台本概要

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タイトル 「オカマ探偵事件簿」~登山編~
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル コメディ
演者人数 3人用台本(男3)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 オカマバーの日常から派生したシナリオ、「オカマ探偵事件簿」大した推理はしないがオカマはたっぷり増量したお話、オカマ演技好きによるオカマ台本!今回はオカマバーのママと従業員の珠代(たまよ)が登山に行き事件に巻き込まれる。果たして見事解決出来るのか!
男女不問。アドリブ大歓迎。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ママ 60 オカマバー「たまガール」のママ。最近は景気が悪く副業で探偵業に手を伸ばす。怒らすと誰にも止められない最強生物。
珠代 36 オカマバー「たまガール」のキャスト。熊を素手で倒せる実力の持ち主。ママには頭が上がらない。
60 一件普通の登山愛好家の様な男。嫉妬深い性格。山登り用に身体は鍛えておりいい身体。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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男:はぁ、はぁ⋯やったか? 男:ざまぁみろ。俺を裏切らるからこうなるんだよ⋯ :間 男:よし、なんとかここまで戻ってこれたな。早く下まで降りないと⋯ん? ママ:ほらほら~珠代~、早く来なさいよ~置いてっちゃうわよ~? 珠代:ちょ、ちょっとママ⋯こんな重いもの持たせてんだから、もう少しゆっくり行ってちょうだいよ~ ママ:何言ってるの。あなた最近運動不足だって言ってたじゃない?鍛えてあげてるのよ 珠代:嘘~これって、ただママが楽したいだけじゃないの~? ママ:気にしたら負けよ、さあキリキリ歩きなさい⋯あら?誰か来たわね 男:おはようございます、それでは⋯ ママ:ちょっとお待ちあそばせ 男:え?わ、私に何か用ですか? ママ:私達女二人で山登りしに来たんだけど、ご飯の材料持ってき過ぎたのよね、ご一緒にランチタイムはどうかしら? 男:え⋯女? ママ:あーん?なんか言いまして? 男:いや、なんでもありません⋯ 珠代:ママったら、また一目惚れしちゃったのね。あなたも逆らわない方が身の為よ〜、怒らすと怖いから ママ:ああん?珠代、あんたなんか言ったかしら? 珠代:私は何もー 男:あの、私は朝から一人で登山に来てて、もう頂上まで登って終わってきたので、今から降りる所なんです。申し訳ないですが私はこれで⋯ ママ:まあまあ⋯旅は道ずれって言うじゃないの~、時間は、取らせないから⋯ね? 男:ヒィ!ちょ、く、苦しいです⋯ 珠代:早くギブアップした方がいいわよ~ 男:わ、分かりましたよ!ご飯食べるだけでいいんですよね!? ママ:ありがと~、さすが男前ね~ 男:く⋯なんて馬鹿力だ⋯ ママ:よし、珠代、テーブルとイス頼んだわよ 珠代:は~い。よいしょっと 男:え?なんですか、このかなり重そうな鉄製のイスとテーブル⋯ 珠代:トレーニングだってこれ持たされてたのよ、酷いと思わない? 男:あ、あはは⋯。あれ、拷問だろ⋯ ママ:さーて、料理は私に任せてちょうだい。お客さんを、おもてなし、しないとね~ :間 ママ:あらいけない。