台本概要

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タイトル ドМやかん
作者名 Sui@シナリオライター  (@fM1KaY5J95ORcNN)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(女1、不問1)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 OLの苛辣そしり(からつ そしり)が自宅に帰ってくると何か…やかんが喋ってる!
しかもドМだった!
さらに叩けば黄金を出す…だと!?
どうする!? どうなる!? 苛辣そしり(からつ そしり)!!
そして、やかんは一体どうなってしまうのか!?
そんなコメディーです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
そしり 124 名前:苛辣そしり(からつ そしり) 女性。平凡なOL。ツッコミポジ。
やかん 不問 120 本名:ヤクト・カイン・ングトゥール82世 しかし見た目は、どこにでもある「やかん」。 異世界から精神を飛ばして転生した「やかん」。喋れる。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:そしり、自宅に帰ってくる。 そしり:ただいまー… って、誰もいないの知ってるけどさ… そしり:こう…何ていうか… やかん:お帰りなさいませ、お嬢様。本日もお勤めご苦労様です。 そしり:そうそう、こう言う労いの言葉が欲しくなるもんでしょ? やかん:こんな夜遅くまで、お疲れ様です。 やかん:どうぞ、ごゆるりと お休み下さい。 そしり:ありがとう…って誰だよ! 0:そしりに緊張感が走る。 そしり:誰? …誰かいるの!? やかん:はいはい、ワタクシ!ワタクシめがおります! やかん:そう、この雑多としたワンルーム、少々散らかった部屋の中! あなたの御傍(おそば)にワタクシおります! そしり:散らかった部屋とか、余計なお世話だよ! やかん:おや…ワタクシが、何処にいるか分からない!? やかん:では、お教えいたしましょう。 やかん:まず人差し指を前に出して、正面を指さしましょう! そしり:…はい指しました。 やかん:そして、そのまま左向け左。 そしり:左に向きました。 やかん:そのまま腕を30度ほど下に向けると…何を指さしていますか? そしり:やかんです。 やかん:それがワタクシです。 そしり:うそだぁ… やかん:では、そのやかんに耳を近付けて… そしり:ふんふん(耳を近付ける) やかん:(大声で)どーもー!やかんでーす! そしり:うるせぇ! 耳がキーンとしたわ! 何すんだよ!(叩く) やかん:はふん!(ちょっと感じてる) やかん:…どうでしょう…信じて頂けましたか? そしり:はふん? …いや…まぁ…信じるしかないみたいだけど… やかん:では、ワタクシの存在を認識して頂いた所で、自己紹介なんぞを… やかん:ワタクシ名前を「ヤクト・カイン・ングトゥール82世」と申しまして、ここで言う所の異世界「ナンブ・テッキ」より転生してまいりました。 やかん:ワタクシの名前を呼ぶ時は、どうぞ「ヤクト・カイン・ングトゥール82世」の頭文字を、それぞれ取って「やかん」とお呼び下さい。 そしり:そのまんまでしょ!(叩く) やかん:ひょん!(ちょっと感じてる) やかん:…それで…アナタのお名前は? そしり:私? 私は苛辣そしり(からつ そしり)OLやってます。 やかん:そしりさん!…いいお名前ですねぇ… やかん:これから共同生活を行うにあたって、ワタクシに都合のいい予感が致します! そしり:共同生活? やかん:はい。 そしり:誰と誰が? やかん:ワタクシやかんと、そしりさんが…です。 そしり:ほうほう、なるほど… 0:と言って、やかんを持って玄関に向かう、そしり。 やかん:ちょっと待って、ワタクシを持ち上げて…ハァハァ…強引に…何をなさるつもりですか!? そしり:いや、捨てるけど? 明日は燃えないゴミの日だし、キモイし。 やかん:ゴミ扱い!?キモイ!? …ハァハァ…お待ちください! やかん:ワタクシ、素晴らしい能力があるんです! きっとお力になれます! うまい話があるんです! 一口乗って下さい! そしり:詐欺師の常套句みたいな事言ってるね(叩く) やかん:きゃぽん!(ちょっと感じてる) やかん:いや、これホント! 異世界転生のあるあるで、特殊能力が身に付くやつ! アレあるんですよ! ホント見たらビックリしますから! そしり:一応聞いてあげるけど…どんな能力よ? やかん:気持ちが昂ると、黄金を出せます! そしり:昂ると…出るの? やかん:出ます! そしり:18金? やかん:いえいえ…24金。 0:間 そしり:ちょっとやってみて。 やかん:あ…興味がおありで? そしり:いいから、やって。 やかん:しかしですね… それには、そしりさんの協力が不可欠なんです。 そしり:え…? 何をすればいいの? やかん:…叩いてください! そしり:何言ってんの!? 磨くとかじゃないのかよ!? やかん:さぁ、叩いてください!ぶって下さい! ワタクシの気持ちを昂揚させる為に! そしり:何か気持ち悪い! やかん:そんな事言わずに!さあ! そしり:ホントに出すのね? 黄金? やかん:もちろんです! やかん、ウソつかない! そしり:そもそも、やかんは喋らにけどね? やかん:さぁどうぞ! ひと思いに! そしり:じゃぁ… そしり:えい(叩く)…えい(叩く)…えい(叩く)えい(叩く)えい(叩く)えい(叩く)えい(叩く)えい(叩く) 0:しばらく叩き続けるそしり。同時にやかんが… やかん:おふぅ!