台本概要
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タイトル | 毒舌後継者と、柱を折るエンジェルの受難 |
---|---|
作者名 | Alice (@Alice15827178) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
傍若無人な主人公を待ち受ける苦難の数々… 「あなたに私の運命がかかってるの…!」 「アホくさ」 さぁ、円珠の明日はどっちだ!? ※コメディです 『柱職人と、柱を折るエンジェル』の続編です。 掛け合いを楽しむだけでしたら、このお話のみでも大丈夫かと思います。 不憫な常識人、棟梁のことを知りたい方は、 『柱職人と、柱を折るエンジェル』をどうぞ! 世界設定など、細かいことは気にしてはいけません! ☆お願い☆ 演者様・キャラクターともに男女不問 語尾・一人称変更可 (桃李を女性、円珠を男子高校生としてもらっても構いません) 物語中に効果音が出てきます。SEでも間でも声でも自由です 物語の大筋を変えてしまうアドリブのみ不可 それ以外は自由に遊んでください 312 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
円珠 | 女 | 50 | (えんじゅ)。 柱を折って飛ぶのが基本移動手段の非常識人。 柱を直してくれる棟梁が入院してしまい、通学手段(柱)が枯渇し、人生最大のピンチに陥っている。 |
桃李 | 男 | 48 | (とうり)。 毒舌冷静な柱職人後継者。 現柱職人の棟梁のことを師匠と呼ぶ。 年齢設定自由。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:アバン
円珠:はぁい!みんなの天使、柱を折るエンジェルこと、円珠ちゃんだよー♪
円珠:覚えてるかな?
円珠:私の特技は指一本で柱を折ること!それに乗って空を飛ぶこと!すごいでしょ!
円珠:そんなすごーい私なんだけど、実はね、今人生最大のピンチに陥ってるの…!
円珠:柱を直してくれる柱職人の棟梁が、なんでか知らないけど入院しちゃって…
円珠:心配で心配で、毎食ご飯がお茶碗3杯しか食べられないの…!
桃李:食い過ぎだ、あほ
円珠:え?今の誰の声…?棟梁の声とは違う気がしたけど…幻聴…?
円珠:嫌だ、棟梁死なないで…!
円珠:棟梁が死んじゃったら、私これからどうやって生きていけば…!
円珠:こうしちゃいられない…!
円珠:今すぐ棟梁のところに行かなくちゃ…!
0:
0:ー病院ー
0:
桃李:大丈夫かよ?師匠
桃李:嫌な予感がするから逃げる?
桃李:入院患者がなに言ってんの
桃李:絶対安静って言われてるだろ
桃李:は?円珠って女に気をつけろ?
桃李:誰だよそれ
桃李:自称エンジェルちゃん?
桃李:…なにそのイタイおんな
0:
0:円珠が柱で飛んでくる
0:ドンガラガッシャーンッ
0:
桃李:うるさ…
桃李:あ、ちょっと師匠どこ行くんだよ!
桃李:あとは任せたって、何勝手なこと言って…!おい!
0:
0:病室を出て行く桃李と入れ違いに、円珠が駆け込んでくる
0:
円珠:はぁ…はぁ…
0:ガラッ(扉を開ける音)
円珠:棟梁…!生きてる!?
0:
0:
0:【タイトルコール】
0:
桃李:毒舌後継者と、
円珠:柱を折るエンジェルの受難
0:
円珠:あれ?誰もいない?棟梁の病室ここだよね?
桃李:誰?あんた?(廊下側、円珠の背後から)
円珠:うわっ、びっくりした
円珠:急に後ろから声かけないでよ
桃李:あんたが扉の前で突っ立ってるから、後ろから声かけるしかないんだけど
円珠:あぁ、それもそっか
桃李:どいてくんない?そこ
円珠:(どきながら)ねぇねぇ、この病室の人?
桃李:この格好で俺入院患者に見える?
円珠:見えない
桃李:だったら今の質問いる?
円珠:なによ…、ちょっと聞いただけじゃん
円珠:じゃあなんでここにいるの?
桃李:…ここ、俺の知り合いの病室なんだけど?
