台本概要

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タイトル Cross Conclusion
作者名 愁有  (@syu_boikone)
ジャンル ファンタジー
演者人数 8人用台本(男4、女2、不問2) ※兼役あり
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 Crossシリーズ第5話
シリーズ物なのでCrossroadからやっていただいた方が楽しめると思います
難しい漢字を使用しているので前読みは必須です
詠唱と技名に関しては別に詠唱集として出しているので同作者で調べていただけるとわかると思います
また詠唱と技名は記憶するかノート等に書き写すような工夫が必要になるかと思います お手数ですがご容赦ください

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
アグレス 102 本作主人公 ギフト天喰を持つ
リネアネ 30 アグレスが住む孤児院の副院長
フォルグ 23 アグレスが住む孤児院の院長。帝国近衛師団団長
ファルガ 22 帝国近衛師団副団長
ジルメナス 不問 36 ログルス帝国現帝王。アグレスの親
アグレウス 4 次期ログルス帝国帝王。アグレスの兄
イーリア 34 アグレウスの許嫁。神国フィーレムのお姫様
ラグナ=コット 不問 3 ログルスにギフトをばら撒く元凶。神様
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ラグナ=コット:龍装を手にして天豈装を身につけた……… ラグナ=コット:アハっ!順調に近づいてきてるねぇ ラグナ=コット:もう少しだよアグレス…… ラグナ=コット:さぁ………こっちへおいで 0: 0: ジルメナス:(ありえぬ……ありえぬありえぬありえぬッ!) ジルメナス:(アグレウスが…我の最高傑作が!) ジルメナス:(あの砂利如きに敗れるだと!?) ジルメナス:(ありえぬぅ!そんなはずがあるわけがぁあ) アグレス:後はお前だけだ…… ジルメナス:(くそう!声が出ぬから【法典】も使えぬ) ジルメナス:(そもそもクロムは何をしておるのだ!) ジルメナス:(奴さえいればこの状況を……っ!) アグレス:無駄だ。NO,16(セーデキム)は来ない アグレス:他の骸も同様にだ アグレス:ファルガに打ち込んでいた呪いも解いた アグレス:お前に勝ち目などない ジルメナス:(砂利如きがイキがりおってぇ!) ジルメナス:(どうする?我に戦う力など皆無だ……) ジルメナス:(誰もおらぬのか!!) アグレス:学ばない奴だな アグレス:お前が全兵士を此処に集めたんだろ アグレス:それをさっき俺が全て殺した アグレス:クロム・アベッジと他の骸は先生とファルガが相手をしている アグレス:…分からないならもう一度言ってやる アグレス:『後はお前だけだ』 アグレス:レイア母様とアグレウス兄様…そしてカール、ケルミア、サーシャ、バラクの仇 アグレス:取らせてもらうぞ ジルメナス:(仇だと?………ふざけるなぁ!そんなくだらんことで我は死ぬというのか?) ジルメナス:(そんなことで死んでたまるかっぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ) ジルメナス:アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!! アグレス:!? アグレス:【静寂】の天能贈与を解いたのか ジルメナス:【法典】を持って我が躰に命を通す! ジルメナス:天の導きにより我に天能贈与を授け給え!!! 0: ラグナ=コット:おや?……面白そうだねぇ ラグナ=コット:いいよ、君に力をあげようか…………… 0: ジルメナス:法絶 ジルメナス:安息と不可逆 ジルメナス:我が法の前に首を垂れる ジルメナス:威光、睥睨、身裂きの言霊 ジルメナス:極み、憚り、栄光の法殿を構える ジルメナス:天能贈与『威睨神羅憚霊法極刖宮殿』 0: アグレス:これは……… ジルメナス:フフ……ハァハハッハハハハハハハハハッ!!!!!!! ジルメナス:これが天能贈与か!素晴らしい力だ!! アグレス:面倒だが…丁度いいか ジルメナス:余裕ぶっていられるのも今だけだ ジルメナス:愚かな貴様に教えてやろう ジルメナス:この天能贈与の空間内では、我の命令無しに動けば ジルメナス:四肢は裂け、神経は千切れ絶命す……る…………… ジルメナス:……………貴様何故動ける…? アグレス:まさかお前気づいていないのか? ジルメナス:な、なに… アグレス:呆れたよ……さっきの戦闘の何を見ていたんだ… アグレス:まだ分からないのか? ジルメナス:何の事だ!? アグレス:はぁ……あれだけ探していて能力を知らないとはな アグレス:お前が求めていたギフトの名はなんだ? ジルメナス:【天喰】だ アグレス:俺がその【天喰】だ ジルメナス:……………は?? アグレス:理解出来ないか? アグレス:俺が【天喰】のギフテッドだ ジルメナス:なんだと……………? アグレス:何故動けるかと聞いたな アグレス:さっきの戦いで兄様のギフトを吸収し今神に近しい存在になっている アグレス:そもそもとして『天』を冠するギフトに『天』が付かないギフトの能力は効かない アグレス:それがたとえ天能贈与だとしてもだ ジルメナス:ふざけるな!我の【法典】は天の字を冠している!! アグレス:それについても知らないのか…………… アグレス:『天』は頭文字にしか付かない。