台本概要

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タイトル オオカミ少年と狼
作者名 蒼(あおい)  (@aoi_m_o10)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(男2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 嘘つき少年が、本物の狼と出会う。少年は、はたして…
羊飼いの少年と、人間と友達になりたい狼のお話。


演者様の性別は不問です。
言いやすいように多少の語尾変更は可能ですが、世界観が壊れてしまう様な改変はご遠慮下さい。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ライ 48 ◆ライ 羊飼いの少年。 暇つぶしで村人に嘘をつき続けた結果、村人達に相手にされず、村を追い出されてしまう。
クロ 47 ◆クロ クロワール。森に棲んでいる狼。 人間と友達になりたいが、狼に対する印象が人間達には良くない為、ひっそりと、村を覗いたりしている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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ライ:まったく・・・何なんだよ。別に村を追い出さなくてもいいじゃないか。 ライ:羊の番してるの退屈なんだもん。・・・何回か嘘ついただけじゃんか。 ライ:・・・はぁ。つまんない。暇だし、森に探検にでも行ってみるか。 0:ライ、森へと入っていく。 0:茂みから、ガサガサと音が聞こえる。 ライ:・・・?!何だ?!・・・今、あそこの草むらが揺れたような・・・。 ライ:な・・・何かいるのか? 0:茂みから、一匹の狼が出てくる。 ライ:えっ!?お・・・狼?!ほ、本物?! ライ:ど、どうしよう。・・・だ・・・誰か――― 0:ライ、大声を出そうとするが、狼に口を塞がれる。 ライ:も、もごっ・・・! クロ:バカ!大きい声出そうとするんじゃねぇ! クロ:別に俺は、お前の事喰ったりなんかしねぇよ。 クロ:・・・って言っても、お前ら人間は、俺の言う事なんて、信じねぇか・・・。 0:狼が、ライから離れ、森の奥へ帰ろうとする。 クロ:じゃあな、人間。驚かせて悪かったな。・・・もう、この森には入って来るなよ。 クロ:襲われたくなければな・・・。 ライ:お前は・・・違うのか?・・・本当に、俺のこと襲ったり、喰ったりしない? クロ:しねぇよ。つーか、怖くないのかよ、俺のこと・・・狼だぞ?! ライ:そりゃあ、最初は驚いたさ。・・・でも、なんか・・・。 ライ:その・・・他の奴とは、違う気がする。・・・いや、他の狼に会った事なんてないけどさ・・・。 クロ:なんだそれ。・・・変な人間だな。 ライ:でも、こうやって話が出来るんだ。・・・お前の事、信じてみても・・・いい。 クロ:フッ・・・つくづく変な人間。 ライ:――ライ!ライって言うんだ。俺の名前。・・・お前は? クロ:・・・・・・クロワール。クロでいいよ。 ライ:明日もまた、来てもいいか? クロ:・・・勝手にしろ。 0: 0: 0: ライ(М):こうして俺は、その日から、毎日森へクロに会いに行くようになった。 ライ(М):今思えば、村でこうして話す友達なんて、いなっかった気がする。 ライ(М):とにかく、誰かとこうして話すのが、楽しくて、森へ行くことが楽しみになっていた。 0: 0: 0: クロ(М):変な奴だと思った。大概の人間は、俺を見るなり大声で騒ぎ立て、俺の話なんか聞こうともしない。 クロ(М):襲われるだの、喰われるだの、狼の悪い印象が人間達に深く根付いたせいで、誰も耳を貸そうとはしなかった。 クロ(М):けど・・・ライだけは、怯え(おびえ)ながらも、俺の言葉に耳を傾けてくれた。 クロ(М):それが・・・凄く嬉しかったんだ。 0: 0: 0: 0: 0: 0: クロ:今日も来たのかよ。