台本概要

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タイトル アビリティ・ウォーズ3
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル ファンタジー
演者人数 5人用台本(男3、女2)
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 人間の遺伝子を操作することで特別な能力「アビリティ」を発現させることができる技術。それは人々に恩恵をもたらす一方、犯罪にも悪用される事になる。警察組織セイヴァー、犯罪者組織ブリリアントが存在する街「エデン」。ルナとビート達の二度目の戦いから数ヶ月。ルナは再びビートが姿を表したと情報を得て向かう事に。なんとそこにはビートだけではなく、謎だったブリリアントのボスも現れるのだった…。 男女不問。世界観を壊さない程度のアドリブOK

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ルナ 103 女。バリアントのチームリーダー。アビリティ「サイキック」ビートに二度の敗北を経験するも修行しさらに力を増す。強気な性格
カイン 100 男。バリアントの隊員。アビリティ「バーン・アウト」前回の戦いから少し成長したが相変わらずお調子者でいい加減な性格。
ビート 102 オカマ。ブリリアントの最強のオカマ。アビリティ「エレクトリカル」切れると怖いが面倒見がいい。さらに母性が芽生えている様子。
ウタ 66 女。ブリリアントのメンバー。アビリティ「ウォーター・マジック」小柄で幼い性格。ビート大好きっ子。
ガヴェイン 58 男。ブリリアントのボス。アビリティ「パーフェクト・フィールド」見た目は少年に見えるが整形をして顔を変えている為年齢不詳。研究の為ならどこまでも非道になれる。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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カイン:せんぱーい!居ますか~? カイン:...おかしいな、確かこの辺で特訓してるって聞いたんだけどなぁ~。 ルナ:「ギガント・ストーン・シュート!」 カイン:え...?どわぁ~~!? :少しの間 カイン:はぁ、はぁ、あ、危なかった... ルナ:ちょっとカイン、あれくらい余裕でかわしなさいよ。 カイン:いや簡単に言わないで下さい!あんなの予想出来ませんよ! ルナ:敵はどんなアビリティを使ってくるか分からないのよ?あらゆる状況を想定しときなさい。 カイン:いや...あんな巨石ぶん投げてくるのはルナ先輩くらいだと思う... カイン:てか先輩、また能力上がってませんか? ルナ:当たり前よ、必ずブリリアントを潰さないといけないからね。 カイン:「前回の事」、まだ気にしてるんですか? ルナ:っ!...ええそうよ!情けなくも気絶して戦闘不能だったわよ!なんか文句ある!? カイン:いえ!何もありません! ルナ:...次こそ絶対負けないわよ、ビート! カイン:あはは...。 ルナ:で、何か用があってここまで来たんじゃなかったの? カイン:え?...あっ!そうだった!本部に警ら隊からビートに似た奴を目撃したという連絡がありました。 ルナ:...それを早く言いなさいよ!! :間 ビート:で、以上がこの間の報告よ、ボス♡ ガヴェイン:ご苦労さま、今回も君が居て助かったよ ビート:もちろん!ボスの為ならあたしなんだって頑張っちゃうわよ~ ガヴェイン:それは頼もしいね。ま、君のアビリティならどんな相手だろうと問題無いだろうからね。 ビート:もちろんよ♡あ、でも、今回はウタも頑張ったのよね~? ウタ:え!?う、うん...ウタもちょっと妨害とか出来たと、思う... ガヴェイン:そうかい。まだ戦闘員になって間もないのに凄いね。 ビート:でしょ~? ウタ:えへへ…。 ガヴェイン:ビートが推薦してきた時にはあんまりにも子供だったから驚いたけど、これからも僕の研究の為によろしく頼むよ。 ウタ:う、うん!ウタももっとビートと頑張るよ! ガヴェイン:ふふ。それよりビート... ビート:あら、何かしら? ガヴェイン:「また」、殺さなかったみたいだね? ビート:あら~どうしてそれ知ってるのボス~? ガヴェイン:なに、あの時は君たちの経過観察の為に現場近くに僕も居たからね。 ビート:やだ~!ボスったら~覗きなんていやらしいわね~ ガヴェイン:はぐらかさないでよ。なんで、「あの子」を殺さなかったんだい? ウタ:ビ、ビートは悪くないよ! ガヴェイン:君は黙っててね? ウタ:ヒッ!っ...。 ビート:あれよ~私のタイプ、だったからよ~ ガヴェイン:オカマの君がかい?あの子はどう見ても女性だ、下手な嘘はやめてくれよ。 ビート:あ~ん怖いわね~。まあちゃんと理由があるわよ。 ガヴェイン:へー、ぜひ聞かせてもらおうかな。 ビート:そ・れ・は… ビート:あの子を、ブリリアントの仲間に勧誘する為よ♡ :間 ルナ:っ!? カイン:ん?どうしましたルナ先輩? ルナ:今...なんか悪寒(おかん)が走ったわ カイン:え?どこですか?ルナ先輩のお母さんって、足速いんですか? ルナ:...黙って前見ながら運転しなさい。 カイン:見たかったなー... ルナ:それより、ほんとにビートらしき人物がこの辺りに居たのね? カイン:遠目からだったらしいですけど、普段からあんなド派手な衣装着て歩いてるのは、あの変態くらいだから間違いないです。 ルナ:でもあいつほどの奴がなんでそんなすぐ見つかるような真似を... カイン:っ!?先輩、前!! ビート:は~い、ここは通行止めよ~。「プラズマクラスター!!」 ルナ:ぐっ! カイン:のわぁ~~~!! 間: ウタ:ビート、車がひっくり返っちゃったけどいいの? ビート:あれぐらいじゃあの子達は死にはしないから大丈夫よ。 ガヴェイン:うん、確かにルナちゃんで間違いないね、となりのはカインくんだっけ? ビート:ええそうね、まあ計画に変更はないから任せてボス♡ ウタ:ボ、ボスも居るんだぁ… ガヴェイン:僕がなんで居るか、かい?それは君たちを心配してついて来たからさ。僕って優しいでしょ? ビート:もしかして、私達信用されてないのかしらぁ? ガヴェイン:それはどうかな。まあ僕を失望させないでくれよ? ビート:…。 ガヴェイン:じゃあ勧誘については君に任すよ。あの子のアビリティは確かに僕らの戦力になるからね。 ビート:ふふ、そうでしょう? ガヴェイン:それじゃ僕は離れて見物させてもらうとするかな。 ビート:かしこまり~。じゃあ行くわよウタ ウタ:あ、ビート待ってよぉ~! ルナ:ゲホッ、ゲホッ、カイン、生きてる? カイン:…世界が反対に見えますが、奇跡的に生きてます。 