円珠:あっ、そのパターンか
円珠:やっぱり病室間違えたかなぁ…?
円珠:おっかしいなぁ…
0:
0:ガラガラ…(扉を閉めかける)
0:
桃李:なんだあれ、騒がしいやつ
0:
0:ガラッ(戻ってきて勢いよく扉を開ける)
0:
円珠:いやいや、受付で聞いた病室やっぱりここだし
円珠:私あってるし
円珠:え?じゃああんた誰?棟梁の知り合い?
円珠:私、棟梁に用があるんだけど、棟梁出して?
桃李:あのさ、ここ病院
桃李:ちょっとは静かにできないの?
桃李:あんた落ち着きなさすぎだし、「棟梁出して」って日本語おかしいからな
桃李:歳いくつだよ
円珠:むっ…、さっきからあんたあんたって、失礼じゃない!
桃李:あんたに言われる筋合いない
円珠:あー!またあんたって言った!
円珠:棟梁がどこにいるか知ってるなら教えてよ!
円珠:私急いでるんだから…!
桃李:はぁ…、ここにはもういないよ
桃李:師匠になんの用事?
円珠:師匠?え?誰が?
桃李:今の話しの流れでわかんないとか…
桃李:あんたの言う棟梁のことに決まってんだろ
円珠:棟梁って師匠だったの!?
円珠:…ってか、なんの?
桃李:柱職人以外になにがあるんだよ
円珠:あぁ、そっか
円珠:じゃあ、あんた棟梁の弟子な…
桃李:(食い気味に)桃李
円珠:え?
桃李:俺の名前。通学するのに柱バカスカ折って、挙句「エンジェルちゃん」って呼ばれて喜んでる頭お花畑女に、あんた呼ばわりされるとか、心外
円珠:頭お花畑…って…!
円珠:私にだって円珠っていう名前が…!
桃李:知ってる
円珠:なんで初対面なのに知ってんのよ!
桃李:師匠から円珠って女に気をつけろって言われてんの
円珠:は!?棟梁ひどくない!?
桃李:けど、なにをそんなに警戒してんのか
桃李:こんなのキャンキャンうるさいただの小型犬じゃん
円珠:小型け…!
円珠:あんたねぇ、私これでも進学校通ってるんだけど!?
桃李:それはまぁ、ずいぶんとレベルの低い進学校だことで
円珠:なんですってぇ!?
桃李:名前教えたのに、30秒もしないうちに忘れてるし
円珠:忘れてないわよ!桃李っていうんでしょ
円珠:何回だって呼んでやるわよ
円珠:桃李!桃李!
桃李:よくできましたー。えらいねー。(棒読み)
円珠:むっかつく…
円珠:棟梁ってば弟子にどんな教育してんの
円珠:ってそうだ!こんなやつ相手にしてる時間ないんだった
円珠:ねぇ、棟梁出して!私は棟梁に用事があるの!
桃李:だからいないって
桃李:お前、頭に脳みそ入ってんの?
桃李:人の話聞く気ないだろ
桃李:会った時から1ミリも会話進んでないんだけど
円珠:ぐぬぬ…、だから会話進めようとしてんじゃない!
円珠:なんで棟梁いないのよ!
円珠:ってか、何で入院してんの!
円珠:こっちは緊急事態なのに!
桃李:大袈裟。どうせ大したことじゃないでしょ
円珠:人生最大のピンチよ!
円珠:(少し言い淀む)…になっちゃったんだから!
桃李:なに?聞こえない
円珠:だから、停学になっちゃったの!
桃李:…それと師匠に何の関係が?
円珠:それは…!柱直す人がいないから、柱が枯渇しちゃって…
桃李:は?
円珠:これでもね、自分なりに精一杯頑張ったんだよ?
円珠:状態の良くない柱でも我慢して使ったり、
円珠:短期間で柱の飛距離伸ばす努力したり…
桃李:…(察したような、呆れたような沈黙)
円珠:それでも…!
円珠:どんなに頑張ってもどうにもならなくて…、毎日遅刻してたら…
円珠: 1週間の停学くらっちゃった♪
桃李:くっだらね
桃李:普通に登校しろよ
円珠:無茶言わないでよ…!
