台本概要

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タイトル CrossRecollection/バラク
作者名 愁有  (@syu_boikone)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 Crossシリーズ外伝
アグレスの心友バラクの過去の話です
一応不問にしておりますが男の設定で書いています
女性がやる場合は言い回しをご自由に変えてくださって大丈夫です

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
アグレス 不問 119 本作主人公 バラクの心友
バラク 不問 119 アグレスの心友
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
バラク:ふぁああ…なんだってこんな面倒なことしなきゃいけねーんだよぉ バラク:あのクソオヤジ、俺が優勝したら、無理なんだい押し付けてやる バラク:(M)年に1度開催される大会 バラク:(M)その名も帝国闘技剣舞祭。通称帝国祭 バラク:(M)名前そのまんまじゃねーかって?俺に言うなよ。初代バカ帝王に言ってくれ バラク:(M)ん?誰に話してるかって?知らねーよ。誰かの頭に直接語りかけてんじゃね? バラク:(M)てなわけで俺は、クソオヤジの指示で、その帝国祭に参加してるって訳 バラク:(M)しかも聞いてくれよ!16歳以下の出場とそれ以上の出場があってだな バラク:(M)まさかまさかの、以上の方にエントリーされてんのよ!俺15歳!!まじ意味わかんなくね!? バラク:(M)でさぁちょっと頑張ったのよぉ。そしたら、なんとなんと3回戦突破 バラク:(M)マジかよぉ俺強すぎね?って感じ バラク:(M)相手はガチモンの大人で、しかも近衛兵団所属とかもいるんですわぁ バラク:(M)やべぇ、自分の才能が怖すぎるわぁ・・・とかまぁ変なこと考えてたらさ バラク:(M)目の前に、顰めっ面で、飯食ってる同年代位の男がいたから、暇だし、次の試合まで、時間があるから、何となく、話しかけてみることにした バラク:よぉ アグレス:…… バラク:おい、そこのお前 アグレス:……? バラク:お前だよお前。そう顰めっ面で飯食ってるお前 アグレス:…何か用か? バラク:いやぁ、次の試合まで暇でさぁ・・・なんか話でもしようぜい アグレス:…初対面なのに凄いな バラク:ん?普通じゃねぇのか? アグレス:普通ではないだろう。初対面相手に、ここまで砕けられるのは バラク:そーゆーもんかぁ バラク:うちは名門で通ってるからなぁ。処世術みたいなもんだ アグレス:……名門か。王家に仕える、クズ共ってことだ バラク:はっはぁ!なかなかの言われようだなぁ バラク:俺の名前はバラク・オーディス バラク:オーディス家の末弟だ。んでもって俺はオーディス家が嫌いだ アグレス:そうなのか。なぜ嫌いなんだ? バラク:国の為だのなんだので、無理難題を押し付けてきやがる。自由なんてこれっぽっちもない バラク:そんな家を好きになれって方が難しいさ アグレス:確かにそうかもな バラク:そんで、お前はなんで、帝国祭に参加してるんだ? アグレス:腕試しの為だな。俺強くならなければいけないし、強くなくてはいけない バラク:ほーん…なんで強くなきゃダメないんだ? アグレス:守る為だ バラク:守る為?何を? アグレス:俺は孤児院にいる。その中でも年長なんだ。みんなの兄として、守らなくてはならない バラク:なるほどなぁー。お前にも、自由は無いわけだ アグレス:そんなことはない アグレス:俺は好き好んでやっている。お前と一緒にするな バラク:それは悪かったよ…んで、お前はどっちの参加なんだよ アグレス:16歳以上の方だ バラク:マジか!俺と同じじゃねーか!! アグレス:見たところ、15か16くらいだと思っていたが、歳上なのか バラク:いんやぁ、まだピチピチの15歳だよ! バラク:クソ親父の命令で、強くて面倒な奴らと、戦わされてる アグレス:それは、ご愁傷さまだな バラク:そーいうお前こそ、15くらいに見えるけどな アグレス:俺も15歳だ バラク:マジかよ!じゃあなんで16歳以上の方に出てんだ? アグレス:腕試しと言っただろう。同年代以下では相手にならないからな バラク:言うねぇー バラク:まだここにいるってことは、勝ってるってことだろ? アグレス:あぁ。大人も大したことないみたいだ バラク:じゃあ『どっかで当たるかもな』 バラク:そんときは容赦しねーからなぁ! アグレス:望むところだ バラク:んじゃ、俺次だから行ってくるぜ!! アグレス:うるさいヤツだ。さっさと行ってこい バラク:おう!また『喋ろうぜ!』 バラク:またなーー! アグレス:(不思議な奴だ。初対面だと言うのにここまで喋らされるとは…勝ってたらまた喋ってやろう) 0: 0: 0: バラク:(M)つーわけでなんとなんと、決勝戦まで来ちまったぜ バラク:(M)自分の才能が恐ろしいというか、なんと言うか バラク:(M)そういえば、あの後からあいつ見てないなぁ。