お前のギフトはただのギフトにすぎない ジルメナス:なっ…………… アグレス:本当に何も知らないんだな アグレス:そんなだから母様の容体にも気付かずに放っておいたのか ジルメナス:戯言をぬかすな! ジルメナス:そもそもだ!そもそも何故天喰を隠しておった!! ジルメナス:貴様が隠していなかったらレイアは助かったというのに…… アグレス:勘違いするなよ アグレス:俺が天喰を授かったのは四歳の時だ アグレス:お前は何の訓練も積んでないのに、ピンポイントで病だけを取り除けるとでも思っていたのか? ジルメナス:ぐぬっ……だが、訓練を積めば…………… アグレス:それこそ無理な話だ アグレス:天を冠するギフトは扱いが難しいうえに、代償も大きい アグレス:それにだ、お前がもっとギフトに対して知識を持っていれば母様を救えたんだ ジルメナス:な、なに? アグレス:ギフト【天花】聞いたことがあるだろう ジルメナス:巫山戯ているのか?あんなたかが花を咲かせるだけの能力の何処に… アグレス:天咲千花『天女空袖幸惚華園』 アグレス:天を冠するギフトで唯一何のリスクも負わずにどんな病も完治させることができる能力だ ジルメナス:まさか… アグレス:そうだ。選別で殺した中に【天花】がいたな アグレス:お前の浅はかな行動のせいで母様を助ける手段が消えたわけだ ジルメナス:だ、だが天能贈与を使えなければ何の意味もないだろう! アグレス:だから浅はかだと言うんだ アグレス:【天花】は伝承として最初から天能贈与を扱えるギフトとして伝わっている アグレス:何も確認せずに殺したお前の無能さが全てを招いた結果が今なんだよ ジルメナス:そんな…………… アグレス:あぁ………ダメだな アグレス:もう我慢の限界だ…… アグレス:先獄 アグレス:今際は明泪 アグレス:瞬間に簒奪 アグレス:未来の暗魔 アグレス:監獄は此処に輝きは永遠に視す ジルメナス:んなっ!まさか… アグレス:天能贈与『明暗視獄奪』 ジルメナス:目が…我の目がァ ジルメナス:何も見えぬ!!どうなっている!! アグレス:これでお前の未来は閉じた アグレス:もう終わりだ フォルグ:無事かアグレス! アグレス:!勝ったんですね先生 フォルグ:ああ、ファルガも無事だ ファルガ:ははっボロッボロですけどね アグレス:そうか…良かった ジルメナス:その声はミュルガイア! ジルメナス:今すぐこやつらを殺せ!! ファルガ:…………… ジルメナス:何をしている!我の言うことが聞けないのか!? ファルガ:……ジルメナス、もうお前なんぞに従う私ではない! ジルメナス:なんだと?貴様妻と娘の事忘れた訳ではあるまい アグレス:ファルガにかかっていた呪いは俺が解いた アグレス:もう人質には出来ない アグレス:それに…もうお前は【法典】を使えない ジルメナス:……!?何故だ!我の中から【法典】が消えているだと!? アグレス:もう俺が喰らったからな ジルメナス:なぁ…………… アグレス:二人はそこで見ていろ アグレス:直ぐに終わらせる フォルグ:了解 ファルガ:承知しました アグレス:さて……お前の人生が終わる時間だ アグレス:覚悟も準備もしなくていい。ただそのまま アグレス:犯した罪を抱えたまま一生を悔いて消えろ ジルメナス:舐めるなぁッ!我を誰だと思っている!! 0: アグレス:燐燒 アグレス:無限の狭間 ジルメナス:ぐっ…やめろぉ アグレス:輪廻と奉涛 ジルメナス:この国の…ログルスの王ぞ! アグレス:魂の手綱曳き アグレス:廻雲尽きし憐れみを縛る ジルメナス:最強のギフテッド軍を築き上げ ジルメナス:世界の王になるのだ!! アグレス:現、命の灯火此処に燃ゆる ジルメナス:よせっ!我を失えば各国とのバランスが崩れるぞ!!! アグレス:安心しろ。お前ごときでバランスが取れていたのは アグレス:【法典】があったからだ。今は俺が持っているから アグレス:お前では力不足だ ジルメナス:んなぁ…やめろ……やめてくれぇぇええええええええ アグレス:さようならだ アグレス:天ノ廻醒天燐魂縛 ジルメナス:あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……………………………………… 0: アグレス:………終わったよみんな フォルグ:大丈夫か…アグレス アグレス:心配ありがとうございます アグレス:俺は大丈夫です アグレス:帰りましょう皆が待つホームに フォルグ:あぁ……そうだな フォルグ:帰ろう アグレス:ファルガもついてこい。皆に紹介する ファルガ:は、はい! ファルガ:(なんだ?少し前とは雰囲気がまるで別人だ……) アグレス:どうかしたか? ファルガ:いえ、何でもありません ファルガ:(ともあれ行こう。私の……いや、この国の地獄が終わったのだから) 0: 0: 0: ファルガ:(M)かくして私は今窮地に立たされている ファルガ:ほ…ほほほ本当にそれでやるんですか??? リネアネ:あったりまえじゃない!ちゃんとこの国の帝王様から許可貰ったんだから リネアネ:ねぇーアグレス様 アグレス:わざとらしく様をつけるな、気持ち悪い リネアネ:はぁ!?うっっっざぁ!!ちゃんと誠心誠意敬意込めて言ってあげてるんですけどぉ? アグレス:誠心誠意敬意込めてる奴は「あげてる」なんて言わない ファルガ:(M)そう。今口喧嘩に負けそうになっている目の前の女性ナギナ・リネアネ ファルガ:(M)彼女がガチでヤバイ リネアネ:でも本当にやっていいんでしょ? アグレス:あぁ、全力でやっていいぞ リネアネ:オッケー リネアネ:覚悟しろよーー ファルガ:(M)何がやばいって、私の知らない身体強化を自身に施し拳を結界術でガチガチに固めている ファルガ:(M)あれ?