ルナ:じゃあ大丈夫ね、さっさと外に出て奴らを追いかけるわよ! カイン:先輩~俺の事もうちょい心配して下さいよ~ :間 ルナ:ストップ、ここね。 カイン:…先輩、間違いないです。奴らの足跡がこの建物の中に続いてます。 ルナ:…。 カイン:罠、でしょうかね? ルナ:あいつの誘いに乗るようで癪(しゃく)だけど…。どんな罠だろうとすべてねじ伏せてやるだけよ。 カイン:い、いつにも増して気合いが入ってますね先輩…おっかねぇ~…。 ルナ:無駄口を叩いてないでいくわよ! カイン:は、はい! :間 ウタ:…っ!ビート、あいつらが来たよ! ビート:あら、ありがとウタ。 カイン:あ!先輩、いました! ルナ:隠れもせず堂々と待ってるなんて、舐められたものね。 ビート:も~ルナちゃん達やっと来たのね~。待ちくたびれちゃったわよ~。 ウタ:そうだそうだ、ノロマ~。 カイン:あのガキ~、なんかムカつくぜ! ルナ:あんな敵の挑発に乗せられるなんて、あんたもまだまだね。 カイン:ぐっ、すみません…。 ウタ:怒られてやんの~。 カイン:くぅ~後で覚えてろよガキ~! ウタ:ウタはガキじゃないよ! ルナ:はぁ…同レベルで頭痛いわ。 ビート:ウタ、あんたもいい加減にしなさい。 ウタ:は~い。 ルナ:そろそろおふざけは終わりよカイン。 カイン:は、はい!よーし、お前ら覚悟しろよ? ビート:ちょっと待ってもらえるかしら? ルナ:何…? カイン:まさか、観念したのか? ビート:ノンノン。ちょっとルナちゃんに良いお話があるのよ。 ルナ:…言ってみなさい。 ビート:回りくどいのは嫌いだから、単刀直入に言うわ。 ルナ:…。 ビート:ルナちゃん、私達の仲間になってちょうだい。 ルナ:…。 カイン:はぁぁ~~? ビート:どうかしら?悪いようにはしないわよ~。 ルナ:…ふざけてるの?なんでセイヴァーの私が、ブリリアントなんかに入らないといけないの? カイン:そうだ!お前達みたいな犯罪者集団になんで先輩が入らないといけないんだよ! ウタ:ビート、あいつら怒っちゃったみたいだよ? ビート:まあ普通ならそうなるわよね。 ルナ:どういう事? ビート:別に今決めなくてもいいのよ?意識が無くても、アジトまで連れていけば「説得」の仕方なんて色々あるし~。 カイン:なっ!やっぱりあぶねえ奴らじゃん!ルナ先輩、こんな奴らと話してても時間の無駄ですよ! ルナ:わかってるわよ。今度は前回のようにはいかないわよビート。 ビート:あら、怖い目ね。これは説得も骨が折れちゃいそう。 ウタ:ウタも説得?頑張るよ~。 ルナ:ビートとはサシでやらせてもらうわ、カインはあの子をお願い。 カイン:了解、任せて下さい! :少しの間 ガヴェイン:ふふ、ビートがお熱なあの子の実力、見せてもらえそうだね。お手並み拝見といこうか。 :間 カイン:おいガキんちょ ウタ:む、またガキって言った! カイン:どうみてもガキだろ? ウタ:ウタにはビートがつけてくれた「ウタ」って名前がちゃんとあるんだから! カイン:え…お前って、あのオカマの子供か? ウタ:オカマ?ウタはスラムで一人で住んでたんだけど、ちょっとドジをして悪い奴らに捕まったんだ。でもビートが助けてくれて名前もつけてくれたんだよ。 カイン:ちょ、お前そんな壮絶な生い立ちを敵の俺なんかにペラペラ喋って大丈夫なのかよ? ウタ:ビートなら怒らないと思うよ。あ、でも「ボス」には内緒にしててね? カイン:…なーんか調子狂う奴だな。てかビートも何考えてこんな子供を… ウタ:ビートの事、捕まえるの…? カイン:え?まぁ、それが俺の仕事だからな。 ウタ:じゃああのお姉ちゃんもお前も、ウタの敵だ。 カイン:…お前も譲れないもんがあるんだな。仕方ない、ちょっとお灸をすえてやる!火傷しても文句言うなよウタ! カイン:燃えろ!「バーン・ザ・フロア!!」 ウタ:っ!いっけー!「ウォーター・スライダー!!」 カイン:なにぃ!相殺しやがった!?前回みた時より水の勢いが増してやがる! ガヴェイン:へー、あのセイヴァーの彼もかなり強力なアビリティだけど、ビートお気に入りのウタって子も中々やるじゃないか。 ウタ:え~!?吹っ飛ばすつもりだったのに~ カイン:あの歳であの力…なんとも将来が恐ろしいぜ。 ウタ:じゃあ次は…とっておきだよ! カイン:ん、何をするつもりだ? ウタ:雨、雨、降れ降れ~、「ヘビー・レイン・ワーニング!!」 カイン:なっ!こんなんどうやって避けろって言うんだよ!?のああああああーー!! :間 ビート:ルナちゃん、これで「3回目」かしら? ルナ:…今回で終わりにしてあげるわ。 ビート:へー、確かに今までに無い覇気をビンビン感じるわね。残念、女にしとくのが勿体無いわね。 ルナ:どういう風の吹き回しで私を仲間に引き入れようとしてるか知らないけど、無駄よ。 ビート:全く、頑固ね~。そういうの嫌いじゃないわよ?ますます気に入っちゃった♡ ルナ:あんたに気に入られても、全然嬉しくない! ルナ:「サイコキネシス!!」 ビート:わーお!壁ごと引き剥がしちゃうなんて、やるじゃない? ルナ:押しつぶす!「ウォール・サンド!!」 ビート:これはヤバイわね~。 ビート:なんちゃって、「エレクトリカルパレード!!」 ルナ:…ま、これぐらいで倒せるなんて思わなかったけど…相変わらずなんてデタラメな強さなの。 ビート:もう、せっかくの私自慢の衣装がホコリまみれになっちゃったじゃない? ルナ:そんなの知らないわよ。普段からそんなイカれたド派手な衣装のあんたが悪いんでしょ。 ビート:もう、クリーニング代も後で請求しちゃうからね? ルナ:セイヴァー本部にどうぞ。 ビート:ふふ、ジョークも分かる素敵な女になっちゃって。じゃあ今度は私からいくわよ? ルナ:どうぞ、全部ねじ曲げてやるわ! ビート:その意気よ。弾けなさい!「エレクトリカル・コンストラクション!!」 ルナ:っ!曲がれ!「サイコ・ムーブ!!」 ビート:ほらほら!まだまだいくわよーー!!! ルナ:くっ!数が多すぎる! ビート:どうしたの~?ルナちゃんもう限界かしら~? ルナ:な・め・る・なぁーーー!! ビート:わ~お!エクセレント!まさかあの量のプラズマをさばき切るなんて~。 ルナ:はぁ、はぁ、セイヴァーの名に誓って、絶対に、お前には、負けない…。 ガヴェイン:ビートの報告の通り、あのルナって子のアビリティはとてもレアな能力だね。僕の手にかかればさらに能力の引き上げも…うん、ぜひ欲しい逸材だ。 ビート:…そろそろ、頃合いね。 :間 カイン:はぁ、はぁ、い、今のはヤバかった… ウタ:す、凄い…ウタのとっておきを全部消しちゃった。 カイン:ウタ、認めてやる、確かにお前の力は以前よりとんでもなく強力になってるよ。お陰で力のほとんどを使い果たして枯渇寸前だ。 ウタ:ま、まだやる気? カイン:ああ、俺にも譲れないもんがあるからな。 ウタ:うっ、どうしよう…あっ! カイン:ん?どうした? ウタ:ビートの合図だ!行かなきゃ! カイン:へ…?あっ!