台本概要

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タイトル 死神くんのごはん
作者名 塩結ノ介  (@siodemusunde)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(女1、不問1)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 こちらの男女転換版です!
https://taltal3014.lsv.jp/app/public/script/detail/1978
性別指定してますが、同性同士で演じていただくのも歓迎です!
お好きに楽しんでいただければ幸いです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
死神くん 不問 70 突然女性の部屋に現れた真っ黒コートの少年。自称死神。
女性 73 1年前に母を亡くし、友達とも父親とも疎遠になって仕事に没頭していた女性。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
女性:ん……ふわぁ…今何時ぃ…?スマホスマホ…。 死神くん:おはようございます!お姉さん! 女性:ん、あーおはようございます……………ん? 死神くん:おはようございます!! 0:目を輝かせて元気よく挨拶をする黒い服を着た少年と、寝起きの回っていない頭のまま少年を見つめて固まる女性。 0:両者表情を変えることなく数秒間固まる。その後一気に目が覚めて 女性:……え!?は!?だ、誰!? 女性:ちょっとちょっと、成人女性のワンルームにかわいい男の子…この状況って……まさか私…ついにやっちゃった!?誘拐!?監禁罪!? 女性:おおおおお願いします通報は勘弁してくださいほんの出来心で!!いや全く心当たりがないから出来心も何もないんだけど!! 死神くん:え…!?お、落ち着いてくださいお姉さん!違うんです!僕が勝手に上がり込んでるだけで、お姉さんは全く悪くなくて… 死神くん:とにかく!お姉さんは何も悪くないので落ち着いてください!! 女性:神様仏様お母さま、罪深き私めをどうか…え?あ、そ、そう…?そうなの…?ならよかった……いや全然良くないけど 女性:あの…それじゃ君は…? 死神くん:あ、申し遅れました!私、通りすがりの死神をやっているものです!決して怪しいものではありません! 女性:いや十分怪しいわ。何よ通りすがりの死神って、日常的にそんなの通り過ぎてたら怖いんだけど。 死神くん:あぁ、死神って人間が知らないだけで実は身近で生活してるんですよ。 死神くん:みんな普段は普通に過ごしていて、仕事の時はこうやって死期の近い人間の前に現れるんです。 女性:えぇ…そういうもの……?登録制イベント系バイトみたいなもんってこと……??確かによく見たら、さっきから浮いてるね君…… 女性:ってちょっと待って 死神くん:はい、なんでしょう? 女性:君の話を全部信じるとすると、君は死神で、もうすぐ私が死ぬから今目の前に現れたってことになるんだけど…。 女性: 女性:え、死ぬの?私。 死神くん:え?あ…はい。み、三日後に! 女性:三日後!? 死神くん:三日後の夕方……えっと、交通事故で! 女性:交通事故!?時間帯まで!?めちゃくちゃリアルじゃん……マジで? 死神くん:ま………まじです。 女性:あ…あはは…そっかぁ…三日後…三日後かぁ…。 0:あまりの情報量にさっきまで寝ていた布団に倒れこむ女性。 0:その様子をまるで予想外だったというような顔で眺める少年。 死神くん:あの…信じて、くれるんですか…? 女性:なんか納得したというか…腑に落ちちゃったというか…。今週の星座占いてんびん座最下位だったし? 女性:それに君みたいな子供、この状況で疑ったってしょうがないかなって。 女性:ていうかその方がありがたい、そうじゃなかったら危うく犯罪だもん。 死神くん:あ、ありがとうございます…。よかった…。 女性:それで?そんな死神くんが死に際の私なんかに何の用?ちゃんと三日後に死ぬか監視しにきたとか? 死神くん:か、監視だなんてとんでもない!僕はただ、お姉さんの悔いを晴らすためのお手伝いをしに来たんです! 女性:悔いを晴らす手伝い…? 死神くん:こほん、説明しましょう。 死神くん:私たち死神は、人間が死ぬ前に3つだけ願いを叶える役目があるんです。 死神くん:ただし、お金を増やすとか願い事を増やすとかはできません。 死神くん:犯罪に関わるものやえっちなのもダメです。 