声劇台本置き場

マダム：（SE）ウィーン(自動ドア) 店員：いらっしゃいま、せー… マダム：ヒュー、ヒュー、ヒュー（走ってきた後の粗い息） 店員：（うげ…また来たよ） マダム：（SE）カツ、カツカツ（ヒールで歩く音） 店員：（隣のレジ行ってくれぇえ…！） マダム：（SE）カツカツ、カッカッカッ！！（ヒールで早歩きな音） 店員：（なんで上半身ブレずに斜め45度の角度のままこっちに来るんだよぉおお） マダム：ヒュー、ヒュー… 店員：い、いらっしゃいませー マダム：ヒュゥ…。 店員：ご注文はお決まりですか？ マダム：…お芋、くださる？ 店員：（ですよねー！知ってた！そして次の言葉は） マダム：お塩は結構です 店員：（いつものね！でかい帽子被って首周りにモサモサのファーみたいなのつけてなんでモックに来てんだよ！このオシオマダムが！！） マダム：…聞こえませんでしたの？ 店員：あ、ありがとうございます。それではハッシュドポテトの塩抜きがお一つですね。 マダム：細いのはございませんの？ 店員：はい、只今の時間はハッシュドポテトになっております。 マダム：細いのくださらない？ 店員：朝モックに切り替わりの時間になりますので マダム：朝モック？細いお芋食べられませんの？ 店員：平たいお芋になりますね マダム：冷凍庫にはありませんの？ 店員：ありますが提供できません マダム：あらそうなの 店員：（このやり取り何回目だよぉこらぁあ！！） マダム：困ったわ、細いお芋を食べたいのだけれど 店員：と、言われましても既にお時間が マダム：でもあるんでしょう？ 店員：それが、メニューには無いんですよ マダム：でもあるんでしょう？ 店員：提供できかねるんですよ マダム：でもあるんでしょう？ 店員：（壊れたラジオか！！出せないって言ってんだろがい！！） マダム：…？ 店員：あの、ですね。もう少しお早く来て頂ければ細いお芋なんですよ マダム：昨日よりお早く来ましたわ 店員：（変わってねぇよ！？） マダム：お10秒ほどお早く来たはずですわ 店員：（変わってねぇよ！！） マダム：どうしたら細いお芋をお出ししてくれますの？ 店員：どうするもこうするも10時以降でないとお出しできません マダム：…。 店員：連日お越し頂いてますが、家を出る時間を1時間、いや、30分ほど早めてはいかがでしょうか？ マダム：…。 いろいろ事情はあると思いますが、こちらにも提供できない事情があるんですよ。 マダム：…。 店員：えっと、大丈夫ですか？ マダム：…黙ってお聞いていればお好き勝手なお事ばかり！！ 店員：えぇ…！？ マダム：わたくしがそんなにお暇に見えて！？わたくしになりにお急いでお走りになってこちらのお店舗にお伺いしてるのですよ！！お連日お見えになって、って、そうですわ！お連日お見えになって、お店員さんも覚えてお貴方のお所てわざわざお注文してるんですわよ！！ 店員：（『お』が気になり過ぎてなんも入ってこねぇ…！） マダム：細いお芋がお出しできないと、おわかりになっていらっしゃるなら、お始めにお伝えしていただければいいじゃないの！！わたくしのことをおバカになされてるのかしら！？ 店員：（ああ…オシオマダムがクレーマーダムに進化しちまったよ） マダム：お黙りになさるということはお肯定されてるとお受けしてよろしくて？本当にお酷いことをしますわ！！おスマイルは嘲笑のおスマイルでしたのね！ああ、わたくしのお心がお傷付きになりましたわ…。これはもうお慰謝料をお頂きならなｰｰｰ 店員：うるせぇええええええ！！！ マダム：…へ？ 店員：ごちゃごちゃごちゃごちゃうるせえんだよ！！ マダム：ちょ、ちょっと、わたくしお客様ですわよ！？ 店員：お客様は神様とでもいいてぇんか！！だったら店員様も神様だろがよぉ！？ マダム：そんなのお無茶苦茶ですわ！？ 店員：グチグチ言ってねぇで、食ってみろや！ﾄﾞﾝｯ‼ マダム：え、あ、お高貴なわたくしになにをｰｰｰンガッ…もぐもぐ… マダム：…！！…ゴクン 店員：どうだよ マダム：…平たいお芋も悪くないですわね 店員：だろ？ マダム：ええ。 店員：じゃ、ご注文はお決まりですか？お客様 マダム：お決まりですわ。 マダム：平たいお芋くださる？ 店員：ハッシュドポテトお一つですね！ マダム：お塩は結構です 店員：元々味付けされてるので無理ですね マダム：は？ 店員：ん？ マダム：キェェェエエ工！！！ 店員：うわーーなんでだよぉぉおおお！？ 0：おしまい