ウタ、待ちやがれこのヤロー! :間 ルナ:貫け!「ロック・バレット!!」 ビート:わおっ!…ふう~、今のはちょっぴりヤバかったわねぇ。 ルナ:どう?もう大人しく降参した方がいいんじゃないの? ビート:…そろそろかしら? ウタ:ビート! ビート:ふふ、良かったわ。ちゃんと時間稼ぎできたみたいね、えらいわよ。 ウタ:うん!ちゃんと言われた通りにお兄ちゃんを足止め?出来たよ! カイン:テメー!俺を無視して行くんじゃねー!! ルナ:あの子?それにカイン、どうして二人がこっちに? ビート:私が電波を飛ばして呼んだからよ。 ルナ:いつの間に!? ビート:ウタ、まだ力は使い切ってないわよね? ウタ:うん、まだまだいけるよ! カイン:なんだって!?あいつ底無しかよ…? ルナ:ビート、いったい何をする気!? ビート:ふふ、まあ見てなさい。 ウタ:う~ん…やっ!あわあわぽよん!「ウォーター・バブル・ドーム!!」 カイン:なっ!?水で部屋全部を包みやがった! ビート:感電注意よ、「デンジャー・エレクトリカル・ヴェール!」 ルナ:水のドーム全体に高圧電流…? カイン:嘘だろ?こんな合わせ技ありかよ!? ルナ:チッ、閉じ込められたわね…。 ガヴェイン:なんだあれは?ここからじゃ状況はわからないけど…ま、彼の実力ならきっとやってくれるだろう。ふふふ、待ち遠しいね。 :間 ビート:よし、ウタもう休んでいいわよ。 ウタ:はぁ~もう疲れちゃったよ~。このお兄ちゃん強すぎだよ~。 カイン:え?急にやめちまうなんて、何がしたいんだあいつら? ルナ:ちょっと、どういう事ビート?私達を閉じ込めて、何が狙いなの? ビート:それについては後で説明するとして、時間も無いし単刀直入に言うわよ。 ルナ:え…? ビート:ルナ、私達と一緒にブリリアントのボスを倒すのに協力して欲しいの。 カイン:は~!?何言い出したんだ、あいつ頭でも打ったのか? ビート:あら~、私はいたって正常よ~? ルナ:どういう理由でそんなふざけた事を言ってるか聞かせてもらえる? ビート:まあ理由は…私が元「スラム」出身て事ね。 カイン:え、あのウタってやつと同じスラム出身だって? ビート:これを見てちょうだい。 ルナ:この資料は…っ! カイン:ルナ先輩!こ、これはブリリアントの内部資料ですよ! ビート:ブリリアントはある男が作った犯罪組織だけど、その男はとある施設の元研究員だったの。 カイン:研究員?何の研究をしてたんだ? ビート:「アビリティ」研究よ。 カイン:なっ!噂には聞いていたけど…まさか犯罪者集団のボスがアビリティ研究の研究員だったとは…。 ビート:そのボスの名は「ガヴェイン」そしてそこに書いてある通り、ガヴェインのアビリティ研究の為の被検体に使われていたのが… ルナ:…スラムの子達だったわけね。 カイン:で、でもこいつらが嘘をついてる可能性もあるんじゃ…? ウタ:嘘じゃないよ!他に居た子達も、みんな捕まって連れていかれたんだから! カイン:っ! ウタ:う~…。 カイン:わ、悪かったよ…ってなんで謝ってるんだ俺? ビート:研究施設内には、まだこの子よりも幼い子達が研究材料として捕まってるわ。 ルナ:あなたも、もしかして… ビート:私の事はいいでしょ?私にもブリリアントを潰す目的があるって話よ。 ルナ:目的…ね。 ビート:それより、今からあなたには一芝居うってもらいたいの。話を聞いてもらえるかしら? ルナ:私に何をさせようって言うの…? ビート:ふふ、それはね… :間 カイン:せ、先輩、今の話…。 ルナ:…ガヴェインが最強のアビリティ持ちだというのは分かったわ。そして、それを攻略する方法も。 ビート:どうかしら?この作戦ならあいつのアビリティを打ち破る事が出来ると思うの。 カイン:ちょっと待てよ!それって、下手したら俺らも犯罪者になるんじゃ!? ビート:それなら安心してちょうだい、「アレ」はブリリアントのやつだから問題無いわよ。 カイン:ま、まじかよ、ブリリアントってなんでもやってるんだな…。ルナ先輩、上手くいくと思いますか? ルナ:…分からない。でも、「私のアビリティとビートのアビリティ」を合わせれば不可能ではなくなるわ。 ビート:今のルナちゃんの力ならバッチシよ♡ ルナ:…まさかこの為に今まで私を殺さなかったの? ビート:な~んの事かしら~? ルナ:…ほんと食えない奴ね。仕方ない、一時的に協力してやるわ。 ビート:どうやら、これで交渉成立ね。そろそろ外で見学してるボスが不信に思う頃だから、ドームを消すわよ。 カイン:え、近くにブリリアントのボスが居るなんて聞いてないぞ!?てかこの会話筒抜けじゃないのか!? ウタ:大丈夫だよー、ウタの水の泡でこの部屋を包んじゃってるし。 ビート:音はもちろん、盗聴なんかの機械も私の電磁波で効かなくしちゃってるから安心して。 カイン:はぁ~焦った~。 ルナ:終わったら、あんたを捕まえるからね。 ビート:全部が終わったらね。それじゃ解除するわよ。 :間 ガヴェイン:ん?ああ、やっと話が付いたんだね。 ビート:ごめんなさい、待たせちゃったわね。 ガヴェイン:という事は、いい返事が聞けるのかな? ルナ:…ええ、あなた達の仲間になるわ。 カイン:あ、はい!はい!俺もブリリアントに入ります! ガヴェイン:あ、ああ。ま、アビリティ持ちならだれでも大歓迎だよ。 ビート:どう?私の交渉術も大したものでしょ? ガヴェイン:うん、君に任せて正解だったね。貴重なアビリティ持ちだからね。ぜひ僕の研究に協力してもらおう。 ビート:それじゃアジトに戻りましょうか。私疲れちゃったわ。 ガヴェイン:そうだね。僕も帰ってすぐにでも二人について研究したいからね。 ビート:…。 ガヴェイン:楽しみだな~。 ビート:今よ! カイン:燃え尽きろ!「バーニング・ブロウ!!」 ウタ:当たれ~!「ウォーター・カッター!!」 ビート:刻むわよ!「サンダー・ジャベリン!!」 :少しの間 ウタ:ケホッ、ケホッ、何も見えないよ~。 カイン:どうだ、やったのか!? ルナ:分からないわ…。 ビート:…。 ガヴェイン:これはどういう事かなビート? ウタ:ヒッ! カイン:何!? ビート:やっぱり、この程度じゃ駄目ね。 ガヴェイン:君はもう少し頭が良いと思ってたけどね。 ビート:私が本気でブリリアントの為に動いてたと思って? ガヴェイン:いや、見事に騙されたよ。で、君達で協力して僕を倒そうって事かい? ルナ:そうよ。 ガヴェイン:そのわりに君は戦闘に参加しないのかい? ルナ:…。 ガヴェイン:はあ…僕もなめられたものだね。 カイン:お、おい、なんであいつ傷一つ付いてないんだよ? ビート:だから言ったじゃないの、アレがあいつのアビリティよ。全てを無力にするアビリティ、その名も… ガヴェイン:「パーフェクト・フィールド」の僕に戦いを挑んだ事は褒めてあげるよ。ま、君達には勝ち目は無いけどね。 ビート:あなた達若いんだしまだまだいけるでしょ?気張りなさいな。 ウタ:は、は~い…。 