結界術って人の身を守る為の術じゃなかったっけ? ファルガ:(M)あんな禍々しいオーラ放つものっだけ? ファルガ:(M)私死なない?大丈夫ですか?? リネアネ:安心しなさい。二発分を一発にして顔面に叩き込んでやるから ファルガ:(M)あ、ダメだ死んだ リネアネ:いっくぞぉぉぉぉぉぉぉぉお!!! ファルガ:(M)死を覚悟し体に力を入れた私にその拳が届くことはなかった ファルガ:……………ん? リネアネ:……あたしがあんたを本気で殴るのはアグレスを裏切った時 リネアネ:覚えておきなさい。帝国近衛師団副団長ファルガ・ミュルガイア ファルガ:は、はい! アグレス:なんでリネアネが副団長より偉そうなんだよ リネアネ:うっさいなーかっこつけたんだからそっとしておいてよ! アグレス:そうか…偉いなリネアネ リネアネ:…ふん! ファルガ:(M)こうして私の命は難を逃れ、新たな役職と共に新しい人生が始まったのだ フォルグ:アグレス、入るぞ アグレス:あ、先生! フォルグ:何度も言っているだろう…先生はやめろ フォルグ:もうお前はこの国の王になるんだぞ アグレス:まだ帝王になってないのだから良いじゃないですか フォルグ:屁理屈を…どこで覚えたんだ? アグレス:リネアネですかね? リネアネ:おい フォルグ:それで何をしていたんだ? アグレス:そうですね……リネアネが成長した瞬間を見届けていたんです リネアネ:くぁっ…嫌い!大嫌い!!もうアグレスなんてだいっっっっっっきらい!!! フォルグ:一体何をしたんだ アグレス:ファルガが無事にそこで立っている事が証明ですね フォルグ:無事に?……成程そう言うことか ファルガ:隊長!私はこの国に、いや!アグレス様のために誠心誠意尽くすと誓います!! フォルグ:そうか…尽力しろ ファルガ:はい!!! フォルグ:それで、もう戴冠式が始まる。準備をしろ アグレス:ふぅ……………分かった アグレス:リネアネ準備をしろ リネアネ:はい アグレス:いいかお前達……ここから始まるのは新しい国だ アグレス:俺は皆が平等に暮らせて何の格差もない国を創る リネアネ:夢物語ね アグレス:あぁそうだな。だがその夢物語を叶えるためにお前達には率先して働いてもらう アグレス:いいな? フォルグ:はっ ファルガ:はっ!! リネアネ:はーい アグレス:さて行こうか アグレス:『理想の王に成る為に』 0: 0: 0:神国フィーレム 0: 0: アグレス:ここが神国フィーレムか…とても豊かな国だな アグレス:(M)俺は兄様に託されたものを届けにここフィーレムに来ていた アグレス:姿絵は貰っているが実際に見てみないことには分からないからな アグレス:とりあえず聞き込みをして探してみようかな アグレス:(M)そんな考え事をしていたら突然後ろから声を掛けられた イーリア:アグレウス!! アグレス:(M)俺が探していた人物イーリア・セルクイアがそこに立っていた アグレス:お初目に掛かります。私は、ログルス帝国現帝王アグレス・ログルスと申します イーリア:アグレス……貴方アグレウスの弟の イーリア:どうりで雰囲気が似ているのですね アグレス:雰囲気……?あっ…… イーリア:気づいたようですね… イーリア:そうなんです。わたしは生まれつき両の目が見えないのです アグレス:そうなのですね……大変無礼なことを イーリア:大丈夫ですよ イーリア:それに私から伝える前に気づいたのはあなたで二人目ですから アグレス:二人目? イーリア:はい、一人目は貴方の兄アグレウスですよ アグレス:そうだったんですね……流石兄様だ イーリア:うふふっ…やはり似ていますね アグレス:似ている? イーリア:先ほども言いましたが雰囲気と立ち居振る舞いがそっくりで アグレス:それは嬉しいですね イーリア:それで、アグレウスは何処におられるのですか? イーリア:貴方が来ているということはアグレウスも来ていると思うのですが アグレス:それは…… イーリア:ここ最近手紙を送っても返ってこなくて…忙しいのは重々分かっているのですが イーリア:やはりとても恋しくて…… イーリア:三月に一度会える日があるのですが、それが今日なのです! アグレス:姫 イーリア:久々に会えるので今日はとてもおめかししてきたのです イーリア:早く会いたいのです… アグレス:イーリア姫 イーリア:っ…ど、どうかされましたか? アグレス:今日はそのお話をする為にこちらに参りました イーリア:お話ですか…? アグレス:はい。兄アグレウスですが……単刀直入に言うと、ログルスで起きた先の革命にて討たれました イーリア:討たれた……?あのアグレウスがですか? アグレス:はい イーリア:噓です! イーリア:あの人の強さは私が一番知っているのです! イーリア:弟の貴方だって知っているはずなのです! アグレス:兄様を討ったのは私です イーリア:……え? アグレス:兄様と戦い、止めを刺したのは私です イーリア:何故……… アグレス:それが私と兄様の役目だったから イーリア:そんなことで…! アグレス:殴られる覚悟も罵られる覚悟も出来ております アグレス:しかしその前に、こちらを手に取って頂けないでしょうか イーリア:これは…… アグレス:兄様が亡くなる前に私に託していかれたものです イーリア:アグレウスが……… アグレス:私も目を通してはいません アグレス:イーリア姫と一緒にいる時に開くようにと イーリア:そうなのですね…… アグレス:読んでくれませんか? イーリア:よいのですか? アグレス:はい