台本概要

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タイトル アビリティ・ウォーズ2
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル ファンタジー
演者人数 5人用台本(男3、女2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 人間の遺伝子を操作することで特別な能力「アビリティ」を発現させることができる技術。それは人々に恩恵をもたらす一方、犯罪にも悪用される事になる。警察組織セイヴァー、犯罪者組織ブリリアント、ルナとビート達のあの戦いから数年。再び両者は激突することになる・・。 男女不問。世界観を壊さない程度のアドリブOK
投稿者

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ビート 58 オカマ。ブリリアントの最強のオカマ。アビリティ「エレクトリカル」切れると怖いが面倒見がいい
ウタ 45 女。ブリリアントの新人メンバー。アビリティ「ウォーター・マジック」小柄で幼い性格。いつも腹ペコ
ガリウス 40 男。ブリリアントの自称一番の実力者。アビリティ「ボタニカル・ガーデン」性格が悪く、殺すが口癖
ルナ 52 女。バリアントのチームリーダー。アビリティ「サイキック」以前ビートに負け己を鍛えた。強気な性格
カイン 42 男。バリアントの新人隊員。アビリティ「バーン・アウト」お調子者でいい加減な性格。煽り気質
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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――大型トラックの後ろを追尾するように走る一台の小型車 ウタ:あ!アレってもしかして、前にビートが言ってたパン屋なの!? ビート:え?ああ。うん、そうよ。毎日焼きたての美味しいパンを提供しているこの辺でも人気のパン屋さんね。 ウタ:へーそうなのか~。スラムに居た時はあんなの食べれなかったからな~。ジュル、あ~想像したらお腹減ってきた~。 ガリウス:おいガキ、今は任務中だろ。ちゃんと周りを警戒してろ ウタ:う⋯わ、分かってるよ⋯ ビート:もう、ガリちゃんったら、この子はまだ組織に入ったばかりの新人ちゃんなんだから、優しくしてあげなきゃ~ ガリウス:気安く話しかけるなキモオカマ野郎。ボス1番のお気に入りか、なにか知らないが、俺はお前の事なんて認めてないからな ビート:あら~、私をそんなナメた呼び方するなんて~⋯今すぐ死にたいのかしら? ガリウス:ああ、いいだろう。丁度どっちが上かハッキリさせたかった所だ、ぶっ殺してやるよ。 ウタ:わ、わわ、ちょっと、前、前見て運転してよ~!? ビート:あら、いけないいけない。私とした事が、ちょっと熱くなちゃったわね。続きはまた今度にしましょ、ね、ガリちゃん? ガリウス:⋯チッ、興醒(きょうざ)めだ。俺は寝る、なんかあったら起こせガキ。 ウタ:ほーい、了解~ ――間 ――高速道路を走る一台の覆面車両に通信連絡が入る ルナ:はい、こちら四課ルナです。・・了解しました、直ちに現場に向かいます。 ルナ:カイン、本部から通信よ。追っていた例の組織に動きがあったみたいよ。 カイン:ルナ先輩、例の組織って、あれッスよね? ルナ:そうよ、ブリリアントよ。 カイン:あの、犯罪者集団が非合理にアビリティを身に付けて組織化したっていう、激ヤバな奴らっスよね。 ルナ:あら、いつも会議の時に眠そうにしてたけど、ちゃんと話は聞いていたようね。 カイン:うぐっ、ば、バレてたッスか⋯。 ルナ:あんな堂々とイビキ掻いて寝てたら、普通誰でも気づくわよ。 カイン:で、でも、ちゃんと奴らの情報は事前に調べてきてるから大丈夫ッスよ。 ルナ:あらそう。それじゃ、私達が今からどうするかも、分かるわね? カイン:もちろんッス!まだ入って日も浅い俺ですけど、憧れのルナ先輩の下で働けるんスから、ばっちりセイヴァーの一員として、ブリリアントの奴らを全員捕まえてやりますよ! ルナ:ほんと、この子は調子いいんだから。 ルナ:⋯ブレイクさん、ウルフさん、私はちゃんと、やれてますか⋯? ――間 ビート:うーん、平和ね~。