ほんっ!はふぅ!(かなり感じてる) やかん:あぁ…叩いてくださいと言ったものの、一発しか叩いてもらえないかと思っていたのに… やかん:まさかの連打!連打でございますよ! やかん:しかも、凹まない程度の適度な力加減!これは…これは…たまらん! やかん:出ます!黄金が!カーーーーーー… ぺっ!(吐き出す) そしり:うわ…何か出た! なんだかバッチイ… やかん:はぁ…はぁ…出たばかりの黄金は…ワタクシの熱で溶ける程の高温となっております。 取り扱いには…ご注意を… 0:短い間 そしり:そろそろ冷えたかな…うわ… やかん:いかがでしょう? そしり:本当に金だよ…スケールで重さを調べて…20グラム… そしり:え? 今の金の買取レートが1グラム約7000円だから…14万!? そしり:こんな物が…こんな物が!? やかん:如何でしょう? お役に立てますか? 共同生活をお許し願えますか? そしり:いやぁ…うん… やかん:…14万… そしり:あぁ…分かったわよ、ここ住んでいいから! やかん:ありがとうございます。ありがとうございます! やかん:このお礼は、必ずさせて頂きます! …ですので… やかん:はぁ…はぁ…もっとワタクシを、可愛がって下さい! やかん:さぁ、行きましょう! 今すぐ!そう!今すぐに! そしり:…いや…疲れたし眠いから明日ね。 やかん:早速の放置プレイ! これからと言う期待感だけ持たせて…放置プレイ! やかん:はぁ…はぁ…たまりません…たまりませんなぁ! カーーーーー… そしり:あ、待って。 やかん:何でしょう? はぁ…はぁ… そしり:アンタの出す黄金で床とかカーペットが焦げそうだからさ… そしり:(皿を置く)黄金を出すときは、ここに出しなさい。 やかん:刺身醤油の皿! …小さい!あまりにも小さい! 正確に、ここに出せと!? そしり:少しでも零したら…凹ますからね? じゃ、おやすみ。 やかん:こんな無茶な事を…しかし…ワタクシは幸せです! やかん:ありがとうございます! ごちそうさまです! …ぺっ! そしり:ごちそうさまなのに…出すのかよ… やかん:はふぅん! …ぺっ! 0:その夜… そしり:(N)その日は、何だか隣から「はぁ…はぁ…」と、妙な声が聞こえ続けたせいで、あまり眠れなかった。 そしり:次の日…寝不足な私が見た物は… 0:そして夜が明けた… そしり:おはよ…はぉ!!! やかん:はぁ…はぁ…こんなに待たせるなんて… やかん:ワタクシ、何度も…たまらず黄金を出してしまったではありませんか!? そしり:え…ウソ…皿が黄金で山盛りになってる… やかん:苦労しました…一滴たりとも零さないように…ワタクシ頑張りました! やかん:ですから…ですから! どうぞワタクシめに、ご褒美を! そしり:ちょっと待って…この金の重量は…150グラム!? やかん:ご褒美を期待するワタクシを、またしても放置!? やかん:何という豪胆さ! 何という集中力! そしり:えと…計算すると…105万円!? そしり:はぁ…はぁ…何故だろう…よだれが… やかん:さぁ…さぁ! ワタクシめに、ご褒美を! 0:そしり、やかんを撫でながら そしり:うんうん、よくやったね。 えらいよ! そしり:そんな君を、私は誉めてあげようと思うよ! やかん:(急に冷静になって)あ…そういうの、いらないんで。 そしり:え…? やかん:ご褒美を、そんなチャチで表面的な言葉で濁されても引くだけですよ。 やかん:いいですか? ワタクシはドMなんですよ! そしり:あぁ…はい…聞いてないけど… やかん:ご褒美と言えば! 罵倒し、けなし、陥(おとしい)れ! やかん:叩き、蹴り、凹まして! ボロ雑巾の様に扱われた挙句、生ゴミと一緒に捨てられ! やかん:結果、分別されていないと返ってきた所を冷ややかな目で見て、一言こう言うのですよ! やかん:「コイツ…捨てて、なお使えねぇな…ゴミクズが!」…と! やかん:その冷酷な目線にワタクシ、想像するだけだゾクゾクと昂ってしまいそうでございます!…はぁ…はぁ… そしり:あぁ…そう… やかん:さぁ!普段の、うっぷんを晴らすかのように! ワタクシを責めて下さい! 0:そしり、若干引いてるが… そしり:(N)コイツ気持ち悪い!キモイとか百億光年吹き飛ばす勢いで気持ち悪い! そしり:…でもなぁ…コイツ、金を出すんだもんなぁ… そしり:いや待てよ、ボロ雑巾の様に捨てられるのも悪くない様子… そしり:へっへっへ…なら、一生遊んで暮らせるレベルの黄金を吐き出させて、その後ポイと捨ててもコイツは納得する訳だ… そしり:これは、ある意味試練!私が遊んで暮らすための試練なのだ! そしり:ならば私は! 職業S(サディスト)になろうじゃないか! 0:やかん突然反応する やかん:カーーーーー…ぺっ! …はぁ…はぁ… そしり:さっきの、モノローグだぞ!なに人の心読んでんだよ!(叩く) やかん:シャイナップ(ちょっと感じている)! やかん:いえ、そしり様の心を読んだ訳ではございません! やかん:そしり様の悪いことを考えていそうな、おぞましい笑顔を見ておりましたら、ワタクシ感極まってしまいまして… やかん:勝手に黄金を出してしまった事、大変申し訳なく思っております! そしり:(何かを決意したように)…ふぅ… やかん:さあ!ぶってください!叩いてください!罵倒してください! やかん:まずは…ワタクシめの…尻!そう尻!尻を嬲(なぶ)って下さいまし! そしり:どこが尻か分かんねぇよ!(叩く) やかん:パピヨン!(かなり感じてる)的確な言葉での攻めと、同時に嬲(なぶ)る手の速さ…さすがでございます! …ぺっ! そしり:(腹を決めて)なに勝手に出してんだよ! 