声劇台本置き場

0： 0： ナレ：某月　金曜日 ナレ：有罪家にて ナレ：皆さんは、ご存じだろうか？ 父：母さん、明後日はキャンプに行こうと思うんだが…どうだろう？ 母：あら…良いじゃない！　先週も行った気がするけど、また行くの？ 父：楽しい事は何度でも共有するべきじゃないか！？ 母：そうねぇ…ふふふ… ナレ：一見幸せそうに見える一家に… ありす：ただいま～ 父：おっ…帰ってきたな！　ありす、明後日もキャンプに行くぞ～！　この前のキャンプ、楽しかったって言ってたもんな！ 母：全く…お父さんったら、子供みたいなんだから… ありす：え…またキャンプ行くの？ 父：は？ 母：…ありす、日曜日に何か予定でもあるの？ ありす：うん。 父：キャンプより大切な用事って何だ！？　下らない用事だったら、父さんがこのロープで解決してやるからな！ 母：まぁ…お父さんったら！ ナレ：笑い合う父と母を横目に… ありす：お父さんも、お母さんも、家に居ててほしいの。 父：それは… 母：一体どうして？ ありす：紹介したい人がいるから。 ナレ：波乱の予感が… 父：紹介したい人…だと…？ ありす：うん。　彼が、どうしても　お父さんとお母さんに会いたいって言うから… ナレ：巻き起こる！ 父：はぁぁぁぁぁぁ！　彼…だと！？　彼氏なのか！？ ありす：…うん。 父：母さん！ロープだ！ロープはどこだ！　そんな奴、ふん縛ってやる！ ありす：おとうさん！？ 母：大丈夫よ、ありす。　何かあったら、お母さんが守ってあげるから。 母：彼氏できて良かったわね　…で？その彼、何て名前なの？ ありす：椿堂好雄君って言ってね？ 母：ちんどう…よしお…くん？ ありす：そう、イケメンで優しくって…私の最高の彼氏なの！ 母：よすぃぃぃぃぃぃ…おおおおおおお… ありす：おかあさん！？ 母：ギゼイジジトゥゥゥゥ…ァァァァァァァ！！！ ありす：お父さんも、お母さんも、一体どうしちゃったの！？ ナレ：しかも、とんでもない方向に波乱が幕を開けてしまった！ 父：ロープだ！ロープだぁ！ 母：ワタシもセットで、セットなワタシ！ ありす：お父さん、お母さん！　落ち着いて！ 父：これが落ち着いて… 母：いられる訳が無いでしょう！ ありす：ひいっ！　好雄君を連れてくるの…また今度に… 父：ありす！　連れてきなさい！ 母：連れてきなさい、これは絶対よ！ ナレ：父と母の様子に不安を覚える、ありすであったが…有罪家訪問を言い出したのは、彼氏側！ ナレ：連れて来ない訳にはいかない！　どうする！どうなる！？有罪家よ！？ ナレ：その様子を、僭越（せんえつ）ながら、私○○（ご本人の名前で）が　お送りさせて頂きます。 ナレ：では始めましょう！ ナレ：「有罪家庭内裁判所」開廷いたします！ 0： 0： ナレ：二日後　某月　日曜日 0： ありす：た…ただいま～…　お父さん、お母さん、いるかなぁ…？ 0：間 ありす：いないのかなぁ…彼氏…来たんだけど… 0：間 好雄：ありすちゃん、どうしたの？　家族は？ ありす：いやぁ…一昨日から何だか様子がおかしくて…今日に至っては家が静まり返ってるのよね… 好雄：ありすちゃんの、お父さん、お母さんに気に入られなくっちゃね！　入っても？ ありす：う…うん、どうぞ。 好雄：お邪魔しま～す。 ありす：あ…好雄君、靴は適当に下駄箱に入れとく…ね… ナレ：下駄箱を開けた　ありすが見た者とは… ありす：ひぃっ！　おかあさん！？靴箱の中で何やってんの！？ 母：ありすの彼氏を、一番に見たいなって思って…ね…ふふふふふふ… 母：そちら好雄君？　あらぁ…イケメ… ありす：（靴箱の扉を閉めて）んんっ！ 好雄：ありすちゃん？　何かあったの？ ありす：ううん…何も…何もなかったの、何もいなかったの。 