女性:なんかどこぞのランプの魔人みたいなシステムね、死に際だってのに…。 女性:あ、てことはもしかして…魔法とか使えちゃったり!? 死神くん:使えるわけないじゃないですか、そんな非科学的なもの。 女性:使えないのかよ…って死神くんがそれ言う!? 死神くん:うぐ……と、とにかく!僕に出来ることは何でもしますから!ほらほらはやく!時間がもったいないですよ! 女性:えーそんな急に言われてもなぁ…うーーん… 0:考え込む女性をしゃきっと背筋を伸ばして待つ少年。 0:別にそれほど悔いの残るものはないしな…と考えるうちにふと思い出したように女性が顔を上げた。 女性:あ、 死神くん:何ですか!? 女性:…手料理。手料理が食べたい。 死神くん:手料理…? 女性:私、ずっと一人暮らしでほとんどコンビニ弁当生活でさー。別に豪華じゃなくていいの。 女性:ただ最期の三日くらい、誰かが作った手料理を誰かと一緒に食べたいなー…なんて。どうかな。 死神くん:…!お安い御用です、お任せください!僕、お姉さんが食べたいものいっっっぱい作ります! 女性:あはは、そんなに喜んじゃって。じゃあ、三日間よろしくね。 0: 女性:(N)こうして、私と小さな死神くんの奇妙な三日間が始まった。 0:一日目の昼ごはん。とりあえずかろうじて冷蔵庫にあったもので作ってもらった。 0:机に並んだのは、ご馳走という訳でもなくごく普通の手料理。 0:正直久しぶりの手料理で期待はしていたが、期待以上のものに思わず関心してしまった。 死神くん:お待たせしました! 女性:おぉ…すごい。ちゃんとできてる…。 死神くん:ふっふっふ、これでも料理にはそこそこ自信あるんですよ!さ、早く食べましょ! 女性:い、いただきます! 0:緊張した顔で死神くんが見守る中、女性がご飯を口に運ぶ。 死神くん:…どう、でしょうか…。 女性:……美味しい!すごい!すごいよ死神くん! 死神くん:よかった…!へへ、頑張った甲斐がありました。じゃあ僕も、いただきます。 女性:うわ~人の手料理なんてほんと何年ぶりだろ…やだもー、なんか泣きそう~…。 死神くん:そんな…大げさですよ(笑) 女性:いやほんとにさ……ん? 死神くん:ん、どうしました?もしかして何か焦げて 女性:この卵焼き…めっちゃくちゃ美味しい。絶品。 死神くん:!! 女性:あっいや、全部美味しいよ!?美味しいんだけど、ただ…この卵焼き、なんか懐かしい感じがして。 死神くん:お口にあったなら何よりです!…卵焼き、たくさん練習した甲斐がありました。 死神くん:…お母さんには負けちゃうけど。 女性:お母さん? 死神くん:初めて母に習った料理だったんです、この卵焼き。 死神くん:難しいよって言われても聞かずに練習して…何度も焦がしてはその度にお母さんと食べて…ふふ、なつかしいな。 女性:へぇ…いいお母さんだね。 死神くん:はい!自慢のやさしい母なんです。そんな母直伝の手料理ですよ! 女性:ふふ、死神くんはいいパパになりそうだね。 死神くん:…そ、そうですか?死神の素敵なお父さん…。なれるといいな…。 0:2日目の夜。外から帰ってくると、ちょうど死神くんがご飯の準備をしているところだった。 女性:ただいまー。 死神くん:おかえりなさい!あ、ごはんもうちょっとで出来ます。 女性:ありがとう!ねえ死神くん。あの…これ。よかったらもらってくれない? 死神くん:え?何ですか……これ、服?僕の? 女性:うん。死神だし余計かなって思ったけど、せっかくだしお礼も兼ねて。 死神くん:そんな…も、申し訳ないです!ここまでしていただくわけには… 女性:いいのいいの、私がしたくてしてることだし。…それと、お願いも聞いてほしくて。 死神くん:お願い…? 女性:明日…最後の日、夕方まで死神くんと遊びに行きたい。 死神くん:え…僕と? 女性:うん。死神くんが行きたいところに行って、一緒に遊びたい。その時にこの服も着てさ。…だめ? 死神くん:い、いえ、とんでもない!! 死神くん:…わかりました、そういうことでしたら明日はめいっぱい遊びましょう…! 女性:よかった!じゃあ行きたいところ、考えといて。 死神くん:お任せください!お出かけ…おいしいもの…楽しいところ…。あ、女の子が楽しめる場所とかも…(などぶつぶつと。) 死神くん:お姉さん、僕、完璧なコース準備しますから!楽しみにしててください! 0:---------- 0:-------------- 0:2日目の深夜、電気が消えた部屋で寝息をたてている死神くんに女性がそっと布団をかけ直す 女性:明日で最期…か。なんか実感無いなぁ…。