円珠:もう私は普通に登校できる身体じゃないんだよ…
桃李:なに病弱感出してんだよ。ただの怠惰じゃねぇか
円珠:とにかく、柱がないと困るの
円珠:このまま停学あけちゃったら、登校できない!
桃李:いや、歩けよ
円珠:そうだ!桃李って棟梁の弟子なんだよね?
円珠:ってことは、まだ未熟かもしんないけど、柱直せるんでしょ?
桃李:言い方失礼すぎるだろ。どこから目線でもの言ってんだ
円珠:あーごめんごめん(適当)
円珠:でもさ、柱は直せるんだよね?
円珠:だったらものは相談なんだけど、時間かかってもいいからさ、何本か柱直してくれない?
桃李:ぜってぇ嫌
円珠:そんな固いこと言わずに!
桃李:断る
円珠:そこをなんとか!
桃李:無理
円珠:停学明けの私の運命がかかってるのぉ!お願い!
桃李:自業自得、普通に起きて自分で歩け
円珠:あ!じゃあこういうのはどう?
円珠:毎日私の登下校に付き合ってもらうの悪いし、柱直すのも棟梁と違ってへたっぴだから時間もかかるでしょ?
桃李:仮にも人に頼み事してんのに嫌味入れるとか、どんな神経してんの?
円珠:だから、家の近くと学校の校庭に、柱の供給場みたいなの作ってよ
桃李:は?
円珠:ほら、海外にある柱いっぱいの遺跡みたいな…何だっけ…?
桃李:…パルテノン神殿?
円珠:そう、それ!
円珠:それがあればさ、桃李の移動距離は「私の家」と「学校」の2箇所ですむし、一気にたくさん柱用意しておけば、桃李も楽ができる!
円珠:どう!この代替案!天才的じゃない!?
桃李:なに威張ってんだ。お前はブラック企業か
円珠:なんでよ!?
桃李:師匠の性格じゃあ、すーぐ熱くなって真正面から反応してんだろうなぁ
桃李:そりゃストレスで胃潰瘍にもなるわ
桃李:はぁ…、師匠には悪いけど後継者辞退していいかな
円珠:え!?何で辞退すんのよ!
桃李:あんたみたいなののために柱直すとか、馬鹿馬鹿しくてやってらんない
円珠:か弱い乙女のピンチを見捨てる気!?
桃李:指一本で柱折れるやつは、か弱くねぇんだよ
円珠:ねーえー、そんなこと言わないでよー
桃李:しつこい
桃李:そんなに柱ないと困るんなら、使いまわせよ
円珠:それができてるなら苦労しないわよ!
桃李:なに?できないの?
円珠:う…、着地がうまくいかなくて…、柱が砕け散る…
桃李:…はっ、へったくそ
円珠:んな…!
円珠:むーかーつーくー!!
0:アバン
円珠:はぁい!みんなの天使、柱を折るエンジェルこと、円珠ちゃんだよー♪
円珠:覚えてるかな?
円珠:私の特技は指一本で柱を折ること!それに乗って空を飛ぶこと!すごいでしょ!
円珠:そんなすごーい私なんだけど、実はね、今人生最大のピンチに陥ってるの…!
円珠:柱を直してくれる柱職人の棟梁が、なんでか知らないけど入院しちゃって…
円珠:心配で心配で、毎食ご飯がお茶碗3杯しか食べられないの…!
桃李:食い過ぎだ、あほ
円珠:え?今の誰の声…?棟梁の声とは違う気がしたけど…幻聴…?
円珠:嫌だ、棟梁死なないで…!
円珠:棟梁が死んじゃったら、私これからどうやって生きていけば…!
円珠:こうしちゃいられない…!
円珠:今すぐ棟梁のところに行かなくちゃ…!
0:
0:ー病院ー
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桃李:大丈夫かよ?師匠
桃李:嫌な予感がするから逃げる?
桃李:入院患者がなに言ってんの
桃李:絶対安静って言われてるだろ
桃李:は?円珠って女に気をつけろ?
桃李:誰だよそれ
桃李:自称エンジェルちゃん?