アグレス:姫に読んで頂きたいのです イーリア:分かりました 0: イーリア:拝啓、親愛なるイーリアへ 0: アグレウス:『君がこの文を読んでいるとき、私は役目を果たし遠い地で眠っているのだろう』 アグレウス:『君を残し先に旅立つことをどうか許してほしい』 アグレウス:『ごめんね……約束すら守れないこんな不甲斐ない私で』 アグレウス:『それでも、自分で決めた役目を全うできるのかと思うと清々しいと感じている私もいる』 アグレウス:『生まれてからずっと縛られていた人生だった』 アグレウス:『最強の兵器となるよう教育され、本当の家族も守れなかった』 アグレウス:『戦争から帰った時には母様は死に、弟のアグレスはもう居なかった』 アグレウス:『あの時程自分を呪ったことはない』 アグレウス:『しかし、その絶望の暗闇から救ってくれたのが』 アグレウス:『イーリア、君だったんだ』 アグレウス:『君と出会ったあの瞬間に私の世界に光が舞い降りた』 アグレウス:『そのくらいの衝撃だったんだ』 アグレウス:『君と歩んできた道のり、その度にして来た数々の約束』 アグレウス:『今も鮮明に覚えている』 アグレウス:『道半ばで約束を違えたこと本当にすまない』 アグレウス:『だが、もし輪廻転生を繰り返しまた出会うことが出来たのなら』 アグレウス:『約束を果たそう。必ず巡り合えると信じてる』 アグレウス:『そして、アグレス』 アグレウス:『イーリアを頼む。イーリアにはお前の支えが必要だ』 アグレウス:『フィーレムと和平条約を結び国の繫栄の一助となってくれると助かる』 アグレウス:『本来私の役目を押し付ける形になるのは悔やまれるが』 アグレウス:『助けてやってくれると確信してる』 アグレウス:『さて、長々とすまない』 アグレウス:『最後にこれだけ……………』 アグレウス:『イーリア、アグレス』 アグレウス:『二人共愛しているよ。どんなに離れていてもこの事実は不滅だ』 アグレウス:『私の最愛は永遠に変わらない』 アグレウス:『ありがとう』 0: イーリア:アグレウス・ログルスより…………… アグレス:……兄様らしいですね イーリア:そうですね……本当にそうなのです アグレウス:『PS、私の影をアグレスに重ねてはだめだよ』 イーリア:……分かってるくせに イーリア:本当にいじわるな人…… アグレス:どうかされましたか? イーリア:何でもないのです……あっ…………… 0: アグレウス:生涯を懸けて君を幸せにすると誓う アグレウス:だから、この花を受取ってくれないか? イーリア:キレイなのです…このお花は? アグレウス:『キキョウ』私がこの世で最も好きな花 アグレウス:偶々道に咲いていて思わず…… イーリア:いいえ……とっても嬉しいのです! イーリア:ありがとうございます。アグレウス イーリア:永遠に大切にするのです 0: アグレス:きれいですね イーリア:このお花たちはアグレウスが育てたものなのですよ アグレス:この国に……姫にとてもお似合いです イーリア:っ…本当に似ているのです アグレス:……? イーリア:アグレス…この国と条約を結んでくださいますか? アグレス:勿論です。最初からそのつもりでフィーレム来ていますから イーリア:ありがとうございますなのです イーリア:それでは向かいましょう アグレス:どちらへ? イーリア:私達の未来へ……なのです 0: 0:革命から半年後≪ログルス帝国≫ 0: ファルガ:アグレス様書類をお持ちしました アグレス:ありがとうファルガ アグレス:ギフテッドの保護の方はどうなっている? ファルガ:そちらはリネアネの方がつつがなく進めております リネアネ:こらーー!様をつけなさい様を!! ファルガ:それは…… アグレス:それについては俺から許可を出してる アグレス:気にしたら負けだ リネアネ:なんでよぉー!!! アグレス:お前が自分の立場に準じた態度を示してくれたら考えてやる リネアネ:ぐぬぬぬぬ ファルガ:ははははは… フォルグ:アグレス アグレス:先生どうかしましたか? フォルグ:だから先生はやめろと言っているだろう アグレス:もうこの癖は抜けないので諦めてください フォルグ:はぁ…… アグレス:それで何かありましたか? フォルグ:あぁ、今期の入団希望のまとめだ フォルグ:目を通しておいてくれ アグレス:分かりました アグレス:それとファルガ ファルガ:は! アグレス:この後俺とリネアネと先生は少し留守にする アグレス:留守中は頼んだぞ ファルガ:仰せのままに アグレス:二人共準備をしてくれ リネアネ:んーー?どこいくの? アグレス:……皆に会いにだよ リネアネ:……そっか フォルグ:そうだな…… フォルグ:すぐ支度をする フォルグ:少し待っていてくれ 0: リネアネ:……あれからもう半年かー フォルグ:時が経つのは早いな リネアネ:やめてよ…じじくさい フォルグ:すまない アグレス:残していくものは、残されるもののことを考えない リネアネ:何よいきなり… アグレス:その瞬間は生きて欲しいと願い想いを託していくからだ リネアネ:……………そうね フォルグ:そうだな フォルグ:私達はこの子たちに助けられてここにいる アグレス:カール、ケルミア、サーシャ、バラク…………… アグレス:お前たちが居ないと俺は大分弱いようだ リネアネ:アグレス…… アグレス:勝手に手の届かないところに行ってしまった アグレス:バカだな…… リネアネ:そこまで言わなくても…… アグレス:……………帰ろう アグレス:……どうやら曇ってきたみたいだ リネアネ:ん?空は晴れてるけど……… アグレス:いいや……心がだよ リネアネ:アグ……レス…………… フォルグ:そうだな フォルグ:身体が冷える。帰ろう 0: 0: リネアネ:アグレスもう寝る時間よー アグレス:もうそんな時間か リネアネ:明日も早いんだから寝ないと身体壊すわよ アグレス:そうだな アグレス:寝ようか リネアネ:はーーい アグレス:(久しぶりに夢を見よう) アグレス:(先に逝った皆に手が届きそうな) アグレス:(そんな幸せな夢を……………) 0: 0: 0: 0: 0: ラグナ=コット:なにこれ……こんなの聞いてないよ……… 0: 0: 0: アグレス:これは紡がれた軌跡が重荷となり背負い込む刹那の一幕 アグレス:≪Crossconclusion≫ アグレス:第五話【終焉の結末】 アグレス:お前達に手が届く日が来る事を願って……………おやすみ