ほんとに死ぬのかな、私。 女性:あ、お父さんに連絡…いや、いいか。第一なんて説明するのよ。あ、お父さん?急なんだけどさー、明日私死ぬから…とか。意味わかんないよね。 女性:………ちょっと散歩しよ。ごめんね死神くん、いってきます。 0:女性が出ていった後、途中から起きていた死神くんが体を起こす。 死神くん:お姉さん、寝れないのかな…。そりゃそうか、明日で最後なんだし。 死神くん:料理、練習しといてよかった。もっと練習してたら、もっと喜んでもらえたのかな。 死神くん: 死神くん:最後…か。 死神くん: 死神くん:………お姉さん、ごめんね。 0:-------------- 0:---------- 0:そんなたわいもない日常をすごし、最後の願い事が決まらないまま3日目の朝を迎えた。 0:味噌汁の香りを感じながら、本当に今日が最期なのかとぼんやり考えた。 死神くん:あ、おはようございます、お姉さん! 女性:おはよー死神くん。 女性:…お、さっそく着てくれてる!よく似合ってるじゃん。 死神くん:へへ、ありがとうございます! 死神くん:あ、朝ごはんできてますよ。早く食べましょう! 女性:うん!今日もおいしそう~!じゃ、いただきます! 死神くん:いただきます。 0:2人で手を合わせて食べ始める。卵焼きの優しい味にふと笑みが零れた。 女性:……うん、やっぱ卵焼きすっごく美味い。 死神くん:……卵焼きだけ、ですか? 女性:んっ!?違うの違くて!!もちろん全部美味しいけど特別美味しいって意味!! 死神くん:ふふ、冗談ですよ。ありがとうございます。 0:しばらくの沈黙。何やら考え込んでいた死神が、不意に箸をおいて口を開く。 死神くん:……あの、お姉さん。 女性:ん? 死神くん:なんで今日、僕と遊びたいって思ってくれたんですか…? 死神くん:僕が言うのもあれですけど、一応最期の日、なんですよ…? 0:思い詰めたような顔の死神。その様子に女性は少し考えると、にこりと笑った。 女性:最期だからだよ。この2日間、私の為にご飯作ってくれたのすっごい嬉しかったし、その恩返しも含めて。 女性:それにお察しのとおり、私こんな時でも一緒に遊ぶ友達もいないしさー。 女性:最期くらい思いっきり遊びたいじゃん?だから付き合ってよ。 死神くん:でも、それなら尚更お姉さんの行きたいところに行った方が 女性:死神くん。 女性:私ね、死神くんが思いっきり楽しんでる笑顔が見たいの。見れなかったら絶対それが悔いになる。 女性:ほら、仕事の目的と一致してるじゃん!…ね? 死神くん:っ……わかりました、遊びましょう!!もっと生きたくなるくらいめいっぱい!遊び倒しましょう…!! 女性:あはは、それじゃあ悔いが残りそうじゃん! 女性:でも、そうだね。そうなるくらい遊ぼっか!じゃあ急いで出かけなきゃね! 死神くん:はい! 0: 女性:(N)それから私達は、動物園、プラネタリウム、ゲーセンにペットショップ。あらゆる所で遊び倒した。 女性:(N)初めて飲んだタピオカは思った以上に甘くてきつかったけど、死神くんがまるで普通の男の子のようにはしゃいで目を輝かせていたのでよしとしよう。 死神くん:お姉さん、今日は楽しかったですね! 女性:ねー、楽しかった!でもタピオカがあんなに甘いなんて知らなかったー…よくあんなの飲んでるな最近のJK……。 死神くん:ふふ、1口飲んだ時のお姉さんすっごい顔してました。 女性:えー?どんな顔よ。 死神くん:こーーんな顔!! 女性:ちょ、やだそんな顔してないし!…まぁでも?私も死神くんのいろんな顔を見れていい一日だったよ。 死神くん:えっ…ど、どんな顔ですか…? 女性:すーーっごく楽しそうな、かわいい笑顔とか。 死神くん:かっ………!?ちゃ、茶化さないでください!僕は仕事をしてるんです! 女性:ごめんごめん、そうだったね。 死神くん:まったく…あんまり茶化すと最後のお願い、僕が勝手に決めちゃいますからね! 女性:あ、そういえば残ってたね。すっかり忘れてた。 死神くん:…何かないんですか?やり残したこと。 女性:うーん…。悔いがない、といえば嘘になるんだけど…でも思いつかないからなぁ…。 0:死神は立ち止まりすこし考えると、のんびり歩く女性の背中に向かって呼びかけた。 死神くん:……あの、お姉さん。 女性:ん?どしたの? 死神くん:もし…もしこのまま死ぬことなく生き続けられるとしたら、お姉さんは何がしたいですか? 女性:え、何その質問。今聞く? 死神くん:いいから、答えてください。 女性:うーん…そうだねえ。とりあえず…お父さんとお酒、飲みたいかな。 