台本概要

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タイトル 「月夜の逢瀬」
作者名 なぎ@泣き虫保護者  (@fuyu_number10)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 Twitter(現X)にて三題噺メーカーを使って出たお題に沿って書いたショートショートです。

お芝居のウォームアップや活舌練習にお使いください。
そしてご自由に読んでみてください。

※台本をご利用になる際は、Twitterにてぜひお報せくださいませ。
お伺いできる限りお邪魔させていただければと存じます。

特に商用利用の場合において、著作権は放棄していません。無断での転載はお断りします。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り 不問 19 読み手の皆様です!感情の赴くままに。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:-月夜の逢瀬- 語り:小学校の時、理科の授業でプラネタリウムに行った日。 0: 語り:「三日月の夜に、青い鳥を見つけたら、幸福が訪れる」 0: 語り:帰り道にそんな話をしていたのは、いつもは有り余る元気を周りに振りまく、 語り:おかっぱが特徴的な幼馴染(おさななじみ)の女の子だったか。 0: 語り:仕事に疲れて帰ってきた夜。不意にそんな話を思い出し、 語り:「あほだなぁ」と思いながらも、暇つぶしにはなるだろうと、 語り:三日月の夜、何となく某短文投稿サイトにアクセスして、 語り:シンボルの青い鳥を食い入るように見てみたけれど、 語り:5秒もたずにバカバカしくなってしまって。 0: 語り:そもそも、「青い鳥」って何だよ。 語り:何ならそこいらにいるんじゃないのか? 0: 語り:何となく気になってモヤモヤした私は、よく調べることもせず、 語り:ある夜に散歩がてら探してみることにした。 0: 語り:鳥を見るならちょっとでも自然のあるところ。 0: 語り:そんな素人でも言わないような浅はかな考えで、 語り:小高い丘のある公園まで行くことにした。 0: 語り:遠くの山から続く川が、丘の近くを流れる。 語り:丘の上には、まだつぼみも多い桜の木。 0: 語り:わずかな街灯が、ベンチを照らしてはいるものの・・・。 語り:そもそもだ。 0: 語り:「いや、こんな暗いのに鳥とか・・・」 0: 語り:アホだ。アホすぎる。 語り:こんな時間に、いるはずないのだ。そもそも鳥なんて。 語り:だいたい、疲れて家に帰ってきたというのに、 語り:気分転換しに来て余計に疲れるとか・・・。 語り:あんな嘘を教えたアイツがいたら、文句の一つも言ってやるのに。 0:  語り:踵(きびす)を返して帰ろうと、振り返ったそこには。 0:  語り:「ここにはね、カワセミがいるんだよ」 0:  語り:えっ、誰!? 0:  語り:「カワセミ。「青い宝石」ってね。幸せになれそうでしょ?」 0:  語り:あ・・・。 0:  語り:「おかっぱ」はおしゃれに前髪をつくった「ショートボブ」になっていたけど。 語り:いたずらっぽい笑顔、元気な様子はあの頃のまま。 0:  語り:月夜の逢瀬は、これからも、続くだろうか。 0:-おしまい。-

0:-月夜の逢瀬- 語り:小学校の時、理科の授業でプラネタリウムに行った日。 0: 語り:「三日月の夜に、青い鳥を見つけたら、幸福が訪れる」 0: 語り:帰り道にそんな話をしていたのは、いつもは有り余る元気を周りに振りまく、 語り:おかっぱが特徴的な幼馴染(おさななじみ)の女の子だったか。 0: 語り:仕事に疲れて帰ってきた夜。不意にそんな話を思い出し、 語り:「あほだなぁ」と思いながらも、暇つぶしにはなるだろうと、 語り:三日月の夜、何となく某短文投稿サイトにアクセスして、 語り:シンボルの青い鳥を食い入るように見てみたけれど、 語り:5秒もたずにバカバカしくなってしまって。 0: 語り:そもそも、「青い鳥」って何だよ。 語り:何ならそこいらにいるんじゃないのか? 0: 語り:何となく気になってモヤモヤした私は、よく調べることもせず、 語り:ある夜に散歩がてら探してみることにした。 0: 語り:鳥を見るならちょっとでも自然のあるところ。 0: 語り:そんな素人でも言わないような浅はかな考えで、 語り:小高い丘のある公園まで行くことにした。 0: 語り:遠くの山から続く川が、丘の近くを流れる。 語り:丘の上には、まだつぼみも多い桜の木。 0: 語り:わずかな街灯が、ベンチを照らしてはいるものの・・・。 語り:そもそもだ。 0: 語り:「いや、こんな暗いのに鳥とか・・・」 0: 語り:アホだ。アホすぎる。 語り:こんな時間に、いるはずないのだ。そもそも鳥なんて。 語り:だいたい、疲れて家に帰ってきたというのに、 語り:気分転換しに来て余計に疲れるとか・・・。 語り:あんな嘘を教えたアイツがいたら、文句の一つも言ってやるのに。 0:  語り:踵(きびす)を返して帰ろうと、振り返ったそこには。 0:  語り:「ここにはね、カワセミがいるんだよ」 0:  語り:えっ、誰!? 0:  語り:「カワセミ。「青い宝石」ってね。幸せになれそうでしょ?」 0:  語り:あ・・・。 0:  語り:「おかっぱ」はおしゃれに前髪をつくった「ショートボブ」になっていたけど。 語り:いたずらっぽい笑顔、元気な様子はあの頃のまま。 0:  語り:月夜の逢瀬は、これからも、続くだろうか。 0:-おしまい。-