台本概要
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タイトル | 魔法少女おっさん |
---|---|
作者名 | ハスキ (@e8E3z1ze9Yecxs2) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 3人用台本(男2、不問1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
主人公の守(おっさん)はタンスのカドに小指をぶつけて死んでしまう。意識が戻り目覚めると、なんと魔法少女になっていた。魔法少女おっさんと謎生物と変な同級生が巻き起こすドタバタコメディ劇。 男女不問。アドリブ改変なんでもあり。
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
守 | 男 | 77 | 男:一度死んで、魔法少女に転生したおっさん。全力ツッコミガンバ! |
モッピ | 不問 | 45 | 男女不問。魔法少女アニメには定番の謎の生物。設定などの説明役ポジション。もふもふ可愛い。 |
友蔵 | 男 | 33 | 男:魔法少女エリカと同じ学校に通う同級生。なぜかバケモノを消滅させることができる力がある。全力ボケ。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
守:う⋯うん?な、なんだここは?⋯俺はいったい⋯
ーー間
守:そうか⋯たしか俺はタンスの角(かど)に小指をぶつけて⋯あまりの痛さに気を失って⋯
守:まさか⋯あれで死んでしまうなんてな⋯
モッピ:守(まもる)⋯
守:かっこ悪い死に方だよな⋯ま、俺らしいって言えば、そうかもしれないが
モッピ:守⋯起きるんだッピ⋯
守:おっさんになる歳まで、恋人はおろか、コミュ障で友達も居なかったし、未練もないか⋯
モッピ:守起きろッピ!
守:ハッ!あれ?なんで起きれたんだ?俺、死んだんじゃないのか?
モッピ:はあ、やっと起きたッピ
守:は?⋯⋯えええぇーーー!!
モッピ:なな、何ッピ~~~!!
守:へ、へんな生き物が喋ってる~~!
モッピ:む!モッピは変な生き物じゃないッピ!可愛い聖獣(せいじゅう)ッピ!
守:精獣(せいじゅう)って、めちゃくちゃいやらしい生き物じゃーん!!
モッピ:それたぶん違う精獣ッピ!!聖(せい)なる獣(けもの)と書いて聖獣ッピ!全然いやらしくないッピよ!
守:と、とりあえず落ちつけ俺、これはきっと夢だ。いや死んでるから天国か?
モッピ:あー、ここは夢の中でもなければ、天国っていう場所でもないッピ
守:なら、どこなんだ?⋯ん?よく見たら、ここ、女の子の部屋⋯か?
モッピ:そうッピ。守、落ち着いて聞くッピよ。⋯君は一度死んで、魔法少女に生まれ変わったんだッピ
守:⋯はあぁーーーー!?
守:待て待て、どういう事だよ!?転生したって言うなら普通、異世界ファンタジーとかで、イケメンの一見平凡そうだけど、実はチートスキルなんかを女神に授けられてて、俺ツエエ!できるのが常識だろ!?
モッピ:よく分からないけど、そんな常識は知らないッピ
守:しかもなんで、現代の魔法少女!?中身がおっさんの魔法少女とか、どこの誰に需要(じゅよう)があるって言うんだ!?
モッピ:ごちゃごちゃうるさいッピね。とりあえずそういう事なんだッピ
守:ん⋯?待てよ、魔法少女って言うからには、敵対する悪者がいるんだよな?世界を破滅させようとしてるような、あからさまな奴がいて、戦わされたりするやつだろ!?
モッピ:おー、理解が早くて助かるッピ。まさにその通りッピ
守:あぁ⋯やっぱいるんだ
モッピ:ちなみにどんな敵かって言うと⋯ん?
友蔵:ちゅわ~~ん⋯(窓の外から喋ってる感じで)
守:ん?あれ、誰か下で叫んでるな
友蔵:おーい!絵里香(えりか)ちゅわ~~ん!!
守:な、なんだ?あの、いかにも軽薄(けいはく)そうなチャラい奴は?そんで絵里香って誰だ?
モッピ:君の名前ッピ
守:はい!?俺、今そんな可愛いらしい名前なの!?