今日はあの子達もお休みかしら? ウタ:このままみんなでどっかに遊びに行きたいよねー ビート:私は、どうせならイイ男と楽しく遊びたいわ〜 ウタ:ガリウスがいるよ? ビート:あーん、そんな陰険根暗男なんて論外よ~ ガリウス:おいクソオカマ、全部聞こえてるぞ? ビート:もちろん、聞かす為に言ってるに決まってるでしょ~? ガリウス:よーし、今から息の根止めてやる。 ウタ:ちょっと~二人ともまた⋯っ!なんか来てるよ! ガリウス:っ!なんだと? ビート:嘘⋯私の感知より先に見つけるなんて。すごいわよ、ウタ。 ウタ:ウタすごい?えへへ~。 ガリウス:おいガキ!どっちから来てやがる!? ウタ:え、えーと⋯ ビート:周りはとくに変わった様子はないようだけど⋯ ガリウス:チッ!どこにいやがる!? ウタ:ッ!上から来るよ!! ビート:回避するわよ!しっかり捕まりなさい!! ガリウス:ぬわー!! ウタ:わ、わわ~!! カイン:あ、ルナ先輩、やつら避けたようですよ? ルナ:そうみたいね。どうやら、感知能力の高いアビリティ持ちがいるようね。 カイン:でも、いくら頑丈な耐衝撃車両に乗ってるからって、まさか奴らの上から車ごと潰そうとするなんてビックリしましたよ。 ルナ:それぐらいしないと、奴らを足止めする事は無理よ。ま、だからって大人しくは潰されてはくれないだろうけど。 カイン:ヒュー、さっすがルナ先輩ッスね。 ルナ:カイン、ハンドルは任せたわよ。 カイン:了解ッス! ウタ:だ、誰か分からないけど窓から身を乗り出したよ! ガリウス:あいつ、いったい何をするつもりだ? ビート:あれは⋯フフ、「あの子」ね、これは厄介だわ。 ガリウス:あ?オカマ、お前あいつを知ってるのか?⋯っ!な、なんだ!? ウタ:え、な、なんか⋯車、浮いてない? ビート:まずいわ!二人とも、今すぐ出るわよ! ルナ:飛べ、「サイコキネシス!」 ビート:くっ!「プラズマクラスター!」今よ! ガリウス:チィッ! ウタ:うわー! ――間 カイン:うっは~すげ~。ルナ先輩のアビリティ、「サイキック」の力はさすがッスね ルナ:関心してる場合じゃないわよ。予定通り、奴らが車から降りたから行くわよ。 カイン:あ、ちょっ、ルナ先輩、待って下さいッス~! ガリウス:はあ、はあ⋯な、何だ今のは⋯? ウタ:い、痛たた~⋯ ビート:どうやらウタもすり傷ぐらいで済んだようね。うん、良い反射神経よ。 ウタ:ビ、ビート、今のは何だったの? ビート:あれがセイヴァーよ ウタ:え、セイヴァーって、うちらの敵の? ビート:そうよ。⋯あら、お出ましみたいよ。 ルナ:セイヴァーよ。3人共動かないで。 ガリウス:セイヴァーだと?ハハッ!毎度邪魔してきやがる、おじゃま虫共じゃねえか。 カイン:おじゃま虫ね。それ言うなら、あんた達は悪い虫だろ? ルナ:それは意味が違うと思うわよ? ガリウス:ふざけた野郎だ、ぶっ殺されてえのか? ウタ:うちらって、虫だったの? ビート:ウタ、ただの例え話よ。 ルナ:あなたは情報にあった、最近派手に暴れ回ってるって言う、アビリティ「ボタニカル・ガーデン」のガリウスね。 ガリウス:ふ、まさか俺の事を知ってるとわな。有名人も辛いねー。 カイン:悪名が嬉しいとか、やっぱ頭イカれてるな。 ガリウス:お前は絶対殺す! ウタ:あ、ウタはウタだよ!えーと、アビリティ?ってのは水を出したり出来る「ウォーター・マジック」ってやつだよ! ルナ:あ、そう、なのね⋯。あなた、最近組織に入ったばかりなのかしら? ウタ:そうだよ! ガリウス:ガキー!なに仲良しごっこしてやがる!そいつは敵だろが! ウタ:う⋯怒鳴らなくてもいいじゃん。 カイン:へー、あんな子までブリリアントのメンバーとは。世も末ッスね。 ルナ:⋯まあいいわ。それから⋯あなたは⋯ ビート:ふふ、久しぶりね、ルナちゃん。 ルナ:ビート⋯ カイン:え?ビートって、あの漆黒の雷光、ビート!?めちゃくちゃ大物じゃないッスか⋯ ルナ:ビート⋯忘れもしない、ブレイクさんと一緒に戦った、あの時の⋯ ビート:あら、覚えてくれてたのねルナちゃん。貴方の事は聞いてるわよ。随分活躍してるみたいじゃない?あの時の失神してた時とは大違いみたいね。 カイン:え?失神?あの無敵のアビリティ「サイキック」のルナ先輩が? ルナ:う⋯それは⋯ ビート:あら?後輩くんには話して無かったみたいね。悪い事しちゃったかしら? ルナ:う、うるさい!