カイン:クッソ~、バケモンかよ!「フレイム・バースト!!」 ウタ:ふっとべ~!「ウォーター・バズーカ!!」 ビート:二人ともその調子よ!「ダンシング・ブラスター!!」 ガヴェイン:無駄無駄無駄ぁーー!!「パーフェクト・プロテクト!!」 カイン:嘘だろ!?なんだよあれ、卑怯じゃないかあのアビリティ! ウタ:ビ、ビート~、どうするの? ビート:ここまでとはね~。計算ミスだったかしら? ガヴェイン:僕の力の枯渇を狙ってるかもしれないけど無駄だよ?僕のアビリティは君達が束になった所で切れるほど甘くないから。 ルナ:まさかブリリアントのリーダーがこれ程だったなんて…。 ガヴェイン:例え今から君が戦いに参加しても、僕の圧倒的力の前には何をしても無駄さ。 ガヴェイン:さて、そろそろこちらからもいかせてもらおうかな。 カイン:アレって、攻撃にも使えるのかよ!? ガヴェイン:潰れな、「パーフェクト・インパクト!」 ビート:くっ!逃げなさい二人とも! ウタ:ひゃあ! カイン:ぐわっ! ガヴェイン:やるね~、直撃はさけたみたいだね。 ルナ:みんな!ガヴェインきさま! ガヴェイン:いいのかい?このままだと君の後輩やみーんな死んじゃうよ? ビート:はぁ、はぁ、勝手に、殺さないでくれるかしら? ガヴェイン:ビート、無理してるのバレバレだよー?もう一回僕の攻撃に耐えれるかな? カイン:やば、またあれがくるのか…。 ウタ:ウタもう無理かも…。 ルナ:くっ…。 ガヴェイン:ねえルナ、このままみんな殺しちゃうけど? ルナ:…。 ガヴェイン:はぁ、何を考えてるか知らないけど、セイヴァーの人間がまさか仲間を見殺しとはね。 ガヴェイン:全く、ほんとにセイヴァーの連中はろくでもないね。 ルナ:お前にセイヴァーの何が分かるのよ! ガヴェイン:ん?君こそセイヴァーがどんな組織なのか「ちゃんと」知ってるのかい? ルナ:…何が言いたいの? ガヴェイン:あ、その様子じゃ知らないみたいだね。ま、僕には関係無いけど。 ガヴェイン:それより僕の興味は君だよ。君のアビリティはまだまだ成長するはずなんだ。どうだい、今からでも僕の元に来ないかい? ルナ:断る! ガヴェイン:あらら、嫌われちゃってるみたいだね。残念だよ。あんな組織の味方をしちゃってるなんてねー。 ルナ:お前が何を言いたいか知らないけど、私には使命があるの…ブリリアントを確実に潰すという、使命が。 ガヴェイン:だから、無駄だってばー。ん…?あれは… ビート:っ!来たわよルナちゃん! ルナ:分かったわ!引き寄せろ!「サイコ・グラビティ!!」 ガヴェイン:なっ!まさか、「衛星」を落とす気か!? ビート:ビンゴ~、あれならさすがのあなたでもぶっ潰せるでしょ? ウタ:うわ~でっか~い。 カイン:ほんとにやりやがった…。 ガヴェイン:チッ、今までの攻撃は全部時間稼ぎだったのか。仕方ない、ここは一旦引くしか… ビート:あら~?どこ行く気かしら、ボス♡ ビート:「エレクトリカル・コンティニレーション・パレード!!」 ガヴェイン:クッ!「パーフェクト・フィールド!!」 ビート:かかったわね。 ガヴェイン:何!?ハッ!まさか!? ビート:ガヴェイン、あなたのアビリティが防御中移動出来ないのは知ってるのよ? ルナ:よし、なんとか軌道をあいつの場所に修正出来そうよ! カイン:あんな馬鹿でかい物まで操作出来るなんて、さすが先輩! ウタ:お姉ちゃんやる~! ルナ:よし、もうすぐ衛星が目標地点に接近するからみんなそこから離れるのよ! ウタ:ビート、離れよう! カイン:いいけど、このまま俺たちは離れて大丈夫なのか? ビート:私がこのまま電撃を撃ちながら下がるからあなた達は先に行きなさい。 カイン:分かった。ウタ、おっさんの邪魔になるから離れるぞ! ウタ:う…ビート、必ずあとで来てよ! ビート:ふふ、分かったから行きなさい。 ルナ:はぁ、はぁ、あと…少し! ガヴェイン:な・め・る・なよぉぉーーザコどもぉーーー!!!! ビート:嘘!?能力の限界を打ち破るなんて!ほんとに、バケモノね…。 ガヴェイン:残念だったなビート~~!! ビート:もう、しょうがない子ね~。「エレクトリカル・エンドオブ・パレード!!!」 ガヴェイン:ぎが、ぐが、ぐぐぐぅ~! ビート:はぁ、はぁ、大人しく、潰れなさいな…。 ガヴェイン:ば、ばかな…死ぬつもりか…? ルナ:おいビート!そこから早く離脱しろ! ビート:ルナちゃん、こうするしかこいつを倒す方法は無いわ。構わず私ごとこいつを潰してちょうだい。 ルナ:なっ!?でも… ビート:一つだけお願いがあるの。 ビート:あの子を、ウタをよろしく頼むわ。 ルナ:っ!…どうして… ビート:あの子は本当に純粋で良い子よ、犯罪者の仲間にしておくにはもったいないくらい。 ルナ:…。 ビート:だから、私からの最後のお願い、あの子に、私とは違う、真っ当な生き方をさせてあげてちょうだい…。 ガヴェイン:くそ!くそ!こんなところでーー!!! ビート:やりなさい!! ルナ:くっ!落…ちろーーーー!!! ガヴェイン:ちくしょぉぉぉぉ!!! :間 カイン:ゲホッゲホッ、すげー爆風だったな…。 カイン:おいウタ、生きてるか? ウタ:うん…お兄ちゃんが逆さまに見えるけど生きてる。 カイン:じゃあ大丈夫だな。…うへ~墜落場所、巨大クレーターが出来てるよ。 ウタ:よっ、と。うん、どこも怪我して無いみたい。 カイン:最初聞いた時には耳を疑ったけど、まさか人工衛星をハッキングして落とした後に、先輩の力でぶつける作戦なんてな。 ウタ:ビートは頭いいからね~。ま、お姉ちゃんも凄かったけど。 カイン:そりゃあ、俺の尊敬する先輩だからな。 ウタ:あ!それよりビートのところに行かなくちゃ! カイン:ん?待ってたらそのうち来るだろ?あ、ほら… ルナ:…。 カイン:あれ?ルナ先輩一人?ビートの奴はどこにいるんですか? ウタ:そうだよお姉ちゃん、ビートはどこにいるの? ルナ:ウタ…すまない。 ウタ:え…? カイン:まさか…? ルナ:あいつは最後までガヴェインの奴を抑えて… ウタ:嘘だ…嘘だよね?お姉ちゃん…? ルナ:…ごめん、どうにもならなかったんだ。 ウタ:う…ビート~~~!!! カイン:なんか…後味が悪いですね。 ルナ:あいつは覚悟してたみたいだった。それだけの思いでこの戦いに臨んでたんだわ。 カイン:…そうっすか。 ウタ:うっ、うっ…。 ルナ:…ウタ。 ウタ:…な、なんだよぉ… ルナ:行くあてはあるの? ウタ:…そんなのない… ウタにはビートしか…いないんだよぉ… カイン:ほんとにおっさんの事、信頼してたんだな…。 ルナ:…ウタ、うちに来なさい。 ウタ:え…? カイン:え?ちょ、先輩!?どうしてブリリアントだったこいつを!? ルナ:ビートに最後に頼まれたのよ。ウタの事、よろしくって。 カイン:あいつが…。だ、だからって、 ルナ:あいつに借りを作りたくないだけよ。どう、ウタ。後は貴方が決めなさい。 ウタ:…ビートが…ウタの事を…。 