飽きないもんだな。 ライ:仕方ないだろ?だって、する事もないし、居場所もないんだ。 クロ:・・・?どういう事だ? ライ:村を追い出されたんだよ。俺は。 クロ:何で? ライ:羊の番をしてるのに退屈してさ。何回か嘘ついたんだ。 クロ:なんて? ライ:狼が来たぞーって。 クロ:バーカ! 0:クロ、ライの頭を叩く。 ライ:いっっって! クロ:それは、嘘ついたお前が悪いし、俺に罪を擦り(なすり)つけるな。 ライ:だって、暇だったんだもん。 クロ:・・・お前の喉元噛みちぎってやろうか? ライ:ごめんて。でも、クロはそんな事しないだろ? クロ:・・・・・・殴るくらいは出来るぞ? ライ:すみませんでしたー!! クロ:・・・・・・俺と、一緒に暮らすか? ライ:・・・へ? クロ:村を追い出されたんだろ?お前が寝床に文句言わなければ、一緒に暮らしてもいいけど? ライ:・・・いいの?俺、人間だけど・・・。 クロ:今更かよ。嫌なら今まで通り、どっかで寂しく野宿でもすれば? ライ:クロー!!ありがとう! クロ:うぉ!?こ、こら、抱きつくな!! 0: 0: 0: クロ(М):どうしてこんな言葉が、俺の口から出たのか。正直、俺自身が驚いている。 クロ(М):顔では笑って誤魔化しているくせに、今にも泣きだそうな眼をしているんだ。 クロ(М):放っておける訳がないだろう・・・。 0: 0: 0: ライ(М):普通に考えたら、俺は人間で、クロは狼。種族からして異なる俺らだ。 ライ(М):他人から見れば、奇異な眼で見られるだろう。 ライ(М):でも俺は、クロを大切な友達として、今は見ている。 ライ(М):だって、異種族間で仲良くしちゃいけないって決まりは、何処にもないんだから。 0: 0: 0: 0: 0: 0: ライ:クロ・・・一つ聞きたかった事があるんだけど。 クロ:聞きたい事?何だよ? ライ:初めてクロに会った時さ、結構、森の入り口辺りだったじゃんか。 ライ:もしかして、何処かに行く途中とかだったりした? クロ:・・・!? ライ:・・・クロ? クロ:・・・・・・だよ。 ライ:え?何て? クロ:だから・・・村を覗きに行こうとしてたんだよ! ライ:な、何しに・・・? クロ:絶対に笑わない? ライ:うん、笑わない。 クロ:・・・人間と、友達になりたかったんだ。けど、俺は狼だし、姿見ただけで大騒ぎになるだろ? クロ:だから、村が見えるギリギリまで行って、隠れながら、人間達眺めてた・・・。 ライ:・・・フフッ。 クロ:オイ!!笑わないって言っただろ!! ライ:ごめん。なんか、クロの姿想像したら、可笑しくなっちゃった。 クロ:お前なぁ・・・。 ライ:でも、お陰で俺とクロは出会えて、こうして友達になれただろ? ライ:あの時は、腹が立ってたけど、今じゃ村を追い出してくれたあいつらに、感謝したいくらいだよ。 クロ:・・・お前さ、それ、自分で言ってて恥ずかしくならないか? ライ:・・・?何が? クロ:いや、何でもない。 0:村の方から、人々の騒ぐ声がする。 0:クロ、その声に気づき、耳を傾ける。 クロ:・・・ん?なんか、村が騒がしいな。 ライ:えっ?!今日は、祭りとか、そういうのは無いはずだけど・・・。 クロ:いや、そういう騒がしいじゃない。慌てる声や叫び声も聞こえる・・・。 クロ:只事(ただごと)じゃないみたいだ。 ライ:・・・・・・。 クロ:村の奴らが心配か? ライ:べ・・・別にそんなんじゃないし!俺の事、村から追い出したんだ。そんな奴らもう、どうでもいいよ! クロ:その割には、不安そうな顔してるけど? ライ:・・・!? クロ:俺に、お前の嘘は通用しねぇよ。・・・心配なんだろ? ライ:・・・少し。 クロ:素直じゃねぇな。ほら、俺に乗れ。・・・振り落とされんなよ? ライ:・・・うん!! 0:森を抜け、村へと様子を見にやってくる。 0:村では、羊たちが狼に襲われ、人々は叫び、混乱状態になっている。 ライ:なん・・・だ、これ・・・。 クロ:同じ狼とは言え、ひでぇな・・・。 ライ:クロ、これ・・・何とかならないか? クロ:はぁ?!