床が焼けるだろうが! やかん:ではワタクシは、どうしたら良いのですか!? そしり:(おちょこを置いて)これに出せば良いだろう? やかん:まさかの、おちょこ! これは小さい! あまりにも! そしり:できないの? 出来なかったら…お仕置きで…撫でるよ? やかん:一発でワタクシの痛い所を突くなんて…さ…さ…最高です!…ぺっ!(おちょこにホールインワン) そしり:なんで外さないんだよ!?(叩く) やかん:のっほそ!(かなり感じている) やかん:あまりにも理不尽! 自分で言っておきながら…でも…それが良い…はぁ…はぁ…ぺっ! そしり:アンタ出すの早過ぎ…少しは我慢出来ないの…? やかん:すみません、そしり様! でも…我慢なんて出来ません! そしり:そう…悪かったわね…こんなに早いんだったら、こんなのに収まり切るはずないもんねぇ… しばらく出すの禁止ね? やかん:そんな…ごむったいな! おちょこ…持って行かないでください! 0:そしり去る やかん:こんな事ってありますか…? 出さない責め苦と、出しても嬲(なぶ)られる責め苦… やかん:へ…へへへへへ…最っ高じゃん! 0:そしり戻ってくる そしり:悪かったわね…アンタの器…図り間違えてたわ。 やかん:やめて下さい! ワタクシに優しい言葉なんて…っ! そしり:勘違いしないで! (金ダライを置いて)今度はコレを黄金で満たしてもらうわ。 やかん:なんとタライ! …ワタクシの容積を遥かに超えた容量を満たせと…? そしり:あら…出来ないの? やかん:できます!やります!やらせて頂きます! そしり:そ…じゃぁ頑張って。 やかん:あの…そしり様…何故ワタクシの身体をタライの中に? そしり:だって…アナタ、節操なく出しちゃうじゃない…これなら、いくら出しても安心よ? そしり:でも…自分の熱で火傷しちゃうかもしれないから…気を付けて…ね!!(叩く) やかん:ヒュプノスユリゲラー!(感じてる!) やかん:こ…このドキドキ…たまらな…ぺっ! (跳ね返ってくる)熱い! そしり:熱いの? 自分で、こさえた黄金なのに…熱いの!? はっはっは…情けない子!(叩く) やかん:アツアツチャーハン!(感じてる!) やかん:もしかして…出す、熱い、出す、熱い、出す… 無限ループ!? はぁ…はぁ…セルフプロデュース! …ぺっ! 熱い! そしり:でもね…こんな単純ループ…すぐに慣れちゃうでしょ? だから… やかん:そしり様… 何をされるんですか!? 0:やかんをバケツの中へ そしり:もう少し小さい、バケツの中へ入れてあげる。 やかん:何という事でしょう! 少しだけ跳ね返った「おつり」でさえ私の胸を焦がすような熱さなのに…この中では「おつり100パーセント」! やかん:買い物をして、お釣りをもらおうかな…なんて思ったら、全額返金されるようなもの! やかん:はぁ…はぁ…出したら熱いに違いない…でも…でも…この中で出してしまったら…ワタクシは一体どうなってしまうのでしょうか!? そしり:さぁ…思う存分出してみなさい…熱き黄金を…ね!(叩く) やかん:お…おぉ…もう…もう我慢できない! …ぺっ! やかん:(黄金が自分にかかって)ぎゃおちょう!(昂っている) やかん:どぅーいっと…ゆあせるふ…どぅーいっと・ゆあせるふで…ございます! そしり:やっぱりダメね。 0:そう言って、やかんをバケツから取り出す。 やかん:何をするんですか!? これからと言う時に!? そしり:だって…出した黄金が全部アンタにかかっちゃうんでしょ? そしり:アンタは気持ちいいかも知れないけど…私は何にも得しないんだもの… そしり:後でアンタの身体に、こびりついた黄金をこそぎ取るのも良いけど…それで壊れちゃったら、もう私に何のメリットも無くなっちゃうもの… そしり:だから…だーめ。 やかん:でしたら! このモヤモヤした気持ちと欲求を、どう解消すれば良いのでしょうか!? そしり:安心しなさい。 私が凹まない程度に…可愛がってあげるか…ら!(叩く) やかん:おかえりなさい!(少し感じている) 0:そしり、楽しくなってきた そしり:存分に、なじってあげるわ。 やかん:はぁ…はぁ…おなしゃす! そしり:ふふふ…じゃぁ…この駄やかんがぁ!(叩く) やかん:はなきん!(感じている) そしり:この持ち手…黒々としてるじゃないか…偉そうに…いい気になってんじゃないよ!(叩く) やかん:しっこく!(感じている) やかん:理不尽な物言いが…たまりません! …ぺっ! そしり:それ以前に…金色のボディー…成金か!(叩く) やかん:ふぁっと!(感じている) そしり:ふぁっと? こんなに丸々として…太ってる自覚があるんなら、痩せる努力しなさい!(叩く) やかん:しんらつさん!(感じている) やかん:やかんに痩せろとか…物理法則を無視しております! そしり:痩せろ!…物理法則を無視しろや!(叩く) やかん:ごむったい!(昂っている)…ぺっ! やかん:物理法則を無視するなんて、ファンタジーの世界の出来事ですよ… そしり:アンタ、異世界転生してきたんだろ!(叩く) やかん:そうでした!(昂っている) やかん:図星を突かれるのが、こんなに感じるなんて…ワタクシ…ワタクシ…ぺっ! そしり:(叩く)実際に突いてやろうか!? やかん:ふぁすと!(昂っている) やかん:定番! ザ・定番! 言う前に叩いてるやつ!…ぺっ! そしり:これか?(叩く)これがええのんか?(叩く) やかん:はぁん!(感じている) やかん:これです! これがいいんです! そしり:まったく…欲しがり屋さんめ…(叩く) やかん:もっと…はぁ…はぁ…もっと下さい!(昂ってきた) そしり:欲しいのかい? やかん:欲しいです! 女王様! そしり:誰が女王様だよ!?(叩く) やかん:失礼しました!