台本概要
167 views
タイトル | 寿幻夢 |
---|---|
作者名 | でんでろ3 (@dendero3) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 1人用台本(男1) ※兼役あり |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
落語「寿限無」をモチーフにしたファンタジー要素のある創作落語です。 役がたくさんありますが落語なのでゆる~く一人で演じて下さい。 167 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
落 | 男 | 17 | 落語家 |
八 | 男 | 32 | 八っつあん、長屋の住人 |
隠 | 男 | 25 | ご隠居、長屋のご隠居 |
親 | 男 | 5 | 親方、八っつあんの上司 |
子 | 女 | 6 | 寿幻夢と遊んでた友達 |
母 | 女 | 10 | その母 |
母 | 女 | 10 | 寿幻夢の母 |
先 | 男 | 5 | 寿幻夢の先生 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
落:これから始めるお話の世界はお馴染み日本のお江戸なんですが、ひとつだけ皆さんがご存知ないことがございます。それは、ちょいとばかり魔法が使えることでございます。だからといって、
落:「あたぼうよ、べらんめえ! こちとら魔女っ子でぇっ!」
落:なんてことには決してなりませんのでご安心ください。ちょいとばかり生活の中に魔法というものも添えられているという程度でございます。
落:さてさて、このお江戸にも、もちろん長屋というものがございまして、いろんな家族が住んでおりまして、毎日、騒がしく暮らしております。そして、当然、人生の先輩で何でも知っているご隠居も暮らしておりまして、何か知りたいこと、困ったこと、相談したいことができますってぇと、皆、このご隠居さんのところへと訪ねて行くわけです。
八:「ご隠居~! ご隠居~!」
隠:「おー、なんだい。誰かと思えば、八つぁんかい。どうしたんだい?」
八:「いやぁ~、実は、うちのかかぁが赤ん坊を生みまして」
隠:「おぉ~! それはめでたいじゃないか! 男の子かい? 女の子かい?」
八:「女の子です」
隠:「そうかそうか。いや、昔から『一姫二太郎』と言ってな、一人目は女の子がいいんじゃよ」
八:「ありがとうございます。それで、名前をどうしようかと思いまして、ご隠居にもいくつか候補を挙げて頂こうと思って参りやした」
隠“「お~、そういうことかい。それなら一生懸命考えさせて頂こうじゃないか。一体、どんな名前がいいんだい?」
八:「そうですねぇ。やっぱり、めでたくて夢のある名前がいいですね」
隠:「ほぅ。では、コトブキ、マボロシ、ユメと書いて『寿幻夢(じゅげむ)』なんてどうじゃ?」
八:「『寿幻夢』ですか?」
隠:「ああ、読んで字のごとくめでたくて夢のある名前じゃ」
八:「なるほど。あと、女の子だから、なんとなくいい香りのする子になって欲しいですね」
隠:「ふむ。では、『五香を振りまき』とかどうじゃ?」
八:「いや、ご隠居。それ、そのまんま過ぎませんか? 名前っぽくありませんよ?」
隠:「まぁでも、印象に残って人に覚えてもらえるじゃろう?」
八:「そういうもんですか?」
隠:「他に希望はないのかい?」
八:「人気(にんき)のある子になって欲しいです」
隠:「では、『海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ』で、どうじゃ?」
八:「確かに人気はあるかも知れませんが、女の子の名前としてどうなんですか?」
隠:「他の願いは?」
八:「お祭りみたいに楽しいのもいいですね」
隠:「では、『踊る阿呆に見る阿呆』はどうじゃ?」
八:「女の子以前に人の名前として問題ありませんか?」
隠:「憧れとかはないのか?」
八:「憧れですか? 苗字だったら『綾小路(あやのこうじ)』みたいなのには憧れますけど……」
隠:「では、『袋小路の道路工事』じゃな」
八:「ご隠居?」
隠:「あと八つぁんの好きなものは?」
八:「田舎育ちなので『田舎』」