ウタ:…分かった、ビートがそう言ったんなら、お姉ちゃんに付いて行く。 ルナ:じゃあ決まりね。 カイン:え?え?まじ? ルナ:ほら、ボサっとしてないで、帰ったらまだまだやる事あるんだから。 カイン:え?ブリリアントのボスは倒しましたよ? ルナ:ブリリアントのボスは居なくなったけど、捕まってる子達の救出があるでしょ。それにまだまだブリリアントの残党はいるんだから。むしろこれからが大変よ。 カイン:あ、そうか。ボスを倒してもまだ終わりじゃないのか~。 ルナ:どんな事があっても、アビリティ犯罪は絶対許しちゃいけないわ。一般市民の安全を守る、それがセイヴァーの仕事だからね。 カイン:了解です!俺もセイヴァーの名に誓って悪さする奴は一人残らず捕まえてやります! ルナ:(M)ガヴェインが言ってたあの言葉が気になるけど…今は考えても仕方ないか…。 カイン:どうしたんですか先輩? ルナ:…なんでもないわ。 ウタ:…。 ルナ:ほら、みんなを助けに行くよ、ウタ。 ウタ:う、うん…。 ウタ:ビート…ウタ、頑張るからね…。 :終わり

カイン:せんぱーい!居ますか~? カイン:...おかしいな、確かこの辺で特訓してるって聞いたんだけどなぁ~。 ルナ:「ギガント・ストーン・シュート!」 カイン:え...?どわぁ~~!? :少しの間 カイン:はぁ、はぁ、あ、危なかった... ルナ:ちょっとカイン、あれくらい余裕でかわしなさいよ。 カイン:いや簡単に言わないで下さい!あんなの予想出来ませんよ! ルナ:敵はどんなアビリティを使ってくるか分からないのよ?あらゆる状況を想定しときなさい。 カイン:いや...あんな巨石ぶん投げてくるのはルナ先輩くらいだと思う... カイン:てか先輩、また能力上がってませんか? ルナ:当たり前よ、必ずブリリアントを潰さないといけないからね。 カイン:「前回の事」、まだ気にしてるんですか? ルナ:っ!...ええそうよ!情けなくも気絶して戦闘不能だったわよ!なんか文句ある!? カイン:いえ!何もありません! ルナ:...次こそ絶対負けないわよ、ビート! カイン:あはは...。 ルナ:で、何か用があってここまで来たんじゃなかったの? カイン:え?...あっ!そうだった!本部に警ら隊からビートに似た奴を目撃したという連絡がありました。 ルナ:...それを早く言いなさいよ!! :間 ビート:で、以上がこの間の報告よ、ボス♡ ガヴェイン:ご苦労さま、今回も君が居て助かったよ ビート:もちろん!ボスの為ならあたしなんだって頑張っちゃうわよ~ ガヴェイン:それは頼もしいね。ま、君のアビリティならどんな相手だろうと問題無いだろうからね。 ビート:もちろんよ♡あ、でも、今回はウタも頑張ったのよね~? ウタ:え!?う、うん...ウタもちょっと妨害とか出来たと、思う... ガヴェイン:そうかい。まだ戦闘員になって間もないのに凄いね。 ビート:でしょ~? ウタ:えへへ…。 ガヴェイン:ビートが推薦してきた時にはあんまりにも子供だったから驚いたけど、これからも僕の研究の為によろしく頼むよ。 ウタ:う、うん!ウタももっとビートと頑張るよ! ガヴェイン:ふふ。それよりビート... ビート:あら、何かしら? ガヴェイン:「また」、殺さなかったみたいだね? ビート:あら~どうしてそれ知ってるのボス~? ガヴェイン:なに、あの時は君たちの経過観察の為に現場近くに僕も居たからね。 ビート:やだ~!ボスったら~覗きなんていやらしいわね~ ガヴェイン:はぐらかさないでよ。なんで、「あの子」を殺さなかったんだい? ウタ:ビ、ビートは悪くないよ! ガヴェイン:君は黙っててね? ウタ:ヒッ!っ...。 ビート:あれよ~私のタイプ、だったからよ~ ガヴェイン:オカマの君がかい?あの子はどう見ても女性だ、下手な嘘はやめてくれよ。 ビート:あ~ん怖いわね~。まあちゃんと理由があるわよ。 ガヴェイン:へー、ぜひ聞かせてもらおうかな。 ビート:そ・れ・は… ビート:あの子を、ブリリアントの仲間に勧誘する為よ♡ :間 ルナ:っ!? カイン:ん?どうしましたルナ先輩? ルナ:今...なんか悪寒(おかん)が走ったわ カイン:え?どこですか?ルナ先輩のお母さんって、足速いんですか? ルナ:...黙って前見ながら運転しなさい。 カイン:見たかったなー... ルナ:それより、ほんとにビートらしき人物がこの辺りに居たのね? カイン:遠目からだったらしいですけど、普段からあんなド派手な衣装着て歩いてるのは、あの変態くらいだから間違いないです。 ルナ:でもあいつほどの奴がなんでそんなすぐ見つかるような真似を... カイン:っ!?先輩、前!! ビート:は~い、ここは通行止めよ~。「プラズマクラスター!!」 ルナ:ぐっ! カイン:のわぁ~~~!! 間: ウタ:ビート、車がひっくり返っちゃったけどいいの? ビート:あれぐらいじゃあの子達は死にはしないから大丈夫よ。 ガヴェイン:うん、確かにルナちゃんで間違いないね、となりのはカインくんだっけ? ビート:ええそうね、まあ計画に変更はないから任せてボス♡ ウタ:ボ、ボスも居るんだぁ… ガヴェイン:僕がなんで居るか、かい?それは君たちを心配してついて来たからさ。僕って優しいでしょ? ビート:もしかして、私達信用されてないのかしらぁ? ガヴェイン:それはどうかな。まあ僕を失望させないでくれよ? ビート:…。 ガヴェイン:じゃあ勧誘については君に任すよ。あの子のアビリティは確かに僕らの戦力になるからね。 ビート:ふふ、そうでしょう? ガヴェイン:それじゃ僕は離れて見物させてもらうとするかな。 ビート:かしこまり~。じゃあ行くわよウタ ウタ:あ、ビート待ってよぉ~! ルナ:ゲホッ、ゲホッ、カイン、生きてる? カイン:…世界が反対に見えますが、奇跡的に生きてます。 ルナ:じゃあ大丈夫ね、さっさと外に出て奴らを追いかけるわよ! カイン:先輩~俺の事もうちょい心配して下さいよ~ :間 ルナ:ストップ、ここね。 カイン:…先輩、間違いないです。奴らの足跡がこの建物の中に続いてます。 ルナ:…。 カイン:罠、でしょうかね? ルナ:あいつの誘いに乗るようで癪(しゃく)だけど…。どんな罠だろうとすべてねじ伏せてやるだけよ。 カイン:い、いつにも増して気合いが入ってますね先輩…おっかねぇ~…。 ルナ:無駄口を叩いてないでいくわよ! カイン:は、はい! :間 ウタ:…っ!ビート、あいつらが来たよ! ビート:あら、ありがとウタ。 カイン:あ!先輩、いました! ルナ:隠れもせず堂々と待ってるなんて、舐められたものね。 ビート:も~ルナちゃん達やっと来たのね~。待ちくたびれちゃったわよ~。 ウタ:そうだそうだ、ノロマ~。 カイン:あのガキ~、なんかムカつくぜ! ルナ:あんな敵の挑発に乗せられるなんて、あんたもまだまだね。 カイン:ぐっ、すみません…。 ウタ:怒られてやんの~。 