(昂っている)…ぺっ! やかん:しかし…しかしですよ…それがワタクシの生き甲斐なのでございます! そしり:やかんの、どの辺に生きてる感を見出せば良いんだよ!?(叩く) やかん:うぉーきんぐでっど!(感じている) やかん:死んでませんが、生きてもいないかもしれません! そしり:だろ!(叩く) やかん:はふん!(感じている) やかん:あれ…何か喋るの疲れていません? そしり:いや…? やかん:語彙力が… そしり:ていっ!(叩く) やかん:あはぁ!(感じてる) …でもやっぱり… そしり:とうっ!(叩く) やかん:んふんっむ!(感じている) そしり:ちょりゃー!(叩く) やかん:ボゾーン!(感じている) やかん:言葉も…言葉も下さいっ! やかんは言葉が欲しいのです! そしり:「女は言葉が欲しい」みたいな言い方すんな!(叩く) やかん:失礼しました!(感じている) やかん:でも…下さいませ! この駄やかんに…辛辣(しんらつ)で貶(おとし)める…罵倒を! …罵詈雑言(ばりぞうごん)を! そしり:うるせぇんだよ! 正直疲れてきてんだよ!(叩く) そしり:そんなに罵詈雑言、出ねぇよ!(叩く) こちとらプロじゃねぇんだわ!(叩く) そしり:休ませろや!(叩く) 少し黙れや!(叩く) 静かな空間を提供しろや!(叩く) やかん:おほぉん! …息もつかせぬ連続攻撃! これからと言う事ですね!?(ゾクゾクしてる) そしり:いや…ホントに…何か疲れちゃったから…休ませて? やかん:そしり様、この程度なんですか? 人間って、こんなモンなんですか? そしり:黙れ、喋る無機物!(叩く) やかん:ボーキサイト!(感じている)…ぺっ! やかん:分かりました…休憩ですね…ではワタクシも一休み… そしり:はい、休憩休憩… あぁーのど乾いたー 0:そしり、やかんを持ち上げて やかん:あら…あらららら…ワタクシをどこへ…? そしり:だって、何か疲れてなさそうだし…だから… やかん:だ…だから…(ごくり) そしり:アンタに、タップリと注いであげる… やかん:ワタクシ、注がれてしまうのですか!? 熱い…熱い何かを!(ドキドキ) そしり:水を…ね。 やかん:水かーい! …でも…でも…これは…水攻め! そしり:違うよ。 やかん:違うんですか!? そしり:ちがうね。 んで、この後かけてあげるから…ぶっかけてあげるから。 やかん:もしかして…さらに水を!?(ドキドキ) そしり:違うよ。 やかん:違うんですか!? じゃぁワタクシを! このワタクシに! 何をかけると… そしり:点火(コンロの火をつける) やかん:バーナー!(すっごい感じてる) やかん:ワタクシ、火に掛けられております! やかんだけに! 火攻め…人間では死んでしまう攻めの形式! やかん:なのに…なのに…感じてしまう! 昂ってしまう! ワタクシの身体が…熱くなってきました! そしり:そりゃ、火に掛けてるから…って…沸くの早っ! やかん:ワタクシの現状を言わせて頂くと! やかん:下は大火事、中は熱湯! これってなーんだ!? そんな状況ですっ! そしり:うん、なぞなぞ風に言ってるけど…事実だね。 そしり:さて、お湯が沸いたみたいだし…お茶お茶… 0:そしり、急須にお湯を注ぐ そしり:さて…お茶が…え…あれ? …え…? やかん:すみません… そしり:何したの? やかん:中で…黄金の…お漏らししちゃった…てへっ。 そしり:普通に出せや!(叩く) 熱っちぃ! やかん:はっはっは…いやですね…熱い、やかんを叩くなんて…筋金入りのドS様ですね! そしり:うるせぇ! …ドSかどうかは置いといて…このお湯…飲んだらどうなるの? やかん:黄金になっちゃいますね。 そしり:ほう… やかん:なってみます? 黄金に? そしり:死ぬね? 内臓が黄金になったら死ぬよね? やかん:そうなりますね。 そしり:アンタを攻める人が居なくなっても良いの? やかん:ダメです。 そしり:だよね? やかん:はい。 そしり:捨てるね? やかん:はぁ…はぁ…ワタクシ捨てられちゃうんですか!? そしり:中身のお湯ね? やかん:…あぁ…はい…(ちょっと残念) 0:そしり、お湯をシンクに捨てる そしり:何じゃこりゃ!? シンクが…金色に!? そしり:ここ、賃貸なのに!? 出る時お金取られるじゃん!? そしり:シンクに、まんべんなくお湯かけて…うん、全て金色にしたら…オッケー… そしり:「最初からこの色でしたよ」…で押し通そう! うん、そうしよう! そしり:ふぅ… やかん:どう致しましたか? そしり:出掛けるわ。 やかん:また放置プレイですか!? そしり:いや…新しい「やかん」を買ってくるの。 やかん:ついにワタクシは、お払い箱ですか!? そしり:いや…お湯を沸かせないと不便でしょ? やかん:あぁ…そう…ですね。 そしり:じゃ。 やかん:いってらっしゃい。 0:そしり、出て行く。 やかん:このまま、ワタクシは…一人にされてしまうのでしょうか!? やかん:あぁ…家主が…ご主人様が出て行ってしまうなんて…どうしよう…どうしましょうか!? やかん:究極の放置プレイにぃ! 心が高鳴っておりますぅ! 0:間 そしり:ふぅ…やっぱり普通の「やかん」が一番よね。 そしり:ふふっ…帰ったらお茶にしよーっと。 0:そしり、鍵を開けて部屋に入る。 そしり:ただいまー やかん…居る? 居るよね? やかん:はい、ここにおります。 そしり:この「やかん」でお湯沸かして、お茶入れて…一息ついたらまた攻めてあげるわ。 やかん:ありがとうございます! そしり:じゃ…お茶に… やかん(新):あの…僕も攻めて頂きたいのですが… そしり:え? やかん:もしかして? 0:間 そしり:何か手元から声が聞こえて…え…? もしかして…? そしり:いやぁああ!増えたぁぁあぁあぁぁ!