コーヒー入れるコップが一つしか無かったんだわ 珠代:え~?ママ、それって私の分もないじゃない~ポンコツママ~ ママ:よし、あんたは要らないようだからアッツアツのコーヒー、手で受け止めなさい 男:あ、良かったら私のコップを使って下さい。二つ持ってますから ママ:あら、ありがと。二つ持ってるなんて珍しいわね 男:え?ああ、予備に入れてたのがあったんですよ 珠代:あ~ん、優しいイケメン!どっかの鬼ババアとは違うわね~ ママ:良かったわね珠代、でも今の私への暴言は聞きづてならないわね。あんたの今月の給料、減らしとこうかしら? 珠代:嘘嘘!冗談よ~素敵なママ~ン 男:あの⋯お二人は同じ仕事をされてるんですか? 珠代:そうよ、私達「たまガール」って言うオカマバーで働いてるの。こっちがママで、私がキャストの一人よ 男:なるほど、どうりでオカマが二人⋯ ママ:まあ最近は不景気でね、オカマバーだけじゃやってけないから、他の仕事も始めたんだけどね 男:え、他にもお仕事をされてるんですか? ママ:そうよ。昼はオカマバーで、夜は探偵の仕事をやってるわ 男:た、探偵!? 珠代:それがね、ママの思いつきで始めたんだけどー、これがなかなか評判が良くって。最近はオカマバーよりそっちで稼いだ方が早いんじゃないかって思うわ ママ:オカマバーは私の夢だったから、絶対続けるわ。探偵は、まあ小遣い稼ぎみたいなものよ 男:そ、そうですか⋯あ、す、すみませんが私はこれで失礼します 珠代:あら、急にどうしたのよ? 男:ちょっと急用を思い出したので⋯ ママ:ガシッ!ちょっと料理を手伝って欲しいんだけど、いいかしら? 男:うぐっ!は、離せ⋯ 珠代:あ、ちなみにママは野生のヒグマを絞め落とすくらい強いからがんば~ ママ:お願い、出来るかしら⋯? 男:わ、わかりました⋯や、やります⋯ ママ:良かった~、ありがとね~ 男:はぁはぁ、なんて馬鹿力だ⋯ ママ:珠代、ちょっと来て 珠代:何?ママ ママ:今からちょっと調べて来て欲しい事があるから、頼んだわよ 珠代:え~めんどくさ~ ママ:あーん? 珠代:り、了解~行ってきまーす! :間 ママ:ありがとね、急にお手伝いお願いしちゃって 男:もう、お願いって言うか、強制的にやらされる事になったんですけど⋯ ママ:も~、男がいちいち細かい事気にしないのよ 男:はあ⋯なんでこんな事に⋯ ママ:あなた、名前はなんて言うの? 男:私ですか?田中ですよ ママ:田中さん⋯平凡なお名前ね 男:はは⋯よく言われます ママ:それで⋯今はどなたかお付き合いされてる方とかいるのかしら? 男:え?あ、ああ、いますよ。だからあなたの思いには答えられないと言うか⋯ ママ:そう⋯ならしょうがないわね、諦めるわ 男:え⋯? 男:(M)なんだ?このオカマ、あんなにしつこく迫ってきたわりに、やけにあっさり引き下がったな⋯ :間 珠代:ママ~戻ったわよ。さっき上も見てきたけど、ママが言ってた通りで間違い無かったわ ママ:そう、分かったわ。ありがとね 男:ん?何かありましたか?というか、そちらの珠代さん、何処に行ってたんですか? ママ:田中さん、あなたにちょっと聞きたい事があるんだけど 男:は、はい⋯何でしょうか? ママ:あなた、登山でこの山に来たって言ってたけど⋯それほんとかしら? 男:えっ!?⋯き、急に何を、おっしゃってるんですか? ママ:あなた、ほんとは山登りが目的でここに来たんじゃなくて、他の目的で来たんじゃない? 男:な、何を言ってるんですか、私はただ趣味の山登りをしに来ただけで⋯ ママ:登山が趣味ね⋯それは、嘘ね 男:な!?