お前、本気で言ってんのか?!村を襲ってんのも、狼で、俺もその狼なんだぞ?! ライ:クロは、狼だけど、俺の友達でもあるだろ?!頼む・・・村を・・・俺の村を助けてくれ・・・!! クロ:・・・・・・。 クロ:やれるだけの事はする。・・・けど、お前も手伝え。 ライ:手伝うって・・・どうやって? クロ:お前でも、大声で威嚇ぐらいは出来るだろ。ちょっとの隙さえ作れれば、何とかしてみせる。 ライ:・・・うん、分かった!やってみる! 0: 0: 0: ライ(М):俺の大声とともに、クロは、狼たちに鋭い牙や、爪を立て、立ち向かっていった。 ライ(М):俺も、必死になって、大声で叫び続けた。 ライ(М):村で、嘘をついて叫んでいた時と、比べ物にならないくらいに・・・。 ライ(М):暫くして、辺りは静まり返った。 0: 0: 0: ライ:お・・・終わった? クロ:あぁ・・・終わったな。 ライ:よ、よかったぁ~。 クロ:うぉ?!だ、だから、抱きつくなって! ライ:だって・・・だってぇ~。 クロ:大袈裟なんだよ、ライは。 0:村人の一人が、クロに向けて、弓矢を放つ。 0:矢が、クロに刺さる。 クロ:ぐぁ・・・!! ライ:!?クロ・・・! ライ:誰だ!クロに矢を放った奴は!!・・・俺の、俺の友達に何するんだよ!! ライ:・・・村を襲った狼と同じだろって・・・違う!!クロは、そんな奴じゃない!! ライ:お前達だって見てただろ?!羊たちを襲ってた狼を、クロが追い払っている所を! ライ:何で、狼ってだけで、全部悪者扱いするんだよ?! クロ:・・・ライ・・・離せ。 ライ:嫌だ!!放っておける訳がないだろ?! ライ:大丈夫、俺が、皆を説得してやるから――― 0:クロ、ライの台詞に少し被せ気味に クロ:人間の言う事なんざ、信じられる訳がないだろう!! ライ:・・・?! クロ:・・・俺は狼で、お前は人間だ!!異なる種族の者が相容れる事など・・・ありえないんだよ!! 0:クロ、ライから離れ、森の方へ向かっていく。 クロ:・・・人間。今回は、見逃しといてやる。 クロ:もし、次に会った時は・・・そん時は、お前を喰ってやる。 クロ:・・・・・・覚えておけ。 ライ:・・・クロ・・・。 ライ:くっ・・・うぅ・・・。   0: 0: 0: クロ(М):これで良かったんだ。・・・ライ、お前が他の奴らに変な目で見られずに済む。 クロ(М):その為なら、俺はいくらだって嘘をついてやる・・・。 0: 0: 0: ライ(М):クロの馬鹿野郎・・・。俺に嘘つくの下手くそなんだよ。 ライ(М):俺の事喰うつもりなんて、これっぽっちもない癖に・・・。 ライ(М):俺は・・・俺だけは!・・・お前の事、友達だって・・・信じてるからな。 0: 0: 0:

ライ:まったく・・・何なんだよ。別に村を追い出さなくてもいいじゃないか。 ライ:羊の番してるの退屈なんだもん。・・・何回か嘘ついただけじゃんか。 ライ:・・・はぁ。つまんない。暇だし、森に探検にでも行ってみるか。 0:ライ、森へと入っていく。 0:茂みから、ガサガサと音が聞こえる。 ライ:・・・?!何だ?!・・・今、あそこの草むらが揺れたような・・・。 ライ:な・・・何かいるのか? 0:茂みから、一匹の狼が出てくる。 ライ:えっ!?お・・・狼?!ほ、本物?! ライ:ど、どうしよう。・・・だ・・・誰か――― 0:ライ、大声を出そうとするが、狼に口を塞がれる。 ライ:も、もごっ・・・! クロ:バカ!大きい声出そうとするんじゃねぇ! クロ:別に俺は、お前の事喰ったりなんかしねぇよ。 クロ:・・・って言っても、お前ら人間は、俺の言う事なんて、信じねぇか・・・。 0:狼が、ライから離れ、森の奥へ帰ろうとする。 クロ:じゃあな、人間。驚かせて悪かったな。・・・もう、この森には入って来るなよ。 クロ:襲われたくなければな・・・。 ライ:お前は・・・違うのか?・・・本当に、俺のこと襲ったり、喰ったりしない? クロ:しねぇよ。つーか、怖くないのかよ、俺のこと・・・狼だぞ?! ライ:そりゃあ、最初は驚いたさ。