0:そしり、自宅に帰ってくる。 そしり:ただいまー… って、誰もいないの知ってるけどさ… そしり:こう…何ていうか… やかん:お帰りなさいませ、お嬢様。本日もお勤めご苦労様です。 そしり:そうそう、こう言う労いの言葉が欲しくなるもんでしょ? やかん:こんな夜遅くまで、お疲れ様です。 やかん:どうぞ、ごゆるりと お休み下さい。 そしり:ありがとう…って誰だよ! 0:そしりに緊張感が走る。 そしり:誰? …誰かいるの!? やかん:はいはい、ワタクシ!ワタクシめがおります! やかん:そう、この雑多としたワンルーム、少々散らかった部屋の中! あなたの御傍(おそば)にワタクシおります! そしり:散らかった部屋とか、余計なお世話だよ! やかん:おや…ワタクシが、何処にいるか分からない!? やかん:では、お教えいたしましょう。 やかん:まず人差し指を前に出して、正面を指さしましょう! そしり:…はい指しました。 やかん:そして、そのまま左向け左。 そしり:左に向きました。 やかん:そのまま腕を30度ほど下に向けると…何を指さしていますか? そしり:やかんです。 やかん:それがワタクシです。 そしり:うそだぁ… やかん:では、そのやかんに耳を近付けて… そしり:ふんふん(耳を近付ける) やかん:(大声で)どーもー!やかんでーす! そしり:うるせぇ! 耳がキーンとしたわ! 何すんだよ!(叩く) やかん:はふん!(ちょっと感じてる) やかん:…どうでしょう…信じて頂けましたか? そしり:はふん? …いや…まぁ…信じるしかないみたいだけど… やかん:では、ワタクシの存在を認識して頂いた所で、自己紹介なんぞを… やかん:ワタクシ名前を「ヤクト・カイン・ングトゥール82世」と申しまして、ここで言う所の異世界「ナンブ・テッキ」より転生してまいりました。 やかん:ワタクシの名前を呼ぶ時は、どうぞ「ヤクト・カイン・ングトゥール82世」の頭文字を、それぞれ取って「やかん」とお呼び下さい。 そしり:そのまんまでしょ!(叩く) やかん:ひょん!(ちょっと感じてる) やかん:…それで…アナタのお名前は? そしり:私? 私は苛辣そしり(からつ そしり)OLやってます。 やかん:そしりさん!…いいお名前ですねぇ… やかん:これから共同生活を行うにあたって、ワタクシに都合のいい予感が致します! そしり:共同生活? やかん:はい。 そしり:誰と誰が? やかん:ワタクシやかんと、そしりさんが…です。 そしり:ほうほう、なるほど… 0:と言って、やかんを持って玄関に向かう、そしり。 やかん:ちょっと待って、ワタクシを持ち上げて…ハァハァ…強引に…何をなさるつもりですか!? そしり:いや、捨てるけど? 明日は燃えないゴミの日だし、キモイし。 やかん:ゴミ扱い!?キモイ!? …ハァハァ…お待ちください! やかん:ワタクシ、素晴らしい能力があるんです! きっとお力になれます! うまい話があるんです! 一口乗って下さい! そしり:詐欺師の常套句みたいな事言ってるね(叩く) やかん:きゃぽん!(ちょっと感じてる) やかん:いや、これホント! 異世界転生のあるあるで、特殊能力が身に付くやつ! アレあるんですよ! ホント見たらビックリしますから! そしり:一応聞いてあげるけど…どんな能力よ? やかん:気持ちが昂ると、黄金を出せます! そしり:昂ると…出るの? やかん:出ます! そしり:18金? やかん:いえいえ…24金。 0:間 そしり:ちょっとやってみて。 やかん:あ…興味がおありで? そしり:いいから、やって。 やかん:しかしですね… それには、そしりさんの協力が不可欠なんです。 そしり:え…? 何をすればいいの? やかん:…叩いてください! そしり:何言ってんの!? 磨くとかじゃないのかよ!? やかん:さぁ、叩いてください!ぶって下さい! ワタクシの気持ちを昂揚させる為に! そしり:何か気持ち悪い! やかん:そんな事言わずに!さあ! そしり:ホントに出すのね? 黄金? やかん:もちろんです! やかん、ウソつかない! そしり:そもそも、やかんは喋らにけどね? やかん:さぁどうぞ! ひと思いに! そしり:じゃぁ… そしり:えい(叩く)…えい(叩く)…えい(叩く)えい(叩く)えい(叩く)えい(叩く)えい(叩く)えい(叩く) 0:しばらく叩き続けるそしり。同時にやかんが… やかん:おふぅ!ほんっ!はふぅ!(かなり感じてる) やかん:あぁ…叩いてくださいと言ったものの、一発しか叩いてもらえないかと思っていたのに… やかん:まさかの連打!連打でございますよ! やかん:しかも、凹まない程度の適度な力加減!これは…これは…たまらん! やかん:出ます!黄金が!カーーーーーー… ぺっ!(吐き出す) そしり:うわ…何か出た! なんだかバッチイ… やかん:はぁ…はぁ…出たばかりの黄金は…ワタクシの熱で溶ける程の高温となっております。 取り扱いには…ご注意を… 0:短い間 そしり:そろそろ冷えたかな…うわ… やかん:いかがでしょう? そしり:本当に金だよ…スケールで重さを調べて…20グラム… そしり:え? 今の金の買取レートが1グラム約7000円だから…14万!? そしり:こんな物が…こんな物が!? やかん:如何でしょう? お役に立てますか? 共同生活をお許し願えますか? そしり:いやぁ…うん… やかん:…14万… そしり:あぁ…分かったわよ、ここ住んでいいから! やかん:ありがとうございます。