隠:「『田舎(いなか)田舎(いなか) 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の』」
八:「あの……、大丈夫ですか? ご隠居?」
隠:「あとは何を望む!」
八:「勢いと華やかさ!」
隠:「『直滑降の蝶子』」
八:「えーっと……」
隠:「せっかくだから全部続けて読んでみよう」
八:「ええっ?」
隠:「えーっと? ……寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子」
落:するってぇと、どうしたことでしょう。ご隠居がスヤスヤと寝息を立てて座ったまま寝てしまいました。
八:「あれっ? ご隠居? ご隠居? 寝ちまったよ。しょうがねぇなぁー。……ちょっと、ご隠居! 起きて下さい!」
隠:「……お? あ、あれっ? あたしゃ寝ちまったのかい?」
八:「そうですよぉ、ご隠居。しっかりして下さいよぉ」
隠:「……おかしいな? そうだ、八つぁん! 今紙に書いたこの名前を通して読んでみちゃくれないか?」
八:「この名前をですかい? いや、そりゃあ、別に構いやしませんけど。ええと……寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子」
落:するってぇと、今度は八つぁんが先ほどのご隠居と同じようにスヤスヤと寝息を立てて座ったまま寝てしまいました。
落:この様子を見たご隠居はポンっと手を打ちますってぇと、立ち上がって家の奥の方へと飛んで行きました。そして、なにやら分厚い書物を持って来ますってぇとものすごい勢いでパラパラとページをめくりだしました。
落:しばらく致しまして、ご隠居が突然、
隠:「これだ~~~~~~~~~~~~っ!」
落:なんてぇ大声を上げるもんですから、寝ていた八つぁんもビックリ致しまして目を覚ましました。
八:「なんです? ご隠居? 大声出して? っていうか、わたしゃいつの間に寝てたんだ?」
隠:「いや、八つぁん。大変だ!」
八:「どうしました?」
隠:「私が今、適当に考えた名前が偶然、安眠の魔法の呪文になっておった!」
八:「えっ? さっきの名前って適当に考えたんですか?」
隠:「それは後で謝るから! それより、あの名前は古(いにしえ)の安眠の魔法の呪文で、口にした者は寝てしまうんじゃ」
八:「それは面白いですね、ご隠居。じゃあ、娘の名前はこれにします」
落:八つぁんはそう言うと家に帰っちまいました。
落:さて、八つぁんは家に帰ると家族を説き伏せて、この長ったらしい上に安眠の魔法の呪文である名前を娘に付けてしまいました。
落:翌日、八つぁんが仕事に行くと当然のことながら親方に聞かれました。
親:「おう、八! 子供の名前は決まったのか?」
八:「へい、おかげさまで」
親:「なんてんだい?」
八:「へい、『寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子』」
落:当然のことながら、八つぁんは寝てしまいました。
親:「おう、八! おまえ、なに寝てやがるんだ?」
八:「すいません、親方」
親:「しっかし、また、随分と長い名前だな」
八:「へい、一度聞いただけじゃ覚えられないでしょう?」
親:「なになめたことぬかしてやがる! 楽勝だぜ! いいか? 『寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子』」
落:当然、親方も寝ちまいました。
八:「おい! 静かに布団敷け! 寝かしとくぞ」
落:その内に、娘が大きくなって来ると近所の子供たちが集まって遊ぶようになります。
落:そんなある日、さっきまで仲良く一緒に遊んでいた子供がお母さんに泣きついてきました。
子:「うぇ~~~~~~~~~~~~ん!」
母:「どうしたの?」
子:「うぇ~~~~~~~~~~~~ん!」
母:「ケンカでもしたの?」
子:「うん」
母:「誰とケンカしたの?」
子:「えっと、寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子……」
落:当然のことながら子供は寝ちまいました。
母:「ほら、起きて」
子:「あ、お母さん。おはよう」
母:「で、何だったっけ?」
子:「ん? 寝たら何だかスッキリした。遊んで来る」