死神くん:………。 女性:もともとお父さんとは会話が少なかったんだけどさ、お母さんが亡くなってからは私も仕事ばっかりでどんどん疎遠になっちゃって。一緒にお酒飲んだりなんて、結局ほとんどなかったからさー。 女性:たった1人の家族だし、もっといろいろ話しとくべきだったなー…ってね。 死神くん:…家族想い、ですね。 女性:そんなことないよ。親の前に死ぬなんて、とんだ親不孝者でしょ。 女性:…結局死ぬ前だってのに連絡のひとつもしなかったし。 死神くん:……やっぱりお姉さんは、まだ死んじゃダメです。やらなきゃいけないこと、たくさん残ってる。 女性:あはは、私、これから死ぬんでしょ?今更だよ。 0:女性がそう言って笑うと、死神は顔を曇らせて俯いた。 0:女性がどうしたのかと様子を伺っていると、死神が覚悟を決めた様に口を開く。 死神くん:……お姉さん、ごめんなさい。僕嘘ついてました。 女性:え?何、嘘って…。 死神くん:お姉さんは死にません。交通事故にも合わないし、僕は死神じゃないし、お姉さんはこれからもちゃんと生きていけます。 死神くん:お父さんにも会いに行けます。全部全部嘘なんです。 女性:……え?ちょっとまって…何、どういうこと?頭が追いつかないんだけど……。 女性:じゃあ君は…? 死神くん:僕は…お姉さんに恩返しをしに来た、ただのおばけなんです。 死神くん:…覚えていませんか?3年前の、この交差点で起きた大きなトラック事故。 女性:恩返し…?3年前のトラック事故……って、え…!? 死神くん:そうです。お姉さんがあの時助けようとした子供が、僕なんです。 死神くん:お姉さんは見ず知らずの僕を庇って飛び込んできてくれた。 死神くん:…傷、残っちゃいましたよね。僕のせいで、ごめんなさい。 死神くん:そんなことしなければあんなにぼろぼろになることも、傷が残ることもなかったのに。僕を必死で守ろうとしてくれた。 女性:でも…私は、結局君を助けられなかった…それなのに、なんで…? 死神くん:お姉さん。僕、天国で神様に教えてもらったんですけど…本当は即死になるはずだったらしいんです。 死神くん:でもお姉さんが庇ってくれたことで、少しだけ運命が変わって、なんとか命が繋がって。目を開けるともう会えないと思っていたお父さんとお母さんの顔が見えました。 死神くん:すごく…すごく嬉しかったんです。 死神くん:ちゃんと伝わったかは分からないけど、ありがとう、大好きだよって言えたんです…! 死神くん:言えないはずだったお別れが言えたこと、最後に二人の笑顔を見れたこと…それが、どれだけ幸せだったか…! 女性:そんな…私がもっと早く庇っていれば君はもしかしたら生きていたかもしれない…。もっと未来があったかもしれないのに…。 女性:それどころか…私のせいで余計に痛い思いをさせることに 死神くん:違う!お姉さんがそうやって自分のことせめてたの、僕、ずっと見てました…。 死神くん:違うのに、お姉さんのおかげなのに!お姉さんに、ありがとうって言いたかったのに…! 死神くん:死んじゃっても諦められなくて、でも…僕にはもう伝えられなくて…。 死神くん:だから神様にお願いしたんです。三日間だけでいい、僕にチャンスをください、そしたらちゃんと成仏するからって。 女性:あり、がとう…?私に…? 死神くん:僕、自分が不幸だなんて思ってないよ。 死神くん:独りぼっちにならなかったのは、最後にお父さんとお母さんの笑顔を見れたのは、お姉さんのおかげ。 死神くん:…だれもお姉さんを責めてないから、お姉さんも自分を許してあげて。 女性:……。 死神くん:!…ごめんなさい、そろそろタイムリミットかな。 女性:タイムリミット…?3日目の夕方ってまさか…! 死神くん:うん。さよならだね、お姉さん。 死神くん:本当にありがとう、僕今日まですっごく幸せだった! 死神くん:悔いどころか思い出でいっぱいになっちゃった…! 死神くん:これでもう、神様のところに行けるよ。 女性:体が、透けてる…。そんな、待って!!お礼を言うのは私の方…! 女性:死神くんがきてくれて、久しぶりに生きてる実感が持てたの、もっと生きてみたいって思えたの…! 女性:本当に…本当にありがとう。 死神くん:!!…へへ、作戦成功だ。…ばいばい、お姉さん。元気でね! 0:少年の姿が夕焼けに溶ける。まるでそこには誰もいなかったかのように、影の一つも落ちていない。 女性:………消えた…。あはは、言うだけ言って消えちゃった…。もしかして全部、夢だったりして。 0:少年の痕跡を探して、ふとバッグの中の財布を見てみると、お金の代わりにさっきまで遊び倒したレシートで詰まっているのを見て思わず笑いがこみあげた 女性:何よもー…悔いを晴らすーとか言いながら、しっかり私のお金で楽しんじゃって…。 女性:また会ったら、今度は出世払いで返してもらうからね…! 女性: 女性:………お酒くらい、買えるかな。 0:財布をしまって電話をかける。空を見上げると、綺麗な夕焼け空だった。 女性:……あ、もしもし、お父さん?元気?…そっか、よかった。 女性:…んー?いや、何にもないんだけどさ。今日はもう家いる?よかったら一緒にのもうよ。 女性: 女性:…あ、そうだ。卵、あるかな。