ありがとうございます! やかん:このお礼は、必ずさせて頂きます! …ですので… やかん:はぁ…はぁ…もっとワタクシを、可愛がって下さい! やかん:さぁ、行きましょう! 今すぐ!そう!今すぐに! そしり:…いや…疲れたし眠いから明日ね。 やかん:早速の放置プレイ! これからと言う期待感だけ持たせて…放置プレイ! やかん:はぁ…はぁ…たまりません…たまりませんなぁ! カーーーーー… そしり:あ、待って。 やかん:何でしょう? はぁ…はぁ… そしり:アンタの出す黄金で床とかカーペットが焦げそうだからさ… そしり:(皿を置く)黄金を出すときは、ここに出しなさい。 やかん:刺身醤油の皿! …小さい!あまりにも小さい! 正確に、ここに出せと!? そしり:少しでも零したら…凹ますからね? じゃ、おやすみ。 やかん:こんな無茶な事を…しかし…ワタクシは幸せです! やかん:ありがとうございます! ごちそうさまです! …ぺっ! そしり:ごちそうさまなのに…出すのかよ… やかん:はふぅん! …ぺっ! 0:その夜… そしり:(N)その日は、何だか隣から「はぁ…はぁ…」と、妙な声が聞こえ続けたせいで、あまり眠れなかった。 そしり:次の日…寝不足な私が見た物は… 0:そして夜が明けた… そしり:おはよ…はぉ!!! やかん:はぁ…はぁ…こんなに待たせるなんて… やかん:ワタクシ、何度も…たまらず黄金を出してしまったではありませんか!? そしり:え…ウソ…皿が黄金で山盛りになってる… やかん:苦労しました…一滴たりとも零さないように…ワタクシ頑張りました! やかん:ですから…ですから! どうぞワタクシめに、ご褒美を! そしり:ちょっと待って…この金の重量は…150グラム!? やかん:ご褒美を期待するワタクシを、またしても放置!? やかん:何という豪胆さ! 何という集中力! そしり:えと…計算すると…105万円!? そしり:はぁ…はぁ…何故だろう…よだれが… やかん:さぁ…さぁ! ワタクシめに、ご褒美を! 0:そしり、やかんを撫でながら そしり:うんうん、よくやったね。 えらいよ! そしり:そんな君を、私は誉めてあげようと思うよ! やかん:(急に冷静になって)あ…そういうの、いらないんで。 そしり:え…? やかん:ご褒美を、そんなチャチで表面的な言葉で濁されても引くだけですよ。 やかん:いいですか? ワタクシはドMなんですよ! そしり:あぁ…はい…聞いてないけど… やかん:ご褒美と言えば! 罵倒し、けなし、陥(おとしい)れ! やかん:叩き、蹴り、凹まして! ボロ雑巾の様に扱われた挙句、生ゴミと一緒に捨てられ! やかん:結果、分別されていないと返ってきた所を冷ややかな目で見て、一言こう言うのですよ! やかん:「コイツ…捨てて、なお使えねぇな…ゴミクズが!」…と! やかん:その冷酷な目線にワタクシ、想像するだけだゾクゾクと昂ってしまいそうでございます!…はぁ…はぁ… そしり:あぁ…そう… やかん:さぁ!普段の、うっぷんを晴らすかのように! ワタクシを責めて下さい! 0:そしり、若干引いてるが… そしり:(N)コイツ気持ち悪い!キモイとか百億光年吹き飛ばす勢いで気持ち悪い! そしり:…でもなぁ…コイツ、金を出すんだもんなぁ… そしり:いや待てよ、ボロ雑巾の様に捨てられるのも悪くない様子… そしり:へっへっへ…なら、一生遊んで暮らせるレベルの黄金を吐き出させて、その後ポイと捨ててもコイツは納得する訳だ… そしり:これは、ある意味試練!私が遊んで暮らすための試練なのだ! そしり:ならば私は! 職業S(サディスト)になろうじゃないか! 0:やかん突然反応する やかん:カーーーーー…ぺっ! …はぁ…はぁ… そしり:さっきの、モノローグだぞ!なに人の心読んでんだよ!(叩く) やかん:シャイナップ(ちょっと感じている)! やかん:いえ、そしり様の心を読んだ訳ではございません! やかん:そしり様の悪いことを考えていそうな、おぞましい笑顔を見ておりましたら、ワタクシ感極まってしまいまして… やかん:勝手に黄金を出してしまった事、大変申し訳なく思っております! そしり:(何かを決意したように)…ふぅ… やかん:さあ!ぶってください!叩いてください!罵倒してください! やかん:まずは…ワタクシめの…尻!そう尻!尻を嬲(なぶ)って下さいまし! そしり:どこが尻か分かんねぇよ!(叩く) やかん:パピヨン!(かなり感じてる)的確な言葉での攻めと、同時に嬲(なぶ)る手の速さ…さすがでございます! …ぺっ! そしり:(腹を決めて)なに勝手に出してんだよ! 床が焼けるだろうが! やかん:ではワタクシは、どうしたら良いのですか!? そしり:(おちょこを置いて)これに出せば良いだろう? やかん:まさかの、おちょこ! これは小さい! あまりにも! そしり:できないの? 出来なかったら…お仕置きで…撫でるよ? やかん:一発でワタクシの痛い所を突くなんて…さ…さ…最高です!…ぺっ!(おちょこにホールインワン) そしり:なんで外さないんだよ!?(叩く) やかん:のっほそ!(かなり感じている) やかん:あまりにも理不尽! 