ビート、あの時以来、表から姿を見せなくなってたみたいだけど、いったい今までどこに隠れてたの!? ビート:うーん。ちょーっと、野暮用があったのよ。それよりルナちゃん、まさか昔話をしに来てるわけじゃないんでしょ? ルナ:⋯当たり前よ。ブレイクさんに任された四課チームリーダーとして、ブリリアント、お前達を捕まえる! ビート:ふふ、そうこなくっちゃ。そうじゃないと⋯今まで、待った甲斐がないってものよ。 ルナ:っ!?⋯それはどういう⋯ ガリウス:よーし、殺るんならあの死にたがり野郎をもらうぜオカマ。 ビート:そう言うと思ったわ。どうぞ、ご自由に。 カイン:やっぱそうなるかー。俺、ヘイト集め過ぎたッスかね? ルナ:自業自得でしょ。 カイン:よーし!ここは一発ルナ先輩にカッコイイとこ見せて、ポイント稼がなくちゃっスね! ルナ:これは遊びでも訓練でもないのよ、真面目にやりなさい。 カイン:了解ッス! ビート:ウタ、あなた、今までに、戦闘した経験はあるのかしら? ウタ:ん?ないよ? ビート:そう⋯仕方ないわね。なら今回は私が一緒に戦ってあげるから、あのルナちゃんと殺るわよ。 ウタ:なんかよくわかんないけど、分かった! ルナ:へー、あのブリリアントで一番残虐と恐れられてた漆黒の雷光のビートも、新人には優しいのね? ビート:あら、ただのきまぐれよ。私が優しい訳、ないじゃなーい? ウタ:そう?ビートはいつもウタに優しいよ? ビート:⋯さ、殺り合いましょ、ルナちゃん。 ルナ:⋯なんか調子狂うけど、やっとあの時の借りを返せるわ。覚悟しなさいビート! ――間 ガリウス:よーし、死に急ぎ野郎、殺す前に名前くらいは聞いといてやろうか? カイン:お、口はめちゃくちゃ悪いけど名乗りをやろうなんて古風だねー。 ガリウス:うるせー!さっさと名乗りやがれ!ぶち殺すぞ! カイン:どっちみち殺すくせにー。 カイン:俺はセイヴァー四課、チームバリアント・バーンアウトのカインだ。よろしくー。 ガリウス:ハッ、クソみてーな名前だな。 カイン:名乗らせといてそれ酷くない~!? ガリウス:それじゃ冥土の土産に教えてやる。俺様はブリリアント一番の実力者、ボタニカル・ガーデンのガリウスだ。 カイン:ボタニカルガーデン⋯植物園?楽しそう~ ガリウス:よーし、死ね、今すぐ死ね。くらえ!「ガーデニング!」 カイン:え⋯?ぬわっ!! ガリウス:ち、避けたか。感だけはいいなクソヤロー。 カイン:あっぶね~。地面にも気を配っといて良かった~。なるほどね、植物を自在に生やせるアビリティってわけか。 ガリウス:馬鹿が、それで終わりと思ってるのか? カイン:ん、どういう事だ? ガリウス:芽吹け⋯発芽!撃ちだせ、「シード・マシンガン!」 カイン:くっ!数が多すぎる!? ガリウス:終わったな。 カイン:うわーー!⋯なんてな?「バーン・ザ・フロア!!」 ガリウス:なにぃ!?あ、あの数を一瞬で燃やした⋯だと? カイン:うわっちぃ~!!あつ!あつ!手が、手が燃える~!! ガリウス:⋯こいつ、アホなのか⋯? ――間 ビート:なかなか面白い後輩くんじゃない? ルナ:そうね、呆れるくらい馬鹿だけど、毎日見てて飽きないわよ。 ウタ:あの兄ちゃん火が出せるんだ~すご~ ビート:あら、ウタ、貴方も凄いこと出来るじゃない。そこのルナちゃんに貴方の力、見せてあげてちょうだい。 ウタ:んー?いいよー。 ルナ:気は進まないけど、あなたもブリリアントに入ったならセイヴァーとして捕まえるだけよ。さあ、かかってきなさい! ウタ:じゃあ、いっくよ~、「ウォーター・カッター」 ルナ:ただの水⋯いや違う!?クッ! ウタ:あれれ~?避けられちゃった。 ビート:ブラボ~、初見でこの子のアビリティのヤバさが分かるなんて、さすがルナちゃんね。 ルナ:はあ、はあ⋯な、なんて威力なの⋯まともに当たってたら真っ二つだったわ⋯ ウタ:ビート、このあとはどうするのー? ビート:そりゃ、相手を倒すまで、撃って撃って、撃ちまくるのよ。 ウタ:よーし、いっくぞ~。「ウォーター・スプラッシュ」 ルナ:くっ!、ふっ!、なんて、連続技なの! ウタ:あ、スキありー、「ウォーター・カッター」 ルナ:舐めないで!曲がれ!「サイコウェーブ!」 ウタ:あ、あれ?当たらない、当たらないよ~!? ルナ:無駄よ、私の周りに見えない波があるわ。あなたのその水も、お隣りさんの自慢の雷も、すべてねじ曲げるわ。 ビート:あら、少し会わない間にほんとに強くなったみたいね⋯。ジュル、面白いじゃない。 