どっかで負けたのか? バラク:(M)気が合いそうで結構気に入ってたんだけどなぁ バラク:(M)まぁしゃーないか。今は決勝に向けて集中しないと バラク:(M)次の相手は…おっ出てきた出てきた バラク:(M)名前はエックス?あークロスって言うのか バラク:(M)なんか体格的に、子供っぽいなこいつ… バラク:(M)決勝で楽できるなら、それでいいかー アグレス:なんだ決勝まで来てたのか バラク:うぇ!?お前だったのか! アグレス:そんなに驚くことでもないだろう。この大会のレベルを考えれば当然だ バラク:それはそうかもしんねーけど…て言うか、なんで仮面なんかしてるんだ? アグレス:…顔はあまり見せたくないんだ バラク:へぇなんか事情あんのな バラク:容赦はしねーけどな! アグレス:こちらのセリフだ。負けても文句を言うなよ… 0:3 0:2 0:1 バラク:いくぜぇ!!はぁあ!! アグレス:ふっ! バラク:おらぁ! アグレス:力任せの攻撃だな アグレス:はっ! バラク:うぉっと!うめぇなこんちくしょう! アグレス:こんなのに、負ける大人達とは。だいぶレベルが下がってるようだな バラク:うるせぇ!これしかできねーんだよ! アグレス:オーディス家は、国内でも指折りの名家だろ。剣を習わないのか? バラク:うるせぇ!稽古なんてつけてもらえねーんだよ!! アグレス:そうか、それは残念だな バラク:なにっ? アグレス:無駄な動きは多いが筋はいい アグレス:ちゃんとした人に教われば、俺の次くらいには、強くなれるだろう バラク:おいおい、まだ勝負はついてないってのに随分余裕だな! アグレス:そうだな。今のお前に、負ける未来は見えない バラク:なら負かしてやるよ!! バラク:先に言っておくぜ!お前は『次の攻撃は避けれねぇ』 アグレス:なに? アグレス:ぐっ!? バラク:どうだ!避けれなかったろ! バラク:(ちょっとずるいけど勝つためだ。悪ぃな!) アグレス:今のはギフトの力か? バラク:まぁバレちまうよなぁ バラク:そうさ、俺のギフトは【予測】 バラク:お前の行動を予測して、躱せない攻撃をしたのさ アグレス:…そうか【予測】か。なら対処は簡単だな バラク:なに? アグレス:もう一度使ってみろ。全て避けてやる バラク:はん!どうなっても知らねーからなぁ! バラク:お前は『次の攻撃は避けれねぇ』 バラク:おらぁ!! アグレス:はぁあ! バラク:なっなに!? アグレス:カラクリが分かれば簡単だ アグレス:予測されているなら、それを加味して動けばいい バラク:おいおいおいおいぃ バラク:そんなの普通できねぇだろ アグレス:経験を積めばこんなこと簡単だ バラク:お前人がギフト使ってやってる事普通にやんなよ!?ショックなんだか?? アグレス:そんなこと知るか アグレス:それで?これで振り出しだがどうする? バラク:決まってんだろ…当たるまで攻撃するだけだ!! アグレス:そうか…なら早々に終わらせてやろう バラク:言ってろ!! アグレス:本気で行かせてもらう…天祇灯嚥刃抜刀 バラク:うえ!?マジかよ アグレス:皇国流剣術一刀・飛燕! バラク:ぐっっ!って嘘だろぉ?刀折れちったんだけど!! バラク:こんなお遊びの業物じゃ、相手にならねーか バラク:俺も本気でいくぜぇ! バラク:天都琴嚥刃抜刀! アグレス:その刀は…試してみるか アグレス:皇国流剣術一刀・飛燕 バラク:同じ技が2度通じるかよぉ! アグレス:やはりその刀…… バラク:…なんだよ? アグレス:いやなんでもない アグレス:行くぞ アグレス:皇国流剣術二刀・刃隠 バラク:ちょっ!?なんだそれ!刀身がみえねぇ! アグレス:皇国流剣術三刀・陽炎 バラク:後ろ!?ぐあっ!! アグレス:勝負ありか バラク:おいおい、勝手に終わらせるなよぉ バラク:俺はなぁ、負ける訳には行かないんだよ バラク:自分の為にも、ここで負けたら、もう何も残らねぇ アグレス:そうか。でもそんなボロボロでまだ戦えるのか? バラク:舐めんじゃねぇ!ここからが本番ってやつよ! バラク:皇国流剣術三刀・陽炎!! アグレス:なに!?ぐっっ アグレス:なぜお前がその技を…… バラク:見様見真似は得意でなぁ バラク:真似させてもらった! アグレス:器用なやつだ アグレス:やはり勿体ないな…… バラク:あん?なんか言ったか? アグレス:なんでもない。早々に終わらせて、家に帰るとしよう バラク:やれるもんならやってみな!! 0: バラク:(M)まぁ、結果は分かるよな…… バラク:(M)完敗も完敗、大完敗 バラク:(M)情けなく地に背中をつけ大の字で寝てらぁ バラク:(M)でもなんでだろうなぁ…負けったってのに全く悔しくねぇや バラク:……ははっははははははははははははははっ アグレス:急に笑ってどうした? バラク:いやなんだろうな バラク:この大会で優勝出来なかったら、俺の人生は終わったようなもんなんだ アグレス:なに? バラク:元々自由なんぞないが、この先はより縛られた人生になるだろうな アグレス:それは……すまない バラク:バーカ バラク:謝るんじゃねーよ。今めちゃくちゃ気分が良いんだ アグレス:そうなのか バラク:なんだろうな…最後に戦えたのがお前で良かった バラク:世界が広いことを知れた、この先自由なんてなくても何とかなる アグレス:それは噓だな バラク:…は? アグレス:いや、すまない。