女性:ん……ふわぁ…今何時ぃ…?スマホスマホ…。 死神くん:おはようございます!お姉さん! 女性:ん、あーおはようございます……………ん? 死神くん:おはようございます!! 0:目を輝かせて元気よく挨拶をする黒い服を着た少年と、寝起きの回っていない頭のまま少年を見つめて固まる女性。 0:両者表情を変えることなく数秒間固まる。その後一気に目が覚めて 女性:……え!?は!?だ、誰!? 女性:ちょっとちょっと、成人女性のワンルームにかわいい男の子…この状況って……まさか私…ついにやっちゃった!?誘拐!?監禁罪!? 女性:おおおおお願いします通報は勘弁してくださいほんの出来心で!!いや全く心当たりがないから出来心も何もないんだけど!! 死神くん:え…!?お、落ち着いてくださいお姉さん!違うんです!僕が勝手に上がり込んでるだけで、お姉さんは全く悪くなくて… 死神くん:とにかく!お姉さんは何も悪くないので落ち着いてください!! 女性:神様仏様お母さま、罪深き私めをどうか…え?あ、そ、そう…?そうなの…?ならよかった……いや全然良くないけど 女性:あの…それじゃ君は…? 死神くん:あ、申し遅れました!私、通りすがりの死神をやっているものです!決して怪しいものではありません! 女性:いや十分怪しいわ。何よ通りすがりの死神って、日常的にそんなの通り過ぎてたら怖いんだけど。 死神くん:あぁ、死神って人間が知らないだけで実は身近で生活してるんですよ。 死神くん:みんな普段は普通に過ごしていて、仕事の時はこうやって死期の近い人間の前に現れるんです。 女性:えぇ…そういうもの……?登録制イベント系バイトみたいなもんってこと……??確かによく見たら、さっきから浮いてるね君…… 女性:ってちょっと待って 死神くん:はい、なんでしょう? 女性:君の話を全部信じるとすると、君は死神で、もうすぐ私が死ぬから今目の前に現れたってことになるんだけど…。 女性: 女性:え、死ぬの?私。 死神くん:え?あ…はい。み、三日後に! 女性:三日後!? 死神くん:三日後の夕方……えっと、交通事故で! 女性:交通事故!?時間帯まで!?めちゃくちゃリアルじゃん……マジで? 死神くん:ま………まじです。 女性:あ…あはは…そっかぁ…三日後…三日後かぁ…。 0:あまりの情報量にさっきまで寝ていた布団に倒れこむ女性。 0:その様子をまるで予想外だったというような顔で眺める少年。 死神くん:あの…信じて、くれるんですか…? 女性:なんか納得したというか…腑に落ちちゃったというか…。今週の星座占いてんびん座最下位だったし? 女性:それに君みたいな子供、この状況で疑ったってしょうがないかなって。 女性:ていうかその方がありがたい、そうじゃなかったら危うく犯罪だもん。 死神くん:あ、ありがとうございます…。よかった…。 女性:それで?そんな死神くんが死に際の私なんかに何の用?ちゃんと三日後に死ぬか監視しにきたとか? 死神くん:か、監視だなんてとんでもない!僕はただ、お姉さんの悔いを晴らすためのお手伝いをしに来たんです! 女性:悔いを晴らす手伝い…? 死神くん:こほん、説明しましょう。 死神くん:私たち死神は、人間が死ぬ前に3つだけ願いを叶える役目があるんです。 死神くん:ただし、お金を増やすとか願い事を増やすとかはできません。 死神くん:犯罪に関わるものやえっちなのもダメです。 女性:なんかどこぞのランプの魔人みたいなシステムね、死に際だってのに…。 女性:あ、てことはもしかして…魔法とか使えちゃったり!? 死神くん:使えるわけないじゃないですか、そんな非科学的なもの。 女性:使えないのかよ…って死神くんがそれ言う!? 死神くん:うぐ……と、とにかく!僕に出来ることは何でもしますから!ほらほらはやく!時間がもったいないですよ! 女性:えーそんな急に言われてもなぁ…うーーん… 0:考え込む女性をしゃきっと背筋を伸ばして待つ少年。 