何を根拠に⋯ ママ:だってあなた⋯入山届け、出してないでしょ? 男:え⋯? 珠代:山に入る時に提出する物で、万が一遭難した時なんかに迅速に救助してもらう為に書くもの、それが入山届けよね 男:あ、ああ⋯入山届けね。もちろん知ってるよ、ただ提出するのは、ちょっと忘れてしまってたかな ママ:それはおかしいわね。この山を運営してる自治体は提出が義務になってるのよ?まさか登山が趣味な人がそんな事も知らない訳、ないわよね? 男:そ、それは⋯ ママ:何かここに来てる事が、他の人に知られるとマズイ事でも、あるのかしら? 男:そ、そんなもの⋯あるわけないでしょ? ママ:例えば⋯二人で来てる事がバレたくなかった、とかね 男:っ!ど、どういう事ですか?私は一人で、今日ここに山登りに来たんですよ? 珠代:あ、さっきのコップの事ね。一人で山登りに来たはずなのに確かに不自然だったわね ママ:正解、あんたもちょっとは分かるようになってきたのね。 男:ちょっと待って下さい、たったあれだけの事で⋯ ママ:じゃあその荷物の中身、見せてもらっていいかしら? 男:なっ!? ママ:私の予想じゃ、その袋の中には、二人分の道具が入ってるはずよ。どうかしら? 男:あ、あ~!そう言えば予備に全部二人分用意して来たんだよ、もしもって事があるからね~ 珠代:うっわ、苦しいイイワケね~ 男:だいたいなんなんですか!そんな訳の分からない事を聞いて、いったい何が言いたいんですか!? ママ:田中さん 男:なんですか! ママ:あなた、人を殺してるわね 男:なっ!⋯わ、私が?人を殺したって!? ママ:そうよ、違ってるかしら? 男:じょ、冗談でしょ?どうしてそう思ったんですか? ママ:ふふ⋯女の感、よ 男:あんた⋯男だよな? ママ:珠代、あんた見てきたのよね? 珠代:はーい、バッチリ見てきたわよ 男:み、見てきた? 珠代:さっき上に行ってたんだけど、途中の道の崖に、最近崩れたような跡があったわ 男:なっ!? ママ:このところ、この山の周辺は雨は降ってないのよ。勝手に崩れるっていうのは、ちょっとおかしいわよね 男:⋯ 珠代:てことは、あの下に⋯ ママ:そうね。きっと崖の下を捜索したら死体が一つ見つかるはずよ。それも、つい最近亡くなった人の、死体がね 男:く、くそっ!なんでこんな変なオカマ集団にバレたんだ!? 珠代:あ、ひっど~い、オカマに対する偏見~ ママ:一応聞いてあげるけど、なんで殺したのよ? 男:なんでだって?そんなの決まってる。アイツが俺を裏切ったからだよ! 珠代:アイツって、もしかして彼女かしら? 男:そうだよ⋯俺というものがありながら、他の男と浮気してたんだよ! 珠代:それで、殺したってわけね 男:あーそうだよ。へ、ザマーミロだ⋯ ママ:それくらいの事でね⋯。それって、あんたの男としての魅力が足りなかったから、浮気されたんじゃないかしら? 男:なんだと!何も知らないクセに⋯ ママ:あんたの事なんて知らないわよ。どういう理由があろうが、殺したら終わりよ。さあ観念しなさい 男:チッ! ママ:あら、逃げても無駄よ。珠代、やっちゃいなさい 珠代:まっかせてママ。はぁ~~!! 男:ヒッ!く、来るな~!! 珠代:うふ、捕まえた~。ドッセーーイ!! 男:うわぁぁぁ~~!!ガハッ!⋯ :間 ママ:お疲れ様、珠代 珠代:ふー、どうだったママ?私の渾身(こんしん)の一本背負いは? ママ:調子にのらないの。まったく、気合い入り過ぎちゃって殺しちゃうんじゃないかって心配したのよ? 