落:また、更に大きくなって参りますと寺子屋なんぞへと通うようになります。
落:そんなある日、寺子屋にて。
母:「こんにちは、先生」
先:「こんにちは。どうしました? お母さん」
母:「うちの子がいつもご迷惑をおかけしております」
先:「いいええ」
母:「毎日、出席を取るたびに寝てしまっているんですって?」
先:「ええ、まぁ」
母:「それでですね」
先:「なんでしょう?」
母:「うちの娘のことは、あだ名で呼んで下さい」
先:「それを言ったらおしまいだろーが! おっかさん!」
落:おあとがよろしいようで。
落:これから始めるお話の世界はお馴染み日本のお江戸なんですが、ひとつだけ皆さんがご存知ないことがございます。それは、ちょいとばかり魔法が使えることでございます。だからといって、
落:「あたぼうよ、べらんめえ! こちとら魔女っ子でぇっ!」
落:なんてことには決してなりませんのでご安心ください。ちょいとばかり生活の中に魔法というものも添えられているという程度でございます。
落:さてさて、このお江戸にも、もちろん長屋というものがございまして、いろんな家族が住んでおりまして、毎日、騒がしく暮らしております。そして、当然、人生の先輩で何でも知っているご隠居も暮らしておりまして、何か知りたいこと、困ったこと、相談したいことができますってぇと、皆、このご隠居さんのところへと訪ねて行くわけです。
八:「ご隠居~! ご隠居~!」
隠:「おー、なんだい。誰かと思えば、八つぁんかい。どうしたんだい?」
八:「いやぁ~、実は、うちのかかぁが赤ん坊を生みまして」
隠:「おぉ~! それはめでたいじゃないか! 男の子かい? 女の子かい?」
八:「女の子です」
隠:「そうかそうか。いや、昔から『一姫二太郎』と言ってな、一人目は女の子がいいんじゃよ」
八:「ありがとうございます。それで、名前をどうしようかと思いまして、ご隠居にもいくつか候補を挙げて頂こうと思って参りやした」
隠“「お~、そういうことかい。それなら一生懸命考えさせて頂こうじゃないか。一体、どんな名前がいいんだい?」
八:「そうですねぇ。やっぱり、めでたくて夢のある名前がいいですね」
隠:「ほぅ。では、コトブキ、マボロシ、ユメと書いて『寿幻夢(じゅげむ)』なんてどうじゃ?」
八:「『寿幻夢』ですか?」
隠:「ああ、読んで字のごとくめでたくて夢のある名前じゃ」
八:「なるほど。あと、女の子だから、なんとなくいい香りのする子になって欲しいですね」
隠:「ふむ。では、『五香を振りまき』とかどうじゃ?」
八:「いや、ご隠居。それ、そのまんま過ぎませんか? 名前っぽくありませんよ?」
隠:「まぁでも、印象に残って人に覚えてもらえるじゃろう?」
八:「そういうもんですか?」
隠:「他に希望はないのかい?」
八:「人気(にんき)のある子になって欲しいです」
隠:「では、『海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ』で、どうじゃ?」
八:「確かに人気はあるかも知れませんが、女の子の名前としてどうなんですか?」
隠:「他の願いは?」
八:「お祭りみたいに楽しいのもいいですね」
隠:「では、『踊る阿呆に見る阿呆』はどうじゃ?」
八:「女の子以前に人の名前として問題ありませんか?」
隠:「憧れとかはないのか?」
八:「憧れですか? 苗字だったら『綾小路(あやのこうじ)』みたいなのには憧れますけど……」
隠:「では、『袋小路の道路工事』じゃな」
八:「ご隠居?」
隠:「あと八つぁんの好きなものは?」
八:「田舎育ちなので『田舎』」
隠:「『田舎(いなか)田舎(いなか) 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の』」
八:「あの……、大丈夫ですか? ご隠居?」
隠:「あとは何を望む!」
八:「勢いと華やかさ!」
隠:「『直滑降の蝶子』」
八:「えーっと……」
隠:「せっかくだから全部続けて読んでみよう」
八:「ええっ?」
隠:「えーっと? ……寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子」
落:するってぇと、どうしたことでしょう。ご隠居がスヤスヤと寝息を立てて座ったまま寝てしまいました。