0:別にそれほど悔いの残るものはないしな…と考えるうちにふと思い出したように女性が顔を上げた。 女性:あ、 死神くん:何ですか!? 女性:…手料理。手料理が食べたい。 死神くん:手料理…? 女性:私、ずっと一人暮らしでほとんどコンビニ弁当生活でさー。別に豪華じゃなくていいの。 女性:ただ最期の三日くらい、誰かが作った手料理を誰かと一緒に食べたいなー…なんて。どうかな。 死神くん:…!お安い御用です、お任せください!僕、お姉さんが食べたいものいっっっぱい作ります! 女性:あはは、そんなに喜んじゃって。じゃあ、三日間よろしくね。 0: 女性:(N)こうして、私と小さな死神くんの奇妙な三日間が始まった。 0:一日目の昼ごはん。とりあえずかろうじて冷蔵庫にあったもので作ってもらった。 0:机に並んだのは、ご馳走という訳でもなくごく普通の手料理。 0:正直久しぶりの手料理で期待はしていたが、期待以上のものに思わず関心してしまった。 死神くん:お待たせしました! 女性:おぉ…すごい。ちゃんとできてる…。 死神くん:ふっふっふ、これでも料理にはそこそこ自信あるんですよ!さ、早く食べましょ! 女性:い、いただきます! 0:緊張した顔で死神くんが見守る中、女性がご飯を口に運ぶ。 死神くん:…どう、でしょうか…。 女性:……美味しい!すごい!すごいよ死神くん! 死神くん:よかった…!へへ、頑張った甲斐がありました。じゃあ僕も、いただきます。 女性:うわ~人の手料理なんてほんと何年ぶりだろ…やだもー、なんか泣きそう~…。 死神くん:そんな…大げさですよ(笑) 女性:いやほんとにさ……ん? 死神くん:ん、どうしました?もしかして何か焦げて 女性:この卵焼き…めっちゃくちゃ美味しい。絶品。 死神くん:!! 女性:あっいや、全部美味しいよ!?美味しいんだけど、ただ…この卵焼き、なんか懐かしい感じがして。 死神くん:お口にあったなら何よりです!…卵焼き、たくさん練習した甲斐がありました。 死神くん:…お母さんには負けちゃうけど。 女性:お母さん? 死神くん:初めて母に習った料理だったんです、この卵焼き。 死神くん:難しいよって言われても聞かずに練習して…何度も焦がしてはその度にお母さんと食べて…ふふ、なつかしいな。 女性:へぇ…いいお母さんだね。 死神くん:はい!自慢のやさしい母なんです。そんな母直伝の手料理ですよ! 女性:ふふ、死神くんはいいパパになりそうだね。 死神くん:…そ、そうですか?死神の素敵なお父さん…。なれるといいな…。 0:2日目の夜。外から帰ってくると、ちょうど死神くんがご飯の準備をしているところだった。 女性:ただいまー。 死神くん:おかえりなさい!あ、ごはんもうちょっとで出来ます。 女性:ありがとう!ねえ死神くん。あの…これ。よかったらもらってくれない? 死神くん:え?何ですか……これ、服?僕の? 女性:うん。死神だし余計かなって思ったけど、せっかくだしお礼も兼ねて。 死神くん:そんな…も、申し訳ないです!ここまでしていただくわけには… 女性:いいのいいの、私がしたくてしてることだし。…それと、お願いも聞いてほしくて。 死神くん:お願い…? 女性:明日…最後の日、夕方まで死神くんと遊びに行きたい。 死神くん:え…僕と? 女性:うん。死神くんが行きたいところに行って、一緒に遊びたい。その時にこの服も着てさ。…だめ? 死神くん:い、いえ、とんでもない!! 死神くん:…わかりました、そういうことでしたら明日はめいっぱい遊びましょう…! 女性:よかった!じゃあ行きたいところ、考えといて。 死神くん:お任せください!お出かけ…おいしいもの…楽しいところ…。あ、女の子が楽しめる場所とかも…(などぶつぶつと。) 死神くん:お姉さん、僕、完璧なコース準備しますから!楽しみにしててください! 0:---------- 0:-------------- 0:2日目の深夜、電気が消えた部屋で寝息をたてている死神くんに女性がそっと布団をかけ直す 女性:明日で最期…か。なんか実感無いなぁ…。ほんとに死ぬのかな、私。 女性:あ、お父さんに連絡…いや、いいか。第一なんて説明するのよ。あ、お父さん?急なんだけどさー、明日私死ぬから…とか。意味わかんないよね。 女性:………ちょっと散歩しよ。ごめんね死神くん、いってきます。 0:女性が出ていった後、途中から起きていた死神くんが体を起こす。 死神くん:お姉さん、寝れないのかな…。そりゃそうか、明日で最後なんだし。 死神くん:料理、練習しといてよかった。もっと練習してたら、もっと喜んでもらえたのかな。 死神くん: 死神くん:最後…か。 