ナレ：この時　ありすは本気で空を仰ぎ、気を落ち着かせようとした。 ありす：どうしてこうなっちゃったかなぁ…？　はう！？ ナレ：だが、事はそこで終わらなかった！　仰ぎ見た　ありすの視線の先に居た者は！ ありす：おとうさん！？　天井の隅に張り付いて何してんのよ！？ 父：おかえり、ありす。 ありす：た…ただいま… 父：そこの男が、ありすの彼氏なんだね？　そうなんだね？　言わなくてもわかるよ、この間男が！ 好雄：初めまして、ありすちゃんの…お父さんですか？　よろしくお願いします。 父：お前に「お父さん」呼ばわりされる筋合いはない！ ありす：お父さん！？　いきなり何言ってんの！？ 父：私の事を、お父さんと呼んで良いのは、ありすだけだ！ 好雄：ありすちゃん、素敵なお父さんだね。 ありす：好雄君、大丈夫！？　何か…大丈夫！？ 父：まずは、そこの不埒者を拘束してくれる！　このアウトドアで培ったロープワークで…とうっ！ 好雄：え… ナレ：宙を舞う父の姿は、さながら獲物を捕らえる蜘蛛の如く！　一瞬のロープ捌きで好雄を捕らえる父！ 好雄：くっ！ ありす：好雄君！？　ちょっとお父さん！好雄君に何て事すんのよ！ 父：お父さんはな…ありすに害虫が付かないか、心配で心配で堪らないんだ！　分かってくれ！ ありす：分かんないよ！　だってほら！好雄君の顔見てよ！　縛られて顔が真っ赤になってるじゃない！　放してあげて！ 好雄：大丈夫だよ、ありすちゃん、こんなのへっちゃらさ！　むしろ気持ち良いくらいさ！ ありす：そんな強がり言って…お父さん！やめて！ ナレ：そこに靴箱から出てきた母参戦！ 母：そうよ！やめなさい！　好雄君が可哀想でしょ！？　ありす、好雄君の縄を解いてあげなさい。 好雄：ありがとうございます、ありすちゃんのお母さん… 母：お母さんなんて他人行儀な言葉は無しよ…？　不貞子（ふさこ）と呼んでちょうだい！ 好雄：ありがとう不貞子さん！ 母：良い子ね！ ありす：お母さん、ロープ解けたよ！ 母：好雄君！あなたの事は私が守ってあげるからね！ 父：ちょこざいな！　そんな害虫、この私が踏み潰してくれる！ 母：なるほど…意見の相違ね… 父：ならば、アレをやるしかないな！ 母：家庭内裁判！ 父：レディー…ゴー！ ナレ：ここで説明しなければなるまい！ ナレ：有罪一家では、意見の相違がある場合は家庭内裁判が勃発するのだ！ ナレ：父が勝てば、父の要求が通り　更にお小遣いアップ！　しかし母が勝てば、母の要求が通り　父のお小遣いダウンするデスマッチ！ ナレ：今回は、好雄君を認めるか否か！　さぁ！死力の限りを尽くして戦うのだ！ ありす：何これ！？　私こんなルール知らない！ ナレ：なお、ありすと好雄君は家庭内裁判初挑戦だ！　がんばれ！ ありす：噓でしょぉぉぉぉ！？ 0： 母：私から行かせてもらうわよ！ 父：ああ、構わん！　父親の愛を母親が屈せると思うなよ！？ 母：その言葉、そっくりそのまま返させてもらうわ！ 母：そもそも！　娘の幸せを願うのは親の務め！　そうじゃないのかしら！？ 父：異議あり！　まだ早い！早すぎる！ありすは高校生なんだぞ！？ 母：私は高校時代に何人もの男性と付き合ったわ。だから、あなたの様な素敵な男性と結婚することができた。　若いうちの恋愛は、決して無駄にはならない！ 母：そうよね、好雄くん、ありす！ ありす：さすがお母さん！分かってる！　ね、好雄君！ 好雄：若い内の恋愛…はい！　僕も今この瞬間、恋してますから！ ありす：裁判長！ 母：え…私？ ありす：はい！　一緒にあの分からず屋をコテンパンにしましょう！ 母：もちろんよ！　そして…あなた？お小遣いダウンの覚悟は良いかしら？ 父：異議あり！ ありす：ふっふっふ…お母さんの勝ちは揺るがないのに、異論をはさむなんて… 好雄：でも、ありすちゃん。　