台本概要

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タイトル 思い出レストラン〜シャテンカーリ〜
作者名 塩結ノ介  (@siodemusunde)
ジャンル ファンタジー
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 思い出の味をなんでも味わえる不思議なレストラン[シャテンカーリ]。
今日も不思議なお客様が訪れます。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
店主 不問 8 レストランの店主。物腰柔らか。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
店主:いらっしゃいませ。1名様でよろしいですか? 店主: 店主:かしこまりました、お席へご案内いたします。 店主: 店主:こちらのお席へどうぞ。 店主: 店主:…メニュー失礼いたします。ただいまお冷、お持ちいたしますね。 0:店主がお冷を持ってくる 店主:お待たせいたしました、お冷です。 店主: 店主:……え?メニュー…ですか?はい、こちらに載っておりますが…。 店主: 店主:…ここのお店、ですか?はい、ここは思い出レストラン[シャテンカーリ]です。 店主:お客様も受付でうちを紹介されたのでしょう? 店主: 店主: 店主:……ん?もしかして…… 店主: 店主: 店主:あぁ…なるほど!お客様、迷い人だったのですね! 店主:なるほどなるほど…これは失礼いたしました。それならばメニューも白紙に見えて当然ですね…。 店主: 店主:あ、先に説明が必要ですよね、失礼いたしました。 店主: 店主:ここはおもいでレストラン[シャテンカーリ]です。 店主:普通うちにたどり着けるのは、冥界の受付で案内された方のみのはずなのですが、ごく稀にお客様のように夢の世界から迷い込む方がいらっしゃるのです。 店主:ご安心ください、お客様の肉体が生死の境目をさまよっている、なんてことはございません。 店主:「少しリアルな夢」くらいのものと思ってくださいませ。 店主: 店主:さて、どうしましょうか…。 店主: 店主:迷い人は本来夢から覚めるまで保護することになっておりまして、このままうちでくつろいでくださってもかまわないのですが…。 店主:せっかくですし、何か召し上がっていかれますか? 0:メニューが読めないことを指摘すると、店主が悪戯っぽく微笑む。 店主:ふふ、言いましたでしょう?ここは思い出レストランですよ。 店主:メニューは、貴方の記憶の中にあるはずです。 店主: 店主:…さぁ、思い浮かべてみてください。貴方の思い出の味を。 0:ふわっとメニューに文字が浮かぶ。 店主:!……こちらで、よろしいですか? 店主: 店主:かしこまりました。少々お待ちくださいませ。 0:店主は一瞬不思議そうな顔をして、奥へ引っ込んでいった。 0:しばらくすると奥から香ばしい香りが漂ってきて、店主が小さなカップを持ってきた。 店主:お待たせいたしました。アフォガートでございます。 店主: 店主:………え?あ、えっと……。 店主: 店主:あまりこういうことをお客様に言うのはよろしくないかと思うのですが、少し意外だったと言いますか… 店主:てっきり、奥様の手料理を召し上がられるのものだと思っていたもので。 店主: 店主:…昔近所にあった喫茶店のアフォガートですよね、これ。 店主:お客様は珈琲はブラックがお好みかと思っていたのですが、どうしてこれを…? 0:香りを楽しみながら、客が目を伏せる。妻の味は妻だからこそ、と語ってカップを口に運ぶ。 店主:……奥様の味は、奥様だからこそ…。 店主: 店主:そうですね、私としたことがとんだ思い違いをしておりました。 店主:例え味が同じであったとしても、奥様と囲んだあの食卓に適うはずがありません。 店主:だから奥様のお気に入りであった、あの喫茶店のアフォガートを思い浮かべられたのですね…。 店主: 店主:…ふふ、ここでお店を構えて随分経ちましたが、まだまだ勉強しなければいけませんね。 店主:ありがとうございます、大切なことを学べました。 0:カップの中身を飲み干した頃、視界がぼんやりと霞んできた。ハッと店主を振り返ると、店主がにっこりと微笑む。 店主:そろそろお時間ですね。ご来店、誠にありがとうございました。 店主: 店主:…え?お代ですか?……ふふ、もう頂いておりますよ。 店主:またのお越しを気長にお待ちしております。 0: 店主:ここは思い出レストラン、シャテンカーリ。 店主: 店主:当店ではお客様の思い出の味を真心込めてご用意しております。 店主: 店主:どうか、その思い出が色褪せないように。冷めないように。 店主: 店主:お代はその素敵な笑顔と、思い出の香りで。