友蔵:フンッ!シュタッ(近くの気によじ登り飛んで窓から入ってくる)グッモーニン、愛しの絵里香ちゅわん
守:うえっ!?何窓から入って来てるんだ!ここ二階なんだけど!?
友蔵:いや、君に一秒でも早く会いたくってね
モッピ:愛のパワーッピね~
守:いやいや、ただの不審者だし不法侵入だろ!?てか⋯お前誰だ!
友蔵:おやおや、マイハニーは僕の名前も忘れちゃったのかい?僕は君と同じ学校に通うベストフレンド、只野友蔵(ただのともぞう)その人だよ!
守:なんだ、ただの同級生か、良かった⋯
友蔵:いやいや、僕たちはこれからもっともっと仲良くなって、幸せな家庭を作る予定だよ?そう子供は三人くらい作ろう
守:寄るな!触るな!気色わるいわ~!!
モッピ:ちなみにこいつ、この世界の重要人物だッピ
守:こいつが!?何その嫌設定⋯
友蔵:おっと!忘れていた、ハニーともっと戯(たわむ)れていたかったんだが⋯大変なんだ!
守:いきなりの展開だけど、今度は何だよ!?
友蔵:うん、また例のバケモノが出たんだ。僕はまた、例のごとく襲われてね⋯
守:ハッ!この謎生物が言っていた、悪者ってやつか!危険なやつなんだよな?
友蔵:ああ、とても危険だ
モッピ:ちなみにその悪者は、何故かコイツだけを狙って、毎回現れては襲っているッピ。そのとばっちりで街は破壊されてるッピ
守:ただの疫病神(やくびょうがみ)じゃねえか~~!
友蔵:ふ、モテる男は、辛いね
守:おい謎生物、こいつをやっちまえば、世界は平和になるんじゃないのか?
モッピ:それは駄目ッピ
守:なんでだよ!?
モッピ:こいつは疫病神でありつつ、敵を完全に消滅させる為の特殊な力をもっているんだッピ。だからこいつが死んだら世界は終わりッピ
守:何だそのクソ仕様は!ゲームだったらクソゲーだよ!?
友蔵:あー、レディがクソなんて、下品な言葉を使っちゃいけないよ。君にはカナリアのように、素敵な歌を奏(かな)でて欲しいんだ
守:うるせ~!
モッピ:む!爆発音が近いッピ、ここがバレたようッピよ!
守:ええ!もう魔法少女の家バレてるの!?
友蔵:無作法なバケモノだよ、まったく
守:お前が言うな!
モッピ:よし、絵里香、変身して戦うんだッピ!ほらこれ!
守:え?ああ絵里香って俺だったな。ってこれ何⋯?
モッピ:変身アイテムだッピ
守:これ、お酒じゃない?
モッピ:魔法少女に変身できる魔法のお酒ッピ
守:いやこれ芋焼酎(いもじょうちゅう)とか書いてるんだけど~~!いろいろと大丈夫かこれ!?
友蔵:さ、絵里香。今すぐ変身して、アイツをぶっ倒してしまうんだ!
守:そ、そうだな!とりあえず変身しないと⋯
友蔵:ほら、何をぐずぐずしてるんだ!僕の目の前で早く、早く変身するんだ!
守:いや、お前は外に出とけーーー!!
友蔵:ぬあああ~~~!!(二階の窓から落ちていく)
守:はぁ、はぁ、やったか⋯。魔法少女の変身シーンを間近で見ようなんて、とんでもないド変態だな
モッピ:さあ時間がないッピよ!それをグっとググッと飲むんだッピ!
守:わ、分かった。倫理(りんり)的にだいぶまずい感じなんだけど、魔法少女設定あるあるで、大丈夫なんだよな?
モッピ:⋯さ!飲むッピ!
守:なんで答えないんだ!?チッ、仕方ない⋯んぐ!
守:⋯ぷはぁ!これでいいのか!?
モッピ:大丈夫ッピ!ほら、変身が始まったッピよ!
守:お、おお!これが、変身!
