台本概要

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タイトル 武装錬成〜覚醒シーン〜
作者名 気分屋  (@Kodokusensi)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 以前投稿させていただいた『武装錬成』に登場する、各タッグの覚醒シーンを書いた掛け合いセリフ集となっております。
正直セリフ集にしては長いなと作者自身も感じておりますが、何卒ご愛嬌と言ったところで宜しくお願い致します。
※男性風女性風の言い回しの変更可
軽度のアドリブ可とさせて頂いております。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
演者様 不問 - このシナリオを読んでくださる演者様
共演者様 不問 - 共に演じてくださる共演者様
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:1 A:やるぞB……煉武創成(れんぶそうせい)だ B:正気か!?俺かお前、どっちかの存在が消えるかもしんねぇんだぞ!?それにやるってったって、一切練習とかしてな─── A:やるしかないんだよ!たとえどちらかの存在が消えたとしても!……今この状況を切り抜ける手段は、それしかない。腹括るしかねぇんだよ! B:逆に言えば、出来れば切り抜けられるってことなんだな? A:……あぁ B:ハァ…わかった。やってやるよ A:良いのか?言っておいてなんだが、正直無理のある話だぞ? B:それをアンタが言うのか?……覚悟ならできてるさ。アンタを初めて武装したあの日からな A:ハハハ!それもそうか。なら、今さら腰が引けた…なんてことは無いよな? B:アンタが出来るって言うなら、俺はそれを信じるだけさ A:再びあの言葉を言う日が来るとはな……行くぞ? B:おう!やってやろうぜ!イチかバチかの大判振舞! A:死にたくなけりゃ、腹括って叫びやがれ! A&B:『煉武創成』(れんぶそうせい)! B:──そうか、やっぱり俺か……。大丈夫。ちゃんとアンタの存在をまだ感じる。アンタの覚悟、無駄にはさせねぇ 0:2 A:ハァ……ハァ…… B:A落ち着け。心の乱れがヤバいぞ!このままじゃ、俺たちのシンクロも解けちまう A:僕が…守るんだ B:あぁ勿論だ。でも今の状況じゃ無理だ!ここは退いて─── A:僕が倒すんだ!皆を守る為に! B:……おいどうしたんだよA。一旦落ち着けって──どわっ!……っててて、強制解除!? A:もっと力があれば……もっと……もっと! B:精神が完全に不安定になってやがる……ダメだA!それ以上は!帰って来い! A:もっと力が欲しい! B:この波長は…エボリューションチェンジ!?ダメだA!今のお前じゃ! A:『凶天明鎧』(きょうてんみょうがい)! A:神装、ノトリアス・アーテー A:ボクガ……ボクガヤラナキャイケナインダ! 0:3 A:俺はよぉ…ピンチの時に覚醒ってのは、ちとダセェと思うんだよな B:どうしてだ?良いじゃないか。一発大逆転って感じでスカッとするだろ? A:それだ。出来るなら最初からやりゃいい B:いや、こう…なんというか、感情の昂りとかあるだろ? A:俺はぶった切れる獲物がいりゃ昂る B:……確かに A:そもそも、そんなリスキーな戦いをする必要なんざねぇんだよ。追い込まれねぇと本気が出せねぇとか、母ちゃんに怒られねぇと宿題ができないガキかっての B:んじゃ、質問だ。現状俺らの目の前に敵の大群。さぁ、どうする? A:んなもん決まってるだろうが。最初から最後までフルスロットルだぜ! B:感情の昂りは? A:要らねぇし、既にマックスみてぇなもんだ B:オーケー、そんじゃ刃こぼれすんなよ? A:誰に言ってんだよ! B:行くぜ。我が手に顕現せよ、『無骨大撃剣』(ぶこつだいげっけん)! B:──全力でこいよ。俺たちゃ最初っから本気でぶつかって行くぜ! 0:4 A:今回の作戦は『メイン』だったとはいえ、ちょっと張り切りすぎたかもしれないわね B:お互いにボッロボロ〜ってね A:笑い事じゃないわよ。私たち瀬戸際ってやつよ? B:わぁかってるって。とはいえ、確かにマズイよなぁ A:マズイどころの騒ぎじゃないわよ!あのまま隠密行動ができてれば今頃ッ!……ハァ B:まぁなんと言うか…ドンマイ A:誰のせいよ、誰の! B:悪かったって。そんなお嬢に朗報だ A:ふざけたことだったらぶっ飛ばすわよ? B:おいおい、俺のジョークをご期待か?残念ながら真面目な話。俺の真の能力を使えば脱出できるかもしれない A:本当!?そういう事はさっさと言いなさいよ! B:ただこれには1つ、欠点があるんだ。形状を維持する事に全神経を集中しなきゃいけないから、武装化中俺は喋れないんだ A:……それだけ? B:それだけとは失礼な!俺が喋らなかったら、お嬢が寂しい思いをしちゃうだろ? A:むしろ静かになって都合がいいわよ。いいからサッサとやって B:へいへい。