ルナ:今度はこっちからいくわよ、浮け、「サイコキネシス!」 ビート:あら、あの時の再現かしら?そんなの、また私が全部撃ち落としちゃうわよ? ルナ:そうね、あなたなら確かに簡単でしょうね。ただ、「コレ」全部、撃ち落とす事が出来るかしら? ウタ:ビ、ビート⋯うちらの周りを囲むように、いっぱい岩が浮かんでるよ! ビート:あらあら、これは困ったわね。どうしましょ? ルナ:舞い踊れ!「ダンシング・シュート!!」 ウタ:く、来るよビート!! ビート:ウタ、私の近くに居なさい。 ウタ:う、うん! ビート:爆じけなさい!「エレクトリカル・オールキャスト・パレード!!」 ウタ:ヒッ! ルナ:なっ!? ビート:はぁ、はぁ⋯どう?私も、貴方と一緒で、あの時より強くなってるのよ⋯? ウタ:す、すごい⋯あれ全部落としちゃった。 ルナ:相変わらず、バケモノね⋯ ――間 カイン:ふ~、さっきのはマジで危なかったなー。俺じゃなかったら絶対ヤバかったっしょ。 ガリウス:⋯ カイン:ん、どうしたんだ? ガリウス:⋯こんなアホなやつに俺様の技を防がれるなんて、最悪だぜ⋯ カイン:ああ、よっぽどショックだったんだな。ご自慢の植物園だったもんなー。 ガリウス:もう面倒だ。一気に終わりにしてやるよ。 カイン:草生える~、残念だけど、何をしようと全部燃やしつくしゃうよ~? ガリウス:やってみろよ、お前のそのチンケな灯火(ともしび)で俺様の植物を燃やせるってんならな! ガリウス:生えて生えて生えつくせ!「ジャングルガーデン!!」 カイン:お、おお~。こりゃ、草生え過ぎて、ジャングルってか⋯? ガリウス:⋯馬鹿が、そのままあの世でもふざけてろ!潰れろ!「ジャングル・フィーバー!!」 カイン:やっば~、これは全力出さないとだな。まだルナ先輩に、良いとこ見せてないからなー!! カイン:燃え上がれ!俺の先輩への熱い情熱!!「バーニング・LOVE・ファイアーー!!」 ガリウス:ぐあああーーー!!! カイン:はあ、はあ⋯先輩~⋯見てて⋯くれたッスか⋯?うぐっ。 ――間 ビート:はあ、はあ⋯どうやら、あっちは終わったみたいね。 ルナ:はあ、はあ⋯カイン、あなた、やれば出来るじゃない。 ウタ:ビ、ビート~もうお腹減って、力が出ないよ~ ビート:そうね、ルナちゃんの成長も見れた事だし、今回はこの辺にしておこうかしらね。 ルナ:⋯ビート、また逃げる気なの⋯? ビート:ふふ、まだ殺り足りないって顔ね? ルナ:当たり前でしょ!今度こそ絶対、逃がさないわよ⋯ ビート:あらー、可愛い顔なのに、そんな怖い表情、貴方には似合わないわよ~? ルナ:ふざけないで!⋯なんで、なんであの時⋯私を殺さなかったの⋯? ビート:そうね⋯理由なら、あるわよ。 ルナ:どういう理由!答えなさい! ビート:ルナちゃん⋯貴方はこのエデンについて、どこまで知ってるかしら? ルナ:え⋯?なんの話をしてるの⋯? ビート:なるほど⋯。まあそれは置いといて、貴方は強くなる、まだまだね。私はそれを待ってるのよ。 ルナ:え⋯どういう事⋯? ビート:でもまだだーめ。今のルナちゃんじゃ駄目なの。だから、もっと強くなりなさい。うーんと強くなったら、その時また会いに来るわ。 ルナ:⋯意味が分からない、今の私じゃ駄目って⋯どういう事よ!ビート!! ビート:ウタ、「アレ」やってちょうだい。 ウタ:アレ?⋯あ、分かった!行っくよ~ ルナ:無駄な抵抗はやめなさい、何をしても逃がさないわよ! ウタ:ふりふり~、「ウォーター・レイン~」 ルナ:っ!?え⋯?これって⋯ただの⋯雨? ビート:それじゃね、ルナちゃん。また逢う日まで~ ルナ:え⋯?ま⋯まさか!? ビート:降り注ぎなさい、「エレクトリカル・サンダー・レイン!!」 ルナ:きゃあああああーー!!うっ⋯ ――間 ビート:終わったわね⋯。 ウタ:ビート、このお姉ちゃん、死んだのか? ビート:いいえ、ただ失神してるだけよ。 ウタ:そうなんだ。えい、えい。あ、ほんとだ、息してる~ ビート:こーら、ツンツンしちゃダメよ。それより、ガリウスちゃんがどこに居るか、分かるかしら? ウタ:うーんと⋯あっちだよ! ――間 ビート:ああ、居た居た。そして、坊やも、良くこのガリちゃん相手に勝ったわね、偉いわよ。 カイン:⋯敵のあんたに褒められても、全然嬉しく無いんスけど? ガリウス:おい、オカマヤロー。誰が負けたって? ビート:そこでボロボロのボロ雑巾みたいになってるあんたよ。 