死神くん: 死神くん:………お姉さん、ごめんね。 0:-------------- 0:---------- 0:そんなたわいもない日常をすごし、最後の願い事が決まらないまま3日目の朝を迎えた。 0:味噌汁の香りを感じながら、本当に今日が最期なのかとぼんやり考えた。 死神くん:あ、おはようございます、お姉さん! 女性:おはよー死神くん。 女性:…お、さっそく着てくれてる!よく似合ってるじゃん。 死神くん:へへ、ありがとうございます! 死神くん:あ、朝ごはんできてますよ。早く食べましょう! 女性:うん!今日もおいしそう~!じゃ、いただきます! 死神くん:いただきます。 0:2人で手を合わせて食べ始める。卵焼きの優しい味にふと笑みが零れた。 女性:……うん、やっぱ卵焼きすっごく美味い。 死神くん:……卵焼きだけ、ですか? 女性:んっ!?違うの違くて!!もちろん全部美味しいけど特別美味しいって意味!! 死神くん:ふふ、冗談ですよ。ありがとうございます。 0:しばらくの沈黙。何やら考え込んでいた死神が、不意に箸をおいて口を開く。 死神くん:……あの、お姉さん。 女性:ん? 死神くん:なんで今日、僕と遊びたいって思ってくれたんですか…? 死神くん:僕が言うのもあれですけど、一応最期の日、なんですよ…? 0:思い詰めたような顔の死神。その様子に女性は少し考えると、にこりと笑った。 女性:最期だからだよ。この2日間、私の為にご飯作ってくれたのすっごい嬉しかったし、その恩返しも含めて。 女性:それにお察しのとおり、私こんな時でも一緒に遊ぶ友達もいないしさー。 女性:最期くらい思いっきり遊びたいじゃん?だから付き合ってよ。 死神くん:でも、それなら尚更お姉さんの行きたいところに行った方が 女性:死神くん。 女性:私ね、死神くんが思いっきり楽しんでる笑顔が見たいの。見れなかったら絶対それが悔いになる。 女性:ほら、仕事の目的と一致してるじゃん!…ね? 死神くん:っ……わかりました、遊びましょう!!もっと生きたくなるくらいめいっぱい!遊び倒しましょう…!! 女性:あはは、それじゃあ悔いが残りそうじゃん! 女性:でも、そうだね。そうなるくらい遊ぼっか!じゃあ急いで出かけなきゃね! 死神くん:はい! 0: 女性:(N)それから私達は、動物園、プラネタリウム、ゲーセンにペットショップ。あらゆる所で遊び倒した。 女性:(N)初めて飲んだタピオカは思った以上に甘くてきつかったけど、死神くんがまるで普通の男の子のようにはしゃいで目を輝かせていたのでよしとしよう。 死神くん:お姉さん、今日は楽しかったですね! 女性:ねー、楽しかった!でもタピオカがあんなに甘いなんて知らなかったー…よくあんなの飲んでるな最近のJK……。 死神くん:ふふ、1口飲んだ時のお姉さんすっごい顔してました。 女性:えー?どんな顔よ。 死神くん:こーーんな顔!! 女性:ちょ、やだそんな顔してないし!…まぁでも?私も死神くんのいろんな顔を見れていい一日だったよ。 死神くん:えっ…ど、どんな顔ですか…? 女性:すーーっごく楽しそうな、かわいい笑顔とか。 死神くん:かっ………!?ちゃ、茶化さないでください!僕は仕事をしてるんです! 女性:ごめんごめん、そうだったね。 死神くん:まったく…あんまり茶化すと最後のお願い、僕が勝手に決めちゃいますからね! 女性:あ、そういえば残ってたね。すっかり忘れてた。 死神くん:…何かないんですか?やり残したこと。 女性:うーん…。悔いがない、といえば嘘になるんだけど…でも思いつかないからなぁ…。 0:死神は立ち止まりすこし考えると、のんびり歩く女性の背中に向かって呼びかけた。 死神くん:……あの、お姉さん。 女性:ん?どしたの? 死神くん:もし…もしこのまま死ぬことなく生き続けられるとしたら、お姉さんは何がしたいですか? 女性:え、何その質問。今聞く? 死神くん:いいから、答えてください。 女性:うーん…そうだねえ。とりあえず…お父さんとお酒、飲みたいかな。 死神くん:………。 女性:もともとお父さんとは会話が少なかったんだけどさ、お母さんが亡くなってからは私も仕事ばっかりでどんどん疎遠になっちゃって。一緒にお酒飲んだりなんて、結局ほとんどなかったからさー。 女性:たった1人の家族だし、もっといろいろ話しとくべきだったなー…ってね。 死神くん:…家族想い、ですね。 女性:そんなことないよ。親の前に死ぬなんて、とんだ親不孝者でしょ。 女性:…結局死ぬ前だってのに連絡のひとつもしなかったし。 死神くん:……やっぱりお姉さんは、まだ死んじゃダメです。やらなきゃいけないこと、たくさん残ってる。 