桃李:…なにそのイタイおんな
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0:円珠が柱で飛んでくる
0:ドンガラガッシャーンッ
0:
桃李:うるさ…
桃李:あ、ちょっと師匠どこ行くんだよ!
桃李:あとは任せたって、何勝手なこと言って…!おい!
0:
0:病室を出て行く桃李と入れ違いに、円珠が駆け込んでくる
0:
円珠:はぁ…はぁ…
0:ガラッ(扉を開ける音)
円珠:棟梁…!生きてる!?
0:
0:
0:【タイトルコール】
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桃李:毒舌後継者と、
円珠:柱を折るエンジェルの受難
0:
円珠:あれ?誰もいない?棟梁の病室ここだよね?
桃李:誰?あんた?(廊下側、円珠の背後から)
円珠:うわっ、びっくりした
円珠:急に後ろから声かけないでよ
桃李:あんたが扉の前で突っ立ってるから、後ろから声かけるしかないんだけど
円珠:あぁ、それもそっか
桃李:どいてくんない?そこ
円珠:(どきながら)ねぇねぇ、この病室の人?
桃李:この格好で俺入院患者に見える?
円珠:見えない
桃李:だったら今の質問いる?
円珠:なによ…、ちょっと聞いただけじゃん
円珠:じゃあなんでここにいるの?
桃李:…ここ、俺の知り合いの病室なんだけど?
円珠:あっ、そのパターンか
円珠:やっぱり病室間違えたかなぁ…?
円珠:おっかしいなぁ…
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0:ガラガラ…(扉を閉めかける)
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桃李:なんだあれ、騒がしいやつ
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0:ガラッ(戻ってきて勢いよく扉を開ける)
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円珠:いやいや、受付で聞いた病室やっぱりここだし
円珠:私あってるし
円珠:え?じゃああんた誰?棟梁の知り合い?
円珠:私、棟梁に用があるんだけど、棟梁出して?
桃李:あのさ、ここ病院
桃李:ちょっとは静かにできないの?
桃李:あんた落ち着きなさすぎだし、「棟梁出して」って日本語おかしいからな
桃李:歳いくつだよ
円珠:むっ…、さっきからあんたあんたって、失礼じゃない!
桃李:あんたに言われる筋合いない
円珠:あー!またあんたって言った!
円珠:棟梁がどこにいるか知ってるなら教えてよ!
円珠:私急いでるんだから…!
桃李:はぁ…、ここにはもういないよ
桃李:師匠になんの用事?
円珠:師匠?え?誰が?
桃李:今の話しの流れでわかんないとか…
桃李:あんたの言う棟梁のことに決まってんだろ
円珠:棟梁って師匠だったの!?
円珠:…ってか、なんの?
桃李:柱職人以外になにがあるんだよ
円珠:あぁ、そっか
円珠:じゃあ、あんた棟梁の弟子な…
桃李:(食い気味に)桃李
円珠:え?
桃李:俺の名前。通学するのに柱バカスカ折って、挙句「エンジェルちゃん」って呼ばれて喜んでる頭お花畑女に、あんた呼ばわりされるとか、心外
円珠:頭お花畑…って…!
円珠:私にだって円珠っていう名前が…!
桃李:知ってる
円珠:なんで初対面なのに知ってんのよ!
桃李:師匠から円珠って女に気をつけろって言われてんの
円珠:は!?棟梁ひどくない!?
桃李:けど、なにをそんなに警戒してんのか
桃李:こんなのキャンキャンうるさいただの小型犬じゃん
円珠:小型け…!
円珠:あんたねぇ、私これでも進学校通ってるんだけど!?
桃李:それはまぁ、ずいぶんとレベルの低い進学校だことで
円珠:なんですってぇ!?
桃李:名前教えたのに、30秒もしないうちに忘れてるし
円珠:忘れてないわよ!桃李っていうんでしょ
円珠:何回だって呼んでやるわよ
円珠:桃李!桃李!
桃李:よくできましたー。えらいねー。(棒読み)
円珠:むっかつく…
円珠:棟梁ってば弟子にどんな教育してんの
円珠:ってそうだ!こんなやつ相手にしてる時間ないんだった
円珠:ねぇ、棟梁出して!私は棟梁に用事があるの!