・・・でも、なんか・・・。 ライ:その・・・他の奴とは、違う気がする。・・・いや、他の狼に会った事なんてないけどさ・・・。 クロ:なんだそれ。・・・変な人間だな。 ライ:でも、こうやって話が出来るんだ。・・・お前の事、信じてみても・・・いい。 クロ:フッ・・・つくづく変な人間。 ライ:――ライ!ライって言うんだ。俺の名前。・・・お前は? クロ:・・・・・・クロワール。クロでいいよ。 ライ:明日もまた、来てもいいか? クロ:・・・勝手にしろ。 0: 0: 0: ライ(М):こうして俺は、その日から、毎日森へクロに会いに行くようになった。 ライ(М):今思えば、村でこうして話す友達なんて、いなっかった気がする。 ライ(М):とにかく、誰かとこうして話すのが、楽しくて、森へ行くことが楽しみになっていた。 0: 0: 0: クロ(М):変な奴だと思った。大概の人間は、俺を見るなり大声で騒ぎ立て、俺の話なんか聞こうともしない。 クロ(М):襲われるだの、喰われるだの、狼の悪い印象が人間達に深く根付いたせいで、誰も耳を貸そうとはしなかった。 クロ(М):けど・・・ライだけは、怯え(おびえ)ながらも、俺の言葉に耳を傾けてくれた。 クロ(М):それが・・・凄く嬉しかったんだ。 0: 0: 0: 0: 0: 0: クロ:今日も来たのかよ。飽きないもんだな。 ライ:仕方ないだろ?だって、する事もないし、居場所もないんだ。 クロ:・・・?どういう事だ? ライ:村を追い出されたんだよ。俺は。 クロ:何で? ライ:羊の番をしてるのに退屈してさ。何回か嘘ついたんだ。 クロ:なんて? ライ:狼が来たぞーって。 クロ:バーカ! 0:クロ、ライの頭を叩く。 ライ:いっっって! クロ:それは、嘘ついたお前が悪いし、俺に罪を擦り(なすり)つけるな。 ライ:だって、暇だったんだもん。 クロ:・・・お前の喉元噛みちぎってやろうか? ライ:ごめんて。でも、クロはそんな事しないだろ? クロ:・・・・・・殴るくらいは出来るぞ? ライ:すみませんでしたー!! クロ:・・・・・・俺と、一緒に暮らすか? ライ:・・・へ? クロ:村を追い出されたんだろ?お前が寝床に文句言わなければ、一緒に暮らしてもいいけど? ライ:・・・いいの?俺、人間だけど・・・。 クロ:今更かよ。嫌なら今まで通り、どっかで寂しく野宿でもすれば? ライ:クロー!!ありがとう! クロ:うぉ!?こ、こら、抱きつくな!! 0: 0: 0: クロ(М):どうしてこんな言葉が、俺の口から出たのか。正直、俺自身が驚いている。 クロ(М):顔では笑って誤魔化しているくせに、今にも泣きだそうな眼をしているんだ。 クロ(М):放っておける訳がないだろう・・・。 0: 0: 0: ライ(М):普通に考えたら、俺は人間で、クロは狼。種族からして異なる俺らだ。 ライ(М):他人から見れば、奇異な眼で見られるだろう。 ライ(М):でも俺は、クロを大切な友達として、今は見ている。 ライ(М):だって、異種族間で仲良くしちゃいけないって決まりは、何処にもないんだから。 0: 0: 0: 0: 0: 0: ライ:クロ・・・一つ聞きたかった事があるんだけど。 クロ:聞きたい事?何だよ? ライ:初めてクロに会った時さ、結構、森の入り口辺りだったじゃんか。 ライ:もしかして、何処かに行く途中とかだったりした? クロ:・・・!? ライ:・・・クロ? クロ:・・・・・・だよ。 ライ:え?何て? クロ:だから・・・村を覗きに行こうとしてたんだよ! ライ:な、何しに・・・? クロ:絶対に笑わない? ライ:うん、笑わない。 クロ:・・・人間と、友達になりたかったんだ。けど、俺は狼だし、姿見ただけで大騒ぎになるだろ? クロ:だから、村が見えるギリギリまで行って、隠れながら、人間達眺めてた・・・。 ライ:・・・フフッ。 クロ:オイ!!笑わないって言っただろ!! ライ:ごめん。なんか、クロの姿想像したら、可笑しくなっちゃった。 クロ:お前なぁ・・・。 