……こっから先は、1人で頑張るんだぞ? A:何よ、急に真面目な顔しちゃって B:いや、なんでも。そんじゃ行くぜ! B:『献万来化』(けんばんらいか)! A:──なるほど、これなら確かに行けそうね。それじゃ、こんな所とはサッサとおさらばするわよ!……って喋れないんだったわね。小うるさいジョークが聞けないのも少し考えものね 0:5 A:チィッ!また折れやがった!やっぱそんじょそこらのナマクラじゃ、アイツらには勝てっこねぇか…… B:まぁ市販の物と、武装化した武器じゃ性能の差が段違いだからね A:だよなぁ。やっぱりアイツが居ねぇと勝ち目なしか……ん?ハァ!?お前、なんでここに居るんだよ!? B:よ!絶賛大ピンチって感じだね?助けに来た以外の理由があると思う? A:だって、お前はもう新しいバディと組んだはずじゃ…… B:誰かさんの横に並ぶ為に頑張ったら、シンクロ率合わなくなっちゃってね。断っちゃった A:断っちゃったって、お前なぁ…… B:ま、そんなわけだし……早く武装錬成して、アイツら倒しちゃおうぜ! A:……出来るわけないだろ。そもそも、身体はもう大丈夫なのか? B:おや?前の失敗まだ引きずってるの? A:当たり前だろ。俺がお前を殺しかけたんだ。普通気にするだろ B:だからあれは、単に僕が力不足だっただけだって。もうあんな事は起きないよ。断言する A:……ハァ、わかった。やるか…相棒 B:そうこなくっちゃ!僕らのチームワークが未だ健在ってとこ、みせてやるってもんよ! A:今回はお前がやる気満々だな B:行くよ!『連気合功』(れんきごうこう)! A:──そうか、これがお前の本当の……ハッ!初めてのはずだってのに、よく手に馴染みやがる A:文字どうり振り回してやっから、ちゃんと応えろよ、相棒! 0:6 A:私は…なんの為に戦ってるんだ?なんでこんなに傷ついて、苦しい思いをして……私は一体何がしたかったんだ? B:そうさ。お前の戦いにはなんの意味もない。なんの価値もない A:私の戦いに……意味も価値も無い…… B:あぁそうだ。お前は誰も助けられないし、何も成すことなどできない。だからもう諦めてしまえ A:そうか……もう諦めていいのか。誰かの為に戦うのも、何かの為に戦うのも……もう辞めていいのか B:そうだ。それでいい。お前はただ欲望のままに我を振るえば良いのだ A:欲望のままに……ただ壊し続ければいい…… B:あぁそうさ。今のお前にはそれが許される。何故ならお前は『正しい』から A:そうだ、私が正しいんだ。この世界が......この腐った世界が悪なんだ! B:良いぞ……さぁ、唱えよ A:『刀封解印』(とうふうかいいん) B:──クハハハハッ!ようやくだ!我はこの時を待ちわびていた! B:死を纏いし妖刀を鞘に収めるなどハナから無理に決まっているというのに、愚かなヤツよ B:さて、まずは小煩い羽虫共を片付けるとしよう 0:7 A:腕が上がんなくなってきた…… B:踏ん張れ!ヤツもかなり追い込まれているはずだ! A:もういい B:……なんだと? A:もういいんだ。アタシたちじゃアイツに勝てない B:何を言っている!?あともう少しではないか! A:『武装解除』 B:なっ!貴様、自分が何をしているかわかっているのか!? A:アンタは逃げて。アタシがアイツの足止めをするから B:死にに行くようなものだぞ? A:わかってる。だからアンタはもう付き合ってくれなくていいの。ここからは、アタシのケジメみたいなもんだから B:無謀だ。あまりに無謀すぎる A:じゃあどうすればいいって言うのよ!復讐しか無かった私が、その復讐すらできないのよ!? B:何故できぬと決めつける? A:アンタも見たでしょ?あの一撃。アタシじゃどう足掻いても勝てっこないじゃない B:そうじゃない。貴様には槍があり、斧があり、剣がある。それらを使わずして素手で戦い、何故勝てぬと嘆くのかと聞いている A:アタシにはそんなの…… B:貴様には我がいる。我を利用するのだろう?ならば最後までそれを貫き通せ A:……どうなったって知らないわよ? B:無論、望むところだ A:ハァ……付き合ってくれなくていいって言ってるのに、まったくアンタって人は……本当に人の話聞かないわね B:あの日から我々は一蓮托生。どちらかが消える時は、共に死にゆく時のみと決まっている。 B:さぁ行け。どうすれば良いかは、言うまでもあるまい? A:わかってるわよ。彩れ、『万権如頼』(ばんけんにょらい) A:これが、私の進む道! B:そうだ、それでいい。この戦場を貴様の色に染め上げてやれ! 0:8 A:オイオイ、まさかのご主人様ピーンチ!ってかぁ? B:黙ってろ……このくらいどうと言うことは──クッ! A:ほらみろ、言わんこっちゃない。いくら強がったって、あん時みてぇにはいかねぇだろうよ B:それくらいわかっている。いいから黙ってさっさと武装化しろ A:へいへい……て言いたいところだが、そりゃ無理だ。もう俺様にもそんな力は残っちゃいねぇ B:ならばどうする! A:おいおいそんなに慌てるなって……らしくもねぇ B:わかっている……だがこの状況ではどうしようも─── A:簡単だろ?