ガリウス:もう一回やったら次は俺が勝つ、かかって来いよ、この死にたがりヤロー。 カイン:そういうのは、起き上がってから言わないと説得力ないっスよ? ビート:で、あんたの憧れの先輩はあっちでノビてるけど。今から私と殺り合うかしら? カイン:先輩への愛の為、そうしたいのは山々なんスけど⋯もう力が枯渇(こかつ)しちゃってるんスよね。なので、降参ッス。 ビート:ふふ、あなた意外と頭が切れるのね。それが賢明よ。お互い、今殺りあっても、共倒れが関の山だしね。さ、ウタ、そこのガリちゃん拾ってアジトに戻るわよ。 ウタ:やっと帰れる~、今日はいっぱい頑張ったからウタの好きなカレー食べさせて~ ビート:もう、ほんと食いしん坊ねー。分かったわよ、今日は私がご馳走するわ。 カイン:⋯なあ、あんた。良い奴なのか、悪い奴なのか、どっちなんスか? ビート:私?⋯ふふ、さあ、どっちかしらね⋯? 終わり

――大型トラックの後ろを追尾するように走る一台の小型車 ウタ:あ!アレってもしかして、前にビートが言ってたパン屋なの!? ビート:え?ああ。うん、そうよ。毎日焼きたての美味しいパンを提供しているこの辺でも人気のパン屋さんね。 ウタ:へーそうなのか~。スラムに居た時はあんなの食べれなかったからな~。ジュル、あ~想像したらお腹減ってきた~。 ガリウス:おいガキ、今は任務中だろ。ちゃんと周りを警戒してろ ウタ:う⋯わ、分かってるよ⋯ ビート:もう、ガリちゃんったら、この子はまだ組織に入ったばかりの新人ちゃんなんだから、優しくしてあげなきゃ~ ガリウス:気安く話しかけるなキモオカマ野郎。ボス1番のお気に入りか、なにか知らないが、俺はお前の事なんて認めてないからな ビート:あら~、私をそんなナメた呼び方するなんて~⋯今すぐ死にたいのかしら? ガリウス:ああ、いいだろう。丁度どっちが上かハッキリさせたかった所だ、ぶっ殺してやるよ。 ウタ:わ、わわ、ちょっと、前、前見て運転してよ~!? ビート:あら、いけないいけない。私とした事が、ちょっと熱くなちゃったわね。続きはまた今度にしましょ、ね、ガリちゃん? ガリウス:⋯チッ、興醒(きょうざ)めだ。俺は寝る、なんかあったら起こせガキ。 ウタ:ほーい、了解~ ――間 ――高速道路を走る一台の覆面車両に通信連絡が入る ルナ:はい、こちら四課ルナです。・・了解しました、直ちに現場に向かいます。 ルナ:カイン、本部から通信よ。追っていた例の組織に動きがあったみたいよ。 カイン:ルナ先輩、例の組織って、あれッスよね? ルナ:そうよ、ブリリアントよ。 カイン:あの、犯罪者集団が非合理にアビリティを身に付けて組織化したっていう、激ヤバな奴らっスよね。 ルナ:あら、いつも会議の時に眠そうにしてたけど、ちゃんと話は聞いていたようね。 カイン:うぐっ、ば、バレてたッスか⋯。 ルナ:あんな堂々とイビキ掻いて寝てたら、普通誰でも気づくわよ。 カイン:で、でも、ちゃんと奴らの情報は事前に調べてきてるから大丈夫ッスよ。 ルナ:あらそう。それじゃ、私達が今からどうするかも、分かるわね? カイン:もちろんッス!まだ入って日も浅い俺ですけど、憧れのルナ先輩の下で働けるんスから、ばっちりセイヴァーの一員として、ブリリアントの奴らを全員捕まえてやりますよ! ルナ:ほんと、この子は調子いいんだから。 ルナ:⋯ブレイクさん、ウルフさん、私はちゃんと、やれてますか⋯? ――間 ビート:うーん、平和ね~。今日はあの子達もお休みかしら? ウタ:このままみんなでどっかに遊びに行きたいよねー ビート:私は、どうせならイイ男と楽しく遊びたいわ〜 ウタ:ガリウスがいるよ? ビート:あーん、そんな陰険根暗男なんて論外よ~ ガリウス:おいクソオカマ、全部聞こえてるぞ? ビート:もちろん、聞かす為に言ってるに決まってるでしょ~? ガリウス:よーし、今から息の根止めてやる。 ウタ:ちょっと~二人ともまた⋯っ!なんか来てるよ! ガリウス:っ!なんだと? ビート:嘘⋯私の感知より先に見つけるなんて。すごいわよ、ウタ。 ウタ:ウタすごい?えへへ~。 ガリウス:おいガキ!どっちから来てやがる!? ウタ:え、えーと⋯ ビート:周りはとくに変わった様子はないようだけど⋯ ガリウス:チッ!どこにいやがる!? ウタ:ッ!上から来るよ!! ビート:回避するわよ!しっかり捕まりなさい!! ガリウス:ぬわー!! ウタ:わ、わわ~!! カイン:あ、ルナ先輩、やつら避けたようですよ? ルナ:そうみたいね。