カイン:くぅ~後で覚えてろよガキ~! ウタ:ウタはガキじゃないよ! ルナ:はぁ…同レベルで頭痛いわ。 ビート:ウタ、あんたもいい加減にしなさい。 ウタ:は~い。 ルナ:そろそろおふざけは終わりよカイン。 カイン:は、はい!よーし、お前ら覚悟しろよ? ビート:ちょっと待ってもらえるかしら? ルナ:何…? カイン:まさか、観念したのか? ビート:ノンノン。ちょっとルナちゃんに良いお話があるのよ。 ルナ:…言ってみなさい。 ビート:回りくどいのは嫌いだから、単刀直入に言うわ。 ルナ:…。 ビート:ルナちゃん、私達の仲間になってちょうだい。 ルナ:…。 カイン:はぁぁ~~? ビート:どうかしら?悪いようにはしないわよ~。 ルナ:…ふざけてるの?なんでセイヴァーの私が、ブリリアントなんかに入らないといけないの? カイン:そうだ!お前達みたいな犯罪者集団になんで先輩が入らないといけないんだよ! ウタ:ビート、あいつら怒っちゃったみたいだよ? ビート:まあ普通ならそうなるわよね。 ルナ:どういう事? ビート:別に今決めなくてもいいのよ?意識が無くても、アジトまで連れていけば「説得」の仕方なんて色々あるし~。 カイン:なっ!やっぱりあぶねえ奴らじゃん!ルナ先輩、こんな奴らと話してても時間の無駄ですよ! ルナ:わかってるわよ。今度は前回のようにはいかないわよビート。 ビート:あら、怖い目ね。これは説得も骨が折れちゃいそう。 ウタ:ウタも説得?頑張るよ~。 ルナ:ビートとはサシでやらせてもらうわ、カインはあの子をお願い。 カイン:了解、任せて下さい! :少しの間 ガヴェイン:ふふ、ビートがお熱なあの子の実力、見せてもらえそうだね。お手並み拝見といこうか。 :間 カイン:おいガキんちょ ウタ:む、またガキって言った! カイン:どうみてもガキだろ? ウタ:ウタにはビートがつけてくれた「ウタ」って名前がちゃんとあるんだから! カイン:え…お前って、あのオカマの子供か? ウタ:オカマ?ウタはスラムで一人で住んでたんだけど、ちょっとドジをして悪い奴らに捕まったんだ。でもビートが助けてくれて名前もつけてくれたんだよ。 カイン:ちょ、お前そんな壮絶な生い立ちを敵の俺なんかにペラペラ喋って大丈夫なのかよ? ウタ:ビートなら怒らないと思うよ。あ、でも「ボス」には内緒にしててね? カイン:…なーんか調子狂う奴だな。てかビートも何考えてこんな子供を… ウタ:ビートの事、捕まえるの…? カイン:え?まぁ、それが俺の仕事だからな。 ウタ:じゃああのお姉ちゃんもお前も、ウタの敵だ。 カイン:…お前も譲れないもんがあるんだな。仕方ない、ちょっとお灸をすえてやる!火傷しても文句言うなよウタ! カイン:燃えろ!「バーン・ザ・フロア!!」 ウタ:っ!いっけー!「ウォーター・スライダー!!」 カイン:なにぃ!相殺しやがった!?前回みた時より水の勢いが増してやがる! ガヴェイン:へー、あのセイヴァーの彼もかなり強力なアビリティだけど、ビートお気に入りのウタって子も中々やるじゃないか。 ウタ:え~!?吹っ飛ばすつもりだったのに~ カイン:あの歳であの力…なんとも将来が恐ろしいぜ。 ウタ:じゃあ次は…とっておきだよ! カイン:ん、何をするつもりだ? ウタ:雨、雨、降れ降れ~、「ヘビー・レイン・ワーニング!!」 カイン:なっ!こんなんどうやって避けろって言うんだよ!?のああああああーー!! :間 ビート:ルナちゃん、これで「3回目」かしら? ルナ:…今回で終わりにしてあげるわ。 ビート:へー、確かに今までに無い覇気をビンビン感じるわね。残念、女にしとくのが勿体無いわね。 ルナ:どういう風の吹き回しで私を仲間に引き入れようとしてるか知らないけど、無駄よ。 ビート:全く、頑固ね~。そういうの嫌いじゃないわよ?ますます気に入っちゃった♡ ルナ:あんたに気に入られても、全然嬉しくない! ルナ:「サイコキネシス!!」 ビート:わーお!壁ごと引き剥がしちゃうなんて、やるじゃない? ルナ:押しつぶす!「ウォール・サンド!!」 ビート:これはヤバイわね~。 ビート:なんちゃって、「エレクトリカルパレード!!」 ルナ:…ま、これぐらいで倒せるなんて思わなかったけど…相変わらずなんてデタラメな強さなの。 ビート:もう、せっかくの私自慢の衣装がホコリまみれになっちゃったじゃない? ルナ:そんなの知らないわよ。普段からそんなイカれたド派手な衣装のあんたが悪いんでしょ。 ビート:もう、クリーニング代も後で請求しちゃうからね? ルナ:セイヴァー本部にどうぞ。 ビート:ふふ、ジョークも分かる素敵な女になっちゃって。じゃあ今度は私からいくわよ? ルナ:どうぞ、全部ねじ曲げてやるわ! ビート:その意気よ。弾けなさい!「エレクトリカル・コンストラクション!!」 ルナ:っ!曲がれ!「サイコ・ムーブ!!」 ビート:ほらほら!まだまだいくわよーー!!! ルナ:くっ!数が多すぎる! ビート:どうしたの~?ルナちゃんもう限界かしら~? ルナ:な・め・る・なぁーーー!! ビート:わ~お!エクセレント!まさかあの量のプラズマをさばき切るなんて~。 ルナ:はぁ、はぁ、セイヴァーの名に誓って、絶対に、お前には、負けない…。 ガヴェイン:ビートの報告の通り、あのルナって子のアビリティはとてもレアな能力だね。僕の手にかかればさらに能力の引き上げも…うん、ぜひ欲しい逸材だ。 ビート:…そろそろ、頃合いね。 :間 カイン:はぁ、はぁ、い、今のはヤバかった… ウタ:す、凄い…ウタのとっておきを全部消しちゃった。 カイン:ウタ、認めてやる、確かにお前の力は以前よりとんでもなく強力になってるよ。お陰で力のほとんどを使い果たして枯渇寸前だ。 ウタ:ま、まだやる気? カイン:ああ、俺にも譲れないもんがあるからな。 ウタ:うっ、どうしよう…あっ! カイン:ん?どうした? ウタ:ビートの合図だ!行かなきゃ! カイン:へ…?あっ!ウタ、待ちやがれこのヤロー! :間 ルナ:貫け!「ロック・バレット!!」 ビート:わおっ!…ふう~、今のはちょっぴりヤバかったわねぇ。 ルナ:どう?もう大人しく降参した方がいいんじゃないの? ビート:…そろそろかしら? ウタ:ビート! ビート:ふふ、良かったわ。ちゃんと時間稼ぎできたみたいね、えらいわよ。 ウタ:うん!ちゃんと言われた通りにお兄ちゃんを足止め?出来たよ! カイン:テメー!俺を無視して行くんじゃねー!! ルナ:あの子?それにカイン、どうして二人がこっちに? ビート:私が電波を飛ばして呼んだからよ。 ルナ:いつの間に!? ビート:ウタ、まだ力は使い切ってないわよね? ウタ:うん、まだまだいけるよ! カイン:なんだって!?あいつ底無しかよ…? ルナ:ビート、いったい何をする気!? ビート:ふふ、まあ見てなさい。 ウタ:う~ん…やっ!あわあわぽよん!「ウォーター・バブル・ドーム!!」 カイン:なっ!?水で部屋全部を包みやがった! ビート:感電注意よ、「デンジャー・エレクトリカル・ヴェール!」 ルナ:水のドーム全体に高圧電流…? カイン:嘘だろ?こんな合わせ技ありかよ!? ルナ:チッ、閉じ込められたわね…。 ガヴェイン:なんだあれは?ここからじゃ状況はわからないけど…ま、彼の実力ならきっとやってくれるだろう。ふふふ、待ち遠しいね。 :間 ビート:よし、ウタもう休んでいいわよ。 ウタ:はぁ~もう疲れちゃったよ~。このお兄ちゃん強すぎだよ~。 カイン:え?急にやめちまうなんて、何がしたいんだあいつら? ルナ:ちょっと、どういう事ビート?私達を閉じ込めて、何が狙いなの? ビート:それについては後で説明するとして、時間も無いし単刀直入に言うわよ。 ルナ:え…? ビート:ルナ、私達と一緒にブリリアントのボスを倒すのに協力して欲しいの。 カイン:は~!?何言い出したんだ、あいつ頭でも打ったのか? ビート:あら~、私はいたって正常よ~? ルナ:どういう理由でそんなふざけた事を言ってるか聞かせてもらえる? ビート:まあ理由は…私が元「スラム」出身て事ね。 カイン:え、あのウタってやつと同じスラム出身だって? ビート:これを見てちょうだい。 ルナ:この資料は…っ! カイン:ルナ先輩!こ、これはブリリアントの内部資料ですよ! ビート:ブリリアントはある男が作った犯罪組織だけど、その男はとある施設の元研究員だったの。 カイン:研究員?何の研究をしてたんだ? ビート:「アビリティ」研究よ。 カイン:なっ!噂には聞いていたけど…まさか犯罪者集団のボスがアビリティ研究の研究員だったとは…。 ビート:そのボスの名は「ガヴェイン」そしてそこに書いてある通り、ガヴェインのアビリティ研究の為の被検体に使われていたのが… ルナ:…スラムの子達だったわけね。 カイン:で、でもこいつらが嘘をついてる可能性もあるんじゃ…? ウタ:嘘じゃないよ!他に居た子達も、みんな捕まって連れていかれたんだから! カイン:っ! ウタ:う~…。 カイン:わ、悪かったよ…ってなんで謝ってるんだ俺? ビート:研究施設内には、まだこの子よりも幼い子達が研究材料として捕まってるわ。 ルナ:あなたも、もしかして… ビート:私の事はいいでしょ?私にもブリリアントを潰す目的があるって話よ。 ルナ:目的…ね。 ビート:それより、今からあなたには一芝居うってもらいたいの。話を聞いてもらえるかしら? ルナ:私に何をさせようって言うの…? ビート:ふふ、それはね… :間 カイン:せ、先輩、今の話…。 ルナ:…ガヴェインが最強のアビリティ持ちだというのは分かったわ。そして、それを攻略する方法も。 ビート:どうかしら?この作戦ならあいつのアビリティを打ち破る事が出来ると思うの。 カイン:ちょっと待てよ!それって、下手したら俺らも犯罪者になるんじゃ!? ビート:それなら安心してちょうだい、「アレ」はブリリアントのやつだから問題無いわよ。 カイン:ま、まじかよ、ブリリアントってなんでもやってるんだな…。ルナ先輩、上手くいくと思いますか? ルナ:…分からない。でも、「私のアビリティとビートのアビリティ」を合わせれば不可能ではなくなるわ。 ビート:今のルナちゃんの力ならバッチシよ♡ ルナ:…まさかこの為に今まで私を殺さなかったの? ビート:な~んの事かしら~? ルナ:…ほんと食えない奴ね。仕方ない、一時的に協力してやるわ。 ビート:どうやら、これで交渉成立ね。そろそろ外で見学してるボスが不信に思う頃だから、ドームを消すわよ。 カイン:え、近くにブリリアントのボスが居るなんて聞いてないぞ!?てかこの会話筒抜けじゃないのか!? ウタ:大丈夫だよー、ウタの水の泡でこの部屋を包んじゃってるし。 ビート:音はもちろん、盗聴なんかの機械も私の電磁波で効かなくしちゃってるから安心して。 カイン:はぁ~焦った~。 ルナ:終わったら、あんたを捕まえるからね。 ビート:全部が終わったらね。それじゃ解除するわよ。 :間 ガヴェイン:ん?ああ、やっと話が付いたんだね。 ビート:ごめんなさい、待たせちゃったわね。 ガヴェイン:という事は、いい返事が聞けるのかな? ルナ:…ええ、あなた達の仲間になるわ。 カイン:あ、はい!はい!俺もブリリアントに入ります! ガヴェイン:あ、ああ。ま、アビリティ持ちならだれでも大歓迎だよ。 ビート:どう?私の交渉術も大したものでしょ? ガヴェイン:うん、君に任せて正解だったね。貴重なアビリティ持ちだからね。ぜひ僕の研究に協力してもらおう。 ビート:それじゃアジトに戻りましょうか。私疲れちゃったわ。 ガヴェイン:そうだね。僕も帰ってすぐにでも二人について研究したいからね。 ビート:…。 ガヴェイン:楽しみだな~。 ビート:今よ! カイン:燃え尽きろ!「バーニング・ブロウ!!」 ウタ:当たれ~!「ウォーター・カッター!!」 ビート:刻むわよ!「サンダー・ジャベリン!!」 :少しの間 ウタ:ケホッ、ケホッ、何も見えないよ~。 カイン:どうだ、やったのか!? ルナ:分からないわ…。 ビート:…。 ガヴェイン:これはどういう事かなビート? ウタ:ヒッ! カイン:何!? ビート:やっぱり、この程度じゃ駄目ね。 ガヴェイン:君はもう少し頭が良いと思ってたけどね。 ビート:私が本気でブリリアントの為に動いてたと思って? ガヴェイン:いや、見事に騙されたよ。で、君達で協力して僕を倒そうって事かい? ルナ:そうよ。 ガヴェイン:そのわりに君は戦闘に参加しないのかい? ルナ:…。 ガヴェイン:はあ…僕もなめられたものだね。 カイン:お、おい、なんであいつ傷一つ付いてないんだよ? ビート:だから言ったじゃないの、アレがあいつのアビリティよ。全てを無力にするアビリティ、その名も… ガヴェイン:「パーフェクト・フィールド」の僕に戦いを挑んだ事は褒めてあげるよ。ま、君達には勝ち目は無いけどね。 ビート:あなた達若いんだしまだまだいけるでしょ?気張りなさいな。 ウタ:は、は~い…。 カイン:クッソ~、バケモンかよ!「フレイム・バースト!!」 ウタ:ふっとべ~!「ウォーター・バズーカ!!」 ビート:二人ともその調子よ!「ダンシング・ブラスター!!」 ガヴェイン:無駄無駄無駄ぁーー!!「パーフェクト・プロテクト!!」 カイン:嘘だろ!?なんだよあれ、卑怯じゃないかあのアビリティ! ウタ:ビ、ビート~、どうするの? ビート:ここまでとはね~。計算ミスだったかしら? ガヴェイン:僕の力の枯渇を狙ってるかもしれないけど無駄だよ?僕のアビリティは君達が束になった所で切れるほど甘くないから。 ルナ:まさかブリリアントのリーダーがこれ程だったなんて…。 ガヴェイン:例え今から君が戦いに参加しても、僕の圧倒的力の前には何をしても無駄さ。 ガヴェイン:さて、そろそろこちらからもいかせてもらおうかな。 カイン:アレって、攻撃にも使えるのかよ!? ガヴェイン:潰れな、「パーフェクト・インパクト!」 ビート:くっ!逃げなさい二人とも! ウタ:ひゃあ! カイン:ぐわっ! ガヴェイン:やるね~、直撃はさけたみたいだね。 