珠代:もう~私だって手加減ぐらい出来るわよ~ ママ:この間、客の笑い話にツッコミ入れて入院させたの、忘れたと言わせないわよ? 珠代:な、なんの事かしら~? ママ:まったくこの子は⋯。さて、まだ山登りの途中だったけど、それをこのままにはして置けないわね 珠代:ええ~、せっかく久々のお休みで楽しみにしてたのに~ ママ:また来ればいいでしょ?今度は、熱出して来れなかった玉子(たまこ)も連れてあげてね 珠代:は~い。じゃあ、下まで運ぶの頑張ってね、ママ ママ:は?何言ってるのよ珠代、あんたがこいつを運びなさい 珠代:え~!?ちょっとママ~、私この重たい荷物もあるんだけど!? ママ:運動不足だったから丁度いいじゃない?さあ、帰るまでが山登りよ、いっくわよ~ 珠代:あ~ん、待ってママ~ :おわり

男:はぁ、はぁ⋯やったか? 男:ざまぁみろ。俺を裏切らるからこうなるんだよ⋯ :間 男:よし、なんとかここまで戻ってこれたな。早く下まで降りないと⋯ん? ママ:ほらほら~珠代~、早く来なさいよ~置いてっちゃうわよ~? 珠代:ちょ、ちょっとママ⋯こんな重いもの持たせてんだから、もう少しゆっくり行ってちょうだいよ~ ママ:何言ってるの。あなた最近運動不足だって言ってたじゃない?鍛えてあげてるのよ 珠代:嘘~これって、ただママが楽したいだけじゃないの~? ママ:気にしたら負けよ、さあキリキリ歩きなさい⋯あら?誰か来たわね 男:おはようございます、それでは⋯ ママ:ちょっとお待ちあそばせ 男:え?わ、私に何か用ですか? ママ:私達女二人で山登りしに来たんだけど、ご飯の材料持ってき過ぎたのよね、ご一緒にランチタイムはどうかしら? 男:え⋯女? ママ:あーん?なんか言いまして? 男:いや、なんでもありません⋯ 珠代:ママったら、また一目惚れしちゃったのね。あなたも逆らわない方が身の為よ〜、怒らすと怖いから ママ:ああん?珠代、あんたなんか言ったかしら? 珠代:私は何もー 男:あの、私は朝から一人で登山に来てて、もう頂上まで登って終わってきたので、今から降りる所なんです。申し訳ないですが私はこれで⋯ ママ:まあまあ⋯旅は道ずれって言うじゃないの~、時間は、取らせないから⋯ね? 男:ヒィ!ちょ、く、苦しいです⋯ 珠代:早くギブアップした方がいいわよ~ 男:わ、分かりましたよ!ご飯食べるだけでいいんですよね!? ママ:ありがと~、さすが男前ね~ 男:く⋯なんて馬鹿力だ⋯ ママ:よし、珠代、テーブルとイス頼んだわよ 珠代:は~い。よいしょっと 男:え?なんですか、このかなり重そうな鉄製のイスとテーブル⋯ 珠代:トレーニングだってこれ持たされてたのよ、酷いと思わない? 男:あ、あはは⋯。あれ、拷問だろ⋯ ママ:さーて、料理は私に任せてちょうだい。お客さんを、おもてなし、しないとね~ :間 ママ:あらいけない。コーヒー入れるコップが一つしか無かったんだわ 珠代:え~?ママ、それって私の分もないじゃない~ポンコツママ~ ママ:よし、あんたは要らないようだからアッツアツのコーヒー、手で受け止めなさい 男:あ、良かったら私のコップを使って下さい。二つ持ってますから ママ:あら、ありがと。二つ持ってるなんて珍しいわね 男:え?ああ、予備に入れてたのがあったんですよ 珠代:あ~ん、優しいイケメン!どっかの鬼ババアとは違うわね~ ママ:良かったわね珠代、でも今の私への暴言は聞きづてならないわね。あんたの今月の給料、減らしとこうかしら? 珠代:嘘嘘!冗談よ~素敵なママ~ン 男:あの⋯お二人は同じ仕事をされてるんですか? 珠代:そうよ、私達「たまガール」って言うオカマバーで働いてるの。