ライ:でも、お陰で俺とクロは出会えて、こうして友達になれただろ? ライ:あの時は、腹が立ってたけど、今じゃ村を追い出してくれたあいつらに、感謝したいくらいだよ。 クロ:・・・お前さ、それ、自分で言ってて恥ずかしくならないか? ライ:・・・?何が? クロ:いや、何でもない。 0:村の方から、人々の騒ぐ声がする。 0:クロ、その声に気づき、耳を傾ける。 クロ:・・・ん?なんか、村が騒がしいな。 ライ:えっ?!今日は、祭りとか、そういうのは無いはずだけど・・・。 クロ:いや、そういう騒がしいじゃない。慌てる声や叫び声も聞こえる・・・。 クロ:只事(ただごと)じゃないみたいだ。 ライ:・・・・・・。 クロ:村の奴らが心配か? ライ:べ・・・別にそんなんじゃないし!俺の事、村から追い出したんだ。そんな奴らもう、どうでもいいよ! クロ:その割には、不安そうな顔してるけど? ライ:・・・!? クロ:俺に、お前の嘘は通用しねぇよ。・・・心配なんだろ? ライ:・・・少し。 クロ:素直じゃねぇな。ほら、俺に乗れ。・・・振り落とされんなよ? ライ:・・・うん!! 0:森を抜け、村へと様子を見にやってくる。 0:村では、羊たちが狼に襲われ、人々は叫び、混乱状態になっている。 ライ:なん・・・だ、これ・・・。 クロ:同じ狼とは言え、ひでぇな・・・。 ライ:クロ、これ・・・何とかならないか? クロ:はぁ?!お前、本気で言ってんのか?!村を襲ってんのも、狼で、俺もその狼なんだぞ?! ライ:クロは、狼だけど、俺の友達でもあるだろ?!頼む・・・村を・・・俺の村を助けてくれ・・・!! クロ:・・・・・・。 クロ:やれるだけの事はする。・・・けど、お前も手伝え。 ライ:手伝うって・・・どうやって? クロ:お前でも、大声で威嚇ぐらいは出来るだろ。ちょっとの隙さえ作れれば、何とかしてみせる。 ライ:・・・うん、分かった!やってみる! 0: 0: 0: ライ(М):俺の大声とともに、クロは、狼たちに鋭い牙や、爪を立て、立ち向かっていった。 ライ(М):俺も、必死になって、大声で叫び続けた。 ライ(М):村で、嘘をついて叫んでいた時と、比べ物にならないくらいに・・・。 ライ(М):暫くして、辺りは静まり返った。 0: 0: 0: ライ:お・・・終わった? クロ:あぁ・・・終わったな。 ライ:よ、よかったぁ~。 クロ:うぉ?!だ、だから、抱きつくなって! ライ:だって・・・だってぇ~。 クロ:大袈裟なんだよ、ライは。 0:村人の一人が、クロに向けて、弓矢を放つ。 0:矢が、クロに刺さる。 クロ:ぐぁ・・・!! ライ:!?クロ・・・! ライ:誰だ!クロに矢を放った奴は!!・・・俺の、俺の友達に何するんだよ!! ライ:・・・村を襲った狼と同じだろって・・・違う!!クロは、そんな奴じゃない!! ライ:お前達だって見てただろ?!羊たちを襲ってた狼を、クロが追い払っている所を! ライ:何で、狼ってだけで、全部悪者扱いするんだよ?! クロ:・・・ライ・・・離せ。 ライ:嫌だ!!放っておける訳がないだろ?! ライ:大丈夫、俺が、皆を説得してやるから――― 0:クロ、ライの台詞に少し被せ気味に クロ:人間の言う事なんざ、信じられる訳がないだろう!! ライ:・・・?! クロ:・・・俺は狼で、お前は人間だ!!異なる種族の者が相容れる事など・・・ありえないんだよ!! 0:クロ、ライから離れ、森の方へ向かっていく。 クロ:・・・人間。今回は、見逃しといてやる。 クロ:もし、次に会った時は・・・そん時は、お前を喰ってやる。 クロ:・・・・・・覚えておけ。 ライ:・・・クロ・・・。 ライ:くっ・・・うぅ・・・。   0: 0: 0: クロ(М):これで良かったんだ。・・・ライ、お前が他の奴らに変な目で見られずに済む。 クロ(М):その為なら、俺はいくらだって嘘をついてやる・・・。 0: 0: 0: ライ(М):クロの馬鹿野郎・・・。俺に嘘つくの下手くそなんだよ。 ライ(М):俺の事喰うつもりなんて、これっぽっちもない癖に・・・。 ライ(М):俺は・・・俺だけは!・・・お前の事、友達だって・・・信じてるからな。 0: 0: 0: