台本概要

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タイトル 雪の降る日に、君に恋をした。
作者名 雪狐  (@yukikitsune_vg)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 1人用台本(女1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 雪の降る日、それは二人がもう一度巡り逢う場所。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
雪恋 3 読みは「あられ」。雪の降る夜、君に恋をした。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
 :  0:雪の降る日に、君に恋をした。  :  雪恋:君は笑顔がとても柔らかい人だった。 雪恋:気付けばこの世界にいた私に、君は屈託もなく笑いかけてくれた。 雪恋:とても暖かくて、優しい人だった。 雪恋:記憶がなく、困っていた私に声をかけてくれた。 雪恋:名前のない私に、名前をくれた。 雪恋:思い出すまでの間、一緒に居てくれるって約束してくれた。 雪恋:  雪恋:二人の時間はとても穏やかで、幸せに過ぎていった。 雪恋:この時間が永遠に続くと信じていた。 雪恋:  雪恋:だけど夏が近づくにつれて、私の身体に異変が起き始めた。 雪恋:少しずつ、何かに蝕まれている感覚だった。 雪恋:そして、私の正体を思い出していった。 雪恋:  雪恋:向日葵が咲き始めた夏の夜。 雪恋:穏やかな寝息を立てる君の頬に口づけをして。 雪恋:私は君の前から姿を消した。  :  0:蝉の鳴く夏、君にさよならを。  :  雪恋:決意して、別れを告げて。 雪恋:君を置き去りにして。 雪恋:それなのに…。 雪恋:あぁ…消えたくないな。 雪恋:また君から手を伸ばして、私を求めてくれる日は来るのかな? 雪恋:ごめんね、私の身体は半分以上、ボロボロになっちゃった。 雪恋:もう一緒にいられる時間は残ってないんだ。 雪恋:痛みには慣れてたはずだったんだけどな。 雪恋:君のそばに居て、私も人間になりたいなんて思っちゃったのかな。 雪恋:…少し長居し過ぎちゃった。 雪恋:人じゃないのに、人で在りたくて。 雪恋:人のフリして君に近づいて。 雪恋:冬に出逢えて…私の季節に逢えてよかった。 雪恋:  雪恋:最期に私の正体を教えておくね。 雪恋:私は「雪女」だから。 雪恋:この夏には溶けて消えちゃうの。 雪恋:  雪恋:溶けて消える前に、君に抱きしめてもらいたかったな。 雪恋:何も言わずに君の前からいなくなった私を…怒ってるかな。 雪恋:こんな姿、君には見せられないから。 雪恋:綺麗な私だけ覚えていて欲しいから。 雪恋:指先は少しずつ消えはじめている。身体も少しずつ消えていく。 雪恋:ねぇ、この心は残るかな?消えちゃうのかな? 雪恋:君のことが、大好きだって言う、この想いも消えちゃうのかな…。 雪恋:  雪恋:走ってくる音が聞こえる。 雪恋:近くに人の気配がする。 雪恋:君が私を呼ぶ声が聴こえる。 雪恋:聴いたことないくらい、真剣で焦った声。 雪恋:こんな姿見せたくなかったから、こっそり居なくなったのに。 雪恋:なんで来ちゃうかなぁ…なんで…。 雪恋:半分くらい消えた私の身体を抱きしめて、君は「ごめん」って呟いた。 雪恋:消えそうな、涙の滲む声で。 雪恋:消えるのは私なのに…。 雪恋:  雪恋:残された僅かな時間で、君とたくさんおはなしをした。 雪恋:残された時間を惜しむように。 雪恋:どんどん私の身体が薄くなっていく。 雪恋:君の温もりもわからなくなっていく…。 雪恋:「雪女」なのに変だよね?君の温もりが好きだなんて。 雪恋:…もしも、もしもだよ?また次の冬がやってきて。 雪恋:私の心が残っているなら。 雪恋:そのときは、今まで以上に愛してくれるかな? 雪恋:君はきっとぐしゃぐしゃな顔をしながら、返事をしてくれたんだと思う。 雪恋:ごめんね…もう消えちゃう。 雪恋:ずっと、ずっと一緒に居たかったよ…。  :  0:時は過ぎ、ある雪の降る日。  :  雪恋:私は気付けばこの世界にいた。いつからここにいるんだろう? 雪恋:あれから、どれくらいの時が経ったんだろう…。 雪恋:君はまだ私のことを憶えているのかな…。 雪恋:もう、忘れちゃったかな。 雪恋:今もまだ、あの笑顔は見られるかな。 雪恋:大好きな声は聴けるのかな。 雪恋:  雪恋:遠くに人の気配がする。 雪恋:冬なのに暖かくて、優しい気配がする。 雪恋:あなたがつけてくれた、私の名前が聴こえる。 雪恋:  雪恋:「雪の降る日に君に恋をした。だから君のことは雪恋(あられ)と呼んでもいいかな?」 雪恋:  雪恋:此処は君と初めて逢った場所。 雪恋:私が最期を迎えた場所。 雪恋:  雪恋:そして、二人がもう一度巡り逢う場所。