桃李:だからいないって
桃李:お前、頭に脳みそ入ってんの?
桃李:人の話聞く気ないだろ
桃李:会った時から1ミリも会話進んでないんだけど
円珠:ぐぬぬ…、だから会話進めようとしてんじゃない!
円珠:なんで棟梁いないのよ!
円珠:ってか、何で入院してんの!
円珠:こっちは緊急事態なのに!
桃李:大袈裟。どうせ大したことじゃないでしょ
円珠:人生最大のピンチよ!
円珠:(少し言い淀む)…になっちゃったんだから!
桃李:なに?聞こえない
円珠:だから、停学になっちゃったの!
桃李:…それと師匠に何の関係が?
円珠:それは…!柱直す人がいないから、柱が枯渇しちゃって…
桃李:は?
円珠:これでもね、自分なりに精一杯頑張ったんだよ?
円珠:状態の良くない柱でも我慢して使ったり、
円珠:短期間で柱の飛距離伸ばす努力したり…
桃李:…(察したような、呆れたような沈黙)
円珠:それでも…!
円珠:どんなに頑張ってもどうにもならなくて…、毎日遅刻してたら…
円珠: 1週間の停学くらっちゃった♪
桃李:くっだらね
桃李:普通に登校しろよ
円珠:無茶言わないでよ…!
円珠:もう私は普通に登校できる身体じゃないんだよ…
桃李:なに病弱感出してんだよ。ただの怠惰じゃねぇか
円珠:とにかく、柱がないと困るの
円珠:このまま停学あけちゃったら、登校できない!
桃李:いや、歩けよ
円珠:そうだ!桃李って棟梁の弟子なんだよね?
円珠:ってことは、まだ未熟かもしんないけど、柱直せるんでしょ?
桃李:言い方失礼すぎるだろ。どこから目線でもの言ってんだ
円珠:あーごめんごめん(適当)
円珠:でもさ、柱は直せるんだよね?
円珠:だったらものは相談なんだけど、時間かかってもいいからさ、何本か柱直してくれない?
桃李:ぜってぇ嫌
円珠:そんな固いこと言わずに!
桃李:断る
円珠:そこをなんとか!
桃李:無理
円珠:停学明けの私の運命がかかってるのぉ!お願い!
桃李:自業自得、普通に起きて自分で歩け
円珠:あ!じゃあこういうのはどう?
円珠:毎日私の登下校に付き合ってもらうの悪いし、柱直すのも棟梁と違ってへたっぴだから時間もかかるでしょ?
桃李:仮にも人に頼み事してんのに嫌味入れるとか、どんな神経してんの?
円珠:だから、家の近くと学校の校庭に、柱の供給場みたいなの作ってよ
桃李:は?
円珠:ほら、海外にある柱いっぱいの遺跡みたいな…何だっけ…?
桃李:…パルテノン神殿?
円珠:そう、それ!
円珠:それがあればさ、桃李の移動距離は「私の家」と「学校」の2箇所ですむし、一気にたくさん柱用意しておけば、桃李も楽ができる!
円珠:どう!この代替案!天才的じゃない!?
桃李:なに威張ってんだ。お前はブラック企業か
円珠:なんでよ!?
桃李:師匠の性格じゃあ、すーぐ熱くなって真正面から反応してんだろうなぁ
桃李:そりゃストレスで胃潰瘍にもなるわ
桃李:はぁ…、師匠には悪いけど後継者辞退していいかな
円珠:え!?何で辞退すんのよ!
桃李:あんたみたいなののために柱直すとか、馬鹿馬鹿しくてやってらんない
円珠:か弱い乙女のピンチを見捨てる気!?
桃李:指一本で柱折れるやつは、か弱くねぇんだよ
円珠:ねーえー、そんなこと言わないでよー
桃李:しつこい
桃李:そんなに柱ないと困るんなら、使いまわせよ
円珠:それができてるなら苦労しないわよ!
桃李:なに?できないの?
円珠:う…、着地がうまくいかなくて…、柱が砕け散る…
桃李:…はっ、へったくそ
円珠:んな…!
円珠:むーかーつーくー!!