友蔵:説明しよう!この魔法アイテム「芋焼酎」は、飲む事で体内のマナエネルギーを増幅させ、まあ、なんやかんや不思議な力が働き「魔法少女エリカ」に変身する事が出来るのだ!
守:ん?なんでアイツが知ってるの?てかアイツ今、外に居るはずだよな!?
友蔵:今⋯あなたの心に、直接語りかけているのです⋯
守:キモ!めちゃくちゃキッモ!アイツの方がバケモノじゃないか!?
友蔵:ハッハッハッ、そんなに褒めるなよ
守:褒めてない!!あー!とかなんとか言ってたら、一番美味しい変身シーンがさらっと終わってた~~!
モッピ:時間短縮ッピ。巻いていくッピ
守:え?何?尺(しゃく)なんか気にして、これテレビの番組かなんかなの?え?
友蔵:ぐあ~~!バ、バケモノが襲ってくる~~!!
モッピ:っ!さあ!魔法少女エリカ!あの外で暴れてるバケモノを倒すッピ!
守:チッ!外の変態はどうでもいいけど、世界の平和は守らないといけないよな、元、守(まもる)として!
モッピ:良く言ったッピ!ゆけ!倒せ!世界の平和を守る魔法少女エリカ!
守:うおお~~!!って、あれ⋯なんか身体が、フラつくんだけど?
モッピ:うん、酔いが回ってきてるッピ
守:おい~~!どういう事だよ~!こんなんじゃ戦えないだろ~?
モッピ:大丈夫ッピ、酔えば酔うほど強くなる、それが魔法少女エリカッピ!
守:ただの酒乱じゃねえか!!はっ、でも昔、酔拳って技で、敵をバッタバッタ倒してた、何とかチェンって人が居たな⋯よし!やるか!
友蔵:ぎゃああ~~!!はっ!絵里香!助けに来てくれたんだね!?
守:お前の事は、ホントどうでもいいからそこをどけ!
友蔵:あ、ああ。ほら、アレが例のバケモノだ⋯
守:うわ⋯いかにもエイリアンな見た目してるな。よくあんなデカイのから逃げ切れてたな?
友蔵:フッ、女性に手を出す速さと、足の速さには自信があってね!
守:ほんとなんでこんな残念な奴が、主役の友達なの?誰が書いた話だ?ライター呼んで来い、一発ぶん殴るから
友蔵:あ!絵里香危ない!
守:え?やば!なんか火みたいの吐いてきてる!逃げないと⋯って足がもつれる~!
友蔵:絵里香~!
守:うわーー!って、あれ?平気だ⋯
モッピ:大丈夫ッピよ!今の魔法少女エリカは芋焼酎パワーで、防御力が常人の1000倍にアップしてるから、あのぐらいへっちゃらッピ!
守:な、なんだ⋯そういう事は早く言っとけ!死ぬかと思っただろ!
友蔵:良かった⋯僕のマイハニーが、バーニングハニーになってしまう所だった⋯ん?待てよ、バーニングハニーもなんか素敵なネーミングでいいね
守:お前は黙って見てろ!よし⋯じゃあ反撃するぞ!謎生物!どうやって攻撃すればいいか教えてくれ!
モッピ:任せろッピ!まずさっき飲んだ、このお酒のビンを手に持つッピ!ほい!
守:え?あ、よっと!⋯て、これまだ使うのか!?
モッピ:そうだッピ!呪文を唱えるッピよ!
守:じ、呪文!?
モッピ:そう、「ノンデモノマレルーナ」と唱えるんだッピ!!
守:なんかカッコ悪~~!し、仕方ない、言うぞ!
守:の、「ノンデモノマレルーナ!!」
友蔵:おお~!絵里香が持ってる酒瓶(さかびん)が七色に輝きだしたぞ!
モッピ:そう!それこそが⋯「魔法金属バット」だッピ!
守:むちゃくちゃ物理じゃないかーー!いつの時代のヤンキーだ!!
友蔵:一緒に、校舎のガラス割って回ったよな⋯
守:んな魔法少女がいてたまるかーー!
