台本概要

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タイトル 悲願花(女性用)
作者名 気分屋  (@Kodokusensi)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(女2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 美しい月夜を背に、今宵この世を去りゆく者とそれを見届けるものが思い出話に花を咲かせる
※以前投稿した『悲願花』の女性掛け合いバージョンです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
去り行く人 19 この世を去りゆく者
見届け人 19 去りゆく者を見届ける者
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
去り行く人:おや、とうとう私にも迎えが来たのね…… 見届け人:御明答です。私が貴方様の『御見送り担当』の者です 去り行く人:こういうのは、先立った身内や、友人が来るものだと思ってたんだけどねぇ……若い頃の私にそっくりね? 見届け人:これまた御明答ですね。 見届け人:私達『見届け人』は御見送りする方の、最も幸せだった頃の姿になるようにできています 去り行く人:その姿だと、私が結婚した時ぐらいかしら 見届け人:相変わらず(小声)…… 見届け人:勘が鋭いですね 去り行く人:よく娘にも言われたわ。 去り行く人:なんでも見透かされているようで、隠し事ができないってね 去り行く人:……だけど、その時が私にとって1番だったのねぇ 去り行く人:結婚してからも当然幸せだったけど、それは日常となってたからかしら 見届け人:その……良い、人生でしたか? 去り行く人:……えぇ、良い人生だったわ 去り行く人:『私は』ね 見届け人:と、言いますと? 去り行く人:私の身内はほとんど、私より先に逝ってしまったのよ。 去り行く人:病気だとか、事故だとかで……結局私1人残されちゃってね 見届け人:…… 去り行く人:さて、私の時間もそろそろでしょう?案内をお願いするわ 見届け人:あぁ、いえ、私が少し早く来てしまったので、まだお時間があるんです 去り行く人:おや、そうなのかい? 見届け人:はい。なので、よろしければ聞かせて頂けませんか? 見届け人:御家族との思い出 去り行く人:……長い話になっちゃうわよ? 見届け人:構いませんよ。時間はありますから 去り行く人:そうねぇ、じゃあ私の娘の話でもしようかしら。なんでか貴方を見ているとあの子を思い出してね 見届け人:娘さん…ですか 去り行く人:事故で死んじゃったんだけどね 去り行く人:とてもお転婆で、おっちょこちょいな子だったけど 去り行く人:友達思いで、とても優しい子でね 見届け人:自慢の娘さん……でしたか? 去り行く人:えぇ、もちろんよ。 去り行く人:今でも、もっとしてあげられたことがあったんじゃないか…なんて、時々考えちゃうのよね 見届け人:娘さんのこと、愛されていたんですね 去り行く人:そうねぇ、たった一人の娘だったもの。二人以上だったら思いが軽くなるって訳じゃないけれど、やっぱり思いは強いものよ 見届け人:……そうですか 去り行く人:向こうに行けば、会えるのかしら? 見届け人:きっと会えますよ 去り行く人:本当かい? 見届け人:えぇ、きっと…… 見届け人:さて、そろそろお時間ですね 去り行く人:おや、時間かい。 去り行く人:ごめんなさいね、長い話に付き合わせてしまって 見届け人:いえいえ、貴方様の御気持ちを聞けてよかったです 去り行く人:年寄りの戯言(たわごと)かもしれないけれど 去り行く人:『今日という日は、くだらないが二度と体験出来ない』 去り行く人:なんて言うけれど 去り行く人:貴方の姿を見る限り、私にとって今日という日は…とても幸せだったみたいね。 去り行く人:二度と体験できないのが惜しいほどに…なんてね 見届け人:光栄です 去り行く人:貴方もよく知っているでしょうけど、私は勘が良いのよ。 去り行く人:こんな形だけど、会えて嬉しかったわ 見届け人:……黄泉への道はあちらになります。どうぞお気をつけて 去り行く人:ありがとう 0:去っていく老人の姿 見届け人:私も会えて良かったよ……母さん…… 見届け人:美しい貴方の生に、応じた幸福を 見届け人:そんな悲願を込めた花を贈ろう 見届け人:貴方の来世に幸多からんことを……

去り行く人:おや、とうとう私にも迎えが来たのね…… 見届け人:御明答です。私が貴方様の『御見送り担当』の者です 去り行く人:こういうのは、先立った身内や、友人が来るものだと思ってたんだけどねぇ……若い頃の私にそっくりね? 見届け人:これまた御明答ですね。 見届け人:私達『見届け人』は御見送りする方の、最も幸せだった頃の姿になるようにできています 去り行く人:その姿だと、私が結婚した時ぐらいかしら 見届け人:相変わらず(小声)…… 見届け人:勘が鋭いですね 去り行く人:よく娘にも言われたわ。 去り行く人:なんでも見透かされているようで、隠し事ができないってね 去り行く人:……だけど、その時が私にとって1番だったのねぇ 去り行く人:結婚してからも当然幸せだったけど、それは日常となってたからかしら 見届け人:その……良い、人生でしたか? 去り行く人:……えぇ、良い人生だったわ 去り行く人:『私は』ね 見届け人:と、言いますと? 去り行く人:私の身内はほとんど、私より先に逝ってしまったのよ。 去り行く人:病気だとか、事故だとかで……結局私1人残されちゃってね 見届け人:…… 去り行く人:さて、私の時間もそろそろでしょう?案内をお願いするわ 見届け人:あぁ、いえ、私が少し早く来てしまったので、まだお時間があるんです 去り行く人:おや、そうなのかい? 見届け人:はい。なので、よろしければ聞かせて頂けませんか? 見届け人:御家族との思い出 去り行く人:……長い話になっちゃうわよ? 見届け人:構いませんよ。時間はありますから 去り行く人:そうねぇ、じゃあ私の娘の話でもしようかしら。なんでか貴方を見ているとあの子を思い出してね 見届け人:娘さん…ですか 去り行く人:事故で死んじゃったんだけどね 去り行く人:とてもお転婆で、おっちょこちょいな子だったけど 去り行く人:友達思いで、とても優しい子でね 見届け人:自慢の娘さん……でしたか? 去り行く人:えぇ、もちろんよ。 去り行く人:今でも、もっとしてあげられたことがあったんじゃないか…なんて、時々考えちゃうのよね 見届け人:娘さんのこと、愛されていたんですね 去り行く人:そうねぇ、たった一人の娘だったもの。二人以上だったら思いが軽くなるって訳じゃないけれど、やっぱり思いは強いものよ 見届け人:……そうですか 去り行く人:向こうに行けば、会えるのかしら? 見届け人:きっと会えますよ 去り行く人:本当かい? 見届け人:えぇ、きっと…… 見届け人:さて、そろそろお時間ですね 去り行く人:おや、時間かい。 去り行く人:ごめんなさいね、長い話に付き合わせてしまって 見届け人:いえいえ、貴方様の御気持ちを聞けてよかったです 去り行く人:年寄りの戯言(たわごと)かもしれないけれど 去り行く人:『今日という日は、くだらないが二度と体験出来ない』 去り行く人:なんて言うけれど 去り行く人:貴方の姿を見る限り、私にとって今日という日は…とても幸せだったみたいね。 去り行く人:二度と体験できないのが惜しいほどに…なんてね 見届け人:光栄です 去り行く人:貴方もよく知っているでしょうけど、私は勘が良いのよ。 去り行く人:こんな形だけど、会えて嬉しかったわ 見届け人:……黄泉への道はあちらになります。どうぞお気をつけて 去り行く人:ありがとう 0:去っていく老人の姿 見届け人:私も会えて良かったよ……母さん…… 見届け人:美しい貴方の生に、応じた幸福を 見届け人:そんな悲願を込めた花を贈ろう 見届け人:貴方の来世に幸多からんことを……