ラグナ=コット:龍装を手にして天豈装を身につけた……… ラグナ=コット:アハっ!順調に近づいてきてるねぇ ラグナ=コット:もう少しだよアグレス…… ラグナ=コット:さぁ………こっちへおいで 0: 0: ジルメナス:(ありえぬ……ありえぬありえぬありえぬッ!) ジルメナス:(アグレウスが…我の最高傑作が!) ジルメナス:(あの砂利如きに敗れるだと!?) ジルメナス:(ありえぬぅ!そんなはずがあるわけがぁあ) アグレス:後はお前だけだ…… ジルメナス:(くそう!声が出ぬから【法典】も使えぬ) ジルメナス:(そもそもクロムは何をしておるのだ!) ジルメナス:(奴さえいればこの状況を……っ!) アグレス:無駄だ。NO,16(セーデキム)は来ない アグレス:他の骸も同様にだ アグレス:ファルガに打ち込んでいた呪いも解いた アグレス:お前に勝ち目などない ジルメナス:(砂利如きがイキがりおってぇ!) ジルメナス:(どうする?我に戦う力など皆無だ……) ジルメナス:(誰もおらぬのか!!) アグレス:学ばない奴だな アグレス:お前が全兵士を此処に集めたんだろ アグレス:それをさっき俺が全て殺した アグレス:クロム・アベッジと他の骸は先生とファルガが相手をしている アグレス:…分からないならもう一度言ってやる アグレス:『後はお前だけだ』 アグレス:レイア母様とアグレウス兄様…そしてカール、ケルミア、サーシャ、バラクの仇 アグレス:取らせてもらうぞ ジルメナス:(仇だと?………ふざけるなぁ!そんなくだらんことで我は死ぬというのか?) ジルメナス:(そんなことで死んでたまるかっぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ) ジルメナス:アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!! アグレス:!? アグレス:【静寂】の天能贈与を解いたのか ジルメナス:【法典】を持って我が躰に命を通す! ジルメナス:天の導きにより我に天能贈与を授け給え!!! 0: ラグナ=コット:おや?……面白そうだねぇ ラグナ=コット:いいよ、君に力をあげようか…………… 0: ジルメナス:法絶 ジルメナス:安息と不可逆 ジルメナス:我が法の前に首を垂れる ジルメナス:威光、睥睨、身裂きの言霊 ジルメナス:極み、憚り、栄光の法殿を構える ジルメナス:天能贈与『威睨神羅憚霊法極刖宮殿』 0: アグレス:これは……… ジルメナス:フフ……ハァハハッハハハハハハハハハッ!!!!!!! ジルメナス:これが天能贈与か!素晴らしい力だ!! アグレス:面倒だが…丁度いいか ジルメナス:余裕ぶっていられるのも今だけだ ジルメナス:愚かな貴様に教えてやろう ジルメナス:この天能贈与の空間内では、我の命令無しに動けば ジルメナス:四肢は裂け、神経は千切れ絶命す……る…………… ジルメナス:……………貴様何故動ける…? アグレス:まさかお前気づいていないのか? ジルメナス:な、なに… アグレス:呆れたよ……さっきの戦闘の何を見ていたんだ… アグレス:まだ分からないのか? ジルメナス:何の事だ!? アグレス:はぁ……あれだけ探していて能力を知らないとはな アグレス:お前が求めていたギフトの名はなんだ? ジルメナス:【天喰】だ アグレス:俺がその【天喰】だ ジルメナス:……………は?? アグレス:理解出来ないか? アグレス:俺が【天喰】のギフテッドだ ジルメナス:なんだと……………? アグレス:何故動けるかと聞いたな アグレス:さっきの戦いで兄様のギフトを吸収し今神に近しい存在になっている アグレス:そもそもとして『天』を冠するギフトに『天』が付かないギフトの能力は効かない アグレス:それがたとえ天能贈与だとしてもだ ジルメナス:ふざけるな!我の【法典】は天の字を冠している!! アグレス:それについても知らないのか…………… アグレス:『天』は頭文字にしか付かない。お前のギフトはただのギフトにすぎない ジルメナス:なっ…………… アグレス:本当に何も知らないんだな アグレス:そんなだから母様の容体にも気付かずに放っておいたのか ジルメナス:戯言をぬかすな! ジルメナス:そもそもだ!そもそも何故天喰を隠しておった!! ジルメナス:貴様が隠していなかったらレイアは助かったというのに…… アグレス:勘違いするなよ アグレス:俺が天喰を授かったのは四歳の時だ アグレス:お前は何の訓練も積んでないのに、ピンポイントで病だけを取り除けるとでも思っていたのか? ジルメナス:ぐぬっ……だが、訓練を積めば…………… アグレス:それこそ無理な話だ アグレス:天を冠するギフトは扱いが難しいうえに、代償も大きい アグレス:それにだ、お前がもっとギフトに対して知識を持っていれば母様を救えたんだ ジルメナス:な、なに? アグレス:ギフト【天花】聞いたことがあるだろう ジルメナス:巫山戯ているのか?