台本概要

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タイトル 彼方の遊園地
作者名 雪見印
ジャンル ファンタジー
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 遊園地を一人で歩く物語
おそらく5分ほどのシナリオです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
不問 - 遊園地を一人で何故か歩いている人間
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
:目が覚めるとベンチに座っていた。 :しかし、ここがどこだか分からない。 :空はいくつもの星が瞬いていた。 :ベンチから腰を上げ、数歩歩いてみた。 :どうやら歩いているのは水面らしい。 :歩くたびに波紋が浮かんでは消えている。 :そして足下を見ると自分の姿や空に見える星が反射していた。 :少し歩くと大きな門が見えたが何と書いているのかは分からなかった。 :門の前には何かの制服を着た女性が立っていた。 :「チケットを拝見しますね。」 :そんな物は持っていないと言おうとしたがなぜか無意識に右手を差し出していた。 :そして差し出した手にはチケットを持っていた。 :女性は受け取り、それをちぎった。 :「では良き時間を。」 :門を通った先には遊園地が広がっていた。 :コーヒーカップにジェットコースター、メリーゴーランドも :食べ物を売っている屋台もあってまるで夢のようだ。 :さっそく僕は観覧車に乗った。 :単純に乗りたかったのもあるが、一人で乗るのにはどれもためらったからだ。 :高いところから見た遊園地はまるで暗闇を照らす光に見えた。 :見とれている間に一周してしまったようだ。 :次はどうしようかと歩いていたら :ぐうぅ。 :お腹が鳴った。 :何か食べなければと屋台が建ち並ぶ場所へ行った。 :美味しそうな匂いがあちこちからする。 :色々見ていると、とある屋台で足が止まった。 :「いらっしゃい!」 :この屋台の主だろうか。汗水垂らしながら肉を焼いていた。 :「これは何の肉ですか?」 :「これは牡牛座の星で育てられた牛の肉を使っているんだ。食っていくかい?」 :「では一つください。」 :肉と野菜をパンに挟んで出してくれた。 :食べながら歩くと具材がこぼれてしまいそうだったので :近くのベンチに腰掛けて食べることにした。 :噛めば噛むほど肉のおいしさが口に広がった。 :夢中で食べていたら何かがこちらに近づいてきた。 :この遊園地のマスコットだろうか。クマの着ぐるみがこちらに近づいてきた。 :手には二人分のジェラートを持っていた。 :そして一つを僕に渡してもう一つは自分で食べていた。 :コイツは何なのだろう。自分とはどのような関係なのだろう。 :そう考えながら眺めている間にもソイツが持っているジェラートはどんどん減っていた。 :恐る恐る食べてみたが、普段食べたことがないような不思議な味だった。 :僕が食べ終わった頃、ソイツは俺をじっと見つめていた。 :どうやら僕のことを待っていてくれたようだ。 :ソイツは立ち上がると僕の手を取った。 :どこに行くのかと思ったが黙ってついていくことにした。 :その間も会話は一切無く、とても気まずかった。 :そうしてそいつと一緒にコーヒーカップに乗ることになった。 :カップが動き出した途端、そいつはしゃべり出した。 :「ずっとここで過ごしたい?」 :僕は考えた。普段は病院から一歩も出られない。 :毎日苦い薬を飲み、気が遠くなるようなたくさんの検査をし、楽しい事は何も無い。 :いっそここでずっと過ごしていようか。 :そう考えていた時、ふと思い出した。両親に頼み事をしていたのだ。 :しかし何を頼んだか思い出せなかった。 :「親に頼んだ物があるんだ。」 :「それをまだ受け取ってないから...まだ嫌かな。」 :「…そう。それは良いことだね。」 :しばらくしてカップが止まるとそいつは風船を渡してきた。 :「これを持ってエントランスに行くといいよ。」 :そう言うとソイツはどこかへ行ってしまった。 :僕は何故かソイツの後を追いかけていた。 :進んでいくと人が集まっている道に出た。 :人混みの奥ではどうやらパレードが行われているようだった。 :猫やらウサギやらシャボン玉を飛ばしたり楽器を演奏していた。 :その中にはアイツの姿もあった。 :緊張しているのか足取りはぎこちなかったがそこが何故か微笑ましかった。 :風船を持ってふらふらと遊園地を歩いていると最初の門にたどり着いた。 :制服を着た女性は驚いたようにこちらを見たが、風船を見たら納得したようだった。 :再入場希望のお客様ですね。手の甲にスタンプを押させていただきます。 :そう言われると僕の意識は途絶えた。 :目を覚ますと白い天井が見えた。 :いつも過ごしている病院の風景だったがいつもと少し違った。 :自分の体には点滴のチューブやら機械のコードが繋がっていた。 :親の話によると数日間危ない状態だったらしい。 :枕元にはなにやらふわふわした物が置いてあった。 :そう言えば前にぬいぐるみが欲しいと言ったのを思い出した。 :そうか誕生日のプレゼントに頼んでいたんだ。 :そいつはクマのぬいぐるみでどこかで見た気がしたが、 :どこで見たかは思い出せなかった。