こっちがママで、私がキャストの一人よ 男:なるほど、どうりでオカマが二人⋯ ママ:まあ最近は不景気でね、オカマバーだけじゃやってけないから、他の仕事も始めたんだけどね 男:え、他にもお仕事をされてるんですか? ママ:そうよ。昼はオカマバーで、夜は探偵の仕事をやってるわ 男:た、探偵!? 珠代:それがね、ママの思いつきで始めたんだけどー、これがなかなか評判が良くって。最近はオカマバーよりそっちで稼いだ方が早いんじゃないかって思うわ ママ:オカマバーは私の夢だったから、絶対続けるわ。探偵は、まあ小遣い稼ぎみたいなものよ 男:そ、そうですか⋯あ、す、すみませんが私はこれで失礼します 珠代:あら、急にどうしたのよ? 男:ちょっと急用を思い出したので⋯ ママ:ガシッ!ちょっと料理を手伝って欲しいんだけど、いいかしら? 男:うぐっ!は、離せ⋯ 珠代:あ、ちなみにママは野生のヒグマを絞め落とすくらい強いからがんば~ ママ:お願い、出来るかしら⋯? 男:わ、わかりました⋯や、やります⋯ ママ:良かった~、ありがとね~ 男:はぁはぁ、なんて馬鹿力だ⋯ ママ:珠代、ちょっと来て 珠代:何?ママ ママ:今からちょっと調べて来て欲しい事があるから、頼んだわよ 珠代:え~めんどくさ~ ママ:あーん? 珠代:り、了解~行ってきまーす! :間 ママ:ありがとね、急にお手伝いお願いしちゃって 男:もう、お願いって言うか、強制的にやらされる事になったんですけど⋯ ママ:も~、男がいちいち細かい事気にしないのよ 男:はあ⋯なんでこんな事に⋯ ママ:あなた、名前はなんて言うの? 男:私ですか?田中ですよ ママ:田中さん⋯平凡なお名前ね 男:はは⋯よく言われます ママ:それで⋯今はどなたかお付き合いされてる方とかいるのかしら? 男:え?あ、ああ、いますよ。だからあなたの思いには答えられないと言うか⋯ ママ:そう⋯ならしょうがないわね、諦めるわ 男:え⋯? 男:(M)なんだ?このオカマ、あんなにしつこく迫ってきたわりに、やけにあっさり引き下がったな⋯ :間 珠代:ママ~戻ったわよ。さっき上も見てきたけど、ママが言ってた通りで間違い無かったわ ママ:そう、分かったわ。ありがとね 男:ん?何かありましたか?というか、そちらの珠代さん、何処に行ってたんですか? ママ:田中さん、あなたにちょっと聞きたい事があるんだけど 男:は、はい⋯何でしょうか? ママ:あなた、登山でこの山に来たって言ってたけど⋯それほんとかしら? 男:えっ!?⋯き、急に何を、おっしゃってるんですか? ママ:あなた、ほんとは山登りが目的でここに来たんじゃなくて、他の目的で来たんじゃない? 男:な、何を言ってるんですか、私はただ趣味の山登りをしに来ただけで⋯ ママ:登山が趣味ね⋯それは、嘘ね 男:な!?何を根拠に⋯ ママ:だってあなた⋯入山届け、出してないでしょ? 男:え⋯? 珠代:山に入る時に提出する物で、万が一遭難した時なんかに迅速に救助してもらう為に書くもの、それが入山届けよね 男:あ、ああ⋯入山届けね。もちろん知ってるよ、ただ提出するのは、ちょっと忘れてしまってたかな ママ:それはおかしいわね。この山を運営してる自治体は提出が義務になってるのよ?まさか登山が趣味な人がそんな事も知らない訳、ないわよね? 男:そ、それは⋯ ママ:何かここに来てる事が、他の人に知られるとマズイ事でも、あるのかしら? 男:そ、そんなもの⋯あるわけないでしょ? ママ:例えば⋯二人で来てる事がバレたくなかった、とかね 男:っ!