俺様を囮にすりゃいい。 B:なっ!? A:その方が効率がいいってやつだろ?おらオメェら!俺様が相手だ!かかってこいや!……俺様はもう、マトモに動けやしねぇ。逃げるには足でまといだ。だから、行け! B:……死ぬなよ? A:おう、サッサと行け! A:───とは言ったものの、さすがにヤベェか、コレ? B:───気が変わった A:アンタ…なんで戻ってきやがった!? B:ひとつ……俺達が助かる方法を思い出した。 A:俺様の犠牲を無意味にするだけの案なんだろうな!? B:神鎧装(しんがいよそ)いて天へと参らん A:…神装鎧天(しんそうがいてん)か?それを使えばどっちかの存在が─── B:メインの人格はお前でいい A:……は? B:存外俺は……お前の居る煩い日常が、嫌いじゃなかったらしい A:おいおい、こんな時に言っていい冗談じゃねぇぞ! B:……この勝負、お前に託すぞ A:ダメだ!やめろ! B:吠えろ!ベオウルフ!神装凱天! A:──馬鹿野郎が…最初から最後まで好き勝手しやがって A:テメェら…覚悟しやがれ! 0:9 A:これが…最強…… B:まるで歯が立たぬと言ったものよのう A:悔しいけど、どうやらその様だね B:夢眼前にして叶わず…と言うのに、随分と嬉しそうよのう? A:……あぁ、嬉しいさ。これだけの高みに来ても、私はまだ挑む立場でいられる。これほど嬉しいことはないさ B:やはりお主は戦狂いよのう。して、この状況…どう打開するつもりじゃ?諦めて敗北を認めるか? A:いいや、まだ敗北は認めんさ。君と言う刃はまだ折れていない。もちろん私の心も同様にね。ならばまだ、現状を敗北と呼ぶには早いだろう B:ならばどうする? A:策は無い B:無策の猪突猛進ときたか!なんともお主らしい A:格上相手にアレヤコレヤと策を弄するだけ無駄さ。ただひたすら全力でぶつかるのみ! B:やはりお主は阿呆よ。それ故に気に入った訳じゃが。ふむ……余も少し賭けてみるとしよう。 A:賭け? B:血の成約だ。リスクはあるが、相応の効果は見込める A:良いのかい?血の成約は、ほぼ君の全てを私に捧げるようなものだろう? B:なに、これもまた一興と言ったものよ。さぁ構えよ。唱えるぞ B:『我が力たる雷溟よ。我が身に宿りし逢魔よ。我が双極(そうごく)たる権能を、今此処に成約を持ってして汝に与える。汝よ、我が血を受け入れその力を己が身に宿せ』 A:凄い……これが君の…… B:さぁ、次はお主の番だ。余がここまでしてやったのだ。必ずや見させてもらうぞ?頂からの景色とやらを A:約束を破るつもりも、勝負に敗れるつもりもないさ A:『汝よ、我が呼びかけに応え、その真なる姿を解き放ち、我が手に顕現せよ!』 A:『逢魔雷溟』!(おうまらいめい) A:──始めよう。君の剣と私の技…我々の『剣技』こそが、世界最強であることを証明する戦いを! 0:10 A:ガード!──グッ! B:気を付けろ!あの重撃はかなりヤバい…受けれてあと2、3発が限界だ! A:とはいえ、無闇に攻めたら直撃だ。これじゃジリ貧だぜ B:ほぉ、戦いのド素人が少しは成長したか A:あれだけ戦えば、嫌でもちっとは成長するっつうの。でも正直、今の状況に合う良い作戦は全然思いつかない B:ハッ、まだアマチュア止まりと言ったところだな A:うるせぇやい。そういうお前は、なんかいい作戦とかないのかよ? B:万策尽きた…という訳でもないだろう?俺たちにはまだアレがある A:アレって……いやいや、あれはまだ練習も出来てないんだから無理に決まって─── B:あの時と同じだ。出来るかできないかじゃねぇ……やるしかねぇんだよ! A:結局このパターンになるのかよ! B:お前の練習なんざ有って無いようなもんだろうが A:バァカにしてくれちゃってぇ B:勝てよ?アマチュア小僧 A:……ったく、失敗しても文句言うんじゃねぇぞ! B:『仞刏廻臨』(じんきかいりん)! A:『凱輝装乱』(がいきそうらん)! A:惨めな程に不完全……こりゃ、確かにアマチュアってとこか。でも、それでこそ俺たちだよな! A:まずは不完全故の変則的戦いをマスターするところからか 0:11 A:それが君たちの全力か。なら、正直期待はずれだよ B:マイロード、貴方様が出るまでもありません。ここは私が A:……いや、今回は彼らの心を徹底的にへし折ってやることにしよう B:仰せのままに。マイロード A:我が刃よ、君はこんな私を傲慢だと笑うかい? B:我が主の傲慢さは、強者故の余裕。王たる風格を示すものにございます。それを誰が笑うことなどできましょうか A:……やはり君は片刃だね。何が起きようと、その刃が私に向くことがない。主である私でさえ感服するよ B:我が身が主を傷付けるなど言語道断。誓って起こりえないことでございます A:私を決して傷つけず、それでいて容赦なく相手を切り裂く……まさに私の理想とする武器だ B:お褒めに預かり光栄にございます A:さて、余計な話をしたね。蹂躙の時間と行こう。