全てが噓と言いたい訳ではない アグレス:だが、お前のそれは、殆どが諦めから来ているだろう アグレス:そんな気持ちでは、何ともならないはずだ バラク:ふっ…はははははっ アグレス:ど、どうした バラク:いんや、俺は噓つきだからよ バラク:今までずっと噓ついて生きてきた バラク:そしてこの先も、それは変わらない バラク:でもまさか、初めてこれに気づいてくれたのが バラク:今日会ったばかりのお前とはな……… アグレス:そうなのか…お前の周りは随分と鈍感なんだな バラク:俺が噓つくの上手いんだよ馬鹿 アグレス:確かに、読みにくい目をしている アグレス:だが、そうだからこそ、目の揺らぎが分かり易い バラク:俺が話しかけた時なんやかんや言ってたが バラク:お前も大概だぜ? アグレス:癖なんだ、許してくれ バラク:まぁ、でもなんだ……最後に戦えたのがお前で良かったってのは本当だ バラク:もう会うことは無いと思うけど……俺の分まで自由に生きてくれ バラク:じゃあなアグレス アグレス:あっおい…… 0: 0: 0: アグレス:(M)あの試合の後、孤児院に戻り、ずっとあいつのことを考えていた アグレス:(M)何故だろう…もったいないと感じた アグレス:(M)今のあいつの環境は、昔の俺と似ている アグレス:(M)縛られ、ただ絶望しながら用意された道を歩くだけ アグレス:(M)そして、あいつはそれを当たり前のように、受け入れている アグレス:(M)そんなことは、あってはならない アグレス:(M)だから俺は、誰にも気づかれないように孤児院を抜け出し アグレス:(M)夜の街を全速力で駆けた 0: アグレス:はぁはぁ……オーディス家の屋敷はこの辺だったはず アグレス:あっ…(あそこか…なんてひどい訓練だ) アグレス:(あれは今日の帝国祭で負けた人たちか) アグレス:(凄惨だな…だがすまない今回はお前らではないんだ) アグレス:(バラクは……居た!) アグレス:(待ってろ、今連れ出してやる) アグレス:(M)俺は笑った。そして似合わない言葉を吐いた アグレス:さぁ祭りの続きと行こうか 0: バラク:はぁあ……だりぃなぁ バラク:めんどくせぇ…痛ぇ バラク:思いっきり殴りやがって バラク:絶対後で殴り返してやる バラク:いてて、うわぁこの痣残るな バラク:(M)俺は、訓練という名の、ただの憂さ晴らしと、体罰を終えて、自分の体を治療していた バラク:あのクソ女、少なくともこの体には価値が残ってるって、分かんないのかねぇ バラク:(M)自分の体を眺めながら、そんなことをぼやいてたら、窓からノック音が聞こえた バラク:あ…?ここ三階ですけどぉ誰の悪戯です…か……? バラク:うぇええええええええええええええええええええええ!? アグレス:バカ!うるさい!!バレるだろ!!! バラク:だって…えぇぇぇぇぇぇえええええ?? アグレス:三階の窓にいるのが、そんなに不思議か? バラク:それもそうだが、何でここに居んだよ!? アグレス:お前を連れ出しに来た バラク:は?何で…… アグレス:自由になるんだバラク・オーディス バラク:自由……?はぁ? アグレス:ちっもう追手が来たか アグレス:早くこっちに来い、逃げるぞバラク バラク:逃げる必要なんてねぇよ アグレス:何故だ? バラク:決めてんだ、このクソ下らねぇ人生を進むってよ バラク:今日少し喋った程度の関係で、人の人生に干渉すんじゃねぇよ アグレス:そうか… バラク:あぁ、だから、お前だけで帰れ アグレス:残念だ バラク:そうだな。二度と関わるな アグレス:お前の言うことを聞くつもりはない アグレス:残念だったな バラク:なっ!? アグレス:いいから早く来い バラク:何で…… アグレス:お前は自由になるべきだ アグレス:こんなゴミみたいな所で腐るな バラク:だけど…俺はこれ以外生き方を知らねぇ! バラク:今更自由になったところで……… アグレス:意外にめんどくさい奴だな バラク:…………… アグレス:俺が導いてやる アグレス:もう、友達みたいなもんだ アグレス:それ以上も、以下も、理由なんていらない バラク:友達……… アグレス:ああもう、時間がない アグレス:行くぞバラク! バラク:(M)そう言って、俺の手を強引に取ると、初めての夜の街に、連れ出された バラク:すげぇ……… バラク:夜って、こんなに綺麗だったのか アグレス:楽しいか? バラク:あぁ…最高だ! アグレス:そうか、なら連れ出した甲斐があるな バラク:へへっありがとな アグレス:いい顔だ バラク:そうか?そしたらお前のおかげだな アグレス:いきなり随分と素直になったもんだ バラク:俺もびっくりしてるさ バラク:なんだろうな…自由ってこんな感じなんだな アグレス:そうだな、何にも縛られず、やりたいことをする アグレス:お前は昼に、俺には自由がないって言ったな バラク:あー言ったっけ? アグレス:確かに、傍目から見たら自由ではないのかもしれない アグレス:だが、自由だったからこそ、選択できたんだ アグレス:自分の真にやりたい事を、何にも縛られずに選べる アグレス:それ以上の自由がどこにある バラク:お前の言いたいことはよく分かった バラク:昼のことを根に持ってることもな アグレス:俺は結構引き摺るタイプなんだ アグレス:覚えておくといい バラク:へいへーい バラク:それで今何処に向かってるんだ? アグレス:俺が住んでる孤児院だ アグレス:あそこは隠れ家としても最適だし アグレス:追っ手も簡単には来れない アグレス:安心出来る場所だ アグレス:ここを真っ直ぐ行けばじき着く バラク:ここを真っ直ぐ行ったら、すぐ着くんだな? アグレス:あぁそうだ バラク:…………… アグレス:ん?急に立ち止まってどうした バラク:なら俺はここまでだ アグレス:何言って…… バラク:まぁ待て バラク:お前の言ってくれたことは、すげぇ魅力的だ アグレス:なら何で…… バラク:そんないい所に行くには、まだ覚悟が足りない バラク:心も汚れすぎてる アグレス:そんなことないだろ バラク:いいや バラク:俺が納得できないんだ バラク:それにお前が言ったんじゃねぇか バラク:何にも縛られずに選択出来ることが、本当の自由だって アグレス:確かに言ったが…… バラク:大丈夫だ バラク:明日の朝必ずここに戻ってくる バラク:だから……待っててくれ アグレス:……………信用するぞ バラク:安心しろ バラク:『俺は約束を必ず守る男だ』 アグレス:分かった アグレス:待ってるからな アグレス:必ず戻ってこい バラク:あぁ任せろ! 0: 0: アグレス:(M)そして俺は怒られた アグレス:(M)先生とリネアネとサーシャに アグレス:(M)それはもう、想像を絶する程に怒られた アグレス:(M)さすがの俺も泣きそうになったぞ アグレス:(M)バラクの奴、これで来なかったら恨んでやるからな アグレス:(M)なんて八つ当たりじみたことを考えていたら アグレス:(M)遠くから一つの影が見えた バラク:よう…来たぜ アグレス:遅かったな アグレス:危うく八つ当たりする所だった バラク:ふざけんな バラク:仕方ねぇだろ?家を出るって言ったら バラク:屋敷にいる兵士全員倒したら、いいって言われたんだからよ バラク:これでも早いほうだ アグレス:確かに早いほうだな アグレス:では早速皆に… バラク:待て アグレス:何だ? バラク:お前の望みはなんだ? アグレス:望みか…そんなこと聞いてどうする バラク:俺が、付いていくに相応しいか、見極めてやる アグレス:そうだな…それでは先ずは自己紹介をしよう アグレス:俺の名前はアグレス・ログルス アグレス:現帝王、ジルメナスの息子だ バラク:………はぁ!? アグレス:安心しろ、あんなとこはとうに出てきた アグレス:そして、俺の望みだったな アグレス:俺の望みは アグレス:何の格差もない、街の端で誰かが涙することも アグレス:飢餓に苦しむこともない国を造る事だ アグレス:お目に適ったかな? バラク:…………… バラク:くっはは…あははははははははは アグレス:急にどうした? バラク:いやぁ。何でもない気に入った!! バラク:じゃあ、お前がその理想の王に成るとき バラク:俺が右腕としてサポートしてやんよ! バラク:よろしくなアグ!! 0: 0:現代 0: アグレス:おい、起きろバラク アグレス:こんな所で寝ていると、風邪をひくぞ バラク:……………ん、ふぁああ バラク:おはよぉアグレス、寝ちまってたか アグレス:襲われでもしたら、どうするつもりだ バラク:それはお前が守ってくれんだろ? アグレス:当たり前だ バラク:じゃあ大丈夫だな アグレス:はぁ…… バラク:そんで何の用だ? アグレス:何がだ? バラク:アグがこんな所に、俺を起こすためだけに来ないと思ってな アグレス:お前心友を何だと思ってる バラク:逆だ……心友だから分かるんだよ アグレス:っ……そうか アグレス:そうだよな バラク:……? アグレス:なあバラク バラク:何だ? アグレス:お前はあの約束覚えているか? バラク:当たり前だろ、忘れる訳ねぇ アグレス:でもお前は二度破った バラク:二度……? バラク:あぁそう言うことか、アグからしたら二度目なんだな アグレス:そうだ。約束は破らないと言った男が二度も破ったんだ バラク:それは悪かったって アグレス:いいや許さない アグレス:俺は根に持つタイプなんだ バラク:あーもう!どうしたら許してくれるんですかアグレス様! アグレス:………もう一度 アグレス:もう一度約束しろ アグレス:二度と俺の横から居なくならないと アグレス:そう……約束してくれ バラク:アグレス…… バラク:分かった バラク:俺はこの先、何があってもお前の横に立ち続ける バラク:理想とする王に成れるまで、右腕としてサポートする バラク:約束だ……お前の心友は『未来永劫お前の心友であり続ける』 アグレス:本当だな?もう居なくならないな? バラク:三度目の正直はねぇ バラク:永遠の約束だ アグレス:いいんだな?お前はこれで、俺に縛られる事になるんだぞ? バラク:そんなめんどくさい奴だったか? バラク:お前が言ったんだ バラク:縛られずに選択することが、真の自由だって バラク:好きで選んだんだ、不自由な訳ないだろ アグレス:そうか……そうだな アグレス:帰ろう俺たちの家に バラク:あぁ久々に二人で帰るか!

バラク:ふぁああ…なんだってこんな面倒なことしなきゃいけねーんだよぉ バラク:あのクソオヤジ、俺が優勝したら、無理なんだい押し付けてやる バラク:(M)年に1度開催される大会 バラク:(M)その名も帝国闘技剣舞祭。通称帝国祭 バラク:(M)名前そのまんまじゃねーかって?俺に言うなよ。初代バカ帝王に言ってくれ バラク:(M)ん?誰に話してるかって?知らねーよ。誰かの頭に直接語りかけてんじゃね? バラク:(M)てなわけで俺は、クソオヤジの指示で、その帝国祭に参加してるって訳 バラク:(M)しかも聞いてくれよ!16歳以下の出場とそれ以上の出場があってだな バラク:(M)まさかまさかの、以上の方にエントリーされてんのよ!俺15歳!!まじ意味わかんなくね!? バラク:(M)でさぁちょっと頑張ったのよぉ。そしたら、なんとなんと3回戦突破 バラク:(M)マジかよぉ俺強すぎね?って感じ バラク:(M)相手はガチモンの大人で、しかも近衛兵団所属とかもいるんですわぁ バラク:(M)やべぇ、自分の才能が怖すぎるわぁ・・・とかまぁ変なこと考えてたらさ バラク:(M)目の前に、顰めっ面で、飯食ってる同年代位の男がいたから、暇だし、次の試合まで、時間があるから、何となく、話しかけてみることにした バラク:よぉ アグレス:…… バラク:おい、そこのお前 アグレス:……? バラク:お前だよお前。そう顰めっ面で飯食ってるお前 アグレス:…何か用か? バラク:いやぁ、次の試合まで暇でさぁ・・・なんか話でもしようぜい アグレス:…初対面なのに凄いな バラク:ん?普通じゃねぇのか? アグレス:普通ではないだろう。初対面相手に、ここまで砕けられるのは バラク:そーゆーもんかぁ バラク:うちは名門で通ってるからなぁ。処世術みたいなもんだ アグレス:……名門か。王家に仕える、クズ共ってことだ バラク:はっはぁ!なかなかの言われようだなぁ バラク:俺の名前はバラク・オーディス バラク:オーディス家の末弟だ。んでもって俺はオーディス家が嫌いだ アグレス:そうなのか。なぜ嫌いなんだ? バラク:国の為だのなんだので、無理難題を押し付けてきやがる。自由なんてこれっぽっちもない バラク:そんな家を好きになれって方が難しいさ アグレス:確かにそうかもな バラク:そんで、お前はなんで、帝国祭に参加してるんだ? アグレス:腕試しの為だな。俺強くならなければいけないし、強くなくてはいけない バラク:ほーん…なんで強くなきゃダメないんだ? アグレス:守る為だ バラク:守る為?何を? アグレス:俺は孤児院にいる。その中でも年長なんだ。みんなの兄として、守らなくてはならない バラク:なるほどなぁー。お前にも、自由は無いわけだ アグレス:そんなことはない アグレス:俺は好き好んでやっている。お前と一緒にするな バラク:それは悪かったよ…んで、お前はどっちの参加なんだよ アグレス:16歳以上の方だ バラク:マジか!俺と同じじゃねーか!! アグレス:見たところ、15か16くらいだと思っていたが、歳上なのか バラク:いんやぁ、まだピチピチの15歳だよ! バラク:クソ親父の命令で、強くて面倒な奴らと、戦わされてる アグレス:それは、ご愁傷さまだな バラク:そーいうお前こそ、15くらいに見えるけどな アグレス:俺も15歳だ バラク:マジかよ!じゃあなんで16歳以上の方に出てんだ? アグレス:腕試しと言っただろう。同年代以下では相手にならないからな バラク:言うねぇー バラク:まだここにいるってことは、勝ってるってことだろ? アグレス:あぁ。大人も大したことないみたいだ バラク:じゃあ『どっかで当たるかもな』 バラク:そんときは容赦しねーからなぁ! アグレス:望むところだ バラク:んじゃ、俺次だから行ってくるぜ!! アグレス:うるさいヤツだ。さっさと行ってこい バラク:おう!また『喋ろうぜ!』 バラク:またなーー! アグレス:(不思議な奴だ。初対面だと言うのにここまで喋らされるとは…勝ってたらまた喋ってやろう) 0: 0: 0: バラク:(M)つーわけでなんとなんと、決勝戦まで来ちまったぜ バラク:(M)自分の才能が恐ろしいというか、なんと言うか バラク:(M)そういえば、あの後からあいつ見てないなぁ。どっかで負けたのか? バラク:(M)気が合いそうで結構気に入ってたんだけどなぁ バラク:(M)まぁしゃーないか。今は決勝に向けて集中しないと バラク:(M)次の相手は…おっ出てきた出てきた バラク:(M)名前はエックス?あークロスって言うのか バラク:(M)なんか体格的に、子供っぽいなこいつ… バラク:(M)決勝で楽できるなら、それでいいかー アグレス:なんだ決勝まで来てたのか バラク:うぇ!?お前だったのか! アグレス:そんなに驚くことでもないだろう。この大会のレベルを考えれば当然だ バラク:それはそうかもしんねーけど…て言うか、なんで仮面なんかしてるんだ? アグレス:…顔はあまり見せたくないんだ バラク:へぇなんか事情あんのな バラク:容赦はしねーけどな! アグレス:こちらのセリフだ。負けても文句を言うなよ… 0:3 0:2 0:1 バラク:いくぜぇ!!はぁあ!! アグレス:ふっ! バラク:おらぁ! アグレス:力任せの攻撃だな アグレス:はっ! バラク:うぉっと!うめぇなこんちくしょう! アグレス:こんなのに、負ける大人達とは。だいぶレベルが下がってるようだな バラク:うるせぇ!これしかできねーんだよ! アグレス:オーディス家は、国内でも指折りの名家だろ。剣を習わないのか? バラク:うるせぇ!稽古なんてつけてもらえねーんだよ!! アグレス:そうか、それは残念だな バラク:なにっ? アグレス:無駄な動きは多いが筋はいい アグレス:ちゃんとした人に教われば、俺の次くらいには、強くなれるだろう バラク:おいおい、まだ勝負はついてないってのに随分余裕だな! アグレス:そうだな。今のお前に、負ける未来は見えない バラク:なら負かしてやるよ!! バラク:先に言っておくぜ!お前は『次の攻撃は避けれねぇ』 アグレス:なに? アグレス:ぐっ!? バラク:どうだ!避けれなかったろ! バラク:(ちょっとずるいけど勝つためだ。悪ぃな!) アグレス:今のはギフトの力か? バラク:まぁバレちまうよなぁ バラク:そうさ、俺のギフトは【予測】 バラク:お前の行動を予測して、躱せない攻撃をしたのさ アグレス:…そうか【予測】か。なら対処は簡単だな バラク:なに? アグレス:もう一度使ってみろ。全て避けてやる バラク:はん!どうなっても知らねーからなぁ! バラク:お前は『次の攻撃は避けれねぇ』 バラク:おらぁ!! アグレス:はぁあ! バラク:なっなに!? アグレス:カラクリが分かれば簡単だ アグレス:予測されているなら、それを加味して動けばいい バラク:おいおいおいおいぃ バラク:そんなの普通できねぇだろ アグレス:経験を積めばこんなこと簡単だ バラク:お前人がギフト使ってやってる事普通にやんなよ!?ショックなんだか?? アグレス:そんなこと知るか アグレス:それで?これで振り出しだがどうする? バラク:決まってんだろ…当たるまで攻撃するだけだ!! アグレス:そうか…なら早々に終わらせてやろう バラク:言ってろ!! アグレス:本気で行かせてもらう…天祇灯嚥刃抜刀 バラク:うえ!?マジかよ アグレス:皇国流剣術一刀・飛燕! バラク:ぐっっ!って嘘だろぉ?刀折れちったんだけど!! バラク:こんなお遊びの業物じゃ、相手にならねーか バラク:俺も本気でいくぜぇ! バラク:天都琴嚥刃抜刀! アグレス:その刀は…試してみるか アグレス:皇国流剣術一刀・飛燕 バラク:同じ技が2度通じるかよぉ! アグレス:やはりその刀…… バラク:…なんだよ? アグレス:いやなんでもない アグレス:行くぞ アグレス:皇国流剣術二刀・刃隠 バラク:ちょっ!?なんだそれ!刀身がみえねぇ! アグレス:皇国流剣術三刀・陽炎 バラク:後ろ!?ぐあっ!! アグレス:勝負ありか バラク:おいおい、勝手に終わらせるなよぉ バラク:俺はなぁ、負ける訳には行かないんだよ バラク:自分の為にも、ここで負けたら、もう何も残らねぇ アグレス:そうか。でもそんなボロボロでまだ戦えるのか? バラク:舐めんじゃねぇ!ここからが本番ってやつよ! バラク:皇国流剣術三刀・陽炎!! アグレス:なに!?ぐっっ アグレス:なぜお前がその技を…… バラク:見様見真似は得意でなぁ バラク:真似させてもらった! アグレス:器用なやつだ アグレス:やはり勿体ないな…… バラク:あん?なんか言ったか? アグレス:なんでもない。早々に終わらせて、家に帰るとしよう バラク:やれるもんならやってみな!! 0: バラク:(M)まぁ、結果は分かるよな…… バラク:(M)完敗も完敗、大完敗 バラク:(M)情けなく地に背中をつけ大の字で寝てらぁ バラク:(M)でもなんでだろうなぁ…負けったってのに全く悔しくねぇや バラク:……ははっははははははははははははははっ アグレス:急に笑ってどうした? バラク:いやなんだろうな バラク:この大会で優勝出来なかったら、俺の人生は終わったようなもんなんだ アグレス:なに? バラク:元々自由なんぞないが、この先はより縛られた人生になるだろうな アグレス:それは……すまない バラク:バーカ バラク:謝るんじゃねーよ。今めちゃくちゃ気分が良いんだ アグレス:そうなのか バラク:なんだろうな…最後に戦えたのがお前で良かった バラク:世界が広いことを知れた、この先自由なんてなくても何とかなる アグレス:それは噓だな バラク:…は? アグレス:いや、すまない。全てが噓と言いたい訳ではない アグレス:だが、お前のそれは、殆どが諦めから来ているだろう アグレス:そんな気持ちでは、何ともならないはずだ バラク:ふっ…はははははっ アグレス:ど、どうした バラク:いんや、俺は噓つきだからよ バラク:今までずっと噓ついて生きてきた バラク:そしてこの先も、それは変わらない バラク:でもまさか、初めてこれに気づいてくれたのが バラク:今日会ったばかりのお前とはな……… アグレス:そうなのか…お前の周りは随分と鈍感なんだな バラク:俺が噓つくの上手いんだよ馬鹿 アグレス:確かに、読みにくい目をしている アグレス:だが、そうだからこそ、目の揺らぎが分かり易い バラク:俺が話しかけた時なんやかんや言ってたが バラク:お前も大概だぜ? アグレス:癖なんだ、許してくれ バラク:まぁ、でもなんだ……最後に戦えたのがお前で良かったってのは本当だ バラク:もう会うことは無いと思うけど……俺の分まで自由に生きてくれ バラク:じゃあなアグレス アグレス:あっおい…… 0: 0: 0: アグレス:(M)あの試合の後、孤児院に戻り、ずっとあいつのことを考えていた アグレス:(M)何故だろう…もったいないと感じた アグレス:(M)今のあいつの環境は、昔の俺と似ている アグレス:(M)縛られ、ただ絶望しながら用意された道を歩くだけ アグレス:(M)そして、あいつはそれを当たり前のように、受け入れている アグレス:(M)そんなことは、あってはならない アグレス:(M)だから俺は、誰にも気づかれないように孤児院を抜け出し アグレス:(M)夜の街を全速力で駆けた 0: アグレス:はぁはぁ……オーディス家の屋敷はこの辺だったはず アグレス:あっ…(あそこか…なんてひどい訓練だ) アグレス:(あれは今日の帝国祭で負けた人たちか) アグレス:(凄惨だな…だがすまない今回はお前らではないんだ) アグレス:(バラクは……居た!) アグレス:(待ってろ、今連れ出してやる) アグレス:(M)俺は笑った。そして似合わない言葉を吐いた アグレス:さぁ祭りの続きと行こうか 0: バラク:はぁあ……だりぃなぁ バラク:めんどくせぇ…痛ぇ バラク:思いっきり殴りやがって バラク:絶対後で殴り返してやる バラク:いてて、うわぁこの痣残るな バラク:(M)俺は、訓練という名の、ただの憂さ晴らしと、体罰を終えて、自分の体を治療していた バラク:あのクソ女、少なくともこの体には価値が残ってるって、分かんないのかねぇ バラク:(M)自分の体を眺めながら、そんなことをぼやいてたら、窓からノック音が聞こえた バラク:あ…?ここ三階ですけどぉ誰の悪戯です…か……? バラク:うぇええええええええええええええええええええええ!? アグレス:バカ!うるさい!!バレるだろ!!! バラク:だって…えぇぇぇぇぇぇえええええ?? アグレス:三階の窓にいるのが、そんなに不思議か? バラク:それもそうだが、何でここに居んだよ!? アグレス:お前を連れ出しに来た バラク:は?何で…… アグレス:自由になるんだバラク・オーディス バラク:自由……?はぁ? アグレス:ちっもう追手が来たか アグレス:早くこっちに来い、逃げるぞバラク バラク:逃げる必要なんてねぇよ アグレス:何故だ? バラク:決めてんだ、このクソ下らねぇ人生を進むってよ バラク:今日少し喋った程度の関係で、人の人生に干渉すんじゃねぇよ アグレス:そうか… バラク:あぁ、だから、お前だけで帰れ アグレス:残念だ バラク:そうだな。二度と関わるな アグレス:お前の言うことを聞くつもりはない アグレス:残念だったな バラク:なっ!? アグレス:いいから早く来い バラク:何で…… アグレス:お前は自由になるべきだ アグレス:こんなゴミみたいな所で腐るな バラク:だけど…俺はこれ以外生き方を知らねぇ! バラク:今更自由になったところで……… アグレス:意外にめんどくさい奴だな バラク:…………… アグレス:俺が導いてやる アグレス:もう、友達みたいなもんだ アグレス:それ以上も、以下も、理由なんていらない バラク:友達……… アグレス:ああもう、時間がない アグレス:行くぞバラク! バラク:(M)そう言って、俺の手を強引に取ると、初めての夜の街に、連れ出された バラク:すげぇ……… バラク:夜って、こんなに綺麗だったのか アグレス:楽しいか? バラク:あぁ…最高だ! アグレス:そうか、なら連れ出した甲斐があるな バラク:へへっありがとな アグレス:いい顔だ バラク:そうか?そしたらお前のおかげだな アグレス:いきなり随分と素直になったもんだ バラク:俺もびっくりしてるさ バラク:なんだろうな…自由ってこんな感じなんだな アグレス:そうだな、何にも縛られず、やりたいことをする アグレス:お前は昼に、俺には自由がないって言ったな バラク:あー言ったっけ? アグレス:確かに、傍目から見たら自由ではないのかもしれない アグレス:だが、自由だったからこそ、選択できたんだ アグレス:自分の真にやりたい事を、何にも縛られずに選べる アグレス:それ以上の自由がどこにある バラク:お前の言いたいことはよく分かった バラク:昼のことを根に持ってることもな アグレス:俺は結構引き摺るタイプなんだ アグレス:覚えておくといい バラク:へいへーい バラク:それで今何処に向かってるんだ? アグレス:俺が住んでる孤児院だ アグレス:あそこは隠れ家としても最適だし アグレス:追っ手も簡単には来れない アグレス:安心出来る場所だ アグレス:ここを真っ直ぐ行けばじき着く バラク:ここを真っ直ぐ行ったら、すぐ着くんだな? アグレス:あぁそうだ バラク:…………… アグレス:ん?