ルナ:みんな!ガヴェインきさま! ガヴェイン:いいのかい?このままだと君の後輩やみーんな死んじゃうよ? ビート:はぁ、はぁ、勝手に、殺さないでくれるかしら? ガヴェイン:ビート、無理してるのバレバレだよー?もう一回僕の攻撃に耐えれるかな? カイン:やば、またあれがくるのか…。 ウタ:ウタもう無理かも…。 ルナ:くっ…。 ガヴェイン:ねえルナ、このままみんな殺しちゃうけど? ルナ:…。 ガヴェイン:はぁ、何を考えてるか知らないけど、セイヴァーの人間がまさか仲間を見殺しとはね。 ガヴェイン:全く、ほんとにセイヴァーの連中はろくでもないね。 ルナ:お前にセイヴァーの何が分かるのよ! ガヴェイン:ん?君こそセイヴァーがどんな組織なのか「ちゃんと」知ってるのかい? ルナ:…何が言いたいの? ガヴェイン:あ、その様子じゃ知らないみたいだね。ま、僕には関係無いけど。 ガヴェイン:それより僕の興味は君だよ。君のアビリティはまだまだ成長するはずなんだ。どうだい、今からでも僕の元に来ないかい? ルナ:断る! ガヴェイン:あらら、嫌われちゃってるみたいだね。残念だよ。あんな組織の味方をしちゃってるなんてねー。 ルナ:お前が何を言いたいか知らないけど、私には使命があるの…ブリリアントを確実に潰すという、使命が。 ガヴェイン:だから、無駄だってばー。ん…?あれは… ビート:っ!来たわよルナちゃん! ルナ:分かったわ!引き寄せろ!「サイコ・グラビティ!!」 ガヴェイン:なっ!まさか、「衛星」を落とす気か!? ビート:ビンゴ~、あれならさすがのあなたでもぶっ潰せるでしょ? ウタ:うわ~でっか~い。 カイン:ほんとにやりやがった…。 ガヴェイン:チッ、今までの攻撃は全部時間稼ぎだったのか。仕方ない、ここは一旦引くしか… ビート:あら~?どこ行く気かしら、ボス♡ ビート:「エレクトリカル・コンティニレーション・パレード!!」 ガヴェイン:クッ!「パーフェクト・フィールド!!」 ビート:かかったわね。 ガヴェイン:何!?ハッ!まさか!? ビート:ガヴェイン、あなたのアビリティが防御中移動出来ないのは知ってるのよ? ルナ:よし、なんとか軌道をあいつの場所に修正出来そうよ! カイン:あんな馬鹿でかい物まで操作出来るなんて、さすが先輩! ウタ:お姉ちゃんやる~! ルナ:よし、もうすぐ衛星が目標地点に接近するからみんなそこから離れるのよ! ウタ:ビート、離れよう! カイン:いいけど、このまま俺たちは離れて大丈夫なのか? ビート:私がこのまま電撃を撃ちながら下がるからあなた達は先に行きなさい。 カイン:分かった。ウタ、おっさんの邪魔になるから離れるぞ! ウタ:う…ビート、必ずあとで来てよ! ビート:ふふ、分かったから行きなさい。 ルナ:はぁ、はぁ、あと…少し! ガヴェイン:な・め・る・なよぉぉーーザコどもぉーーー!!!! ビート:嘘!?能力の限界を打ち破るなんて!ほんとに、バケモノね…。 ガヴェイン:残念だったなビート~~!! ビート:もう、しょうがない子ね~。「エレクトリカル・エンドオブ・パレード!!!」 ガヴェイン:ぎが、ぐが、ぐぐぐぅ~! ビート:はぁ、はぁ、大人しく、潰れなさいな…。 ガヴェイン:ば、ばかな…死ぬつもりか…? ルナ:おいビート!そこから早く離脱しろ! ビート:ルナちゃん、こうするしかこいつを倒す方法は無いわ。構わず私ごとこいつを潰してちょうだい。 ルナ:なっ!?でも… ビート:一つだけお願いがあるの。 ビート:あの子を、ウタをよろしく頼むわ。 ルナ:っ!…どうして… ビート:あの子は本当に純粋で良い子よ、犯罪者の仲間にしておくにはもったいないくらい。 ルナ:…。 ビート:だから、私からの最後のお願い、あの子に、私とは違う、真っ当な生き方をさせてあげてちょうだい…。 ガヴェイン:くそ!くそ!こんなところでーー!!! ビート:やりなさい!! ルナ:くっ!落…ちろーーーー!!! ガヴェイン:ちくしょぉぉぉぉ!!! :間 カイン:ゲホッゲホッ、すげー爆風だったな…。 カイン:おいウタ、生きてるか? ウタ:うん…お兄ちゃんが逆さまに見えるけど生きてる。 カイン:じゃあ大丈夫だな。…うへ~墜落場所、巨大クレーターが出来てるよ。 ウタ:よっ、と。うん、どこも怪我して無いみたい。 カイン:最初聞いた時には耳を疑ったけど、まさか人工衛星をハッキングして落とした後に、先輩の力でぶつける作戦なんてな。 ウタ:ビートは頭いいからね~。ま、お姉ちゃんも凄かったけど。 カイン:そりゃあ、俺の尊敬する先輩だからな。 ウタ:あ!それよりビートのところに行かなくちゃ! カイン:ん?待ってたらそのうち来るだろ?あ、ほら… ルナ:…。 カイン:あれ?ルナ先輩一人?ビートの奴はどこにいるんですか? ウタ:そうだよお姉ちゃん、ビートはどこにいるの? ルナ:ウタ…すまない。 ウタ:え…? カイン:まさか…? ルナ:あいつは最後までガヴェインの奴を抑えて… ウタ:嘘だ…嘘だよね?お姉ちゃん…? ルナ:…ごめん、どうにもならなかったんだ。 ウタ:う…ビート~~~!!! カイン:なんか…後味が悪いですね。 ルナ:あいつは覚悟してたみたいだった。それだけの思いでこの戦いに臨んでたんだわ。 カイン:…そうっすか。 ウタ:うっ、うっ…。 ルナ:…ウタ。 ウタ:…な、なんだよぉ… ルナ:行くあてはあるの? ウタ:…そんなのない… ウタにはビートしか…いないんだよぉ… カイン:ほんとにおっさんの事、信頼してたんだな…。 ルナ:…ウタ、うちに来なさい。 ウタ:え…? カイン:え?ちょ、先輩!?どうしてブリリアントだったこいつを!? ルナ:ビートに最後に頼まれたのよ。ウタの事、よろしくって。 カイン:あいつが…。だ、だからって、 ルナ:あいつに借りを作りたくないだけよ。どう、ウタ。後は貴方が決めなさい。 ウタ:…ビートが…ウタの事を…。 ウタ:…分かった、ビートがそう言ったんなら、お姉ちゃんに付いて行く。 ルナ:じゃあ決まりね。 カイン:え?え?まじ? ルナ:ほら、ボサっとしてないで、帰ったらまだまだやる事あるんだから。 カイン:え?ブリリアントのボスは倒しましたよ? ルナ:ブリリアントのボスは居なくなったけど、捕まってる子達の救出があるでしょ。それにまだまだブリリアントの残党はいるんだから。むしろこれからが大変よ。 カイン:あ、そうか。ボスを倒してもまだ終わりじゃないのか~。 ルナ:どんな事があっても、アビリティ犯罪は絶対許しちゃいけないわ。一般市民の安全を守る、それがセイヴァーの仕事だからね。 カイン:了解です!俺もセイヴァーの名に誓って悪さする奴は一人残らず捕まえてやります! ルナ:(M)ガヴェインが言ってたあの言葉が気になるけど…今は考えても仕方ないか…。 カイン:どうしたんですか先輩? ルナ:…なんでもないわ。 ウタ:…。 ルナ:ほら、みんなを助けに行くよ、ウタ。 ウタ:う、うん…。 ウタ:ビート…ウタ、頑張るからね…。 :終わり