モッピ:さあ!その金属バット(物理)であのバケモノにトドメを刺すんだッピ!
守:う⋯もうー、やけくそじゃ~~~!!オラア~!!
モッピ:そこだ!いいスイングだッピよ!
守:ちょ、これ、一回じゃ死なないの!?
モッピ:何度も同じ箇所(かしょ)を執拗(しつよう)に狙って殴打する事でバットの威力が倍になっていくッピよ!ほら頑張れッピ!
守:く!この!って、これ、絵的に魔法少女としてヤバくない?お子様に見せれなくない!?
友蔵:いいぞ!マイハニー!その調子で僕を甲子園に連れてってくれー!
守:おめえはほんと黙っとけー!手元狂って殴りたくなるから!
モッピ:もう一押しッピ~~!
守:こ~な~く~そ~!!
ーー間
守:⋯はあ、はあ、や、やったのか⋯?
モッピ:いや、まだッピ!友蔵、お前の出番ッピ!
友蔵:ふ、任せてくれたまえ。くらえ、「友蔵ラブレボリューション!!」
モッピ:説明するッピ!友蔵ラブレボリューションとは、弱って瀕死になったバケモノにのみ有効な完全消滅魔法だッピ!
守:最初に言ってた嫌設定って、これの事かい!
友蔵:世界のラブパワーよ、僕に集まれ。ラーブ、ラブラブラブラブラブラブ
守:あのー、くねくね気持ち悪い踊りしながらラブラブ言ってる絵ずらがひどすぎるんだが
友蔵:愛に飢えた悲しきバケモノよ、僕の愛で昇天するがいい!ラ~~~~ブ注入ーーーー!!!
守:あ、バケモノがイイ顔で逝ったな⋯
友蔵:ふ、一件落着だなハニー
守:⋯なんかおいしいところを全部持っていかれたみたいで、腹立つな
モッピ:うん、二人とも良くやったッピ、これでひとまず世界は救われたッピ
守:はー⋯。まだ、これからもこんなバケモノ相手にしていかないといけないのか⋯
モッピ:嫌になったっッピ?
守:え?まあ⋯そうだな。意外と楽しかったし⋯うん、魔法少女も、そんなに悪くないかもな
モッピ:よく言ったッピ!さすが守だッピ!よし、この調子でどんどん世界を守っていくッピよ~!
友蔵:そうだ、共に僕たちの愛を世界に広めていこうじゃないか!
守:⋯お前はどっかいけ~~~~~~!!!
ーーおわり⋯?
守:う⋯うん?な、なんだここは?⋯俺はいったい⋯
ーー間
守:そうか⋯たしか俺はタンスの角(かど)に小指をぶつけて⋯あまりの痛さに気を失って⋯
守:まさか⋯あれで死んでしまうなんてな⋯
モッピ:守(まもる)⋯
守:かっこ悪い死に方だよな⋯ま、俺らしいって言えば、そうかもしれないが
モッピ:守⋯起きるんだッピ⋯
守:おっさんになる歳まで、恋人はおろか、コミュ障で友達も居なかったし、未練もないか⋯
モッピ:守起きろッピ!
守:ハッ!あれ?なんで起きれたんだ?俺、死んだんじゃないのか?
モッピ:はあ、やっと起きたッピ
守:は?⋯⋯えええぇーーー!!
モッピ:なな、何ッピ~~~!!
守:へ、へんな生き物が喋ってる~~!
モッピ:む!モッピは変な生き物じゃないッピ!可愛い聖獣(せいじゅう)ッピ!
守:精獣(せいじゅう)って、めちゃくちゃいやらしい生き物じゃーん!!
モッピ:それたぶん違う精獣ッピ!!聖(せい)なる獣(けもの)と書いて聖獣ッピ!全然いやらしくないッピよ!
守:と、とりあえず落ちつけ俺、これはきっと夢だ。いや死んでるから天国か?
モッピ:あー、ここは夢の中でもなければ、天国っていう場所でもないッピ
守:なら、どこなんだ?⋯ん?よく見たら、ここ、女の子の部屋⋯か?
モッピ:そうッピ。守、落ち着いて聞くッピよ。⋯君は一度死んで、魔法少女に生まれ変わったんだッピ
守:⋯はあぁーーーー!?
守:待て待て、どういう事だよ!?転生したって言うなら普通、異世界ファンタジーとかで、イケメンの一見平凡そうだけど、実はチートスキルなんかを女神に授けられてて、俺ツエエ!できるのが常識だろ!?
モッピ:よく分からないけど、そんな常識は知らないッピ
守:しかもなんで、現代の魔法少女!?中身がおっさんの魔法少女とか、どこの誰に需要(じゅよう)があるって言うんだ!?
モッピ:ごちゃごちゃうるさいッピね。とりあえずそういう事なんだッピ
守:ん⋯?待てよ、魔法少女って言うからには、敵対する悪者がいるんだよな?世界を破滅させようとしてるような、あからさまな奴がいて、戦わされたりするやつだろ!?
モッピ:おー、理解が早くて助かるッピ。まさにその通りッピ
守:あぁ⋯やっぱいるんだ
モッピ:ちなみにどんな敵かって言うと⋯ん?
友蔵:ちゅわ~~ん⋯(窓の外から喋ってる感じで)
守:ん?あれ、誰か下で叫んでるな
友蔵:おーい!絵里香(えりか)ちゅわ~~ん!!
守:な、なんだ?あの、いかにも軽薄(けいはく)そうなチャラい奴は?そんで絵里香って誰だ?
モッピ:君の名前ッピ
守:はい!?俺、今そんな可愛いらしい名前なの!?
友蔵:フンッ!シュタッ(近くの気によじ登り飛んで窓から入ってくる)グッモーニン、愛しの絵里香ちゅわん
守:うえっ!?何窓から入って来てるんだ!ここ二階なんだけど!?
友蔵:いや、君に一秒でも早く会いたくってね
モッピ:愛のパワーッピね~
守:いやいや、ただの不審者だし不法侵入だろ!?てか⋯お前誰だ!
友蔵:おやおや、マイハニーは僕の名前も忘れちゃったのかい?僕は君と同じ学校に通うベストフレンド、只野友蔵(ただのともぞう)その人だよ!
守:なんだ、ただの同級生か、良かった⋯
友蔵:いやいや、僕たちはこれからもっともっと仲良くなって、幸せな家庭を作る予定だよ?そう子供は三人くらい作ろう
守:寄るな!触るな!気色わるいわ~!!
モッピ:ちなみにこいつ、この世界の重要人物だッピ
守:こいつが!?何その嫌設定⋯
友蔵:おっと!忘れていた、ハニーともっと戯(たわむ)れていたかったんだが⋯大変なんだ!
守:いきなりの展開だけど、今度は何だよ!?
友蔵:うん、また例のバケモノが出たんだ。僕はまた、例のごとく襲われてね⋯
守:ハッ!この謎生物が言っていた、悪者ってやつか!危険なやつなんだよな?
友蔵:ああ、とても危険だ
モッピ:ちなみにその悪者は、何故かコイツだけを狙って、毎回現れては襲っているッピ。そのとばっちりで街は破壊されてるッピ
守:ただの疫病神(やくびょうがみ)じゃねえか~~!
友蔵:ふ、モテる男は、辛いね
守:おい謎生物、こいつをやっちまえば、世界は平和になるんじゃないのか?
モッピ:それは駄目ッピ
守:なんでだよ!?
モッピ:こいつは疫病神でありつつ、敵を完全に消滅させる為の特殊な力をもっているんだッピ。だからこいつが死んだら世界は終わりッピ
守:何だそのクソ仕様は!ゲームだったらクソゲーだよ!?
友蔵:あー、レディがクソなんて、下品な言葉を使っちゃいけないよ。君にはカナリアのように、素敵な歌を奏(かな)でて欲しいんだ
守:うるせ~!
モッピ:む!爆発音が近いッピ、ここがバレたようッピよ!
守:ええ!もう魔法少女の家バレてるの!?
友蔵:無作法なバケモノだよ、まったく
守:お前が言うな!
モッピ:よし、絵里香、変身して戦うんだッピ!ほらこれ!
守:え?ああ絵里香って俺だったな。ってこれ何⋯?
モッピ:変身アイテムだッピ
守:これ、お酒じゃない?
モッピ:魔法少女に変身できる魔法のお酒ッピ
守:いやこれ芋焼酎(いもじょうちゅう)とか書いてるんだけど~~!いろいろと大丈夫かこれ!?
友蔵:さ、絵里香。今すぐ変身して、アイツをぶっ倒してしまうんだ!
守:そ、そうだな!とりあえず変身しないと⋯
友蔵:ほら、何をぐずぐずしてるんだ!僕の目の前で早く、早く変身するんだ!
守:いや、お前は外に出とけーーー!!
友蔵:ぬあああ~~~!!(二階の窓から落ちていく)
守:はぁ、はぁ、やったか⋯。魔法少女の変身シーンを間近で見ようなんて、とんでもないド変態だな
モッピ:さあ時間がないッピよ!それをグっとググッと飲むんだッピ!
守:わ、分かった。倫理(りんり)的にだいぶまずい感じなんだけど、魔法少女設定あるあるで、大丈夫なんだよな?
モッピ:⋯さ!飲むッピ!
守:なんで答えないんだ!?チッ、仕方ない⋯んぐ!
守:⋯ぷはぁ!これでいいのか!?
モッピ:大丈夫ッピ!ほら、変身が始まったッピよ!
守:お、おお!これが、変身!
友蔵:説明しよう!この魔法アイテム「芋焼酎」は、飲む事で体内のマナエネルギーを増幅させ、まあ、なんやかんや不思議な力が働き「魔法少女エリカ」に変身する事が出来るのだ!
守:ん?なんでアイツが知ってるの?てかアイツ今、外に居るはずだよな!?
友蔵:今⋯あなたの心に、直接語りかけているのです⋯
守:キモ!めちゃくちゃキッモ!アイツの方がバケモノじゃないか!?
友蔵:ハッハッハッ、そんなに褒めるなよ
守:褒めてない!!あー!とかなんとか言ってたら、一番美味しい変身シーンがさらっと終わってた~~!
モッピ:時間短縮ッピ。巻いていくッピ
守:え?何?尺(しゃく)なんか気にして、これテレビの番組かなんかなの?え?
友蔵:ぐあ~~!バ、バケモノが襲ってくる~~!!
モッピ:っ!さあ!魔法少女エリカ!あの外で暴れてるバケモノを倒すッピ!
守:チッ!外の変態はどうでもいいけど、世界の平和は守らないといけないよな、元、守(まもる)として!
モッピ:良く言ったッピ!ゆけ!倒せ!世界の平和を守る魔法少女エリカ!
守:うおお~~!!って、あれ⋯なんか身体が、フラつくんだけど?
モッピ:うん、酔いが回ってきてるッピ
守:おい~~!どういう事だよ~!こんなんじゃ戦えないだろ~?
モッピ:大丈夫ッピ、酔えば酔うほど強くなる、それが魔法少女エリカッピ!
守:ただの酒乱じゃねえか!!はっ、でも昔、酔拳って技で、敵をバッタバッタ倒してた、何とかチェンって人が居たな⋯よし!やるか!
友蔵:ぎゃああ~~!!はっ!絵里香!助けに来てくれたんだね!?
守:お前の事は、ホントどうでもいいからそこをどけ!
友蔵:あ、ああ。ほら、アレが例のバケモノだ⋯
守:うわ⋯いかにもエイリアンな見た目してるな。よくあんなデカイのから逃げ切れてたな?
友蔵:フッ、女性に手を出す速さと、足の速さには自信があってね!
守:ほんとなんでこんな残念な奴が、主役の友達なの?誰が書いた話だ?ライター呼んで来い、一発ぶん殴るから
友蔵:あ!絵里香危ない!
守:え?やば!なんか火みたいの吐いてきてる!逃げないと⋯って足がもつれる~!
友蔵:絵里香~!
守:うわーー!って、あれ?平気だ⋯
モッピ:大丈夫ッピよ!今の魔法少女エリカは芋焼酎パワーで、防御力が常人の1000倍にアップしてるから、あのぐらいへっちゃらッピ!
守:な、なんだ⋯そういう事は早く言っとけ!死ぬかと思っただろ!
友蔵:良かった⋯僕のマイハニーが、バーニングハニーになってしまう所だった⋯ん?待てよ、バーニングハニーもなんか素敵なネーミングでいいね
守:お前は黙って見てろ!よし⋯じゃあ反撃するぞ!謎生物!どうやって攻撃すればいいか教えてくれ!
モッピ:任せろッピ!まずさっき飲んだ、このお酒のビンを手に持つッピ!ほい!
守:え?あ、よっと!⋯て、これまだ使うのか!?
モッピ:そうだッピ!呪文を唱えるッピよ!
守:じ、呪文!?
モッピ:そう、「ノンデモノマレルーナ」と唱えるんだッピ!!
守:なんかカッコ悪~~!し、仕方ない、言うぞ!
守:の、「ノンデモノマレルーナ!!」
友蔵:おお~!絵里香が持ってる酒瓶(さかびん)が七色に輝きだしたぞ!
モッピ:そう!それこそが⋯「魔法金属バット」だッピ!
守:むちゃくちゃ物理じゃないかーー!いつの時代のヤンキーだ!!
友蔵:一緒に、校舎のガラス割って回ったよな⋯
守:んな魔法少女がいてたまるかーー!
モッピ:さあ!その金属バット(物理)であのバケモノにトドメを刺すんだッピ!
守:う⋯もうー、やけくそじゃ~~~!!オラア~!!
モッピ:そこだ!いいスイングだッピよ!
守:ちょ、これ、一回じゃ死なないの!?
モッピ:何度も同じ箇所(かしょ)を執拗(しつよう)に狙って殴打する事でバットの威力が倍になっていくッピよ!ほら頑張れッピ!
守:く!この!って、これ、絵的に魔法少女としてヤバくない?お子様に見せれなくない!?
友蔵:いいぞ!マイハニー!その調子で僕を甲子園に連れてってくれー!
守:おめえはほんと黙っとけー!手元狂って殴りたくなるから!
モッピ:もう一押しッピ~~!
守:こ~な~く~そ~!!
ーー間
守:⋯はあ、はあ、や、やったのか⋯?
モッピ:いや、まだッピ!友蔵、お前の出番ッピ!
友蔵:ふ、任せてくれたまえ。くらえ、「友蔵ラブレボリューション!!」
モッピ:説明するッピ!友蔵ラブレボリューションとは、弱って瀕死になったバケモノにのみ有効な完全消滅魔法だッピ!
守:最初に言ってた嫌設定って、これの事かい!
友蔵:世界のラブパワーよ、僕に集まれ。ラーブ、ラブラブラブラブラブラブ
守:あのー、くねくね気持ち悪い踊りしながらラブラブ言ってる絵ずらがひどすぎるんだが
友蔵:愛に飢えた悲しきバケモノよ、僕の愛で昇天するがいい!ラ~~~~ブ注入ーーーー!!!
守:あ、バケモノがイイ顔で逝ったな⋯
友蔵:ふ、一件落着だなハニー
守:⋯なんかおいしいところを全部持っていかれたみたいで、腹立つな
モッピ:うん、二人とも良くやったッピ、これでひとまず世界は救われたッピ
守:はー⋯。まだ、これからもこんなバケモノ相手にしていかないといけないのか⋯
モッピ:嫌になったっッピ?
守:え?まあ⋯そうだな。意外と楽しかったし⋯うん、魔法少女も、そんなに悪くないかもな
モッピ:よく言ったッピ!さすが守だッピ!よし、この調子でどんどん世界を守っていくッピよ~!
友蔵:そうだ、共に僕たちの愛を世界に広めていこうじゃないか!
守:⋯お前はどっかいけ~~~~~~!!!
ーーおわり⋯?