私に身を委ねてくれるね? B:仰せのままに。我が身は全て、主が為に B:『剣能権化』(けんのうごんげ) A:ほんの少しでも適うと思ったのなら大間違いだよ。力の解放は君たちの特権じゃないということさ 0:12 A:この状況……ほんの少しマズイわね。 B:お嬢様、『アレ』をお使い下さい。 A:『アレ』?……まさか、ダメよ。そんなことをしたら貴方が……それだけはダメ! B:おや?私の身を案じてくださるのですか?……ご心配なく。それでお嬢様のお役に立てるのなら、本望にございます。 A:……貴方という存在が消えるかもしれないのよ? B:この身はとうの昔にお嬢様へ捧げた身。頭からつま先まで、お嬢様の所有物にございます。それなのに、何を今更悔いることがございましょうか。 A:……この頑固者 B:誰かさんいわく、私はこの御屋敷で、『一番の石頭』だそうですから。 A:なら命令よ、この石頭。……この戦いが終わっても、私の隣で仕(つか)え続けなさい。私の許可無く消えたりなんかしたら、承知しないわよ? B:ッ!……フフ。かしこまりました。 A:勝つわよ執事。この戦い……私たち二人で! B:仰せのままに! A&B:『武舞凰乱』(ぶぶおうらん)! A:───『じゃじゃ馬姫』らしく、盛大に暴れてやるわよ! 0:13 A:なぁ相棒。明日の飯は何がいいと思う? B:そうだなぁ……明日の飯はパンだ!パンにする! A:良いな。アッツアツのパンで至福の朝を迎えるってか B:最高じゃん!……不思議だよね。その日を生きるだけで精一杯だった僕らが、今は明日のことを考えてる A:ハッ、だな。それもこんな危機的状況でだ。まったく、最高だぜ B:……今なら、出来る気がするんだ A:……ッ!ハハッ、お前に言われちゃぁ仕方がねぇな B:それに、どの道出来なければ勝ち目は無い……でしょ? A:その通りだ。まぁ俺の『未来予測』にお前の『精密射撃』、この2つが寸分違わず合わさる。……最高だぜ。それが出来りゃ、あの大群も目じゃねぇってもんだ B:決まりだね。それじゃ、やりますか A:勝利の瞬間まで、俺の体を預ける。…勝てよ?相棒 B:だから、あまりプレッシャーを……いや、勝つよ。絶対。 A:さぁ行こうぜ!今日を生きて明日を笑うのは、俺達だ! A&B:『神器成極』(じんきせいごく)! B:───神装、ロビン・フッド B:全標的ロックオン、オールレンジ B:行くよ……相棒 B:殲滅を開始する! 0:14 A:チッ!追跡から逃れられねぇ!これじゃ追いつかれるのも時間の問題か B:そのようだな。して、どうする?我が主よ。既に我が力の解放は9割に近い。これ以上の解放は汝の望まぬ領域じゃろう? A:…… B:逃げれぬ上に、戦闘力上昇の見込みも無し。まさに詰み的状況というやつよのう A:……10割だ B:おや? A:解放してやる B:…それはつまり、貴様の体を明け渡すということか? A:フル解放した状態で、俺が自我を保てるわけないだろ B:それは我を完全に認めたと受け取っても良いのか? A:認めたわけじゃない。合理的判断をしただけだ B:フッ、つれないヤツよの A:テメェら鉄クズ共の話なんて理解できるかよ B:ふむ……そこまで我々を忌み嫌いながら受け入れる理由とはなんぞ?かつて汝は、我に体を使わせるなら死んだ方がマシだと言っていた気がするが? A:確かに俺は、お前らが嫌いだ。俺はお前らの種族に全てを奪われたからな。今でもそれを許そうとは思っちゃいねぇ。けどな……それ以上に負けるのは大っ嫌いなんだよ! B:己が理念の為に、忌み嫌う余に勝負を託すか!やはり汝は面白い A:だから絶対負けるなよ?これでお前が負けたら俺は大損だ B:善かろう!必ずやこの勝負、勝ってみせよう。では、参ろうぞ A:『ソウルポータル解放』 B:余談だが、我は汝にそれなりの好感は抱いておるつもりぞ? A:そいつはどーも。聞きたくなかったよ A:…いくぜ。『霊気招魂』(れいきしょうこん)! B:──さて、矮小なる者共よ。託された勝負故、一切の手加減ができん B:苦痛なく逝けることがせめてもの救いと思うがいい 0:15 A:──ガハッ!我がゆく道は、ここで潰えるというのか…… B:立て、友よ!我々の終着点はこんなところではないだろう! A:そうだ、我は立たねばならぬ……地に這いつくばったままではならぬ! B:諦めるな!今一度、武装錬成をするぞ! A:ここで立ち止まる訳にはいかんのだ! B:よくぞ立ち上がった!友よ! A:すまない、心配をかけた B:問題ない。良いか、己が行く道を見失うな。暗闇に絆(ほだ)されてしまえば、簡単に光を失うぞ! A:もう見失わんさ。我が歩むは王者の道! B:我が歩むは覇者の道! A:行くぞ、2人で!覇王と成りうる修羅の道を! A:『武装錬成』! A:──なんだこの感覚は……いつもの武装錬成と違う?まさか、これが覚醒なのか!? A:通りで力がみなぎるわけだ A:この力に名前などないが……そうだな、強いて言うなら A:『真・武装錬成』ってところか A:行くぞ友よ……勝利への前進を始めるとしよう!