どうやら、感知能力の高いアビリティ持ちがいるようね。 カイン:でも、いくら頑丈な耐衝撃車両に乗ってるからって、まさか奴らの上から車ごと潰そうとするなんてビックリしましたよ。 ルナ:それぐらいしないと、奴らを足止めする事は無理よ。ま、だからって大人しくは潰されてはくれないだろうけど。 カイン:ヒュー、さっすがルナ先輩ッスね。 ルナ:カイン、ハンドルは任せたわよ。 カイン:了解ッス! ウタ:だ、誰か分からないけど窓から身を乗り出したよ! ガリウス:あいつ、いったい何をするつもりだ? ビート:あれは⋯フフ、「あの子」ね、これは厄介だわ。 ガリウス:あ?オカマ、お前あいつを知ってるのか?⋯っ!な、なんだ!? ウタ:え、な、なんか⋯車、浮いてない? ビート:まずいわ!二人とも、今すぐ出るわよ! ルナ:飛べ、「サイコキネシス!」 ビート:くっ!「プラズマクラスター!」今よ! ガリウス:チィッ! ウタ:うわー! ――間 カイン:うっは~すげ~。ルナ先輩のアビリティ、「サイキック」の力はさすがッスね ルナ:関心してる場合じゃないわよ。予定通り、奴らが車から降りたから行くわよ。 カイン:あ、ちょっ、ルナ先輩、待って下さいッス~! ガリウス:はあ、はあ⋯な、何だ今のは⋯? ウタ:い、痛たた~⋯ ビート:どうやらウタもすり傷ぐらいで済んだようね。うん、良い反射神経よ。 ウタ:ビ、ビート、今のは何だったの? ビート:あれがセイヴァーよ ウタ:え、セイヴァーって、うちらの敵の? ビート:そうよ。⋯あら、お出ましみたいよ。 ルナ:セイヴァーよ。3人共動かないで。 ガリウス:セイヴァーだと?ハハッ!毎度邪魔してきやがる、おじゃま虫共じゃねえか。 カイン:おじゃま虫ね。それ言うなら、あんた達は悪い虫だろ? ルナ:それは意味が違うと思うわよ? ガリウス:ふざけた野郎だ、ぶっ殺されてえのか? ウタ:うちらって、虫だったの? ビート:ウタ、ただの例え話よ。 ルナ:あなたは情報にあった、最近派手に暴れ回ってるって言う、アビリティ「ボタニカル・ガーデン」のガリウスね。 ガリウス:ふ、まさか俺の事を知ってるとわな。有名人も辛いねー。 カイン:悪名が嬉しいとか、やっぱ頭イカれてるな。 ガリウス:お前は絶対殺す! ウタ:あ、ウタはウタだよ!えーと、アビリティ?ってのは水を出したり出来る「ウォーター・マジック」ってやつだよ! ルナ:あ、そう、なのね⋯。あなた、最近組織に入ったばかりなのかしら? ウタ:そうだよ! ガリウス:ガキー!なに仲良しごっこしてやがる!そいつは敵だろが! ウタ:う⋯怒鳴らなくてもいいじゃん。 カイン:へー、あんな子までブリリアントのメンバーとは。世も末ッスね。 ルナ:⋯まあいいわ。それから⋯あなたは⋯ ビート:ふふ、久しぶりね、ルナちゃん。 ルナ:ビート⋯ カイン:え?ビートって、あの漆黒の雷光、ビート!?めちゃくちゃ大物じゃないッスか⋯ ルナ:ビート⋯忘れもしない、ブレイクさんと一緒に戦った、あの時の⋯ ビート:あら、覚えてくれてたのねルナちゃん。貴方の事は聞いてるわよ。随分活躍してるみたいじゃない?あの時の失神してた時とは大違いみたいね。 カイン:え?失神?あの無敵のアビリティ「サイキック」のルナ先輩が? ルナ:う⋯それは⋯ ビート:あら?後輩くんには話して無かったみたいね。悪い事しちゃったかしら? ルナ:う、うるさい!ビート、あの時以来、表から姿を見せなくなってたみたいだけど、いったい今までどこに隠れてたの!? ビート:うーん。ちょーっと、野暮用があったのよ。それよりルナちゃん、まさか昔話をしに来てるわけじゃないんでしょ? ルナ:⋯当たり前よ。ブレイクさんに任された四課チームリーダーとして、ブリリアント、お前達を捕まえる! ビート:ふふ、そうこなくっちゃ。そうじゃないと⋯今まで、待った甲斐がないってものよ。 ルナ:っ!?⋯それはどういう⋯ ガリウス:よーし、殺るんならあの死にたがり野郎をもらうぜオカマ。 ビート:そう言うと思ったわ。どうぞ、ご自由に。 カイン:やっぱそうなるかー。俺、ヘイト集め過ぎたッスかね? ルナ:自業自得でしょ。 カイン:よーし!ここは一発ルナ先輩にカッコイイとこ見せて、ポイント稼がなくちゃっスね! ルナ:これは遊びでも訓練でもないのよ、真面目にやりなさい。 カイン:了解ッス! ビート:ウタ、あなた、今までに、戦闘した経験はあるのかしら? ウタ:ん?