あんなたかが花を咲かせるだけの能力の何処に… アグレス:天咲千花『天女空袖幸惚華園』 アグレス:天を冠するギフトで唯一何のリスクも負わずにどんな病も完治させることができる能力だ ジルメナス:まさか… アグレス:そうだ。選別で殺した中に【天花】がいたな アグレス:お前の浅はかな行動のせいで母様を助ける手段が消えたわけだ ジルメナス:だ、だが天能贈与を使えなければ何の意味もないだろう! アグレス:だから浅はかだと言うんだ アグレス:【天花】は伝承として最初から天能贈与を扱えるギフトとして伝わっている アグレス:何も確認せずに殺したお前の無能さが全てを招いた結果が今なんだよ ジルメナス:そんな…………… アグレス:あぁ………ダメだな アグレス:もう我慢の限界だ…… アグレス:先獄 アグレス:今際は明泪 アグレス:瞬間に簒奪 アグレス:未来の暗魔 アグレス:監獄は此処に輝きは永遠に視す ジルメナス:んなっ!まさか… アグレス:天能贈与『明暗視獄奪』 ジルメナス:目が…我の目がァ ジルメナス:何も見えぬ!!どうなっている!! アグレス:これでお前の未来は閉じた アグレス:もう終わりだ フォルグ:無事かアグレス! アグレス:!勝ったんですね先生 フォルグ:ああ、ファルガも無事だ ファルガ:ははっボロッボロですけどね アグレス:そうか…良かった ジルメナス:その声はミュルガイア! ジルメナス:今すぐこやつらを殺せ!! ファルガ:…………… ジルメナス:何をしている!我の言うことが聞けないのか!? ファルガ:……ジルメナス、もうお前なんぞに従う私ではない! ジルメナス:なんだと?貴様妻と娘の事忘れた訳ではあるまい アグレス:ファルガにかかっていた呪いは俺が解いた アグレス:もう人質には出来ない アグレス:それに…もうお前は【法典】を使えない ジルメナス:……!?何故だ!我の中から【法典】が消えているだと!? アグレス:もう俺が喰らったからな ジルメナス:なぁ…………… アグレス:二人はそこで見ていろ アグレス:直ぐに終わらせる フォルグ:了解 ファルガ:承知しました アグレス:さて……お前の人生が終わる時間だ アグレス:覚悟も準備もしなくていい。ただそのまま アグレス:犯した罪を抱えたまま一生を悔いて消えろ ジルメナス:舐めるなぁッ!我を誰だと思っている!! 0: アグレス:燐燒 アグレス:無限の狭間 ジルメナス:ぐっ…やめろぉ アグレス:輪廻と奉涛 ジルメナス:この国の…ログルスの王ぞ! アグレス:魂の手綱曳き アグレス:廻雲尽きし憐れみを縛る ジルメナス:最強のギフテッド軍を築き上げ ジルメナス:世界の王になるのだ!! アグレス:現、命の灯火此処に燃ゆる ジルメナス:よせっ!我を失えば各国とのバランスが崩れるぞ!!! アグレス:安心しろ。お前ごときでバランスが取れていたのは アグレス:【法典】があったからだ。今は俺が持っているから アグレス:お前では力不足だ ジルメナス:んなぁ…やめろ……やめてくれぇぇええええええええ アグレス:さようならだ アグレス:天ノ廻醒天燐魂縛 ジルメナス:あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……………………………………… 0: アグレス:………終わったよみんな フォルグ:大丈夫か…アグレス アグレス:心配ありがとうございます アグレス:俺は大丈夫です アグレス:帰りましょう皆が待つホームに フォルグ:あぁ……そうだな フォルグ:帰ろう アグレス:ファルガもついてこい。皆に紹介する ファルガ:は、はい! ファルガ:(なんだ?少し前とは雰囲気がまるで別人だ……) アグレス:どうかしたか? ファルガ:いえ、何でもありません ファルガ:(ともあれ行こう。私の……いや、この国の地獄が終わったのだから) 0: 0: 0: ファルガ:(M)かくして私は今窮地に立たされている ファルガ:ほ…ほほほ本当にそれでやるんですか??? リネアネ:あったりまえじゃない!ちゃんとこの国の帝王様から許可貰ったんだから リネアネ:ねぇーアグレス様 アグレス:わざとらしく様をつけるな、気持ち悪い リネアネ:はぁ!?うっっっざぁ!!ちゃんと誠心誠意敬意込めて言ってあげてるんですけどぉ? アグレス:誠心誠意敬意込めてる奴は「あげてる」なんて言わない ファルガ:(M)そう。今口喧嘩に負けそうになっている目の前の女性ナギナ・リネアネ ファルガ:(M)彼女がガチでヤバイ リネアネ:でも本当にやっていいんでしょ? アグレス:あぁ、全力でやっていいぞ リネアネ:オッケー リネアネ:覚悟しろよーー ファルガ:(M)何がやばいって、私の知らない身体強化を自身に施し拳を結界術でガチガチに固めている ファルガ:(M)あれ?結界術って人の身を守る為の術じゃなかったっけ? ファルガ:(M)あんな禍々しいオーラ放つものっだけ? ファルガ:(M)私死なない?大丈夫ですか?? リネアネ:安心しなさい。二発分を一発にして顔面に叩き込んでやるから ファルガ:(M)あ、ダメだ死んだ リネアネ:いっくぞぉぉぉぉぉぉぉぉお!!! ファルガ:(M)死を覚悟し体に力を入れた私にその拳が届くことはなかった ファルガ:……………ん? リネアネ:……あたしがあんたを本気で殴るのはアグレスを裏切った時 リネアネ:覚えておきなさい。