ど、どういう事ですか?私は一人で、今日ここに山登りに来たんですよ? 珠代:あ、さっきのコップの事ね。一人で山登りに来たはずなのに確かに不自然だったわね ママ:正解、あんたもちょっとは分かるようになってきたのね。 男:ちょっと待って下さい、たったあれだけの事で⋯ ママ:じゃあその荷物の中身、見せてもらっていいかしら? 男:なっ!? ママ:私の予想じゃ、その袋の中には、二人分の道具が入ってるはずよ。どうかしら? 男:あ、あ~!そう言えば予備に全部二人分用意して来たんだよ、もしもって事があるからね~ 珠代:うっわ、苦しいイイワケね~ 男:だいたいなんなんですか!そんな訳の分からない事を聞いて、いったい何が言いたいんですか!? ママ:田中さん 男:なんですか! ママ:あなた、人を殺してるわね 男:なっ!⋯わ、私が?人を殺したって!? ママ:そうよ、違ってるかしら? 男:じょ、冗談でしょ?どうしてそう思ったんですか? ママ:ふふ⋯女の感、よ 男:あんた⋯男だよな? ママ:珠代、あんた見てきたのよね? 珠代:はーい、バッチリ見てきたわよ 男:み、見てきた? 珠代:さっき上に行ってたんだけど、途中の道の崖に、最近崩れたような跡があったわ 男:なっ!? ママ:このところ、この山の周辺は雨は降ってないのよ。勝手に崩れるっていうのは、ちょっとおかしいわよね 男:⋯ 珠代:てことは、あの下に⋯ ママ:そうね。きっと崖の下を捜索したら死体が一つ見つかるはずよ。それも、つい最近亡くなった人の、死体がね 男:く、くそっ!なんでこんな変なオカマ集団にバレたんだ!? 珠代:あ、ひっど~い、オカマに対する偏見~ ママ:一応聞いてあげるけど、なんで殺したのよ? 男:なんでだって?そんなの決まってる。アイツが俺を裏切ったからだよ! 珠代:アイツって、もしかして彼女かしら? 男:そうだよ⋯俺というものがありながら、他の男と浮気してたんだよ! 珠代:それで、殺したってわけね 男:あーそうだよ。へ、ザマーミロだ⋯ ママ:それくらいの事でね⋯。それって、あんたの男としての魅力が足りなかったから、浮気されたんじゃないかしら? 男:なんだと!何も知らないクセに⋯ ママ:あんたの事なんて知らないわよ。どういう理由があろうが、殺したら終わりよ。さあ観念しなさい 男:チッ! ママ:あら、逃げても無駄よ。珠代、やっちゃいなさい 珠代:まっかせてママ。はぁ~~!! 男:ヒッ!く、来るな~!! 珠代:うふ、捕まえた~。ドッセーーイ!! 男:うわぁぁぁ~~!!ガハッ!⋯ :間 ママ:お疲れ様、珠代 珠代:ふー、どうだったママ?私の渾身(こんしん)の一本背負いは? ママ:調子にのらないの。まったく、気合い入り過ぎちゃって殺しちゃうんじゃないかって心配したのよ? 珠代:もう~私だって手加減ぐらい出来るわよ~ ママ:この間、客の笑い話にツッコミ入れて入院させたの、忘れたと言わせないわよ? 珠代:な、なんの事かしら~? ママ:まったくこの子は⋯。さて、まだ山登りの途中だったけど、それをこのままにはして置けないわね 珠代:ええ~、せっかく久々のお休みで楽しみにしてたのに~ ママ:また来ればいいでしょ?今度は、熱出して来れなかった玉子(たまこ)も連れてあげてね 珠代:は~い。じゃあ、下まで運ぶの頑張ってね、ママ ママ:は?何言ってるのよ珠代、あんたがこいつを運びなさい 珠代:え~!?ちょっとママ~、私この重たい荷物もあるんだけど!? ママ:運動不足だったから丁度いいじゃない?さあ、帰るまでが山登りよ、いっくわよ~ 珠代:あ~ん、待ってママ~ :おわり