ないよ? ビート:そう⋯仕方ないわね。なら今回は私が一緒に戦ってあげるから、あのルナちゃんと殺るわよ。 ウタ:なんかよくわかんないけど、分かった! ルナ:へー、あのブリリアントで一番残虐と恐れられてた漆黒の雷光のビートも、新人には優しいのね? ビート:あら、ただのきまぐれよ。私が優しい訳、ないじゃなーい? ウタ:そう?ビートはいつもウタに優しいよ? ビート:⋯さ、殺り合いましょ、ルナちゃん。 ルナ:⋯なんか調子狂うけど、やっとあの時の借りを返せるわ。覚悟しなさいビート! ――間 ガリウス:よーし、死に急ぎ野郎、殺す前に名前くらいは聞いといてやろうか? カイン:お、口はめちゃくちゃ悪いけど名乗りをやろうなんて古風だねー。 ガリウス:うるせー!さっさと名乗りやがれ!ぶち殺すぞ! カイン:どっちみち殺すくせにー。 カイン:俺はセイヴァー四課、チームバリアント・バーンアウトのカインだ。よろしくー。 ガリウス:ハッ、クソみてーな名前だな。 カイン:名乗らせといてそれ酷くない~!? ガリウス:それじゃ冥土の土産に教えてやる。俺様はブリリアント一番の実力者、ボタニカル・ガーデンのガリウスだ。 カイン:ボタニカルガーデン⋯植物園?楽しそう~ ガリウス:よーし、死ね、今すぐ死ね。くらえ!「ガーデニング!」 カイン:え⋯?ぬわっ!! ガリウス:ち、避けたか。感だけはいいなクソヤロー。 カイン:あっぶね~。地面にも気を配っといて良かった~。なるほどね、植物を自在に生やせるアビリティってわけか。 ガリウス:馬鹿が、それで終わりと思ってるのか? カイン:ん、どういう事だ? ガリウス:芽吹け⋯発芽!撃ちだせ、「シード・マシンガン!」 カイン:くっ!数が多すぎる!? ガリウス:終わったな。 カイン:うわーー!⋯なんてな?「バーン・ザ・フロア!!」 ガリウス:なにぃ!?あ、あの数を一瞬で燃やした⋯だと? カイン:うわっちぃ~!!あつ!あつ!手が、手が燃える~!! ガリウス:⋯こいつ、アホなのか⋯? ――間 ビート:なかなか面白い後輩くんじゃない? ルナ:そうね、呆れるくらい馬鹿だけど、毎日見てて飽きないわよ。 ウタ:あの兄ちゃん火が出せるんだ~すご~ ビート:あら、ウタ、貴方も凄いこと出来るじゃない。そこのルナちゃんに貴方の力、見せてあげてちょうだい。 ウタ:んー?いいよー。 ルナ:気は進まないけど、あなたもブリリアントに入ったならセイヴァーとして捕まえるだけよ。さあ、かかってきなさい! ウタ:じゃあ、いっくよ~、「ウォーター・カッター」 ルナ:ただの水⋯いや違う!?クッ! ウタ:あれれ~?避けられちゃった。 ビート:ブラボ~、初見でこの子のアビリティのヤバさが分かるなんて、さすがルナちゃんね。 ルナ:はあ、はあ⋯な、なんて威力なの⋯まともに当たってたら真っ二つだったわ⋯ ウタ:ビート、このあとはどうするのー? ビート:そりゃ、相手を倒すまで、撃って撃って、撃ちまくるのよ。 ウタ:よーし、いっくぞ~。「ウォーター・スプラッシュ」 ルナ:くっ!、ふっ!、なんて、連続技なの! ウタ:あ、スキありー、「ウォーター・カッター」 ルナ:舐めないで!曲がれ!「サイコウェーブ!」 ウタ:あ、あれ?当たらない、当たらないよ~!? ルナ:無駄よ、私の周りに見えない波があるわ。あなたのその水も、お隣りさんの自慢の雷も、すべてねじ曲げるわ。 ビート:あら、少し会わない間にほんとに強くなったみたいね⋯。ジュル、面白いじゃない。 ルナ:今度はこっちからいくわよ、浮け、「サイコキネシス!」 ビート:あら、あの時の再現かしら?そんなの、また私が全部撃ち落としちゃうわよ? ルナ:そうね、あなたなら確かに簡単でしょうね。ただ、「コレ」全部、撃ち落とす事が出来るかしら? ウタ:ビ、ビート⋯うちらの周りを囲むように、いっぱい岩が浮かんでるよ! ビート:あらあら、これは困ったわね。どうしましょ? ルナ:舞い踊れ!「ダンシング・シュート!!」 ウタ:く、来るよビート!! ビート:ウタ、私の近くに居なさい。 ウタ:う、うん! ビート:爆じけなさい!「エレクトリカル・オールキャスト・パレード!!」 ウタ:ヒッ! ルナ:なっ!? ビート:はぁ、はぁ⋯どう?私も、貴方と一緒で、あの時より強くなってるのよ⋯? ウタ:す、すごい⋯あれ全部落としちゃった。 ルナ:相変わらず、バケモノね⋯ ――間 カイン:ふ~、さっきのはマジで危なかったなー。