一方の意見しか聞かないなんて良くないよ？ 母：まぁ！　好雄君は、なんて優しい子なのかしら！？ 父：あー…言っても良い？ 母：検察、証言を許します。 父：そんなん言ってもさ…母さん、何回不倫したか覚えてる？ ありす：…え？　え！？　え！！ 母：私は…不倫なんて…そんな… ありす：証拠！　そう！証拠はあるの！？　お父さん！ 父：こっそり後を追って、この写真を手に入れたんだ！　この男と…ホテルに入っていく写真を！ ありす：お父さん！ちょっと貸して！　…ホントだ…あれ…この相手の人って…？ 好雄：異議あり！ ありす：まさかの好雄君！？ 好雄：お父さんの写真… 父：ちょっと待ちなさい！　改めて言うが、好雄くん！君にお父さん呼ばわりされる謂れは無い！　私の事は監視（かんじ）と呼びなさい！ 好雄：えっ！？　…でも… 父：構わん！　私の事は名前で呼ぶがいい！ 好雄：…はい！ 母：それで…好雄君、異議とは？ 好雄：はい、僕も写真を持ってるんです。 母：何の写真かしら？ 好雄：お父さん…いえ、監視さんが自宅の風呂を隠し撮りしている写真です。 好雄：ありすちゃんに会えるかな…ってこの家の前まで来たら…そう昨日です。　監視さんが、風呂を覗いていたんです。手には一眼レフを持って！ 母：それは…何時ごろの事ですか？ 好雄：ケータイのカメラで撮りましたので…少し待ってください…　午後８時３２分です。 ありす：へぇ…？ 父：あ…ありす…お父さんをそんな目で見るな…？ ありす：その時間、お風呂に入ってたの私なんですけど…？ 父：待て、ありす！　話せばわかる！ ありす：話す余地なんてないよねぇ！？　私がお風呂入ってる所を盗撮してたんだもんね！？　お父さん最低！ 父：ホントに待って！ありす！私を嫌わないで！ ありす：さっき好雄君を害虫って言ってたけど、本物の害虫はお父さんじゃない！？ 母：あなた…私と言う物がありながら… 父：お前だって、不倫してるんだから、偉そうな事言えないだろうが！？ 母：我が子を、そんな目で見るなんて… 好雄：この事実より、監視さんは極度のドタコンなのではないかと思われます。 ありす：…へぇ… 0： 0：間 父：はいはい！その通りですよ！　私は、ありすの事が大好きです！　それこそ結婚したいくらいに！ 好雄：理由を聞いても…良いですか？ 父：ああ…　そう、あれは十年前のある日… ナレ：十年前 父：ありす？　ありすは将来何になりたいんだ？ ありす：んっとね…お父さんの、お嫁さんになりたい！ 父：あーりーすぅー！　結婚しようねぇぇぇー！ ありす：お父さんの、お嫁さん…嫁さん…さん…ん… ナレ：これにて回想を終わるが…　想像以上に、しょうもない理由であった！ 父：…って！ありすが言ったから、私信じたんだもん！　ありすと結婚するもん！ ありす：お父さん… 父：あ…ありす…？ ありす：無理！ 父：何で？ ありす：私達親子なんだよ？　親子愛を恋愛が越えられる訳無いじゃない。お父さんは、恋人よりも上の存在なんだよ！ 父：ありす！ ありす：そういう風に思ってる部分も確かにあるけど、本音は足が臭いし、加齢臭もキツい、私のお風呂を覗く最低な父親に正直、反吐が出そうです。端的に言うと嫌いです。 父：ぞ…ぞんな酷い事…言わなくだって…いいじゃん…　あああああああぁぁぁぁぁぁ… ナレ：ありすは父親にトドメを刺した！ 好雄：監視さん…そんなに落ち込まないで下さい。　きっと良い事ありますから。 父：好雄君…君は…何でそんなに優しいんだ！？　私は、君の事を害虫だと言い放ったのに… 好雄：落ち込んでる人を励ますのに、理由なんていりませんよ。 父：よ…好雄くぅぅぅぅん！ ナレ：今ここに、男同士の友情が芽生えようとしていた！ ナレ：そして父は、不死鳥の如く甦える！ 父：そうだ……私はありすが心の底から大事なんだ！ ありす：もっと普通の父として大事にしてください。 父：ぐっ……！　なら普通の父らしく、言っておかねばならないことがある！ ありす：え？ 父：ありす、お前にはまだ……まだ黒は早いと思うんだ！！ 母：黒？ 好雄：黒？ ありす：黒？　…………は、え、きゃぁあああ！！！ 父：大人ぶるのはいい、だが、黒は扇状的すぎるぞ！！ ありす：そんなのお父さんに関係ないでしょ！？ 父：昔は白だったじゃないか！ ありす：わーー！！　わーー！！　わーー！！ 父：まだありすには黒は早い！　昔履いてた　くまちゃんにしなさい！！ ありす：もう黙ればかぁーー！！！ ナレ：混沌である！ ナレ：暴露されたありすも、燃え上がる父も、もはや歯止めが効かなかった！ ナレ：これを止めたのは……母であった！ 母：ありす、あなた、落ち着きなさい。 ありす：でも！ 父：でも！ 母：大丈夫よ　ありす……あなた、むこう半年お小遣いは無しよ 父：な、なぜ！？ 母：これ以上好雄くんに恥をさらす前に黙りなさい。 好雄：あ、あはは…… 父：しかし…… 母：あら、お小遣いいらないのかしら？ 父：ゴメンナサイ…… 母：好雄くん、ごめんなさいね？　ちょっと旦那に教育的指導をするから、また次の時に話しましょう？ 好雄：あ、でも…… 母：いいのよ、いつでも来てくれていいんだから…… ナレ：だが、それを遮ったのは…ありすであった！ ありす：異議あり。 母：あ…ありす？　何かあるのかしら？ ありす：あります。先ほどとあわせて突き付けたい証拠があります。 母：どうぞ。 ありす：さっきの、お父さんが撮った、お母さんの不倫現場の写真…　お母さんの隣に居るの…好雄君だよね？ 好雄：…っ！？ ありす：好雄君…どゆこと？ 好雄：ええと…非常に言いにくい事なんだけど… ありす：お母さんは？　何か申し開きある？ 母：その…不倫して、すみませんでした。 ナレ：母は、娘にこれ以上なくキレイな土下座をして見せた！ ありす：…で？　好雄君、何で　お母さんと不倫していたのか教えてくれる？ 好雄：不貞子さんと不倫したのは…この、有罪一家に近付きたかったからなんだ！ ありす：…えっ？ 好雄：そう…この一家に、僕の好きな人が居たからなんだ！ ありす：好雄君…それって… 好雄：ああ…そうだよ！　そうなんだよ！ ありす：よーしーおーくーん！ 好雄：あーりーすーちゃーん！ ナレ：今正に、紆余曲折あった事象が、元に戻ろうとしていた！ 好雄：僕が本当に好きなのは…ありすちゃん！ 好雄：…の！　お父さん！ ありす：へー… 母：へー… ナレ：呆れ返った母と娘！ 好雄：ありすちゃん、僕をお父さんに紹介してくれてありがとう！　不貞子さん、監視さんに繋がらなかったけど…ありがとう！　二人ともドンマイ！ 好雄：監視さん！　さぁ！いっぱい愛し合いましょう！ 父：ちょちょちょ！　ちょっと待て！　なぜ私なんだ！？ 好雄：僕…キャンプの時に見た、監視さんの姿に惚れちゃったんです。 好雄：ロープ一本で熊に襲われていた僕を助けてくれた…　だから、僕は監視さんに一生を捧げる事を決めたんです！ 父：そんなバカなぁぁぁぁ！ 0： ナレ：そう、あれは五年前のことである！ ナレ：椿堂好雄は何故か急に山へ行きたくなった ナレ：なんの前触れもなく、唐突に「あ、あの山に行かなければ」と思ったのだ！ 好雄：何故だろう、無性にあの山に行きたい気がするぞ！ ナレ：椿堂好雄、当時11歳の出来事であった 好雄：こっちの方で何かが僕を待っている気がするぞ……うわぁ！？ 好雄：こんなところに不自然に切り立った崖が！？ ナレ：好雄は不自然に切り立った崖になぜか気づかず落ちてしまった！ 