急に立ち止まってどうした バラク:なら俺はここまでだ アグレス:何言って…… バラク:まぁ待て バラク:お前の言ってくれたことは、すげぇ魅力的だ アグレス:なら何で…… バラク:そんないい所に行くには、まだ覚悟が足りない バラク:心も汚れすぎてる アグレス:そんなことないだろ バラク:いいや バラク:俺が納得できないんだ バラク:それにお前が言ったんじゃねぇか バラク:何にも縛られずに選択出来ることが、本当の自由だって アグレス:確かに言ったが…… バラク:大丈夫だ バラク:明日の朝必ずここに戻ってくる バラク:だから……待っててくれ アグレス:……………信用するぞ バラク:安心しろ バラク:『俺は約束を必ず守る男だ』 アグレス:分かった アグレス:待ってるからな アグレス:必ず戻ってこい バラク:あぁ任せろ! 0: 0: アグレス:(M)そして俺は怒られた アグレス:(M)先生とリネアネとサーシャに アグレス:(M)それはもう、想像を絶する程に怒られた アグレス:(M)さすがの俺も泣きそうになったぞ アグレス:(M)バラクの奴、これで来なかったら恨んでやるからな アグレス:(M)なんて八つ当たりじみたことを考えていたら アグレス:(M)遠くから一つの影が見えた バラク:よう…来たぜ アグレス:遅かったな アグレス:危うく八つ当たりする所だった バラク:ふざけんな バラク:仕方ねぇだろ?家を出るって言ったら バラク:屋敷にいる兵士全員倒したら、いいって言われたんだからよ バラク:これでも早いほうだ アグレス:確かに早いほうだな アグレス:では早速皆に… バラク:待て アグレス:何だ? バラク:お前の望みはなんだ? アグレス:望みか…そんなこと聞いてどうする バラク:俺が、付いていくに相応しいか、見極めてやる アグレス:そうだな…それでは先ずは自己紹介をしよう アグレス:俺の名前はアグレス・ログルス アグレス:現帝王、ジルメナスの息子だ バラク:………はぁ!? アグレス:安心しろ、あんなとこはとうに出てきた アグレス:そして、俺の望みだったな アグレス:俺の望みは アグレス:何の格差もない、街の端で誰かが涙することも アグレス:飢餓に苦しむこともない国を造る事だ アグレス:お目に適ったかな? バラク:…………… バラク:くっはは…あははははははははは アグレス:急にどうした? バラク:いやぁ。何でもない気に入った!! バラク:じゃあ、お前がその理想の王に成るとき バラク:俺が右腕としてサポートしてやんよ! バラク:よろしくなアグ!! 0: 0:現代 0: アグレス:おい、起きろバラク アグレス:こんな所で寝ていると、風邪をひくぞ バラク:……………ん、ふぁああ バラク:おはよぉアグレス、寝ちまってたか アグレス:襲われでもしたら、どうするつもりだ バラク:それはお前が守ってくれんだろ? アグレス:当たり前だ バラク:じゃあ大丈夫だな アグレス:はぁ…… バラク:そんで何の用だ? アグレス:何がだ? バラク:アグがこんな所に、俺を起こすためだけに来ないと思ってな アグレス:お前心友を何だと思ってる バラク:逆だ……心友だから分かるんだよ アグレス:っ……そうか アグレス:そうだよな バラク:……? アグレス:なあバラク バラク:何だ? アグレス:お前はあの約束覚えているか? バラク:当たり前だろ、忘れる訳ねぇ アグレス:でもお前は二度破った バラク:二度……? バラク:あぁそう言うことか、アグからしたら二度目なんだな アグレス:そうだ。約束は破らないと言った男が二度も破ったんだ バラク:それは悪かったって アグレス:いいや許さない アグレス:俺は根に持つタイプなんだ バラク:あーもう!どうしたら許してくれるんですかアグレス様! アグレス:………もう一度 アグレス:もう一度約束しろ アグレス:二度と俺の横から居なくならないと アグレス:そう……約束してくれ バラク:アグレス…… バラク:分かった バラク:俺はこの先、何があってもお前の横に立ち続ける バラク:理想とする王に成れるまで、右腕としてサポートする バラク:約束だ……お前の心友は『未来永劫お前の心友であり続ける』 アグレス:本当だな?もう居なくならないな? バラク:三度目の正直はねぇ バラク:永遠の約束だ アグレス:いいんだな?お前はこれで、俺に縛られる事になるんだぞ? バラク:そんなめんどくさい奴だったか? バラク:お前が言ったんだ バラク:縛られずに選択することが、真の自由だって バラク:好きで選んだんだ、不自由な訳ないだろ アグレス:そうか……そうだな アグレス:帰ろう俺たちの家に バラク:あぁ久々に二人で帰るか!