帝国近衛師団副団長ファルガ・ミュルガイア ファルガ:は、はい! アグレス:なんでリネアネが副団長より偉そうなんだよ リネアネ:うっさいなーかっこつけたんだからそっとしておいてよ! アグレス:そうか…偉いなリネアネ リネアネ:…ふん! ファルガ:(M)こうして私の命は難を逃れ、新たな役職と共に新しい人生が始まったのだ フォルグ:アグレス、入るぞ アグレス:あ、先生! フォルグ:何度も言っているだろう…先生はやめろ フォルグ:もうお前はこの国の王になるんだぞ アグレス:まだ帝王になってないのだから良いじゃないですか フォルグ:屁理屈を…どこで覚えたんだ? アグレス:リネアネですかね? リネアネ:おい フォルグ:それで何をしていたんだ? アグレス:そうですね……リネアネが成長した瞬間を見届けていたんです リネアネ:くぁっ…嫌い!大嫌い!!もうアグレスなんてだいっっっっっっきらい!!! フォルグ:一体何をしたんだ アグレス:ファルガが無事にそこで立っている事が証明ですね フォルグ:無事に?……成程そう言うことか ファルガ:隊長!私はこの国に、いや!アグレス様のために誠心誠意尽くすと誓います!! フォルグ:そうか…尽力しろ ファルガ:はい!!! フォルグ:それで、もう戴冠式が始まる。準備をしろ アグレス:ふぅ……………分かった アグレス:リネアネ準備をしろ リネアネ:はい アグレス:いいかお前達……ここから始まるのは新しい国だ アグレス:俺は皆が平等に暮らせて何の格差もない国を創る リネアネ:夢物語ね アグレス:あぁそうだな。だがその夢物語を叶えるためにお前達には率先して働いてもらう アグレス:いいな? フォルグ:はっ ファルガ:はっ!! リネアネ:はーい アグレス:さて行こうか アグレス:『理想の王に成る為に』 0: 0: 0:神国フィーレム 0: 0: アグレス:ここが神国フィーレムか…とても豊かな国だな アグレス:(M)俺は兄様に託されたものを届けにここフィーレムに来ていた アグレス:姿絵は貰っているが実際に見てみないことには分からないからな アグレス:とりあえず聞き込みをして探してみようかな アグレス:(M)そんな考え事をしていたら突然後ろから声を掛けられた イーリア:アグレウス!! アグレス:(M)俺が探していた人物イーリア・セルクイアがそこに立っていた アグレス:お初目に掛かります。私は、ログルス帝国現帝王アグレス・ログルスと申します イーリア:アグレス……貴方アグレウスの弟の イーリア:どうりで雰囲気が似ているのですね アグレス:雰囲気……?あっ…… イーリア:気づいたようですね… イーリア:そうなんです。わたしは生まれつき両の目が見えないのです アグレス:そうなのですね……大変無礼なことを イーリア:大丈夫ですよ イーリア:それに私から伝える前に気づいたのはあなたで二人目ですから アグレス:二人目? イーリア:はい、一人目は貴方の兄アグレウスですよ アグレス:そうだったんですね……流石兄様だ イーリア:うふふっ…やはり似ていますね アグレス:似ている? イーリア:先ほども言いましたが雰囲気と立ち居振る舞いがそっくりで アグレス:それは嬉しいですね イーリア:それで、アグレウスは何処におられるのですか? イーリア:貴方が来ているということはアグレウスも来ていると思うのですが アグレス:それは…… イーリア:ここ最近手紙を送っても返ってこなくて…忙しいのは重々分かっているのですが イーリア:やはりとても恋しくて…… イーリア:三月に一度会える日があるのですが、それが今日なのです! アグレス:姫 イーリア:久々に会えるので今日はとてもおめかししてきたのです イーリア:早く会いたいのです… アグレス:イーリア姫 イーリア:っ…ど、どうかされましたか? アグレス:今日はそのお話をする為にこちらに参りました イーリア:お話ですか…? アグレス:はい。兄アグレウスですが……単刀直入に言うと、ログルスで起きた先の革命にて討たれました イーリア:討たれた……?あのアグレウスがですか? アグレス:はい イーリア:噓です! イーリア:あの人の強さは私が一番知っているのです! イーリア:弟の貴方だって知っているはずなのです! アグレス:兄様を討ったのは私です イーリア:……え? アグレス:兄様と戦い、止めを刺したのは私です イーリア:何故……… アグレス:それが私と兄様の役目だったから イーリア:そんなことで…! アグレス:殴られる覚悟も罵られる覚悟も出来ております アグレス:しかしその前に、こちらを手に取って頂けないでしょうか イーリア:これは…… アグレス:兄様が亡くなる前に私に託していかれたものです イーリア:アグレウスが……… アグレス:私も目を通してはいません アグレス:イーリア姫と一緒にいる時に開くようにと イーリア:そうなのですね…… アグレス:読んでくれませんか? イーリア:よいのですか? アグレス:はい アグレス:姫に読んで頂きたいのです イーリア:分かりました 0: イーリア:拝啓、親愛なるイーリアへ 0: アグレウス:『君がこの文を読んでいるとき、私は役目を果たし遠い地で眠っているのだろう』 アグレウス:『君を残し先に旅立つことをどうか許してほしい』 アグレウス:『ごめんね……約束すら守れないこんな不甲斐ない私で』 アグレウス:『それでも、自分で決めた役目を全うできるのかと思うと清々しいと感じている私もいる』 アグレウス:『生まれてからずっと縛られていた人生だった』 アグレウス:『最強の兵器となるよう教育され、本当の家族も守れなかった』 アグレウス:『戦争から帰った時には母様は死に、弟のアグレスはもう居なかった』 アグレウス:『あの時程自分を呪ったことはない』 アグレウス:『しかし、その絶望の暗闇から救ってくれたのが』 アグレウス:『イーリア、君だったんだ』 アグレウス:『君と出会ったあの瞬間に私の世界に光が舞い降りた』 アグレウス:『そのくらいの衝撃だったんだ』 アグレウス:『君と歩んできた道のり、その度にして来た数々の約束』 アグレウス:『今も鮮明に覚えている』 アグレウス:『道半ばで約束を違えたこと本当にすまない』 アグレウス:『だが、もし輪廻転生を繰り返しまた出会うことが出来たのなら』 アグレウス:『約束を果たそう。