女性:あはは、私、これから死ぬんでしょ?今更だよ。 0:女性がそう言って笑うと、死神は顔を曇らせて俯いた。 0:女性がどうしたのかと様子を伺っていると、死神が覚悟を決めた様に口を開く。 死神くん:……お姉さん、ごめんなさい。僕嘘ついてました。 女性:え?何、嘘って…。 死神くん:お姉さんは死にません。交通事故にも合わないし、僕は死神じゃないし、お姉さんはこれからもちゃんと生きていけます。 死神くん:お父さんにも会いに行けます。全部全部嘘なんです。 女性:……え?ちょっとまって…何、どういうこと?頭が追いつかないんだけど……。 女性:じゃあ君は…? 死神くん:僕は…お姉さんに恩返しをしに来た、ただのおばけなんです。 死神くん:…覚えていませんか?3年前の、この交差点で起きた大きなトラック事故。 女性:恩返し…?3年前のトラック事故……って、え…!? 死神くん:そうです。お姉さんがあの時助けようとした子供が、僕なんです。 死神くん:お姉さんは見ず知らずの僕を庇って飛び込んできてくれた。 死神くん:…傷、残っちゃいましたよね。僕のせいで、ごめんなさい。 死神くん:そんなことしなければあんなにぼろぼろになることも、傷が残ることもなかったのに。僕を必死で守ろうとしてくれた。 女性:でも…私は、結局君を助けられなかった…それなのに、なんで…? 死神くん:お姉さん。僕、天国で神様に教えてもらったんですけど…本当は即死になるはずだったらしいんです。 死神くん:でもお姉さんが庇ってくれたことで、少しだけ運命が変わって、なんとか命が繋がって。目を開けるともう会えないと思っていたお父さんとお母さんの顔が見えました。 死神くん:すごく…すごく嬉しかったんです。 死神くん:ちゃんと伝わったかは分からないけど、ありがとう、大好きだよって言えたんです…! 死神くん:言えないはずだったお別れが言えたこと、最後に二人の笑顔を見れたこと…それが、どれだけ幸せだったか…! 女性:そんな…私がもっと早く庇っていれば君はもしかしたら生きていたかもしれない…。もっと未来があったかもしれないのに…。 女性:それどころか…私のせいで余計に痛い思いをさせることに 死神くん:違う!お姉さんがそうやって自分のことせめてたの、僕、ずっと見てました…。 死神くん:違うのに、お姉さんのおかげなのに!お姉さんに、ありがとうって言いたかったのに…! 死神くん:死んじゃっても諦められなくて、でも…僕にはもう伝えられなくて…。 死神くん:だから神様にお願いしたんです。三日間だけでいい、僕にチャンスをください、そしたらちゃんと成仏するからって。 女性:あり、がとう…?私に…? 死神くん:僕、自分が不幸だなんて思ってないよ。 死神くん:独りぼっちにならなかったのは、最後にお父さんとお母さんの笑顔を見れたのは、お姉さんのおかげ。 死神くん:…だれもお姉さんを責めてないから、お姉さんも自分を許してあげて。 女性:……。 死神くん:!…ごめんなさい、そろそろタイムリミットかな。 女性:タイムリミット…?3日目の夕方ってまさか…! 死神くん:うん。さよならだね、お姉さん。 死神くん:本当にありがとう、僕今日まですっごく幸せだった! 死神くん:悔いどころか思い出でいっぱいになっちゃった…! 死神くん:これでもう、神様のところに行けるよ。 女性:体が、透けてる…。そんな、待って!!お礼を言うのは私の方…! 女性:死神くんがきてくれて、久しぶりに生きてる実感が持てたの、もっと生きてみたいって思えたの…! 女性:本当に…本当にありがとう。 死神くん:!!…へへ、作戦成功だ。…ばいばい、お姉さん。元気でね! 0:少年の姿が夕焼けに溶ける。まるでそこには誰もいなかったかのように、影の一つも落ちていない。 女性:………消えた…。あはは、言うだけ言って消えちゃった…。もしかして全部、夢だったりして。 0:少年の痕跡を探して、ふとバッグの中の財布を見てみると、お金の代わりにさっきまで遊び倒したレシートで詰まっているのを見て思わず笑いがこみあげた 女性:何よもー…悔いを晴らすーとか言いながら、しっかり私のお金で楽しんじゃって…。 女性:また会ったら、今度は出世払いで返してもらうからね…! 女性: 女性:………お酒くらい、買えるかな。 0:財布をしまって電話をかける。空を見上げると、綺麗な夕焼け空だった。 女性:……あ、もしもし、お父さん?元気?…そっか、よかった。 女性:…んー?いや、何にもないんだけどさ。今日はもう家いる?よかったら一緒にのもうよ。 女性: 女性:…あ、そうだ。卵、あるかな。