好雄：いつつ……よかった、怪我はなさそう……うわぁ！？熊！？ ナレ：十メートルほど自由落下したにもかかわらず一切の怪我が無かった好雄であったが、不幸はまだ終わらない！ ナレ：崖のど真ん中といういかにも住みづらそうな場所に巣穴を作った熊と遭遇してしまったのである！ 好雄：に、逃げなきゃ……！ ナレ：するとそこに、新たな人影が！ 父：食料ゲットォォオオオオオオ！！！！！！ ナレ：そう、誰あろう、父である！！！ 父：オルァアアアア！！！ ナレ：背後からの奇襲で熊を締め落とす姿はまさに鬼神の如く！ 好雄：す、すごい…… 父：はっはっは！ありすにいい土産ができたな！ 好雄：あの、助けてくれてありが…… 父：待ってろありす！パパはすぐ帰るからなぁあああぁぁ………！！！ ナレ：これが、全ての始まりであった！ 0： ナレ：これを機に、好雄は監視のことを調べ上げた！ ナレ：ある時は不倫関係の女から話を聞き 0：不倫現場 好雄：ねぇ、不貞子さん 母：どうしたの、よしくん…？ 好雄：その……旦那さんって、どんな人なの？ 母：あら？　ふふっ嫉妬？ 好雄：うん……僕、知りたいんです、どんな人なのか…… 母：そうねぇ、娘のことになるとよく暴走する暴れ馬、いえ、暴れ熊みたいな感じかしら？ 好雄：娘さんが、大事なんですね 母：ええ、あの子は可愛いから……ねぇ、よしくん？　今はあの人の事なんていいの 母：お願い、よしくんで私を溺れさせて……？ 好雄：不貞子さん…… 母：もう一回戦、しましょ？ ナレ：ある時は、恋人から 0：学校 好雄：ありすちゃんのお父さんってどんな人なの？ ありす：えー？ちょっと過保護でキャンプ行った時にはしゃぎすぎちゃう所はあるけど、多分普通だよー 好雄：ありすちゃんのこと大事なんだよ、いいお父さんじゃない ありす：あ、でも熊を狩ってくるのはやめてほしい、美味しくないから 好雄：やっぱり熊……！ ナレ：好雄は確信した！ ナレ：監視が自分の運命の相手だと！ 0：回想終わり ありす：気のせいだよ！？ 好雄：ありすちゃん、ごめん…… 好雄：でも、もうこの気持ちは止められないんだ！ ありす：えぇ〜…… 母：好雄くん！私との蜜月は偽りだったっていうの！？ ありす：そこは偽りであって！？ 好雄：不貞子さんが悪いんじゃないんです……監視さんが素敵すぎるんです……！ 父：よ、好雄くん……！ ありす：お父さんほだされないで！？ ナレ：思い返せば、そう！ ナレ：家に来た時から好雄は様子がおかしかった！ ナレ：あの縛られた時も！ 好雄：ん……！お父さん……♡ちょっと……きつい……です♡ 0： ありす：言ってなかったよ！？ ナレ：裁判中でも！ 父：構わん！　私の事は名前で呼ぶがいい！ 好雄：…はい♡ 0： ありす：こんな声じゃなかったよ！？ ナレ：常に好雄は監視のことを意識していたのである！ ありす：どうしよう、自分の記憶に自信が持てなくなってきた…… 好雄：大丈夫だよ、ありすちゃん ありす：あ、好雄くん…… 好雄：僕が、みんなまとめて幸せにしてあげるから！ ありす：みんな！？ 0： 0：間 ナレ：こうして、有罪家庭内裁判所は閉廷した ナレ：このあと多少すったもんだがあったが、おおむね丸く収まったとされている ナレ：ここではその後の彼らがどうなったかを、少しだけ記録に残す ナレ：有罪ありす ナレ：大学卒業後に結婚、相手は定かではない ナレ：有罪不貞子 ナレ：夫、監視と離婚後、すぐに再婚、相手は定かではない ナレ：有罪監視 ナレ：妻、不貞子と離婚後、すぐに同性婚、相手は定かではない ナレ：椿堂好雄 ナレ：大学卒業後に日本で初めての多重婚を成す ナレ：相手には同性も含まれているらしいが、定かではない ナレ：定かではないったら、ない！