0:1 A:やるぞB……煉武創成(れんぶそうせい)だ B:正気か!?俺かお前、どっちかの存在が消えるかもしんねぇんだぞ!?それにやるってったって、一切練習とかしてな─── A:やるしかないんだよ!たとえどちらかの存在が消えたとしても!……今この状況を切り抜ける手段は、それしかない。腹括るしかねぇんだよ! B:逆に言えば、出来れば切り抜けられるってことなんだな? A:……あぁ B:ハァ…わかった。やってやるよ A:良いのか?言っておいてなんだが、正直無理のある話だぞ? B:それをアンタが言うのか?……覚悟ならできてるさ。アンタを初めて武装したあの日からな A:ハハハ!それもそうか。なら、今さら腰が引けた…なんてことは無いよな? B:アンタが出来るって言うなら、俺はそれを信じるだけさ A:再びあの言葉を言う日が来るとはな……行くぞ? B:おう!やってやろうぜ!イチかバチかの大判振舞! A:死にたくなけりゃ、腹括って叫びやがれ! A&B:『煉武創成』(れんぶそうせい)! B:──そうか、やっぱり俺か……。大丈夫。ちゃんとアンタの存在をまだ感じる。アンタの覚悟、無駄にはさせねぇ 0:2 A:ハァ……ハァ…… B:A落ち着け。心の乱れがヤバいぞ!このままじゃ、俺たちのシンクロも解けちまう A:僕が…守るんだ B:あぁ勿論だ。でも今の状況じゃ無理だ!ここは退いて─── A:僕が倒すんだ!皆を守る為に! B:……おいどうしたんだよA。一旦落ち着けって──どわっ!……っててて、強制解除!? A:もっと力があれば……もっと……もっと! B:精神が完全に不安定になってやがる……ダメだA!それ以上は!帰って来い! A:もっと力が欲しい! B:この波長は…エボリューションチェンジ!?ダメだA!今のお前じゃ! A:『凶天明鎧』(きょうてんみょうがい)! A:神装、ノトリアス・アーテー A:ボクガ……ボクガヤラナキャイケナインダ! 0:3 A:俺はよぉ…ピンチの時に覚醒ってのは、ちとダセェと思うんだよな B:どうしてだ?良いじゃないか。一発大逆転って感じでスカッとするだろ? A:それだ。出来るなら最初からやりゃいい B:いや、こう…なんというか、感情の昂りとかあるだろ? A:俺はぶった切れる獲物がいりゃ昂る B:……確かに A:そもそも、そんなリスキーな戦いをする必要なんざねぇんだよ。追い込まれねぇと本気が出せねぇとか、母ちゃんに怒られねぇと宿題ができないガキかっての B:んじゃ、質問だ。現状俺らの目の前に敵の大群。さぁ、どうする? A:んなもん決まってるだろうが。最初から最後までフルスロットルだぜ! B:感情の昂りは? A:要らねぇし、既にマックスみてぇなもんだ B:オーケー、そんじゃ刃こぼれすんなよ? A:誰に言ってんだよ! B:行くぜ。我が手に顕現せよ、『無骨大撃剣』(ぶこつだいげっけん)! B:──全力でこいよ。俺たちゃ最初っから本気でぶつかって行くぜ! 0:4 A:今回の作戦は『メイン』だったとはいえ、ちょっと張り切りすぎたかもしれないわね B:お互いにボッロボロ〜ってね A:笑い事じゃないわよ。私たち瀬戸際ってやつよ? B:わぁかってるって。とはいえ、確かにマズイよなぁ A:マズイどころの騒ぎじゃないわよ!あのまま隠密行動ができてれば今頃ッ!……ハァ B:まぁなんと言うか…ドンマイ A:誰のせいよ、誰の! B:悪かったって。そんなお嬢に朗報だ A:ふざけたことだったらぶっ飛ばすわよ? B:おいおい、俺のジョークをご期待か?残念ながら真面目な話。俺の真の能力を使えば脱出できるかもしれない A:本当!?そういう事はさっさと言いなさいよ! B:ただこれには1つ、欠点があるんだ。形状を維持する事に全神経を集中しなきゃいけないから、武装化中俺は喋れないんだ A:……それだけ? B:それだけとは失礼な!俺が喋らなかったら、お嬢が寂しい思いをしちゃうだろ? A:むしろ静かになって都合がいいわよ。いいからサッサとやって B:へいへい。……こっから先は、1人で頑張るんだぞ? A:何よ、急に真面目な顔しちゃって B:いや、なんでも。そんじゃ行くぜ! B:『献万来化』(けんばんらいか)! A:──なるほど、これなら確かに行けそうね。それじゃ、こんな所とはサッサとおさらばするわよ!……って喋れないんだったわね。小うるさいジョークが聞けないのも少し考えものね 0:5 A:チィッ!また折れやがった!やっぱそんじょそこらのナマクラじゃ、アイツらには勝てっこねぇか…… B:まぁ市販の物と、武装化した武器じゃ性能の差が段違いだからね A:だよなぁ。やっぱりアイツが居ねぇと勝ち目なしか……ん?ハァ!?お前、なんでここに居るんだよ!? B:よ!絶賛大ピンチって感じだね?助けに来た以外の理由があると思う? A:だって、お前はもう新しいバディと組んだはずじゃ…… B:誰かさんの横に並ぶ為に頑張ったら、シンクロ率合わなくなっちゃってね。断っちゃった A:断っちゃったって、お前なぁ…… B:ま、そんなわけだし……早く武装錬成して、アイツら倒しちゃおうぜ! A:……出来るわけないだろ。そもそも、身体はもう大丈夫なのか? B:おや?前の失敗まだ引きずってるの? A:当たり前だろ。俺がお前を殺しかけたんだ。普通気にするだろ B:だからあれは、単に僕が力不足だっただけだって。もうあんな事は起きないよ。断言する A:……ハァ、わかった。やるか…相棒 B:そうこなくっちゃ!僕らのチームワークが未だ健在ってとこ、みせてやるってもんよ! A:今回はお前がやる気満々だな B:行くよ!『連気合功』(れんきごうこう)! A:──そうか、これがお前の本当の……ハッ!初めてのはずだってのに、よく手に馴染みやがる A:文字どうり振り回してやっから、ちゃんと応えろよ、相棒! 0:6 A:私は…なんの為に戦ってるんだ?なんでこんなに傷ついて、苦しい思いをして……私は一体何がしたかったんだ? B:そうさ。お前の戦いにはなんの意味もない。なんの価値もない A:私の戦いに……意味も価値も無い…… B:あぁそうだ。お前は誰も助けられないし、何も成すことなどできない。だからもう諦めてしまえ A:そうか……もう諦めていいのか。誰かの為に戦うのも、何かの為に戦うのも……もう辞めていいのか B:そうだ。それでいい。お前はただ欲望のままに我を振るえば良いのだ A:欲望のままに……ただ壊し続ければいい…… B:あぁそうさ。今のお前にはそれが許される。何故ならお前は『正しい』から A:そうだ、私が正しいんだ。この世界が......この腐った世界が悪なんだ! B:良いぞ……さぁ、唱えよ A:『刀封解印』(とうふうかいいん) B:──クハハハハッ!ようやくだ!我はこの時を待ちわびていた! B:死を纏いし妖刀を鞘に収めるなどハナから無理に決まっているというのに、愚かなヤツよ B:さて、まずは小煩い羽虫共を片付けるとしよう 0:7 A:腕が上がんなくなってきた…… B:踏ん張れ!ヤツもかなり追い込まれているはずだ! A:もういい B:……なんだと? A:もういいんだ。アタシたちじゃアイツに勝てない B:何を言っている!?あともう少しではないか! A:『武装解除』 B:なっ!貴様、自分が何をしているかわかっているのか!? A:アンタは逃げて。アタシがアイツの足止めをするから B:死にに行くようなものだぞ? A:わかってる。だからアンタはもう付き合ってくれなくていいの。ここからは、アタシのケジメみたいなもんだから B:無謀だ。あまりに無謀すぎる A:じゃあどうすればいいって言うのよ!復讐しか無かった私が、その復讐すらできないのよ!? B:何故できぬと決めつける? A:アンタも見たでしょ?あの一撃。アタシじゃどう足掻いても勝てっこないじゃない B:そうじゃない。貴様には槍があり、斧があり、剣がある。それらを使わずして素手で戦い、何故勝てぬと嘆くのかと聞いている A:アタシにはそんなの…… B:貴様には我がいる。我を利用するのだろう?ならば最後までそれを貫き通せ A:……どうなったって知らないわよ? B:無論、望むところだ A:ハァ……付き合ってくれなくていいって言ってるのに、まったくアンタって人は……本当に人の話聞かないわね B:あの日から我々は一蓮托生。どちらかが消える時は、共に死にゆく時のみと決まっている。 B:さぁ行け。どうすれば良いかは、言うまでもあるまい? A:わかってるわよ。彩れ、『万権如頼』(ばんけんにょらい) A:これが、私の進む道! B:そうだ、それでいい。この戦場を貴様の色に染め上げてやれ! 0:8 A:オイオイ、まさかのご主人様ピーンチ!ってかぁ? B:黙ってろ……このくらいどうと言うことは──クッ! A:ほらみろ、言わんこっちゃない。いくら強がったって、あん時みてぇにはいかねぇだろうよ B:それくらいわかっている。いいから黙ってさっさと武装化しろ A:へいへい……て言いたいところだが、そりゃ無理だ。もう俺様にもそんな力は残っちゃいねぇ B:ならばどうする! A:おいおいそんなに慌てるなって……らしくもねぇ B:わかっている……だがこの状況ではどうしようも─── A:簡単だろ?俺様を囮にすりゃいい。 B:なっ!? A:その方が効率がいいってやつだろ?おらオメェら!俺様が相手だ!かかってこいや!……俺様はもう、マトモに動けやしねぇ。逃げるには足でまといだ。だから、行け! B:……死ぬなよ? A:おう、サッサと行け! A:───とは言ったものの、さすがにヤベェか、コレ? B:───気が変わった A:アンタ…なんで戻ってきやがった!? B:ひとつ……俺達が助かる方法を思い出した。 A:俺様の犠牲を無意味にするだけの案なんだろうな!? B:神鎧装(しんがいよそ)いて天へと参らん A:…神装鎧天(しんそうがいてん)か?それを使えばどっちかの存在が─── B:メインの人格はお前でいい A:……は? B:存外俺は……お前の居る煩い日常が、嫌いじゃなかったらしい A:おいおい、こんな時に言っていい冗談じゃねぇぞ! B:……この勝負、お前に託すぞ A:ダメだ!やめろ! B:吠えろ!ベオウルフ!神装凱天! A:──馬鹿野郎が…最初から最後まで好き勝手しやがって A:テメェら…覚悟しやがれ! 0:9 A:これが…最強…… B:まるで歯が立たぬと言ったものよのう A:悔しいけど、どうやらその様だね B:夢眼前にして叶わず…と言うのに、随分と嬉しそうよのう? A:……あぁ、嬉しいさ。これだけの高みに来ても、私はまだ挑む立場でいられる。これほど嬉しいことはないさ B:やはりお主は戦狂いよのう。して、この状況…どう打開するつもりじゃ?諦めて敗北を認めるか? A:いいや、まだ敗北は認めんさ。君と言う刃はまだ折れていない。もちろん私の心も同様にね。ならばまだ、現状を敗北と呼ぶには早いだろう B:ならばどうする? A:策は無い B:無策の猪突猛進ときたか!なんともお主らしい A:格上相手にアレヤコレヤと策を弄するだけ無駄さ。ただひたすら全力でぶつかるのみ! B:やはりお主は阿呆よ。それ故に気に入った訳じゃが。ふむ……余も少し賭けてみるとしよう。 A:賭け? B:血の成約だ。リスクはあるが、相応の効果は見込める A:良いのかい?血の成約は、ほぼ君の全てを私に捧げるようなものだろう? B:なに、これもまた一興と言ったものよ。さぁ構えよ。唱えるぞ B:『我が力たる雷溟よ。我が身に宿りし逢魔よ。我が双極(そうごく)たる権能を、今此処に成約を持ってして汝に与える。汝よ、我が血を受け入れその力を己が身に宿せ』 A:凄い……これが君の…… B:さぁ、次はお主の番だ。余がここまでしてやったのだ。必ずや見させてもらうぞ?頂からの景色とやらを A:約束を破るつもりも、勝負に敗れるつもりもないさ A:『汝よ、我が呼びかけに応え、その真なる姿を解き放ち、我が手に顕現せよ!』 A:『逢魔雷溟』!(おうまらいめい) A:──始めよう。君の剣と私の技…我々の『剣技』こそが、世界最強であることを証明する戦いを! 0:10 A:ガード!──グッ! B:気を付けろ!あの重撃はかなりヤバい…受けれてあと2、3発が限界だ! A:とはいえ、無闇に攻めたら直撃だ。これじゃジリ貧だぜ B:ほぉ、戦いのド素人が少しは成長したか A:あれだけ戦えば、嫌でもちっとは成長するっつうの。でも正直、今の状況に合う良い作戦は全然思いつかない B:ハッ、まだアマチュア止まりと言ったところだな A:うるせぇやい。そういうお前は、なんかいい作戦とかないのかよ? B:万策尽きた…という訳でもないだろう?俺たちにはまだアレがある A:アレって……いやいや、あれはまだ練習も出来てないんだから無理に決まって─── B:あの時と同じだ。出来るかできないかじゃねぇ……やるしかねぇんだよ! A:結局このパターンになるのかよ! B:お前の練習なんざ有って無いようなもんだろうが A:バァカにしてくれちゃってぇ B:勝てよ?アマチュア小僧 A:……ったく、失敗しても文句言うんじゃねぇぞ! B:『仞刏廻臨』(じんきかいりん)! A:『凱輝装乱』(がいきそうらん)! A:惨めな程に不完全……こりゃ、確かにアマチュアってとこか。でも、それでこそ俺たちだよな! A:まずは不完全故の変則的戦いをマスターするところからか 0:11 A:それが君たちの全力か。なら、正直期待はずれだよ B:マイロード、貴方様が出るまでもありません。ここは私が A:……いや、今回は彼らの心を徹底的にへし折ってやることにしよう B:仰せのままに。マイロード A:我が刃よ、君はこんな私を傲慢だと笑うかい? B:我が主の傲慢さは、強者故の余裕。王たる風格を示すものにございます。それを誰が笑うことなどできましょうか A:……やはり君は片刃だね。何が起きようと、その刃が私に向くことがない。主である私でさえ感服するよ B:我が身が主を傷付けるなど言語道断。誓って起こりえないことでございます A:私を決して傷つけず、それでいて容赦なく相手を切り裂く……まさに私の理想とする武器だ B:お褒めに預かり光栄にございます A:さて、余計な話をしたね。蹂躙の時間と行こう。私に身を委ねてくれるね? B:仰せのままに。我が身は全て、主が為に B:『剣能権化』(けんのうごんげ) A:ほんの少しでも適うと思ったのなら大間違いだよ。力の解放は君たちの特権じゃないということさ 0:12 A:この状況……ほんの少しマズイわね。 B:お嬢様、『アレ』をお使い下さい。 A:『アレ』?……まさか、ダメよ。そんなことをしたら貴方が……それだけはダメ! B:おや?私の身を案じてくださるのですか?……ご心配なく。それでお嬢様のお役に立てるのなら、本望にございます。 A:……貴方という存在が消えるかもしれないのよ? B:この身はとうの昔にお嬢様へ捧げた身。頭からつま先まで、お嬢様の所有物にございます。それなのに、何を今更悔いることがございましょうか。 A:……この頑固者 B:誰かさんいわく、私はこの御屋敷で、『一番の石頭』だそうですから。 A:なら命令よ、この石頭。……この戦いが終わっても、私の隣で仕(つか)え続けなさい。私の許可無く消えたりなんかしたら、承知しないわよ? B:ッ!……フフ。かしこまりました。 A:勝つわよ執事。この戦い……私たち二人で! B:仰せのままに! A&B:『武舞凰乱』(ぶぶおうらん)! A:───『じゃじゃ馬姫』らしく、盛大に暴れてやるわよ! 0:13 A:なぁ相棒。明日の飯は何がいいと思う? B:そうだなぁ……明日の飯はパンだ!パンにする! A:良いな。アッツアツのパンで至福の朝を迎えるってか B:最高じゃん!……不思議だよね。その日を生きるだけで精一杯だった僕らが、今は明日のことを考えてる A:ハッ、だな。それもこんな危機的状況でだ。まったく、最高だぜ B:……今なら、出来る気がするんだ A:……ッ!ハハッ、お前に言われちゃぁ仕方がねぇな B:それに、どの道出来なければ勝ち目は無い……でしょ? A:その通りだ。まぁ俺の『未来予測』にお前の『精密射撃』、この2つが寸分違わず合わさる。……最高だぜ。それが出来りゃ、あの大群も目じゃねぇってもんだ B:決まりだね。それじゃ、やりますか A:勝利の瞬間まで、俺の体を預ける。…勝てよ?相棒 B:だから、あまりプレッシャーを……いや、勝つよ。絶対。 A:さぁ行こうぜ!今日を生きて明日を笑うのは、俺達だ! A&B:『神器成極』(じんきせいごく)! B:───神装、ロビン・フッド B:全標的ロックオン、オールレンジ B:行くよ……相棒 B:殲滅を開始する! 0:14 A:チッ!追跡から逃れられねぇ!これじゃ追いつかれるのも時間の問題か B:そのようだな。して、どうする?我が主よ。既に我が力の解放は9割に近い。これ以上の解放は汝の望まぬ領域じゃろう? A:…… B:逃げれぬ上に、戦闘力上昇の見込みも無し。まさに詰み的状況というやつよのう A:……10割だ B:おや? A:解放してやる B:…それはつまり、貴様の体を明け渡すということか? A:フル解放した状態で、俺が自我を保てるわけないだろ B:それは我を完全に認めたと受け取っても良いのか? A:認めたわけじゃない。合理的判断をしただけだ B:フッ、つれないヤツよの A:テメェら鉄クズ共の話なんて理解できるかよ B:ふむ……そこまで我々を忌み嫌いながら受け入れる理由とはなんぞ?かつて汝は、我に体を使わせるなら死んだ方がマシだと言っていた気がするが? A:確かに俺は、お前らが嫌いだ。俺はお前らの種族に全てを奪われたからな。今でもそれを許そうとは思っちゃいねぇ。けどな……それ以上に負けるのは大っ嫌いなんだよ! B:己が理念の為に、忌み嫌う余に勝負を託すか!やはり汝は面白い A:だから絶対負けるなよ?これでお前が負けたら俺は大損だ B:善かろう!必ずやこの勝負、勝ってみせよう。では、参ろうぞ A:『ソウルポータル解放』 B:余談だが、我は汝にそれなりの好感は抱いておるつもりぞ? A:そいつはどーも。聞きたくなかったよ A:…いくぜ。『霊気招魂』(れいきしょうこん)! B:──さて、矮小なる者共よ。託された勝負故、一切の手加減ができん B:苦痛なく逝けることがせめてもの救いと思うがいい 0:15 A:──ガハッ!我がゆく道は、ここで潰えるというのか…… B:立て、友よ!我々の終着点はこんなところではないだろう! A:そうだ、我は立たねばならぬ……地に這いつくばったままではならぬ! B:諦めるな!今一度、武装錬成をするぞ! A:ここで立ち止まる訳にはいかんのだ! B:よくぞ立ち上がった!友よ! A:すまない、心配をかけた B:問題ない。良いか、己が行く道を見失うな。暗闇に絆(ほだ)されてしまえば、簡単に光を失うぞ! A:もう見失わんさ。我が歩むは王者の道! B:我が歩むは覇者の道! A:行くぞ、2人で!覇王と成りうる修羅の道を! A:『武装錬成』! A:──なんだこの感覚は……いつもの武装錬成と違う?まさか、これが覚醒なのか!? A:通りで力がみなぎるわけだ A:この力に名前などないが……そうだな、強いて言うなら A:『真・武装錬成』ってところか A:行くぞ友よ……勝利への前進を始めるとしよう!