:目が覚めるとベンチに座っていた。 :しかし、ここがどこだか分からない。 :空はいくつもの星が瞬いていた。 :ベンチから腰を上げ、数歩歩いてみた。 :どうやら歩いているのは水面らしい。 :歩くたびに波紋が浮かんでは消えている。 :そして足下を見ると自分の姿や空に見える星が反射していた。 :少し歩くと大きな門が見えたが何と書いているのかは分からなかった。 :門の前には何かの制服を着た女性が立っていた。 :「チケットを拝見しますね。」 :そんな物は持っていないと言おうとしたがなぜか無意識に右手を差し出していた。 :そして差し出した手にはチケットを持っていた。 :女性は受け取り、それをちぎった。 :「では良き時間を。」 :門を通った先には遊園地が広がっていた。 :コーヒーカップにジェットコースター、メリーゴーランドも :食べ物を売っている屋台もあってまるで夢のようだ。 :さっそく僕は観覧車に乗った。 :単純に乗りたかったのもあるが、一人で乗るのにはどれもためらったからだ。 :高いところから見た遊園地はまるで暗闇を照らす光に見えた。 :見とれている間に一周してしまったようだ。 :次はどうしようかと歩いていたら :ぐうぅ。 :お腹が鳴った。 :何か食べなければと屋台が建ち並ぶ場所へ行った。 :美味しそうな匂いがあちこちからする。 :色々見ていると、とある屋台で足が止まった。 :「いらっしゃい!」 :この屋台の主だろうか。汗水垂らしながら肉を焼いていた。 :「これは何の肉ですか?」 :「これは牡牛座の星で育てられた牛の肉を使っているんだ。食っていくかい?」 :「では一つください。」 :肉と野菜をパンに挟んで出してくれた。 :食べながら歩くと具材がこぼれてしまいそうだったので :近くのベンチに腰掛けて食べることにした。 :噛めば噛むほど肉のおいしさが口に広がった。 :夢中で食べていたら何かがこちらに近づいてきた。 :この遊園地のマスコットだろうか。クマの着ぐるみがこちらに近づいてきた。 :手には二人分のジェラートを持っていた。 :そして一つを僕に渡してもう一つは自分で食べていた。 :コイツは何なのだろう。自分とはどのような関係なのだろう。 :そう考えながら眺めている間にもソイツが持っているジェラートはどんどん減っていた。 :恐る恐る食べてみたが、普段食べたことがないような不思議な味だった。 :僕が食べ終わった頃、ソイツは俺をじっと見つめていた。 :どうやら僕のことを待っていてくれたようだ。 :ソイツは立ち上がると僕の手を取った。 :どこに行くのかと思ったが黙ってついていくことにした。 :その間も会話は一切無く、とても気まずかった。 :そうしてそいつと一緒にコーヒーカップに乗ることになった。 :カップが動き出した途端、そいつはしゃべり出した。 :「ずっとここで過ごしたい?」 :僕は考えた。普段は病院から一歩も出られない。 :毎日苦い薬を飲み、気が遠くなるようなたくさんの検査をし、楽しい事は何も無い。 :いっそここでずっと過ごしていようか。 :そう考えていた時、ふと思い出した。両親に頼み事をしていたのだ。 :しかし何を頼んだか思い出せなかった。 :「親に頼んだ物があるんだ。」 :「それをまだ受け取ってないから...まだ嫌かな。」 :「…そう。それは良いことだね。」 :しばらくしてカップが止まるとそいつは風船を渡してきた。 :「これを持ってエントランスに行くといいよ。」 :そう言うとソイツはどこかへ行ってしまった。 :僕は何故かソイツの後を追いかけていた。 :進んでいくと人が集まっている道に出た。 :人混みの奥ではどうやらパレードが行われているようだった。 :猫やらウサギやらシャボン玉を飛ばしたり楽器を演奏していた。 :その中にはアイツの姿もあった。 :緊張しているのか足取りはぎこちなかったがそこが何故か微笑ましかった。 :風船を持ってふらふらと遊園地を歩いていると最初の門にたどり着いた。 :制服を着た女性は驚いたようにこちらを見たが、風船を見たら納得したようだった。 :再入場希望のお客様ですね。手の甲にスタンプを押させていただきます。 :そう言われると僕の意識は途絶えた。 :目を覚ますと白い天井が見えた。 :いつも過ごしている病院の風景だったがいつもと少し違った。 :自分の体には点滴のチューブやら機械のコードが繋がっていた。 :親の話によると数日間危ない状態だったらしい。 :枕元にはなにやらふわふわした物が置いてあった。 :そう言えば前にぬいぐるみが欲しいと言ったのを思い出した。 :そうか誕生日のプレゼントに頼んでいたんだ。 :そいつはクマのぬいぐるみでどこかで見た気がしたが、 :どこで見たかは思い出せなかった。