店主:いらっしゃいませ。1名様でよろしいですか? 店主: 店主:かしこまりました、お席へご案内いたします。 店主: 店主:こちらのお席へどうぞ。 店主: 店主:…メニュー失礼いたします。ただいまお冷、お持ちいたしますね。 0:店主がお冷を持ってくる 店主:お待たせいたしました、お冷です。 店主: 店主:……え?メニュー…ですか?はい、こちらに載っておりますが…。 店主: 店主:…ここのお店、ですか?はい、ここは思い出レストラン[シャテンカーリ]です。 店主:お客様も受付でうちを紹介されたのでしょう? 店主: 店主: 店主:……ん?もしかして…… 店主: 店主: 店主:あぁ…なるほど!お客様、迷い人だったのですね! 店主:なるほどなるほど…これは失礼いたしました。それならばメニューも白紙に見えて当然ですね…。 店主: 店主:あ、先に説明が必要ですよね、失礼いたしました。 店主: 店主:ここはおもいでレストラン[シャテンカーリ]です。 店主:普通うちにたどり着けるのは、冥界の受付で案内された方のみのはずなのですが、ごく稀にお客様のように夢の世界から迷い込む方がいらっしゃるのです。 店主:ご安心ください、お客様の肉体が生死の境目をさまよっている、なんてことはございません。 店主:「少しリアルな夢」くらいのものと思ってくださいませ。 店主: 店主:さて、どうしましょうか…。 店主: 店主:迷い人は本来夢から覚めるまで保護することになっておりまして、このままうちでくつろいでくださってもかまわないのですが…。 店主:せっかくですし、何か召し上がっていかれますか? 0:メニューが読めないことを指摘すると、店主が悪戯っぽく微笑む。 店主:ふふ、言いましたでしょう?ここは思い出レストランですよ。 店主:メニューは、貴方の記憶の中にあるはずです。 店主: 店主:…さぁ、思い浮かべてみてください。貴方の思い出の味を。 0:ふわっとメニューに文字が浮かぶ。 店主:!……こちらで、よろしいですか? 店主: 店主:かしこまりました。少々お待ちくださいませ。 0:店主は一瞬不思議そうな顔をして、奥へ引っ込んでいった。 0:しばらくすると奥から香ばしい香りが漂ってきて、店主が小さなカップを持ってきた。 店主:お待たせいたしました。アフォガートでございます。 店主: 店主:………え?あ、えっと……。 店主: 店主:あまりこういうことをお客様に言うのはよろしくないかと思うのですが、少し意外だったと言いますか… 店主:てっきり、奥様の手料理を召し上がられるのものだと思っていたもので。 店主: 店主:…昔近所にあった喫茶店のアフォガートですよね、これ。 店主:お客様は珈琲はブラックがお好みかと思っていたのですが、どうしてこれを…? 0:香りを楽しみながら、客が目を伏せる。妻の味は妻だからこそ、と語ってカップを口に運ぶ。 店主:……奥様の味は、奥様だからこそ…。 店主: 店主:そうですね、私としたことがとんだ思い違いをしておりました。 店主:例え味が同じであったとしても、奥様と囲んだあの食卓に適うはずがありません。 店主:だから奥様のお気に入りであった、あの喫茶店のアフォガートを思い浮かべられたのですね…。 店主: 店主:…ふふ、ここでお店を構えて随分経ちましたが、まだまだ勉強しなければいけませんね。 店主:ありがとうございます、大切なことを学べました。 0:カップの中身を飲み干した頃、視界がぼんやりと霞んできた。ハッと店主を振り返ると、店主がにっこりと微笑む。 店主:そろそろお時間ですね。ご来店、誠にありがとうございました。 店主: 店主:…え?お代ですか?……ふふ、もう頂いておりますよ。 店主:またのお越しを気長にお待ちしております。 0: 店主:ここは思い出レストラン、シャテンカーリ。 店主: 店主:当店ではお客様の思い出の味を真心込めてご用意しております。 店主: 店主:どうか、その思い出が色褪せないように。冷めないように。 店主: 店主:お代はその素敵な笑顔と、思い出の香りで。