自分で言っておきながら…でも…それが良い…はぁ…はぁ…ぺっ! そしり:アンタ出すの早過ぎ…少しは我慢出来ないの…? やかん:すみません、そしり様! でも…我慢なんて出来ません! そしり:そう…悪かったわね…こんなに早いんだったら、こんなのに収まり切るはずないもんねぇ… しばらく出すの禁止ね? やかん:そんな…ごむったいな! おちょこ…持って行かないでください! 0:そしり去る やかん:こんな事ってありますか…? 出さない責め苦と、出しても嬲(なぶ)られる責め苦… やかん:へ…へへへへへ…最っ高じゃん! 0:そしり戻ってくる そしり:悪かったわね…アンタの器…図り間違えてたわ。 やかん:やめて下さい! ワタクシに優しい言葉なんて…っ! そしり:勘違いしないで! (金ダライを置いて)今度はコレを黄金で満たしてもらうわ。 やかん:なんとタライ! …ワタクシの容積を遥かに超えた容量を満たせと…? そしり:あら…出来ないの? やかん:できます!やります!やらせて頂きます! そしり:そ…じゃぁ頑張って。 やかん:あの…そしり様…何故ワタクシの身体をタライの中に? そしり:だって…アナタ、節操なく出しちゃうじゃない…これなら、いくら出しても安心よ? そしり:でも…自分の熱で火傷しちゃうかもしれないから…気を付けて…ね!!(叩く) やかん:ヒュプノスユリゲラー!(感じてる!) やかん:こ…このドキドキ…たまらな…ぺっ! (跳ね返ってくる)熱い! そしり:熱いの? 自分で、こさえた黄金なのに…熱いの!? はっはっは…情けない子!(叩く) やかん:アツアツチャーハン!(感じてる!) やかん:もしかして…出す、熱い、出す、熱い、出す… 無限ループ!? はぁ…はぁ…セルフプロデュース! …ぺっ! 熱い! そしり:でもね…こんな単純ループ…すぐに慣れちゃうでしょ? だから… やかん:そしり様… 何をされるんですか!? 0:やかんをバケツの中へ そしり:もう少し小さい、バケツの中へ入れてあげる。 やかん:何という事でしょう! 少しだけ跳ね返った「おつり」でさえ私の胸を焦がすような熱さなのに…この中では「おつり100パーセント」! やかん:買い物をして、お釣りをもらおうかな…なんて思ったら、全額返金されるようなもの! やかん:はぁ…はぁ…出したら熱いに違いない…でも…でも…この中で出してしまったら…ワタクシは一体どうなってしまうのでしょうか!? そしり:さぁ…思う存分出してみなさい…熱き黄金を…ね!(叩く) やかん:お…おぉ…もう…もう我慢できない! …ぺっ! やかん:(黄金が自分にかかって)ぎゃおちょう!(昂っている) やかん:どぅーいっと…ゆあせるふ…どぅーいっと・ゆあせるふで…ございます! そしり:やっぱりダメね。 0:そう言って、やかんをバケツから取り出す。 やかん:何をするんですか!? これからと言う時に!? そしり:だって…出した黄金が全部アンタにかかっちゃうんでしょ? そしり:アンタは気持ちいいかも知れないけど…私は何にも得しないんだもの… そしり:後でアンタの身体に、こびりついた黄金をこそぎ取るのも良いけど…それで壊れちゃったら、もう私に何のメリットも無くなっちゃうもの… そしり:だから…だーめ。 やかん:でしたら! このモヤモヤした気持ちと欲求を、どう解消すれば良いのでしょうか!? そしり:安心しなさい。 私が凹まない程度に…可愛がってあげるか…ら!(叩く) やかん:おかえりなさい!(少し感じている) 0:そしり、楽しくなってきた そしり:存分に、なじってあげるわ。 やかん:はぁ…はぁ…おなしゃす! そしり:ふふふ…じゃぁ…この駄やかんがぁ!(叩く) やかん:はなきん!(感じている) そしり:この持ち手…黒々としてるじゃないか…偉そうに…いい気になってんじゃないよ!(叩く) やかん:しっこく!(感じている) やかん:理不尽な物言いが…たまりません! …ぺっ! そしり:それ以前に…金色のボディー…成金か!(叩く) やかん:ふぁっと!(感じている) そしり:ふぁっと? こんなに丸々として…太ってる自覚があるんなら、痩せる努力しなさい!(叩く) やかん:しんらつさん!(感じている) やかん:やかんに痩せろとか…物理法則を無視しております! そしり:痩せろ!…物理法則を無視しろや!(叩く) やかん:ごむったい!(昂っている)…ぺっ! やかん:物理法則を無視するなんて、ファンタジーの世界の出来事ですよ… そしり:アンタ、異世界転生してきたんだろ!(叩く) やかん:そうでした!(昂っている) やかん:図星を突かれるのが、こんなに感じるなんて…ワタクシ…ワタクシ…ぺっ! そしり:(叩く)実際に突いてやろうか!? やかん:ふぁすと!(昂っている) やかん:定番! ザ・定番! 言う前に叩いてるやつ!…ぺっ! そしり:これか?(叩く)これがええのんか?(叩く) やかん:はぁん!(感じている) やかん:これです! これがいいんです! そしり:まったく…欲しがり屋さんめ…(叩く) やかん:もっと…はぁ…はぁ…もっと下さい!(昂ってきた) そしり:欲しいのかい? やかん:欲しいです! 女王様! そしり:誰が女王様だよ!?(叩く) やかん:失礼しました!(昂っている)…ぺっ! やかん:しかし…しかしですよ…それがワタクシの生き甲斐なのでございます! そしり:やかんの、どの辺に生きてる感を見出せば良いんだよ!?(叩く) やかん:うぉーきんぐでっど!(感じている) やかん:死んでませんが、生きてもいないかもしれません! そしり:だろ!(叩く) やかん:はふん!