 :  0:雪の降る日に、君に恋をした。  :  雪恋:君は笑顔がとても柔らかい人だった。 雪恋:気付けばこの世界にいた私に、君は屈託もなく笑いかけてくれた。 雪恋:とても暖かくて、優しい人だった。 雪恋:記憶がなく、困っていた私に声をかけてくれた。 雪恋:名前のない私に、名前をくれた。 雪恋:思い出すまでの間、一緒に居てくれるって約束してくれた。 雪恋:  雪恋:二人の時間はとても穏やかで、幸せに過ぎていった。 雪恋:この時間が永遠に続くと信じていた。 雪恋:  雪恋:だけど夏が近づくにつれて、私の身体に異変が起き始めた。 雪恋:少しずつ、何かに蝕まれている感覚だった。 雪恋:そして、私の正体を思い出していった。 雪恋:  雪恋:向日葵が咲き始めた夏の夜。 雪恋:穏やかな寝息を立てる君の頬に口づけをして。 雪恋:私は君の前から姿を消した。  :  0:蝉の鳴く夏、君にさよならを。  :  雪恋:決意して、別れを告げて。 雪恋:君を置き去りにして。 雪恋:それなのに…。 雪恋:あぁ…消えたくないな。 雪恋:また君から手を伸ばして、私を求めてくれる日は来るのかな? 雪恋:ごめんね、私の身体は半分以上、ボロボロになっちゃった。 雪恋:もう一緒にいられる時間は残ってないんだ。 雪恋:痛みには慣れてたはずだったんだけどな。 雪恋:君のそばに居て、私も人間になりたいなんて思っちゃったのかな。 雪恋:…少し長居し過ぎちゃった。 雪恋:人じゃないのに、人で在りたくて。 雪恋:人のフリして君に近づいて。 雪恋:冬に出逢えて…私の季節に逢えてよかった。 雪恋:  雪恋:最期に私の正体を教えておくね。 雪恋:私は「雪女」だから。 雪恋:この夏には溶けて消えちゃうの。 雪恋:  雪恋:溶けて消える前に、君に抱きしめてもらいたかったな。 雪恋:何も言わずに君の前からいなくなった私を…怒ってるかな。 雪恋:こんな姿、君には見せられないから。 雪恋:綺麗な私だけ覚えていて欲しいから。 雪恋:指先は少しずつ消えはじめている。身体も少しずつ消えていく。 雪恋:ねぇ、この心は残るかな?消えちゃうのかな? 雪恋:君のことが、大好きだって言う、この想いも消えちゃうのかな…。 雪恋:  雪恋:走ってくる音が聞こえる。 雪恋:近くに人の気配がする。 雪恋:君が私を呼ぶ声が聴こえる。 雪恋:聴いたことないくらい、真剣で焦った声。 雪恋:こんな姿見せたくなかったから、こっそり居なくなったのに。 雪恋:なんで来ちゃうかなぁ…なんで…。 雪恋:半分くらい消えた私の身体を抱きしめて、君は「ごめん」って呟いた。 雪恋:消えそうな、涙の滲む声で。 雪恋:消えるのは私なのに…。 雪恋:  雪恋:残された僅かな時間で、君とたくさんおはなしをした。 雪恋:残された時間を惜しむように。 雪恋:どんどん私の身体が薄くなっていく。 雪恋:君の温もりもわからなくなっていく…。 雪恋:「雪女」なのに変だよね?君の温もりが好きだなんて。 雪恋:…もしも、もしもだよ?また次の冬がやってきて。 雪恋:私の心が残っているなら。 雪恋:そのときは、今まで以上に愛してくれるかな? 雪恋:君はきっとぐしゃぐしゃな顔をしながら、返事をしてくれたんだと思う。 雪恋:ごめんね…もう消えちゃう。 雪恋:ずっと、ずっと一緒に居たかったよ…。  :  0:時は過ぎ、ある雪の降る日。  :  雪恋:私は気付けばこの世界にいた。いつからここにいるんだろう? 雪恋:あれから、どれくらいの時が経ったんだろう…。 雪恋:君はまだ私のことを憶えているのかな…。 雪恋:もう、忘れちゃったかな。 雪恋:今もまだ、あの笑顔は見られるかな。 雪恋:大好きな声は聴けるのかな。 雪恋:  雪恋:遠くに人の気配がする。 雪恋:冬なのに暖かくて、優しい気配がする。 雪恋:あなたがつけてくれた、私の名前が聴こえる。 雪恋:  雪恋:「雪の降る日に君に恋をした。だから君のことは雪恋(あられ)と呼んでもいいかな?」 雪恋:  雪恋:此処は君と初めて逢った場所。 雪恋:私が最期を迎えた場所。 雪恋:  雪恋:そして、二人がもう一度巡り逢う場所。