからどうしてもってことで、今回は特別にね」 レナ:「日出国(ひいずるくに)の剣技を修めている」 レナ:「凄腕の剣士さんなんです」 カルシゥム:「(…かなりの使い手だな)」 レナ:「それからこっちはシーナちゃん。」 レナ:「見た通り、猫人(フェルパー)の女の子で」 レナ:「私と同期の冒険者さんで、お友達です!」 シーナ:「シーナにゃ!よろしくにゃ!」 ピリア:「は、はい!よ、よよ、よろしくお願いします!」 レナ:「シーナちゃんは斥候職(スカウト)です。」 レナ:「宝箱の解錠や罠の解除をお願いしています」 シーナ:「ふふーん♪シーナは凄腕なのにゃ!」 カルシゥム:「(こいつも結構な使い手だ)」 カルシゥム:「(カナードの冒険者はやはり粒揃いか…)」 カルシゥム:「(…変人も多いけど)」 シーナ:「…それにしても」 0:シーナはピリアに急接近し、頬がくっつく位に顔を近づける ピリア:「ぴ、ぴぁ!?な、ななな、なにを…!?」 シーナ:「スンスン…オマエ、なんか変な匂いするにゃ」 ピリア:「ひぅ…!?あ、アタシ…臭いです…?」 レナ:「し、シーナちゃん!?だ、ダメだよ!そんなこと言ったら!」 シーナ:「別に臭くないにゃ。ただ…スンスン」 0:シーナは更に首筋の匂いを嗅ぐ ピリア:「ぴっ…ぴゃあぁぁー!?や、やめてくだしゃいぃぃ!!」 シーナ:「スンスン…なんだろにゃー、どこかで…フギャ!?」 アカネ:「良いからやめなさい!このおバカ!」 0:アカネはいつの間にかシーナの背後に立ち、手刀を脳天にぶちこんだ シーナ:「な、なにするにゃ!?」 シーナ:「シーナのプリティーな猫耳を傷物にする気かにゃ!?」 アカネ:「そのくらいじゃ傷なんてつかないわよ、おバカ。」 アカネ:「それよりも、初対面の相手に何ハレンチな真似してんのよ?」 シーナ:「ただ匂いを嗅(か)いだだけにゃ!変なことなんてしてないにゃ!」 アカネ:「人間相手ならそれだけで十分ハレンチなのよ!」 アカネ:「少しは相手の身にもなってあげなさい。」 アカネ:「だいたいあんたはね…」 0:普段から言いたいことが溜まっていたのか 0:シーナにくどくどと、お説教をするアカネ シーナ:「にゃあぁぁぁー!?うっさいにゃ!」 シーナ:「ライの奴みたいに、ネチネチうっさいにゃ!」 シーナ:「そんなだから男にモテないにゃ!」 アカネ:「は?」 0:シーナの暴言にアカネは額に青筋を立てる レナ:「し、シーナちゃん!?」 シーナ:「つーん!今回だってライに良いとこ見せようとして」 シーナ:「研修に参加したは良いけど」 シーナ:「肝心のライが長期依頼でいないとか…にゃぷぷぷ!」 0:アカネから凄まじいまでの剣気が放たれる レナ:「あ、アカネさん!お、落ち着いて!」 アカネ:「…ええ。落ち着いているわ」 アカネ:「そう言えばレナ」 レナ:「は、はい!何ですか!?」 アカネ:「新しい楽器を探してたわね?」 レナ:「え、ええ。探していましたけど…」 0:アカネは抜刀の構えをとる アカネ:「ちょうど猫が一匹、目の前にいるから」 アカネ:「三味線にしてプレゼントしてあげる」 0:アカネの言いたいことが分かったのかムッとしたシーナ シーナ:「上等にゃ!オマエの顔、線だらけにして楽譜代わりに」 シーナ:「使えるようにしてやるにゃ!」 ピリア:「あ、あばばばば…!か、カルさぁん!?」 カルシゥム:「(なんつー剣気と闘気だ!?)」 カルシゥム:「(くそ、もしもの時は顕現(けんげん)を…!)」 0:ベルトからナイフを二本取り出し構えるシーナ 0:一触即発な空気の中、綺麗な歌声と清廉な竪琴の音色がフロアに響き渡る ピリア:「ふわぁ…」 0:二人のやり取りに緊張のあまり、喋れずにいた 0:ピリアの顔が安らぎ、表情が和らぐ シーナ:「うにゃあぁぁ…レナの歌はやっぱり良いにゃあぁ…」 アカネ:「…ふう、相変わらず良い歌声ね。」 アカネ:「怒る気も削がれちゃった」 カルシゥム:「(…確かに良い歌声だ)」 カルシゥム:「(だが、なぜこんなにも心が安らぐ?)」 カルシゥム:「(これは…【咒歌】(カンティオ)か?)」 0:一通り歌い終えた後、レナは聴衆にお辞儀をする 0:そんなレナの姿を見て、聴衆はレナに拍手と称賛の声をあげる レナ:「二人とも、少しは落ち着きましたか?」 アカネ:「ええ。」 アカネ:「ごめんなさい、年長者のあたしが冷静になれなくて」 シーナ:「むー…シーナは別に悪いことなんて…」 レナ:「…シーナちゃん?」 シーナ:「…うにゃ」 レナ:「悪いことしたらどうするの?」 シーナ:「むぐぐ…」 0:シーナは観念したように、項垂れる シーナ:「…ゴメンにゃさい」 レナ:「はい!良くできました!」 カルシゥム:「(なるほど、このパーティの力関係は)」 カルシゥム:「(このレナって嬢ちゃんが強いのか)」 レナ:「ごめんなさい、ピリアさん。それに…カルシゥムさん」 レナ:「驚かせてしまって」 ピリア:「え、ええぇ!?な、ななな、なんで!?」 カルシゥム:「…俺のこと、聞いていたのか?」 レナ:「はい。実は、セルシオさんから昨日お話があって」 レナ:「急遽(きゅうきょ)、実地研修の参加者が増えてしまい」 レナ:「ピリアさんが孤立してしまうかもしれないので」 レナ:「その時はパーティに入れて上げてほしい、と」 カルシゥム:「(あの毒舌眼鏡、流石はサブギルドマスターってところか)」 カルシゥム:「(お嬢の本質を良く理解してやがる)」 レナ:「あ、そう言えば自己紹介がまだでした!」 0:レナは手櫛で髪の毛を整え、ピリアの方に向く レナ:「改めまして、レナ=カルミナです!」 レナ:「吟遊詩人の見習いで、特技は歌と竪琴の演奏です。」 レナ:「えっと、せっかく同じパーティになれたので」 レナ:「出来れば仲良くしてほしいです!よろしくお願いします!」 カルシゥム:「(これがお嬢とあいつらの初めての出会いだった)」 0:次回に続け!