八:「あれっ? ご隠居? ご隠居? 寝ちまったよ。しょうがねぇなぁー。……ちょっと、ご隠居! 起きて下さい!」
隠:「……お? あ、あれっ? あたしゃ寝ちまったのかい?」
八:「そうですよぉ、ご隠居。しっかりして下さいよぉ」
隠:「……おかしいな? そうだ、八つぁん! 今紙に書いたこの名前を通して読んでみちゃくれないか?」
八:「この名前をですかい? いや、そりゃあ、別に構いやしませんけど。ええと……寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子」
落:するってぇと、今度は八つぁんが先ほどのご隠居と同じようにスヤスヤと寝息を立てて座ったまま寝てしまいました。
落:この様子を見たご隠居はポンっと手を打ちますってぇと、立ち上がって家の奥の方へと飛んで行きました。そして、なにやら分厚い書物を持って来ますってぇとものすごい勢いでパラパラとページをめくりだしました。
落:しばらく致しまして、ご隠居が突然、
隠:「これだ~~~~~~~~~~~~っ!」
落:なんてぇ大声を上げるもんですから、寝ていた八つぁんもビックリ致しまして目を覚ましました。
八:「なんです? ご隠居? 大声出して? っていうか、わたしゃいつの間に寝てたんだ?」
隠:「いや、八つぁん。大変だ!」
八:「どうしました?」
隠:「私が今、適当に考えた名前が偶然、安眠の魔法の呪文になっておった!」
八:「えっ? さっきの名前って適当に考えたんですか?」
隠:「それは後で謝るから! それより、あの名前は古(いにしえ)の安眠の魔法の呪文で、口にした者は寝てしまうんじゃ」
八:「それは面白いですね、ご隠居。じゃあ、娘の名前はこれにします」
落:八つぁんはそう言うと家に帰っちまいました。
落:さて、八つぁんは家に帰ると家族を説き伏せて、この長ったらしい上に安眠の魔法の呪文である名前を娘に付けてしまいました。
落:翌日、八つぁんが仕事に行くと当然のことながら親方に聞かれました。
親:「おう、八! 子供の名前は決まったのか?」
八:「へい、おかげさまで」
親:「なんてんだい?」
八:「へい、『寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子』」
落:当然のことながら、八つぁんは寝てしまいました。
親:「おう、八! おまえ、なに寝てやがるんだ?」
八:「すいません、親方」
親:「しっかし、また、随分と長い名前だな」
八:「へい、一度聞いただけじゃ覚えられないでしょう?」
親:「なになめたことぬかしてやがる! 楽勝だぜ! いいか? 『寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子』」
落:当然、親方も寝ちまいました。
八:「おい! 静かに布団敷け! 寝かしとくぞ」
落:その内に、娘が大きくなって来ると近所の子供たちが集まって遊ぶようになります。
落:そんなある日、さっきまで仲良く一緒に遊んでいた子供がお母さんに泣きついてきました。
子:「うぇ~~~~~~~~~~~~ん!」
母:「どうしたの?」
子:「うぇ~~~~~~~~~~~~ん!」
母:「ケンカでもしたの?」
子:「うん」
母:「誰とケンカしたの?」
子:「えっと、寿幻夢寿幻夢 五香を振りまき 海水浴場の水餃子とかき氷とフライ待つ 踊る阿呆に見る阿呆 袋小路の道路工事 田舎田舎 田舎の公民館 公民館の朝礼台 朝礼台のポンコツ瓶のポンコツ縄の 直滑降の蝶子……」
落:当然のことながら子供は寝ちまいました。
母:「ほら、起きて」
子:「あ、お母さん。おはよう」
母:「で、何だったっけ?」
子:「ん? 寝たら何だかスッキリした。遊んで来る」
落:また、更に大きくなって参りますと寺子屋なんぞへと通うようになります。
落:そんなある日、寺子屋にて。
母:「こんにちは、先生」
先:「こんにちは。どうしました? お母さん」
母:「うちの子がいつもご迷惑をおかけしております」
先:「いいええ」
母:「毎日、出席を取るたびに寝てしまっているんですって?」
先:「ええ、まぁ」
母:「それでですね」
先:「なんでしょう?」
母:「うちの娘のことは、あだ名で呼んで下さい」
先:「それを言ったらおしまいだろーが! おっかさん!」
落:おあとがよろしいようで。