(感じている) やかん:あれ…何か喋るの疲れていません? そしり:いや…? やかん:語彙力が… そしり:ていっ!(叩く) やかん:あはぁ!(感じてる) …でもやっぱり… そしり:とうっ!(叩く) やかん:んふんっむ!(感じている) そしり:ちょりゃー!(叩く) やかん:ボゾーン!(感じている) やかん:言葉も…言葉も下さいっ! やかんは言葉が欲しいのです! そしり:「女は言葉が欲しい」みたいな言い方すんな!(叩く) やかん:失礼しました!(感じている) やかん:でも…下さいませ! この駄やかんに…辛辣(しんらつ)で貶(おとし)める…罵倒を! …罵詈雑言(ばりぞうごん)を! そしり:うるせぇんだよ! 正直疲れてきてんだよ!(叩く) そしり:そんなに罵詈雑言、出ねぇよ!(叩く) こちとらプロじゃねぇんだわ!(叩く) そしり:休ませろや!(叩く) 少し黙れや!(叩く) 静かな空間を提供しろや!(叩く) やかん:おほぉん! …息もつかせぬ連続攻撃! これからと言う事ですね!?(ゾクゾクしてる) そしり:いや…ホントに…何か疲れちゃったから…休ませて? やかん:そしり様、この程度なんですか? 人間って、こんなモンなんですか? そしり:黙れ、喋る無機物!(叩く) やかん:ボーキサイト!(感じている)…ぺっ! やかん:分かりました…休憩ですね…ではワタクシも一休み… そしり:はい、休憩休憩… あぁーのど乾いたー 0:そしり、やかんを持ち上げて やかん:あら…あらららら…ワタクシをどこへ…? そしり:だって、何か疲れてなさそうだし…だから… やかん:だ…だから…(ごくり) そしり:アンタに、タップリと注いであげる… やかん:ワタクシ、注がれてしまうのですか!? 熱い…熱い何かを!(ドキドキ) そしり:水を…ね。 やかん:水かーい! …でも…でも…これは…水攻め! そしり:違うよ。 やかん:違うんですか!? そしり:ちがうね。 んで、この後かけてあげるから…ぶっかけてあげるから。 やかん:もしかして…さらに水を!?(ドキドキ) そしり:違うよ。 やかん:違うんですか!? じゃぁワタクシを! このワタクシに! 何をかけると… そしり:点火(コンロの火をつける) やかん:バーナー!(すっごい感じてる) やかん:ワタクシ、火に掛けられております! やかんだけに! 火攻め…人間では死んでしまう攻めの形式! やかん:なのに…なのに…感じてしまう! 昂ってしまう! ワタクシの身体が…熱くなってきました! そしり:そりゃ、火に掛けてるから…って…沸くの早っ! やかん:ワタクシの現状を言わせて頂くと! やかん:下は大火事、中は熱湯! これってなーんだ!? そんな状況ですっ! そしり:うん、なぞなぞ風に言ってるけど…事実だね。 そしり:さて、お湯が沸いたみたいだし…お茶お茶… 0:そしり、急須にお湯を注ぐ そしり:さて…お茶が…え…あれ? …え…? やかん:すみません… そしり:何したの? やかん:中で…黄金の…お漏らししちゃった…てへっ。 そしり:普通に出せや!(叩く) 熱っちぃ! やかん:はっはっは…いやですね…熱い、やかんを叩くなんて…筋金入りのドS様ですね! そしり:うるせぇ! …ドSかどうかは置いといて…このお湯…飲んだらどうなるの? やかん:黄金になっちゃいますね。 そしり:ほう… やかん:なってみます? 黄金に? そしり:死ぬね? 内臓が黄金になったら死ぬよね? やかん:そうなりますね。 そしり:アンタを攻める人が居なくなっても良いの? やかん:ダメです。 そしり:だよね? やかん:はい。 そしり:捨てるね? やかん:はぁ…はぁ…ワタクシ捨てられちゃうんですか!? そしり:中身のお湯ね? やかん:…あぁ…はい…(ちょっと残念) 0:そしり、お湯をシンクに捨てる そしり:何じゃこりゃ!? シンクが…金色に!? そしり:ここ、賃貸なのに!? 出る時お金取られるじゃん!? そしり:シンクに、まんべんなくお湯かけて…うん、全て金色にしたら…オッケー… そしり:「最初からこの色でしたよ」…で押し通そう! うん、そうしよう! そしり:ふぅ… やかん:どう致しましたか? そしり:出掛けるわ。 やかん:また放置プレイですか!? そしり:いや…新しい「やかん」を買ってくるの。 やかん:ついにワタクシは、お払い箱ですか!? そしり:いや…お湯を沸かせないと不便でしょ? やかん:あぁ…そう…ですね。 そしり:じゃ。 やかん:いってらっしゃい。 0:そしり、出て行く。 やかん:このまま、ワタクシは…一人にされてしまうのでしょうか!? やかん:あぁ…家主が…ご主人様が出て行ってしまうなんて…どうしよう…どうしましょうか!? やかん:究極の放置プレイにぃ! 心が高鳴っておりますぅ! 0:間 そしり:ふぅ…やっぱり普通の「やかん」が一番よね。 そしり:ふふっ…帰ったらお茶にしよーっと。 0:そしり、鍵を開けて部屋に入る。 そしり:ただいまー やかん…居る? 居るよね? やかん:はい、ここにおります。 そしり:この「やかん」でお湯沸かして、お茶入れて…一息ついたらまた攻めてあげるわ。 やかん:ありがとうございます! そしり:じゃ…お茶に… やかん(新):あの…僕も攻めて頂きたいのですが… そしり:え? やかん:もしかして? 0:間 そしり:何か手元から声が聞こえて…え…? もしかして…? そしり:いやぁああ!増えたぁぁあぁあぁぁ!