台本概要
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タイトル | シャルル |
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作者名 | 百瀬茜 |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 1人用台本(不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
今回は「聴こえなくなる自分は何を願う」という言葉をイメージで書かせて頂きました。
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
フィガロ | 不問 | 2 | 自分の性別に違和感を持っている。元軍人で幼い頃の名前を名乗らずにフィガロと名乗っている。推定25歳 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
フィガロ:あの子は幼い頃に願ったことがある。みんなを幸せにしたいと苦しむのは自分だけでいいと。それも嬉しそうにひたむきに。今思えば、夢を褒められた時が1番救われていたんだろうと思う。そのせいであの子に対しては何とも言えない罪悪感と喪失感と申し訳なさでいっぱいな気持ちになる。きっとあの子なら純粋無垢な視線を僕に向けただろう。全く、こんなことを言うのはお門違いかもしれないがあの子の視線だけは僕の中でいつも踊っていた。だから僕もあの子と同じ夢を持っている。そしてあの子が踊るなら僕はその踊りに曲を奏でよう。2人で1つの夢だから。あの子が手を引く場所にあの子の夢を叶える為に行こう。何度もいつまでも。あの子の前で心の底から笑顔で居られるまで。あの子の願いを僕が叶えるまでに。
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フィガロ:今日も明日もずっと聴こえる。あの子の声がする。僕の気持ちを知っても尚、「フィガロ兄」と呼ぶ声が。まだ素直だなと言える仕草に今日もほっとする。言葉ではドッペルゲンガーみたいでも、周りからは見えていない。フィガロ兄と呼ぶ貴方の名前を呼んで最後のお願いをする。『シャルル、お前と変わってもいいか?生身の僕が他でもない僕とみんなの為に叶えたいんだ。』初めて幼い自分の名前に縋ってしまった。でも、自分の幼い頃の名前を口にする度に自分は何故か空知らぬ雨を振らせてしまう。何故だろう。今は聴覚が消えて軍人をやめているのにな。
フィガロ:あの子は幼い頃に願ったことがある。みんなを幸せにしたいと苦しむのは自分だけでいいと。それも嬉しそうにひたむきに。今思えば、夢を褒められた時が1番救われていたんだろうと思う。そのせいであの子に対しては何とも言えない罪悪感と喪失感と申し訳なさでいっぱいな気持ちになる。きっとあの子なら純粋無垢な視線を僕に向けただろう。全く、こんなことを言うのはお門違いかもしれないがあの子の視線だけは僕の中でいつも踊っていた。だから僕もあの子と同じ夢を持っている。そしてあの子が踊るなら僕はその踊りに曲を奏でよう。2人で1つの夢だから。あの子が手を引く場所にあの子の夢を叶える為に行こう。何度もいつまでも。あの子の前で心の底から笑顔で居られるまで。あの子の願いを僕が叶えるまでに。
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フィガロ:今日も明日もずっと聴こえる。あの子の声がする。僕の気持ちを知っても尚、「フィガロ兄」と呼ぶ声が。まだ素直だなと言える仕草に今日もほっとする。言葉ではドッペルゲンガーみたいでも、周りからは見えていない。フィガロ兄と呼ぶ貴方の名前を呼んで最後のお願いをする。『シャルル、お前と変わってもいいか?生身の僕が他でもない僕とみんなの為に叶えたいんだ。』初めて幼い自分の名前に縋ってしまった。でも、自分の幼い頃の名前を口にする度に自分は何故か空知らぬ雨を振らせてしまう。何故だろう。今は聴覚が消えて軍人をやめているのにな。