必ず巡り合えると信じてる』 アグレウス:『そして、アグレス』 アグレウス:『イーリアを頼む。イーリアにはお前の支えが必要だ』 アグレウス:『フィーレムと和平条約を結び国の繫栄の一助となってくれると助かる』 アグレウス:『本来私の役目を押し付ける形になるのは悔やまれるが』 アグレウス:『助けてやってくれると確信してる』 アグレウス:『さて、長々とすまない』 アグレウス:『最後にこれだけ……………』 アグレウス:『イーリア、アグレス』 アグレウス:『二人共愛しているよ。どんなに離れていてもこの事実は不滅だ』 アグレウス:『私の最愛は永遠に変わらない』 アグレウス:『ありがとう』 0: イーリア:アグレウス・ログルスより…………… アグレス:……兄様らしいですね イーリア:そうですね……本当にそうなのです アグレウス:『PS、私の影をアグレスに重ねてはだめだよ』 イーリア:……分かってるくせに イーリア:本当にいじわるな人…… アグレス:どうかされましたか? イーリア:何でもないのです……あっ…………… 0: アグレウス:生涯を懸けて君を幸せにすると誓う アグレウス:だから、この花を受取ってくれないか? イーリア:キレイなのです…このお花は? アグレウス:『キキョウ』私がこの世で最も好きな花 アグレウス:偶々道に咲いていて思わず…… イーリア:いいえ……とっても嬉しいのです! イーリア:ありがとうございます。アグレウス イーリア:永遠に大切にするのです 0: アグレス:きれいですね イーリア:このお花たちはアグレウスが育てたものなのですよ アグレス:この国に……姫にとてもお似合いです イーリア:っ…本当に似ているのです アグレス:……? イーリア:アグレス…この国と条約を結んでくださいますか? アグレス:勿論です。最初からそのつもりでフィーレム来ていますから イーリア:ありがとうございますなのです イーリア:それでは向かいましょう アグレス:どちらへ? イーリア:私達の未来へ……なのです 0: 0:革命から半年後≪ログルス帝国≫ 0: ファルガ:アグレス様書類をお持ちしました アグレス:ありがとうファルガ アグレス:ギフテッドの保護の方はどうなっている? ファルガ:そちらはリネアネの方がつつがなく進めております リネアネ:こらーー!様をつけなさい様を!! ファルガ:それは…… アグレス:それについては俺から許可を出してる アグレス:気にしたら負けだ リネアネ:なんでよぉー!!! アグレス:お前が自分の立場に準じた態度を示してくれたら考えてやる リネアネ:ぐぬぬぬぬ ファルガ:ははははは… フォルグ:アグレス アグレス:先生どうかしましたか? フォルグ:だから先生はやめろと言っているだろう アグレス:もうこの癖は抜けないので諦めてください フォルグ:はぁ…… アグレス:それで何かありましたか? フォルグ:あぁ、今期の入団希望のまとめだ フォルグ:目を通しておいてくれ アグレス:分かりました アグレス:それとファルガ ファルガ:は! アグレス:この後俺とリネアネと先生は少し留守にする アグレス:留守中は頼んだぞ ファルガ:仰せのままに アグレス:二人共準備をしてくれ リネアネ:んーー?どこいくの? アグレス:……皆に会いにだよ リネアネ:……そっか フォルグ:そうだな…… フォルグ:すぐ支度をする フォルグ:少し待っていてくれ 0: リネアネ:……あれからもう半年かー フォルグ:時が経つのは早いな リネアネ:やめてよ…じじくさい フォルグ:すまない アグレス:残していくものは、残されるもののことを考えない リネアネ:何よいきなり… アグレス:その瞬間は生きて欲しいと願い想いを託していくからだ リネアネ:……………そうね フォルグ:そうだな フォルグ:私達はこの子たちに助けられてここにいる アグレス:カール、ケルミア、サーシャ、バラク…………… アグレス:お前たちが居ないと俺は大分弱いようだ リネアネ:アグレス…… アグレス:勝手に手の届かないところに行ってしまった アグレス:バカだな…… リネアネ:そこまで言わなくても…… アグレス:……………帰ろう アグレス:……どうやら曇ってきたみたいだ リネアネ:ん?空は晴れてるけど……… アグレス:いいや……心がだよ リネアネ:アグ……レス…………… フォルグ:そうだな フォルグ:身体が冷える。帰ろう 0: 0: リネアネ:アグレスもう寝る時間よー アグレス:もうそんな時間か リネアネ:明日も早いんだから寝ないと身体壊すわよ アグレス:そうだな アグレス:寝ようか リネアネ:はーーい アグレス:(久しぶりに夢を見よう) アグレス:(先に逝った皆に手が届きそうな) アグレス:(そんな幸せな夢を……………) 0: 0: 0: 0: 0: ラグナ=コット:なにこれ……こんなの聞いてないよ……… 0: 0: 0: アグレス:これは紡がれた軌跡が重荷となり背負い込む刹那の一幕 アグレス:≪Crossconclusion≫ アグレス:第五話【終焉の結末】 アグレス:お前達に手が届く日が来る事を願って……………おやすみ