俺じゃなかったら絶対ヤバかったっしょ。 ガリウス:⋯ カイン:ん、どうしたんだ? ガリウス:⋯こんなアホなやつに俺様の技を防がれるなんて、最悪だぜ⋯ カイン:ああ、よっぽどショックだったんだな。ご自慢の植物園だったもんなー。 ガリウス:もう面倒だ。一気に終わりにしてやるよ。 カイン:草生える~、残念だけど、何をしようと全部燃やしつくしゃうよ~? ガリウス:やってみろよ、お前のそのチンケな灯火(ともしび)で俺様の植物を燃やせるってんならな! ガリウス:生えて生えて生えつくせ!「ジャングルガーデン!!」 カイン:お、おお~。こりゃ、草生え過ぎて、ジャングルってか⋯? ガリウス:⋯馬鹿が、そのままあの世でもふざけてろ!潰れろ!「ジャングル・フィーバー!!」 カイン:やっば~、これは全力出さないとだな。まだルナ先輩に、良いとこ見せてないからなー!! カイン:燃え上がれ!俺の先輩への熱い情熱!!「バーニング・LOVE・ファイアーー!!」 ガリウス:ぐあああーーー!!! カイン:はあ、はあ⋯先輩~⋯見てて⋯くれたッスか⋯?うぐっ。 ――間 ビート:はあ、はあ⋯どうやら、あっちは終わったみたいね。 ルナ:はあ、はあ⋯カイン、あなた、やれば出来るじゃない。 ウタ:ビ、ビート~もうお腹減って、力が出ないよ~ ビート:そうね、ルナちゃんの成長も見れた事だし、今回はこの辺にしておこうかしらね。 ルナ:⋯ビート、また逃げる気なの⋯? ビート:ふふ、まだ殺り足りないって顔ね? ルナ:当たり前でしょ!今度こそ絶対、逃がさないわよ⋯ ビート:あらー、可愛い顔なのに、そんな怖い表情、貴方には似合わないわよ~? ルナ:ふざけないで!⋯なんで、なんであの時⋯私を殺さなかったの⋯? ビート:そうね⋯理由なら、あるわよ。 ルナ:どういう理由!答えなさい! ビート:ルナちゃん⋯貴方はこのエデンについて、どこまで知ってるかしら? ルナ:え⋯?なんの話をしてるの⋯? ビート:なるほど⋯。まあそれは置いといて、貴方は強くなる、まだまだね。私はそれを待ってるのよ。 ルナ:え⋯どういう事⋯? ビート:でもまだだーめ。今のルナちゃんじゃ駄目なの。だから、もっと強くなりなさい。うーんと強くなったら、その時また会いに来るわ。 ルナ:⋯意味が分からない、今の私じゃ駄目って⋯どういう事よ!ビート!! ビート:ウタ、「アレ」やってちょうだい。 ウタ:アレ?⋯あ、分かった!行っくよ~ ルナ:無駄な抵抗はやめなさい、何をしても逃がさないわよ! ウタ:ふりふり~、「ウォーター・レイン~」 ルナ:っ!?え⋯?これって⋯ただの⋯雨? ビート:それじゃね、ルナちゃん。また逢う日まで~ ルナ:え⋯?ま⋯まさか!? ビート:降り注ぎなさい、「エレクトリカル・サンダー・レイン!!」 ルナ:きゃあああああーー!!うっ⋯ ――間 ビート:終わったわね⋯。 ウタ:ビート、このお姉ちゃん、死んだのか? ビート:いいえ、ただ失神してるだけよ。 ウタ:そうなんだ。えい、えい。あ、ほんとだ、息してる~ ビート:こーら、ツンツンしちゃダメよ。それより、ガリウスちゃんがどこに居るか、分かるかしら? ウタ:うーんと⋯あっちだよ! ――間 ビート:ああ、居た居た。そして、坊やも、良くこのガリちゃん相手に勝ったわね、偉いわよ。 カイン:⋯敵のあんたに褒められても、全然嬉しく無いんスけど? ガリウス:おい、オカマヤロー。誰が負けたって? ビート:そこでボロボロのボロ雑巾みたいになってるあんたよ。 ガリウス:もう一回やったら次は俺が勝つ、かかって来いよ、この死にたがりヤロー。 カイン:そういうのは、起き上がってから言わないと説得力ないっスよ? ビート:で、あんたの憧れの先輩はあっちでノビてるけど。今から私と殺り合うかしら? カイン:先輩への愛の為、そうしたいのは山々なんスけど⋯もう力が枯渇(こかつ)しちゃってるんスよね。なので、降参ッス。 ビート:ふふ、あなた意外と頭が切れるのね。それが賢明よ。お互い、今殺りあっても、共倒れが関の山だしね。さ、ウタ、そこのガリちゃん拾ってアジトに戻るわよ。 ウタ:やっと帰れる~、今日はいっぱい頑張ったからウタの好きなカレー食べさせて~ ビート:もう、ほんと食いしん坊ねー。分かったわよ、今日は私がご馳走するわ。 カイン:⋯なあ、あんた。良い奴なのか、悪い奴なのか、どっちなんスか? ビート:私?⋯ふふ、さあ、どっちかしらね⋯? 終わり